仏像になる木の変遷
仏像は何でつくられているか。大仏さんのような銅など金属、乾漆、塑像、あるいは石仏もあるが、日本ではほとんど木製である。
ただ、その樹種は時代によって変遷している。
それがわかる展示が、奈良国立博物館にあったので紹介。
拡大しても文字は読みづらいだろうから簡単に紹介すると、左から
クス(7世紀飛鳥時代)、カヤ(8世紀奈良~平安時代)、ケヤキとヤマザクラ(9~10世紀平安時代)、ヒノキ(平安末期から現代まで)……である。
ちなみにケヤキの彫刻は難易度が高い。ヤマザクラもそんなに多くない。
クスとカヤの生木は柔かく、いい匂い。ビャクダンなど海外の仏像素材の代用になる。
ヒノキはどうか。実は群生し、大木も多くて大量に調達できるから。
これらは材料の調達のしやすさも絡んでいる。クスやカヤは、実は群生しないので大量に手に入りにくかった。ヒノキは建築材料として大量伐採されて運ばれてきたので手に入れやすくなったので使われた可能性がある。
もう一つ、刃物の切れ味も関係しているだろう。飛鳥時代は、まだまだよい刃物が誕生していなかった。鉄製のよい刃物がないと、硬いケヤキなどは扱いにくい。ヒノキも針葉樹材だから刃物がよくないと細かな部分を削れない。
鎌倉時代に入った頃から刃物がよくなったのかもしれない。ここんところは日本刀の変遷とも重なる。同時に砥石の存在も重要だろう。
スギやマツ材の仏像はあまり見ないのは、やっぱり木目の色がきつく木肌があまり細かく表現できなかったのかな。マツはヤニもある。ただし朝鮮半島などにはある時代以降、マツ製仏像が増えた。それは太い木はマツしか残っていなかったから……(^^;)。
とまあ、そんな風に想像していくと、林業が発達したことで、ヒノキ製仏像が増えたといえるのかもしれない。
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