奈良の林業を木材生産量から読む
こんな表を見た。
20年間の素材生産量の増減を示した統計のうち、下位10県だというのだが……なんと奈良県が半減している。1番は北海道だが、これは面積が全然違うので、増減率からすれば奈良県はダントツの1位だ。つまりもっとも減っている。
これを、どのように読み解くか。
奈良県の林業は壊滅的? もはや吉野林業は消えてしまうのか……。
いや、私は別の見方をしている。むしろ、この減産こそ、奈良県の林業が生き残れる証拠ではないか。よく吉野の大山主は、「材価が安いから100年寝かそう。その間、木は太る」と言っているではないか。
はっきりしているのは、どこの道府県も生産量は減っている。増加率トップは秋田県とか宮崎県などだが、いずれも生産量自体は減っている。
なぜ減るか。木材需要が減っているからだ。これまでは、それをバイオマスと輸出で誤魔化してきたが、そろそろ限界。
建築需要は、ずっと落ち続けている。これまでは、輸入木材による合板を国産材に置き換えることで国産材需要も保たれていたが、そろそろ限界だろう。置き換えられる分は置き換えた。住宅建築も人口減社会で増えるとは思えない。木造ビルを増やしても、木材の使用量的にはたいしたことはない。
増えているバイオマス燃料と輸出も、今後は怪しい。バイオマスは頭打ちだろう。国産燃料としては、今以上に増やせまい。輸出は今も伸びているが、将来的に明るくない。中国が主だが、中国も景気減退している。それに日本材など小さなシェアしかない。最初に切り捨てられる。
バイオマス、輸出とも九州が主立った生産地だが、はたして今後も素材生産量は伸ばせるか。そもそも山に木はあるのか。机上の計算では、「日本の山は太った」となるが、現実は違う。まず伐りだせる山がない。ほとんど皆伐で稼いできた木材生産量だが、機械を入れられる山は、どんどん少なくなっている。それでも出さないと林業事業体も製材所も破綻するから、盗伐もはびこる。
今頃、再造林に熱心になってきてているが、植えても40年~50年待てるのか。
需要はないよ。しかし需要がなければ行き詰まる。そろそろ林業全体の破綻が近いのではないか( ̄∇ ̄) 。
私は、ここで木材生産量の半減を主張したい。そうすれば出回る木材は減って価格は上がる。しかし林業従事者はどうする?
心配ない。林業従事者は実質4万人しかいないのだから、半分が失業しても2万人だ。そのうち半分は造林や育林、木材加工などに回せるだろう。流行りの里山で広葉樹林業!を取り入れたら、もっと吸収できるかもしれない。人手不足は農業や建設業もだから、十分に吸収できるだろう。そうした雇用の流動化をさせることこそ、国の仕事である。
伐採量を減らして、長く寝かして木材を太らせる。そして高く売る。これぞ、奈良の、吉野の戦略ではないだろうか。心配なのは、生産量の減少で従事者も減ると、技術の伝承は大丈夫か、という点だ。これこそネックである。吉野の大山主は、ここを頑張らないといけない。
以上、地元ヒイキ(^^;)の奈良の林業必勝論であった。
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