センスオブワンダー~南大東島の大洞窟で思い出す
8月24日のNHKスペシャルで、「絶海に眠る巨大洞窟南大東島・驚異の水中世界▼絶景を世界初撮影」を見た。
沖縄の南大東島の地下に巨大水中洞窟が発見されたことは、知っていたのだが、それがかなり詳しく調査結果を番組化していた。なにしろスタッフは、この洞窟をもぐるために訓練としてフィリピンの沈没船まで行ったというのだから力が入っている。
それにしても世界から注目されるほどの大洞窟がこんな小さな島の地下にあったなんて。今なら、NHKプラスで見られるよ。
昔、私もケイバー(洞窟もぐり者)だった私にとって、やはり見逃せない。もはや水中洞窟どころかフツーの洞窟だってきついのヤダーとなってしまっているが、新発見の興奮は強いのである。
洞窟は、地球最後の秘境と呼ばれている。探検し尽くされた地球で、未知の世界なのは地下しかないのだ。それに水中洞窟は、もっとも危険な場所としても知られる。とにかく、もぐると上下左右がわからなくなり、迷ったら死ぬ確率が異常に高い……。
私は、いくつかの新洞窟を発見しているが、そりゃもう、興奮しぱっなし(笑)。
これは小笠原諸島の母島で石門カルストで発見した石門洞。元はブタ穴という名で、野ブタが住んでいたというのだが、単なるくぼみだった。その底に小さな三角穴があったので、石を動かしたら洞窟が出現。そこを縦に10メートルくらい下ると、いきなり巨大な空間に出て、そこは鍾乳石がびっしりのホールだった。針天井の間と名付けたが、その発見した興奮は忘れられない。
こちらはソロモン諸島シンボ島のパツキオ山の火口。ここを降下して、洞窟を発見した。溶岩がつくった火口洞窟である。もっとも私一人では無理なので、数年後に探検部後輩たちを連れて行ってもぐる。地球中心への旅……のような気分だったが、内部はサウナのように暑く、コウモリだけでなくアナツバメも飛ぶ気色悪い洞窟だった。
だが、最深部に到達すると、こんな結晶に包まれたホールに出て……これも興奮したのである。
石門洞にしろ、パツキオ洞にしろ、その誕生や内部の地質、生成物は謎だらけだ。
最近、この手の「驚きの体験」「驚きの感覚」が減っている。いわゆるセンス オブ ワンダーは、人がもっとも大切にすべき感覚だと思っているのだが。新しいことを知って、それを驚き、不思議がり、神秘さを感じて楽しむ。驚くとどもになぜ?と考え、もしかして……と想像の翼を広げる。また、それを検証する。それこそが人類の進歩の原動力だと思うのだが。
むしろ予想外のことが起きたら、嫌がり否定する人が増えていないか。感覚で「好き!」「嫌い!」、そして「腹立つ」などの感情に流される。あるいは無理やり短絡化した結論を出す。早く納得したいのだろう。誰それが悪い、誰それが仕掛けた……といった納得の仕方をしようとすると、それが陰謀論を生み出す。
もうすぐ夏は終わる(はず)だけど、自然に触れ合う、いや自然とガッツリ四つに組むことで、感じる経験をしないと、人類は滅ぶよ。
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