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森と林業と動物の本

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2025年9月

2025/09/30

アシストスーツ、林業でも実用化

以前より重労働の現場に人に装着型ロボットならぬパワースーツが研究されていた。

私も幾度か取材して林業界への採用を記事にしたことがあるが、実験レベルに留まっていた。だが、ついに実用化するため採用する現場が現れたようだ。

林業の人手不足と腰痛課題に挑む 香川西部森林組合がアシストスーツを導入

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ただ、これは腰痛防止などが目的で、動力(電動モーターなど)を使わない人工筋肉によって背筋を支えるもののようだ。草刈り現場などで有効なのだろう。

マッスルスーツ Soft-Power(R)という名で、サポータータイプとか。人工筋肉のアシスト技術をサポーターの背面部に組み込むことで、サポータータイプでは最強クラスの補助力。腰の負担を35%軽減。……などと書かれている。本体重量が430gというのはすごい。

すでに製造・物流倉庫での持ち上げ・持ち運び作業や介護現場で使われ、姿勢維持、農作業の前傾姿勢などに効果を発揮しているという。言い換えると、山を登るとか、重いものを軽くするのではなく、腕などをサポートする。

私が以前取材したものは、動力でサポートするものだった。

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残念ながらコロナ禍で会社は解散してしまったが……。

いずれにしろ、ロボットやサイボーグ的に力を与えてくれるわけではない。機材の重さ分が増えるから、むしろ身体のの総負担は増えるはずだが、足や腕の筋肉の伸び縮みを補強することで楽にするものだ。

単にパワーを使う作業を機械で行うなら、乗用林業機械になるのだろう。アームで自在にものをつかみ運ぶことはできる。ただ機械を入れる作業道が必要で、それでも機械を入れたら森林土壌を破壊しがちだ。道路のない林内を移動したり小さなものをつかむ細やかな作業をいかにサポートするか。
まだまだ人間の手足で行う作業は、機械に真似ができない。

その前に、現在の林業でそのような細やかさは求められているのか。今は力付くでやればいいじゃん、細かなことするのはコスパが悪い、という雰囲気が横溢しているような気もする。

 

2025/09/29

「森の国・木の街づくり」宣言

林野庁がまたヘンなことを言い出した。

「森の国・木の街づくり」なんだそうである。それを宣言する市町村を募集している。

「『森の国・木の街』づくり宣言」に参画する自治体・企業等の募集を開始します

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字づらから、森に囲まれた国づくり、木がいっぱいある街づくり……をイメージするが、実はやりたいのは後半だけ。

本格的な利用期を迎えている森林資源を循環利用し、街の木造化を進める「森の国・木の街」の実現に向けて、自治体や企業等の皆さまが、建築物の木造化や木材利用の効果の見える化に取り組むことを宣言するものです。

森の国をつくる気は全然ない。もう木はいっぱいあるんだから、それを伐って木を減らし、木材にして街の建物に使おうということらしい。

本気で「木の街づくり」を国産材でやれば、日本の森は減ってしまうだろう。森の国か、木の街か、のゼロサムゲームのよう。

 SHK制度(温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度)なんてのも打ち出しているが、あまり自治体側にメリットは感じないなあ。

ただ、地球温暖化対策推進法には、温室効果ガス(GHG)の排出量の算定と国への報告を義務付けすることになっており、それを木材を使った建築物等を新築したら、自社のGHG排出量から木材利用による炭素貯蔵量を差し引いて報告することができるよう改正(R8.4施行予定)したから、それを目当てに応募するのかもね。

添付資料には、木の建設の良さを羅列しているが、これも先日書いた木育の欺瞞と通じるところがあるなあ。木を使っても、それを木だと認識している人は少ないのだよ。

林野庁は、木さえ使えばいいんだ、それで森がなくなってもいいんだ、と思っているに違いない(  ̄▽ ̄)。

 

 

 

2025/09/28

陸地面積の移ろいやすさ

石川県の面積が福井を抜いたという。その理由は能登大地震。

県面積、石川が福井を抜き逆転 能登地震で4平方キロ増 国土地理院

国土地理院は26日、全国の都道府県と市区町村の面積(7月1日時点)を公表した。2024年1月の能登半島地震で隆起した影響で、石川県の面積が4・74平方キロ増えて4190・94平方キロになり、福井県(4190・59平方キロ)をわずかに上回った。この結果、石川県の面積は全国の都道府県で34位、福井県が35位になった。

日本全体の国土面積は37万7980・29平方キロで、4月1日時点より4・92平方キロ増えた。

ようするに地震で海が盛り上がって陸地面積が増えたわけである。

国土面積は、意外と移ろい易い。地球温暖化で海面上昇が進んで国土が全部沈んでしまう危機にある太平洋の国、ツバルもそうだ。

近年は、海流で砂が運ばれて積層することで地上面積が増えていることがわかった。沈むどころか、国土が広かった?

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この点は,『虚構の森』の記事の要約という形で、プレジデントオンラインに掲載されている。

「115年前から32ヘクタールも拡大」温暖化で沈むはずのツバル諸島の面積が増えているという不都合な事実

編集部に『虚構の森』を読んだという読者から手紙が届いたそうだ。もっとも感想というより、自身の経験談として、学生時代に指導教官がツバルのことに触れた際に冷笑したらしく、それが元で教官と言い争いになったという……( ̄∇ ̄;) 。

ちなみに私の見解は、別にツバルは沈没するどころか国土を増やしてウハウハだ、ということではない。むしろ沈没の可能性は高まっていると思う。一時的に砂州ができて面積が増えても、その土地を開発できるわけではなく、海面上昇によって失われる海岸線の代わりにはならない。増えた部分も高潮で削られる可能性だってある。

物事を一元的、一方向からだけ見ていては、現実はつかめないのである。

私は、何もひねくれて世の中を見ているのではなく、素直に情報収集する中で、こうした事実を発見しただけだ。

ただ不都合な真実を見つけた時に隠さず紹介してしまうという、これも私という人間が素直であるゆえに行えるのである( ̄^ ̄)。いかに私ができた人間であるかがわかるだろう。と、こう自画自賛してしまうところは傲慢だけど(笑)。

 

2025/09/27

秋の若葉、秋の花

庭のミカンの木を見ると、木によって豊作・不作があるのだが、成っていても実が小さい。

単に剪定を怠ったからなのか……と思うが、昨年は放置しても大きな実が成った。夏の水不足が原因かもしれない。

が、ようやく涼しくなってきて気づいたのは、若葉が次々と出ていることだ。

20250926_082701_20250927115501ミカンの若葉

この木は、もともと葉の量が少ないのが気になっていたのだが、まさか秋になってから若葉が伸びだすとは。

そういやキハダやリンゴの木も、今頃若葉が出ている。草花にもこれまで見かけなかった草が伸びて花を咲かせるものがある。逆に昨年までうるさいほど伸びていた種類の草がすっかり姿を消してしまっている……。

20250927-1611511リンゴにも若葉

そして池のオオカナダモも、今頃花が咲き始めた。通常は初夏なのだが、今年はほとんど咲かなかった。それが秋になって咲き始めるとは。

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ただちに異常とは言わないが、例年とは違う芽吹きや開花が起きているのは間違いない。

まあ、全部、夏の暑さを理由にしてしまうと楽なんだけどねえ。

2025/09/26

EUDR、再延期か

EUDR、EUの森林破壊防止規則の発令がまたも延期になりそうだ。

EU、森林破壊防止規則の開始をさらに1年延期へ 欧州メディア報道

EUDRとは、EU内に森林関連製品を輸入販売、あるいは輸出する企業に対し、製品が生産される際に森林破壊を引き起こしていないかの調査(デューデリジェンス)を求める制度。

日本も直撃?EU森林破壊防止規則の破壊力

ものすごく地味で複雑で海の向こうの話なので、気がつかない人もいるだろうが(^^;)、私も、何本も記事にしてきた。

こんな規則が制定されるなら、もし世界中に広がるなら、地球は変わる!ぐらいに思えた。

なぜなら、「合法でもダメ」なのだから。合法でも森林破壊は許さない。そんな意思をEUは示したのだ。

日本も他人事ではない。対象となる森林関連製品は木材、パーム油、大豆、牛肉、コーヒー、カカオ、天然ゴムの7品目にくわえて、これらを原料に作られる紙やチョコレート、タイヤ、皮革、家具といった「派生製品」も対象になるのだから、日本も直撃なのだ。

ただ昨年12月にスタートするはずが、1年延期とされた。そして、その延期期限が近づいてきた今、再び延期するかもしれない……。

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実は、今年6月ごろにも、そんな動きが見えた。EUの中のいくつかの国が延期をぶち上げたのだ。そして、いくつかの点で異議を申し立ててEU議会で議論しかけていた。

私は、その動きを捉えて、ちょうど執筆中だった雑誌で取り上げようとした。EUDRに逆風というだけでなく、世界中に反環境の嵐が吹こうとしている……。だが、書いてから悩んだ末に引き下げボツにした。

やはり、まだ不確定要素が多くて、まだ再延期になるとは言えないからだ。それから、あわてて別の記事を書かねばならない……とバタバタしたのであった。

しかし、とうとう本気で再延期する動きが始まったか。

23年の発効時には、大手企業には24年12月30日から、中小企業には25年6月30日から義務付けを始めることになっていた。だが24年12月、EU理事会と欧州議会は、これらの義務の適用開始を1年延期する改正案に合意。大手企業は25年12月30日から、中小企業は26年6月30日から適用されることになった。ここからさらに1年延期する可能性が高まった。

ロスウォール委員から欧州議会環境委員会のアントニオ・デカロ委員長と議長国デンマークに送られた23日付の書簡によれば、企業から提出された情報を管理するIT(情報技術)プラットフォームの機能に懸念があることが理由だという。

もちろん、まだ決定ではないし、完全否定しているわけでもない。しかし、世界的に反気候変動対策、反人権、反SDGs……の動きが強まっているのは事実。

画期的だった「合法であっても森林破壊したらダメ」というEUDRの原理を葬られてしまうことのないように今後を注視したい。

 

2025/09/25

木材輸入額1位はベトナム!

毎月見ている「モクレポ~林産物に関するマンスリーレポート~」。

9月号で目についたのは、木材輸入額。1~7月という変則的なものではあるが、一位はベトナムだった。

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気がつけば、今年だけでなく、ここ数年なのだった。米材でも欧州材でも、ましてや南洋材(インドネシア、マレーシア)でもなくなっていてるだね。意外ではあるが、納得感もある。

なぜなら……と考える前に、こちらのグラフをご覧あれ。

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単位を変えなくてはならないほど木質ペレットの伸びが大きく、しかもベトナムが圧倒的なのだ。いうまでもなく、バイオマス発電用の燃料なのだろう。一部、合板もベトナム製があるようだが。

ついでに言えば、製材はアメリカやカナダが多いものの、まだロシアがかなりある(-_-;)。よく取引してるなあ。

 

木材輸入ばかりではなく、輸出も伸びている。

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フィリピンが大きい。これは製材だが、加工してまた日本にもどってくるのだろうか。それとも第3国に?

分析するよりも、時代の流れを感じた……というのが感想(^^;)。

 

 

2025/09/24

居酒屋で見つけた割り箸

たまに大阪に出て、「身体のメンテナンス」を行う。これを定期的にしないと、身体がきしみだすのである。

その後、少し街で昼呑みすることを覚えた。これは「心のメンテナンス」である(^o^)。

身体がほぐれた後に少々の酒を入れて、ぼおっとする時間は至福だ。こうした過ごし方によって頭の中を整理できる。

さて、今回はカウンターに座って目の前で作業する女性のホール係を眺めていた。洗い物を引き受けつつオーダーを捌いているのだが、その合間に割り箸を箸袋に詰める作業を行っていた。問題は、その割り箸だ。

吉野杉箸の天削だったのである。高級割り箸の一つだ。

より正確にいうと、ちょっと赤身と白身などが入った紅白と呼ぶ箸。まあ、吉野杉箸の中では二級品扱いされるが、なんの、輸入される白樺やアスペンの元禄割り箸に比べれば相当に高級である。

しかし、私の前にあるのは、プラスチック箸(> <;)。

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この写真は、呑み食いが終わってお愛想する時に撮影したのだが、黒いプラ箸であった。

席に着けば、自動的に出されるのは、プラ箸なのである。

別に不満はない。こうした安価で回転の早い居酒屋で割り箸が出されることに期待していなかった。仮に割り箸を出してもらっても、それが輸入元禄箸では、そんなにうれしくないこともある。天削にも竹製が出回っているが、これも輸入物。
最近は割り箸を持ち歩くことも減り、また使うのも、それなりに高級なのにプラ箸が出された時に限る。おとなしく時流に流されているのである……が。

目の前に天削の、国産割り箸が並べられている。今、せっせと箸袋に詰めている天削箸は、いつ使うの?

それで、その女性と目が合った時に尋ねてみた。「その割り箸、何を注文したらもらえるの?」
何か割り箸でないと食べにくい料理とか、値の張るものを注文した時に、ようやく提供される特典的な箸なのか?

すると、要望があればいつでも割り箸を出しますよ、とのこと。なんと! そうだったのか。

もうプラ箸を使っているのに、改めて割り箸をもらうのは申し訳ないから、今回は諦めた。
ただ「割り箸、いいなあ。杉割り箸いいなあ」を連発したのである。「次は割り箸頼むからね」と念押しをして。割り箸ファンがいることを覚えさせる魂胆。割り箸を出せばお客が喜ぶんだなあ、と思ってくれたら、割り箸の価値が高まるはずだ。

皆さんも、もし割り箸も頼めると気づいたら「割り箸を!」と声を上げよう。

ちなみに、この店の経営元は、奈良の造り酒屋だ。それで奈良産の天削箸を安く仕入れられるのかもしれない。しかし、プラ箸のコスト、洗浄するコストと比べたら、やはり高くつくのだろう。この手の店で、こんな割り箸を使えるのは滅多にない。

 

2025/09/23

またも不思議な花

庭に、白い花が咲いていた。

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一瞬、スイセンかと思ったが、いやいやいや、まさか。こんな季節に。
そこでお得意のグーグルレンズさんに聞いてみた。

すると「シラユキゲシ」と出た。なるほど、そこで示される写真の花と似ている。これでキマリだな、と思ったが、よくよくシラユキゲシを調べると、花が咲くのは早春……。なんだ、この季節だと狂い咲きか?

しかし、葉などを見ていると、ちょっと違うぞ。そこで改めて検索。「シラユキゲシに似た花」で。

クロッカスにも似ているが、こちらも開花するのは早春だ。では何?

イヌサフランが近いぞ。しかし、花の形が少し違うように……。

ゼフィランサスというのもあるな。こちらは夏に花が咲く。レインリリーという名もあるが、昨夜雨が降ったしなあ。ちなみに、和名は「たますだれ」。どうやら、この当たりか。ヒガンバナに近いらしい。

しかし、これも球根で増えるというが、そんなものを植えたことはないのである。種子だって飛んで来るとは思いづらい。謎だ。

植物の移動に関して、もう少しわかりやすい説明はできないものか。

2025/09/22

木の馬の埴輪……はにま~

なら歴史芸術文化村で、見かけたもの。

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ハニワぽいが、木造である。馬のハニワはよくあるが、ハニマ~というらしい(笑)。しかもベンチだと書いてある。座っていいのか。どちらかというとまたがるのかな。

少し手で触れ押すと、意外や軽い。移動させることもできそうだ。そこで穴を覗いてみることにした。

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中がきれいにくり抜かれている。しかもノミで削ったようだから、かなりの手間をかけているわ。木彫のアート作品なのであった。販売するには高くつくだろう。

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もう一方から覗く。スマホで撮影したのだが、写真をよく見ると、何か落書き……ではなく、記号が書き込んである。組み立てに使ったのか、何か説明するためなのか。

たまに仏像や建築物でもそうだが、解体すると、そこに文字が現れることがある。製作者が急に身近になる一瞬である。

 

2025/09/21

世界の国を人工林率で見ると

林野庁は、毎月、「森林・林業・木材産業の現状と課題」を公表している。

それに目を通してみた。基本的な項目と政策を俯瞰するのによろしい。その中でも面白く思ったのは。

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各国の森林率は見飽きているが、右側は各国の人工林面積と人工林率で示している。意外と珍しいように思う。

上位の中国、アメリカ、ロシア、カナダといった大陸国家は人工林面積こそ多いが、その広さから比べると驚くほど少ない。ロシアが日本の2倍もない。中国は、近年急伸しているが、人工林面積8470万ヘクタールというのは、日本の8倍程度なのだ。インド、ブラジルといった亜大陸国家も、面積は日本とたいして変わらない。

人工林率では、ドイツとスウェーデンが約50%もある。日本は40・8%。むしろ中国の38・5%に近い。フィンランドが32・9%と意外と低い。

 

せっかくだからほかの項目も。

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今後の林業のあり方だが、ひたすら低コスト化による終始プラス化をめざすらしい。木材価格は変わらない。木材の価値向上による利益拡大という発想はないらしい。木材なんて、加工次第で値段は何倍にも変わるのに。

そして違法木材対策。

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まあ、クリーンウッド法だからなあ(´Д`)。どうせなら罰則つけろよ。登録業者が盗伐やっている現状を抑える要素がない。

 

 

 

2025/09/20

土倉家の家紋の植物を読む

土倉家の家紋入り袱紗を見せていただく機会があった。

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長く土倉庄三郎を初めとする土倉家について随分調べてきたのに、家紋については目を向けていなかった。

この家紋を、「隅切り角に立ち沢瀉」という。読み方は、「すみきりかくにたちおもだか」。隅切り角というのは、周りを囲んでいる枠の隅が切られているものを示す。沢瀉とは、オモダカという植物名。水田やため池、沢などに自生するオモダカ科の多年草だ。

このオモダカの花と葉を図案化しているのだが、それが立っているから立ち沢瀉なのだろう。オモダカは面高とも記す。

沢瀉紋について調べてみた。

瀉の葉の形は、矢尻に似ていることから「勝軍草」「勝ち草」ともいい、戦陣の縁起物とされ多くの武将に好まれた。また「面高」と呼ばれるように「面目が立つ」という語呂にも通じる。

戦国大名「毛利元就」が沢瀉にトンボが止まっているのを見たあとに戦に勝ったことから、吉祥のものとして毛利家の家紋とった……という伝説もあった。この沢瀉紋を使う武家は、椎名、梁田、毛利、木下、浅野、酒井、堀越、沢井、水野、土井、福島など、わりと多い。

そこでよく似た家紋を探してみた。

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いろいろある。

土倉家とは、どこでつながるのだろう。土倉家の素は楠木家とされるのだが、楠木正成の使った家紋は菊花と流水、いわゆる菊水である。しかし、それは後醍醐天皇から下賜された紋なので、その前の紋があったのかもしれない。

しかし、オモダカは水田の雑草だと思う、写真で見ると、小さくて見映えもよくない。しかし平安時代には蒔絵の紋様にも描かれた。そして古武士たちは有り難がって紋や衣装のデザインとした。そういえばオモダカの一種クワイは、「芽が出る」縁起物である。

日本人と植物の関係は、家紋から見ても趣がある。

 

2025/09/19

紀伊國屋書店新宿本店にて

東京では紀伊國屋書店新宿本店にも寄った。

ここ、実は書店としてはそんなに大きくない。最近の巨大書店に比べれば、本の種類も冊数もイマイチだろう。が、本店のプライドにかけて、選書はこだわっている……はず。

その目で、森林コーナーを見る。

拙著は何があるかな。。。おっと、最初に目に止まったのは『森は怪しいワンダーランド』だ。それから……『虚構の森』。あ、訳書になるが、『フィンランド 虚像の森』もあった。棚はバラバラに分散気味。が、肝心の本が……。

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絶望の林業』と『盗伐 林業現場からの警鐘』は、平積みになっていた。本のポップで隠れていたよ……。まあ、出版後2年以上経っているのに平積みなんだから有り難い。『山林王』は、このコーナーには置いてなさそう。

こーゆーチェックは、書店の動向をつかむために大切なのである。

2025/09/18

科博「植物×匠」展にて

実は昨日まで千葉~東京に行っていた。なかなか忙しく、取材して食って飲んで……ああ会議もあった……が、その合間に覗くところはないかと探す。そして国立科学博物館に寄ってきた。ただ、ここでも時間がなくて、特別展「氷河期展」は見られず、常設館の「植物×匠」展だけ見る。

これは竹中大工道具館との共催で、主に日本の伝統家屋の建て前で使われる植物~木材だけでなく、茅葺き、檜皮、畳……などを紹介するミニ展示。

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この木材見本、わかるかな? 左からスギ、ヒノキ、アカマツ、そしてクリだ。

鉋屑で臭いも感じる……はずだが、すでに日にちが経っていて、臭いはほとんどしなかった(笑)。

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こんなコーナーで林業を紹介していた。誰か、ツッコミたい人、いる?

まあ、それにしても思うのは、暑すぎる(> <;)。街を歩くと熱いスープの中を泳ぐような気持ちになる。熱帯地方を旅したときの記憶が蘇った。もはや秋は来ないで、延々と暑い日々が続くのだ……。

おまけに科博の常設館には、こんな森林を模したコーナーもある。

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クマもいる(^^;)。先日の「森遊館」構想にはほど遠いが、こうした屋内施設内に森林環境を作り上げて、さらに林床に生きた草木を植えて動物も生活させることはできないか。

 

 

2025/09/17

林野庁の予算請求概要を概観する

林野庁のホームページに来年度の予算請求の項目が並んでいた。

令和8年度林野庁予算概算要求の概要

いろいろ見どころ見あるのだろうが、私が目を止めたのは「2050 年ネット・ゼロ等に貢献する「森の国・木の街」の実現に向けた森林資源循環利用施策の総合的な展開」というタイトル(^o^)。へえ、こんな言い方をするのか。

「森の国・木の街」なんてキャッチフレーズは以前からあったのだろうか。森林資源循環利用施策でもあるんだね。林業という言葉は消えている。

概要を紹介する。

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毎年同じような文言が登場するが、ここでも私が目を止めたのは、「CLT等の輸出促進」である。

CLT、国内ではなかなか利用が広がらないのだけど、輸出を考えていますか。国内が無理なら海外へ、なのか、生産を伸ばして国内消費を伸ばす狙いがあるのか。しかし、輸出となると、主にヨーロッパ製とガチンコ勝負となる。あちらの方が価格はずっと安いし、素材も国産のスギより強度があるなど有利ではなかったっけ。

あと「森業」という言葉もまだ生きていたか。以前、「森業・山業」という名の補助金制度があって、実は私も応募したのであった。そして補助金とはどんなものか、体験させてもらった。徳島旅行もできたし……(^^;)。

2枚目では、「スマート林業・DX推進総合対策」が4億円、鳥獣被害防止対策 2億円……。昨年の2倍になっているようだが、どちらも名称はよく出てきて有名なのに、予算案はこんなに少額なの?スマートスマートと言い続けているわりにはしょぼい。あくまで「戦略拠点の構築等を支援」であり、実際の必要費用は、ほかの項目にもぐりこませているのかもしれないが。

シカ対策も大変だと騒ぎつつ、この金額か。シカ捕獲ポイントの特定調査など、効率的な捕獲に必要な取組を実施、支援なんだそうだが。現場の捕獲費用などは、自治体に別の金が下りているのかな。

とまあ、こうして眺めるのもいいものだたよ。まず予算案を知ることから始めないと。多くの人が予算案に興味を持たないで、決定した数字だけを見て文句を言っても始まらない。

 

 

2025/09/16

Wedge ONLINEに『全国に広がる子どもたちへの「木育」』を書いた裏事情

Wedge ONLINEに『全国に広がる子どもたちへの「木育」、こんな教育で木や森が身近になるのか?』を執筆しました。

※Yahoo!ニュースにも転載されています。

全国に広がる子どもたちへの「木育」、こんな教育で木や森が身近になるのか?

木育、広がっています。タイトルは、なんとなく腐しているように読めるけど……。

実は、もっと問題点を書きたかったのだが、抑えたのでした(⌒ー⌒)。

どうせなら「絶望の木育」としたかった(笑)。まあ、裏取りできたエビデンスがない、自分の感覚だけで腐すのも、というのが筆を抑えた最大の理由だが、木のオモチャで遊ばしておけば木育だろ、という雰囲気は世間に漂っていて、それに対する反発はある。

もちろん木のオモチャで遊ぶこと自体は悪くはない。ただ、大層な効果は見込めないよ、というのが本音だ。プラスチックの遊具でも同じ効果があるかもしれないし、情操の育成にはまったく別の要素が絡むのかもしれない。すでに木育は、言葉だけが踊り、木がなくてもいいレベルなのだ。児童の情操教育の一つのアイテムにすぎない。

いっそ、木育広場の横で「木造住宅展示会」「リフォーム相談会)も開けばよいのかもしれない。児童の保護者はちょうど「自分の家」を欲しがる年代である。そこを狙い撃ちする。木のオモチャ販売コーナーも設けたら、少しは売れる。そうすればビジネス的な効果が見込めるのではなかろうか。

 

2025/09/15

史上、もっとも高価な杉樽

木樽の需要は少なくなった。かつては液体の輸送に欠かせないアイテムだったのに。

今は小さな贈答品用の樽があるだけだ。むしろ木桶の方が、最近は需要が生まれている。一部の日本酒や味噌、醤油メーカーがこだわりから木桶を使っている。樽は、洋酒メーカーなどが寝かせるための広葉樹材の樽が少しある程度。

その中で、とてつもない木樽、それも杉樽を見つけてしまった。

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これは、貯水槽である。あるのは川上村のかわかみ源流学園。まだ開校して1年の新しい義務教育学校(9年生)なのだが……。ここに貯水槽として木樽を設置している。もちろん材料は吉野杉である。だが、それだけではない。

なんと使われたのは、400年生の杉なのだ。「歴史の証人」と名付けた人間が植栽して育てた木としては最古級の杉を伐採して、つくった樽なのである。そんな木を使うとは……見たところ、高さは3m程度だが、木目の細かいこと。どこにも節はない。日本一高くつく木樽だろう。

吉野林業は樽丸林業とも呼ばれていて、以前は樽桶部材の生産で知られたのだが、それを彷彿させる“作品”と呼べるような木樽だ。

ちなみに木の貯水槽でもっとも有名なのは、南極の昭和基地だろう。氷点下40度、50度まで下がる南極では、金属はおろか合成樹脂も持たない。極低温では破壊されてしまう。その点、木材は全然平気。だから南極の野外に置く容器は、木でなくてはいけないのである。

 

2025/09/14

池の金魚異変

気がつけば、庭の池に見知らぬ金魚が増えていた。

夏前には15匹の金魚がいるはずなのに、写真には16匹目の影が写っていた……という話を書いた記憶があるのだが、改めて見ると、見知らぬ金魚が……。

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下に薄く写っているのが、通常の金魚。体長は5、6センチある。やはり春からすると成長しているなあ、と思うのだが、その上に写る小さな金魚。通称、小赤。あきらかに、これまで見かけなかった個体だ。1センチあるかないか。

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さらに、もう1匹。こちらは少し大きいが、2センチはない。

どうやら大きくなった従来の金魚が産卵して、孵化して何匹か生存しているらしい。このまま順調に育てば、金魚の数も増すはずだ。餌やりが大変だな……と感じたのはここだけの話。

最大23匹(小赤20匹と大きなコメット種3匹)を入れたのが、どんどん減って、春先は11,12匹になったはずだ。新たに購入して追加しようかと思ったほどだったが、また増えてきた。

ただ、夏前に生き残っていたコメット1匹が、このところ見当たらない。こちらは体長10センチ近くあったはずなのだが。夏の間に姿を消した。遺骸は見つからないから、死んで食べられたのか、鳥などにさらわれたのか。もしかしてネコ?とか想像している。元気だったので、いきなり死ぬとは思いにくい。もう少し探索してみよう。

 

2025/09/13

海遊館があるなら森遊館があってもいいじゃないか

大阪の水族館・海遊館に行ってきた。ジンベイザメの泳ぐ巨大水族館として話題になり、オープン当初はよく取材にも行ったものだ。今回は、近くに行った際に、せっかくだからと寄ったのだが、最後に行って20年ぐらい経っているだろうか。

大阪の観光客はみんな万博に行って空いている……と期待したが、甘かった。チケットを買うためだけに長く並んで、しかも入場時間指定なのである。外国人も多い。田舎者は万博行けよ。←排外主義
ようやく入れて、ホッとして最初に感じたのは……汗くさい(> <;)。みんな並んで汗かいて、それが一斉に屋内に入って満員なのだから、相当臭っているよ(´Д`)。。。

とはいえ、エアコンはよく効いていて、ホッとした。その点だけでも万博よりマシだな。

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人波に負けずに、ゆっくりと回る。すると、なかなか見せるじゃないか……と感じる。昔より格段に見せ方が上手くなっている。巨大魚やイルカ、ペンギンなどの人気者だけでなく、カタクチツワシの群とか珊瑚礁とか、展示も工夫がされている。
たとえば巨大水槽前にベンチがあって、そこに座れたら、落ち着いて水槽内の生き物と対話できるのだ。海面から海底まで徐々に深くもぐりつつ観察できるのも楽しい。時間制限もない。

思えば万博の展示は薄っぺらかったなあ。あれで感動したという人がいるんだから……。(万博批判ヤメレ)

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水の中だけでなく、水上なども整備しているし、動物の動きを考えた設定だ。迷路のような海底に小さな穴や隙間があり、そこをペンギンやアザラシがくぐっていくのを見ると、楽しそうでもある。単調でないし隠れ家もつくっている。万博のパビリオンは、生き物などいず、映像ばかり。そしてトコロテン式に客を流すんだよな。それが腹立つ……(しつこい)

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カタクチイワシとアオリイカか。この飼育は難しそう。

眺めていると、心までほぐれていくのである。オッサン一人で水族館なんて……という心配もしていたのだが、気にしなくてよかった(^o^)
その点でも万博より楽しめる。万博は長くいるとイラつくばかりで……(ヤメレ)

ふと思った。海の世界は、このような水族館として見せる施設があり、また人気を呼んでいるのに、森を見せる施設はほとんどない。野外の本物の森を歩いたら、というのでは駄目なのだ。エアコン効いていないし雨では歩けない。説明もほとんど樹種程度である。

だが、水族より森の動植物の方が展示は簡単でコストも安いはず。大木はレプリカでもよいが、小径木や草は室内でも育てられる。

ちゃんと屋内施設で、森の生態系を見せる施設をつくれないか。森を立体的に見せるコースもつくってほしい。梢から樹冠を歩き、徐々に枝を伝って下に下りる。また地下にもぐるのだ。土壌の中に透明チューブを通して地下生物を展示できる。アリの巣が見られるとか、落ち葉の間から透明ドームで顔を出して、森の中を眺めたら面白い光景が描けるはずだ。

植物の温室のような感覚で森の中を周遊して観察できたら楽しめるのではないか。小動物を生きたまま放すのもよいだろう。リスやノウサギ、タヌキぐらいなら飼える。もしかしたら小型のサルもOKかもしれない。クマは無理だけど。

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ショーとしては、たまに森の中に林業家が現れて、伐採するとか(⌒ー⌒)。木登りをしてもよい。水族館でも、よく飼育員がスクーバダイビングしているではないか。

海遊館があるのなら、森遊館があってもいいぞ。それぐらいしないと、森林の理解は広められない。見せる場と学べる場を両立させた施設だ。

誰か計画しないかなあ。あるなら企画に参加したい。万博よりも楽しめる恒久的な施設にできるはずだ。

2025/09/12

高校の森林系は消え伝統建築科へ

奈良南高校の学科の再編が発表された。

県立奈良南高校 宮大工を養成する「伝統建築科」新設へ

奈良県教育委員会は県立奈良南高校に宮大工を養成する全国でも珍しい「伝統建築科」を新たに設置することを決めました。

「伝統建築科」が設置されるのは、大淀町と吉野町に学舎がある県立奈良南高校です。

県教育委員会によりますと、高校では毎年、定員割れが続いているということで新たに宮大工の育成や伝統建築の技術に特化した「伝統建築科」を設置し「普通科」と「情報科学科」をあわせた3つの学科に改編することを決めました。

これ、伝統建築科の新設にスポットを当てているが、個人的には森林系がなくなったことに目が止まった。
奈良県立の奈良南高校は、最近、吉野高校と大淀高校が合併してできた新設校である。そして吉野高校には、森林科学科、さらに以前は林業科のあった高校であった。

少し歴史を概観すると、1902年(明治35年)に設立された農林学校に原点があるのだが、そこに林科があって定員は38人と農科よりも多かった。そして1923年に吉野林業学校となる。さらに川上村に移転して演習林も約90ヘクタールある全国屈指の林業学校となる。川上村こそ吉野林業の中核という思いが強かったのだろう。

卒業生には官庁や銀行、医師もいて、海外渡航する者も多かった。政治家や財界も輩出している。
戦後は、一時期普通高校に再編されたが58年に再び林業高校へ。そして珍しい高校の林業博物館も設置される。ここには、実はとてつもないブツが並んでいるのだが……正倉院や法隆寺の遺物とか台湾の植物標本とか……それはともかく、78年に工業高校と合併して吉野高校になった。また川上村から吉野町へ移転もしている。

だが、生徒数の減少に加えて、林業界に就職する者はほぼゼロ状態が続き、合併続きで 森林・土木探究科 になるのだが……。
それでも生徒数減少に歯止めがかからず、今回の「伝統建築」の分野に衣替えすることになったわけだ。「森林」と
いう分野より、建築の方がまだしも生徒にウケると睨んだか。今回の再編で、完全に森林分野は消えることになる。100年以上の歴史も打ち止めだ。

4_20250912093701川上村に残る碑

かろうじて材料は森林から伐りだす木材だよ、それは林業だよ、という程度には基礎教養で残すのかもしれないが。基本は大工養成だろう。

まあ、奈良と言えば大仏とシカだけでなく、伝統建築である(^^;)。現役の宮大工が講師となるそうだし、2級建築士や木造建築士の受験資格も得られるらしい。伝統建築に特化した公立高校の学科は関西では初めてのようだ。新潟県や熊本県にはあるが。

なお旧吉野高校の校舎には、奈良県立フォレスターアカデミーが誕生している。歴史的経緯は違うし高校でもないが、こちらが林業の学びの伝統を引き継ぐのだろう。

2025/09/11

なぜ黄変?ゴーヤ続報

今年の我が家はゴーヤが豊作であることは幾度か伝えているが、いよいよ末期状態?になってきた。

数か増えるだけでなく、黄変が進んでいるのだ。もはや採りきれないし、食べきれない。

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この写真の中にいくつの黄変ゴーヤがあるでしょう。見た目より多いよ。

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こちらは2階のベランダ。気がつけば黄変ゴーヤが鈴なり……。

諦めて黄変したものは捨てている、いや庭に投げて土にもどることを期待している。しかし驚くのは黄変のスピードが上がっていることだ。昨日は緑のままで、もう少ししたら収穫……と思っていたら今朝には完全黄変。しかも大きくならない。

これまではある程度の大きさになってから黄変が始まったが、今では小さなままでも黄変が進む。

最近は昼間こそ酷暑そのものだが、夜は気温がかなり下がる。おかげで安眠しやすくなったが、それが関係するのかもしれない。気温の変化で生長する前に熟すことを選ぶのも植物の生理か。どこで感知しているのかわからないが、これも秋の気配と思っておこう。

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黄変ゴーヤも美しくはあるのだけどね。

2025/09/10

水産業者の嘆きが他人事でない……のはなぜ?

たまたま水産業者の記事を読んでいた。

ようするに漁師も漁協も卸業者も、そして消費者もみんながトクするウィンウィンな新ビジネスを開発し、頑張って普及しているのだけど……という話。そこに何が起きたか。

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とくに漁協組合長が抵抗勢力になる話。常にやらない理由を探し、自分がやらないだけでなく他人がするのを邪魔し、単純にマーケットを知らない以上に「面倒だからやりたくない」意識が強い。

まあ、ここに紹介した以外にも、さまざまなエピソードがてんこ盛りで、漁師や漁協だけでなく、卸の同業者も出し抜こうとさまざまな邪魔しつつ、自分だけ儲ける手を考える……契約の概念もなく、目先の利益に飛びつく人たち。

笑ってしまうと同時にひんやりしたものが背筋に流れるのだけど、こんな様子って、別の業界にもありますよね(⌒ー⌒)。ほら、あの業界とか……。

 

2025/09/09

「修理する権利」訴訟

最近、身の回りの機材がよく壊れる。

昨日は、コピー機が上手く紙を吸い込んでくれないので修理を頼んだら、訪問修理すると最低2万2000円、時間がかかれば(30分以上)その分が増えていく。交換部品代別。しかも私の機種は20年以上経つので製造中止になっており部品もないだろう……と言われてしまった。ようするに修理は厳しいということだ。ちょうどトナーを交換したばかりなのに。
A3まで複写でき、縮小拡大も可能な高性能タイプなので、買い換えると数十万円するようだ。かといってリースするほど毎日使用しているわけじゃない。
もうコピー機は諦めるか。プリンターでは厳しいときもあるのだが。(だいたいプリンターもインクを購入したばかりの時に壊れて買い換えたのだ。)しかし、使えないから引き取って、といったらまたもや有償である。

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一方で我が家のトイレのウォシュレット便器。サイドからポタリポタリと滴が落ちる。1日で受け皿に深さ数ミリくらいしか溜まらないが、メーカー販売店に修理を依頼すると「交換です。同じ機種なら30万円」と来た。アホな、と断って、サイドを開けて私が分解してみる。傷んだ個所はわからなかったが、全部清掃して再び設置すると治った。素人の私ができたことをせずに、買い換えを勧めてくるのかよ。数か月に1回ぐらい、掃除する覚悟はいるが。

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ただ単純に買い換えさせるために修理はできない、というのではなくなっている。最近は機械も複雑になってスマート化の名の元にIC技術が入ってくると、簡単に修理もできなくなった。外部の者が勝手にいじれないようブラックボックスを設けているのだ。

アメリカでは、スマート化した高性能農業機械の修理ができないことで訴訟となっている。大規模農場だと巨大農機が多く使われていて、自身で修理工房も抱えている農家も多い。あるいは修理専門会社もある。ところが、メーカーは勝手な修理をさせなちなってきた。

こうした動きは、使用者の「修理する権利」を奪っているということで問題になってきた。すでに修理する権利訴訟は世界的な大きな社会運動となっている。日本でもスマホの電池を自分で交換できないことを指摘する声もあるが、あまり大きくないようだ。

もちろん電子機器やソフトウェアが絡むと、勝手にいじられると余計に壊れるという考え方もあるが、同時にブラックボックスゆえの秘密保持も絡むのだろう。パテントとは別に、技術の著作権的なものを主張するメーカーもある。

2022年6月、アメリカのニューヨーク州議会では「修理する権利(Right to repair)」が可決された。電子機器メーカーに、23年半ばから修理に必要なパーツやツール、修理マニュアルを提供することが義務づけられている。

日本人は、あまり自身で修理する覚悟はなさそうだ。昔の農機具ならいざ知らず、現在では故障したらすぐJAかメーカーに頼んでしまう。高齢化が進んで電子化についていけない人も増えた。今後、もっとスマート化が進めばどうなるか。

そしてスマート化を推進する林業機械も、メンテナンスという点からすると極めて危うい。修理だけでなく、カスタマイズも絡んでくる。各地で必要とする性能が違うからだ。しかし、日本の農業や林業の規模だと、メーカーも対応してくれない可能性もある。
スマート林業機械の修理を依頼したら、どれほどの金額になるか。今でもアタッチメント交換だけで数千万円というケースもあるそうだ。

スマート化という言葉の裏に潜む機械メンテナンスの落とし穴かもしれない。

 

2025/09/08

犬用ジビエ商品、大流行り?

奈良市にできた道の駅「クロスウェイなかまち」。ちょっと無理した命名だが、蛇行剣発掘ですっかり有名になった富雄丸山古墳の近くだから、いつも混雑している。将来的には古墳の資料館も建てて、一大観光スポットにするつもりだな、と睨んでいる。

ここで見つけたのがジビエ。

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おお、イノシシやシカのジャーキーに缶詰にお菓子か……と思って気づいた。

犬用だった。

間違えて購入してしまうところだ。しかし、実にバラエティに飛んだ商品群。骨つきもあれば、ドッグフードによくあるタブレット状もある。デザインもかわいい犬の絵を散らばめている。マジで自分が食べるつもりで購入した人もいるのではないか。
お値段はそこそこするが、人が食するジビエほどではない。

これが、今後のジビエの方向性かな、と思える。犬用ならば、仕留めた獲物の処理にあまり気をつかわなくて済む。すぐに血抜きしなくては駄目とか、暴れた個体は蒸れ肉になって食えないとか、衛生管理のため専用解体場で処理しなくては違反とか、人様の食用ジビエは条件が厳しいのだ。そのため価格も高くなる。
それに比べると、犬の餌にする分には気にしない。血なまぐさい方が好きかもしれない。価格は一般のドッグフードより多少高くても愛犬には惜しまない飼い主も多い。

これまでも人が食えない部分をドッグフードの材料にすることは行われていたが、あまり前面に出していなかった。なんか、残り物処理ぽい。でも、ジビエであることを売り物にした方が欲しがる飼い主も多いのかもしれない。

ただ採算が合うかどうかが微妙。有害駆除で報奨金を受け取れれば、ジビエの代金を上乗せの稼ぎになると考えるべきか。

2025/09/07

バイオ炭でJクレジット

先に牛のゲップを抑えることでJクレジットの取得をする話題を紹介した。

牛のゲップが金になる!思い出した過去記事

今度は、もみ殻でつくるバイオ炭でJクレジットを取ろうとする会社があることを知った。山形県の株式会社庄内こめ工房と、有限会社田和楽。
米作をしているのだが、そこで出る膨大なもみ殻をバイオ炭にして土壌改良材などにして売っていくそうだ。土壌改良とは、木炭の微細な隙間に微生物が生息するほか、通気性や保水力なども富んでいるので、作物の成長がよくなる……というわけである。パイオ炭と名付けているが、ようするにもみ殻燻炭である。昔からある。専用の窯装置もある。

それだけに留まらず、木炭は炭素を固定するからとJクレジットの取得をめざすというのだ。来年1月ぐらいまでに申請するそうだ。
炭と言っても、燃焼させるのではなく土壌改良材だから土壌に漉き込むわけだ。すると、炭素が固定されることになる。腐りやしないから゛ほぼ永久的な固定ではなかろうか。

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私は、炭素固定を進めるには、この土壌内に炭を漉き込むことが最大の効果的方法だと思っている。木造建築で炭素固定など、嘘八百を並べるよりよほど科学的だ。

改めていうが、木を使って炭素固定だ、木造建築は町の森だというのは、デタラメである。ようするに木を伐って、製材して、それを使うまでに排出するCO2は馬鹿にならないし、そもそも製材になって使える木は、全体の3分の1以下、さらに言えば木造建築も100年以上保てることは少ない。ほとんと解体されて燃やされるのである。
もちろんバイオマス発電はすぐに燃やすし、紙だって、土木資材だって、合板だって、寿命は短い。全部、CO2として炭素を放出してしまう。全然炭素固定になっていない。

その点、土壌に漉き込めば、その土地で大火事でも起きない限り、炭素のままだ。火事が起きても深ければ燃えない。10センチも地下なら大丈夫だ。日本の黒ボク土は、過去の森林や草原の火事でできた炭が混じっているから黒い……という話も聞いた。

すでに国際的には「4パーミル・イニシアティブ」が唱えられている。4パーミルとは、4/1000(0.4%)のことで、全世界の土壌中に存在する炭素の量を毎年 4/1000 ずつ増やすことができたら、大気中の二酸化炭素の増加量をゼロに抑えることができる、という運動だ。フランス政府が提唱したと記憶する。

農水省も取り入れている。正確に言えば、山梨県が進めているのに便乗している(^^;)。

4パーミル・イニシアチブ普及推進協議会

これこそ、現実的な気候変動対策になるのではないか。もみ殻バイオ炭もいいし、ほかの炭でもいいのだが、とにかく燃やさずに土壌に漉き込もう。そうすれば土壌も健康的になる。そうすると作物の稔りもよくなる。
その上にJクレジットも取れて、お金に変わるとしたら、万々歳ではないか。農地全部にバイオ炭を漉き込むことを義務化しよう。

山梨県では認証制度までつくっているという。その点については、私もブログに書いていた。

アイデア勝負か、4パーミル認証制度?

林業でもやったらいい。林地残材をチップにして、炭化して穴掘って埋める(笑)。素晴らしい森が生まれるような気がするぜ。

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木炭は、燃やすだけが能じゃない。農にもなる。

2025/09/06

押す、押忍、推す!

生駒某居酒屋。

最初に扉を開けると、この壁が。

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この壁はなんだ、と思って押すと開いてトイレであった。。。。ちなみにお店そのものは2階にある。始めて来店した人は、トイレを探して焦るだろうな。

なお、使っている木材も、多種多様。民家をリフォームして立ち上げた居酒屋なのだが、リフォームした大工があちこちから残材を集めて作ったそうで、さまざまな種類が混ざっている。まあ、暗いし、酔っているから、どんな樹種があるのか見極められなかった。次の機会を。

2025/09/05

龍次郎の写真に見る目黒界隈の今昔

貴重な写真を紹介しよう。

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これは大正年間に発行された「日本園藝雑誌」の口絵。つまりグラビアである。写っているのは、目黒駅前にあった「菜花園」。その経営者は、土倉龍次郎だ。台湾から帰って来た龍次郎は、目黒駅前の上大崎に約2000坪の土地を取得した。今なら何十億円にもなりそうな一等地だが、当時は山手線ができてまもなく、目黒駅も田舎駅扱いだった。上大崎も丘になっていて川も流れる田園地帯。そこに温室を築いたわけだ。

この温室には、カーネーションのほかトマトとキュウリを育てたという。その記念撮影らしい。一部をアップすると、こんな具合。

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顔までわからないのだが、おそらく右端の子供を抱いているのが龍次郎だろう。ほかのメンバーはわからない。7人いるが、全員が雇っている園丁ではなく、書生なども混ざっているのではないか。

私が注目したのは、背景の街並み。家もあるが、全体に木立が目立ち、煙が上がっている。暖房なのかもしれない。どちら方面からの撮影かわからないが、後ろの方が高く丘陵地だという点から、白金台辺りではないか。これが大正の始め、おそらく1915年ぐらい。

せっかくだから、当時の地図を見る。

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1917年発行の地図だから、ほぼ写真と同年代。

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せっかくだから現在の目黒駅前の写真も。変貌ぶりを眺めるのも悪くない。

2025/09/04

いつはげ山になった?

暇つぶし的にスマホで漫画を読んでいた。女子高生が戦国時代にタイムスリップして、織田信長に仕えて農業の革新を行う……なんて、ありがちなシチュエーション。まあ、戦国時代に行って、武器をつくるのではなく農業だというのが新機軸なのだろうが。だが、こんな漫画でも勉強になる点がある。

そこで綿花栽培をする際に説明にあったのが、「日本人が敷布団や掛け布団で寝るようになったのは明治以降」という点である。

そうか、布団という言葉自体が新しかったのか。つい時代劇で、殿様が布団に寝ている姿が映されるが、あれは特殊ケースなのだろう。庶民や貧乏侍は自ら着ていた福やゴザをかぶる程度だったらしい。

そうした歴史を知ると、今ある日本の姿も変わって見える。

それと同じく気づいたのが滋賀県の田上山である。

ご存じかどうか、最近まではげ山だったのだ。なぜなら奈良時代の大仏など平城京を建設する際に、この山の木を全部伐ってしまったから……。表土は風化花崗岩なので、一度表土を剥がすと、どんどん崩れて緑化もままならず、石と砂の山のままだった。その景観から、標高は低いのに湖南アルプスと呼ばれる。

戦後、国が必死で緑化砂防を進めて、現在ではかなり緑がもどってきているが、それでも岩がゴロゴロしている。

だから森林破壊は怖いのである……という事例で、よく取り上げられる。

Photo_20250903122401以前、私が登ったときの様子。

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だが、これが嘘っぽいことがわかった。

先日参加した森林総研関西支所の講演会で、ベリリウム10を使った土壌の年齢測定という発表を聞いた。それに触発されて教えてもらったのが、田上山がはげ山になったのは、奈良時代ではないよ、ということだ。

はげ山の土壌が生成されたのは、せいぜい江戸時代の初め頃とのことである。

その頃、新規農地開拓がものすごく進められ、それこそ根こそぎ木を伐られたらしい。そのためにはげ山になった。平城京の建設で大木を伐ったのでははげ山にならない、ということが証明されたのであった。

 こーゆーのは、子細に見えて環境を語る際に重要なのだ。大仏殿用に巨木を伐るのと、農地開発で木を根こそぎ伐るのとは影響が違うのだ。

2025/09/03

Y!ニュース「クマは都会が好き。…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「クマは都会化好き。クマの出没は世界中で起きていた」を執筆しました。

今年の夏も、クマの出没がニュースによくなる。コメントをつけたものもあるが、そろそろイヤになってきた。

常にニュースは、個別の事例を追って語るが、そこでは暗に「日本の現状は異常。日本だけが特別」という意識が見え隠れする。そして日本社会が悪い、と言いたがっているようでもある。
ハンターも足りないし、銃規制が厳しすぎるよ、日本の山は荒れているんじゃないか……と、原因を求めがちだ。

しかし、世界に目を向けてみると、決して珍しい現象ではないことに気づく。どこも、とくに欧米や中進国ではよく起きているのだ。
ちょうど花粉症なども同じである。日本だけが花粉症に苦しんでいる、これは原因物質を出すスギを植えすぎたからだ、という重いが強まり、スギを伐採せよ、という意見になっている。だが、花粉症は世界的に起きているのだ。それぞれの国で、それぞれの花粉で苦しんでいる。

となれば、地球的な規模でこの現象を見るべきだろう。花粉症しかり、クマの都会出没しかり。

ま、決定的な証拠は見つからないのだけどね。研究もされていないようだ。ただ、世界中で起きている現象を突き合わせると、なんとなく共通点が浮かび上がるものだ。

結論。クマは都会が好き。 人間の若者と同じ(^^;)。

 

 

 

 

2025/09/02

無断伐採調査結果の公表

昨年度の盗伐、いや無断伐採についての調査結果か公表されていた。

民有林の無断伐採に係る調査結果(令和6年)について

あくまで情報提供や相談が寄せられた件数なので、全体からすると氷山の一角なのだろうが、それなりに参考になる。前年度に比べてわずかながら増えている。

図表を貼付する。詳しくはリンク先を見てほしい。

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とくに林野庁は、この結果についてはコメントしていない。ただ、このようなサイトもある。

森林窃盗、無断伐採事案の未然防止

盗伐を減らすところまではいかないようだ。両者の認識の違い、というのも、どう解釈するべきか。間違えただけ、誤伐だ、というのをどこまで信用するのか。むしろ、その後の賠償をどれほど真摯に行ったかという点を考慮に入れた方がよいかもしれない。

 

 

2025/09/01

牛のゲップが金になる!思い出した過去記事

気になるニュース。

牛のゲップが〝資産〟に変わる? 温暖化の原因メタンガス抑制、日本初の実測型カーボンクレジット発行――鹿児島

南日本新聞である。

肉用牛の生産で出る温室効果ガス(GHG)排出量削減の実証実験に取り組むJA鹿児島県経済連(鹿児島市)が、二酸化炭素換算で68トンを削減したとして、民間主導のカーボンクレジット制度での発行が認められた。経済連によると、実際の飼育環境でのデータに基づいたクレジット発行は国内で初めて。

牛が出すゲップにはメタンが含まれており、それが地球温暖化を進めてしまう……この理屈は以前より知っていた。世界中で飼われている牛の頭数は莫大で、彼らの出すゲップの量も少なくないからだ。

しかし、これを削減したらカーボンクレジットが取れるとは。これを買い取る企業などが現れたら金になるわけだ。畜産の新たな収入源になるのか。。。。

カーボンクレジットで注目されているのは、森林だろう。CO2を吸収するから、これをクレジットにして販売したら林業の新たな収入源、とよく言われている。残念ながらあまり広がっているようには見えないが。しかし、その間に畜産界が進めていたのか。しかし、どのようにゲップをさせなくするのか。補助飼料って何? その内容が気になる。

実は、私も牛のゲップ問題を取材したこともある。というか、そのゲップを出さないようにする画期的な器具を発明!という記事を書いたのであった。ブラシ状の器具を飲ませると、それが胃の中で刺激を与えて消化をよくする。本来は日本で身高くて手に入りにくい干し草の代わりになるものなのだが、結果的に牛を健康にしてゲップを出にくくする。ついでにモツとしても上等になる。

調べてみると、ビーパル1993年の2月号、なんと30年以上前であったか。フリーライターとして独立間もない時期である。当時は、こんな突拍子もないことの取材をさせてくれた。今はお呼びがかからない(^^;)。

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タイトルはウシがかわいそう……という書き方になっているが、飲ませるのは円筒の紙に包まれたもので、それが胃の中で開いてブラシとなる。私も見本を貰ってきたはずで、我が家のどこかに眠っているはず……。

 

 

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