居酒屋で見つけた割り箸
たまに大阪に出て、「身体のメンテナンス」を行う。これを定期的にしないと、身体がきしみだすのである。
その後、少し街で昼呑みすることを覚えた。これは「心のメンテナンス」である(^o^)。
身体がほぐれた後に少々の酒を入れて、ぼおっとする時間は至福だ。こうした過ごし方によって頭の中を整理できる。
さて、今回はカウンターに座って目の前で作業する女性のホール係を眺めていた。洗い物を引き受けつつオーダーを捌いているのだが、その合間に割り箸を箸袋に詰める作業を行っていた。問題は、その割り箸だ。
吉野杉箸の天削だったのである。高級割り箸の一つだ。
より正確にいうと、ちょっと赤身と白身などが入った紅白と呼ぶ箸。まあ、吉野杉箸の中では二級品扱いされるが、なんの、輸入される白樺やアスペンの元禄割り箸に比べれば相当に高級である。
しかし、私の前にあるのは、プラスチック箸(> <;)。

この写真は、呑み食いが終わってお愛想する時に撮影したのだが、黒いプラ箸であった。
席に着けば、自動的に出されるのは、プラ箸なのである。
別に不満はない。こうした安価で回転の早い居酒屋で割り箸が出されることに期待していなかった。仮に割り箸を出してもらっても、それが輸入元禄箸では、そんなにうれしくないこともある。天削にも竹製が出回っているが、これも輸入物。
最近は割り箸を持ち歩くことも減り、また使うのも、それなりに高級なのにプラ箸が出された時に限る。おとなしく時流に流されているのである……が。
目の前に天削の、国産割り箸が並べられている。今、せっせと箸袋に詰めている天削箸は、いつ使うの?
それで、その女性と目が合った時に尋ねてみた。「その割り箸、何を注文したらもらえるの?」
何か割り箸でないと食べにくい料理とか、値の張るものを注文した時に、ようやく提供される特典的な箸なのか?
すると、要望があればいつでも割り箸を出しますよ、とのこと。なんと! そうだったのか。
もうプラ箸を使っているのに、改めて割り箸をもらうのは申し訳ないから、今回は諦めた。
ただ「割り箸、いいなあ。杉割り箸いいなあ」を連発したのである。「次は割り箸頼むからね」と念押しをして。割り箸ファンがいることを覚えさせる魂胆。割り箸を出せばお客が喜ぶんだなあ、と思ってくれたら、割り箸の価値が高まるはずだ。
皆さんも、もし割り箸も頼めると気づいたら「割り箸を!」と声を上げよう。
ちなみに、この店の経営元は、奈良の造り酒屋だ。それで奈良産の天削箸を安く仕入れられるのかもしれない。しかし、プラ箸のコスト、洗浄するコストと比べたら、やはり高くつくのだろう。この手の店で、こんな割り箸を使えるのは滅多にない。
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