アシストスーツ、林業でも実用化
以前より重労働の現場に人に装着型ロボットならぬパワースーツが研究されていた。
私も幾度か取材して林業界への採用を記事にしたことがあるが、実験レベルに留まっていた。だが、ついに実用化するため採用する現場が現れたようだ。
林業の人手不足と腰痛課題に挑む 香川西部森林組合がアシストスーツを導入
ただ、これは腰痛防止などが目的で、動力(電動モーターなど)を使わない人工筋肉によって背筋を支えるもののようだ。草刈り現場などで有効なのだろう。
マッスルスーツ Soft-Power(R)という名で、サポータータイプとか。人工筋肉のアシスト技術をサポーターの背面部に組み込むことで、サポータータイプでは最強クラスの補助力。腰の負担を35%軽減。……などと書かれている。本体重量が430gというのはすごい。
すでに製造・物流倉庫での持ち上げ・持ち運び作業や介護現場で使われ、姿勢維持、農作業の前傾姿勢などに効果を発揮しているという。言い換えると、山を登るとか、重いものを軽くするのではなく、腕などをサポートする。
私が以前取材したものは、動力でサポートするものだった。
残念ながらコロナ禍で会社は解散してしまったが……。
いずれにしろ、ロボットやサイボーグ的に力を与えてくれるわけではない。機材の重さ分が増えるから、むしろ身体のの総負担は増えるはずだが、足や腕の筋肉の伸び縮みを補強することで楽にするものだ。
単にパワーを使う作業を機械で行うなら、乗用林業機械になるのだろう。アームで自在にものをつかみ運ぶことはできる。ただ機械を入れる作業道が必要で、それでも機械を入れたら森林土壌を破壊しがちだ。道路のない林内を移動したり小さなものをつかむ細やかな作業をいかにサポートするか。
まだまだ人間の手足で行う作業は、機械に真似ができない。
その前に、現在の林業でそのような細やかさは求められているのか。今は力付くでやればいいじゃん、細かなことするのはコスパが悪い、という雰囲気が横溢しているような気もする。
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