バイオ炭でJクレジット
先に牛のゲップを抑えることでJクレジットの取得をする話題を紹介した。
牛のゲップが金になる!思い出した過去記事
今度は、もみ殻でつくるバイオ炭でJクレジットを取ろうとする会社があることを知った。山形県の株式会社庄内こめ工房と、有限会社田和楽。
米作をしているのだが、そこで出る膨大なもみ殻をバイオ炭にして土壌改良材などにして売っていくそうだ。土壌改良とは、木炭の微細な隙間に微生物が生息するほか、通気性や保水力なども富んでいるので、作物の成長がよくなる……というわけである。パイオ炭と名付けているが、ようするにもみ殻燻炭である。昔からある。専用の窯装置もある。
それだけに留まらず、木炭は炭素を固定するからとJクレジットの取得をめざすというのだ。来年1月ぐらいまでに申請するそうだ。
炭と言っても、燃焼させるのではなく土壌改良材だから土壌に漉き込むわけだ。すると、炭素が固定されることになる。腐りやしないから゛ほぼ永久的な固定ではなかろうか。
私は、炭素固定を進めるには、この土壌内に炭を漉き込むことが最大の効果的方法だと思っている。木造建築で炭素固定など、嘘八百を並べるよりよほど科学的だ。
改めていうが、木を使って炭素固定だ、木造建築は町の森だというのは、デタラメである。ようするに木を伐って、製材して、それを使うまでに排出するCO2は馬鹿にならないし、そもそも製材になって使える木は、全体の3分の1以下、さらに言えば木造建築も100年以上保てることは少ない。ほとんと解体されて燃やされるのである。
もちろんバイオマス発電はすぐに燃やすし、紙だって、土木資材だって、合板だって、寿命は短い。全部、CO2として炭素を放出してしまう。全然炭素固定になっていない。
その点、土壌に漉き込めば、その土地で大火事でも起きない限り、炭素のままだ。火事が起きても深ければ燃えない。10センチも地下なら大丈夫だ。日本の黒ボク土は、過去の森林や草原の火事でできた炭が混じっているから黒い……という話も聞いた。
すでに国際的には「4パーミル・イニシアティブ」が唱えられている。4パーミルとは、4/1000(0.4%)のことで、全世界の土壌中に存在する炭素の量を毎年 4/1000 ずつ増やすことができたら、大気中の二酸化炭素の増加量をゼロに抑えることができる、という運動だ。フランス政府が提唱したと記憶する。
農水省も取り入れている。正確に言えば、山梨県が進めているのに便乗している(^^;)。
これこそ、現実的な気候変動対策になるのではないか。もみ殻バイオ炭もいいし、ほかの炭でもいいのだが、とにかく燃やさずに土壌に漉き込もう。そうすれば土壌も健康的になる。そうすると作物の稔りもよくなる。
その上にJクレジットも取れて、お金に変わるとしたら、万々歳ではないか。農地全部にバイオ炭を漉き込むことを義務化しよう。
山梨県では認証制度までつくっているという。その点については、私もブログに書いていた。
アイデア勝負か、4パーミル認証制度?
林業でもやったらいい。林地残材をチップにして、炭化して穴掘って埋める(笑)。素晴らしい森が生まれるような気がするぜ。
木炭は、燃やすだけが能じゃない。農にもなる。
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そもそも地球温暖化は事実としても、CO2との因果関係が証明されているのでしょうか?
この問題は、利権絡みとおもえてなりません。
投稿: | 2025/09/14 09:26
証明されています。CO2の出所も人間の活動であることはほぼ間違いありません。利権がらみというのは陰謀論ですよ。
ただ過去(中生代とか)にもCO2濃度が今より高かった時代はあるので、自然界でも起こりうる出来事なのでしょう。
投稿: 田中淳夫 | 2025/09/14 10:17