林野庁の予算請求概要を概観する
林野庁のホームページに来年度の予算請求の項目が並んでいた。
いろいろ見どころ見あるのだろうが、私が目を止めたのは「2050 年ネット・ゼロ等に貢献する「森の国・木の街」の実現に向けた森林資源循環利用施策の総合的な展開」というタイトル(^o^)。へえ、こんな言い方をするのか。
「森の国・木の街」なんてキャッチフレーズは以前からあったのだろうか。森林資源循環利用施策でもあるんだね。林業という言葉は消えている。
概要を紹介する。
毎年同じような文言が登場するが、ここでも私が目を止めたのは、「CLT等の輸出促進」である。
CLT、国内ではなかなか利用が広がらないのだけど、輸出を考えていますか。国内が無理なら海外へ、なのか、生産を伸ばして国内消費を伸ばす狙いがあるのか。しかし、輸出となると、主にヨーロッパ製とガチンコ勝負となる。あちらの方が価格はずっと安いし、素材も国産のスギより強度があるなど有利ではなかったっけ。
あと「森業」という言葉もまだ生きていたか。以前、「森業・山業」という名の補助金制度があって、実は私も応募したのであった。そして補助金とはどんなものか、体験させてもらった。徳島旅行もできたし……(^^;)。
2枚目では、「スマート林業・DX推進総合対策」が4億円、鳥獣被害防止対策 2億円……。昨年の2倍になっているようだが、どちらも名称はよく出てきて有名なのに、予算案はこんなに少額なの?スマートスマートと言い続けているわりにはしょぼい。あくまで「戦略拠点の構築等を支援」であり、実際の必要費用は、ほかの項目にもぐりこませているのかもしれないが。
シカ対策も大変だと騒ぎつつ、この金額か。シカ捕獲ポイントの特定調査など、効率的な捕獲に必要な取組を実施、支援なんだそうだが。現場の捕獲費用などは、自治体に別の金が下りているのかな。とまあ、こうして眺めるのもいいものだたよ。まず予算案を知ることから始めないと。多くの人が予算案に興味を持たないで、決定した数字だけを見て文句を言っても始まらない。
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コメント
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パリ協定と増税メガネの勝手な約束を守る為に皆伐再造林を進め、金が足らないから間伐の補助金を削る。オール輸入ペレットでFITを使うバイオマス発電所の為に国民が再エネ賦課金を支払う。
すべて利権の為に動く政策です。選挙では、よく考えて投票しなければ国に搾取されると言うことです。勉強しなければ、後に続く者達もアホを見ることを学びました。ありがとうございます
(笑)
投稿: 山のオヤジ | 2025/09/17 20:41
皆伐が進み出したのは、第一次安倍政権の頃からですよ。民主党政権も、進めたなあ。
もっとも、トップが進めたというよりは、「林業改革」を唱えた諮問会議や顧問連中が旗を振ったというべきでしょうね。
投稿: 田中淳夫 | 2025/09/18 09:24