「森の国・木の街づくり」宣言
林野庁がまたヘンなことを言い出した。
「森の国・木の街づくり」なんだそうである。それを宣言する市町村を募集している。
「『森の国・木の街』づくり宣言」に参画する自治体・企業等の募集を開始します
字づらから、森に囲まれた国づくり、木がいっぱいある街づくり……をイメージするが、実はやりたいのは後半だけ。
本格的な利用期を迎えている森林資源を循環利用し、街の木造化を進める「森の国・木の街」の実現に向けて、自治体や企業等の皆さまが、建築物の木造化や木材利用の効果の見える化に取り組むことを宣言するものです。
森の国をつくる気は全然ない。もう木はいっぱいあるんだから、それを伐って木を減らし、木材にして街の建物に使おうということらしい。
本気で「木の街づくり」を国産材でやれば、日本の森は減ってしまうだろう。森の国か、木の街か、のゼロサムゲームのよう。SHK制度(温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度)なんてのも打ち出しているが、あまり自治体側にメリットは感じないなあ。
ただ、地球温暖化対策推進法には、温室効果ガス(GHG)の排出量の算定と国への報告を義務付けすることになっており、それを木材を使った建築物等を新築したら、自社のGHG排出量から木材利用による炭素貯蔵量を差し引いて報告することができるよう改正(R8.4施行予定)したから、それを目当てに応募するのかもね。
添付資料には、木の建設の良さを羅列しているが、これも先日書いた木育の欺瞞と通じるところがあるなあ。木を使っても、それを木だと認識している人は少ないのだよ。
林野庁は、木さえ使えばいいんだ、それで森がなくなってもいいんだ、と思っているに違いない(  ̄▽ ̄)。
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