掘っ立て柱は腐らない?
平城宮跡公園に出かけた。建設中の大極殿院南門東楼が完成したというから。
と記してもピンとこないだろうなあ(^^;)。
ようするに平城京には大極殿という巨大木造建築物があり、それを復原したのだが、さらにその周辺を取り囲む築地塀も復原中。その中でも重要なのが、南門で、その左右に東楼と西楼が建つ。南門は完成し、今度は東楼も完成したわけだ。(次は西楼。写真の巨大屋根は西楼建設のため)
この模型をみたら、想像できるかな。手前が南門と東西の楼。奥が大極殿。
ともあれ、東楼は復原したのだが、その際に発掘調査が行われている。すると、楼閣の柱は、礎石の上に立てるとともに掘っ立て柱もあったらしい。その複合構造になっている。掘っ立て柱とは、地面に穴を掘って、そこに木の柱を埋めることで立てるもの。
普通に考えたら、掘っ立て柱は腐りやすい。土に直に木部が触れているのだから。礎石はそれを防ぐためとも言える。
が、東楼現場の地下から、掘っ立て柱が腐らずに発見されたのである。
これは発掘時の写真。なんと、この柱の太さは70数センチあるのだが、平城宮跡の遺跡から出土したものの中ではもっとも太いという。
この柱、なぜ腐らなかったのか。1300年も経っているのに……。その出土物はいざない館に展示されているというので、見に行った。
上の部分は腐っているが、埋められていた部分は残ったのだね。むしろ埋まっていることで酸素に触れず、微生物の繁殖も防げたのかもしれない。土壌の性質や水分などの影響があるのだろう。掘っ立て柱は、必ず腐るというものではないわけだ。
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