安藤栄作展と吉野林業展
奈良県立美術館で、木彫り作家の安藤栄作展が開かれていた。昨日は奈良女子大学のシンポジウムで、なかなか示唆に富んだ内容だったのだが、実はその開会前に訪れたのである。以前より狙っていたのだが、ようやく行けた。
安藤氏は東京生まれながら福島県いわき市で長く創作活動を続けていたが、東日本大震災の津波で自宅も作品も愛犬も流されしまう。加えて原発事故の発生で、奈良県に避難してきた作家だ。以後、ずっと奈良で活動を続けている。
2018年にも地元ギャラリーで作品展を開いているが、今回は美術館で大規模な展覧会。
迫力満点であった。抽象的な木彫りかと思えば、具象の面もあり、私はニューギニアのセピック芸術かと思った。写真の「約束の船」という作品も、海を表す木片は、よく見ると人形であった。さらに弦を張った楽器、巨大な仮面、カヌー……。ところどころ諸星大二郎の絵を連想する造形も隠れている。プリミティブな魅力があふれていた。
ちなみに素材は多くがヒノキとクス。奈良県なら手に入りやすい材だ。クスは西日本に生えている木である。ほか、ナラなど雑木林の木も混ざる。
絵本「あくしゅだ」に描いた原画も展示されていたが、これは、やはり津波だろうか……。
じっくり見て回り、さて、いよいよシンポジウムへ……と思った出口のところで、一室を使ったミニ展示コーナーがあった。それが「吉野林業の世界」。これは閉館中の奈良県立民俗博物館の飛び地展 であった。

伐採道具など古き時代の林業道具から割箸づくりの過程まで。よく見ると、使われている写真は「吉野山林写真貼」であった。なんだ、私のシンポ用資料で紹介する写真と同じではないか。。。
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