高校の圃場も自然共生サイト?
環境省の自然共生サイトを知っているだろうか。
ようするに世界的な公約であるネイチャーポジティブ、つまり生物多様性を増やす政策では、2030年までに陸地と海域の30%を保護区にしなければいけない。しかし国立公園などの保護地域は、まだ陸地は20%を超えた程度。間に合わない、と民間の土地手生物多様性の高いところを自然共生サイトとして定めようというわけだ。法律的な保護区ではないから規制はしづらいが、指定することで破壊されにくくする。
現在、全国に448か所が認定された。環境省は必死で増やそうとしている(^^;)。
その裏側を聞く機会があった。なんと磯城野高校の学校圃場を認定できないかと動いている。この高校には農業科があるので、水田、畑、果樹園と、かなり広い圃場を持っている。
正確に言えば高校側で、生物部が圃場の自然を測る試みとして生物調査を行ったところ、786種の動植物を確認した。それを生物目録にまとめて高校生の生物部の大会などに発表したところ、環境省からお呼びがかかったという。
生物目録までつくったんなら自然共生サイトの認定に応募しませんか、というわけだ。自然共生サイトに認定されるためには、そこにどんな生物が生息しているかを示す資料が必要だ。だが、すでに生物目録があるなら、取得しやすじゃない? と声をかけている。
環境省側から、可能性のある地域にせっせとスカウトしている(^o^)。
もちろん、だから何でも認定しますよ、というわけではないだろう。かつての森林セラピー基地は、ほとんと金を払ったらは全部取れてしまったが、こちらは金が絡まないし。
そもそも786種が、奈良県で多いのか平均的なのかもわからない。奈良県全体の資料がないから。これが生物多様性の高い地域と言えるのか……。
クビアカツヤカミキリ。外来種で強力な果実や桜などの害虫だ。こういう生物がいるのは多様性には入らない……。
でも、いいじゃないか\(^o^)/。
私は、もっと林業側から応募すべきだと思う。人工林だって、天然林部分を河畔林とか尾根筋など抱えているはずだ。部分的に草原があるかもしれない。そうしたところを調べたら、生物多様性が高いかもしれない。日本の自然は、実はちょっと放置するだけで様々な生物が進出してくる。なかなか強靱なのである。そうすると、関係者の誇りになるし、また破壊しづらくなる。もしかしたら、自然共生サイトのある林業地から産出した木というブランド化も可能かもしれない。
また今のところ特典はないが、将来的には減税措置が考えられている。広い林業地だったら、固定資産税もそれなりの額になるはずだ。
ようやく森林の炭素クレジットが注目を集めているが、もっとあの手この手で森林環境を金に換える方法を模索すべきだろう。
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