日本林業の祖・和邇氏
奈良女のシンポジウムで私が話したキモ。
日本の林業の祖は、豪族・和邇氏ではなかったのか?
ピンとこないかもしれない。そもそも和邇氏(ワニ氏)が、あまり知られていないだろう。が、ヤマト王権と深い繋がりを持っていて、大君(天皇家)に10人以上の妃を出し、後漢と貿易をしていて、そこで持ち帰った剣は現在国宝にもなっているほどの有力豪族だ。
だが、その経済基盤は……というと、木材生産だったのではないか、と思っている。
現在の天理市あたりが和邇氏の根拠地なのだが、その裏山とも言える田原地区(大和高原)で木材生産をしていたらしい。
で、ここで重要なのは、その木材を天理へと山の斜面を下ろしたわけではないこと。なんと、遠く離れた木津川まで運んで川を流していたという。図の矢印がそのルートだ。つまり、丸太の流送技術を持っていたわけである。
しかも、木材取引をほかの豪族と行っていたことや、資源管理もしていて、伐採地を循環させる林業を行っていたらしい。
私は、和邇こそ、日本林業の祖! とぶち上げたわけである。
でも、まだ定説になりきれていないなあ。
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和邇氏と林業の関係についてのお考えを、もう少しブログでお聞かせ願えませんか? 従来、古代木材生産に関わったのは和歌山市辺を根拠にしていた紀伊忌部氏とされているようです。天然林から超大径材を伐り出し、水運やコロで都まで運ぶのには、専門技術者集団が必要だったことでしょう。日本列島でその技術が生み出されたとは思いにくい。だとすると、大陸からの伝搬なんですが、それはどこからなのか、かねてより気になっています。朝鮮半島、中国北部なのか? だとすれば対象はチョウセンゴヨウ? あるいは華南の長江江流域で対象はコウヨウザンなのか?
投稿: 独立研究老人 | 2025/11/07 22:36
和邇氏の木材生産は、橿原考古学研究強い附属博物館の青柳泰介氏の研究を基にしたものです。
紀伊忌部氏は、もう少し後の時代でしょう。
日本に木材の流送技術がなかったと、なぜ思われますか。少なくても中国の技術伝播はありえない。川がまったく違います。
日本国内でも川によって流送技術は違うほど地形に左右されます。吉野川と木曽川の技術を比べてください。
投稿: 田中淳夫 | 2025/11/10 09:24
ご教示ありがとうございます。和邇氏の資料を探して読んでみようと思います。日本列島に流送技術がなかったのではという発言に根拠はありません。以前資料で見た華南のミャオ族などの木馬、修羅、筏などの形態や運用が大変西日本のものと似ていたので、伝搬ではと思ったしだいです。
投稿: 独立研究老人 | 2025/11/15 00:44