奈良女子大で講演「林業のはじまり」
10月26日(日)、奈良女子大学で講演をすることになった。
私以外の二人は、
「人と木材劣化生物 -キノコとシロアリ- との共生」(近畿大学農学部応用生命化学科 板倉 修司 氏)と、
「これからの木材利用 宇宙で木材は使えるか?」(京都大学大学院農学研究科 村田 功二 氏)である。
こうした理系研究者と私が並ぶのは、いかにも場違い(^^;)なので、テーマをお二人とガラリと変えることにした。
絶対に交わらない分野、歴史である。しかも奈良ならではの林業史。
「日本林業事始 ~はじまりの奈良で林業のはじまりを考える~」とタイトルを掲げた。
日本で林業が生まれたのは、いつとすべきか、という点を考察する。おそらく歴史研究者の間でも、「何を林業とするか」を確定した定義はないはずで、私の独壇場だ(笑)。思い切り推測や想像、妄想……を羽ばたかせる。
少しだけ説明すると、林業の定義には、単に人が木材を収穫する、利用する、だけではならない。それではホモ・エレクトゥス、北京原人やジャワ原人まで遡ってしまう。彼らも焚き火で木を燃料とし、木で住居をつくっていたのだから。やはり産業として林業が成立するのは、クニという組織と木を伐る技術、木を運ぶ技術、木を加工する技術……そしてそれらの専門職人がいなくてはならない。
では、日本でそうした産業としての林業が成立したのはいつだろうか。縄文時代、弥生時代、大和王権(古墳)時代、飛鳥時代……林業のはじまりを「はじまりの奈良」で論ずる。日本史における奈良は、常にすべてのはじまりなのである。
なお林業成立後に重要なのは、それが持続的な産業になり得たか、という視点でもある。つまり育成林業への転換がなければ、近代的林業とは言えない。収奪型、食いつぶし林業は、本来の林業として認めない。つまり、現代林業は林業ではない……というところまで行くかな?
まあ、講演内容は、これから詰めていくので、当日をお楽しみに。
一般参加者も大いに歓迎。ならまちの街並みの中にある奈良奉行所跡、そこに建つ近代伝統建築の講堂を見ることができるよ(シンポジウムは、この講堂で行うのではない)。キャンパス内にはシカもいるぞ。ついでに言えば、女子大学に男どもが入るチャンスだぞ。日曜日だけど(^^;)。
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