大屋根リング「週刊SPA!」にコメント
Yahoo!ニュースに「週刊SPA!」の万博・大屋根リングの記事が転載されていた。
大阪万博の象徴だった「大屋根リング」保存に問題山積。すでに腐食が始まっている部分も…財源すら「未定」
実は、この記事に私はコメントを寄せているのだ。なんだか木材に詳しいジャーナリスト扱いされている……。
いろいろ(Zoomで)話したが、私は木材の専門家ではないので、「木造建築は必ず腐植する。それを残したければ残す価値をいつの時代も認識することだ」と法隆寺が1300年建っているわけも含めて強調したつもりであったが、そこは載らなかった(> <;)。
ま、いいんだけど。別に自分の意見を必ず掲載すべきだと思っていない。コメンテーターは材料の提供で、ライターや編集者が趣旨に合わせてテキトーに切り取って書くのが「記事」だよ。。。(と、自虐的かつ自身を振り返って達観している。)ただ最初は「集成材のCLT」となっていたので、「いや、集成材とCLTは違うのですよ。これを同じ扱いにすると、怒る人が業界にいるのですよ」と説明して、「集成材やCLT」にしてもらった。正直、どっちも板を張り合わせた代物じゃねえか。この二つの差も世間的にはあまり意味はないと思っているが、まあ、業界さんに寄り添ったつもりだ(⌒ー⌒)。
接着剤の耐久性は、昔に比べて随分よくなったが、今のところ保証できるのは50年程度。野外の建築物なら、それよりもっと前に危険性が増す。とても未来に残せるモニュメントではない。
それに私の予想では、今でこそ記憶に新しいから「ぜひ保存を」と騒いでいるが、数年経てば興味を失われると思う。仮設の期限は2年間だから、あと1年半リングのまま残し、無料公開して楽しめたらいいと思うんだけどね。
そして10年20年経てば、訪れる人も減少して、やがて維持費の負担がきつくなり、薄汚れて、不具合も出て、危険性が指摘されるようになり……取り壊しになるんじゃないかな。
でも、350億円かけて建設し、2万7000立米の木を(樹齢100年を超すものも多い)、たった半年でほとんど焼却処分かと思うともったいないよなあ。でも200mの部分的保存にしても100億円ぐらいかかるそうだしなあ。
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大屋根リングの木をいろんな大きさに切り刻んで、烙印でも押して売り出せば結構売れるんじゃないでしょうか。
そのまま飾るのもよし、好きなものに加工して楽しむのもありかと思います。
(死に券と交換してあげてもいいかな?)
投稿: Lago | 2025/10/15 23:20
まだ余韻のある今なら、記念品としてそこそこ売れるかもしれませんね。でも小さくなるから、少々売れても柱一本分です(^^;)。
投稿: 田中淳夫 | 2025/10/16 09:48