COP30で森林経済のパラダイムが変わる
ブラジルのベナンで開かれているCOP30。たいして話題にならない……会場で火事が起きたことがニュースになるくらいか。
むしろ気候変動対策として化石燃料を減らして再生可能エネルギーを増やすというのも、バイオマスエネルギーに向かって行く。これって山の木を燃料にバンバン燃やして発電しろ、ということだよね?逆効果じゃん。
気候変動対策もパリ協定からも後退必至。もはや臨界点を越えて気候変動の暴走が始まる……そんな気がする。
ただ、一筋の光明……と言えば大袈裟だが、FCLP(Forest and Climate Leaders' Partnership)が動き出したことは気に留めたい。
「森林と気候のリーダーパートナーシップ」と訳するのかな。立ち上がったのはCOP27だが、2030年までに森林破壊を止め、逆転させることを目標としている。一応、日本も参加している。全体では30カ国以上だ。
今年は、その中でTropical Forests Forever Facility(TFFF)が立ち上げられた。これは熱帯林の損失を止めるとともに増やすファイナンス・メカニズム。ようするに資金を集めようというもの。目標総額は125億ドルであるが、日本は拠出を見送ったね。ここんとこだけ、ニュースになっていたが……。一般には、「また環境のために金を出せ」かよ、と思っている人が多いのではなかろうか。
ただ、資金集め以上に大きな意味がある。なぜなら、これは「森林を維持している面積」に対して対価が支払われる仕組みだからだ。言い換えると、森林を保全・再生した実績に応じて各国へ資金提供が行われるのだ。
たとえば炭素排出権などのクレジットでは、CO2吸収量といった削減量によって支払う仕組みだ。これは計算が複雑怪奇であるだけでなく、森を守っているのかどうかグレーな部分があった。森林再生といっても単一種による人工林造成では、生態系の質や生物多様性に寄与するかどうか怪しかった。単に林業的な経済政策に金を回すようにも見える。
だが、TFFFでは、森林を維持することで経済的メリットになる。国家として、森林面積を増やし保護することでネイチャーポジティブを進めれば資金が支払われる。
これは、従来の地球環境政策、森林政策からすると、大きな転換点だと思う。森林を価値ある資産として扱い、森林を守ることが経済的に合理的になるとするものだ。ネイチャーポジティブ経済の根幹をつくる第一歩だと思う。
熱帯林フォーエバー・ファシリティ(TFFF)は、保全のための革新的な資金調達モデルを提案している
日本国内の森林や林業なんて目先の事情ばかりをせせこましく考えるのではなく、世界的を森林政策の潮流を知っておくべきだろう。
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