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森と林業と動物の本

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2025年12月

2025/12/14

万博脳のリング「投げ売り」の記事

産経新聞に、万博の大屋根リングの今を紹介している。

万博リング、解体木材を新品の10分の1価格で〝投げ売り〟 保存どころかレガシーの危機 

全部読めないけど、ようするに解体されても引き取り手がないということだ。

 大阪・関西万博の象徴とされた大屋根リングの解体作業が本格化している。日本国際博覧会協会はリングを万博のレガシー(遺産)と位置づけたものの、明らかになっている木材の具体的な再利用策は能登半島地震の復興住宅など一部にとどまる。協会は再利用の対象となる木材の出品単価を新品の10分の1程度の廉価に設定し、解体費用も負担している。「世界一の木造建築物」に使用された木材は2万7千立法㍍もあり、十分な引き取り手がなければ燃料用のチップなどになる可能性もある。
 リングの解体は今月から本格的に始まった。建設を手掛けた大林組、竹中工務店、清水建設の大手ゼネコンを中心とした3つの共同企業体が解体も担当し、2027年8月までに完了予定だ。
 現在までに示されている木材の具体的な活用策は、能登半島地震で被災した石川県珠洲(すず)市の復興公営住宅や、27年に横浜市で開催される国際園芸博覧会のタワーの資材など、ごく一部となっている。

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いまさら……とは言ってはいけないが、最初からわかっていたことだねえ。

再利用はごく一部だし、その売価も10分の1らしい。多分、大部分はバイオマス燃料に回されるとして、トン価格は100分の1くらいになるのではないか。

林野庁の「森の国、木の街づくり」宣言では、木造建築は炭素を貯蔵するとの売り文句なのだが、この世界最大の木造建築物であったリングは、すぐ大気中に放散されるわけだ。せっせと貯蓄したのに放蕩息子が財産をパッと費やしてしまうみたい(TОT)。

私自身は、この炭素の貯蔵に関しては、最初から期待していなかったのだが、何より50年100年育ってきた森が伐られて、たった半年の使用で消え去っててしまうことが悲しい。

感情的な自然保護運動とは一線を画したいが、それでもこのリングに関しては、万博関係者に「森林愛」がないことを痛感する。真に森の価値、木材の価値を考えていたら、建設費に1、2割増額して対腐朽措置を施して恒久的なリングにすることができただろうに。(恒久的と言っても、メンテナンスは必要だけどね。)

きっとリングは万博の開催期間だけ保てたらいい、後のことは考えない、“万博のためなら地球環境を破壊したっていい”という万博脳になっていたのだろう。

 

2025/12/13

初氷かな

朝、庭に置いてあるバケツの水が凍った。

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ほぼ初氷だ。数日前にも薄く張っていたが、かなり層になっている。

まだまだ薄く、バケツの水が完全に凍ってしまうまでにはいかないが、とりあえず冬を実感する。

ただ池の金魚は元気で、エサをバクバク食う。冬は動かず食べない、ものなのだが。

それに、柿の実がまだまだある(^^;)。こちらは秋の名残。

2025/12/12

木材輸入実績統計、の単位

林野庁が、2025年1月から10月までの木材輸入実績を公表している。

輸入額は、前年同期比+2%の1兆2,444億円。品目別で見ると、丸太が前年同期比-4%、製材が同-4%、合板が同-2%、集成材が同-17%と、マイナス続きだが、木質ペレットが同+39%と大幅に増えている。
ようするに、バイオマス発電燃料として使う木質ペレットばかりが大幅に伸びているということ。建材等のほかの用途は軒並み落ち込んでいるのだ。
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この手の統計を見ていつも思うのだが、扱うのは「輸入額」、つまり金額が多いこと。私がいつも気にしているのは「輸入量」なのだ。なぜなら、他国の森林をどれほど伐って日本に運んできたかという点に興味があるから。

金額は、経済経営面から見るのに使えるが、製品によっての価格が違ううえ、ときの為替なども影響する。簡単には比べられない。

それでも、こう考えた。木質ペレット単価は、やはり安い。製材や合板、集成材と比べるもなく、丸太と比べても安いだろう。それでも、金額にするとこれほどあるのだから、木材量はいかほどになるか。

輸入量も掲載されている。ただし体積だ。
丸太は141万9000立方メートル、製材326万7000立方メートル、合板122万5000立方メートル、集成材54万2000立方メートル。
そして木質ペレット722万トン。ここだけ重さになる(笑)。ほか製紙用チップもあるが。これらはみんな10月まで、つまり10か月分だ。

大雑把に木材の重さを体積の0.6倍とすると、木質ペレットは約1203万立方メートルとなる。丸太の8倍くらい?

木質ペレットの生産には、どれほどの森林=木材が必要とされているのか、こんな数字から想像するのもよいかもしれない。

2025/12/11

森林環境税の免除規定改定か

物価高、物価高と騒いでいる中、森林環境税はしっかり取られていく。これを免除するのも物価高対策に入らない?
と思いついたのだが、誰も何も言わない(-_-;)。誰か、政治家よ、動け。

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おそらく、取られるのはたった一人1000円だからなあ、と思っているのではないか。だが、4人家族なら4000円。配布経費も掛からないし、行政事務手続きもたいしていらない。おこめ券を配るよりよっぽどいいと思うが。(多分、鈴木農水大臣の頭の中に林業はない。)

ただ、森林環境税の免除規定はあるのだ。

森林環境税の非課税及び免除に係る留意事項について(通知)

ここで森林環境税を徴収しているのは農水省ではなくて総務省であったことに気づく(笑)。まあ、いい。
実は、次のような項目がある。

生活保護法による生活扶助を受けている人。
障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与収入の場合、年収約204万4千円未満)であった人。
前年中の合計所得金額が一定の所得以下である人
災害(火災、風水害など)により大きな損害を受けた場合

だが、このほど与党の税制調査会で、最後の災害時の免除規定を変える動きが出てきた。

大規模災害時は、被災者から申請書が提出されなくても市町村が免除できるようにしようというものだ。現行では、森林環境税の免除には納税義務者からの申請書の提出が必要となる。しかし考えればわかるが、大規模災害時には避難所生活などで提出が困難になっていることが想定される。市町村の事務負担も通常より重くなっているだろう。そんなときに「たった」1000円のために被災者が動けるだろうか。

見直し案によると、対象となるのは「特定非常災害」に指定された時。災害で死亡したり、罹災証明書によって住宅や家財の被害が確認されたりするなどの要件に該当する際、免除を可能とする……というものだ。2026年度税制改正大綱への反映を目指すという。

まあ、野党でも反対する意見は出ないように思う。ただ、それでも罹災証明書が必要なので、皮下医者には気が重いだろう。

私は、おこめ券よりお金券!を配ってほしい。お金券って? そのままお金として買い物ができるチケット。紙幣でもいいよ。

2025/12/10

ばけばけとカーネーション

NHK朝ドラ「ばけばけ」で、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルとしたレフカダ・ヘブンの半生が語られた。日本にお雇い外国人としてきたヘブンだが、実はギリシャ出身で欧米を転々とした貧乏な男だった……という。

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このドラマでは、主人公のトキの家庭が没落士族で超貧乏であることは幾度も説明されてきた。そしてヘブンの女中となったわけだが、その給金は20円だという。ちなみにヘブンの給金は100円。

これが現在のいくらに当たるかは、ネットでも話題になっている。当時の旅館の女中が90銭なのだから、20円はざっと22倍! 今なら安月給でも15万円ぐらいはあるので、それでは300万円以上になってしまう。ヘブンにいたっては1500万円以上の給金なのだ(月給だぞ)。もちろん、比較する給金によって違うが、感覚的には80万円ぐらいかと。

ちなみにモデルの小泉セツが受け取っていた実際の額は15円だったというが……。現代の価値との換金は難しいが、当時の高級官僚並みではあったそう。ハーンの給料はいくらかわからないが、やはり外国人を招聘したのだから、1000万円以上のレベルになるだろう。

アメリカでは貧乏だったヘブンが、日本では金持ちになったのは、貨幣価値の違い、ようするに為替の問題が大きい。日本で受け取る100円をアメリカに持ち帰ってもたいした金額ではなかったろう。

そこで思い出したのが、大正末期にアメリカから日本に帰国した犬塚卓一のこと。

彼は、アメリカでカーネーション農園に働いていて、その栽培技術を持って帰った。そして土倉龍次郎と組んでカーネーションを日本に根付かせる役割を果たしている。だから龍次郎をカーネーションの父、犬塚をカーネーションの母と呼ぶのだ。

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犬塚は小学校卒業後、1907年にアメリカに旅立つ。叔父がオレゴン州ポートランドで花の栽培をしていたからだ。そこで20年間働いて、温室のカーネーション栽培のほかさまざまな草花の栽培の技術を学んだ。500坪の温室があったという。

大正の末に帰国したのは、世界恐慌が発生し、経済が大混乱に陥ったから。ただアメリカ以上に経済が落ち込んだ日本は、為替相場が暴落したため、非常にドルが強くなっていた。当時、1ドルが4~5円になったというから、現在の価値なら1ドル5000円くらいだろうか。157円まで落ちた現在の円安とは比べ物にならない(笑)。

だから、アメリカで貯めたお金を日本に持ち帰ると、なかなかの大金持ちになったのだ。その金でアメリカから温室やボイラーまで一式の機材を持ち帰った。だから日本でアメリカ式の巨大温室栽培を始められたのだ。そして開いたのが「日本フローリスト東京」である。

当時は、土倉龍次郎もカーネーション事業を軌道に乗せていたが、犬塚ほどの金があったかどうか。

龍次郎は兄の鶴松の借金の肩代わりをさせられた。私の見立てでは、約10万円ぐらいになる(いくらか借用証書が残されている)。大正時代だから、現代の数億円にはなったかと思う。それを農園にしていた土地や家屋を売って返済したのであるが、果たしていくら手元に残ったか。そうした状況下でのカーネーション栽培だった。

……とまあ、そんなことを「ばけばけ」給金から考えたのであった(⌒ー⌒)。

 

2025/12/09

『盗伐』が平積みに

奈良のイオンモール橿原にある喜久屋書店。

そこで見たのは……。

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この棚がすごいのは、『盗伐 林業現場からの警鐘』が平積みになっていることだ(^_^) 。正直、出版後1年半も経つと、なかなか平積みはされない。そして、『絶望の林業』が1冊だけその下にある(^^;)。

しかし、『山林王』がないぞ。

農林業棚ではなく、もしかしてノンフィクション棚? なかった…。

あったのは「郷土」棚。奈良本の一角だ。

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なんと2か所も平積み! ポップ付。さすが奈良県内では売れ筋なのだ(⌒ー⌒)。

2025/12/08

「古代文明」から考えるグローバル化

NHKのEテレで「3か月でマスターする古代文明」という12回放送をやっている。もう10回まで来てしまったが、非常に面白い。ワクワクしながら見ている。

当初は“3カ月でマスター”とあるのだから、各地の古代文明史のダイジェストかと思ったのだが、そうではなかった。最新研究結果をぶち込んでくる。それも予想外の事実ばかり。

農耕以前の狩猟採集石器時代に、すでに巨石建造物がつくられていたというギョベックリ・テベ遺跡(約1万1000年前)。
多様な民族と言語と宗教を保った寛容の王国ヒッタイト
王も富も武器もないインダス文明
元祖民主政治を生み出したギリシャのポリス・ネットワーク
2600年間、統一王朝を造らなかったマヤ文明……

文明は大河のほとりに農耕が発達し金属の登場したことで都市が誕生し、社会が階層化して専制的な王が登場し、それが周辺国家を征服して統一王朝を生み出していく……といったイメージがガラガラ崩れる。

実は、古代文明は分権国家からスタートして、指導者は必ずしも王ではなく民主的な体制だった文明が多いのだ。戦争が多かったわけでもないらしい。むしろ近隣国家と平和条約を結んだという。

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まだ全部終わっていないのに紹介するのもナンだが、以下のラインナップ。

第1回:衝撃!最古の巨大遺跡 見直される“文明の始まり”
第2回:メソポタミア 都市は“最終手段”だった?
第3回:ヒッタイト 過酷な大地の帝国の秘密
第4回:エジプト ピラミッドと黄金が社会を変えた
第5回:インダス 王も富も武器もない文明
第6回:中国 ?交雑“が生んだ王朝
第7回:原シルクロードと中央アジア 交流と繁栄
第8回:ギリシャ ネットワークが育んだ ?民主政“
第9回:オセアニア 巨大化する石像の謎
第10回:マヤ 多様性を王国の力に
第11回:アンデス1 ナスカ地上絵・文字なき文明の道しるべ
第12回:アンデス2 初めに神殿ありき

どうだろう。専制君主を生み出したのは、文明が発達して後の時代に進んでからだった。これは歴史ロマンで終わらなくて、人類が社会を造っていく過程と人間の本質を探れるのではないか……と思った。

そう、人類社会は、本来は分権的で民主的、そして多様性な社会をつくっていた。それが時代とともに中央集権的に移行する。おそらく物の大量生産と効率化を望んだからだろう。そして画一化を進めて大国化し異質な文化の排除に向かう。

これは、現代のグローバリズムに近いのではないか。民主的だった古代文明がグローバリズムに飲み込まれて帝国・王国を築いていくのだ。

翻って近代社会は、王政・帝政から再び民主制へと発展してきたものの、また権威主義という名の帝国化を望む地域・国も少なくない。やっぱり人類は画一化が好きなんだな、と思ってしまう。さまざまな意見・価値観・体制……などが混ざっている状態で丁寧に合意を形成して共存していくのは、効率が悪くて鬱陶しく不愉快に感じるのだろう、とくに支配者層には。

古代文明から現代社会までの歴史に、反グローバリズム、反画一社会という補助線を引いたら、見え方が変わってくるかもしれない。

2025/12/07

神戸・蚤の市にて

昨日は、神戸に行った。実は谷山浩子のコンサートだったんだが、その前に時間があるからと、すぐ近くの神戸市立博物館で「大ゴッホ展」に。すごい混雑ぶりだったが、かろうじて当日券を購入できた。その後に町をぶらぶらすると、三宮の街角をイベント会場にした催しがあって、その一角に「蚤の市」が。

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どうやら骨董屋が店を出しているのではなく、各地のクリエーターが思い思いの品を出展しているらしい。

で、ヘンな木片を並べている店。

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淡路島の建築設計家らしいが、廃屋を購入して、自らリノベーションしつつ出てきたものを並べるという……(^^;)。

シロアリに食われた板。新聞紙が張りついているが、どうも50年60年も前らしい。さびた鎌に何かの把手、カスガイ……瓦も並ぶ。

売れますか、と聞いたら、もちろん売れない(^-^) 。が、把手を何かに使えるかも、と購入した人がいたらしい。まあ、売るつもりはなくてパフォーマンスの一環なのだろうけど、私がいろいろ使い方を提案してしまったよ。虫食いの板など、やり方次第で斬新なエクステリアになる。各地にはこんな事例があってだな、と……私は何やってんだか。

端材でつくったイスは、もう少しブラッシュアップしたら売れそうに思う。いろいろ組み立てたり、組子のようにいじれたら楽しい。

せっかくだから、大ゴッホ展の撮影可能な一枚。大人気で撮影合戦であった。

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「夜のカフェテラス」。この展覧会で驚いたのは、彼の前半生の絵の暗いこと。黒に黒を重ねたような絵ばかり。「白い帽子をかぶった女」の絵まで真っ暗(-_-;)。ミレーの模作を思わせるものや、動きのズレた人体デッサンなど。もし、私が同時代の批評家だったら、絶対にゴッホの絵を評価しなかっただろうと思わせるわ(笑)。

さて、コンサートは、楽しんできました(^-^)/ 。

2025/12/06

ヒヨドリと柿羊羹

週末だからとほんわかネタを探すと、すぐに庭の柿の話題になるのだが(^^;)。

朝、庭の柿の木を見ると、わりと大きめの鳥が留まっていた。

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ヒヨドリだと思うが、クマでなく鳥が来るのは歓迎。ただ、あまり柿の実を食べてくれない。まだまだあるんだから、どうぞ、遠慮なく……。

鳥もあまり来ると迷惑だが、柿ならいくら食べても怒らないよ。

現時点で収穫した分だけで150個ぐらいあって、木に残るのは写真の通り。多分200個を超すだろう。一生懸命、近所に配ったり、大量消費を行っているのだが。

今日は久しぶりに柿羊羹づくりをした。前回は軟らかかったので、今回は硬めに。

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重箱に詰めて冷やす。隣のトウガラシは、柿の実と一緒に収穫した今年最後の農作物。
ただ柿の大量消費を狙ったのに、実は5、6つで済んでしまった。これでは柿は減らない。

 

2025/12/05

ウナギ規制報道における日本の体たらく

今週は、ちと時事ネタ、政治ネタを多くしているが、気になるニュースとしてワシントン条約締結国会議で「ウナギ取引の規制」を加えるかどうか、という会議の話。

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ウズベキスタンで開催されたワシントン条約の締約国会議では、ニホンウナギを含むウナギ属全種を輸出入の規制対象に加える改正案が出されていたのだが、それを否決した。

ウナギの取引規制案、国際会議で正式否決 資源管理は引き続き課題

投票した143カ国・地域が投票し、賛成35、反対100だった。3分の2以上が反対したことになる。これは、主に日本のロビー活動の成果だろう。成果、と言ってよいのか、ようするにウナギ取引を規制されないように、農水省が各国に働きかけたのだ。ウナギには何の縁もない国が多数だから、比較的了解を得やすかったのではないかと思う。

鈴木憲和農水相も、各国大使館を訪問して成功したことを誇らしげに語っている。

そして報道は「よかった」の一辺倒。まさに「これでウナギが食べられる」「値段が上がらずに済む」といった意見ばかりを紹介している。

だが、なぜEUなどがウナギ属全種への規制適用拡大を提案したのか、をちゃんと解説した記事はあっただろうか。

すでにヨーロッパウナギは危険水域まで数を減らしている。そして「(日本に)輸出用の漁獲が個体数減少の主要因」と主張していた。それを抑えるためにウナギ種全体を規制しないと、「ある種の減少が別の種の過剰利用を誘発する」という考え方を取り入れたのだ。また「個別種だけを規制するのは困難」という意味もある。それに対して日本はニホンウナギはちゃんと管理していると主張したわけだが……。

それって、嘘。全然まともな管理はできていない。そもそもシラスウナギは暴力団の資金源になっているといわれるほど密漁されている。そしてニホンウナギも国際自然保護連合から絶滅危惧種扱いされているのだ。

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もちろん、ウナギの減少とウナギの貿易の関係をちゃんと説明できるのかなど、疑問点はある。だから会議の結論はさておき、本当に生物としての生息数がどうなっているのかを心配する声が全然報道されないのは、おかしいのではないか。

それに、もともとウナギは稀少だから高価で、庶民が食べられるのは年に一度などと言われていたのに、今やスーパーで1年中販売しているのもおかしい。昔より多く捕獲しているのは間違いないのだ。

これはクロマグロの時もそうだったが、日本人は「食べられなくなる!」ことに過剰反応して、ことの本質を全然報道しない。記者も視聴者読者も、生物種の生存より自分の「食」にしか興味がないのだろう。いきなり日本人ファーストに陥るのである。

2025/12/04

火葬は伝統?樹木葬こそ伝統!

参政党の梅村みずほ議員が、国会で「土葬を規制しろ」という質問をしたのだが、これはようするにイスラム教徒が土葬を求めることへのいやがらせだろう。この議員、アノ維新を除名されるレベルの議員なのだが、まったく懲りていない。

ただ、その周辺の議論を見ていると「日本は火葬が伝統」と信じ込んでいる意見が飛び交っているのに驚いた。こういう声を聞くと、ホント、勉強不足というかアホな人が多いんだなあ、と思う。

日本の葬儀は、もともと土葬だった。法律は墓地埋葬法である。埋という字を使う通り、「土葬が伝統」なのである。火葬は、戦後に広がった。つまり祖父母から曾祖父母の代は、日本人の大半は土葬だったわけだ。決して古い話ではない。私の父は、若い頃に土葬の穴を掘らされた(村の青年団などの役割)話をよくしていた。

研究者によると、ずっと土葬だったのだが、西暦で700年に僧の道照が初めて火葬をしたという。それだって特異な例であった。その後、室町時代末、つまり戦国時代には、天皇や将軍など武家も火葬をするようになったが、豊臣秀吉や徳川家康などが土葬にもどし、江戸時代はだいたい土葬となった。
もっとも町の住人は火葬が残る。また浄土真宗では火葬が多かったらしい。

幕末になると、水戸藩が火葬禁止令を出している。日本古来の神道では土葬であるべき、と考えたのだ。これが廃仏毀釈にも結びつき、明治に入ると土葬が中心となるのだ。また墓も一人一墓であった。

それが戦中戦後のどさくさで、土葬する場所もなくなり、火葬が奨励されるようになる。また一人一人に墓を造るのも大変で場所もなけれはかねもかかるので、家族墓、つまり「〇〇家の墓」という形態へと移っていく。

この流れを知らない人が、イスラム教徒を排斥しようという意図を持って、「土葬禁止」を言い出したのだろう。イスラムでは火葬されるのは罪人という取り決めがあるからだ。実は復活を願うキリスト教徒もそうだったのだが、徐々に緩んで火葬も認めるようになったのである。欧米では、火葬はかなり広まっているが、それでも基本は土葬だ。

……という蘊蓄を唱えるのは、現代は土葬火葬を飛び越えて、「墓はいらない」という動きと、家族一緒の墓に入りたくないという思いから一人一墓にもどる動きがあるからだ。独身だけでなく、夫婦でも同じ墓に入りたくない人もいるし、ペットや友人と同じ墓に入りたい希望もある。

そのなかに樹木葬もある。樹木葬って、いわば縄文、弥生時代から続く埋葬方式である。ただ遺体を埋める土葬であった。そのうち卑弥呼の墓が見つかり、遺骨も発掘されるかもしれない。
現代の樹木葬で埋葬されるのは火葬された遺骨だが、最終的には森に還る。土葬、火葬を超越した埋葬だ。そして一人一墓なのである。

そうしたことを知らず考えずに、イスラム移民排斥・土葬排斥と同じ流れで樹木葬を忌避する声も出ている。それも行政から。あまりに時代の潮流を読まない人々に日本は落ちたなあ、と思う。

そのうち樹木葬が伝統だ!という人も出てくるかな?

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どこだとは言わないが、近年まで土葬が行われていた墓地。平成の墓標があった。わりと身近にあるのだ。

参考・『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる

 

2025/12/03

右翼とネトウヨ。その政策

国債長期金利が爆上がりしている。為替も円安が進行し、株価も連日の乱高下。ヤバイな、と肌感覚で思う。

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もちろん高市首相の言動と政策によるものだ。

台湾有事がらみの発言もヘタを打ったが、補正予算で国債大増発が恐ろしい。おそらく金融などの裏方は必死になっているだろうが、売り切れるのか……。このまま行けばハイパーインフレを招くことだってある。

そして思ったのは、やはり高市氏はネトウヨだな、ということ。ここでいうネトウヨとは、思想のことではない。本来は「ネット右翼」を意味したが、私は、右翼だけでなく、様々な情報を精査することもなく都合よくつまみ食いする・感情で動く・発言する連中をネトウヨと私は定義づけている。だから、たまに「ネトウヨの左翼」なんて矛盾した言葉もつぶやく(笑)。そもそも極左と極右は、実は同じというのが私の理解だが。

※極左と極右の脳は驚くほど似た反応を示すと判明!

思想としての右翼は嫌いじゃない。個別の意見に賛成するかどうかはともかく理解できる思想だから。しかしネトウヨは理解するほどの中身がない。ネトウヨと右翼は別物だ。
そして高市はネトウヨだ。右翼に値しない。例の「奈良のシカに乱暴する外国人がいる」という発言からして、まともな情報を選び取り、広く世間の反応に配慮したものではない。自分に都合よく巷の噂話を弄んでいるだけだ。

もっと簡単な言葉で言えば、後先考えず、目先の利益と感情だけで走り、時間と空間を読まないことがネトウヨの特徴だろう。
高市首相も、目先だけだ。内輪の論理と感情で動く。台湾有事に関する世界情勢を読み誤り、目先の物価対策しか興味がなく長期的な日本経済政策を軽んじている。勉強はしているようだが、左右・前後に広がる情報を天秤にかけて判断するのではなく、都合よくつまみ食い。そこそこ知識はあるが全体を見ないオタクと似ている。(鉄オタは電車の車両や運行情報には詳しいが、鉄道会社の経営戦略に興味持たない……的な。)

そう考えていると……なんだ、目先しか見ない・動かない人と政策は多い。いや、多数派かもしれない。みんなネトウヨだ。

森林政策とかさ。

2025/12/02

気持ち悪い「森の国・木の街づくり宣言」

林野庁が今、力を入れているのは「『森の国・木の街』づくり宣言」だろう。絶賛、参加者募集中である。

『森の国・木の街』づくり宣言 

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ようするに、木造建築物などを通じて、温室効果ガス排出量削減の見える化する、というものだが、そこに参加する自治体や企業の募集が行われているのだ。宣言は、和歌山県や秋田県、岐阜県のほか、住友林業や大林組といった企業や各地の木材協同組合などして、現時点で200団体を超えた。3月いっぱいまで募集して500をめざすそうだ。

あの手この手の木材利用推進策なのだが、その理屈は、

森林資源を次世代に継承するとともに、地球温暖化の防止や地域の活性化を図っていくためには、「植えて、育てる」とともに木を積極的に「使う」ことが欠かせません。特に、木材は建築物等に利用することで、森林が吸収したCO2を都市に長期間固定することに加え、製造時のCO2排出量が少ないことから、木材利用は地球温暖化の防止に貢献します

これがトンデモな嘘であることを私は幾度も繰り返して著してきたが、まったく効果なしである。

なんで、木を伐って炭素が蓄積できるのよ、という根本的な疑問と現場を見ていない。伐った木のうち建材になるのは何%なんだ? おそらく3割以下だ。

それに建材になる高齢樹木(約80年生)は、CO2の吸収量が若年樹より大きいという科学的なデータをまったく無視している。炭素吸収が衰えている木を利用すると言うなら、スギやヒノキは少なくても樹齢150~200年ぐらいまで残すべきだろう。

そして皆伐などもってのほかだ。森林生態系を破壊する……というか森をなくすのが皆伐なのだから。生物多様性を壊すことになり、ネイチャーポジティブに深刻な打撃を与えるだろう。再造林するのもゴマカシである。するなら伐った3倍以上の面積が必要だろう。現状は十分の一だ。

ようするに林野庁は非科学的なのだ。

なお来年4月より、自治体や企業が新築の建築物に木材を使った場合、木材の炭素貯蔵量を排出量から差し引ける制度を開始するそうだ。見た目の数値だけだが。

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この「宣言」をする条件は、ほとんど何もない。審査もしない。言い放しである。「敷居の低い制度にした」そうだ。

宣言だけならタダだし、私もしてやろうかな(笑)。庭の木を剪定して、その枝で何か「建築物」をつくるとか(⌒ー⌒)。

 

2025/12/01

我が家の運を吸い取る柿

年末に向けて、不運が続く。我が家の家具家電、身の回り雑貨……の故障と破綻が続き、買い換えや修理工事ばかりしている。もはや経費はン十万円を超えているところに、なんと警察に反則切符を切られる。極めて安全運転しているのに、引っかけのような摘発……。

何か楽しい話題はないかと考えても、、、そうだな。柿の豊作(^^;)。

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隣家に伸びている柿の枝を切ることにしたのだが、これがなかなかの難工事。脚立から手を伸ばせる限りの枝を落としてから、本命の太い枝にノコギリを入れる。複雑に絡んでいたが、なんとか切り落としてその枝を先方の家に落とさないよう引き揚げることに成功した。

その枝についていた柿の実を並べてみると。

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60個以上あるのは間違いない。これをどうするか、また思案しなければならないが、まだ実をつけた枝は何本もあるのだから、残りは200~300個を超えそうだ。食べるにも限界がある。小さなものはコンポストに投げ込んでしまう。

この柿の豊作に、我が家の運は吸い取られたようだ(´_`)。

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    Yahoo!ニュースに執筆した記事一覧。テーマは森林、林業、野生動物……自然科学に第一次産業など。速報性や時事性より、長く読まれることを期待している。
  • Wedge ONLINE執筆記事
    WedgeおよびWedge on lineに執筆した記事一覧。扱うテーマはYahoo!ニュースより幅広く、森林、林業、野生動物、地域おこし……なんだ、変わらんか。
  • 林業ニュース
    日々、森林・林業関係のニュースがずらり。
  • 森林ジャーナリストの裏ブログ
    本ブログの前身。裏ブログとして、どーでもよい話題が満載(^o^)
  • 森林ジャーナリストの仕事館
    田中淳夫の公式ホームページ。著作紹介のほか、エッセイ、日記、幻の記事、著作も掲載。