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森と林業と動物の本

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2025年12月

2025/12/27

浅慮近視眼

このところ、本が長く読めなくなった。本を読み始めると短時間で疲れが出て止まってしまう。スマホでショート動画を見る方が楽ちんだ。だら~と眺めておくだけのものがよい。

ようするに脳の思考機能が落ちたのだろう。これを年のせいにするのは簡単なのだが……。

もしかして、全人類の課題なのではあるまいか。

人類の思考力が落ちたというより、人類の大脳が備えている思考力のキャパシティが限界にきたのではないかと思うのだ。現代社会は情報があふれており、その処理に膨大なエネルギーを要求される。前世紀から情報化社会だと言われてきたが、インターネットによって各人が発信する情報量が爆発的に増加した。しかもSNSは情報をプッシュしてくる。知るつもりのなかった情報まで、ねじ込まれるがごとく押しつけられる。

脳は、人類の身体の2~~%しかない容量なのに、エネルギーの25%以上を脳が消費するらしい。それでも処理できないほどの情報が流入すると、脳は活動をストップする。全部処理しようとすると脳疲労が加速して壊れる。そこで深く考えない、複雑な問題は陰謀論のように思考をショートさせてわかった気分にしておいて外に逃がす。目の前のことだけを考える……。

考えないのは脳の防衛本能なのだ。深慮遠謀ならぬ、浅慮近視眼にすることで脳を壊れるのを防ぐ。

日に日に世界は悪くなる……かもしれないが、考えずに散歩に出るのが一番の解決策かもしれない。

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これは昨日の朝、庭のバケツにいたボウフラ。冬でもボウフラはいることに驚いたが、なんと、動いている。

そして、こちらは今朝のバケツの底。

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凍っている。夜は冷え込んだからだろう。それでもボウフラは動いていた。想像以上にタフだった。
蚊のように、ボウフラのように、正月は考えることを停止させて脳を休め、散歩に出よう。

2025/12/26

50年先なんて誰が見る

 今週12月22日の朝日新聞連載の「百年未来の歴史」の第2回に「50年後の森 まなざしの先に」が掲載された。1面左肩から2面全面へと続く大型記事だ。(リンク張っておくが、こーゆー記事ぐらい無料公開すればいいのに。)

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日本の森と林業を取り上げていて、吉野にも取材に来たらしい。こんな記述がある。

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ここは読めてもいいだろう。土倉庄三郎が登場するよ。

この記事では内山節さんの『日本人はなぜきつねにだまされなくなったのか』とか、瀬田勝哉さんの『戦争が巨木を伐った』や松根油の採取などを紹介しつつ、木桶などを取り上げている。だいたい私も知っている本や事象だし、知っている人も登場するが、拙著『山林王』は紹介していない(笑)。いえ、それを恨んでいるわけではないよ(⌒ー⌒)。

ともあれ、長期の視点を見つめた森林政策に期待しているのだろう。「山で生きてきた人は、50年先の森の姿を思って、きょうの仕事を決めている」なんて言葉(内山節)も取り上げている。

少し前なら、私も「我が意を得たり!」と言いたくなったのだろうが……今では、はて? と思ってしまう。

あまりにそうでないケースが多い。50年先なんてありえない、と思ってしまう。とくに『盗伐 林業現場からの警鐘』を出版してからは、いかに現場がひどいのかを“告発”する(いや、諦めと嘲笑に近い)感想が寄せられている。この記事も森と人の関係をきれいに描きすぎていて。。。。
そうした現実を知ってか知らずか、きれいごとの「林業振興」の旗を振る人も多いが、おかげで苦い憤怒が喉元に込み上げ、吐きそうだ。

実は、日本だけではなくて、世界中に醜い森の扱い方をしている事例が頻発している。ベトナム、インドネシアなどアジアだけではない。カナダにアメリカ、そして日本がモデルにしたがっていた北欧諸国も。『盗伐』を書いてから、そうした事案を取材してくれと申し込まれることも増えたのだけど、知れば知るほど気分が悪くなり、目を背けたくなる。

残る人生、汚物を見て過ごすのは辛すぎるよ……。

2025/12/25

分収造林、再び

分収造林とは、主に国有林に第三者が出資して、それで造林する仕組み。最終的な収穫時に、利益を分け合う。同じく分収育林もあって、森林管理の金を出してもらおうというもので、これが「緑のオーナー制度」だった。

緑のオーナー制度では、元本割れが続き、裁判も抱えて募集を止めている。が、今再び、林野庁は分収造林の募集に力を入れている。とくに企業に呼びかけて参加してもらおうとしている。そのため、

分収造林制度~あなたも森林づくりに取り組んでみませんか~

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だが、分収と言っても、すでに利益は出ないことは緑のオーナー制度でも露呈している。今、造林費用を負担しても赤字にしかならないのである。そこで林野庁は、企業がどの程度、環境保全に貢献したかを示す仕組みを導入する。

つまり、造林することによって、水源涵養機能や温室効果ガス固定といった環境に対する機能を数字で 証明することで、参加企業の価値向上につなげてもらう……。まあ、非財務価値(ESG・SDGs)の向上 というヤツだ。企業の社会貢献を顧客や市場に発信し、評判を高めて投資を呼び込むなどしようというわけだろう。名誉を与えるから、それでチャラ(笑)。

分収というけど、金を分けるのではなく、森づくりのよいイメージを分ける……いや、環境をよくしてんだぞ、と主張する権利を与えるわけだ。でも、50年後には伐採するんだけどね……。そのとき再造林する資金があるのかどうか。
企業も、植えることは好きだけど、それを切る時にはどんな反応するんだか。いっそ不伐の森づくりをやる造林に出資してもらってほしい。

 

2025/12/24

日本の風景に欠かせなかった柿の終焉

今年は庭の柿の木のことはかり柿、いや書き続けたが、これが最後かも。

いよいよ残る柿の実を収穫したのだ。ざっと200くらい。
と言っても、まだ届かぬ枝の先の実は手が届かないので残されている。それらは、おいおい枝を切り落とすなどして採るつもりだ。

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と言っても、この柿をなんとか食べようという努力は放棄した。すでに実は軟らかく、熟して落下を始めているから無理に収穫したのだ。
そして、この中でも大きめで、硬さも残るものを選んで、残りを処分するつもり。

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これらをどうするかが課題だ。これまでも食べない柿はコンポストに捨てていたが、これほど入れると満杯になってしまう。柿の実ばかりを発酵させてもよい堆肥にならない気がする。タンニン多いし、柿渋が出るかも。庭に穴を掘って埋めることも考えるが、そこから柿の木が生えるかもしれない(⌒ー⌒)。なんか中和させるべきだろうか。その堆肥を元に、また別の木の実が実ればよいのだが。

思えば、今年のクマ出没ニュースにつきものだったのが柿の木。全国的に田舎の敷地には柿の木を植えていることに気づく。もちろん食べるためだろうが、秋の田園風景に欠かせないのが赤い柿の実だったのかも。

それをクマの予防のために随分伐られた。もしかして、その中には超絶銘木・黒柿の材もあったかもしれないのだが、ほとんど捨てられたか燃やされただろうね。

柿のある風景の終焉である。

2025/12/23

丹土とベンガラ

毎度おなじみの平城宮跡の大極殿。いつもの散歩コースだが、久しぶりに上に上がって中を見学した。何ヵ月ぶりか。

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赤の柱が自慢の古代建築(復原)なのだが。

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あらら。結構、剥げている。ここは風雨にさらされる外側だからでもあるが、内部の柱もそこそこ塗料が剥がれつつある。完成後、15年は経つからか。果たして木部が傷むことはないのだろうか。

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この塗料は、丹土と呼ばれる赤い土。だいたい酸化鉄を含むもの、あるいは黄土を焼成してつくられる。その中にはベンガラも含まれる。さらに上等なものは水銀朱、つまり硫化水銀を含む「朱」もある。こちらは古墳の内部の装飾などに使われるが……。

赤は、古代、神聖なる色だったのだ。

さて、この塗料、土やベンガラに柿渋や菜種油、松脂などを混ぜて塗料とする。いわゆる合成樹脂系の塗料と違って、木肌も息ができるという点では、わりと優秀なのかもしれない。

この丹土、ベンガラは材料によって色が違ってくる。沖縄の首里城の再建で、どこのベンガラを使うのか悩んだらしい。以前の平成の宮殿は本土製のベンガラだったが、令和の再建では沖縄のベンガラを再現することになり、。すでに絶えていた”久志間切弁柄” が復元されたそうだ。

今年5月に訪れた首里城再建現場の写真を調べると、わずかに写っていた。

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木と土の相性についても考えてみるといいかもね。それにしても、大極殿はいつ塗り替えるのだろう。

2025/12/22

「荒れた」人工林とは

このところ、クマの出没に関する取材を受けることが多いのだが、そこで私の指摘するのは「クマの生息数が増えた」こと。そしてクマが増えられたのは、山にクマの餌が多くあること。

そこで先方は、「スギやヒノキばかりの森ではクマの餌となる木の実などないのでは」という疑問を出してくる。

それに対して「人工林にも、餌になるものがたっぷりある。とくに“荒れた”人工林には広葉樹がよく繁っている。放置林では立ち枯れしたスギなどが倒れて、光が入るので、実をつける草や広葉樹も生えている」と反論する。

一般に「荒れた人工林」では、間伐も行われていないから林内は暗くて草も生えないというイメージで語られる。たしかに、そんな森もあるのだが、そればかりではないでしょう、と説明している。
また手入れが行き届いた人工林も、間伐が進み林内によく光が入って草や雑木が育っている。それは下層植生となるから、スギやヒノキの成長には影響なく、排除もされない。だから、そこにも餌がある。

……とまあ、口先では説明するのだが、普段森の中、それも人工林の中に入らない人には、あまりピンとこないようだ。

そこで裏山を歩いて見かけた光景の写真を。

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スギ林だが、結構倒木が多い。切り捨て間伐ではなく、風倒木だろう。

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倒木は徐々に腐朽して、草も生えだしている。この人工林は、大手製紙会社の持ち山だが、いまや周りが自然公園と住宅地に囲まれているので伐採搬出は不可能だろう。だから放置状態。最近の台風でよく倒木が出る。

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雑木~広葉樹が混交した状態だ。このまま針広混交林に育てばいいと思っている。広葉樹も太くなれば、恒続林的な林業ができるかもよ。
人が混交林に必死に誘導しようと思わなくても、自然と混ざってくるのだというのが私の持論。探せば餌となる草の実、木の実もあるだろう、冬だが。

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イノシシのぬた場もあった。かなり頭数がいるみたい。クマがいては困るが、イノシシも増えているのである。

以上、裏山から見た、人工林と野生動物事情でありました。

 

2025/12/21

土倉庄三郎は吉野山の桜を守ったか

拙著『山林王』では、土倉庄三郎が吉野山の桜を買い取って守ったという逸話を紹介している。

明治初年に吉野山では廃仏毀釈が吹きあふれ、桜を見る人もいなくなったので伐って材木として売り飛ばす算段をしていた。それを聞いた庄三郎は、怒って売った金額と同等の金を渡して「今後、吉野山は海外からも人が来て見直される日が来るから、買い戻せ」と言った。だから吉野山の桜は庄三郎あってこそ現在まで残っているのである……という話である。

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ただ、これは土倉家に伝わる伝承で、それを裏付ける話がない。とくに吉野町側からは出てこない。また明治時代の桜は、かなり今より小規模だったらしい。庄三郎は桜が伐られてから援助したのではないか、という見方もある。
だから私も、あくまで伝承として書いたのである。たまに取材を申し込まれる(テレビ局的には飛びつきたいネタらしい。とくに「これからは海外の客も来る」と言ったのが、インバウンドの予言になる。)が、私は本当かどうかわからんよ、と伝える。すると企画は消えてしまう(笑)。

だが、ついに裏付け証言を見つけた。

吉野山の桜を守る吉野山保勝会という組織があるが、その前理事長で竹林院という寺・宿坊の住職である福井良盟氏に話を聞いたら「ああ、本当だ」とあっさり言った。

なんと彼の祖母が土倉家のある川上村大滝の出身で、しかも庄三郎が生きていた時代に少女だった。竹林院に嫁に来てからも、ずっとその話をしていたらしい。それも微に入り細に入り。その中には「海外からの客」の話もあったそうだ。そのとき、庄三郎はドン!と机をたたき……とまで具体的な証言したという\(^o^)/。だから大滝の人には優しく、庭の観覧料金をとったら怒られたという。

素晴らしい。もちろん歴史学的な考証ではないが、両者から証言が取れたら確度は高いとして私的には認めるのである。

吉野山の桜は、土倉庄三郎が買い取った。これからは、ドンと大きく売り出していこう。

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2025/12/20

コンクリートで固められた根株は……

砂防ダムの建設とかで続いている工事。

以前も紹介したが、砂防ダムの建設をするための資材搬入のためなのか、手前の山の一部を削りだした。岩を割り、木も全部伐った。

まあ、仕方ないか、工事が終われば少しずつでも草や木は生えてくる……。そう思っていたのだが、どうやら元にもどすつもりはないらしく、コンクリートで固めだした。

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金網を張って、その上からコンクリートを吹きつける。土砂の流出を止める意味もあるのだろう。が。

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このように伐った木の根株もあるのだよ。

これはコンクリートで覆われた後、どうなるのだろう。腐るのだ。空気と触れないから時間はかかるだうが、少しずつ腐り、土中に溶け込む。空洞もできるかもしれない。

そうなると崩れる恐れもあるが……コンクリートを厚塗りすれば、それでも問題ないのだろうか。そもそもコンクリートで覆われた下の土壌は、どんな変化を見せるのか。微生物は死に絶えるのか。それなりに嫌気性細菌などは繁殖するのか。降雨などがしみこむことはなくなるだろうが、コンクリートを張らないところからじわじわと水分も広がるのか。草木の根っこなど有機物も行方はどうなる。長い間にはコンクリートにもヒビが入るだろう。そこから水もしみこむに違いない。ドカッと崩れる時が来るかもしれない。もしかして笹や竹はコンクリートだって突き破るかも? 何年も先の検査と修繕体制は組まれているのか。

疑問ばかり湧く。研究はされているのだろうなあ。

楽しみだ。今後、観察を続けよう。何十年も続くかな。

 

2025/12/19

一枚板テーブルからイスへ

奈良にある木工会社が、「風樹の塔」という店を何店舗か出している。

そこには一枚板が並べられていて、それをオーダーメイドでテーブルなどに仕立てる……いうシステムである。以前、この店について本ブログで紹介したことがあるな。

その一軒が近くのショッピングセンター内にあるので、たまに覗く。たしかに幅1メートル前後あるような無垢一枚板(ナラ、ケヤキ、クリ、トチ、ウォールナット……)が並んであるのは壮観だ。(これを喜ぶのは木材オタクの証明になるんだろうが。)
木オタク的には、木目は銘木ではないが、この木はどこに生えて何百年生きていたんだろうな的な素性を想像させる素材である。

ただ主力商品は、テーブルである。それなのに先日通り掛かると「座りたくなる椅子展」というのぼりが立っている。

椅子を扱っているの? と思って中に入る。

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こんな具合。思わず順番に座ってみたよ(^_^) 。

テーブルだけで終わらず椅子の分野に進出するのかな。大きなテーブルは置ける場所のある家屋でないと買わない。

椅子は木工界でも特別らしい。椅子オタクもいるらしい。また製造面でも特別な技術やセンスがいる……らしい。

上に人が座るということは、重圧をかけるわけだし、それせ静かに真下方向に重りを置くのとは違って斜めから座ったり、座ってから身体を揺すったり……ということもする。それを約4本の脚で支えるわけだ。デザインも含めて難しそう。

そんな世界に挑戦するのか。

ちなみに我が家も食卓用の椅子を新調しようかと思っている。思っているが、気に入るデザインとは何か、自分の身体にフィットさせるのはどうか、オーダーメイドなら値段も高そう……と思って心は揺らいでいる(^_^) 。

椅子の世界に分け入るとヤバイ予感もするよ。

 

2025/12/18

クズの底力

奈良県某所に訪れたところ、きれいに草刈りもされた敷地に緑が目立った。そこで近づくと……。

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みんなクズじゃん。

って、罵倒している訳じゃない(笑)。植物のクズ。

周辺はきれいに刈り取っているのに、植木は整備しなかったのね。というより、植木を包み込むようにクズが繁っているのを剥がそうとはしなかったのだろう。草刈りだけを請け負った業者だからかもしれない。

しかし、低木の、多分ツツジの植え込みから蔓を伸ばして隣のサクラ?まで覆おうとしているように見える。

枯れ木も山の賑わい、というが、赤くなった葉を落としたサクラを緑にしようとしているかのようで、ちょっと健気(笑)。

クズはその繁殖力で世界的な有害植物扱いだが、日本では外来種ではないので駆除を推進するわけにも行くまい。結局、クズが繁栄できる場を与えてしまったということなんだろう。

駆除を考える前に、底力を感じたよ。クマと一緒。

2025/12/17

屋根の上の鳥、の死骸

ベランダからふと下を覗くと、屋根の庇部分に鳥が死んでいた。

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さて、何という鳥でしょう。目の部分が落ちているが、メジロかな。羽はウグイス色だけど(^^;)。そもそもウグイス色というのは、本来のウグイスの色ではない。ウグイスはもっと地味な灰色だったはず。

なぜ死んだのかは不明だ。見たところ体に傷はない。最近、冷え込んだが、それで凍死するほどとも思えない。病か老衰か。

弔ってやりたいが、ちょっと手が届かない。とはいえ、庇の上というのはなんとも。ここで腐っては困るし、骨になったら余計に薄気味悪い。何か方法を考えよう。

思えば野生動物は、ほとんど人が目にしないところで死んでいくのだろう。死骸も片づけられることなく、自然に還っていくのだろう。それが摂理と言えば摂理。人の目に止まらないほうがよいのかもしれない。

 

2025/12/16

宇宙の森と、木の衛星

先日のNHKスペシャルでは、「「ヒューマンエイジ 人間の時代 出地球」として宇宙(とくに火星)への移住を扱っていた。

イーロン・マスクなどは2050年だったかに火星に100万人都市を築くなんてぶち上げている。下記の想像図にある宇宙の建築群のように。

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これ、以前から私が考えていたというか疑問を持っていたことがある。

火星に人が行くことをどうこういうわけではない。調査基地を設けることぐらいならできるだろう。が、都市をつくって移住となると……。

そこで質問。その都市をつくる建設資材はどこから得るのだ?地球から全部運ぶのか?人一人送るのにおそるべきエネルギーとコストがかかるのに、何万トンもの鉄材を?それとも木材を宇宙に打ち上げて、何カ月もかけて宇宙船で運ぶ?

火星に木はないよ。石油もないから合成樹脂も使えない。鉄だって怪しい。鉄分子はあるだろうが、鉄鉱石はないからだ。鉄鉱石は水が鉄分子を凝集することで生まれる。火星にあるのか……もしかしたら数億年前の水が作り出しているかもしれないが……。

識者には、隕鉄を含んだ小惑星を見つけて火星まで運ぶ、あるいは宇宙空間で精錬するという構想があるが。ならば精錬所、製鉄所はどこにつくる? 何でつくる? こちらも重いよ。月につくって打ち出すか。

とまあ、考えていくと、宇宙に人類が(大量に)住めるほどの建材の調達は非現実的なのだ。

そこで、考えられているのが、菌類がつくる菌糸で建材をつくる方法。なるほど、菌糸から布はつくれる。それを重ねていけば強度を保てる建材になるかもしれない。菌類なら炭素と酸素などがあれば成長できるだろう。……で、その炭素と酸素は?人類が呼吸する以上に膨大な酸素を消費しそうだ。

いっそのこと、宇宙に森をつくろう! その方が本物の木材が得られる。

そこで思い出したのが、「サイレント・ランニング」。1972年作のアメリカ映画で、かなりマニアックながら、優れたSF映画だ。特撮はちゃっちいが、それは仕方ない。むしろ愛着のわく描き方であった。

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地球では植物が絶滅し、わずかな標本が「植物保存計画」によって、土星軌道の3隻の貨物船に接続された温室ドームで生き延びていた……という設定だ。まさに宇宙に森をつくっていたのだ。

映画では、地球政府から計画を中止してドームごと植物を核爆弾で破壊し帰還せよ、という指令が届く。一人反対した植物学者が、このドーム内の植物を守ろうとして……と展開する。が、何より森を作り出しているところに、私は興奮した。

実は、先日の奈良女子大学のシンポジウム「木と人の共生 過去から未来へ」では(私は古代からの日本林業史を語った)、「宇宙で木材は使えるか」というテーマもあり、そこで木造人工衛星が語られた(村田功二京都大学大学院教授)。その延長で、宇宙に森をつくることも触れられたのである。

たとえば火星に森ができたら、そこで木材の調達も可能になる、かもしれない。もちろん食料だって得られる。

「森の国・木の街づくり」なんて小さなことを言っていないで、「宇宙の森、火星の木造建築」づくりを夢見ようよ。

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木材を宇宙空間で使えるようにするのは大変らしいが、植物を育てることはもっと大変(^_^) 。空気だけでなく紫外線や宇宙放射線もある。でも、地球環境問題を考える際の切り口になりそうな気がする。

実は人工衛星の木造化には、別の意図があった。アルミニウムなど金属製衛星は大気圏に突入すると、エアロゾルとなって汚染してしまうのだ。オゾン層に影響を与え気候変動に引き起こしかねなかった。逆に太陽光を反射して、地球の寒冷化を招く可能性もある。

すでに現在でも何千トンかのアルミニウムが大気中に拡散している中、喫緊の課題だったのだ。そこで木製の衛星を考えるようになったのだ。

いずれにしろ、宇宙移住計画には森と木が欠かせないと思うよ。

2025/12/15

Wedge ONLINE「ハンターは減っている?」書いた裏事情

Wedge ONLINEに「ハンターは減っている?クマ問題に欠かせない人材の実情、駆除数は増えるも極めて厳しい現場」を執筆しました。

これ、実はかなり難行した。ハンターについて書けないかと思ったものの、最初は銃を所有する資格を得るためにはすごい手間と金がかかる……という視点だったのだが、難行。猟友会との関係に焦点を当てようか……と思ったのだけど、難行。

結局、原点にもどって「ハンターの数」にテーマを絞った。そして「ハンターは減ったのに、駆除数は増えた」謎に行き着いた。

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警察は民間に銃を持たせたくなくて厳しい制限を掛けているのだが、クマ問題などが出てくると民間ハンターに頼る……という矛盾した関係にある。一方で、「それなら警官がクマを退治してくれ」と言われると、それもイヤなんだろうなあ。向かい合いたくないもの。仕事も増えるし。

かろうじて機動隊の中のライフル狙撃手を動員することになったが、それだって猟友会とゴタゴタ起こしそうである。
むしろハンターを増やしたがっているのは環境省なんだから、環境省職員の中からハンター希望者が出てくるかもしれない。農水省、林野庁の職員も頑張ってね。

 

2025/12/14

万博脳のリング「投げ売り」の記事

産経新聞に、万博の大屋根リングの今を紹介している。

万博リング、解体木材を新品の10分の1価格で〝投げ売り〟 保存どころかレガシーの危機 

全部読めないけど、ようするに解体されても引き取り手がないということだ。

 大阪・関西万博の象徴とされた大屋根リングの解体作業が本格化している。日本国際博覧会協会はリングを万博のレガシー(遺産)と位置づけたものの、明らかになっている木材の具体的な再利用策は能登半島地震の復興住宅など一部にとどまる。協会は再利用の対象となる木材の出品単価を新品の10分の1程度の廉価に設定し、解体費用も負担している。「世界一の木造建築物」に使用された木材は2万7千立法㍍もあり、十分な引き取り手がなければ燃料用のチップなどになる可能性もある。
 リングの解体は今月から本格的に始まった。建設を手掛けた大林組、竹中工務店、清水建設の大手ゼネコンを中心とした3つの共同企業体が解体も担当し、2027年8月までに完了予定だ。
 現在までに示されている木材の具体的な活用策は、能登半島地震で被災した石川県珠洲(すず)市の復興公営住宅や、27年に横浜市で開催される国際園芸博覧会のタワーの資材など、ごく一部となっている。

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いまさら……とは言ってはいけないが、最初からわかっていたことだねえ。

再利用はごく一部だし、その売価も10分の1らしい。多分、大部分はバイオマス燃料に回されるとして、トン価格は100分の1くらいになるのではないか。

林野庁の「森の国、木の街づくり」宣言では、木造建築は炭素を貯蔵するとの売り文句なのだが、この世界最大の木造建築物であったリングは、すぐ大気中に放散されるわけだ。せっせと貯蓄したのに放蕩息子が財産をパッと費やしてしまうみたい(TОT)。

私自身は、この炭素の貯蔵に関しては、最初から期待していなかったのだが、何より50年100年育ってきた森が伐られて、たった半年の使用で消え去っててしまうことが悲しい。

感情的な自然保護運動とは一線を画したいが、それでもこのリングに関しては、万博関係者に「森林愛」がないことを痛感する。真に森の価値、木材の価値を考えていたら、建設費に1、2割増額して対腐朽措置を施して恒久的なリングにすることができただろうに。(恒久的と言っても、メンテナンスは必要だけどね。)

きっとリングは万博の開催期間だけ保てたらいい、後のことは考えない、“万博のためなら地球環境を破壊したっていい”という万博脳になっていたのだろう。

 

2025/12/13

初氷かな

朝、庭に置いてあるバケツの水が凍った。

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ほぼ初氷だ。数日前にも薄く張っていたが、かなり層になっている。

まだまだ薄く、バケツの水が完全に凍ってしまうまでにはいかないが、とりあえず冬を実感する。

ただ池の金魚は元気で、エサをバクバク食う。冬は動かず食べない、ものなのだが。

それに、柿の実がまだまだある(^^;)。こちらは秋の名残。

2025/12/12

木材輸入実績統計、の単位

林野庁が、2025年1月から10月までの木材輸入実績を公表している。

輸入額は、前年同期比+2%の1兆2,444億円。品目別で見ると、丸太が前年同期比-4%、製材が同-4%、合板が同-2%、集成材が同-17%と、マイナス続きだが、木質ペレットが同+39%と大幅に増えている。
ようするに、バイオマス発電燃料として使う木質ペレットばかりが大幅に伸びているということ。建材等のほかの用途は軒並み落ち込んでいるのだ。
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この手の統計を見ていつも思うのだが、扱うのは「輸入額」、つまり金額が多いこと。私がいつも気にしているのは「輸入量」なのだ。なぜなら、他国の森林をどれほど伐って日本に運んできたかという点に興味があるから。

金額は、経済経営面から見るのに使えるが、製品によっての価格が違ううえ、ときの為替なども影響する。簡単には比べられない。

それでも、こう考えた。木質ペレット単価は、やはり安い。製材や合板、集成材と比べるもなく、丸太と比べても安いだろう。それでも、金額にするとこれほどあるのだから、木材量はいかほどになるか。

輸入量も掲載されている。ただし体積だ。
丸太は141万9000立方メートル、製材326万7000立方メートル、合板122万5000立方メートル、集成材54万2000立方メートル。
そして木質ペレット722万トン。ここだけ重さになる(笑)。ほか製紙用チップもあるが。これらはみんな10月まで、つまり10か月分だ。

大雑把に木材の重さを体積の0.6倍とすると、木質ペレットは約1203万立方メートルとなる。丸太の8倍くらい?

木質ペレットの生産には、どれほどの森林=木材が必要とされているのか、こんな数字から想像するのもよいかもしれない。

2025/12/11

森林環境税の免除規定改定か

物価高、物価高と騒いでいる中、森林環境税はしっかり取られていく。これを免除するのも物価高対策に入らない?
と思いついたのだが、誰も何も言わない(-_-;)。誰か、政治家よ、動け。

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おそらく、取られるのはたった一人1000円だからなあ、と思っているのではないか。だが、4人家族なら4000円。配布経費も掛からないし、行政事務手続きもたいしていらない。おこめ券を配るよりよっぽどいいと思うが。(多分、鈴木農水大臣の頭の中に林業はない。)

ただ、森林環境税の免除規定はあるのだ。

森林環境税の非課税及び免除に係る留意事項について(通知)

ここで森林環境税を徴収しているのは農水省ではなくて総務省であったことに気づく(笑)。まあ、いい。
実は、次のような項目がある。

生活保護法による生活扶助を受けている人。
障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与収入の場合、年収約204万4千円未満)であった人。
前年中の合計所得金額が一定の所得以下である人
災害(火災、風水害など)により大きな損害を受けた場合

だが、このほど与党の税制調査会で、最後の災害時の免除規定を変える動きが出てきた。

大規模災害時は、被災者から申請書が提出されなくても市町村が免除できるようにしようというものだ。現行では、森林環境税の免除には納税義務者からの申請書の提出が必要となる。しかし考えればわかるが、大規模災害時には避難所生活などで提出が困難になっていることが想定される。市町村の事務負担も通常より重くなっているだろう。そんなときに「たった」1000円のために被災者が動けるだろうか。

見直し案によると、対象となるのは「特定非常災害」に指定された時。災害で死亡したり、罹災証明書によって住宅や家財の被害が確認されたりするなどの要件に該当する際、免除を可能とする……というものだ。2026年度税制改正大綱への反映を目指すという。

まあ、野党でも反対する意見は出ないように思う。ただ、それでも罹災証明書が必要なので、皮下医者には気が重いだろう。

私は、おこめ券よりお金券!を配ってほしい。お金券って? そのままお金として買い物ができるチケット。紙幣でもいいよ。

2025/12/10

ばけばけとカーネーション

NHK朝ドラ「ばけばけ」で、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルとしたレフカダ・ヘブンの半生が語られた。日本にお雇い外国人としてきたヘブンだが、実はギリシャ出身で欧米を転々とした貧乏な男だった……という。

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このドラマでは、主人公のトキの家庭が没落士族で超貧乏であることは幾度も説明されてきた。そしてヘブンの女中となったわけだが、その給金は20円だという。ちなみにヘブンの給金は100円。

これが現在のいくらに当たるかは、ネットでも話題になっている。当時の旅館の女中が90銭なのだから、20円はざっと22倍! 今なら安月給でも15万円ぐらいはあるので、それでは300万円以上になってしまう。ヘブンにいたっては1500万円以上の給金なのだ(月給だぞ)。もちろん、比較する給金によって違うが、感覚的には80万円ぐらいかと。

ちなみにモデルの小泉セツが受け取っていた実際の額は15円だったというが……。現代の価値との換金は難しいが、当時の高級官僚並みではあったそう。ハーンの給料はいくらかわからないが、やはり外国人を招聘したのだから、1000万円以上のレベルになるだろう。

アメリカでは貧乏だったヘブンが、日本では金持ちになったのは、貨幣価値の違い、ようするに為替の問題が大きい。日本で受け取る100円をアメリカに持ち帰ってもたいした金額ではなかったろう。

そこで思い出したのが、大正末期にアメリカから日本に帰国した犬塚卓一のこと。

彼は、アメリカでカーネーション農園に働いていて、その栽培技術を持って帰った。そして土倉龍次郎と組んでカーネーションを日本に根付かせる役割を果たしている。だから龍次郎をカーネーションの父、犬塚をカーネーションの母と呼ぶのだ。

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犬塚は小学校卒業後、1907年にアメリカに旅立つ。叔父がオレゴン州ポートランドで花の栽培をしていたからだ。そこで20年間働いて、温室のカーネーション栽培のほかさまざまな草花の栽培の技術を学んだ。500坪の温室があったという。

大正の末に帰国したのは、世界恐慌が発生し、経済が大混乱に陥ったから。ただアメリカ以上に経済が落ち込んだ日本は、為替相場が暴落したため、非常にドルが強くなっていた。当時、1ドルが4~5円になったというから、現在の価値なら1ドル5000円くらいだろうか。157円まで落ちた現在の円安とは比べ物にならない(笑)。

だから、アメリカで貯めたお金を日本に持ち帰ると、なかなかの大金持ちになったのだ。その金でアメリカから温室やボイラーまで一式の機材を持ち帰った。だから日本でアメリカ式の巨大温室栽培を始められたのだ。そして開いたのが「日本フローリスト東京」である。

当時は、土倉龍次郎もカーネーション事業を軌道に乗せていたが、犬塚ほどの金があったかどうか。

龍次郎は兄の鶴松の借金の肩代わりをさせられた。私の見立てでは、約10万円ぐらいになる(いくらか借用証書が残されている)。大正時代だから、現代の数億円にはなったかと思う。それを農園にしていた土地や家屋を売って返済したのであるが、果たしていくら手元に残ったか。そうした状況下でのカーネーション栽培だった。

……とまあ、そんなことを「ばけばけ」給金から考えたのであった(⌒ー⌒)。

 

2025/12/09

『盗伐』が平積みに

奈良のイオンモール橿原にある喜久屋書店。

そこで見たのは……。

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この棚がすごいのは、『盗伐 林業現場からの警鐘』が平積みになっていることだ(^_^) 。正直、出版後1年半も経つと、なかなか平積みはされない。そして、『絶望の林業』が1冊だけその下にある(^^;)。

しかし、『山林王』がないぞ。

農林業棚ではなく、もしかしてノンフィクション棚? なかった…。

あったのは「郷土」棚。奈良本の一角だ。

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なんと2か所も平積み! ポップ付。さすが奈良県内では売れ筋なのだ(⌒ー⌒)。

2025/12/08

「古代文明」から考えるグローバル化

NHKのEテレで「3か月でマスターする古代文明」という12回放送をやっている。もう10回まで来てしまったが、非常に面白い。ワクワクしながら見ている。

当初は“3カ月でマスター”とあるのだから、各地の古代文明史のダイジェストかと思ったのだが、そうではなかった。最新研究結果をぶち込んでくる。それも予想外の事実ばかり。

農耕以前の狩猟採集石器時代に、すでに巨石建造物がつくられていたというギョベックリ・テベ遺跡(約1万1000年前)。
多様な民族と言語と宗教を保った寛容の王国ヒッタイト
王も富も武器もないインダス文明
元祖民主政治を生み出したギリシャのポリス・ネットワーク
2600年間、統一王朝を造らなかったマヤ文明……

文明は大河のほとりに農耕が発達し金属の登場したことで都市が誕生し、社会が階層化して専制的な王が登場し、それが周辺国家を征服して統一王朝を生み出していく……といったイメージがガラガラ崩れる。

実は、古代文明は分権国家からスタートして、指導者は必ずしも王ではなく民主的な体制だった文明が多いのだ。戦争が多かったわけでもないらしい。むしろ近隣国家と平和条約を結んだという。

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まだ全部終わっていないのに紹介するのもナンだが、以下のラインナップ。

第1回:衝撃!最古の巨大遺跡 見直される“文明の始まり”
第2回:メソポタミア 都市は“最終手段”だった?
第3回:ヒッタイト 過酷な大地の帝国の秘密
第4回:エジプト ピラミッドと黄金が社会を変えた
第5回:インダス 王も富も武器もない文明
第6回:中国 ?交雑“が生んだ王朝
第7回:原シルクロードと中央アジア 交流と繁栄
第8回:ギリシャ ネットワークが育んだ ?民主政“
第9回:オセアニア 巨大化する石像の謎
第10回:マヤ 多様性を王国の力に
第11回:アンデス1 ナスカ地上絵・文字なき文明の道しるべ
第12回:アンデス2 初めに神殿ありき

どうだろう。専制君主を生み出したのは、文明が発達して後の時代に進んでからだった。これは歴史ロマンで終わらなくて、人類が社会を造っていく過程と人間の本質を探れるのではないか……と思った。

そう、人類社会は、本来は分権的で民主的、そして多様性な社会をつくっていた。それが時代とともに中央集権的に移行する。おそらく物の大量生産と効率化を望んだからだろう。そして画一化を進めて大国化し異質な文化の排除に向かう。

これは、現代のグローバリズムに近いのではないか。民主的だった古代文明がグローバリズムに飲み込まれて帝国・王国を築いていくのだ。

翻って近代社会は、王政・帝政から再び民主制へと発展してきたものの、また権威主義という名の帝国化を望む地域・国も少なくない。やっぱり人類は画一化が好きなんだな、と思ってしまう。さまざまな意見・価値観・体制……などが混ざっている状態で丁寧に合意を形成して共存していくのは、効率が悪くて鬱陶しく不愉快に感じるのだろう、とくに支配者層には。

古代文明から現代社会までの歴史に、反グローバリズム、反画一社会という補助線を引いたら、見え方が変わってくるかもしれない。

2025/12/07

神戸・蚤の市にて

昨日は、神戸に行った。実は谷山浩子のコンサートだったんだが、その前に時間があるからと、すぐ近くの神戸市立博物館で「大ゴッホ展」に。すごい混雑ぶりだったが、かろうじて当日券を購入できた。その後に町をぶらぶらすると、三宮の街角をイベント会場にした催しがあって、その一角に「蚤の市」が。

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どうやら骨董屋が店を出しているのではなく、各地のクリエーターが思い思いの品を出展しているらしい。

で、ヘンな木片を並べている店。

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淡路島の建築設計家らしいが、廃屋を購入して、自らリノベーションしつつ出てきたものを並べるという……(^^;)。

シロアリに食われた板。新聞紙が張りついているが、どうも50年60年も前らしい。さびた鎌に何かの把手、カスガイ……瓦も並ぶ。

売れますか、と聞いたら、もちろん売れない(^-^) 。が、把手を何かに使えるかも、と購入した人がいたらしい。まあ、売るつもりはなくてパフォーマンスの一環なのだろうけど、私がいろいろ使い方を提案してしまったよ。虫食いの板など、やり方次第で斬新なエクステリアになる。各地にはこんな事例があってだな、と……私は何やってんだか。

端材でつくったイスは、もう少しブラッシュアップしたら売れそうに思う。いろいろ組み立てたり、組子のようにいじれたら楽しい。

せっかくだから、大ゴッホ展の撮影可能な一枚。大人気で撮影合戦であった。

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「夜のカフェテラス」。この展覧会で驚いたのは、彼の前半生の絵の暗いこと。黒に黒を重ねたような絵ばかり。「白い帽子をかぶった女」の絵まで真っ暗(-_-;)。ミレーの模作を思わせるものや、動きのズレた人体デッサンなど。もし、私が同時代の批評家だったら、絶対にゴッホの絵を評価しなかっただろうと思わせるわ(笑)。

さて、コンサートは、楽しんできました(^-^)/ 。

2025/12/06

ヒヨドリと柿羊羹

週末だからとほんわかネタを探すと、すぐに庭の柿の話題になるのだが(^^;)。

朝、庭の柿の木を見ると、わりと大きめの鳥が留まっていた。

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ヒヨドリだと思うが、クマでなく鳥が来るのは歓迎。ただ、あまり柿の実を食べてくれない。まだまだあるんだから、どうぞ、遠慮なく……。

鳥もあまり来ると迷惑だが、柿ならいくら食べても怒らないよ。

現時点で収穫した分だけで150個ぐらいあって、木に残るのは写真の通り。多分200個を超すだろう。一生懸命、近所に配ったり、大量消費を行っているのだが。

今日は久しぶりに柿羊羹づくりをした。前回は軟らかかったので、今回は硬めに。

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重箱に詰めて冷やす。隣のトウガラシは、柿の実と一緒に収穫した今年最後の農作物。
ただ柿の大量消費を狙ったのに、実は5、6つで済んでしまった。これでは柿は減らない。

 

2025/12/05

ウナギ規制報道における日本の体たらく

今週は、ちと時事ネタ、政治ネタを多くしているが、気になるニュースとしてワシントン条約締結国会議で「ウナギ取引の規制」を加えるかどうか、という会議の話。

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ウズベキスタンで開催されたワシントン条約の締約国会議では、ニホンウナギを含むウナギ属全種を輸出入の規制対象に加える改正案が出されていたのだが、それを否決した。

ウナギの取引規制案、国際会議で正式否決 資源管理は引き続き課題

投票した143カ国・地域が投票し、賛成35、反対100だった。3分の2以上が反対したことになる。これは、主に日本のロビー活動の成果だろう。成果、と言ってよいのか、ようするにウナギ取引を規制されないように、農水省が各国に働きかけたのだ。ウナギには何の縁もない国が多数だから、比較的了解を得やすかったのではないかと思う。

鈴木憲和農水相も、各国大使館を訪問して成功したことを誇らしげに語っている。

そして報道は「よかった」の一辺倒。まさに「これでウナギが食べられる」「値段が上がらずに済む」といった意見ばかりを紹介している。

だが、なぜEUなどがウナギ属全種への規制適用拡大を提案したのか、をちゃんと解説した記事はあっただろうか。

すでにヨーロッパウナギは危険水域まで数を減らしている。そして「(日本に)輸出用の漁獲が個体数減少の主要因」と主張していた。それを抑えるためにウナギ種全体を規制しないと、「ある種の減少が別の種の過剰利用を誘発する」という考え方を取り入れたのだ。また「個別種だけを規制するのは困難」という意味もある。それに対して日本はニホンウナギはちゃんと管理していると主張したわけだが……。

それって、嘘。全然まともな管理はできていない。そもそもシラスウナギは暴力団の資金源になっているといわれるほど密漁されている。そしてニホンウナギも国際自然保護連合から絶滅危惧種扱いされているのだ。

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もちろん、ウナギの減少とウナギの貿易の関係をちゃんと説明できるのかなど、疑問点はある。だから会議の結論はさておき、本当に生物としての生息数がどうなっているのかを心配する声が全然報道されないのは、おかしいのではないか。

それに、もともとウナギは稀少だから高価で、庶民が食べられるのは年に一度などと言われていたのに、今やスーパーで1年中販売しているのもおかしい。昔より多く捕獲しているのは間違いないのだ。

これはクロマグロの時もそうだったが、日本人は「食べられなくなる!」ことに過剰反応して、ことの本質を全然報道しない。記者も視聴者読者も、生物種の生存より自分の「食」にしか興味がないのだろう。いきなり日本人ファーストに陥るのである。

2025/12/04

火葬は伝統?樹木葬こそ伝統!

参政党の梅村みずほ議員が、国会で「土葬を規制しろ」という質問をしたのだが、これはようするにイスラム教徒が土葬を求めることへのいやがらせだろう。この議員、アノ維新を除名されるレベルの議員なのだが、まったく懲りていない。

ただ、その周辺の議論を見ていると「日本は火葬が伝統」と信じ込んでいる意見が飛び交っているのに驚いた。こういう声を聞くと、ホント、勉強不足というかアホな人が多いんだなあ、と思う。

日本の葬儀は、もともと土葬だった。法律は墓地埋葬法である。埋という字を使う通り、「土葬が伝統」なのである。火葬は、戦後に広がった。つまり祖父母から曾祖父母の代は、日本人の大半は土葬だったわけだ。決して古い話ではない。私の父は、若い頃に土葬の穴を掘らされた(村の青年団などの役割)話をよくしていた。

研究者によると、ずっと土葬だったのだが、西暦で700年に僧の道照が初めて火葬をしたという。それだって特異な例であった。その後、室町時代末、つまり戦国時代には、天皇や将軍など武家も火葬をするようになったが、豊臣秀吉や徳川家康などが土葬にもどし、江戸時代はだいたい土葬となった。
もっとも町の住人は火葬が残る。また浄土真宗では火葬が多かったらしい。

幕末になると、水戸藩が火葬禁止令を出している。日本古来の神道では土葬であるべき、と考えたのだ。これが廃仏毀釈にも結びつき、明治に入ると土葬が中心となるのだ。また墓も一人一墓であった。

それが戦中戦後のどさくさで、土葬する場所もなくなり、火葬が奨励されるようになる。また一人一人に墓を造るのも大変で場所もなけれはかねもかかるので、家族墓、つまり「〇〇家の墓」という形態へと移っていく。

この流れを知らない人が、イスラム教徒を排斥しようという意図を持って、「土葬禁止」を言い出したのだろう。イスラムでは火葬されるのは罪人という取り決めがあるからだ。実は復活を願うキリスト教徒もそうだったのだが、徐々に緩んで火葬も認めるようになったのである。欧米では、火葬はかなり広まっているが、それでも基本は土葬だ。

……という蘊蓄を唱えるのは、現代は土葬火葬を飛び越えて、「墓はいらない」という動きと、家族一緒の墓に入りたくないという思いから一人一墓にもどる動きがあるからだ。独身だけでなく、夫婦でも同じ墓に入りたくない人もいるし、ペットや友人と同じ墓に入りたい希望もある。

そのなかに樹木葬もある。樹木葬って、いわば縄文、弥生時代から続く埋葬方式である。ただ遺体を埋める土葬であった。そのうち卑弥呼の墓が見つかり、遺骨も発掘されるかもしれない。
現代の樹木葬で埋葬されるのは火葬された遺骨だが、最終的には森に還る。土葬、火葬を超越した埋葬だ。そして一人一墓なのである。

そうしたことを知らず考えずに、イスラム移民排斥・土葬排斥と同じ流れで樹木葬を忌避する声も出ている。それも行政から。あまりに時代の潮流を読まない人々に日本は落ちたなあ、と思う。

そのうち樹木葬が伝統だ!という人も出てくるかな?

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どこだとは言わないが、近年まで土葬が行われていた墓地。平成の墓標があった。わりと身近にあるのだ。

参考・『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる

 

2025/12/03

右翼とネトウヨ。その政策

国債長期金利が爆上がりしている。為替も円安が進行し、株価も連日の乱高下。ヤバイな、と肌感覚で思う。

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もちろん高市首相の言動と政策によるものだ。

台湾有事がらみの発言もヘタを打ったが、補正予算で国債大増発が恐ろしい。おそらく金融などの裏方は必死になっているだろうが、売り切れるのか……。このまま行けばハイパーインフレを招くことだってある。

そして思ったのは、やはり高市氏はネトウヨだな、ということ。ここでいうネトウヨとは、思想のことではない。本来は「ネット右翼」を意味したが、私は、右翼だけでなく、様々な情報を精査することもなく都合よくつまみ食いする・感情で動く・発言する連中をネトウヨと私は定義づけている。だから、たまに「ネトウヨの左翼」なんて矛盾した言葉もつぶやく(笑)。そもそも極左と極右は、実は同じというのが私の理解だが。

※極左と極右の脳は驚くほど似た反応を示すと判明!

思想としての右翼は嫌いじゃない。個別の意見に賛成するかどうかはともかく理解できる思想だから。しかしネトウヨは理解するほどの中身がない。ネトウヨと右翼は別物だ。
そして高市はネトウヨだ。右翼に値しない。例の「奈良のシカに乱暴する外国人がいる」という発言からして、まともな情報を選び取り、広く世間の反応に配慮したものではない。自分に都合よく巷の噂話を弄んでいるだけだ。

もっと簡単な言葉で言えば、後先考えず、目先の利益と感情だけで走り、時間と空間を読まないことがネトウヨの特徴だろう。
高市首相も、目先だけだ。内輪の論理と感情で動く。台湾有事に関する世界情勢を読み誤り、目先の物価対策しか興味がなく長期的な日本経済政策を軽んじている。勉強はしているようだが、左右・前後に広がる情報を天秤にかけて判断するのではなく、都合よくつまみ食い。そこそこ知識はあるが全体を見ないオタクと似ている。(鉄オタは電車の車両や運行情報には詳しいが、鉄道会社の経営戦略に興味持たない……的な。)

そう考えていると……なんだ、目先しか見ない・動かない人と政策は多い。いや、多数派かもしれない。みんなネトウヨだ。

森林政策とかさ。

2025/12/02

気持ち悪い「森の国・木の街づくり宣言」

林野庁が今、力を入れているのは「『森の国・木の街』づくり宣言」だろう。絶賛、参加者募集中である。

『森の国・木の街』づくり宣言 

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ようするに、木造建築物などを通じて、温室効果ガス排出量削減の見える化する、というものだが、そこに参加する自治体や企業の募集が行われているのだ。宣言は、和歌山県や秋田県、岐阜県のほか、住友林業や大林組といった企業や各地の木材協同組合などして、現時点で200団体を超えた。3月いっぱいまで募集して500をめざすそうだ。

あの手この手の木材利用推進策なのだが、その理屈は、

森林資源を次世代に継承するとともに、地球温暖化の防止や地域の活性化を図っていくためには、「植えて、育てる」とともに木を積極的に「使う」ことが欠かせません。特に、木材は建築物等に利用することで、森林が吸収したCO2を都市に長期間固定することに加え、製造時のCO2排出量が少ないことから、木材利用は地球温暖化の防止に貢献します

これがトンデモな嘘であることを私は幾度も繰り返して著してきたが、まったく効果なしである。

なんで、木を伐って炭素が蓄積できるのよ、という根本的な疑問と現場を見ていない。伐った木のうち建材になるのは何%なんだ? おそらく3割以下だ。

それに建材になる高齢樹木(約80年生)は、CO2の吸収量が若年樹より大きいという科学的なデータをまったく無視している。炭素吸収が衰えている木を利用すると言うなら、スギやヒノキは少なくても樹齢150~200年ぐらいまで残すべきだろう。

そして皆伐などもってのほかだ。森林生態系を破壊する……というか森をなくすのが皆伐なのだから。生物多様性を壊すことになり、ネイチャーポジティブに深刻な打撃を与えるだろう。再造林するのもゴマカシである。するなら伐った3倍以上の面積が必要だろう。現状は十分の一だ。

ようするに林野庁は非科学的なのだ。

なお来年4月より、自治体や企業が新築の建築物に木材を使った場合、木材の炭素貯蔵量を排出量から差し引ける制度を開始するそうだ。見た目の数値だけだが。

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この「宣言」をする条件は、ほとんど何もない。審査もしない。言い放しである。「敷居の低い制度にした」そうだ。

宣言だけならタダだし、私もしてやろうかな(笑)。庭の木を剪定して、その枝で何か「建築物」をつくるとか(⌒ー⌒)。

 

2025/12/01

我が家の運を吸い取る柿

年末に向けて、不運が続く。我が家の家具家電、身の回り雑貨……の故障と破綻が続き、買い換えや修理工事ばかりしている。もはや経費はン十万円を超えているところに、なんと警察に反則切符を切られる。極めて安全運転しているのに、引っかけのような摘発……。

何か楽しい話題はないかと考えても、、、そうだな。柿の豊作(^^;)。

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隣家に伸びている柿の枝を切ることにしたのだが、これがなかなかの難工事。脚立から手を伸ばせる限りの枝を落としてから、本命の太い枝にノコギリを入れる。複雑に絡んでいたが、なんとか切り落としてその枝を先方の家に落とさないよう引き揚げることに成功した。

その枝についていた柿の実を並べてみると。

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60個以上あるのは間違いない。これをどうするか、また思案しなければならないが、まだ実をつけた枝は何本もあるのだから、残りは200~300個を超えそうだ。食べるにも限界がある。小さなものはコンポストに投げ込んでしまう。

この柿の豊作に、我が家の運は吸い取られたようだ(´_`)。

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