道をつくりたがる人々
新年である。裏山を歩いていると、以前はなかった道に気づくことがある。
山の中のブッシュを切り開き、ときに木を伐り、足元を土を均して階段もどきもつくってある。ときとして、標識や地図を木々に張り付けているケースもある。この道はどこに伸びているか、そこからは眺めがいいよ、近道だよ、と知らせている。
測量のためとか、たまたま大人数が通ったので自然に踏み跡が道になったとかではない。あきらかに新しい道を(勝手に)つくった人がいるのだ。つくりたい人がいるのだ。
実は、各地の山、それも登山に人気の山ほど、この手の勝手道が増えている。
これ、行政はもちろん、山の所有者の了解も得ていない違法行為だろう。しかも、道としての基本を守っていないうえに管理もちゃんとするわけなく、ときとして消える。間違ってトンデモな場所に進んでしまう場合もある。そんな勝手道を進んで遭難する人も出ている。
新たな道を切り開く、と言えば何かかっこいい。だが、ある意味、道をつくるのは自然の中に自らの傷跡を残す行為である。多分に自己満足的であり、それが他者や環境にどんな影響を与えるかについて興味がないのだろう。我が道を行く?いや我が儘に行く、のである。
私も、道なき山を進むのは好きだが、なるべく跡を残さぬよう、草木を傷つけぬよう進む。通った後に振り返ると通った跡がわからない……というのを理想にしている。
でも、勝手道の作り手は、他人に知ってもらいたいようだ。自分がつくった道を自慢したいようだ。自らの“作品”の誇示か、それともつくった自身の顕示欲か。
正月早々、また戦争が始まった。我が道?いや我が儘道を行くトランプのアメリカは、すでに先行して無茶な道を進んでいるプーチンのロシアに憧れたのかとさえ思わせる。でも、それは新しい道ではなく、過去にさんざん繰り返して、もう通らないことにした危険な、古い道なのだよ。
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兵庫県赤穂市の雄鷹台山にも次々と勝手道が作られています。
当地の山遊びクラブであるオタカクラブの一員が中心になって勝手道を作っていることが、ヤマップへの投稿でわかります。
彼らは自分たちが雄鷹台山の管理者であると思っているようですが、市に確認したところ、同山は市有地であるものの、体育館や文化会館のような指定管理者を設ける対象の施設ではないので、彼らが管理者だという法的根拠は無いそうです。
市には数年前から何度も通報していて、その度にオタカクラブを指導するという回答を送ってくるのですが、未だに改善されません。
同クラブは正規の登山道の整備もボランティアで行っているようなので、市としては彼らがタダでやってくれれば儲けもの、機嫌を損ねるような厳しい指導はしない、という肚なのかもしれません。
また、同山は県の保安林でもあり、県の森林課の人に視察してもらったところ、一部に立入禁止の標識が掲示されましたが、根本的な解決には至っていません。
トランプ大統領の姪が心理学者で、あの叔父は自己愛性パーソナリティ障害という精神障害だと言っているそうです。
勝手道作りをやめない者も同類なのだろうなと思います。
投稿: hyper | 2026/01/18 15:40
各地にありますね。
山の管理者というより、山はみんなのものであり、何をしてもかまわないとでも思っているのでしょうか。
自己愛性パーソナリティ障害……障害かどうかはともかく、自分を見て見て、自分のしたことを評価して、という気持ちがあふれています。
投稿: 田中淳夫 | 2026/01/19 22:59