林野庁のクマ対策、山火事対策
2026年の年初めは、山火事とクマの市街地出没から始まった。
山火事は山梨のほか静岡や埼玉など各所で起きた。まだ消えていないところもある。
一方で、冬眠に入っているはずのこの時期のクマの出没にも悩まされる。すでに元旦以降、少なくとも北海道や東北6県、新潟県で目撃情報が寄せられている。
ちょっと復習。昨年のクマ出没の統計が少しずつ出てきた。
その前に昨年の状況を改めて確認すると、環境省は4~11月のツキノワグマの出没件数は、4万7038件だった。これまで最多だった23年度の1年間(2万4348件)の2倍近くに達していた。そして駆除数は、ヒグマも含めて25年11月末時点で1万2659頭に上り、初めて1万頭を突破した。12月分も足せば、1万3000頭くらいになるかもしれない。
市街地で発砲を可能とする「緊急銃猟」は、制度が開始された9月から12月末までに54件実施された。
今年もクマの出没に悩まされるのだろうか。そこで今年から始まる対策を紹介しておこう2025年度補正予算に盛り込まれている。
まず捕獲関係。
・被害要因、生息状況に基づいたクマ・シカの捕獲対策に係る総合的な取組や、イノシシの捕獲強化を支援
・ 被害防止活動従事者や農業者の安全確保のため、クマスプレーの導入を支援
私が注目したのは、クマが農地や市街地に出没しないようにするため、森林と人の生活圏を分ける緩衝帯などを整備する自治体を支援する事業。これは公有林だけでなく、私有林も事業対象としている。これは森林の特定機能回復事業のうち、林相転換特別対策の対象に野生鳥獣被害防止を追加するものだ。
緩衝帯は農地と山林の境界付近などで、伐採や草刈りを行うというもの。見通しを良くすることで、クマが山から出づらくするとともに、人もクマの確認をしやすくする。また広葉樹への植え替えも行うという。
実は、この事業、林野火災の拡大防止にも役立つ。草木のない帯をつくることで延焼しづらくなるからだ。こちらも、私有林を含めた。 火災の多い冬に葉が残る樹種は、樹冠まで燃えて炎が飛び火しやすいので、落葉樹へ植え替えることは拡大防止となる。
ほか、消火活動のための林道整備などに取り組む。
両対策とも費用負担は国54%、都道府県18%。残りの28%は市町村や森林所有者などの負担という配分だ。所有者が負担できない場合に自治体が負担する場合は特別交付税措置がある。
ほかに効果的な林野火災予防対策の実施に向けて、行政、林業関係者、消防関係者等が連携して行う、林野火災予防に係る新たな技術を利用した実証を支援……というのもあった。
とまあ、クマと山火事対策に森林整備の補助金を注ぎ込むわけだ。名目としては、反対しづらいだろう。
しかし広葉樹を植えるのは、クマの餌となる木の実を増やすためという記述がある。
これって……熊森協会の主張?
今から木の実のなる広葉樹を植えても実るまでに10年ぐらいかかりそうだが、それでクマが市街地に出てこなくなるというのはちょっと短絡思考ではないか。まずイノシシやシカが食べるだろうし、クマにとってもドングリ食べて生息数増やして人里に行こう、というキャンペーンみたいだ。世間向きに安易な理由を並べてほしくない。
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