「STAR WARS」の世界観
年末になるが、居酒屋を渡り歩いてほろ酔いで生駒駅前を歩いていたら、新しいバーを見かけた。
つい入ってしまう。オープンしてまだ1か月ほどらしい。たまたまマスターと私の二人きり。映画をネタに交流する場になれば、というコンセプトで開いたとのことで、室内には映画上映もできるそう。
私はそんなに映画に詳しいわけではないのだが、マニアックな映画ばかりを扱うわけでなく、シネコンで上映するようなメジャー映画も好きということで(その割には10数年前のマイナー映画の話を延々してしまった)、いつしかスターウォーズの話題に。
エピソード2「クローンの攻撃」が好きだ、という話になった。ストーリーはお決まりのハラハラしつつ「正義は勝つ」なのだが、不穏な空気を漂わせているエンディングが好きだったのである。
スターウォーズの舞台は、宇宙の諸惑星でつくる銀河共和国だ。ただ元老院の腐敗と通商関税抗争で、議会は機能しなくなり、各地で分離主義者の反乱も起きている。それでも体制を守ろうとしているのがジェダイの騎士。フォースと呼ぶ超能力を持つ集団である。だがジェダイからダークサイド(暗黒面)に陥る者が出てきた。そしてシス卿の独裁帝国に変えられる陰謀が進行していた……というのが全体の筋立て。
全9話を概観すると、エピソード1と2は、かろうじてジェダイが勝利して事を抑えるのだが、3では完全にダークサイドが勝ちジェダイは滅ぶ。4は共和国軍が反撃に成功するが、5で帝国の逆襲に破れる。6で再び勝利したものの、その後の続編7、8と帝国軍が圧倒な強さを見せる。共和国はすでになく、レジスタンスにすぎない。最後の9は、まあ、どうでもいい(笑)。
こうして概観すると、圧倒的に帝国側、つまりダークサイド側が強いというストーリー立てだ。そしてフォースも、ジェダイより暗黒面に落ちたダースベイダーの方が強い。局地的に反撃してもすぐにたたき潰されて、常に圧倒する強さが暗黒面にある。
暗黒面とは、ようするに怒りや快楽、欲望に身を任せる黒い感情である。他人を力で支配したい、欲しいものは力づくで取る、嫌悪する者は消し去る。正義や倫理、公正、自由、さらに他人への共感……そんな理念など知ったことではないのである。ポリコレ(政治的正しさ)嫌いもその一つだろうし、(自分)ファーストなのも暗黒面の感情のなせる発想である。
まさに世界情勢を先取りしているようだ。20世紀後半、理想を掲げて発展させてきた民主主義や自由、平等、戦争の抑止などの理念は崩壊に追い込まれて、剥き出しの欲望による帝国主義が跋扈しつつある現代は、スターウォーズの世界観に酷似している。しかも為政者だけでなく、皆がダークサイドに落ちていく。
そんな今は、さしずめエピソード2が終わった後の、3のエピソード途中の時代なのかもしれない。
ただね。自由だとか平等だとかは、しょせん人間社会の内側の問題だが、環境はそれでは収まらない。地球環境が破滅すれば、ダースベイダーのような人類も含めて、全生命は生きる場を失うのだよ。
……とまあ、そんなことまでバーで話したわけではないが、年明け早々、まさにダークサイドに落ちたトランプの暴走が如実に示されたことに衝撃を受けざるを得ない。
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