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森と林業と動物の本

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2026年2月

2026/02/28

国産広葉樹利用のための基礎調査

林野庁が5年毎に行っている森林生態系多様性基礎調査。現在は第6期、2024年度からの分だが、その中で広葉樹に関しての量や分布のデータを重視しているそうだ。広葉樹の利用のためという。

どうせ製紙原料やバイオマス燃料ではないのか(以前の広葉樹林業の審議会では、そうした発言があった)と思いかけたのだが、調べてみると、一応は木材としての利用を考えているうえに、林業目的以外も含めているという。

国産広葉樹の利用は、ほとんど製紙やバイオマス燃料であり、木材としての用途は5%以下だ。広葉樹材需要量から見ても、国産材で賄われているのは約1割。まあ、最近は広葉樹林業に力を入れている風ではあるが、基礎的なデータがない有り様だから、まずはそこからだ。

これまでの調査結果を探してみた。

「森林生態系多様性基礎調査」

最近の4期の分を、概要で見るだけでもなかなか面白い。
しかし、わりと密に調べるようだが、その人員はどうして確保しているのか。林野庁職員だけでできるとも思えないが……。

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しかし、国産広葉樹の木材利用には、乾燥も含めた製材、そして細い材の利用技術が欠かせないだろうね。

林業以外というのは、何を指すのかと言えば「ナラ枯れなど病気のまん延予防」とか「農地や住家に近い樹木の利用を進めることで、野生動物がすみ着くのを抑える効果」というのだった。

 

2026/02/27

マザーツリーの恩恵

もっとも古い神社と言えば奈良県桜井市の大神神社(おおみわじんじゃ)を思い浮かべる人もいるかもしれない。本当に最古かどうかはともかく、本殿がなく、ご神体は三輪山という自然信仰が原初の神道だからだ。天皇だとか、先祖ではないのである。

そうした自然そのものをご神体とする神社はほかにもあり、先日訪れたのが三重県大台町の大杉神社。

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まさに大きなスギがご神体だ。これ、直径1・5~2メートルはある。樹齢も1200年とも2000年とも言われている。
ここは大杉谷の入り口辺りで、かつては伊勢神宮の遷宮のための木を出していたらしい。多くのヒノキが伐られて供出されたが、このスギは生き残りなのだろう。この周辺には、ツガやモミなどの大木も多くあった。

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私はペタペタ触ってきた(^o^)。いいのだよ。神社総代が「木は触らないとわからん」と言ったのだから。

まさにマザーツリーとも言える代物である。そして、マザーツリーであることを証明するものが拝殿内にあった。

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これは切り株なのか、自然に折れたのかわからないが、ようするに根っこ部分だけ。しかし、よく見てほしい。辺材部分が盛り上がっている。

もちろんこの株に、枝葉などない。地病1メートルくらいのところで折れて(伐られて)いるのだから。しかし、生きている。芯部は枯れて腐朽しているが、生きて成長しているのだ。

おそらくマザーツリーから養分をもらっているのだろう。根っこが絡み合体しているのか、菌類の菌糸でつながれているのかわからないが、巨木から養分をもらっているから生きていられる。おそらく数十年以上経っている。

実は、この株のほんのすぐ横、拝殿の外にも切り株がある(1枚目の写真の左端)のだが、それは枯れて腐朽が進み、崩れつつある。その株にはマザーツリーは養分を送れなかった。マザーツリーの恩恵は限られたものに与えられるのである。

2026/02/26

シカ肉を料理する

シカ肉をいただいた。

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きれいな赤身。モモ肉のようだ。獲れたのは三重県の美杉村らしい。

血抜きなど手間のかかる食材だが、調理次第で味は変わる。

とりあえず第一弾として、臭み消しに生姜とニンニク、醤油につけ込んで焼いてみた。油はたっぷり目。火加減がまた気をつかう。焼きすぎたら硬くなるし、脂が少ないのでパサパサになりやすい。でも下手に赤身を残すと、E型肝炎ウイルスを豊富に含むとかで怖い。レアやミディアムよりは、ウェルダン。

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実に軟らかい。大成功であった。うめえ。ジビエの滋味を感じる。

そこで、次はあえて味付けは控えめに.シカ肉の味を試すために、塩コショウだけで焼いてレモン汁を振りかける。

……軟らかいのだが、味が弱い。焼きすぎたか? この難しさが、ジビエ普及の壁かもしれない。

あるジビエ業者が言っていた。「ジビエなんかうまくない」「正直嫌い」だけど、牛肉や豚肉に近づけるように料理するとよい、と。

実は、この業者はレストランも経営しており、大人気なのだ。そしてジビエもどんどん売れる。でも、多くのジビエ業者は、ジビエを特別なイノシシやシカの肉として売ろうとするから失敗する。

牛肉と同じように調理するのではなく、牛肉に近づける調理。

なかなか意味深だ。

2026/02/25

Y!ニュース「花粉症は花粉量と無関係?…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「花粉症は花粉量とは無関係?発症率の統計で見える不可解」を執筆しました。

執筆直後に思ったのは、ああしまった、なんでこんなタイトルにしてしまったんだろう……という後悔(> <;)。
せめて「スギの多い県ほど花粉症患者は少ない?」ぐらいにしておけばよかった。。。

直そうも思えば直せるのだけど、アップして、XやFacebookに転載したから、さすがにまずい。でも、こんなタイトルならアクセスは伸びないと観念する。

もともと1か月に1本くらい書かないといけないなあ、というノルマ意識からテーマを考え、林業かバイオマス発電か、はたまたクマか……と思っていたところに、宮崎県に花粉症患者が少ないという書き込みをXで見て、???スギ生産量を自慢している宮崎県が?と思ったのがきっかけだ。

調べてみたら、いろいろ面白い調査結果が出てきた。今年では青森県が花粉症罹患者が少ないのだけど、総じてスギがいっぱいの県は患者が少ない。そして都会が多い。ちょうど別に「花粉症患者はスズをたくさん吸い込んでいる」というリリースを読んだばかりだったこともあり、このテーマを選んだわけだ。

それに写真も、これは!と思えるものがない。スギとは関係ないことを書くのにスギ花粉が飛び散っている写真というわけにもいくまいし。

とまあ、悩み深き記事なのであった。

2026/02/24

日本最初の林業博物館

昨日紹介した神宮美術館の前には、神宮農業館がある。

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明治24年の内国博覧会の建物らしいのだが、雰囲気ある 外観だ。登録文化財指定だそう。なんでも平等院鳳凰堂をイメージして建てられたとか。そして日本で最初の産業博物館だとある。そうか、当時は工業などより農業こそが産業だったのだ。

陳列しているのは、一方に下賜品や皇室の稲に関する儀式の資料が並ぶが……もっと幅広く展示していた。農業だけでなく、むしろ農林水産業、いや自然科学系博物館に近い。日本最初の博物館だった。

内部撮影が禁止なので、展示物をお見せできないのが残念( ̄∇ ̄;) 。だが、林業資料も少なくない。銘木など木材の見本や巨木の薄切り、ヒノキの挽き割りした大板……。さまざまな大鋸。樹木を伐りだす様子も展示してある。

そして驚くのが蝋でつくった蝋製の植物見本。今なら造花を初めとして合成樹脂製の植物模型があるが、それ以上の精密さで草花を蝋で製造していたのだ。この技術、今も残っていないのだろうか。芸術的でもある。

そして、驚きのニホンオオカミの頭骨標本。こんなところで出会えるとは。
ニホンオオカミとは何か、という考察も面白い。

いやあ、規模は小さいが、博物館マニアとして楽しめるよ。
神宮美術館には、横山大観を初めとする名画もあったが、私は、こちらの方が好き(^o^)。

あまり人気はないのだけど、価値あるミュージアム群であった。

2026/02/23

神宮のタイワンヒノキ

伊勢の神宮美術館の庭に、タイワンヒノキが植えられていますよ、と教えていただいたので、行ってきた。

神宮美術館とは、伊勢神宮の外宮と内宮に関する美術品を展示しているところで、近くに神宮徴古館と神宮農業館、そして別宮の倭姫宮のある一角。

伊勢神宮に参る人は多いが、こちらに足を伸ばす人は少ないのではなかろうか。

そして、美術館には「四季のこみち」と呼ばれる庭園があるのだが、そこをうろうろしたら、ありましたよ。

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たしかにタイワンヒノキだ。考えてみれば、日本で生きたタイワンヒノキを見られるところはあまりないように思う。どこか食物園に植えられているだろうか。先日の新宿御苑でも、タイワンスギはあるのにタイワンヒノキはなかった。その点からも貴重な一本。

日本にタイワンヒノキを植えて林業につなげようという動きはなかったのか気になる。逆に考えれば、なぜ神宮美術館の庭に植えたのか。美術館は平成5年に建設されたとあるから、30年ほど前だ。この木は根周りの太さからすれば樹齢30年どころではない。

しかし、なぜこんなに枝分かれしているのだろうか。タイワンヒノキは、少なくても台湾ではスックリと太い幹が伸びているものだったのだが。
日本のヒノキでも、これほど枝分かれした木を見た記憶がない。もしかして、苗を密植して癒着した? それなら美術館建設と同時に植えても、これぐらいの太さになるかもしれない。

なお、この庭園には多くの樹木が植えられていて、さながら樹木見本園だ。なかにはケヤキやメタセコイヤの巨木もあった。

ともあれ、生きたタイワンヒノキの貴重な見本である。

2026/02/22

アジサイの茎の水が

朝、庭のアジサイを少し剪定した。今年は丈を少し落として、枝分かれを増やすことで花を多く咲かせようという魂胆。

せっせとアジサイの世話に仕方を調べて今の時期に剪定を始めたのである。

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すると、茎の中に空洞があって、そこにたまっている水が凍っていた( ̄∇ ̄;) 。

週末はいきなり温かくなったが、それまで我が家の朝は氷が張っていたから、植物の中の水も凍るのか。考えてみれば当たり前のだが、植物は平気なのか。ヤバいな。

この茎は、生きているのか。頑張って成長してくれ……。

2026/02/21

立木価格と製材価格の移り変わり

以前も紹介した、今年1月に開かれた小坂林野庁長官の講演データから、一つを抜き出してみる。

サステナブルな「森の国・木の街」の実現を目指して
林野庁長官 小坂 善太郎

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面白いよねえ。スギの立木価格も、丸太価格も下がり続けているのに、製材価格は上がっている。

この現象は、かなり前から指摘されている。私も『絶望の林業』に記した。でも2024年になっても解消される動きはなさそうだ。

なぜ製材価格は上がるのか。これは、いくらでも説明できる。諸物価、コストも上がっているし、木材の歩留りが落ちれば製材業者は減収になるから売れる部分に上乗せして上げる。別に否定しようとも思わない。が、問題は、山元が上げるどころか下がっている点だ。同じ理屈で上げたいはずなのに上げられない理由は何か。これこそ、適正な商取引とは言えまい。

そのあたりを経済学者はどのように分析しているのだろうか。

細かい分析は木材流通の専門家に任せるが、生産者より消費者の方が強いという傾向は世界的に広まっている。

いわゆるバイイングパワーだ。消費力が生産力より強くなっている。買手市場なのだ。アメリカが関税をかけると世界中がオタオタするのも、アメリカの消費力が大きいからだろう。ヨーロッパがEUDRで森林破壊をして生産したものは買わないと言えば、生産している発展途上国は追い詰められる。

その流れから反しているのは、中国のレアメタルぐらいか。生産国が「売らないぞ」と言えば消費国がオタオタする。

でも、これって代替商品があるかないかが決め手だ。中国産レアメタルの代替はないが、木材はあるのだ。なくてもいいし、世界的には生産量がだぶついているから、「高けりゃ買わねえよ」と言えるのだ。そして山元はしぶしぶ値を下げる。(アメリカは代替商品を国内に求めているが、アメリカの生産力は落ちて穴埋めできないから、逆に苦しんでいる。関税払うのは国内だ。笑える。)

ちなみに、話題の食品の消費税減税だが、これって政策的に価格を下げて買いやすくしようということだから、生産者にしわ寄せが行きそうだ。でも生産者は消費税分を下げることにはならず、実質値上げしてくるだろう。8%下げるつもりでも、おそらく2~3%くらいしか下がらないように思える。これで財政を悪化させて円安が進行すれば、値上がりになるかもなあ。

 

2026/02/20

花手水の商店街

東京のことはもう書かないつもりだったが……(笑)。

門前仲町の深川不動尊の商店街には、各店舗の前に「花手水」を置いていた。

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深川不動尊の手水でもやっていたから、お寺発なのかもしれないし、これだけの花はお寺の供花かもしれない。でも、備えた後の花の再利用になるのなら、素敵な試みだ。町おこしにもなるだろう。萎れた花も、水に浮かべると、生き生きして蘇る。花の寿命を伸ばす効果もあるのかもしれない。

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さっそく私も、真似ることにした。

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庭のバケツだけど(笑)。

 

2026/02/19

タイワンスギとコウヨウザン

実は先週末は、東京に行っていた。その気配を感じさせないようにブログに書き込みを続けていたのだが、あえて書きたくなった(笑)。

隙間時間で訪れたのが、新宿御苑。ここの温室が見たかったのである。と言っても、温室というより「あの植物園?」だろう。

たしかに今は亜熱帯・熱帯植物の植物が満載のドームなのだが、私が見たかったのは戦前、とくに明治期にここに築かれた温室だ。そこで福羽逸人が各種の西洋野菜や花を育てて日本の園芸、それも施設園芸を繰り広げた原点の様な場所だから。

実は、それに関する展示もあった。そこには明治40年の温室の写真があった。

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なんか、西洋の宮殿みたい。温室と言っても現代の実利的なものではなく、かなりオシャレなものだったらしい。ここで現代に続く大粒の福羽イチゴを生み出し、ブドウやメロン、パイナップル、あるいは洋ラン、バラなど様々な花を栽培していた。

その歴史も面白いのだが、ここではもう一つ。

温室とは別の場所だが、タイワンスギが植えられていたのだ。これ、タイワンヒノキの陰に隠れているが、台湾固有種で珍しい針葉樹。

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コウヨウザンも台湾原産とされるが、どちらもスギの仲間だ。正確にはヒノキ科だけど。

そこに日本のスギを持ち込んだのが土倉龍次郎なわけだが……龍次郎はコウヨウザンの植林も考えていたらしいのに、タイワンスギには注目しなかった。

単に知らなかった(タイワンスギが発見されるのは日本領有後)のかもしれないが、調べると非常に成長が遅いらしい。

コウヨウザンは成長が早いことで期待されているが、好対照だ。

でも、御苑内の御涼亭という台湾邦人から寄贈された中国式離亭の柱はタイワンスギだった。木質としては、密で美しく見えた。その点、コウヨウザンは荒い木質で知られる。建築材料としてはタイワンスギの方が優れものなのではなかろうか。

日本のスギより成長が遅いのなら林業向きではないかもしれないが、建材としての木材を考えるなら、こんな樹種も含めて幅広く検討してもよいのではないかな。

2026/02/18

フランスのアグロフォレストリー

アグロフォレストリー、農林複合は、もっとも環境負荷を少なくしつつ、人類も食料や木材など得るべきものがある手段だと思っている。農業は主に草本だが、そこに木本を加えて林業も行うという点は、集約的でもある。

具体例は、東南アジアやアフリカ、中南米などにある。一つの畑に多種類の作物を育てる。そこに樹木の苗も植える。栽培植物を次々に変えていく。だいたい古代からの伝統農法が多い。焼き畑も、これに適合する。

ただ、一つの作物の収穫量は多くならないから先進国は嫌う。農業と林業を分離して、別々に規模を拡大して効率を上げることを求めた結果が今の自然破壊的農林業……と私は思っていた。

ところが、フランスではアグロフォレストリーが進んでいるのだという。具体的には農地に木を植える運動が起きている。しかも政府が後押しして2015年に支援制度までつくったのだ。これは国挙げてのアグロフォレストリー戦略だという。いやフランスだけではなく、ヨーロッパ全域に広がりつつあるらしい。

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フランスのHPより。

ちょっと検索してみた。最初に出てきたのがAIによる要約(^^;)。

政府主導の「アグロエコロジー計画」
フランス農業省は、2015年以降、アグロフォレストリーの発展計画を策定し、技術支援や補助金を提供しています。
2025年2月には、環境投資として5億ユーロ(約800億円)規模の支援スキームが欧州委員会の承認を受け、2030年まで農地への生け垣や樹木の植樹に補助金が提供されます。

民間団体による植樹プロジェクト
「Fermes d'Avenir」や「Pur Project」などのNGOが農家と連携し、全国的な植樹プロジェクトを主導しています。
ノルマンディー地方などでは、地元のパートナーと協力して、農地や周囲への生け垣の植樹活動が行われています。

「4パーミル」イニシアチブの普及
草生栽培(農地に草を生やす)や、剪定した枝を土壌に戻すことで炭素を蓄積する栽培方法が、果樹園やブドウ畑を中心に普及しています。

ようするに気候変動対策の一環として始まり、とくに4パーミル運動と親和性が高いようだ。4パーミル運動とは、農地の土壌に炭素を4%増やすだけで気候変動を止められる、という理論である。

農地に木を植えることで土壌の保全や強い日差しを遮った作物がつくれる、そして生物多様性を保てる生態系をつくる、もちろん植林した木がCO2を固定する効果もあるというわけだ。

この制度で木を植えた農地は1万~1万5000ヘクタールと推定されている。すごくない? 農家が気候変動への対応が必要だと感じ、アグロフォレストリーへの関心を高めているわけだろう。

もちろん木が成長するには時間がかかるし、木の下で育てる農作物の選定や栽培技術も必要だろう。日当たり、土壌、水分……収穫量の減少をいかにほかの収穫物で補えるか。。。。しかし、それこそ農業の醍醐味ではないのか? 自身で作物を考え、いかに育てるのか。そして、それが社会のみならず地球にも貢献するのだから。

また都市部でも、制度に乗っ取って街路樹の周りで農業をすることも可能らしい。

マダムも熱狂、凄すぎる! パリ市緑化計画 (この記事書いているのは、辻仁成だった。)

日本では、いまだに規模拡大一辺倒だ。農業も林業も。せいぜいソーラーパネルの下で農業が始まったくらいか。

日本がフランスを参考にするのは広葉樹林業だけではないなあ。

 

2026/02/17

『本を読めなくなった人たち』から連想する総選挙

本を読めなくなった人たち-コスパとテキストメディアをめぐる現在形(稲田豊史/中央新書ラクレ)

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書店でこのタイトルの本を見つけて衝動買いしてしまった。

私も、一応は著作業。本を書いている身であって、世間では本を読まない人が激増していることを肌で感じている。それゆえ、見逃せないテーマのである。
著者の稲田氏は、大学の研究者かと思ったら、あくまでライターだった。この本は、「本を読めなくなった」人を何百人もインタビューして、さらに関連テーマの本やウェブ記事を渉猟して書き切った労作である。

いやあ、まいった。読んで打ちのめされた。薄々知っているつもりになっていた状況の何倍もの現実を突きつけられた。世の中、こうなってるの? とくに若い世代はこうなの? もはや本を読まないレベルではない。新聞も雑誌も、漫画さえ読まない。社会の変容を来たしている。

たとえば、金を払って本を読まないどころではなく、無料のウェブメディアも読まれない。選択肢の多いクックパッドも嫌われる。紙の本だけでなく、別に字を読まないのではなく、タイパ、コスパの悪い文章は読まない、ということか。私のブログも文字が多すぎるわ。

(タイパ用に)いきなり結論を記すとしたら、情報とは自分で取りにいくものではなく、流れてくるものになってしまった。ニュースサイトなどのような情報源にも行かない。あくまでSNSで流れてくるものだけを受動的に読む。それもAIの要約したものだけとか、動画のような耳と目に飛び込んでくるものを。リンク先にも飛ばない(泣)。
加えてあふれる情報の洪水のため選ぶことができない。行動経済学が指摘する「選択オーバーロード(選択肢過多)」に陥っている。

本を選び、字を読むのは能動的なことであって、タイパが悪いのだ。しかも論理的思考とは、脳のエネルギーをものすごく食う。これはコスパが悪い。映像で流し見することに敵わない。

もはや本を読む人とは特別な階級で、長文を読むのは特殊技能であり、一般人ではないのである。だから、本を出版して、宣伝のつもりでネットに書き散らしても読まれない。書評に載っても読まれない。そもそも本を手にしない。。。。泣きたくなる。

これ以上内容を紹介しないから、本書を読んでほしい(泣)。

一応、【目次】を示しておく。

プロローグ
第1章 ニュースを無料で読む人たち
     ――無料ウェブメディアの行き詰まり
第2章 本を読まない人たち
     ――〈わかりみ〉と〈おもしろみ〉
第3章 本と出合えない人たち
     ――無料抜粋記事と電子書籍の限界
第4章 本屋に行かない人たち
     ――聖域としての書店
終 章 紙の本に集う人たち
     ――読者と消費者

ただ全然別のこと、本ではなく今回の総選挙結果の解析にもつながることに気づいた。

選挙になっても、公約や党の理念、個人の人柄……なんて能動的には調べないし、情報量が多すぎて選択オーバーロードになるのでやらない。受動的に流れる情報を省エネ的に受け取るだけ。考えないで、感覚/感情で受け取る。人物も公約ではなくキャラで理解する。

そうなると、圧倒的にキャラの立ったのが「高市早苗」なのである。

選挙前、私は投票行為は「代理承認欲求」になっているのではないか仮説を立てたが、推しとか承認欲求とかは能動的であった。より消極的に流れてくる情報の中から、考えずに摂取できて、心地よくしてくれるフレーズを発する人やキャラ立ちした人物を投票するのだ。

そう考えると、納得感(これも感情だ)がある。

今後、選挙の立候補者が取るべき戦術は、演説は短く断定調で。何より「面白いこと」を言うべきだろう。そして笑いをとること。オチでスカッとさせること。内容は単純化し、気持ち優先に伝える。理屈、論理はいらない。批判も嫌われる。……これが投票してもらえる極意だ。

候補者は、芸人なみに話術を磨き、自らのブランディング(キャラ立ち)させねばならぬ。

ちなみに私がやるべきは、拙著を読んでもらうため、笑える文体でキャラをつくって、短く、結論だけ。理屈もこねない、内容のない本を書くことだ(笑)。あるいは“本を読めるステータスの高い人”だけを対象にした本に絞り込もうか。こっちかな。

2026/02/16

Wedge ONLINEに「木造ビルが抱える……」記事を書くと起きたこと

Wedge ONLINEに『木造ビルが抱える環境保全にも林業振興にもならない「不都合な真実」 建築増加もイメージとは違う側面』を書きました。

ちなみにWedge ONLINEの記事は、そのままYahoo!ニュースにも転載される。

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これ書いて本日アップ予定だったところに目に止まった記事には驚いたね。そこにあったのは、産経新聞の記事。

地方に広がる中低層「木造ビル」 軽量で工期短縮、森林循環・脱炭素の促進と一石四鳥

こちらは、まさしく木造ビル礼賛なのだ。増えている木造ビルを取り上げて、見事に違う切り口(笑)。

私のは、木造ビルのうさん臭さ、脱炭素=炭素蓄積、森林循環=林業振興の嘘を暴くための記事なのである。なんという偶然。なんというグッドタイミング!(バッドタイミングではない。喜んでいるのだよ。)

まあ不思議と結論では高層ビルではなく中低層ビルにしとけ、軽いから基礎をつくるのが楽で工期短縮になる、という長所だけは一致したけど。

ぜひとも両者を合わせて読んでほしい。

 

2026/02/15

マツタケと名にはつくけれど

ブンゴツボマツタケという珍しいキノコ発見のニュース。

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国内4例目だという。

やはり目を引くのはマツタケと名にあること。匂いもマツタケそっくりとある。

マツタケに似た名前と言えばバカマツタケ、ニセマツタケ、マツタケモドキ…といくつも別種があるのだが。匂いまで同じというのはバカマツタケだけだ。

ならば食用に期待できるのか?

だが、決定的な差がある。ほかのマツタケ近縁種は、コナラなどの樹木に寄生するが、ブンゴツボマツタケは、テングダケ類に寄生するのだ。

記事にはシラカシの根本に生えていたとあるが、正確にはそこに生えていたテングダケ類に生えていたのだろう。

そしてテングダケは、猛毒キノコ……。

ブンゴツボマツタケが食べられるかどうかは記事に触れていないが、そもそも希少キノコだけに調査もされていないはずだ。

もしテングダケの菌糸を取り込んでいたら、毒があるかもしれない。

さて、見つけても食べる勇気があるかなあ。

 

2026/02/14

日本人の環境意識は…(泣)

昨日、奈良で開かれたシンポジウム「ネイチャーボジティブ奈良の輪(和)」を紹介したが、もう一つ。

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実に様々な人々が演壇に立って話すのだが、まあ聞いていると「頑張ってるよね」「奈良にはこんな魅力があるんだね」とほんわかしていられるのだが、後に冷や水をかけられたような話が。

奈良教育大学の准教授による総括だったのだが、映し出されたこの画面。

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ようするに日本人は15年間の間に、気候変動による影響を懸念している人が8%も減り、環境系のボランティアをする人も5%減り、気候変動対策は自身の生活を脅かすと6割が否定的……という調査が出ているのだ。これらは、みな世界各国とは逆の動きだ。

たしかにバックラッシュが起きて、再エネやプラゴミ、森林保全などの環境対策に反発している人が出ているのは感じているが、それは世界中どこでも同じ。トランプによるアメリカなどもひどいものだ。が、実はアンケートなどでは、それぞれの市民は自覚していることを示している。

しかし、日本人が、ここまで露骨というか、レベルが低くなっているとは思わなかった。

個人的には、カーボンニュートラルよりネイチャーポジティブの方が重要だと感じている。つまり気候変動以上に生物多様性の方が危機的で人類の存亡に関わっていると思う。が、日本人はノホホンと気にしていないんだなあ、と気づく。何か背筋がヒヤッとした。

ネイチャーポジティブとは「生物多様性を高める」と言ってもピンと来ないらしいが、簡単に「自然を豊かに」「自然を増やそう」という運動だと理解しておけばよいかと思う。そして、それがなぜ必要なのかという問いには、「自然の中にいると心地よいから」と思えばよい。

だが、日本人は自然の中に入っても心地よく感じないのか、感じることを知らない生活を送っているのか。

日に日に世界は悪くなる……。

 

2026/02/13

「三年晩茶」と「風の森」

先日、「奈良から世界へ ネイチャーポジティブの輪(和)」というシンポジウムに顔を出してきた。

内容を一言では説明しづらいが、ようするに国際的に注目されている概念ネイチャーポジティブを推進しようと、奈良の事例をいろいろ紹介していたのである。私も、へえ、奈良にこんなグループがあって、こんな活動しているんだ、と思うところは多々あった。

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その中でも紹介したいのは、健一自然農園というところが出した「三年晩茶」だ。これは伊川健一さんが高校生の時から手がけてきた放置茶園を開墾する事業なのだが、放置してもはや大木に育ったようなチャノキから茶をつくっている。それも茶葉だけでなく枝も幹、樹皮も混ぜた茶である。放置されていたからこそ、無農薬で育った木なのだ。

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手にしているのが3年茶の枝

とまあ、これだけなら「頑張ってるね」というだけで終わるのだが……実は、この晩茶による抹茶ラテも販売しているのである。つまり放置茶畑からつくった抹茶(定義上は粉末茶になる)と牛乳の飲料だ。

日陰栽培など細かな規定のある、もっとも繊細な抹茶をあえて放置されたチャノキでつくる。今世界的に流行りの抹茶ラテの世界なら可能なのかもしれない。

同時に思い出したのが、奈良県の御所市、油長酒造でつくる「風の森」だ。この日本酒は、すごい人気でなかなか手に入らないことで知られている。多分、関東では手に入りにくいだろう。うちの娘が探していた(^o^)。

この酒で驚かされるのは、原料に使っている米が秋津穂という食米であること。しかも磨くのは65%程度なこと。これ、日本酒に詳しい人なら驚きだろう。銘酒と言われているのは、みな酒米と呼ばれる品種(山田錦とか五百万石、赤磐雄町……)にこだわり、ギリギリまで削る。35%まで磨いた大吟醸だぞ!と自慢するものだ。「獺祭」とか。

が、そうした風潮に棹さして、吟醸ではなく廃れた食べるための米を使い、あまり磨かず、しかも硬水を使う。社長に言わせると、「何を原材料にしても、それを個性に美味しい酒はできる」のだ。

そんな酒が、通に大人気なのだ。さらに、米が取れる棚田ごとに味が違うと、ボトルも分けている。

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これって、ワインの世界でいうテロワールだ。農園ごとにワインは違うのである。

三年晩茶にしろ、風の森にしろ、世間の常識を覆したかのような商品である。そして放置茶畑、あるいは棚田を守る活動へと進む。
これぞ、ネイチャーポジティブを土地の活動へ引き寄せることなのかもしれない。

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風の森をつくる葛城醸造所。棚田の中に建つ。

同じことを林業でできないのは、なぜだろうね。単に原木の産地銘柄ではダメなんで、エンド商品まで落とし込む覚悟があるかないか、だろうか。

 

2026/02/12

皆伐再造林は「ちょい悪」

今どきの林業界で話題となるのは、再造林である。

林野庁が再造林率を3~4割と発表したのが大きかったのか(この数値にはいくらか疑問もあるのだが、今は置いておく)、どこも再造林を進めようという合唱が始まった。再造林を進めることこそ、林業界の善となった。率を上げることが喫緊の目標であり、100%達成すれば自慢だ。

が、こんなものクソだ、と思う。100%再造林するのが最低限なのだから。仮に天然更新だ、と言うのなら雑木林でもいいから成林していることを示さねばならない。まさにデューデリジェンスが欠けている。

皆伐して放置するのが「悪」なら、再造林は「ちょい悪」ぐらいか。少なくても「普通」ではなく、「ちょい良し」でも「良し」でもない。ましてや「秀」も「優」でもない。でも100%再生していないのなら「ちょい悪」の中でも「悪」よりである。

いわば林業界の成績表を5段階で示すのなら下から2つ目。1では落第だけど、2でも相当レベル低いでしょ。なんか底辺高校の生徒が、オレは九九を言えるようになったんだせと自慢しているような感じだ。恥じらいがない。

たとえば通常スギ林に生物多様性があるとは言わないが、林齢80年、100年、できれば200年ぐらいになれば生物多様性を含む公益的機能は高くなる。そうすれば「普通」ぐらいになるのではないか。

保持林業や択伐・傘伐林業で「ちょい良し」かな。森を傷めず抜き伐りして木材を収穫するような林業で「良し」。「秀」や「優」の林業とは何かは考えていただきたい。林業することで、生物多様性が増していく状態の施業を。

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そもそも皆伐とは森林破壊である。ましてや森林の公益的機能を主張するなら、量的な再生だけでなく、質的、たとえば生物多様性や保水力、土砂流出防止機能……その他も回復させねばならない。が、40年~60年で伐るということは、それらの機能を落とすということだ。

林野庁長官が1月に講演したデータの中に、再造林について触れている部分がある。

サステナブルな「森の国・木の街」の実現を目指して

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面白いから、目を通してみて。

 

2026/02/11

消費税減税のため削るところ

高市政権は、圧倒的多数を握ったことで政策を猛スピードで進めるつもりのようだ。

そして「消費税の食料品を2年間ゼロ」という公約も国民会議とやらをつくって実行するという。年間5兆円、2年間で10兆円をいかに捻出するかが鍵だ。国債は発行しないというのも公約だから、とりあえず最初はその路線で検討するだろう。

識者は補助金や租税特別措置の見直し、税外収入などにより、2年分の財源を確保」程度で5兆円を確保するのは無理と否定的だが、やらなければ公約違反になって失速する。

だいたい、消費減税以外にもガソリン減税、109万円の壁撤廃、さらに防衛費の増額なども唱えている。こちらの財源は金融所得課税の強化」や「法人税特例(研究開発税制・賃上げ税制など租税特別措置)の見直し」「歳出削減」などを挙げている。

いずれも難問ぞろいで、批判の声も上がるだろう。だが、無視してやるのが高市政権の真骨頂(^o^)。

この際、林業関連の補助金をバッサリ切り捨てることを提案したい。林業がいつまでも脆弱なのは、補助金で守られているからなので、今こそ林業補助金をゼロにするチャンスだ(⌒ー⌒)。

林業補助金は、あまりに無駄が多い。過去には皆伐に補助金をつけたり、CLTの使用を実質タダにする補助金なんてのあったほどだ。(今でもCLTは支援制度がてんこ盛り。)

本末転倒の林業政策、山を丸裸にする補助金の危うさ(Wedge2018年)

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まあ、それでも捻出できるのは数千億円程度だろうが、5兆円をひねり出す足しにはなる。

それでは、林業が壊滅する? 今の林業にそれが困るといえるだけの価値があるかね。だいたい伐採とは、木材を生産するという経済行為だ。個人資産を得るために税金を投入するなんて倫理違反である。少なくても木材を伐採搬出することに補助金はいらない。

例えば車を一台売るごとにメーカーが補助金もらっているなんてあり得んだろう。

造林や下刈りなどには、環境名目で補助すればよろしい。木を植え、森をつくることと、経済行為の伐採を一緒にしてはいけない。

どうだね。高市政権に進言しようかな。

2026/02/10

週刊エコノミストに盗伐記事を書いた裏事情

週刊エコノミストに「相次ぐ森林の無断伐採問われる流通の責任」を執筆しました。

一部は、「エコノミストオンライン」にアップされています。私が経済誌に記事を書くなんて……と思いつつ、EUDRも含めた流通問題まで経済関連ぽく仕上げました(^o^)。もちろん主題は、盗伐。この林業問題、なぜか世間の感心は低いが、非常に深刻な環境問題であるし、同時に国際問題であることを認識してほしい。
少なくても私は、盗伐の実態を知り、それに対する林業関係者の鈍い反応に絶望した。林業界の宿痾、いや林業って根本的に自然破壊産業でないの、という思いを強めた。その破壊度を抑えてプラスにするための手立てをとるのが、林業のあるべき道なのに。

オンライン記事の方がカラー写真を使っているので、見応えあります。雑誌版は、2色刷。

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ただし、3ページの記事で、本筋を書いているのみ後半なので、ぜひ雑誌の「週刊エコノミスト」2月17日号を手にしてほしい。

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ちなみに、ほかの記事で、統一協会問題で今を走る鈴木エイト氏の不動産投資の記事が読ませる。そうか、しっかり投資で収益を上げているから、骨太な言論活動ができるのか……と我が身を振り返る。

 

2026/02/09

演説の巧拙から見た総選挙

選挙前日は、夕方から生駒駅に張りついて、各党候補者の演説を聞いていた。

登場するのは中道国民民主党、自民、そして参政党。共産党は来なかった。ネットで見ても、遊説予定を発表していない。2_20260209133101 3_20260209133101 1_20260209133101 3_20260209133102

聞くときの心構えは、まず政策は関係ない(^_^) 。公約なんて、議員(候補者)だけでなく、属する党もいい加減だし、実行性も当てにならない。候補者の属性、年齢、性別、経歴もなるべく気にしない。あくまで演説の巧拙。

話し方はどうか。声の抑揚、大きさ。構成、つまりストーリーの立て方。ようするに心に残る話ができるかどうか。演説能力を判定するつもりで。

それでいて、聞きながら拍手したり、手を振ったり。近くに来たら握手もする。「頑張ってください!」などと声掛けする。いかにも支持者ぽく振る舞うのが礼儀ちゅうもんや。一方で握手の時の態度も見極める。

お、さすがベテランで上手いな、いいエピソード語るなと思ったり。首相の名を連呼するだけかよ、と思ったり。なんと5分で終わらせたのはやる気なしと見切ったり。最初は朴訥というか下手なしゃべりだったのだが、徐々に熱を帯びてきて、なんかジーンとさせる候補者もいた。

やっぱり演説は、技術じゃない、熱意だよ。とまあ、最初とは違う結論に達したのであった\(^o^)/。

実際に街頭で聞くのは限界があるので、後はネットで各党の演説シーンなどを視聴する。他党の批判ばかり、政策、公約だけをがなるのは、無視(笑)。つまんねえ。やっぱりユーモアが必要でしょ。これは投票を終えた後も続ける。

やはり上手いと思うのは参政党の神谷代表。話のもって行き方、「参政党なんてなくてもいいんだ!」とぶっちゃけつつも「本当にいいんですか!」と煽る。声のトーンを自在に変え、笑いを取りつつほとばしる熱量……やるな。う~ん、政策はついていけないのだけど、一目置く。

が、、もっともよかったのは、チームみらいのリナクロこと黒岩里奈だ。彼女は候補者でさえなく、一応事務本部長なんだが、応援演説や会見にはよく出る。話し方が上手いのではないが、引きつけられる。内部事情をもらしたり、自身の昔語りや経験談を交えたり。突拍子もない冗談も出る、でも要点は外さない。話が飛んだかのようにみせて、元に戻し要点を整理する。また質問に対して瞬発力がある。これは技術ではなく生来のものだろう。

彼女は文藝春秋社の編集者だけあって、やはり編集的才能かなと感じた。イベント司会もしているようだが。著者を熱烈に推しつつ客観的な目もあり、方向性を整理して本づくりの関係者を整理して動かす……それをチームみらいの運営に活かしているのか。あ、夫で党首の安野たかひろの話し方も好感持てる。旧来の政治家にはいないタイプ。

昨夜の開票速報も、早々に自民圧勝が出たから見る気がなくなったのだけど、ネットでチームみらいの記者会見などを見ていると結構楽しかった。心が落ち着く。

というわけで、私も、りなくろに演説術を学びつつ、次の講演に備えよう(^o^)。 依頼ないけど。 ワハハ

2026/02/08

タイワンヒノキの鳥居

タイワンヒノキの鳥居と言えば、すぐに思いつくのは明治神宮の大鳥居(第二鳥居)だろう。

だが、全国にタイワンヒノキを使った鳥居はあるようだ。そもそも明治神宮と対になっていた橿原神宮にもあった。1940年に建造された。
残念ながら腐朽が進んだとかで2020年に撤去されたようだが……。現在はカナダヒノキ、イエローシダーに変わってしまった。

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ありし日のタイワンヒノキ製鳥居。(2015年撮影)

そして、また発見した。福岡護国神社の鳥居もタイワンヒノキ製だった。それも原木のまま使っているとかで、表面が生々しい。

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このデコボコ感がよろしいですなあ。1943年建造とか。

さらに福岡大仏(東長寺)もタイワンヒノキ製であった。

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こちらは1987年に建造だから、ぎりぎりタイワンヒノキを購入できたのか。

こうしてタイワンヒノキの旅は続く(^-^)/ 。

 

2026/02/07

木造高層ビルへの招待?いや正体!

昨夜、ふと最近の木造ビルがどうなっているのか思いついて検索してみた。

すると……今年9月に完成予定の三井不動産グループの木造ビルが東京日本橋に。

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18階建て、84mの高さで日本一になるそうだ。

ところが28年、つまり再来年には東京海上ホールディングスが丸の内に20階建て、約100mのビルを建設中だった。

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いやいや、それどころえ大林組が、オーストラリアのシドニーに地上39階建ての高さ182メートルの木造ビル「アトラシアン・セントラル」を建設中。こちらは今年9月に完成予定で、世界一の木造ビルになる予定。

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なんと、目白押しではないか。……でも……よく読むと、いずれも木造ハイブリッドとある。鉄骨や鉄筋コンクリートを混ぜているわけだ。アトラシアン・セントラルなど、7階まで鉄筋コンクリートづくりで、それ以上も鉄骨とのハイブリッド。
実は日本の各ビルも似たようなもの。別にハイブリッドが悪いわけではなく、むしろ現実的でよろしいと思っているのだが、木造の割合はどれぐらいなのか。重さでは鉄骨に負けるが、カサは単純に半分あるとしても、日本一とか世界一としてはしょぼくなる。

それぐらいなら、完全に構造材をコンクリートにして、内装、外装に木材を使って木質化すれば、同じぐらいの木材を消費するのではないか。

どうせ構造材の木材は、人の目に止まらない。よく「木造ビルは、人に安らぎを与える」なんてノウノウと書いている記事があるが、目にする木材は構造材じゃないから(笑)。CLTなどの木質の構造材の面は、正直きたない。その上に改めて木質の内装材を張るか、木目のあるクロスを張っているんだよ。香りがいい、という記事もあったが、それ、消臭剤でも撒いているんだろう。完成直後ならともかく、すぐ木の香りなんて消えてしまう。

……とまあ、そんを木造ビルの悪口を書こうと思いついた(⌒ー⌒)。これから調べていきます。

 

 

 

2026/02/06

スルメイカで起きたことは森林循環経済に通じる(笑)

水産業界で、こんな取り決めが行われた。

水産庁は、2026年度のスルメイカ漁獲枠を、前年度の3.6倍となる6万8400トンにすることで合意したというのだ。

スルメイカ漁獲枠、「ばくち」の大幅増 資源回復に懸念

もともとの昨年枠は、1万9200トンとしていたところ、非常に豊漁で9月時点でこの上限に達したこと。そこで34%増の2万5800トンに仕切り直したのである。だから今年はさらに増やした……。

信じがたい暴挙だろう。水産庁は①3万1200トン②3万9千トン③6万8400トン―の案を提示したところ、漁業者と③で合意したという。漁獲実績を上回り、規制が事実上ない状態になる。

これを「漁業者の心配に寄り添い最大限出せる枠」と説明している。だが、そもそも昨年の漁獲量だって、10年前より8割少ない。資源が回復したわけではないのだ。水産庁は、一応取りすぎを心配しつつ、漁業者の要望を飲んで、規制を事実上撤廃した。

Photo_20260206204801日経新聞より

この記事を読んで、「林業と同じ、いや正反対か」と戸惑った。

林業界も林野庁が、ひたすら木材増産を訴えている。が、これは漁業者ならぬ林業者が求めたわけではない。それどころか腰が引けているのに、尻を叩いて(補助金ばらまき、森林計画で焚きつけて)増産させている状況だろう。

水産業界と似て非なる姿。が、結果はどちらも同じだろう。それは「林業者に寄り添って増やした」のではなく、林野庁の官僚が出世したいというワガママに林業者を寄り添わせる。

目先の豊漁と森林資源の充実を理由に、生産量を増大すれば、資源は回復しない。とくに林業の場合は、時間スケールが水産業と比べ物にならないほど長いのに。

一度生産量を上げれば、伐採業者も製材業者も、生産設備を増強するから、いざ規制しようと思っても止まらない。機械があるから伐る。製材する。それは市場でだぶついて価格を下げる……という循環に陥るだろう。安くなったから、より多く伐って量で利益を稼ごうとする。伐れば伐るほど補助金も出るし、また設備を増強する。その分伐る。伐る山がなくなる。盗伐する……。

これぞ森林循環経済だ(笑)。もっとも循環ではなく螺旋に降下して地獄に落ちるけどな。

 

2026/02/05

総選挙各党の森林政策

あまり書きたくないが(^^;)、もうすぐ総選挙投票日である。

それで各党の森林政策を調べたサイトがある。

総選挙2026各党の政策の中の森林林業政策(2026/1/27)

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ま、皆さん好きに見てくれ(投げやり)

私の感想を記しておこう。

自民党は、木材増産、木造建築推進以上のことは読み取れなかった。与党なのに手抜き。

中道改革連合も、中身なし。維新の会は、そもそも林業を意識していない。メガソーラーやら広葉樹植林、花粉症対策……と素人意見が並んでいる。国民民主党も、同じく。ただ自民党に近い。れいわ新撰組も、森林政策まで考える余裕はなさそう。

詳しいのが、共産党である。

政府は、21年6月「森林・林業基本計画」を改訂し、「成長産業化」からカーボンニュートラルに寄与する「グリーン成長」に変更しましたが、実態を無視した経営規模拡大の推進など「成長産業化」路線を推進するものとなっています。森林所有者や林業関係者からは、大量伐採による木材生産は供給過剰を作り出し、ただでさえ安い木材価格をさらに引き下げ、自然破壊をおしすすめるものだと批判が高まっています。

いま必要なのは、安価な木材を大量供給する「成長産業化」路線を転換し、持続可能な森林づくりをすすめることです。国産材の利用と森林の公益的機能の持続的な発揮は、森林・林業者だけでなく、国民共通の願いであり、国際的な合意でもあります。

植林後50年程度で伐採する短伐期一辺倒を見直し、地域の森林資源の実態に対応し、長伐期や複層林など多様な施業方式を導入し、持続可能な林業にとりくみます。

なかなかのものである。林業問題の根幹に触れている。だが日欧EPA、TPP11から離脱要求などは、非現実的で世界情勢を見ていない。

次に目を止めたのが、参政党

これは、短いながらしっかりしている。

・現在の補助金に頼る、大量生産の自然破壊型林業を見直す。今こそ原点に立ち返り、「資源を使い続けること(持続性)を意識した環境創造型林業」を実現する。
・・成長産業化を目指す政府の指針を転換し、林業の持続性を意識した長期的なビジョンを示していく。 欧米のフォレスターのように、林業従事者が憧れの職種となるよう、魅力の発信に努める。
・また、林業従事者の公務員化を進め、山村地域の雇用創出、地域活性化につなげる。
・林業を持続可能なものにするために、川上から川下までの情報の透明化により流通の無駄を省く。
・木材を適正価格で流通させ、資源を効率的に使用し利益を向上させる。山林所有者にも利益を適正配分させ、山林の所有権放棄を減少させる。

フォレスターにも触れている。そういや神谷代表は、演説で「防衛費の半分を農林水産業に回せ」なんて言ってたな。それで林業家を公務員と同等にできるという。意外でしょ(笑)。マジに実行できるとは思わないが、わりと力を入れている。

というわけで森林政策だけで投票を判断するなら、共産党と参政党である\(^o^)/。

 

ちなみに私は、公約で投票先を決めない(⌒ー⌒)。信用できるか!

 

 

 

 

 

 

2026/02/04

吉野杉⇒東濃檜⇒?

某者から聞いた話だが、「もう東濃檜は全然売れなくなったよ」。

うっ、と唸る。東濃檜とは、東美濃、裏木曽などと呼ばれる岐阜県の林業地で生まれたヒノキ柱の銘柄材である。一時は吉野杉・吉野檜より値が高くついた。実は格別歴史的に有名ではない林業地なのだが、それが昭和のある時期に、急速に姿を現し木材市場を席巻したのである。

それについては、『東濃檜物語 銘柄材はいかにつくられたか 村尾行一編著』に詳しい。

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ようするに、産地とか木材そのものの美しさで生み出された銘柄ではないのだ。しっかり製材をした結果としての銘柄なのである。だから林地、林業家ではなく、製材所が主役だ。

それまで優秀な銘柄材とは、吉野杉や天竜杉、木曽檜……といった産地銘柄であった。どこそこの林業地は、歴史もあって技術がしっかり根付いており、よい種苗、よい育林技術によって非常に素地のよい木材をつくっている……ことを銘柄材とした。よく言われるきめの細かい木目に色とか無節、同心円の年輪、干満差の小ささ……という木だ。

産地銘柄、木質銘柄だろう。

だが東美濃檜は、製材銘柄をつくった。しっかり乾燥させて、正確な寸法にこだわり、表面をモルダーで磨き上げてきれいにする。また出荷の迅速さなども重要だった。言葉は悪いが、材質がそこそこであっても製材をしっかりすると銘柄になる。

私は、この変遷にわりとショックを受けたのである。同時に産地にこだわると、ロットを増やせず安定供給できない。材質も数十年かけて成立するものだから、供給に難がある。しかし、製材ならばすぐできる。乾燥期間を含めても数週間で並材が銘柄材になる。

これは木材革命だ、とさえ思った。

ところが、その嚆矢となった東濃檜が落ち目……。

まあ、理由はわかる。だって現在の建築は、木材の質どころか見映えも求めていないから。だって大壁工法だもの。柱の上にクロスを張ってしまうから木材は見えない。いや、そもそも柱を使わない壁工法の建築も増えてきた。

吉野杉から東濃檜と移る銘柄の変遷は、山(川上)から製材所(川中)だった。次は、どこへ行くか。川下だろう。つまりエンドユーザーに合致させた商品。より消費者へと舞台は移っているのである。

昨日に書いた「デザインや機能重視」である。建築にしろ家具、内装にしろ、いかなるデザインで、どんな機能を発揮できるか。もっとも機能は木材であるかぎり、ほぼ皆同じ。むしろプレゼンで決まる。売れ行きも価格も決まる。いわばデザイン銘柄

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残念ながら、そこまで進歩した林業地を私はまだ把握していない。個人レベルで、優秀な建築設計士と組んで斬新なデザインの家づくりを始めた林業家や、家具の製造に進出した林業家や製材所は知っているが、点が線、面になっていない。流通は、常に末端を意識して動く。

思えば世界中のマーケットは、より消費者へと移っている。エンドユーザーが求めるものが売れる。

林業界のデザイン銘柄材づくり。できるかな。と、私が言い出して、早20年(笑)。

 

2026/02/03

先を見る目~吉野林業に寄せて

本日の朝日新聞にあった「多様性は未来の可能性 山守に聞いた森の時間と早回ししない仕事」。

これは有料で冒頭しか読めないが、紙面ではタイトルを変えている。「山守の仕事 忘れられる前に」。

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なかなか吉野林業のよい部分だけを抜き出したような記事だ(笑)。
まあ、バームクーヘンのような年輪と言われると、私は宮崎県の幅広年輪丸太を思い出すのだが。よりきめの細かい同心円の年輪こそが吉野材の特長。

そんなことより、ここで取り上げているのは(林業とは)山の時間と向き合って、成長を急がせない。多様性を選ぶ。長尺の目を持つ。ということだろう。吉野林業では、かろうじてまだ保たれている。

私は、(大学の授業以外で)林業の勉強を始めたのが吉野だったので、林業とはそうしたものだと焼き付けられたのだが、その後全国の林業地を歩けば歩くほど、全然そうじゃない林業ばかりを目にしてきた。吉野林業とは弧峰であり、連山・連峰ではない。だから日本林業を代表しているわけではないと気づいた。そして絶望へと転がっていく。今や吉野も、その流れに巻き込まれている。

長尺の目も、いきなり100年先を見てはダメで、まず5年、次の10年と積み上げていくものだが、最初の5年さえ待てない。同じものを整然と並べて同じように育てようとする。
人類は、初めて時間の観念を持って、未来を考えるようになった動物だとされるが、果たして現代人は人類足りえているか。

今は林業だけでなく、すべてが目先だ。スピード重視と結果を早く求め、多様性も効率悪いと求めず、将来を見る目を捨てる。目の前の餌を、ガツガツ食うだけの獣に成り下がっていないか。

どうすればよいのか。ただヒントも、この記事の後半にある。

世論調査で木材製品を買うときは「産地はとくに気にせず」「デザインや機能を重視する」という回答が多いという点だ。これを何か否定的というか残念そうに記事に書いているが、これでいいのだ。木材製品を売るときには「産地銘柄を売り物にせず、デザインや機能を磨き上げる」べきなのである。
それを5年先を見て実現させれば、10年先、20年先、そして100年先が見通せる。

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さて、選挙だ。先を見る目を持って投票に行くか。

2026/02/02

落合信彦が亡くなった

昨日、落合信彦が亡くなったというニュースを、息子の陽一さんの発信で知った。
84歳とのことだから、今どきでは「まだ若い」と言えるかもしれない。

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私は、若い頃に幾度か落合信彦と会っている。

と言っても1対1ではなく、彼の講演会を主催している団体と懇意にしていたので、終了後の彼を囲む会に参加させてもらった、という形だ。それでも目の前に彼が座っていて、酒を飲みながら、豪快な話を聞いているのは面白かった。

それから彼の本も読み出した。よく読んだなあ。マジに言えば、いい加減なところもあるのだけど(ナチの残党がUFOをつくっているとか……)、そんなことを飛び抜けて面白かった。国際ビジネスの裏側の話とか、諜報機関の話。小説とノンフィクションの区別がつかない内容で、信じるとか信じないではないのだ。

一方で講演会の主催者側から裏事情も聞いたし、彼のゴーストライターにも会ったことがある。そんな裏表を合わせて楽しめた。

本当に面白かったのは、彼自身の経験談。1960年代にアメリカに留学したが、超貧乏学生の日本人が訪れた当時のアメリカは輝けるばかりか、人種紛争やマフィア、ギャングの暗躍するとてつもない社会だったようだ。そこで空手道場を開いたり、ロバート・ケネディの選挙ボランティアをしていて、目の前で暗殺されたとも語っていた。手がけたオイル・ビジネス(見事掘りあてて大成功したと吹くが、実際は失敗したよう)の話も経験談(これも誇張が含まれているにせよ)だ。

記憶にあるのは「新聞はベタ記事だけを読め」とか「インテリジェンスとインフォメーションの違い」とか聞かされた。ライターとしては、ある程度、影響を受けたことを白状する(^^;)。

ただ無茶苦茶言っているようで、実はリベラルな考え方だったと記憶している。

改めて彼の著作を調べると、わたしがよく読んでいた1990年代以降も、かなり多く出している。トランプ大統領についても触れて、アメリカの変質を訴えているようだ。
こうした本をまた読んでみようかと思う。若い頃とは違った感想を抱くかもしれない。

私にとって青春の1ページに登場していた人が、またいなくなったなあ。

2026/02/01

森をつくるコーヒー、森を破壊するコーヒー

EUDR、EUの森林破壊防止規則は、森林を破壊して生産した商品は購入しないことを旨とする。

その中にコーヒーやカカオが入っている。森林を切り開いてつくった農園で生産されたコーヒーやカカオによるチョコレートが該当するのだ。

そこで疑問だったのは、あれ?コーヒーやカカオの木は、上に大きな樹木があって、その木陰で育つんじゃなかったっけ?ということだ。つまりそんな栽培でも森林破壊に該当するのだろうか、と思っていた。私は、初めてカカオの木を見たとき、薄暗い森の中の木の幹から直接実をつけているのに驚いたものだ。

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東ティモール: 独立後の暮らしと社会の現場から 』を読んでいたら、その疑問が解けた。

本来のコーヒーの木は、シェイドツリーと呼ぶ大木の下で栽培する。カカオもだ。ここのツリーがあれば、森は維持されている。

しかし、それではコーヒー豆の生産量が多くない。太陽光があまり当たらないから、果実もあまり多くみ実らないのだ。そこで近代的な農園では、すべての木を切ってコーヒーだけを栽培する。当然太陽光が直接当たる。すると生産性が高くなる。コーヒーの木だけだし。

……そんなことができるのか。陰樹を陽樹にしてしまうような栽培方法だ。

ただし、そうしたコーヒーの木は、寿命が短くなる。コーヒーだけの人工林となり、害虫も病気も発生しやすく、また化学肥料の大量投与が必要となって、20年経たずに生産できなくなる。そこで植え替える……という栽培法なのだという。だからこそ、森林を切り払ってコーヒー農園をつくっているのだ。EUDRは、それにノーと言っているわけだ。

ちなみに東ティモールのコーヒーは、いまだに「原始的に」、森の中で栽培している。だから生産量は多くないが、永く実り続ける。農薬も使わないし、肥料代もいらない。そして味は最高級だそうだ。

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このシェイドツリーを植えながらのコーヒー栽培は「森をつくるコーヒー」なのだ。

コーヒーやカカオの栽培方法が一昔前とがらりと変わっていることにも驚いたが、そもそも人類と森林のつきあい方を考えるうえでも、参考になる。森にも人にも、ウィンウィンの栽培方法を模索できないか。

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