スルメイカで起きたことは森林循環経済に通じる(笑)
水産業界で、こんな取り決めが行われた。
水産庁は、2026年度のスルメイカ漁獲枠を、前年度の3.6倍となる6万8400トンにすることで合意したというのだ。
もともとの昨年枠は、1万9200トンとしていたところ、非常に豊漁で9月時点でこの上限に達したこと。そこで34%増の2万5800トンに仕切り直したのである。だから今年はさらに増やした……。
信じがたい暴挙だろう。水産庁は①3万1200トン②3万9千トン③6万8400トン―の案を提示したところ、漁業者と③で合意したという。漁獲実績を上回り、規制が事実上ない状態になる。
これを「漁業者の心配に寄り添い最大限出せる枠」と説明している。だが、そもそも昨年の漁獲量だって、10年前より8割少ない。資源が回復したわけではないのだ。水産庁は、一応取りすぎを心配しつつ、漁業者の要望を飲んで、規制を事実上撤廃した。
この記事を読んで、「林業と同じ、いや正反対か」と戸惑った。
林業界も林野庁が、ひたすら木材増産を訴えている。が、これは漁業者ならぬ林業者が求めたわけではない。それどころか腰が引けているのに、尻を叩いて(補助金ばらまき、森林計画で焚きつけて)増産させている状況だろう。
水産業界と似て非なる姿。が、結果はどちらも同じだろう。それは「林業者に寄り添って増やした」のではなく、林野庁の官僚が出世したいというワガママに林業者を寄り添わせる。
目先の豊漁と森林資源の充実を理由に、生産量を増大すれば、資源は回復しない。とくに林業の場合は、時間スケールが水産業と比べ物にならないほど長いのに。
一度生産量を上げれば、伐採業者も製材業者も、生産設備を増強するから、いざ規制しようと思っても止まらない。機械があるから伐る。製材する。それは市場でだぶついて価格を下げる……という循環に陥るだろう。安くなったから、より多く伐って量で利益を稼ごうとする。伐れば伐るほど補助金も出るし、また設備を増強する。その分伐る。伐る山がなくなる。盗伐する……。
これぞ森林循環経済だ(笑)。もっとも循環ではなく螺旋に降下して地獄に落ちるけどな。
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