先を見る目~吉野林業に寄せて
本日の朝日新聞にあった「多様性は未来の可能性 山守に聞いた森の時間と早回ししない仕事」。
これは有料で冒頭しか読めないが、紙面ではタイトルを変えている。「山守の仕事 忘れられる前に」。
なかなか吉野林業のよい部分だけを抜き出したような記事だ(笑)。
まあ、バームクーヘンのような年輪と言われると、私は宮崎県の幅広年輪丸太を思い出すのだが。よりきめの細かい同心円の年輪こそが吉野材の特長。
そんなことより、ここで取り上げているのは(林業とは)山の時間と向き合って、成長を急がせない。多様性を選ぶ。長尺の目を持つ。ということだろう。吉野林業では、かろうじてまだ保たれている。
私は、(大学の授業以外で)林業の勉強を始めたのが吉野だったので、林業とはそうしたものだと焼き付けられたのだが、その後全国の林業地を歩けば歩くほど、全然そうじゃない林業ばかりを目にしてきた。吉野林業とは弧峰であり、連山・連峰ではない。だから日本林業を代表しているわけではないと気づいた。そして絶望へと転がっていく。今や吉野も、その流れに巻き込まれている。
長尺の目も、いきなり100年先を見てはダメで、まず5年、次の10年と積み上げていくものだが、最初の5年さえ待てない。同じものを整然と並べて同じように育てようとする。
人類は、初めて時間の観念を持って、未来を考えるようになった動物だとされるが、果たして現代人は人類足りえているか。
今は林業だけでなく、すべてが目先だ。スピード重視と結果を早く求め、多様性も効率悪いと求めず、将来を見る目を捨てる。目の前の餌を、ガツガツ食うだけの獣に成り下がっていないか。
どうすればよいのか。ただヒントも、この記事の後半にある。
世論調査で木材製品を買うときは「産地はとくに気にせず」「デザインや機能を重視する」という回答が多いという点だ。これを何か否定的というか残念そうに記事に書いているが、これでいいのだ。木材製品を売るときには「産地銘柄を売り物にせず、デザインや機能を磨き上げる」べきなのである。
それを5年先を見て実現させれば、10年先、20年先、そして100年先が見通せる。
さて、選挙だ。先を見る目を持って投票に行くか。
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