食料システム法の求める価格決定
今年4月1日より「食料システム法」が施行されることを知っているだろうか。
正確には「食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律」となっている。
食料、それも指定品目(米穀・野菜・豆腐 ・納豆・飲用牛乳~成分調整牛乳を除く)があるものだから、関係ないもん、と思っている人も音委だろう。いや、指定品目に関わる業者でさえ、どこまでこの食料システム法を意識しているか。
だが、これこそ私が注目していたフランスのエガリムⅡ法の日本版(となるかどうか、とりあえずのプロトタイプ?)だと思っている。
私は、すでに3年前に記事にしている。
トレーサビリティの次はコスト明示。適正価格求めるエガリム2法
正直、この記事を書いたときも、まったく興味を持たれずアクセス数は最低辺だったが……。
ようするに食料の生産を持続的にするためには、ちゃんとコストを意識した価格決定をしなさい、という法律だ。フランスでできたときは画期的だったが、なかなか当地でも施行には苦労しているようだ。しかし、日本の農水省は、これを参考に近いものを策定したのである。
日本のものは努力義務だから、罰則もないし、実際にコストの価格転化がされていない場合はどうなるのか実効性に不安は残るが、少なくても明文化したのだから、生産者の交渉力にはなるはずだ。
現在の経済は、国際的に消費者の方が強いことは以前にも触れたが、多少とも生産者に力をつけてもらうことで価格決定権を五分五分に持ち込めるだろう。
そして、これは食料品だけに留まらない、というのが私の指摘だ。残念ながら、現代社会は性悪説で成り立つ。人は、必ず自分だけが得をしたいと願い、購入物を安く買いたたこうとする。それに待ったをかけるのが法律の役割だ。
だから、木材価格もしかり。苗木を植えてから数十年に渡るコストを全部反映できるかどうかはともかく、コストから補助金支出額を差し引いて、売却金額に反映させるべきだろう。
いつか必ず、世界に普遍的な原則になる。トレーサビリティがそうだったように。今回の法律改正は、農水省のヒット作だと思う。
※ちなみにエガリム法は、農業者の所得向上だけでなく、取引の透明性確保、高品質な食料(オーガニック等)の調達、プラスチック削減、食料廃棄防止なども目的になっている。日本でそれに相当するものに、「みどりの食料システム戦略」がある。
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こころの汚れた弁護士です。
地獄への道は善意で舗装されれいる
ということわざを思い出しました。
消費税とあわせて闇経済促進法になるんじゃないかなあ、と思いました。
投稿: 岡本哲 | 2026/03/09 16:54
汚れていますね(笑)。
まあ、善意があろうとなかろうと、悪用する人は出てくるでしょうね。
ダークサイドに落ちた人を告発する、ホワイトな弁護士に期待します。
投稿: 田中淳夫 | 2026/03/10 09:24