バイオマス発電の全国組織が訴えること
未利用木材を燃料とする木質バイオマス発電所の新たな全国協議会が発足したそうだ。「地域資源木質バイオマス発電全国協議会」である。発電事業関連の26社が参画したという。
未利用材というのは、だいたい林地残材であり、国産のバイオマス燃料を使っている業者ということだろう。ただ目的は、国内の未利用材を使った10メガワット未満の発電所で、苦しい経営を何とかしてほしいという、政府への陳情団体みたい。
その主張するところは、想定を超える物価上昇と、円安などでコストが膨らんでいるのに売電価格が固定されていること、燃料費だけでなく灰処理費用も約1.5倍に上昇したこと、また大型発電所の相次ぐ火災事故により、保険料もFIT制定時の年間500万円から6倍近くに高騰したこと……などを上げている。
その根本として、FITでは売電価格と発電容量が固定されていて経営の自由度が少ないことが問題だとしているのだ。
これって、ようするにFIT価格をさらに上げろということ? 当然、再エネ賦課金は上がることを意味する。輸入燃料を使っている大型発電所に比べれば円安の波は小さいと思うが……。林業や環境への貢献も持ちだしているが、バイオマス発電がどちらにも役立たないことは証明済みと思うのだが。
というわけで、バイオマス発電の現状のグラフを見つけた。
稼働中なのは、やはり一般木質、つまり木質ペレットとヤシ殻が一番多い。大型施設が多いので、発電量で見れば、圧倒的になる。
逆にリサイクル木材使用の発電所が少なすぎる。当初の理念からすれば、ここが中心になるべきだった。
私の見解では、施設をもっと小規模にして、端材・廃材だけを燃料にするバイオマス発電にすればよいかと思っている。そもそも発電をしなくてもよい。電気より熱利用を中心に行うべきだ。それでこそ地域密着だろう。
ちなみにリサイクル木材(廃材)のFIT価格は17円/kwだが、建築廃材を処理する意味合いで考えればFIT適用も必要なくなるだろう。
バイオマス発電は、世界的に見ても失敗したとされており、今は「終わりの始まり」だ。早く熱利用に切り換えることをお勧めしたい。
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またまた、すみません。
小規模のバイオマス発電が何とか主流になってほしいと願っていますが、前途多難ですか?
発電だけではなく、排熱を利用して温室栽培をしているところもありますが設備の維持費がかかるとかでしょうか?
例えば、森林を30分割し1年ずつ集材を交代していける規模のバイオマス利用施設を設置すれば、山荒らしにはならないと素人の私は考えてしまいます。しょせん机上ごとと一笑に付されるでしょうが。
薪ボイラーなるものがありますが、熱交換器が介在して、その維持費(主に腐食と清掃費?)が課題になりそうです。
五右衛門ぶろを50基並べて、加熱した温水と媒体とで熱交換すれば、熱交換器の寿命が延びて維持費は少なくて済むんじゃないか、などとサクラの開花便りに浮かれながら考えています。
投稿: かさ | 2026/03/20 09:37
小規模バイオマス発電は儲からないんです(笑)。だから業者は規模を大きくしたがる。
また熱利用は、地元の熱を使う業者と組まないといけないから、面倒なんでしょうね。熱の移動は難しいから距離も近くにないといけない。でも欧米では、農業とか地域暖房とか、温泉事業にも使われていますよ。やればできる。でもやらない(-_-;)。
投稿: 田中淳夫 | 2026/03/20 12:31
田中淳夫さま、リサイクル材のFIT価格は13円/kwです。従来の需要業界からの声が大きかったのか、この価格で設定されてしまっています。
これが、せめて15円/kwくらいならもっと動いたかもしれませんね。
投稿: 前田雅之 | 2026/04/30 10:16
リサイクル木材の買取価格が安いので、利用が進まないのでしょうね。
とはいえFITがなければ1円2円ぐらいにしかならないはずなので、高くはなっているのでしょう。
投稿: 田中淳夫 | 2026/04/30 11:35