無料ブログはココログ

森と林業と動物の本

« 2026年3月 | トップページ | 2026年5月 »

2026年4月

2026/04/30

タケノコ上納

タケノコは年貢である。採れると、上納しなくてはならぬ。

タナカ山林近くのスリランカ料理店「ラッキーガーデン」から、連休中にタケノコカレーをつくるのでタケノコを上納せよ、という命が下った。

そこで帰省中の娘とタケノコ堀りに出かける。

あるわあるわ。今年は豊作だが、前回掘ってから4、5日経ったら、伸びてる伸びてる。しかし、急斜面ばかり(泣)。

せっせと掘って、それを担いで道路まで出すのが大変だ。スリランカ人の応援も来て、ようやく運んだ。ざっと50本。

それを店に陳列する。

8_20260430112601 9_20260430112701

タケノコカレー、食べたい人は、ラッキーガーデンへ(^o^)。1週間分ぐらいはあるだろう。

ちなみに私達の労力もカレーになった。

2026-1

イチゴアイスのデザートと、ビール付き。

2026/04/29

林野庁の里山広葉樹プラットフォーム

林野庁が、またも広葉樹の利用拡大を言い出した。

来春に向けて「里山広葉樹プラットフォーム」を発足させるつもりで、5月に発起人会を立ち上げるそうだ。

それにしても、広葉樹材の利用とは。私は、かなり前から言い続けてきたのだが、まったく世間に動きはなかったのに、今頃か、という思いもある。今回だって本気かどうかわからんけど。

それに「里山広葉樹」という言い方が気になる。これって、里山の雑木林を伐採する意味ではないのか。だいたい種類が多くて適所適木になるか。相当な覚悟がいるはずだ。

それに建築材というより内装材や家具、カトラリーなどの木工品向きだが、乾燥が大変だし、供給量も安定しない。難しいぞお。

Photo_20260429103901

和歌山県龍神村の道の駅で見かけた樹木見本。100くらい並ぶ。これだけの樹種の材質を見極めて使い道を考えねばならない。

以前、同じような林野庁の審議会の議事録を見つけて目を通したら、委員の一人は、あきらかにバイオマス燃料にするつもりだったので興ざめした記憶がある。これと同じだと、雑木林を丸ごと伐採してチップにしてしまう方向に行くだろう。

だいたい林野庁が里山とか、広葉樹材とか言い出すのは、針葉樹(スギやヒノキ)の人工林の経営を諦めだしたからではないか。皆伐推進するも再造林は進まず、打つ手なし、と考えたから……と邪推する。

さて、どんなメンバーが参加するのかな。希望者がなれるのではなく、ご指名なのだろう。予定されているのは、自治体に、林業経営者や森林組合など生産者側と、木材市場や製材工場などの流通関係者、建築資材や家具メーカー……らしい。研究者や組織発足の趣旨に賛同する民間企業も受け入れるとも言っている。調査や関係者へのヒアリングも行って、具体的な取り組み内容はそこで決めるとか。

立候補しようかな(^^;)。

連休入りしたので、我がタナカ山林に行ってタケノコ掘りをすることになった。広葉樹じゃないが、里山利用ではある。

でも、疲れてブログ更新をおやすみしようかと思った(^-^;

2026/04/28

Wedge ONLINEに「庭にいつの間にか増えた外来種」を書いた裏事情

Wedge ONLINEに『〈庭にいつの間にか増えた外来種〉それは悪いことなのか?害悪ばかりでない有用でなくてはならない存在にも』をしっぴつしました。

同記事は、Yahoo!ニュースにも転載されています。

Wedge ONLINEには月1本記事を書く契約だが、今月は『奈良のシカが大阪に出没?シカに「県境」は分からない!「奈良公園を出たら天然記念物ではなく野生動物」…クマだけではないアーバン・ディアにご用心』を書いていた。

こちらは時事的に「このテーマで書きませんか」という依頼だったので書いたものだが、毎月の連載とは別枠だったようだ。ようだ、というのは、私がそう認識していただけなのだが(^^;)、定期連載分も、と言われたので、ちょっと考えて、今度は植物だな……と思い、また今私が熱中している庭いじりをテーマにしたわけだ。草花の写真も撮っているし。

まあGoogleレンズで遊んでいることを書きたかった(^^;)のだが、それをネタにいろいろ考えるのは悪くない。まあ、最後にクマやシカの獣害、ついでに外国人問題にもほんの1行触れたのは、蛇足かな。

ほのぼのネタのつもりだったが、わりと反応がよい。いつも「社会に鋭く切り込む」のが求められるわけじゃないんだ……と再確認。今後は、ほのぼの記事ライターになろうかと思う。

20260328-0858521
これはリンゴの木の芽吹き。穿孔害虫にやられて、もう無理かな、と思っていたが、以外や元気に芽吹きして育ちそうだ。

2026/04/27

タケノコ豊作と謎のハエ

ここ数年、我が山林のタケノコは不作であった。ほとんど出ない、出たものは真っ先にイノシシが荒らす。我が家がゲットできるのは数本あればよい方。

今年も、時折様子を見に行っていたが、まったく出ていない。それどころかイノシシの巨大糞の山があったりして。

だから期待せずに連休前にまた確認に行ったら……

2026-2_20260427164101

なんじゃこら、というほどタケノコが出ているではないか。またイノシシが掘ったと思われるものもあるのだが、ほんのわずか齧っただけで、ほぼ食べていない。イノシシも、食べすぎたか?

掘らねばなるまい。ほんのわずか放置したら、すぐに竹に生長するから、タケノコのうち掘らないと、雑木林が竹林になってしまう。
せっせと掘った。あまりに生長しすぎのものは掘っても捨てるか、折って終わらせる。ただ少々伸びすぎでも、穂先は美味しく食べられることを知っているので、つい持ち帰ろうとする。結局は17本になってしまった。

タケノコだけではなく、ミカンやカキ、そのほか実生のものは、たいてい豊作と不作を繰り返す。我が家のミカンは昨年豊作だったところは、今年全然花の蕾がつかないから、多分今年は不作だろう。カキも同じだ。

ちなみに、タケノコを掘ってから、右目の下が腫れ上がった。痛くも痒くもないし、赤くもなっていないが、ただ視界が不自由。ブヨかアブに刺されたか。そういや堀りたてのタケノコはみずみずしく水分がにじむが、そこに小さなハエのような虫が群がっていたことを思い出す。

調べると、タケノコモグリハナバエという種がいるそうだ。タケノコに発散する物質が誘引するそうだ。そして産卵するらしい。ただ、人を刺すなどの行動を取るという説明はない。タケノコがない時期や年度は、どこで何をしてる虫なのやら。

豊作になったら、こうした不快昆虫も増えるのかもしれない。

 

2026/04/26

苗が枯れたわけ

今年も夏の日除けにしようと、庭の一角、家屋の壁際にゴーヤの苗を植えた。

ところが、数日後…。

20260419-141838

枯れているではないか。水やりもしていたし、土も肥料を入れてよく耕したし。ほかの野菜や花の苗は元気に育っているのに。

しばし考えて、この苗を植えた一角の土を掘り起こした。念入りに土壌の中に含まれているものを確認する。

20260420-082412

出てきたのがこれ。コガネムシの幼虫だろう。よくよく調べると、小さなエリアに5匹見つかる。こいつが、苗の茎をかじったようだ。枯れた苗を確認すると、根と茎の境目あたりが潰されている。

伏兵である。いつのまにかコガネムシが卵を産みつけていたのだろう。思えば,土にはコンポストで腐食させたものを混ぜていた。有機物を餌にする虫が卵を産みつけるチャンスはあったのだ。

ともあれ幼虫は排除したが、また産みつけられる可能性だってあるし、別の病原菌が繁殖する可能性もある。土壌消毒するわけにもいくまい。苗を植えたばかりなのに農薬も使えない。春は、草木が萌える季節だが、萌えるのは植物だけでなかった。

甘くはないのよ、家庭菜園も。庭の生態系の勉強と思おう。

 

2026/04/25

熊野古道を歩く人々

紀伊半島を回ると熊野古道が前面に出されている。さすが世界遺産。と言いたいところだが。

1_20260425160501
中辺路の一角

目にするのは、みんな外国人だった。とくに山道を歩いている人は。また古道に絡んだ展示施設も、道の駅さえも、たいてい外国人仕様というか、説明するようにできている。熊野古道が、こんなに外国人を呼び込むなんて。

別に外国人がいてもよいのだが、日本人より目立つのは、やはり森の中を歩くのが好きな人が多いのだろう。とくに欧米系の人は。ウォーキングが海外旅行の目的となっている感じ。森の体験度は、日本人が欧米人に比べて圧倒的に低い気がする。日本人に古道歩きに親しみを持たせるには、何が必要なのだろうか。

1_20260425160701
鳥居は日本一の高さ(33・9m)らしい。大神神社を超えている。

こちらの熊野本宮旧社(大斎原)は、中国人、韓国人も多かった。ユーチューバーぽい人も。

単純に世界遺産だから、というのとは違う魅力が「古代の巡礼路」にはあるのかもしれない。

その点、日本人観光客は、車で乗り付けて、トコトコと目的の場所まで歩いてすぐUターンする感じ。まあ、私もそうだが(^^;)。
現在の本殿には行かなかった。長い石の階段登るのイヤだったから(笑)。目的は最初から旧社だったのだ。

2026/04/24

Y!ニュース「スギこそ、地球温暖化対策の…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「スギこそ、地球温暖化対策の救世主!」を執筆しました。

2020年に執筆した
計算し直すと、日本の森林蓄積は従来の1.5倍、生長量は2倍以上に!
の続編みたいなものである。
さらに言えば、2017年にアップした
『老木ほど生長する! 森の扱いを考え直せ
の要素も入っている。

その点からすると、私が注目したのは、スギ林こそ日本のCO2吸収の主役だった点だ。これこそ新しい知見だろう。

いずれにしろ、もっと科学的な研究を政策に活かしてもらいたいものだ。

もう一つ、気にしているのはタイトルに「地球温暖化」という言葉を使ったこと。本当は「気候変動」とすべきなのである。現在地球で起きているのは温暖化だけでなく、一時的な寒冷や降水量増加、暴風増加…といった多様な気候の激変化である。それを気候変動という言葉で表現することにらなったのだが、いまだに普及が遅れているというか、日本では温暖化、沸騰化の方がイメージしやすい。

ひたすら暑くなっていると思われがちだ。今年の冬だってドカ雪が降ったりしているのだけどね。

それでもタイトルにはイメージ化しやすい文言を使うべきかと、地球温暖化を選んだのである。

2026/04/23

ドラゴンの村にて

和歌山県龍神村を訪れたら、龍神村ドラゴンミュージアムというのがあった。

……が、定休日(-_-;)。

1_20260423152301

ミュージアムの前に置かれたドラゴン。多分、コモドドラゴンだろうが、実際に生息する巨大トカゲの実物大だ。その迫力たるや……よくぞ、ここまで緻密に彫ったものだ。一応ベンチなのだが、遠目には剥製?と思ってしまうほど。

そこで、この木彫りを彫ったチェンソーアートの第一人者・城所啓二氏に連絡を取って会うことになった。彼はこの村に住む。

彼がチェンソーアートを始めて25年経つというから、私とのつきあいもほぼ25年、四半世紀だ。ここ数年は会う機会がなかったのだが、今回の思いつき紀伊半島一周旅行?は、旧交を温めるのにもってこいだった。

彼の家にお邪魔してチェンソーアートの近年の動きや林業界の最新事情など情報交換。表面には出てこないが、さまざまな動きがあるようだ。そりゃ取材しないといけないな、と思わせるものもある。

それにしても、彼のチェンソーカービング作品は、すでに別次元になっている。最近は仏像を彫ることも多く、もはや仏師である。

Img_20260423151850

これはいただいたカレンダー表紙だが、この1対の仁王像なんぞ、お寺に展示されたらみんな手を合わせる代物だ。

そして、その価格も聞いたが、やはりずば抜けている。大木とはいえ、スギの2番玉で直径は80センチくらいか。2メートルものを半割にしてつくったそうだ。普通に丸太として買えば、1万円もしないのではないか。

木材の価値は最終商品に加工して生まれる。

チェンソーアートは、25年前に日本林業の起爆剤になると信じて取り入れた。私も取材した。丸太から木工品へ橋渡しする価値の創造……ということを考えていた。それは今も生きている理念なのだが……残念ながら世間に十分理解されたわけではない。

とまあ、そんな昔の青臭い時代の話もしつつ、いつしかお互いの老後の設計、健康法、親の介護……という話をして盛り上がり(^^;)、そろそろ時間だから帰らねばとなっても「また会って、老後の話をしよう!」と言い合って別れたのであった\(^o^)/。

 

2026/04/22

野外アートONKAI

一昨日、昨日と十津川村から和歌山県を抜ける紀伊半島一周をしていた。

目的はいろいろあれど、実は行き当たりばったり(^^;)。でも、一つの目標地として考えていたのは、ONKAIを見ることだ。
これは十津川村竹筒(タケトウ)という、ほぼ限界集落に昨年建設された野外アートである。

20260421-0830581

ドイツ人のルーカス・キューネ氏が制作した「音の彫刻」だ。耕作放棄された棚田に、10個のコンクリート製円柱が立つ。高さはさまざまだが、最大約5.4メートル。空洞で切り込みがあるので、中に音が反響する。これこそ、音階を表す音響芸術だ。

ただ、行き当たるまでが大変。竹筒の集落まではなんとか行き着いたのだが、肝心の建設場所がわからない。一応、オープン時の報道の写真は見ているが、車で道路を走っているだけでは見つからないのだ。脇道に入ったりしたが、どこなのか。写真では谷間だったが……とりあえず車を止めて歩くか……と集会所の駐車場に入ると、なんだ、見えた。集会所の裏手の谷にあるではないか。……看板くらい掲げてよ(泣)。

20260421-085119

側まで下りて、じっくり見る。コンクリートの円筒とは、何か異物ぽいのだが、しばらくすると不思議に馴染んでいるように感じた。

たしかに筒の中に入ると、音が反響する。声を出す、手を叩いてもよいが、じっとしていると、鳥の声や風のざわめき……が響く。

これ、誰でも理解できるというものではないだろうが、ハマる人にはハマるのではなかろうか。

20260421-085510

この地に立って、もう一つアートを感じたのは、周囲の石垣だった。棚田の段差を覆う石積みが素晴らしい。積み方に芸術性を感じるのだ。

森に覆われた集落(人がいない。話を聞きたかったのだが、探しても見かけない)だが、今は森に隠されているところも、少し入ると石垣が各所にある。沢にも高い石垣が積まれて、これが人工的な地形であることに気づく。かつて、ここには人の手で築いた石の世界が広がっていたのだ。

人工物であった石垣も、年月を経て自然に溶け込んでいる。そこに人工物そのもののコンクリートの現代アートがミスマッチ的にあり、両者を引き立てている。

20260421-084939

もし数十年前の谷の写真があったら……と思った。森の歴史、集落の歴史を感じさせてくれたら、より価値が高まるのに。

たとえばこんなストーリー。何百年前に、この谷に住む人が現れてやがて集落を形成したこと。いつごろから石を積んで棚田をつくったのか、かつてはこんな賑わいがあった、人も多く住んでいた……でも、いつ頃から人が減って、維持できなくなってきた、そこにONKAIを築きたいという申し入れがあった、賛成反対の声がある中、建設に協力することにした。これを竹筒のシンボルにしたい……なんてことを書いていたら、わりと感動するんだがな(^^;)。

芸術、アートは見た目の美しさも重要だろうが、それが周辺に与える影響も価値となる。アートを見る人感じる人がいて、それがアートの置かれた土地(集落)に与える影響だ。もしかしたら限界集落に人が集いだすかもしれない。

その点からすれば、せっかく設置したのに、案内板もないのは残念だ。誰が何のためにつくって、どんな効果があるのかを伝えなければ、何これ?で終わってしまいかねない。

2026/04/21

書店、ゴルフ場、そして林業の宗教改革

日経ビジネス電子版に『書店再興 まちの本屋さんのゲームチェンジのために』という記事が連載されていた。

これは、近頃出版された同名の書籍の内容を紹介するものだが、その中で作家・今村翔吾さんへのインタビューがある。
本屋さんの閉店が百貨店の閉店よりシンパシーを呼ぶのはなぜ?

そこで私が、これだ!と思った指摘がある。

「書店が大変だ、大変だ」という割には、関係者の間で危機感を共有する意識は薄く「本」という商材の不思議。商品を売る“商い”なのに、数字ではなく、感情に置き換わっている。「本は文化だ」というドグマが、商売の周辺に色濃くある書店の存在意義を文化、思想、精神性に置いてしまうと、限界を超えてムリをしてしまう。

書店の現場がどんなに疲弊しても、書店の数が減っても、現状をきっぱり変えていこうという流れにならない。
書店業界には本を信じて、重労働にいそしむ人たちがいる。本に救いを求めて、ひたむきな信仰をささげる人がいる。一方で既存のシステムの中で、おいしい思いをしている昔の貴族みたいな人がいる。

この業界は外から見るには美しすぎる。
百貨店がどんどん店じまいをしています。書店に比べると、それらの市場規模やインパクトのほうがはるかに大きい。でも、まちの書店がつぶれるほうが、より強いシンパシーを呼んでいる。

この業界って、資本主義の中にいることは確かなのに、その原理は資本主義じゃなくて、宗教的感情だった。

書店がどんどん潰れていく現状は、私にとっても他人事ではない。ただ、それは私自身が本を出版している立場だからである。正直、リアル書店がなくなっても、Amazonなど電子書店がある。
ところがリアル書店の関係者よりも、むしろ外野から「(書店)文化が滅ぼすな」という声が大きい。

書店を何とかしようと「ルネサンス」のような大胆な改革を行おうとすると、それ以前に「書店は神聖ナノダ」という宗教的な思いが顔を出す。合理的な判断として書店の数を整理し、システムを再編する、という正論が成り立たない。さらに流通や価格設定、販売方法などを変えたがらないのだ。

これを正すためには「宗教改革」が必要ではないか……というわけである。

書店、ゴルフ場、林業。いずれも同じ構造だと感じた。それは「ルネサンスより前に宗教改革が必要だ」という点である。

180
ゴルフ場で行う林業

私は、日本の養蚕について取材したことがある。(森林林業ばかりじゃないのだよ。)
またゴルフ場業界の取材もしたことがある。(森林林業ばかりじゃないのだよ。)

そこで感じたこと。戦前から戦後すぐまで、日本の養蚕・生糸は世界を席巻していた。それなのに急に崩壊して消えていく。しかし、悲しんだのは業界人だけ。だから大胆に養蚕業界の再編を政府は行えた。

それに比べて林業は、やたら部外者、業界人以外の声が大きい。林業を守れ、という声が環境や地方社会を守るために必要という視点から論じられる。政財界からも鳴り響く。肝心の林業家よりも。すると、構造改革ができない。

私に言わせれば、日本全国どこへでも移動する素材生産業とか植林専門会社をつくったらどうか。森林組合などを解体して民営化してもよい。その上で造林から伐採、そして最終商品まで加工生産し、その利益を大所高所から再配分するコングロマリット企業とかをつくれないか、と思うのだが。

ゴルフ業界では、バブル崩壊以降、日本にゴルフ場が多すぎて供給過多だから経営が立ち行かない。ざっと500は閉鎖すべきだという指摘がある。実際、赤字のゴルフ場は多いののだが、なぜか潰れない。みんな必死で耐えている。そこには「ゴルフが好きで、ゴルフ場を持つことは(財界人の)ステータスだ」という感情が横たわっている。合理的判断以前に、ゴルフ場を潰したくないのである。

2_20260418104301
2齢蚕

養蚕業には、「伝統文化を守れ」というドグマ、宗教的熱情はなかった。だから消えていった。悲しみの声もなかった。ほかの産業が勃興して儲かったからだ。ゴルフ場も、オーナーが身銭切って守りたいのだから好きにすればよい。

しかし書店も、林業も、まずは外野の宗教改革が必要となる。

既存の業界を守ろうとするから改革ができない。私は本を個人に届けるシステムを守る、多様な生態系と生物を保つ森林かから木材を調達する、という原則されあればよいと思う。新刊も古書もレンタルも、そしてネットも、みんな一緒くたに扱う。森林を守るためには林業も地域社会さえなくてもよい。木造建築にこだわる必要もない。それぐらいの宗教改革の覚悟が必要なのではないか。

 

2026/04/20

『編成王川島』にクレーン船登場!

NHKのキミョーな実験番組、『編成王川島』。

NHK特命編成部GM・川島明(麒麟)が、NHKの未来を担うバラエティー企画の開発を目指す、新企画探求バラエティー!お笑い芸人やタレントが、特命編成部の川島たちを前に新しい企画をプレゼン。試作した企画のVTRを披露したり、その場で企画に挑戦したり…。その可能性について特命編成部と熱く語り合います。ここで高評価を得た企画は将来単独で番組化も!?笑いと刺激たっぷりの情報が詰まった多彩な企画をお届けします!

月曜日深夜の放送だが、そこでクレーン船を取り上げるらしい。つまり、今夜だ。

4/20(月)『レアコミュニティーに仲間入り!』巨大クレーン船に密着!

『クレーン船解体新書』を発売直後というのは、運がよろしい。別に連携しているわけではない(はずだ)が、こういうのは不思議と重なるものである。

Photo_20260419145001

乗船するのは深田サルベージの「富士」で、私が乗った「駿河」と同じ会社。「駿河」よりちょっと小さめかな。

20250419-053644「駿河」

これでクレーン船に興味を持つ若者が現われるかもしれない。なんたって、この本は、サルベージ会社のリクルート本でもあるから(笑)。
だいたい外部の取材にはそっけない海運・土木業界だが、深田はその中でもわりと開けっ広げで、新人材を取り組みたいということで協力してくれた。NHKの企画を受けたのもそのためだろう。ただ、テレビ番組だから、どこまで演出しているのか知らないが……。

ちなみに、私は14日は遠くまで出かけているので、多分番組を見ることはできないと思う(-_-;)。配信で見るかな。。。

 

2026/04/19

『伝統木造建造物のサスティナビリティ』で考える石油と木材

イラン情勢で語られる政府の文言『石油は全体としては足りている』。

これに腹が立つ。実際に困っている業界や市井の人々を無視して、「全体としては」という理屈で誤魔化している。
そして、これは「日本の森林は、全体としては豊かになっている」という林野庁の言い分とまったく同じ論法だ。いや、さらに進んで「だから、どんどん伐るべき」としている。伐採跡地も、計算上は森林にもどって、また蓄積を増やしていることになっている。

日本の森林の蓄積量は増えていると言うが、現実に皆伐が進んではげ山が増え、その跡地も草が生えているだけ。また木は生えていても細くて曲がりくねった、建材にはならない品質なのである。

日本は、歴史上常に大木が伐られてきた。それによって木造建築物が建てられてきたが、もはや長大材は残り少なくなった。ならば集成材に頼るか、と言えば、いやいや伝統建築は、やっぱり無垢の大木を使わなくちゃね、という宗教的?ドグマに支配されている。

そこで、こんな本はいかが。
『伝統木造建造物のサステナビリティ―大径材の確保策と森林政策』。
(峰尾恵人著・京都大学学術出版会)

81zv1uuovdl_sl1500_

目次
序章 伝統木造建造物用材の確保策へのアプローチ
第1部 森林政策としての「高品質な大径材」確保策の必要性(大径材供給の持続不可能性;経済学的分析から見る高品質な大径材の入手難;大径材確保策の論理の検討)
第2部 政策の担い手に関する実証的検討(森林計画制度の二面性と長期的不安定性;国有林における大材生産政策の通史;国有林における大材生産政策の現状と課題;寺社による森林経営の可能性の検討)
終章 伝統木造建造物用材の未来に向けて
補論1 持続可能な社会への移行と森林・林業の未来
補論2 林業経済学分野の歴史と展望

主に社寺建築を中心に、どんな木を、どのように調達して使用してきたかを追いかけた労作である。ある意味、いかに日本の仏教など宗教勢力が、日本の森林を破壊してきたかを知ることができる。

ヒノキが尽きたらケヤキに移り、タイワンヒノキや米材、そしてアフリカ材にまで手を出す姿が浮かび上がる。

生後の政策的としては、森林計画にも踏み込んでいる。

実は、本書はまだ精読中だ。ここでは本論より補論1に触れたい。なぜなら、ここで「物質・エネルギーの流れと林業」に踏み込んでいるからだ。そして石油と木材の比較を行っている。

こんなグラフもある。

Photo_20260419164401 Photo_20260419164501

石油の需要が増えると木材の需要も増える、という相関。
昨日アップされた現代ビジネスの拙文「石油高騰が招いた“第2のウッドショック”到来……!」にもつながるだろう。

林業の持続性を論じるには、こうした視点を持たないと、「全体としては足りている」という世迷い言を唱えるだけになるよ。


2026/04/18

現代ビジネスに「第2のウッドショック……」を書いた裏事情

現代ビジネスに『石油高騰が招いた“第2のウッドショック”到来…!「家が建てられない」建築業界が震える《意外な実態》』を執筆しました。(前・後編)

これは依頼記事である。先方から「イラン戦争による石油高騰が招くウッドショックについて書いてほしい」と依頼されたのである。打ち合わせると、建築(住宅)業界の危機が主題らしい。それを木材の切り口から、というのが本意なのかな。

たしかに私のブログでウッドショックのことも書いたが……そして、石油危機が木材価格を高騰させるのも事実だろうが……住宅業界管理用の危機は、木材以上にいっぱいあるののではないの? 木材なくても家は建つし。

とはいえ、森林ジャーナリストが石油やプラスチックのことを書くのも気が引ける(実は書いてみたい^^;思いもある)。

と思った私は、あまり石油と関係ないように思われている木材を事例として、いかに現代社会が石油漬けであるか、そして林業や木材業界の現実を世間に知らせるとば口になればいいか、と思って記した。単に伐採や搬出・輸送の燃料だけではない。乾燥工程と集成材の接着剤の存在も取り上げた。

Photo_20260418100501

ちなみに後編は「石油ショックが続けば風呂もキッチンも作れない…莫大な石油なしでは成り立たない「日本の住宅建築業界が直面している衝撃すぎる現実」である。タイトルは木材にこだわっていない。

風呂もキッチンも、とあるようにユニットバスやシステムキッチンも危ないことに触さされた。

実は、我が家もキッチンのリフォームをしようと思って業者と相談している最中なのであった。そこに石油危機、ナフサ危機が直撃している。いきなりTOTOやLIXILがユニットバスの新規出荷を止めちゃった。(その後、受注そのものは再開した。政府の圧力で……。だから注文受けても納品はいつか未定(笑)。)

さあ,どうする? 我が家のリフォーム?……という記事は、また別に書こう(⌒ー⌒)。

2026/04/17

森の姿、多士済々

生駒山を久しぶりに歩く。

なんとなく、歩き尽くしたような感覚になっていて、同じ山の同じ道を歩きたくないなあ、と傲慢にも感じて最近はあまり森に入らなかった。
いや、単にウォーキングのコースのようには歩くこともあったのだが、何か新しい世界を見つけよう、という意欲がなかった。

今回も、運動不足解消気分でウォーキングでも……と某森林公園を訪れたのだが、つい別の山へ。
そこだって以前に歩いたはずだが、もう数年経っているからよく覚えていない。そう思ってたどりだすと……全然知らない姿が次々と現われる。

3_20260417173501

これ、アラカシの森だと思うが、なんとも不気味な森になっていた。

3_20260417173502

そこを過ぎると、一転、ミツバツツジの花園になっているところもあった。

Photo_20260417173501

こちらは咲き終わったサザンカ林。薄暗い林内を通ると、散った花が一面埋めていた。

ほかにも、さまざまな景観があった(写真撮るのを忘れた)うえに、知らない道筋に迷い込んで、予定とは全然違う方向に進んでしまう。なんだ、知らない道、知らない山の姿は、まだまだあるではないか。
おかげで軽い山歩きが結構な大回りコースとなった。しかも駐車場が夕方に閉まると書いてあったので最後は駆け足(TОT)。

季節によって森の見え方も変わる。

 

2026/04/16

林野庁、再び分収造林に挑戦!

なんと! 林野庁が再び分収造林の募集を始めていた。

分収造林と分収育林は、「緑のオーナー制度」だった。代々的に募集して、ほぼ全部焦げつかせた(^^;)あげくに裁判にもなったのだが……。改めて分収造林に挑戦していたのか。

その名も「昭和100年記念分収造林」。

「昭和100年記念分収造林」(グリーン・シェアリング)ポータルサイト

説明によると、「昭和100年」の機運を盛り上げるため、戦後の復興や経済成長のための旺盛な木材需要を背景に、先人が育てた豊かな森林資源がもたらす恩恵に感謝し、地域と国が協力して次世代へ継承する森林を育てる象徴的な取組として、全国の国有林において、記念分収造林を実施します。

2_20260416120001

かなり記念行事的ではあるが。

内容は、これまでのようなスギ、ヒノキ、カラマツ……だけでみなく、多様な樹種を育てるそうで、次世代へ引き継ぐことを掲げている。

呼び名も「グリーン・シェアリング」としている。ただ、募集は個人ではなく、企業等の参加によるようだ。

Photo_20260416120001

樹種は国と協議するとあるが、すると広葉樹を希望するところが多いだろうなあ。でも、広葉樹を育てるのは大変そう。国の取り分も小さくしている。それに60年~80年先となると、みんな忘れて? その森がどうなっても関心が失われそうでもある。

そういや、Yahoo!ニュースに執筆した私の記事で、ずっと反響が続く一つが、こちら。

地上権が消える?分収造林裁判でびっくりの判決

5年も前に書いたのだが、ちょくちょくと問い合わせが来る。それも弁護士から始まって、法律研究者まで。今月もあった。分収造林を巡る裁判は各地であるので、その参考になっているらしい。

まあ、腐すのではなく、暖かい目?で見守ろうかな。

チラシもあったよ。ダウンロードはこちら(PDF : 1,127KB)

 

2026/04/15

アミガサダケはどこに生える?

庭の排水溝に、急にキノコが生えてきた。

これ、アミガサダケだ。都会では(我が家は都会にある!)珍しいキノコの一つだろう。

1_20260415160001

食用できると聞くが、食べたい人はいるか? 日本でよく食用になるキノコはたいてい担子菌類だが、こちらは子嚢菌類の仲間で、どちらかというとカビの仲間。(まあ、トリュフも子嚢菌類だが。)
私が記憶しているのは、山火事の跡によく生えるという話である。山火事だけでなく、焼畑にも生えるらしい。それも面白い。

これまで庭で見た記憶はないのだが、どこから胞子が飛んできたのか。別に火事も起こしていないし、溝はセメントを張っているのだが、生える条件が揃っていたのだろう。

日本では気持ち悪いキノコ扱いではないか。頭に穴が開いている。

3_20260415160001

我が家の庭も多様性豊か、ということにしておこう。外来種も多いけど。

 

2026/04/14

花より絶壁

奈良線東端の曽爾村に行ってきた。

そこは奈良では、というか関西では珍しい火山地形が広がっているのだが、なかでも屏風岩は、数千万年前の巨大噴火の外輪山ではないかと言われる大絶壁が連なる。

実は、数年前に訪れて絶壁の真下まで行ったことがあった。しっかり岩を観察しようと思ったら、ふもとに桜木を植えすぎて、肝心の絶壁が見えないではないか。

その悔し紛れを投稿をしたことがある。絶壁を見せろ!桜を切れ!と吠えたのである。訪れたのは6月だったので、ちょうど葉桜満開だったのだ。

で、 今回は「今が見頃ですよ(もちろん、桜が)」と教わったので、前回は桜に当たりすぎた、今回は桜を見よう、と思ってふもとまで上がっていった。有料期間中だったので駐車料金を取られたが、なるほど桜は咲き誇っている。

20260413-132146

桜は種類によって満開もあれば葉桜もあったが、それがさまざまな色のグラディーションをつけている。そして絶壁もよく見えるではないか。

桜も悪くはない(笑)。桜だけではなく、絶壁の光景としっくりしている。

2026/04/13

CLT普及ロードマップver.4の悪文

CLTの普及に向けた第4次ロードマップ」なるものがあることを知った。これ、内閣官房が作っているのだね。林野庁と国土交通省の両方が関わっているからだろうか。

Photo_20260412221201

ようするに、鳴り物入りで莫大な補助金も注ぎ込んで作ったはずのCLTが全然普及しないから……だと私は思ったのだが、そうじゃないらしい。過去(1次~3次)の説明によると。

まず最初のロードマップは、平成26年(2014年)。「CLTを一般的な建築材料として位置づけることを第一の目標としていました」。そしてこれは「おおむねロードマップのとおりの成果を得て、平成28年度末(平成29年3月)に終期を迎えました」。

第2次のロードマップは、平成29年(2017年)に策定。「CLTの需要の一層の拡大を目指すことを第一の目標としていました」。こちらも「おおむねロードマップのとおりの成果を得て、令和2年度末(令和3年3月)に終期を迎えました」。

そして令和3年(2021年)に策定(令和4年に改定)した第3次ロードマップは、「CLTの更なる利用拡大を目指すことを目標としていました」。これは「おおむねロードマップのとおりの成果を得て、令和7年度末(令和8年3月)に終期を迎えました」。

なんと!全部成果を上げていたのだ (@_@)。

そして今年以降は、「林業・木材産業の活性化による地方創生の推進や脱炭素社会への貢献に向けて、一層の普及を目指すことを目標」としているのだそう。今年8月31日のCLT活用促進に関する関係省庁連絡会議(第17回)で決定するらしい。こちらに本体(PDF/539KB)がある。

全然わからない(笑)。

今のCLTの状況を「成果を得た」というのも鉄面皮だが、結局何をしたのか伝わってこない。

私は、CLTに反対しているわけではない。こんな建材もあっていいね、ぐらいである。これの普及が林業を救うとか、ほかのどの建材よりも優れている、とは全然思わないけど。それを国が異常に出しゃばって普及させようとしていることに違和感があるのだ。あげくに普及のロードマップだと。

Dsc06296_20260413192901

実際、その別紙詳細を読んでも理解できない。これ、日本語か? 外国人が執筆して、AIで翻訳したの?

とくに???となったのが、2番目の【CLT等の木材利用の効果の発信】の項目。

ペロブスカイト太陽電池等による創エネ性能や断熱性の高い建材及びエネルギー効率の高い設備等の導入による省エネ性能等にも留意しつつ、以下の取組等を通じ、「建築物等への木材利用によるカーボンニュートラルへの貢献等についての理解が定着する」ことを目指す。

唐突にペロブスカイト太陽電池が出てくるのだが、それが文章の中で何処に掛かっている言葉なのか。だいたい何を留意するの?CLTを使うと、ペロブスカイト太陽電池は使えないの? それともCLTに張り付けて使えというの? まず読める日本語にしていただきたい。

ちなみに日本でペロブスカイト太陽電池が実用化して販売が始まるというニュースを日本スゴイ的な扱いしていたけど、これ、世界的に見たら全然遅いのだよ。世界で最初の実用化はポーランドだし、中国では100社以上がペロブスカイト太陽電池を開発している。理論は日本が発明したのに、この体たらく。

まず文章力から見直してほしい。読める日本語が書けないのは、内容を理解していないからだろう。このロードマップだと遭難する。

 

2026/04/12

イノシシの糞に含まれていたもの

今年のタケノコはいかがなものか、と山を見回りに行く。昨年は不作だったが……。

やはりまだ出ていなかった。生駒山はちょっと遅いのだ。それとも今年も不作か。

そして発見したのは、こちら。

Photo_20260412144601

イノシシの糞だろう。またイノシシが徘徊しているということは、タケノコを狙っているのか。いつも競争になる。多少食べるのみ諦めているが、少しは残しておいてくれ(涙目)。

が、この糞に目立つのは、柿の種ではないか。オカキではなく本物の下記の種子。大量に入っている。どうやら餌として柿の実を大量に食べたらしい。しかし、糞はそんなに古くないから冬の間にどこで柿を食べたのか。

そう言えば我が家も、昨秋、柿が豊作で、食べきれなかった。最後はまとめて埋めてしまったし、食べた場合も種子を含む残飯としてコンポストに放り込んでいた。すると、芽が出るのだ。

庭のアチコチで柿の新芽が伸びてきた(^o^)。

20260412-080523_20260412145401

庭中に柿の木が育っても困るが……とりあえず柿の若葉は食べられるので、山菜代わりにしよう\(^o^)/。

 

2026/04/11

水面の桜の花びら

我が家の池に桜の花びらがたくさん浮いている。

20260411-081626 20260411-082002

風情がある、と言いたいところだが、そこで疑問。どこに桜の木があるのだ?

我が家にも、その隣接した家々にもないはずだ。見かけていない。玄関側の道を挟んだ家にはあるが、家屋を挟んでいる。ほかに町内の遠くの家や、山肌にも山桜は咲いている。ちょうど散り時ではあるが……。

やはり風に吹かれて舞い上がり、我が家の池に着水したのだろう。距離は、もっとも近くでも50メートルぐらいは離れているし、直に飛ぶには障害物が多くあるから、舞い上がってあちらこちらに寄り道しつつ、風のリズムに合わせて落下したのだろう。思えば花びらは遠くまで飛べるもんだ。

今回は花びらであるが、種子もこのように風に乗るのだろう。意外と植物の伝播力というのは強いのだ。

それにしても……池の写真を撮ると水面に岸辺の植物がしっかり映る。この樹木、何かわかるだろうか?

 

イヌマキである。葉も、よく池に落ちる。こちらは、せっせとすくい取っている。

2026/04/10

表札の木目

物置で捜し物をしていると、目に入ったのが木片。

それをよく見ると……。

20260409-190630

表札だった。父の名が書かれていたのだろうが、ほとんど消えている。かなり古い、私が小学生の頃に見た記憶がある。当時の家に掲げていたものだ。現在の家に引っ越してからは、木ではなく石の表札になっている。

しかし、この表札……ヒノキ材だと思うが、非常に目の細かさに驚いた。年輪を読めるだろうか。

よりわかりやすい裏側を表示しておこう。

20260409-190743

年輪間隔は1ミリとない。幅は8センチくらいだから、ざっと80~100本の年輪が入っているはすだ。当然、柾目であるからこの原木はどれほ どの大きさで樹齢何年ぐらいだったのだろう。

この表札を作ったのは、父が過去の家を購入したときだと仮定すれば、70年以上前ではなかろうか。当時は表札といえば、かなりこだわりがあって最高級の木を使ったとも聞いた覚えがある。

そういや、すでに林業が傾いてきた頃、1970年代ぐらいの時、ある山主が自分の山にあるもっとも太い自慢のヒノキを伐りだすことになって、その木を最も高く売れる用途を探してくれ、とある地元の林業担当職員?に調べてもらった話をどこかで読んだ。神社か寺院の柱用か。それとも内装材か。

結果、表札だということになった。太いヒノキから表札材を生産すれば、もっとも高く売れる。

が、この話にはオチがあって、山主は断ったのである。「あの立派な太い木を、小さくバラバラにされるのはイヤだ」と言ったそうである。
売値より、大径木の木は大きな用途に使ってほしい、という山主ならではの思い入れがあったのだ。

今なら、そんな選択をする山主はいるだろうか。思い入れより高く売れることを優先するような気がする。もっとも、今や表札の価値も下がって、とても高くは売れないだろうな。

2026/04/09

地域おこし協力隊の任期

農山村を訪れると、出会う確率の増えた地域おこし協力隊。総務省管轄で、3年間は給与を与えるから、その間に派遣された地域でその自治体の手伝いをしつつ、自活する準備をしてもらう制度だ。今や田舎移住、あるいは林業職に就くためのファーストステップとなっている気がする。

どんどん応募者が増える中で、なかには受け入れ自治体、あるいは応募人員の間で齟齬が生じる残念なケースもあるが、総じて過疎自治体の地域おこしには寄与していると認めらているだろう。

Logo

任期は1~3年間だが、総務省は今年度から最長5年間まで延ばすことを可能とする改正が行われている。延長期間の上限は2年間だが、地場産業と言っても、対象とする分野は各自治体が判断するというから、まあ担当者の胸先三寸か。

もっとも条件はあって、地場産業に携わる隊員が対象だ。そして活動終了後に同じ分野で起業や事業承継すること。

隊員が地場産業(農業、林業、水産業……)に従事する場合、技術の習得や農地取得に時間がかかるため、3年間では間に合わないケースがあった。だから5年まで可能にしたわけだ。

ところがもう一つの条件に、起業する場合は新たに1人以上雇うこと、事業承継でも雇用人数の維持を求めるという条件も付けている。雇用は、その人材探しおよび人件費等の経費を考えると、ハードルが高くなる。

私自身は、協力隊員を地域に根付かせようという思い入れが厳しいように思う。いっそ、3年間、もしくは5年間だけに絞った専門家という発想でもよいのではないか。

例えば3年間を給与付きで地域の研究をしてもらうとか、アートに邁進して作品づくりをしてもらう、なんて隊員募集もあっていいんじゃないかなあ。

地域おこしネタになる歴史とか動植物・鉱物資源調査なんてのも考えられる。希少動物を発見・調査したら、その地域を全国的に有名にできるかもしれない。村の風景をたくさんの絵に描いて、あるいは写真に撮って発表すれば、地域の認知度を上げることもできる。

その在任期間を総務省が経歴として保証すると、隊員も、卒業後の進路が選びやすくなるかもしれない。

ポスドクとか、芸術家の卵はたくさんいるから、希望する人もいると思うけどね。

 

2026/04/08

我が家にスズメバチの巣が…

大雨の日に、尋常ならざる雨音が我が家に響いた。どどど、と屋根を打ちつけるのである。

いくらなんでも…とチェックしに庭に出て、音の正体を確かめる。どうやら2階の樋に溜まった屋根に降った雨水が、樋からあふれて1階の庇を直撃しているらしい、と気づいた。樋が歪んだのかもしれない……しかし、大雨の中である、それ以上何もせず退散した。

そして、晴れた日に改めて確認する。すると、樋が錆び付いたのか、穴が開いているようだ。あふれたのではなく、樋そのものに穴が開いたのだ。これは修理が大変だ……業者を呼ばれないといけないだろうか。しかし、通常の雨では問題にならない程度で、大雨のときだけだ。

どうしようかな、と2階を見上げていると、とんでもないものを発見。

Photo_20260408162401

スズメバチの巣だ! まさか我が家にスズメバチが棲んでいたとは。直径30センチくらいはあるか。
私の記憶では、我が家の周辺でスズメバチを見た記憶はないのだが。いつ作ったのか。

ただ、よく観察してみたら、ハチの出入りはなさそうだ。無人……じゃなく、無蜂らしい。せっかくの巣も居心地が悪くて転居したのか。

ただ、また別のハチが住みついても困るし、落としてしまいたい。そこで窓から乗りだし、ナイフ付きの棒で巣をたたき壊す。もし、中にスズメバチがいたらどうする?と思ったが、幸い何も出てこない。
そして接合部を切り落とす。

ところが落下した巣は、我が家の敷地を飛び越えて隣家に……。隣家の玄関先に落ちて割れて跳ね飛んだ。

まずいなあ、と思って謝りに行こうとしたのだが、留守である。夕方、もう一度覗いたが、まだ留守。もともと隣家は一人暮らしで、なかなか顔を合わすことがない。

というわけで、まだ挨拶しておりません(> <;)。まあ、隣にも被害はないはずだが、蜂の巣が転がっていたのではねえ。なんとか機会を見つけよう。

それにしても、樋の修理も考えないといけないし、内部も各所に問題ありだ。我が家も築50年近いから、ガタが来ているなあ。リフォームを考えねばならないが、金銭的なこと以上に、どうやってよい業者を見つけるか悩む。

2026/04/07

『クレーン船解体新書』のまえがき

本日より発売開始。『探る!海の職人技 クレーン船解体新書』である。

1_20260407105501

目次を公開しておく。

1. 写真で見る海の職人技!
01 東日本大震災復興工事―宮城の復興のシンボル「気仙沼大島大橋架橋」
02 台風で破損した関西国際空港連絡橋の架け替え工事
03 明石海峡大橋ができるまで
04 クレーン船が大活躍―日本各地の大橋架橋
クレーン船トリビア01 クレーンとクレーン船の誕生はギリシャから?

2. ルポ 探る!クレーン船の現場
クレーン船トリビア02 オランダを驚かせた江戸のサルベージ

3. 探る! クレーン船の仕組み
01 クレーン船って何をするの?
02 なんで重い物を吊り上げられるの?―滑車の仕組み
03 クレーン船のワイヤーは何本あるの?―ワイヤーの仕組み
04 船が転覆しないのは水のおかげ?―転覆しない仕組み
05 どうやって移動するの?―曳航するのはタグボート
06 どうやって移動するの?―アンカー船と着火船
07 どうやって移動するの?―橋の下の航行
08 クレーン船にエンジンはあるの?―動力部分を探る
09 クレーンはどうやって動かすの?―操作パネル
10 クレーン船の甲板には何があるの?
11 台風の時はどこに避難するの?
クレーン船トリビア03 陸軍が所有していたクレーン船・蜻州丸

4. 探る! 海の職人技
01 世界最大、日本最大のクレーン船は?
02 巨体物体も台船を使って海上輸送
03 巨大物を吊り上げる必需品「吊り枠」
04 水に浮く巨大なケーソン
05 巨大な橋げたの設置
06 沈埋函トンネル
07 サルベージいろいろ
08 潜水士の仕事―サルベージ
09 潜水士の仕事―捨石均し
10 油の回収は人力で
11 乗組員の休日
12 乗組員の食事
13 新たな仕事、海底調査
14 バブルカーテンシステム
クレーン船トリビア04 戦艦大和は引き揚げられるか

あとがき・謝辞

おわりに

私が書いた「まえがき」も公開しておく。

2_20260407105501

ちゃんと、中学生向きの文章にしているのだよ。全部、ルビ付きだし。

ちなみに私が書いたルポの舞台は、福岡県北九州市門司区。ここ、私が中高生時代を過ごした土地なのである。当時は寂れつつある港町風情だったが、今はレトロを売り物にする観光地として賑やかな反面、その裏側で暮らしが崩れつつある臭いを嗅いだ。
歴史的には、興味深い地域なんだけどなあ。古墳時代や平家の滅亡の地であり、戦国の世や幕末の長州戦争、そして明治以降は石炭積み出しと大陸渡航の拠点……。

4_20260407111401
関門海峡に沈む夕日と関門橋

2026/04/06

農水省HPに中近東情勢ポータル

林野庁のHPを開くと、冒頭に【重要】中東情勢関連対策ポータル NEWアイコンがあった。

開くと、農水省につくられたポータルサイトだったが、農水省が独自に作っているのか。ちなみに、ほか経産省、厚労省、国交省、環境省のポータルサイトもあるらしい。あれ、外務省は?

Photo_20260406122101

まあ、いい。実は今回のイラン危機に関して私は、石油以上に食料危機を心配している。石油が入ってこないと聞けば、エネルギー(発電や輸送燃料など)ばかりに目が向くし、ほかはプラスチック製品が作れない……と騒がれているが、それよりも私の関心は肥料だ。

窒素肥料は石油から抽出した硫黄で作る硫酸を使う。硫酸アンモニウムいわゆる硫安だ。リン酸も尿素もカリも肥料はほとんと輸入だ。原料には石油系が多く、ペルシャ湾岸の石油施設が破壊されたら(すでに一部破壊された)、肥料生産が止まる。

農水大臣は、「農家は今年使う肥料をすでに確保しているから大丈夫」とのたまうが、日本の食料の大半は輸入だ。海外、特にアメリカの生産が落ちたら日本に輸出してくれるか? 少なくても価格は跳ね上がるだろう。

1_20260406225401

肥料が足りなければ食料生産量は落ちる。仮に世界全体で1割落ちたら、飢餓が起きる。価格高騰が起きる。食料を輸入に頼る国は多い。パニックになるかもしれない。

 とまあ、そんな心配を抱えて、このHPを見たら……あれれ?

肥料のことは、どこにも触れていない。ブラスチックの農業資材とか漁業資材、温度管理燃料、輸送燃料のことばかり。肥料はどうなるの?

やっぱり、ヤバい。この国は……。

 

2026/04/05

メガソーラー用の森林開発基準

この春、新たな政策、施策として決まったことに何があるかと思うと……メガソーラー建設に関する森林開発基準に変更があったようだ。

メガソーラーの問題点は、ソーラーそのものに問題があるのてみなく、森林を切り開いて設置することだ。もともと脱炭素を目的としていたはずの再生可能エネルギーが、森林破壊を進めるなんて矛盾だらけ。そして、この森林開発(破壊)には許可がいる。

林野庁は2026年度から、メガソーラーなどの建設を目的とした林地開発許可の基準を厳格化することを決めた。森林の保全割合の引き上げや、実際の開発が適切に行われているか確認を強化する。4月1日施行だから、もう始まっているわけだ。

具体的には、40ヘクタール以上を開発する際、森林を維持する割合を現行の25%から60%に引き上げるというもの。
その場合、従来は維持する面積に植林した部分を加えても可能だったが、新基準では「残置森林」にする。つまり元からある森林を残さねばならない。加えてパネルは区域内の一部に集中させず、開発区域内に均等に配置するよう求めるという。

仮に100ヘクタールのメガソーラー建設計画の場合、実際は40ヘクタールしかパネルは置けないわけだ。また森林を伐採して斜面にソーラーパネルを設置されたら雨水は浸透せず、パネル周辺に流れ出る。それは土壌浸食を引き起こすし、流出量が膨大になる。

この基準をゴルフ場と比べると、どうか。ゴルフ場は、残置森林率が40~60%で、造成森林もあるから、実質3割しか開発できない。まあ、その開発地もほぼ芝生を張るので、完全に緑がないのは1割以下だが。ソーラーパネルが4割も張れるのは、まだまだ甘い。
ただ分散させるよう求めるのは、いいアイデアだと思う。建設が大変になるから嫌がるはずだ。

ほかに都道府県知事は、開発を許可する際に関係市町村長の意見を聞くことや、事業者が許可をえたにも関わらず、長期間着手していないケースでは、都道府県知事が事業者に開発の廃止届を提出させる……などの項目も加わった。

すでに適地はソーラーパネルに埋めつくされた感のある現在からすると、遅きに失した気がするが、一歩前進ではあるだろう。本当は、ゴルフ場並に、森林率7割以上にしてほしかった。加えて許可を出した土地にも適用するよう遡及してもらいたい。

私が関わっている生駒山の一角、平群町のメガソーラー開発。まだ裁判が続いているが、この予定地は、21年にいきなり予定地を伐採されてしまった。全体で約49ヘクタール。ほぼ全部伐って、4分の1くらいを植林する計画ではなかったか。

Photo_20260405115701
伐採直後。衛星写真でも、伐採倒伏木がよく見えるわ。

そして、こちらが現在。上記写真の南側にも伐採地は広がっている。

2026

もはやはげ山にされて5年が経つのだね。伐られてしまったから、伐採を阻止する運動・裁判はできないので、防災面から貯水池の建設などを争点にしているが、私からすれば隔靴掻痒だ。

森林法でも、許可条件違反への罰則や、開発中止命令に従わない事業者を公表できる仕組みはあるが、業者にとってはどこ吹く風なのだろう。伐採してしまったら勝ちなのだ。まず林地開発許可をやり直すようにできないか。一から許可を取り直そうとすれば、いい加減な許可申請の実態が焙り出せるのに。

2026/04/04

偏愛博物館の『木組み博物館』

 BSテレビでは、ときに掘り出し物のような番組を見つける。あまり宣伝もしていないので、新聞の番組表を頼りにタイトルだけで目利きしなければならない。

昨年末に見つけたのがBS-TBSの「偏愛博物館」。個人的な思いから作ってしまった私設ミュージアムを伊集院光が訪ねる番組で、これが傑作ぞろいなのだ。
ただ放映日がまったく落ち着かず、深夜かと思えば夕刻だったり、曜日も間隔もバラバラ。相当必死で探さねばならない。幾度か気づかず見落としたが、幸い再放送も多いので、ほぼ網羅している。

最新回は、4月3日11時からあった「木組み博物館」だった。

20260403-230116

20260403-230559

20260403-230605

そう、伝統的な日本の建築技法である木組みを紹介する博物館なのだ。木継ぎや仕口など釘を使わず木材をつなぐ技法である。

なんでも、木組みの種類は4000種くらいあって、今も更新されているという。過去の伝統だけでなく、現在の大工が発明し続けているそうだ。それらの見本がズラリと並ぶ……いやあ、魅せられます。入館者の3~4割は外国人で、大工が多いというのも納得する。これぞ、クールジャパンの実力だ。
展示だけでなく、実際に体験もできるし、講座も開いているらしい。開館は週三日。

思ったのが、何も古い技術と思わず、現代でも応用が効くのではないか……ということだ。そもそも大口径・長大材が枯渇した現代、接着剤で張り付ける集成材などではなく、木組みを利用すれば小径木や端材の大規模化が図れる。接着剤で固めたエンジニアウッドは、木質の持つ個性や柔軟性を殺してしまう。木組みならば無垢に近い木材の特性が活かせるだろう。

木組みづくりも、大工の個人的腕前に頼るだけでなく、今の時代なら機械化することだって不可能でもあるまい。

場所は東京は早稲田の穴八幡宮の近くだ。いつか行ってみたい。木造建築の過去ではなく、未来を考えるのによさそうだ。

2026/04/03

庭の池異変

庭の池の金魚が激減したことを以前伝えた。

20匹はいたはずなのに、いきなり4~6匹に。しかも餌をあげても怯えて水面に現われない。

しばらく様子を見ていたが、なかなか怯えが消えないので、新たな金魚を入れることにした。数が増えたら元気になるかも?と思ったから。そこでホームセンターで小赤(和金の稚魚)を10匹投入。ただ小さすぎた。体長1センチ以下ばかりだったのだ。彼らはわりと元気なのだが、サバイバル金魚は動かない。池に以前の活発な動きが見えないのは寂しい。

そこで金魚の聖地・大和郡山市の金魚養殖店を訪ねた。大和郡山市は全国一の金魚生産地で、数多くの金魚池が市内に広がるのだ。なかには高級金魚ばかり扱う店(卸も多い)もあるが、私の狙いは素朴な和金だ。水槽ではなく池で飼育するには、鮒に近い和金が一番強い。病気はもちろん、外敵にも強いはず。

そこで金魚池の間の小道を走り、某店に到着。和金と小赤10匹を購入した。赤ばかりではなく、白や黒、斑など見た目もバラエティがあるように選んでもらった。小赤も1~2センチはあって大きめ。しかも安いわ……。

帰宅すると、袋を池に沈めて、水温を同じにしてから放す。結局、池には30匹投入したことになる。全体で34~36匹だ。しかし、入れたばかりで警戒感が強く、水底に潜ってあまり見かけないのが残念。

20-2

お店では、金魚の外敵についても聞いた。たしかに鳥もやっかいなのだが、実はネコやアライグマがかなり凶暴らしい。一晩でプールに入れていた100匹近くを全部すくって食べてしまうこともあるとか。我が家の池は、縁から水面まで30センチくらい深さがあるので、ネコでは手が届かないだろうと思っていたが、用心するべきなんだろう。

そこで外敵対策をしっかりする。池の上にテグス糸を張りめぐらせ、光り物(不要CDを使用)も周辺に置く。そしてネコが池に近づけないよう周辺に百均で購入したネコ除けイガイガマットも配置した。アライグマにも対応するはずだ。これで、どうだ!

効果は、今後見ていかないといけないが、金魚の警戒感はまだ解けない。それでも、餌をばらまくと、時間差で水面に出てくるようになった。

金魚は眺めて楽しむものだが、よく見えると外敵に狙われる。……それにしても、生駒山の野生動物(ノラネコを含む)について警戒しなくてはいけなくなるなんて、『獣害列島』だなあ。

2026/04/02

紙か髪か、石油か木材か

トランプがイラン相手に馬鹿なこと……を通り越して下劣、暗愚なことを始めたおかげでホルムズ海峡が封鎖され、石油価格が高騰している。それに右往左往する世界。

そんなときに頭に浮かんだのが、小松左京の『紙か髪か』という短編小説である。

ある日、いきなり紙が世界から消えるのだ。書類はもちろん、電車の切符も紙幣も、みんな消える。いやテレビの音声が出なくなったと思えば、マイクは紙質だった。そのほか、意外な品、部品が紙製であり、世界中は大パニックになる。

1960年代の作品だ。つまり、まだ30代の頃だろう。

Sfmagazine1963january6 執筆当時の小松左京

石油が高騰すれば、ガソリン代が上がる。灯油も軽油も上がるだろう。そして、プラスチック製品も作れなくなる……ここまでは誰でも想像したはずだ。が、農業資材や肥料が高騰して農業が行き詰まる、医薬品、医療用、例えば手袋もなくなる、接着剤だって品不足。輸送費の値上がりは全商品に波及し、食品や建設資材も爆上がりする。銭湯が休業する。意外な品がプラスチック製で、石油に依存していた。

そして木材も。新たなウッドショックを心配する声も高まっている。

前回のコロナ禍におけるウッドショックは生産が滞り需給バランスが狂ったためだったが、今度は伐採・搬出などの燃料費が高まるし、製材も困る。輸入木材の輸送費も上がるだろう。いや、欧州材の海上輸送ルートはスエズ運河を通るはずで、不安定化が進めば、輸入できなくなる。今や欧州材抜きでは、日本の建築現場は立ち行かなくなるだろう。

そして接着剤がなくなれば合板、ボードだって作れなくなる。CLTだって。もともと建築費は高騰していたが、いよいよ暴騰するだろう。

Photo_20260402095901

林野庁は、例によって「国産材シフトを」と言っているが、コロナ禍ウッドショック明けのことを思い出してほしい。

値上がりした分の利益は、木材市場や建築資材メーカー、つまり流通の川中や川下がごっそり取ってしまい、川上の山元に還元されなかったと林業団体が指摘している。それでも増産するか?

その後、木材価格は下落し、需要はあっさり外材にもどったから、木材を増産した頃には買手がつかず、安値で買いたたかれる……という目にあっている。業界が国産材シフトを潰したのである。

本当は、石油を高値のまま放置した方が、脱炭素、脱プラスチックを進めるチャンスかもしれないのだけどね。

ちなみに『紙か髪か』で紙が消えた理由は、火星からもたらされたウイルスが変異して紙を食べたからだった。

そこで、紙製品にある種の薬品を添付することで紙を守ることに成功。ところが、その薬品によって、ウイルスはまた変異して、次は髪を食べだした……というオチであった。全人類は、禿げ頭になるのである。

さて、今回の石油ショックと、それに連なる様々な商品供給不安(もちろん木材を含む)は、事態終了後に何をもたらすだろうか。木造壊滅、土壁復活…とか。

禿げ頭くらいならいいかもね。

2026/04/01

著作30冊目『クレーン船解体新書』

もうすぐ新刊が出版される。

4月7日発売の『クレーン船解体新書 出水 伯明/写真 田中 淳夫/取材・文 イラスト/いとう良一
(リンク先に目次あり。)

Photo_20260329115301

おそらく驚く人も多いだろう。なんで森林ジャーナリストがクレーン船(起重機船)の本を?

心配ない。私も驚いている(笑)。だから著者紹介では「森林ジャーナリスト」を外した。

あからさまにいうと、この本の当初の企画は、写真集だった。そこに添えるクレーン船のルポを頼まれて、それなら船にも重機にも無知な人間が目にして感じたことを記すのも面白いだろう、という気持ちで引き受けたのだ。
が、企画が進むに連れて、クレーン船の構造や仕事内容などの解説文も書くことになり……。活字部分が全体の半分近くを占める。あとイラストも多数。
必死で重機、船の構造や動滑車の理論、海洋土木……それにクレーン船の歴史とかサルベージ事例なども調べて、やっとこ書いたのであります。イラストは勉強になった。私も理解していない点を説明してくれている\(^o^)/。

なお読者対象は、中学生を基準としたが、なかには重機オタクの小学生もいるだろうし、逆に船舶や海洋土木業界について興味を持つ大学生や社会人にも向いていると思う。

しかし、世の中には重機好きがわりと多いのだね。クレーン船を巨大なウルトラ重機として見れば、憧れる人もいるわけだ。だから、本書もそうした人に読んでほしい。写真も楽しんでほしい。

思えば、林業関係者の中にも「実は森林とか動植物に興味なくて、重機を扱うのが好き」という人が一定程度いると私は感じている。ときには元暴走族が族卒業後に選ぶ職場にもなっている(笑)。バイクとか改造車を扱う延長のガテン系職場なのだろう。

そして、ふと気になって、私の著作の冊数を数えると、この本が30冊目に当たっていた。

そうか30冊も本を書いたのか……。もちろん、その中に共作も何冊かあり、この本もそのうちの1冊だ。共作でも記事1本だけ……といったケースや文庫化、別名で書いたもの、監訳本などは冊数に含めていない。改訂本も、改訂具合が千差万別で、どのレベルから含めるか悩む。

とりあえず、今回の本を30冊目としておく。

あ、今日は4月1日、エイプリルフールであった。さて…?(笑)

« 2026年3月 | トップページ | 2026年5月 »

May 2026
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

森と筆者の関連リンク先

  • Yahoo!ニュース エキスパート
    Yahoo!ニュースに執筆した記事一覧。テーマは森林、林業、野生動物……自然科学に第一次産業など。速報性や時事性より、長く読まれることを期待している。
  • Wedge ONLINE執筆記事
    WedgeおよびWedge on lineに執筆した記事一覧。扱うテーマはYahoo!ニュースより幅広く、森林、林業、野生動物、地域おこし……なんだ、変わらんか。
  • 林業ニュース
    日々、森林・林業関係のニュースがずらり。
  • 森林ジャーナリストの裏ブログ
    本ブログの前身。裏ブログとして、どーでもよい話題が満載(^o^)
  • 森林ジャーナリストの仕事館
    田中淳夫の公式ホームページ。著作紹介のほか、エッセイ、日記、幻の記事、著作も掲載。