メガソーラー用の森林開発基準
この春、新たな政策、施策として決まったことに何があるかと思うと……メガソーラー建設に関する森林開発基準に変更があったようだ。
メガソーラーの問題点は、ソーラーそのものに問題があるのてみなく、森林を切り開いて設置することだ。もともと脱炭素を目的としていたはずの再生可能エネルギーが、森林破壊を進めるなんて矛盾だらけ。そして、この森林開発(破壊)には許可がいる。
林野庁は2026年度から、メガソーラーなどの建設を目的とした林地開発許可の基準を厳格化することを決めた。森林の保全割合の引き上げや、実際の開発が適切に行われているか確認を強化する。4月1日施行だから、もう始まっているわけだ。
具体的には、40ヘクタール以上を開発する際、森林を維持する割合を現行の25%から60%に引き上げるというもの。
その場合、従来は維持する面積に植林した部分を加えても可能だったが、新基準では「残置森林」にする。つまり元からある森林を残さねばならない。加えてパネルは区域内の一部に集中させず、開発区域内に均等に配置するよう求めるという。
仮に100ヘクタールのメガソーラー建設計画の場合、実際は40ヘクタールしかパネルは置けないわけだ。また森林を伐採して斜面にソーラーパネルを設置されたら雨水は浸透せず、パネル周辺に流れ出る。それは土壌浸食を引き起こすし、流出量が膨大になる。
この基準をゴルフ場と比べると、どうか。ゴルフ場は、残置森林率が40~60%で、造成森林もあるから、実質3割しか開発できない。まあ、その開発地もほぼ芝生を張るので、完全に緑がないのは1割以下だが。ソーラーパネルが4割も張れるのは、まだまだ甘い。
ただ分散させるよう求めるのは、いいアイデアだと思う。建設が大変になるから嫌がるはずだ。
ほかに都道府県知事は、開発を許可する際に関係市町村長の意見を聞くことや、事業者が許可をえたにも関わらず、長期間着手していないケースでは、都道府県知事が事業者に開発の廃止届を提出させる……などの項目も加わった。
すでに適地はソーラーパネルに埋めつくされた感のある現在からすると、遅きに失した気がするが、一歩前進ではあるだろう。本当は、ゴルフ場並に、森林率7割以上にしてほしかった。加えて許可を出した土地にも適用するよう遡及してもらいたい。
私が関わっている生駒山の一角、平群町のメガソーラー開発。まだ裁判が続いているが、この予定地は、21年にいきなり予定地を伐採されてしまった。全体で約49ヘクタール。ほぼ全部伐って、4分の1くらいを植林する計画ではなかったか。
そして、こちらが現在。上記写真の南側にも伐採地は広がっている。
もはやはげ山にされて5年が経つのだね。伐られてしまったから、伐採を阻止する運動・裁判はできないので、防災面から貯水池の建設などを争点にしているが、私からすれば隔靴掻痒だ。
森林法でも、許可条件違反への罰則や、開発中止命令に従わない事業者を公表できる仕組みはあるが、業者にとってはどこ吹く風なのだろう。伐採してしまったら勝ちなのだ。まず林地開発許可をやり直すようにできないか。一から許可を取り直そうとすれば、いい加減な許可申請の実態が焙り出せるのに。
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