大成建設の森コンシェルジュと「T-GROVEUP」
ゼネコン、大成建設が「森コンシェルジュ」と「T-GROVEUP」というのを公表している。
森コンシェルジュというのは「環境に適した植物選定」ということを目的として、地域に適した植物による緑地を草地から低木林、陽樹林、極相林まで幅広い種類の緑地を創出する手ほどきをするらしい。
タブレット端末を用いて植生遷移の過程を押さえて、草地~低木林~陽樹林~極相林まで、地域に適した様々なタイプの緑地を計画する緑地計画の検討ができるという。
そのため植生遷移を踏まえた在来種に関する当社独自のデータベースを作っている。
そして次に打ち出したのが、「T-GROVEUP」。良質で安定した森林を短期間かつ低コストで創出する計画手法……と書かれていますなあ。
自然の森を早期に形成する技術「T-GROVEUP」を開発 緑化を低コスト・短期間で実現し、ネイチャーポジティブに貢献
成長の早い「先駆種」と成長の遅い「遷移後期の種」の苗を混ぜて植えることで、先駆種が周辺の環境を整えながら遷移後期の種の育成を助け、自然本来の過程で生物多様性に富んだ森林を短期間で形成する。
この手法は、先駆種が早期に成長し、景観性の高い森林を形成した後に、日陰がつくられて土壌環境も整うことで、日陰を好む遷移後期の種が安定的に生育する。先駆種は、遷移後期の種に樹高を抜かれると光の供給が減り、寿命を迎える。
福島県田村市の「大成建設グループ次世代技術実証センター」で、約5haの半自然草原、約2haの森林を作っているそうだ。
先駆種には、エゴノキやアカメガシワなど、遷移後期の種としてシラカシやミズナラなどを選ぶとある。0.6mの苗木から4mに到達するまでの期間は、従来技術で平均5年3カ月だったが、同手法を活用すると平均3年4カ月になる。4年間で4mまで育てるのに必要な初期樹高は、従来の1.2mに対して0.6mであり、施工価格が約40%削減できる……とある。
こうした考え方は、昔からあるが、体系化したのかな。まあ、手法としては、サイトを読んでほしいと思うが、針広混交林づくりにもなる。だいたい同じことを唱えたのが明治神宮の森をつくった本多静六で、その先祖返りでもある。
ただ、こうした手法をつくって公表しているのがゼネコンであるということだ。従来の森林専門家とされている林業系コンサルとか林業家、あるいは造園業者ではない。ゼネコンが意識しているのは都市の緑地が多いのかもしれないが、荒廃山野の再生や放棄林業地には応用されないのだろうか。
そういや東京駅近くの「大手町の森」も大成建設だったなあ、と思い出す。
一等地にこんな森を作れるのもゼネコンゆえではあるが、本来は森林事業者(林業、造園系)が取り組まないといけないテーマではなかったか。
« 庭で起きる豊作と不作 | トップページ | キハダとバイク。異変の仕業は »
「森林学・モノローグ」カテゴリの記事
- パイオニア松!(2026.06.11)
- 高さと太さ。台湾杉はどっち(2026.06.10)
- “快適な森”は、木が少ない?(2026.06.08)
- 『箱の中の羊』の「木と人」(2026.06.06)
- 台湾檜と台湾杉を見るツアー(2026.06.02)































コメント