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森と林業と動物の本

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2026年6月

2026/06/30

樹木に人権を!ノンヒューマンツリー

カナダの小さな田舎町の議会が「樹木にも生きる権利を」という決議をしたそうだ。

カナダで樹木を「権利を持つ生物」として認める決議を採択

なんのこっちゃ、と思うかもしれないが、環境思想の流れとして、私は重要な一歩だと思っている。

モントリオール西方に位置する人口約2000人の自治体、テラス=ヴォードライユ町議会は、2026年6月9日、木を「権利を持つ生物」として認める決議を全会一致で採択した。

これにより、町は木を単なる景観や資源ではなく、保護されるべき生物として位置づけ、生きる権利や自然に成長する権利などを認めたという。

この決議によると、樹木には「再生する権利」「自然に成長する権利」「健全性を保つ権利」、そして「生きる権利」を有するとされている。町は「木の権利に関する世界宣言」にも賛同し、木々をより手厚く保護するため、今後は既存の条例や規則の見直しを進めるとしている

町は既存の規則や条例を見直し、木が適切に保護されるようにするとともに、やむを得ず伐採しなければならない場合には、確実に代わりの木の植樹が行われるようにしていくという。

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そもそも「木の権利に関する世界宣言」とは何か。AIに聞く。

「木の権利に関する世界宣言(Universal Declaration of the Rights of the Tree)」は、木を単なる資源ではなく「生命体」や「法的主体」として保護することを目指す国際的な市民運動・宣言す。2019年にフランスで草案が作成され、環境保護団体や法学者らを中心に推進されています。

現在までに世界中で8万7000人以上の署名が集まっており、法制化に向けた動きも起きています。

私は、街路樹の問題にコメントを求められることが度々あるが、その際に言っているのは、街路樹は樹木という生き物であり、それが健全に育つ環境を与えなくては街路樹をつくる価値がない、ということだ。これは公園木なども含むが、人は緑がほしいと市街地に無理に木を植えるものの、真っ当な植物が生育する環境を与えていない。あげくに枯れて倒れるなどの騒動が起きる。一方で、街路樹や市街地の緑地を伐採しようとすると反対運動が起きる。身勝手すぎないか、と思っている。

まあ、いくら主張しても反応は弱いのだが…。

その前には「ノンヒューマンパーソンズ」という概念を紹介した。動物に法的に人格に近い権利を認めるものだ。すでにインド政府など幾つもの国家や自治体が認めている。まず『獣害列島』などに記し、Yahoo!ニュースノンヒューマン・パーソンズ~動物に“人格”が認められる時代がやってきた)でも取り上げた。やはり反応は鈍い。(ついでにAIにも聞いた。すると上記拙文を引用していた…。)

これの植物版と思えばよい。ノンヒューマンツリーだ。

なお、法的人格と言っても、その対象には家畜や実験動物が入り人間が利用すること、そして野生動物だって狩猟対象にすることは認めている。何も極端な動物愛護、植物愛護とは違う。人が肉を欲して食べることもあるし、木材や緑を求めて栽培するにしても、それなりの植物が生きる環境を整えるべきという思想だ。

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日本人を「自然と共生してきた国民」と臆面もなく発言する人は、その精神を現代社会に示しているだろうか。

 

2026/06/29

Wedge ONLINEに「…クマはいつから増えたのか?」を書いた裏事情

Wedge ONLINEに「市街地にも現れるようになったクマはいつから増えたのか?増加は必然とも言える現実」を執筆しました。

これはYahoo!ニュースにも転載されている。こちらは
「市街地にも現れるようになったクマはいつから増えたのか?増加は必然とも言える現実」

例によって「クマのことを書きませんか~」という打診がありまして(^^;)、もうネタ切れだけどと思いつつ、自分がクマを意識した昔のことを思い出してみると、意外や古い。
学生時代は野生動物なら何でも的な興味だったが、教えを得ていた研究者の手伝いで「クマの冬眠穴調査」をしたことを思い出した。そしてフリーになってからは、わりとクマの記事を書いている。なかには「九州にクマは生き残っているか」と、目撃談を追って宮崎まで訪れていた。そして読者の反応もあった。

クマは増えている、と感じたのは結構昔なのだ。2007年に出版した『森林からのニッポン再生』にも記していた。

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執筆時に資料を集めているから、2000年代前半には、日本の野生動物の異変を感じ取っていたことになる。すっかり忘れていた(^^;)。

というわけで、原点にもどって「クマが増えたのはいつからか」を考えてみたのであった。

 

 

2026/06/28

『台湾山岳大横断』で思い起こす龍次郎の探検

昨夜、NHKBSで『台湾 山岳大横断』という番組があった。

台湾 山岳大横断 〜最難関“天空ルート”を行く〜

登山家・田中陽希が台湾の台東の東海岸から3000m級の山岳地帯を縦走し、台南の西海岸まで行くドキュメンタリーである。以前より気に留めていて録画のセットもしていた。なおNHKONEでも見られる。

台湾の山岳地帯の様子がよくわかった。ただ、この撮影隊はどうしたのだろう、とふと疑問。彼と一緒に全コースを踏破したのか。それならカメラ機材を担いでの登山となり、田中クン(なれなれしい)よりすごいぞ。途中、幾度もドローンを飛ばしているし。途中の山小屋などで撮影隊の入れ代わりはしたのだろうか。

私の目的のもう一つは、土倉龍次郎の台湾縦断を想像するチャンスだと思ったからである。龍次郎は台北から台南へ、山岳地帯を90日かけて縦断している。それも1896年だ。残念ながら記録がないので具体的な様子はわからないのだが、その片鱗を今回の旅で感じ取れないか、と思ったのだ。記録としては、今回の横断よりもすごい。
龍次郎は、先住民をガイドに行ったので、必ずしも山の頂を究めるようなルートはとっていないが、縦断とは別に台湾最高峰の玉山を初登頂したとされるだけに、その山の様子は気になる。

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玉山山頂から見た雲海。

また田中クン(なれなれしいってば)は、途中、巨大な切り株を見ている。

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ナレーションで「
戦後の台湾経済を支えた」とあるから、タイワンヒノキだろうか。蒋介石時代だろう。日本でも台湾でも、タイワンヒノキを伐り尽くしたのは日本時代と思われているが、実際は戦後の方が伐採量は多い。

一つ気になったのは、こんな大草原に出くわしていること。

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なぜ、ここに草が生えないのかわからないとあるが、台湾の山は意外とはげ山が多い。一応、原住民が伐ってしまったと説明されているが、それ以上に木が生えない地質のところもあるのかもしれない。

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台湾縦断中と思われる龍次郎探検隊
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阿里山の一角らしいはげ山

なお、田中クン(しつこく、なれなれしい)は台湾の山岳地帯を一人で肉体で横断するというフィジカルな冒険だ。たしかにきついが、一応はトレイルも整備されていて、キャンプ場や宿もある。

その点、龍次郎は地図もないまま、先住民の案内を乞うて、彼らの道を進んだ。隊員は6人くらいいて、クーリーも雇った。こちらは未知の地を進む探検だ。危険度は、道行ではなく、先住民にいつ襲われて首を狩られる恐れの方が大きかった。

この点を私は証言を集めて、執筆した「(仮)龍次郎伝」にこのように描いた。

「今日は殺されるんではないかと思った日もあったそうだよ。ある村では男たちが『殺せ、殺せ』と言っていたらしい。ただその日、目が痛いという女に持っていた目薬をさしてやったら、よくなったという。その女が止めてくれた。さすがに、あの時だけは覚悟した、と父様が言われていた」
「(木の)枝が折れててまだ間がない所を通った時、生蕃が今通ったに違いない、逃げた方がいいと急いで走って下ったら、すぐ後で鉄砲の音がした」
 村と村の間を移動する時も警戒は解けない。ピリピリした雰囲気が伝わってくる。
 また崖下を歩くときは、鉄砲で撃たれたら逃げ場がないから、案内に立った酋長とその息子が龍次郎を挟んで歩いたという。原住民の案内人にとっても仲の良くない部族の領域を歩くときは命懸けだったのだ。それでも龍次郎を守る姿勢を示してくれた。龍次郎が十分な意思疎通を重ねたおかげだろう。
「ある時なんか、軒下に取ってきたばかりの首が吊るしてあって、血が垂れていた。さすが、気持ちが悪かったと言ってらしたよ」
 龍次郎が残した写真の中には、原住民の村を訪ねた際に撮ったと思われる、頭蓋骨が並べられた棚が写っているものもある。

これは奥さんのりゑが聞いた話を後に語った記録を元にしている。

この原稿、なんとか日の目を見せるつもりである。

 

2026/06/27

自家製?雨量計の数値は

庭に、4リットルのペットボトルを置きっぱなしであることに気づいた。

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普段はバケツ代わり、ヒシャク代わりに使っているのだが、ここに見事に昨日からの雨が溜まった。正確には一昨日の夜から降り始めたから、24時間を超えているはずだが、溜まった水深は、20センチを超えている。

これを雨量計のつもりで読めば、200ミリ以上の雨が降ったことになる。さすがは全国ニュースで水害が報道された生駒市(笑)。災害レベルだったことがことがわかる。

幸い、我が家の庭の水はあっと言う間に抜けて地面に水はたまっていないが、金魚池の水面が随分上がった。これで金魚は新たな水を得たことになるし、藻の過剰繁殖も抑えられるだろう。来週はまた雨が降るそうだし、水やりは当面いらない。

ちなみに私は、庭に面したところにつくったデッキ(日除けシェードがあるので雨に濡れない)に腰掛けて、雨を見つつぼぉ~とするのが好きだ。アジサイが満開である。

2026/06/26

豪雨の中のメガソーラー建設地

今日は早朝にスマホのエリアメールが警戒警報を鳴らしっぱなし。豪雨による浸水や土砂崩れが予想されるからだと。

テレビを付けると、なんと全国放送のニュースに生駒市が映っていた。すでに床下・床上浸水した地域があるらしい。そして冠水した道路の画像。当然、土砂崩れも起きているらしい。

なんかエラいことになっているではないか。我が家は、幸か不幸か、高台というか山の中腹なので浸水の心配はない。もっとも庭は水が溜まっていたが、排水のよい土なのであまり心配はない。また山裾に面している家ならともかく、我が家は少し離れているので、土砂崩れも心配しなくてよい。生駒自体に高低差のある地形なので、地域によって事情は違ってくる。いつもは登るのが大変とぶうぶう言っているが、こういう時はラッキー!なのである。

たしかに昨日から夜中まで豪雨続きだった。風はないからW台風のせいではなく前線が活発化したのだろう。ニュースでは、連続雨量137ミリ。生駒山としても統計を取り始めて最高値になったらしい。

そこで気になるのは、同じ生駒山系にある平群メガソーラー建設地である。高裁の判決でも触れられたが、調整池は10時間雨量で147ミリまで耐えられる計画だ。とりあえず今は耐えているはずだが、まだ調整池は完成していない。その状態で計画雨量に極めて近い137ミリ降ったら、どうなるか。それに今般から明日にかけて、さらに強く降る予報が出ている。今度は台風の雨。

そこで視察に行ってきた\(^o^)/。

途中、ニュースでは水没した道を通ったが、すでに水は引いている。

そして現地に着く。幸い、土砂流出はしていない。ただスコップを持つ作業員がうろついていたから、騒ぎになる前に片づけたのかもしれない。
そして肝心のメガソーラーのために盛り土したところはどうなっているか。

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全体としては無事だが、一部亀裂が見られる。

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ごっそり削れてガリをつくっているところもあった。

中に入って観察したいところだが、今はマズいな。

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盛り土の一部に、ソーラーパネルを乗せる架台の建設が行われていた。部分的にパネルも載っているかな。ここまで建設は進んでいるのだ。果たして県は上告するかどうか。知事は弁護士だから最高裁で勝てる確率を考えているだろうが、最高裁が差し戻したら、また地裁からやり直しだろうか。何年もかかれば、その間に完成するだろう。いっそ、この豪雨で山が崩れたら中止の決定打になるのに……と悪魔のささやき。

 

2026/06/25

イノシシの先祖はブタ?

なんとも奇妙な、いや意外すぎる発想の研究だ。

イノシシの先祖はブタだった?下顎骨の出土遺跡から解明 現代日本の野生イノシシは、弥生時代のブタの遺伝子を受け継いだ

名古屋大学の 新美倫子准教授の研究発表。ただしタイトルに引っ張られると間違う。正確には、「日本のイノシシ」には「中国産のブタ」の遺伝子が混じっている、ぐらいだろう。

Photo_20260625162901サイトより

ブタは、イノシシを飼い馴らして家畜化した動物だ。その結果、遺伝子だけでなく形態にも多少の違いでできていて骨にも証拠がある。一方で日本のイノシシの化石にブタの痕跡が混じっていたので調べてみたら……ということだと思う。

しかし弥生時代に中国からブタを移入していたというのも面白い。日本産のイノシシをブタ化したのではなく、中国で先にブタ化した個体を持ち帰った日本人がいたわけだ。当時の中国なら魏かもしれないが、そこに派遣された使者が帰国する際にブタをお土産にした? 卑弥呼の時代かもしれん。魏志倭人伝に記しておいてほしかった。そして、そのブタが逃げ出して、野生のイノシシと交雑した……。

もっとも、その後の日本でイノシシを獲物とする過程で、また家畜化を進めた可能性もある。
江戸時代には長崎出島に西洋のブタも持ち込まれた。明治以降は大々的にブタを輸入している。それらも逃げ出してイノシシと交雑した可能性もあって、イノブタと呼んでいるが。

実は生駒山に増えたイノシシも、イノブタ説があるのだが、真偽はわからない。見た目はイノシシそのものである。

私は、家畜の成立に興味を持っている。野生動物がいかにして人間のために変異してきたのか……という視点だ。家畜になる動物、家畜に仕立てる過程と条件、などを考えている。ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ……そしてイヌ、ネコ。
中でもブタは、もっとも古くから成功した家畜なんだが、それが野生と家畜の間を行き来していたというのは実に面白い。

ちなみに、私はイノシシ年だよ。

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2026/06/24

庭の一角に生えてきた1本の茎。

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わかるだろうか。フキの前、植木鉢の隣だ。これって……ヒマワリだろう。

もちろん植えていない。ヒマワリそのものは何年か前にプランターで育てたことがあるのだが……。

とくに種まきをした記憶もないのに、今年になって、なぜかこの位置に種子が落ちて伸びだしたようだ。場所的には、あまりよろしくないのだが、雑草と一緒に引き抜くのももったいないような気がして、そのまま花が咲くまで見守ることにした。

このヒマワリは園芸用に品種改良されていると思うが、プランターで咲かせた際に種子が育って、それがこの位置に落ちたのだろうか。しかも昨年は咲かずに今年になって?

まあ、深く考えない。雑草まみれの庭をいとおしんでいるが、こうして新たな種が庭に根付くのかもしれない。

2026/06/23

Y!ニュース「メガソーラーを止めた…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「メガソーラーを止めた専門知識と、本質見ない行政の許認可」を執筆しました。

平群町メガソーラー裁判で、あんな逆転勝訴の現場に居合わせることは貴重だと思ったのだか、ニュースは、すぐに全国に広がっていた。裁判始まる前に来ていたテレビ局は1社だけだったのに、記者会見場には全社揃っていたほどだ。もちろん新聞社も来ていた。

そして会見中にも放送や配信がされたらしい。私のTwitterの速報さえ、ものすごい勢いでシェアというかリポストされていく。当日だけでなく、翌日から次々と記事が出て、ネットも賑わっている。私と一緒に傍聴していた記者がすぐに記事にしているのだ。

のんびり、どんな記事にしようかなあ~と考えていた私は負けた……そんなわけで、裁判結果を記事にするのはやめた(⌒ー⌒)。

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ちょうど開かれていた奈良県議会を見たが、私の見ている範囲内ではメガソーラー訴訟に関する質問は出ず、知事も応えていない。

一次情報ではなく、何を論じるべきか。そこで思いついたのは、この手の裁判、許認可に必須の理系的知識の資料がいかに読みにくいか、素人には理解しにくいか、である。それが住民訴訟の壁になっているとも言える。同時に行政の許認可担当者は、本当に理解しているの? という疑問にもつながる。内容を十分に理解していたら、裁判以前にまず役人が住民に説明しろよ……と思ったのである。

森林や林業施策も同じだ。専門知識を持ったフォレスターもいないのに、よく政策を遂行しているな。。。

世の中、複雑になるばかりだ。個人の知識には限界がある。いっそ、AIに任せた方が、忖度もなくてデータだけを読み込んで可否を判断してくれるんじゃないかなあ。

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メガソーラー工事現場。雨が触れると崩れるよねえ。

2026/06/22

100年前の台湾の森林がわかる!

こんな台湾ニュース。

100年前の台湾の森林の全貌伝える『林野図集』と『林野調書』を完全復刻

100年前の台湾と言えば、ちょうど昨年が昭和100年だったのだから、まさに昭和初期。いや、森林のデータを集める時間を考えれば大正時代かもしれないが、そんな本が出版されたらしい。日本統治時代の1925年から1935年にかけて、台湾総督府は森林管理の枠組みとなる「森林計画事業」を実施し、台湾において全面的な森林調査を展開した、とある。これを完全復刻して『日治時期森林計画事業区分調査史料』として『林野図集』1巻と『林野調書』全3巻のセットになっている。

Photo_20260622120101サイトより借用

『林野図集』は山林の区域を精緻に区分した地図で、その後の土地利用や空間開発、生態環境の形成に深い影響を及ぼした。『林野調書』は詳細な生態観察ノートともいえる記録であり、100年前の森林の姿や樹種の分布、環境管理の構想を余すところなく伝えている。

しかし『日治時期森林計画事業区分調査史料』の重量は合計25キロ、販売価格は7万元(約35万円)。。。気軽には手が出ない(笑)。
もっとも手に入っても中国語なんだろうな。電子版になったら翻訳しやすいかもしれないが。

もともとの資料は、日本領時代に編纂されたのだから、日本語ではないか。そちらなら読みやすいかもしれない。いや、戦前の日本語もかなり読みにくいぞ(> <;)。

いずれにしろ、台湾檜などの分布や資源量などがわかるかもしれない。興味あるなあ。でも、なあ。

2026/06/21

ナラシカトレインに隠れシカ発見!

随時紹介している近鉄電車「ナラシカトレイン」。

車両のラッピングが奈良の鹿オンパレードで楽しい。これに乗れたら幸運と言われるが、地元民としてはたまに乗れる。

ナラシカトレインの床

先日も、ナラシカトレインの床に注目したばかりだが、新たなシカを車両に発見した。

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わかるだろうか。扉にシカがいるのは従来通りなのだが……。。。

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よく見てほしい。このすき間にもシカのシルエットが描かれているではないか。指詰め注意として。

これは以前はなかったのではないかなあ。日々進化しているナラシカトレインであった。

2026/06/20

道路に不法耕作?

たまにワイドショーで、「河川敷に勝手に耕作された畑があります!」なんてことやっているが、こんなものを見つけてしまった。

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阪奈道路という大阪と奈良を結ぶ自動車道の一角に畑があった。。。以前より花を植えているのは見かけていたが、とうとう農作物を植え始めたようだ。作物は何か豆類のようなもの。

ここは分岐になっていてゴルフ場に向かう道につながるとともに自然歩道もつくられているのだが、果たして誰の土地なのか。現在道路を管轄する奈良県なのか公団なのか。それとも阪奈道路から微妙に外れて民間の土地で地主がいるのか。

でも、勝手に耕作していいのかなあ。河川敷のように洪水時に問題になることはないだろうが、仮に実った農作物をパクったら窃盗になるのかね。

土地の名義はともかく、この手の山林や放棄農地・雑地は、ある種の公共扱いになっている現実があるから「誰のものでもない」と認識されがちだ。日本人の土地の感覚は、やたら厳密かと思いきや、わりと曖昧に済ませている場合も多い。

2026/06/19

メガソーラー裁判、その前に

昨日は、速報で平群町メガソーラー裁判の控訴審判決を聞きに行った。法廷は小さく満員だったのだが、幸い原告団の優先席に入れていただいたので真正面で見聞することができた。感謝。

驚いたのは、被告席に誰も来なかったこと。県の職員も弁護士もいない。原告関連ばかりが法廷を埋めつくす。

そして判決は、あっさり「主文。……林地開発許可を取り消す。」

一瞬、頭がこんがらかった。理性は取り消すのだから勝訴? だけど司法用語はややこしい。何か別の解釈があるのか。実際原告席も黙って動かない。が、その後判決文が読み上げられ、はっきりと奈良県の出した許可を取り消すと繰り返されたので、どわ~と法廷に流れる勝訴の感覚。声を上げないように、と言われつつも、盛り上がったのである。

その後、弁護士会館で記者会見と判決文の解説が行われたのだが、正直、弁護士も十分に読めていない(笑)。

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左4人が弁護士

メガソーラーの開発許可を取り消す判決は、全国で初だと思われる。とくに高裁判決だから重い。

この反対運動、もともとは生駒山の自然・森林を破壊するな、という目的があったのだが、まだ運動体が立ち上がる前に工事をはじめて48ヘクタールの森林を皆伐したという経緯がある。そこではげ山状態の山の防災に論点を切り換えざるを得なくなった。ただ「自然を守れ」というよりは豪雨で山崩れを発生したら下流で大災害になる、と言った方か世間には通じやすかった面もあったと感じる。

もちろん、今後県が上告する可能性もあるし、今回の裁判とは別に業者への差し止め訴訟もあるので、まさか違った判決が出る可能性は……という心配もある。そして、仮に業者も諦めたとして、本当に現状回復するのか怪しい。なんたって、主体となる共栄ソーラーという会社は、資本金10万円で社員ゼロ。全部出向社員なのである。倒産させて逃げる可能性は少なくない。そもそも現地は、かなり乱暴な施工をしており、また面積もインチキだった可能性が指摘されている。もっと広かったようなのだ。

つまり裁判に勝っても、防災面では何も解決しない。業者が逃げたら県がやらざるを得ないが、ン十億円かかりそうな工事、おいそれとは進まないだろう。(現在の工事費用だって踏み倒すかもしれない。)

……と難問山積みなのだが、私は、この裁判の前に中之島美術館で開かれていた「高島野十郎展」に行けたから、とりあえず満足\(^o^)/。

いやあ、よかったよ。日本のゴッホみたいな人。東京大学農学部水産学科を首席で卒業したという経歴も驚くが、独学ながら技量の高さもさることながら、光と闇を描く凄まじさ。

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「林辺太陽」と名付けられた作品。

 

2026/06/18

ナショナルコレクション認定制度で選ばれる木

日本植物園協会に「ナショナルコレクション認定制度」というのがあるそうだ。

植物園では、植物の保全活動を行なっているが、2017年から「野生種、栽培種に関わらず、日本で栽培されている文化財、遺伝資源として貴重な植物を守り後世に伝えていく」ことを目的に、植物コレクションを「日本植物園協会ナショナルコレクション」として認定する制度をつくったそうである。基準は、植物学的な分類群、園芸品種、歴史、文化など一定のテーマを持っているもの。

このほど京都府立植物園が開園時に植栽された樹齢100年を超える個体、日本国内への導入史を示す初期導入樹種、開園以前から残る原植生の樹木などがヘリテージツリーズ(歴史遺産樹木)として認定されたというニュースがあった。種数は、36属38種215個体。

京都府立植物園では、先にサクラ品種コレクション(186品種467個体)とか、野生ハスのコレクション(海外での調査等で採集された野生種2種の19 系統121個体)も認定されている。

私は植物園が好きで、見かけたらできるだけ入るようにしているが、こんな制度があったのだね。( ..)φメモ

ちなみに京都府立植物園で好きなのは、やっぱりこれ。

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ジュラシックツリー。オーストラリアで発見されたジュラ紀の生き残り樹木である。現地でも場所は秘密と聞いているが、それが日本の植物園に植えられているとは。

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東京の神代植物園にあったムニンノボタン。小笠原諸島の固有種だが、現地ではほぼ絶滅しかけていた。最後の1株まで減っていたが、それを植物園(東京大学附属植物園)で増やし、再び移植して現地で復活させようとしている。

そういや紀伊半島などでわずかに残存しているトガサワラは絶滅危惧種扱いで保護されているが、この種をたどるとダグラスファーに行き着く。ベイマツとして大量に輸入されているものだ。この2種は、同じトガサワラ属の近縁種。ただアメリカ大陸では繁茂したが、日本では希少な残存種になっていたのだ。

こういうのもヘリテージになるかな。

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2026/06/17

「木質系新素材」って何?

今年の森林・林業白書を見ていると、「木質系新素材」という言葉が出てきた。が、内容がわからない。

これまでエンジニアウッドは多数開発されている。CLTもその一つ。その中にはハイパーCLTなるものも開発されたようだが……。今回示しているものは、ちょっと違うようだ。

調べてみると、こんな資料が。今年3月に出たようだ。
木質系新素材の社会実装 ビジョン
-森林発!次世代のバイオマス化学産業をつくろう-

具体的にはどんなもの?

① 木材の成分を分離して利用する方法
工場残材や、低質材で樹皮を除いた木部を原料とし、その主要成分であるリグニンやセルロースなどを分離し、各成分の特徴を活かした新素材の
開発が進展しており、改質リグニンやCNFなどが該当する。そのほか、セルロース等から化学分解や微生物の代謝を利用して得られる化合物を原料として、バイオマスプラスチック等を合成する技術の開発も進められている。
② 木材の成分を分離せず利用する方法
木質資源 を直接ガス化等することにより基礎化学品原料を製造する技術であり、近年は持続可能な航空燃料(SAF)の製造手法の一つとして商用化に向けた検討が進められている。
③ 樹皮を利用する方法
現在、樹皮の主な用途はボイラー燃料や敷料であるが、需要とのバランスによっては使いきれず廃棄される場合もある。このような中、樹皮から抽出したテルペン類等を原料にプラスチックや医薬品等を製造する技術の開発が進められている。これらの微量成分は、少量ながら付加価値の高い利用が期待できること、樹種や地域によって組成や性能等が異なることから、新たな地域産業を生み出す可能性を秘めている。

このように説明している。

①はリグニンなど木材の構成成分の利用だし、②だって理屈は一緒。いや③も樹皮から取り出す成分利用か。

ようするに木材を木材として利用するのではなく、リグニンやセルロース、さらにそれらを分離と改質した成分の利用らしい。

悪くない。悪くないが……面白くない(笑)。

それらが高く売れるならそれに超したことはない。ガンの特効薬!とか医薬品でもできたら超付加価値がつくだろう。量はたいして捌けないが、これまで低価値で使い道も少なく処分していたものが高く売れたらよい。が、面白くない(笑)。

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これは、この前取材した吉野の木工家・高野大輔氏の作品。杉皮をデザインに活かしている。サイドボードなど大きな作品もあるが、写真のような小物もある。分厚い杉皮のゴツゴツした雰囲気、好き嫌いは出るだろうが、面白い(笑)。これだって木質新素材?

杉皮は、利用価値が低い。桧皮は、社寺仏閣などの屋根材(檜皮葺き)などに必要で足りずに困っているが、杉皮も屋根材に使えるものの、すっかり廃れた。内装も数寄屋造など凝った和室だけだろう。しかし、今風の使い方を考えてほしい。

たとえば店舗のディスプレイなどに向いているように思う。キャンプ場のコテージとか、ツリーハウスなどもどうだろうか。時代劇などの映画では、樹皮だけで森林のセットを組むこともあると聞いたが。

少し改変して表面が崩れないよう塗料で固めてもよいし、杉皮を粉にしても何か使えそうだ。工夫しがいがあるように思う。

なんか、楽しくなる新素材を開発してほしいなあ。

 

2026/06/16

『八重の桜』で浮かぶ敗者の視点

サッカーワールドカップが始まって、テレビを中心にメディアはスポーツ一色だ。これがウザい。

スポーツはよいのだが、なぜ観戦ごときで盛り上がる。なぜ観戦風景を放送する。自分がせずに見てギャアギャア騒ぐのが気持ち悪い。
と毒を吐いた上でTVザッピングするが、どこもスポーツばかり。で、行き着いたのがNHKBSで再放送中の『八重の桜』だった。月曜日午後6時からやっていたよ。

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ああ、何年ぶりだろう。ちょうど「鳥羽伏見の戦い」が始まり幕府軍は敗走……というか裏切り続出で、真面目な会津勢が追い詰められていく。戊辰戦争は、やがて会津戦争となり『八重の桜』の前半クライマックスを迎えるだろう。

これは「敗者の視点」のドラマだ。幕末~明治維新と言えば、薩摩や長州……維新の志士の視点で描くことが多く、いわば勝者の視点になりがちだが、破れた側が追い詰められていく悲しみと憤怒が感じられる。どこで何を間違ったのか歴史を俯瞰してみることも必要だろう。

世の事象、私の場合は森林を、敗者の視点から描けないか。

今考えているのは、木材の敗者だ。時代によって一世風靡したある樹種が、あっと言う間に伐りすぎて底を突き、もはや木材として使えなくなることを人類史では繰り返されている。かつて豊富にあった樹木と木材が、なぜ消えていくのか。

たとえばレバノン杉。台湾檜。ラワン。日本国内でも、古代にコウヤマキ、江戸時代の木曽檜、昭和に入って屋久杉を伐り尽くしてしまった。そして樹種に関係なく巨木が消えていく。何千年と生きた樹木を尊びながら、なぜ伐り尽くすのか。

……というようなことを描けないかと妄想している。

なお『八重の桜』では、後半に八重は新島襄と出会い第2の人生を歩むが、ドラマとしてはパンチ力がなかったな。ただ一瞬だが、土倉庄三郎の名が登場すること知っているかな?

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2026/06/15

今更のウッドショック分析

MIRASUSというサイトに、こんな記事があった。このサイトはSDGsを考えるメディアらしい。

ウッドショックとは?木材価格高騰の原因・住宅への影響と森林問題を解説

いまさら? と思わぬでもない。ここでいうウッドショックとは2020年ごろからアメリカで始まった木材価格の高騰で、翌年世界中、とくに日本に拡散し、22年には終息というか暴落した現象である。4年後に振り返って解析・解説しているなんて面白いじゃないか。過去の材価の変動現象を俯瞰して記録しておく価値はある。

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なぜ起きたのか引き金や、その後の展開、日本の林業構造などを解きあかすのは結構だ。結局、輸入材に頼るな、となるのだが、では国産材はよいのか、と言われると、

ウッドショックは「国産材を使おう」という流れを後押しするきっかけにもなりました。林野庁は国産材の活用推進を掲げ、2021〜2022年にかけて国産スギ・ヒノキの引き合いが増加したとされています。

国産材活用にはいくつかの利点があります。輸送距離が短いため輸送時のCO2排出が少ない、戦後植林された人工林の適切な間伐・利用が生態系の健全化につながる、地域林業・製材業の経済循環を生む——といった点です。

ただし、「国産材なら何でもサステナブル」とは言い切れません。伐採後の植林・再生が適切に行われているか、林道整備で生態系が分断されていないか、収穫量と成長量のバランスが取れているか——といった点を丁寧に確認する必要があります。木材の産地・管理方法・認証取得状況をセットで確認することが、より誠実な消費行動につながります。

としている。ちゃらっと国産材の問題点にも触れているが、「伐採後の植林・再生が適切に行われているか」と問えば、再造林率が3~4割なのだから6割以上が失格である。言い換えると国産材を使ってもSDGsにならないよというべきだろう。さらに違法伐採に関しても、海外の話のように他人事で済まさないでほしい。
結論としてはFSCなど森林認証材を使おう、となるのだが、日本の認証森林面積と認証材の少なさも、なぜなのか踏み込んでほしかった。

ただ記事には「ウッドショックをきっかけに、FSC(森林管理協議会)やPEFC(欧州森林認証プログラム)といった森林認証制度への関心が高まりました。」とある。ホント? むしろ木材を手に入れるためヤバいものにも手を出したのではないか。認証材なんて選ぶ余裕はなかった。また目にできた認証材は、ほぼ外材だろう。

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そんな日に宮崎県のスギ生産量が35年連続日本一の報道がなされた。

農林水産省が令和8年6月12日に発表した「令和7年木材統計」によると、同年の本県のスギ素材(丸太)生産量は、167万立方メートルで、平成3年以降35年連続して日本一となりました。なお、本県の全体の素材(丸太)生産量は、182万9千立方メートルで、北海道に次いで全国第2位となっています。

なんか、笑えるなあ。この日本一を維持するためにやっていることが盗伐多発の原因だろうに。森林認証の少なさも指摘してほしい。

 

 

2026/06/14

盗伐裁判の情報

しばらく音沙汰なかった盗伐問題。このところ立ち続けに情報が入った。

一つは宮崎県の裁判で、訴状を読ませてもらった。内容的には私の知っているものと同一だが、裁判資料としてはこのように記述するのだな、と司法用語?を改めて感じた次第。

ここで被告は宮崎市や県の責任を証言したそうだ。つまり盗伐をうながしたというのである。これって重大証言だろう。ま、県も市も否定するだろうが。

なんか暴力団の裁判みたい。親分の意を酌んで、下っぱが対立組織に銃弾撃ち込んだ……とかいう事案だ。命令はしていない(使用者責任を問われない)けど、忖度してやらせるのである。

 

もう一件。これは兵庫県佐用町で起きた盗伐案件。こちらが妙なのは、無断伐採した木を持ちだすことなく、刻んで転がしてあること。一部は斜面に置かれているので、そのうち崩れて下の民家を襲いかねない。そして大部分は、山林の下部にある墓地に重なるように転がしてあること。つまり墓地・墓石の破壊を伴う。

なぜ、こんなことをしたのかわからないが、驚くのは、伐ったのが森林組合であること。首謀者は別にいるのだが、彼の依頼を受けて森組がやったのだ。そして、その代金は払われていないらしい。しかも伐採届を出していないのだ。

動機から成り行きまで謎の事態なのだが、その裁判がもうすぐ結審するそうだ。そこで裁判所は和解を勧め始めたそうだが、さもないと棄却、門前払いしようとしているらしい。明確に無断伐採と墓地破壊、手続き違反などが見えているのに、裁判所は審理したがらないのである。

実に不思議である。仮に量刑(賠償額など)が納得いかないことはあったとしても、訴えそのものを棄却する理屈が思い浮かばない。どうせ山林の名義や境界線などの不備を持ちだして原告適格などを突くのだろうが、どんどん司法への信頼性は崩れていくな……。

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いずれの裁判の元となる事件は、『盗伐 林業現場からの警鐘』に記している。

さて、今週は盗伐ではない別の裁判が結審する。私も傍聴に行こうと思っているが、なんだか気分が上がらない……御籤で大凶引いた私は行かない方がいいかもな。。。

2026/06/13

枯れる木、消える金魚。再び庭異変

我が家の庭に異変が続く。

5月には花を満開にさせた柑橘の木がいきなり枯れた。今年は、この木がたくさん実る……と楽しみにしていたのに。むしろ断末魔だったのか。

仕方ない。伐採した。枯れた枝が可哀相。

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根も堀り取ったが、細根は切れていた。やはり根から枯れたのだろう。

とりあえず空いたスペースに別の木を植えるが、同じ背丈まで育つには数年かかるだろう。それだって、ちゃんと育てば、だが。何を植えたかは内緒。また枯れるかもしれん(´Д`)。
ほかにも枯れる木は次々と出る(キハダ、カエデ、ミカン……)し、植え付けた野菜など収穫系の植物も、全然育たないものがいくつもある。なんか庭が妙なことになっていると感じる。

もう一つ。池も異変続き。初春に金魚が全滅しかけたので新たに30匹もの大小の金魚を入れたのだが、気がつくとまた数が減っている。今は10匹くらいしか確認できない。死んだことを確認できたのは5、6匹で、多くが姿を消す。
最初は藻の繁茂が生息環境を悪化させたかと思ったが、それで何匹かは死んでも、やはり金魚を狙う外敵が現れたと考えるほかない。

最初は鳥を考えたが、無理がある。防備もした。次はネコ?アライグマ?と想像するが、それぞれの習性と合わない。先に姿を現せたアナグマもどうも合わない。だいたい池縁と水面の落差が50センチくらいあって、手を伸ばしても金魚は取れない。飛び込んだら、今度は脱出できない。

いろいろ考えるうちに行き着いたのがイタチだ。コイツは生駒山系に多くいるし、小さく伸びる身体は池縁から侵入できるはずだ。しかも泳ぎも達者。魚食でもある。

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イタチの写真は撮れなかったので、アナグマ。

そこで池の縁に丸めたスダレなどを並べて侵入できないようにした。いや、これでも完全かどうかわからないが……。

ともあれ、こんなに庭に異変が続くことはこれまでになかった。

2026/06/12

リフォームで感じたAI時代の労働

我が家のキッチンをリフォームした。

きっかけは、蛇口の不都合とコンロの老朽化なのだが、それを交換するには……と思ってホームセンターで各設備を見ているうちに、「いっそ、流しも含めて交換するか!」と思って見積もりを頼んだ。

結果は当方の念頭にあった金額を大きく上回る……断念しかけたのだが「これはイラン戦争の影響を受ける前の価格です。昨年からの人件費などの値上がりで……」と言われた。今後下がることはなく、上昇一方かと観念して頼むことにした。今なら、価格を動かさないと言われたから。なんかセールストークにハマった? まあ、いい。実際、ナフサ危機で、その後トイレやバスは受注そのものがストップされ始めたし。

ただ、工事は3日、もしかして4日かかると言われた。なんでも給排水、ガス、さらに電気関係の工事が絡んでくるらしい。さまざまな業者が入り交じるのだ。その間、自炊どころかお湯も沸かせないか。ポットと電子レンジを使うしかない。

ところが、工事担当者が来ると、「2日でやります」と言われた。自信ありげ。

そして当日、なんと1日で仕上げてしまった。

なぜ、早くできたの? と聞くと「おれ、水道も電気も一応全部資格持っているので、一気にできるんですよ」

おー。すごい。ブルーカラーの鏡。無駄なく動けるので時間も短縮できれば、収入も1社(一人)に集約できる。思わず「お見事」と拍手したくなった。

今、AI化が進むにつれて、ホワイトカラー、つまり事務職の失業が指摘されている。実際、海外では大卒の求人が急減したそうだ。一方で、現場でからだを動かす技術者の需要が伸び、収入も爆上がりしていると聞く。
単純労働ならばロボットに置き換わるだろうが、熟練技術労働までロボットに任せられるには、まだ十数年かかるはずだ。AIと根本的な機能が違う。現場の多様性が桁違いだから。手に技術を持つ者の強みが今後伸びていくだろう。

さて、これを林業界に当てはめると、将来が見えてくる。

林業界の事務仕事は、どんどん消えていくのではないか。むしろAIに情報を提供するための現場調査の人間が必要となる。そして植林から伐採までの仕事も自動化はまだまだ先で、熟練ブルーカラーは生き残る。AIに使われるか、使いこなすか。

今後の待遇・収益面からすると、森林組合の事務職が優遇されている状況は崩れていくだろう。現場の能力が重視される。千変万化の山の条件に対応しつつ、知識を持って最適解を見つけられる人材が求められる。ただ伐採とか集材に特化したような単純現場労働では、遠からずダメになる。ようするに考える力を持たねばならないだろう。これぞ、本当のフォレスター?

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林業も、実はデスクワークが多い……。

2026/06/11

パイオニア松!

某山を登ってきた。極めて傾斜がきつい山なので、車で尾根まで登って歩いた(^^;)。

尾根筋を歩くだけで相当な距離となったが、その一角で見かけたのが、風化花崗岩の岩場。花崗岩がポロポロの砂になってしまっている。真砂土だ。これは水を貯めないし、風でも動く。だから植生が回復しない。山全体は、相当密生しているし、ヒノキ林が広がっているのだが、ここだけは再生しなかったようだ。

ある意味、砂漠である。なぜ、こうなったのかわからない。何か人が手を入れたのだろうか。耕して畑を作ると、表土を剥いでしまい、草も生えなくなる。

が、そこに生えているのがマツだった。

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やっぱりマツは強いなあ。どうやって動く真砂土に根を張ったのか。菌類も協力したのかもしれないが、周辺には草も生えていず、真砂土が剥き出しなのに、しっかり根付いた。
もしかしたら、後100年も経てば、ここに森林が回復するかもしれない。まず松林となって、その後に低木の広葉樹が入ってきて、マツが枯れた頃に、高木も入って生物多様性の豊かな森になるかもしれない。まあ、300年はかかるかな……。

2026/06/10

高さと太さ。台湾杉はどっち

6月2日の本欄で「台湾檜と台湾杉ツアー」という記事を書いたが、東アジア最高峰としてのタイワンスギが発見された経緯の記事がアップされていた。

【神木の島】台湾で東アジア最高木を確認 高さ84.1メートルのタイワンスギ「大安渓倚天剣」

さらにユーチューブもあった。こちらはこの木に登っている。
神木之島》正式預告︱5.15 樹頂見

 写真を借用させてもらうと、こんな大木。

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これまで日陰者?だったタイワンスギがいきなりクローズアップされそうだ。太いタイワンヒノキの話はよく出たが、高さはスギの方が上であったか。タイワンヒノキの中には直径6メートルのものがあったが、この木の直径は3メートルぐらいで、高さは84メートルとのこと。

険しい山岳地帯に巨木の森というと、日本なら屋久島を連想し比べてしまう。屋久杉も太さ自慢のところはあるが、高さはあまり競わない。縄文杉でも25メートルくらいである。そして縄文杉以上の太い木を探す人々はいるが、高い木を探す話は聞かない。

これまで「大木」というと、太さ(直径、根回りなど)にこだわる声が多い。日本でも最大の木と言われたら鹿児島の大楠だろう。そして屋久杉の数々。高さはあまり競わなかったように思う。台湾も日本も台風があるので、高木は折れてしまいやすいのだろう。が、この木は谷間にあって、うまく風除けになったのかもしれない。

嘉義市檜意森活村であった彫刻展の作品

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2026/06/09

Y!ニュース「野生動物が市街地を闊歩するきっかけは…」書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「野生動物が市街地を闊歩するきっかけはコロナ禍?」を執筆しました。

福島市に続いて宇都宮市の市街地にクマが出没し、いずれも捕獲できずどこかに潜んでいるのではと不安が強まっている。

ただ、連続的にニュースとして報道されるたびに、Yahoo!ニュース編集部からコメントつけろと言ってくるのよ(^^;)。
数回はつけたが、そんな幾度も書くネタないし。同じことを書くのもシャクだし。

そこで、根本的な問題、なぜ市街地に出てくるの?という疑問に迫ろうと思った。

実は、記事にも書いた通り奈良のシカの事例と、海外の研究事例を知っていたから、以前より気にしていたのである。

そうは言っても推論にすぎないだろ、と専門家やその外野からは言われそうなのだが、その通りである(´Д`)。

なおトップ画像は、生成AIによるものだが、これはYahoo!側が提供するもの。よく「AI画像を使うな」という声が飛ぶのだが、現場写真はそれぞれ報道各社などが著作権を持っているので使えないのよ。

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無料イラスト素材、張っておくわ。

 

2026/06/08

“快適な森”は、木が少ない?

ちょいと面白い研究結果。

昔から言われ続けて、もはや当たり前になっている感のある「森林は心地よい」。で、どんな森林が快適に感じるのかの研究はいろいろ行われているが、こちらは景観タイプで分けて調べたようだ。

森林の快適性を測定する:景観タイプごとの密度、開放性、および知覚反応パターン
Measuring forest comfort: Density, openness, and perceptual response patterns across landscape types

ScienceDirect誌への英文論文だけと、自動で翻訳してくれる。いい時代になったわ~。と思ったら、結構誤字が多い。とくに人の名前は危なっかしい。直せるところは直したが、見落としがあるかも。

執筆者は、浅野悠人東京大学工学部、高山範理國學院大学観光・地域開発学部、安高和人慶應義塾大学環境情報学部の3人となっている。

思い切り要約すると、森林の快適性は開放度が高まるにつれて向上する。言い換えると木が少なく見通しがよいほど快適に感じるようだ。
密生した自然を好まないのは、そうだろうなあ、と感じさせる。
海浜や高原リゾートは人気でも、森林リゾートはイマイチ。高原とは、ほぼ草原である。森林公園でも、日本人は森の中に入らず、芝生の広場周辺でたむろするのである。見通しというのは、敵が忍び寄るのを見つけるという点からは、必要だったのかもしれない。

ただ、その傾向は景観の種類によって異なる。
遊歩道の景観は、樹木の密度が低下するにつれて(500~3000本/ha)、快適性は継続的に向上した。
景観においては、開放度が高くなるにつれて快適性は向上したが、開放度が約70~80%を超えると横ばいになった。
回答者の75%以上(森林に慣れていない利用者)が、あらゆる状況下で一貫して快適性の低下を報告した。
感度指数と受容性指数を用いることで、快適性を単一の最適値ではなく、応答分布として定量化することが可能になる。

開放度7~8割というのは、ほとんどサバンナの草原のような状態だろう。あまり木がない、草原に近い植生ではないか。
我が家の庭は、見通しが悪くなるように仕立てている(庭の向こうの隣家から見えないように)が、快適でないことになる。娘にも「もうちょっとなんとかせい!(草を刈れ) 」と言われるが、わたしはこんもり繁っている方が好きなのだ。が、それは世間的には快適な森ではないのだろう。

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こうした景観の研究を、公園づくりや都市の緑地帯などにも応用できるだろうか。いっそ人工林の管理にも使ってみたらどうか。戦前、林業芸術論というのがあったが、それも景観から人工林を見ていたのである。

 

2026/06/07

新たな「森林・林業基本計画」

林野庁が、新たな森林・林業基本計画を閣議決定し、令和7年度森林・林業白書を発表した。

ぼちぼち目を通しているが、深く突っこむ元気がないので、今回は「森林・林業基本計画」の方に素人的・素朴な疑問をしておこう。

比較的簡単に全体を見通せる「森林・林業基本計画のポイント」を見てみる。

その中でも理念ぽいのは飛ばして(^^;)、こんな目標を示した図表を見てみた。

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まず左図。じりじりと人工林面積が減っている。現在1020万ヘクタールあるが、20年後に980万ヘクタールとついに1000万台割にする。そして指向する数値は、630万ヘクタールであった。その分、天然林は増えるのだが……。

最初のページで「森林資源の循環利用とあわせて、治山対策の強化や奥山の針広混交林化、里山林整備により、国民の安全・安心を根底から支える多様で健全な森林づくりを推進」とあるから、人工林(スギ林やヒノキ林)を針広混交林や雑木林にしていく構想である。

一方で右図。木材供給量は、3500万立方メートルから約10年後に4200万立方メートルに増やす。
建築用材利用量は、1800万から2600万へ増やす。燃料材も1200万から1300万に増えるが、全体として横ばい。

人工林面積を減らすが、生産量は増やす。

う~ん。どうなんだろう。

それに人工林を減らすのなら、再造林はあまり必要ではなくなる。伐採跡地を天然林にする……天然更新の推進か。でも、実際に日本では放置型の天然更新は、なかなか上手く行かないことは多くの実例が示している。

となると、スギヤヒノキの再造林をするより、針広混交林を成立させる研究を急いだ方がよくないか。放置でなく、人が手を入れて広葉樹林化を進めるべきではないか。それには広葉樹苗を植えるだけでなく、自然播種を助けるなど、さまざまな方法があるだろう。そのための技術を早く確立する必要がある。

……とまあ、素人的に考えたのでありますよ。

ほかにもツッコミどころ、もとい読ませどころはたくさんあるから、森林を愛する皆さん、目を通しましょうね。

 

 

2026/06/06

『箱の中の羊』の「木と人」

映画『箱の中の羊』を見た。このところ気が滅入ることが多くて、気分転換にならないかと映画をよく見るようになっていた(笑)。

さて、ここでミッチリ映画評をするつもりはないのだが、一応思うところを。

まず、前半部分で頭に浮かんだのは「カンヌ国際映画祭に出品した作品だなあ」ということ。これが何を意味するか(^^;)。
舞台は近未来の鎌倉らしいが、未来ぽいのは宅配ドローンが登場する程度で、全体の風景は現代そのものだ。亡くなった息子の代わりとなるヒューマノイドを迎えるという、SF的な設定ではあるが、扱うのは、夫婦の心の動きを中心とした、かなり大きい、重いテーマを扱っている。

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迎える夫婦は妻が建築家で、夫は工務店社長、つまり大工だ。シーンには製材市場も登場するし、木を細切れにして風呂に浮かべたりもする。設計する住宅にいかに樹木を配置するか、という悩みも触れるなど、意外と樹木、木材と接点が多いシチュエーションだ。

そして中盤からは、より進んで木々のネットワーク、つまり根っこや葉から出す成分による木々のコミュニケーションを語るシーンもあり、これって「マザーツリー理論」?である。部分的には、ロボットとしての肉体=人工物が映されたり、ヒューマノイドがこっそり集まるなどミステリー要素も入ってくるのだが、総じて「カンヌ的」だ(^^;)。

そして終盤は、ある意味ファンタジックになる。トチの巨木も登場して、これって映画として、いや社会的にどうよ?と思わぬでもないが、これも心象風景を写し取ったと見る方がよいのだろうか。

是枝監督は、これまでも家族をテーマにしてきたが、本作は家族など人々の関係をマザーツリーが示す森林生態系に当てることを意識したのではないか。人と木の関係を、人工物と自然の相剋&融和に置き換えたように感じた。もしかして、描いているのは樹木と森林なのか……。

気が滅入りを解消する映画ではなかったが、これはこれで別の効果はあったかも。
ちなみに、同じ意図で見た『スターウォーズ/マンダロリアンとグローグー』は、まったく反対だった。アクション続きで退屈はしなかったが、何も感じない(笑)。キャラクターへの思い入れも生まれない。私の中では、つまんねえ映画に分類している。

2026/06/05

庭の草花の下の生態系

いつも庭は、外から眺めている。

当たり前だ。樹木も草花も、外側から見映えがよいように育てるものだ。

でも、ふと思いついて、その下を覗き込んでみた。

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わかるかな。最初はミョウガが伸びた下。次はフキがし蹴った下。最後にアジサイの下。

上を大きく葉などに覆われて日射は少ないけれど、それなりに別の草が繁っている。ニオイスミレだったりユキノシタだったり。

洩れている日射を受けて光合成もするのだろう。ここをじっと眺めていると、コビトさんが現れるような世界を想像してしまった。それはそれで楽しい。その下の土の中にもまた別の生態系があるのだろう。

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もちろん、その上のアジサイの花を愛でるのも楽しいけどね。アジサイは咲き始め。もう、梅雨入りしてしまったんだ……。

2026/06/04

Wedge ONLINEに「日本列島に広がるはげ山……」を書いた裏事情

Wedge ONLINEに「日本列島に広がる“はげ山”……伐ったらおしまい、再造林が進まない理由とは?」を執筆しました。

Yahoo!ニュースにも転載されています。「日本列島に広がる“はげ山”…伐ったらおしまい、再造林が進まない理由とは?

Yahoo!ニュースに私が執筆する分野は、基本的に農林水産業や自然科学的な話題に決められている。意外と厳しいのよ。そのくせ、クマの出没ニュースには、コメント付けろ、とやたら言ってくるし(-_-;)。

その点、Wedge ONLINEは、さまざまな分野が許されている。だから地域起こしとか、墓地埋葬法に樹木葬とかにも触れる。さすがに政治とか歴史だ文学ものを書くようなことはしないよう自主規制しているけどね。(実は書きたい)

それでも、一応スタートが林業分野だったので、何回に一回かは林業ネタを取り上げるようにしている。今回は、最初こそ立木市場の話題に目を向けたのだけど、ちょっと広げて再造林問題を選んだわけである。

なんか最近は林業の話題から離れているから新鮮(笑)。

山を中途半端に知っていると思っている人ほど、「日本は木を伐っても放置したら勝手に木が生えてきて森になるんだ」と思い込んでいるらしい。
だが地形や地質によってはまったく裸地のまま残り、豪雨によって崩れたらいよいよ森は再生しない。生えても草止まりという伐採跡地がかなり多い。放置して森が再生する確率は何割ぐらいだろうか。多分、半分以下と思うが。

灌木程度が生えても、機能としては森林に随分劣る。せめて雑木林的な森林(高さ5m程度)が成立しないと、防災面でも、生態系的にもよろしくない。スギやヒノキの植林でなくともよいが、森が再生するお手伝いはしなくてはいけない。

 

2026/06/03

『豪雨災害の水文学』を読む

まさに今、台風が日本列島をかすめつつ進んでいる。沖縄から始まった暴風雨は、四国から紀伊半島沿岸を抜けて関東へ、そして東北・北海道へも影響が出るかどうか……。

そんな時に手に取る本は、『豪雨災害の水文学』(谷誠著・鹿島出版会)

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もうタイトルだけで本日の様子を表しているではないか。……実は寄贈を受けたのだが、内容が難しくて(> <;)。まさにザ・専門書である。
それでも、今こそ目を通すチャンスだ(⌒ー⌒)。

帯文には、
深刻さを増す水害・土砂害対策へのサイエンスフロント。
降雨条件が同じでも流量ピークを高くする上流域の条件は何か?
流出メカニズム解明によって物理的流出モデルを画期的に変革し、
豪雨災害対策に貢献する著者渾身の学術書。

水文学は、陸地での水の動きを扱う地球科学の一分野を占める基礎科学であるが、同時に、水害や土砂災害の減災を工学的に支える社会的使命を持っている。
本書は、この重要な役割を果たそうとしてきた水文学の研究の歴史と現状を詳しく説明し、流域治水にかかわるすべての方々に水文学の最も新しい知識を共有していただくことをめざしている。」――「はじめに」より

目次
第1部 水害・土砂災害をもたらすメカニズムとその発生予測
第1章 豪雨と災害とをつなぐ水文学の概要
第2章 洪水流出予測とメカニズム解明に挑戦してきた水文学の研究史
第3章 豪雨災害の水文学に必要な運動法則
第4章 メカニズムとモデルの整合性をふまえた流出理解
第5章 水と土の相互作用から見た土砂災害
第2部 水文学的定常論序説
第6章 流出モデルの物理的根拠を探る
第7章 流域条件の洪水流出に及ぼす影響を解剖する
第8章 水文学定常論から見た雨水の流出プロセス

難しいが、各単元を見ていると興味深いところがある。滋賀県の田上山のはげ山の事例も出ているのだが、風化花崗岩がいかに崩れていくのか、という点は、同じ風化花崗岩の生駒山に通じるところがあって、他人事ではない。もし豪雨が降れば崩れる可能性がある。

それが生駒山系で進むメガソーラー建設を巡る差し止め訴訟を連想した。司法の場に持ち込んだのだが、果たして裁判官にこの水文学が理解できるだろうか? 無理だろうな。

原告側にはそちらの専門家が多く参加して、いかにメガソーラーで斜面を削ったことが危険か、しかも真っ当な排水・貯水設備もつくらないことが問題か、と数式混じりの訴状をつくって訴えているのだが、裁判官に理解させるのは至難の業である。多分、読まないで判決文を書きそう……。

ここでも、科学と、それを扱う社会の理解度の格差を感じざるを得ない。

 

2026/06/02

台湾檜と台湾杉を見るツアー

2024年の今頃、私は台湾に行っており、いろいろ取材したのだが、2年後の今、生駒で台湾人に会っていた(^o^)。

李皓綸氏。Facebookでつながったのだが、彼は台湾の嘉義大学で林業・林産業を学んで日本に来て、いろいろやりつつ現在は奈良で林業をやっているという変わり種(笑)。台湾人で林業に関わっている人というのも少ないが、さらに日本各地の林業を知っている人は滅多にいない。そして下手な日本人より林業事情に詳しい。

私の興味はタイワンヒノキである。阿里山には残念ながらほとんど巨樹のタイワンヒノキは残されていなかった(保護されている36本のみ)のだが、宜蘭の方にはまだ巨木の林立する天然林があるという。

そこで別のことも知った。台湾には高さ73メートルのタイワンスギの高木があり、これがアジアで最高木だというのだ。
たしかに日本でもっとも高い木は、京都・花背のスギで高さ62メートルほど。また東南アジアの熱帯雨林にも高木はあるが、正確に計測されているものに70メートルを越えるものはなかったはずだ。
ただし最近、中国チベット自治区で102メートルのヒマラヤイトスギ
が発見されたという……。とはいえ、アジア有数の高い木が台湾にあるのだ。タイワンスギは、非常に生長が遅いので台湾で植林されていないそうだが、天然のタイワンスギも貴重だ。

それならタイワンヒノキの巨木林と、超高木タイワンスギを見るツアーを催したい、という話で盛り上がった。ほか本多静六の調査に歩いた道、というのもあるらしい。彼も台湾の原住民アミ族の人々を日本に招いて林業ツアーをしているそうだが、日台林業交流ツアーになる。

えーと、李さんの写真を撮らなかったので、こちらの写真を張っておく。

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2年前に訪れた台湾の国立政治大学の王副教授と在台邦人の曽根さん。土倉龍次郎について貴重な情報を得ることができた。王副教授は原住民研究をしている。その時に、台湾で林業の講演をしてくれと言われたことを思い出す。

台湾は、長く森林保護策から伐採をしてこなかったが、いよいよ資源も回復してきたので、林業復活の芽が出ている。とはいえ、林業技術が途切れているから、今後人材育成が課題になるだろう。一方で、しがらみだらけの日本林業とは違い、一から理想の林業を構築できる可能性があると私は思っている。これからの台湾林業に注目したい。

 

2026/06/01

日本橋に木造ビルが建ち並ぶ?

日経クロステックの記事のようだが、東京日本橋に木造ビルが建ち並ぶそうだ。

東京・日本橋を森に、日本一の木造高層ビル「&forest」など建設活況

たしかに木造高層ビル計画はいっぱいあるようだ。

三井不動産の木造建築ブランド「&forest(アンドフォレスト)」第1弾となる木造ハイブリッドの賃貸オフィスビル「日本橋本町三井ビルディング &forest」は、来年1月に竣工予定。地下1階・地上18階建て高さ84m。木造ハイブリッドの賃貸オフィスビルとしては日本最高層となる。
「&forest」の第2弾となる木造高層ビルとしては、25年11月に着工した地下1階・地上11階建てで高さ約56mの賃貸オフィスビル「日本橋本町1丁目5番街区計画(仮称)」があり、三井不動産の他にも日本橋エリアには木造高層ビルを建設するプロジェクトが目白押しで、今後10年で建ち並ぶそうである。街の景色は一変する……と記されている。

別に、その計画に文句を付けるつもりはない。ただ気になるのは、そのビルディングの予想図。見てほしい。

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あれ? これらは木造ビルなの? と思ってしまった。見た目、あんまり木造ぽくない。まあ、木造ハイブリッドなんだが、外装に木を強調している様子はないのだ。多分、一般人が街で見かけても、木造とは気づかない。もちろん、あくまで完成予想パース図だが……。

これを見て、景観が一変すると言われても。せめて外装に木目を描くとか(^^;)。いや絵を描くなら、森の景色を描いた方がよいかな。

木造のビルとは何か。構造材が木材? しかし鉄骨やコンクリートで構造を支えるハイブリッドビルの場合はどう判断するのか。あるいは内装で木を見せる?しかし、木質の内装材を張るだけなら、別に普通のビルでもできる。せめて外装をなんとかしてほしい。

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これはノルウェー・トロンハイムの町で見た、木造ビル群。これぞ、街の景観を木造ビルで変えた、と言えるのではないか。

外装には腐らないケボニー材を使っているのがミソである。日本でも、こんな景観を作り出してほしい。

 

 

 

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