「木質系新素材」って何?
今年の森林・林業白書を見ていると、「木質系新素材」という言葉が出てきた。が、内容がわからない。
これまでエンジニアウッドは多数開発されている。CLTもその一つ。その中にはハイパーCLTなるものも開発されたようだが……。今回示しているものは、ちょっと違うようだ。
調べてみると、こんな資料が。今年3月に出たようだ。
木質系新素材の社会実装 ビジョン
-森林発!次世代のバイオマス化学産業をつくろう-
具体的にはどんなもの?
① 木材の成分を分離して利用する方法
工場残材や、低質材で樹皮を除いた木部を原料とし、その主要成分であるリグニンやセルロースなどを分離し、各成分の特徴を活かした新素材の
開発が進展しており、改質リグニンやCNFなどが該当する。そのほか、セルロース等から化学分解や微生物の代謝を利用して得られる化合物を原料として、バイオマスプラスチック等を合成する技術の開発も進められている。
② 木材の成分を分離せず利用する方法
木質資源 を直接ガス化等することにより基礎化学品原料を製造する技術であり、近年は持続可能な航空燃料(SAF)の製造手法の一つとして商用化に向けた検討が進められている。
③ 樹皮を利用する方法
現在、樹皮の主な用途はボイラー燃料や敷料であるが、需要とのバランスによっては使いきれず廃棄される場合もある。このような中、樹皮から抽出したテルペン類等を原料にプラスチックや医薬品等を製造する技術の開発が進められている。これらの微量成分は、少量ながら付加価値の高い利用が期待できること、樹種や地域によって組成や性能等が異なることから、新たな地域産業を生み出す可能性を秘めている。
このように説明している。
①はリグニンなど木材の構成成分の利用だし、②だって理屈は一緒。いや③も樹皮から取り出す成分利用か。
ようするに木材を木材として利用するのではなく、リグニンやセルロース、さらにそれらを分離と改質した成分の利用らしい。
悪くない。悪くないが……面白くない(笑)。
それらが高く売れるならそれに超したことはない。ガンの特効薬!とか医薬品でもできたら超付加価値がつくだろう。量はたいして捌けないが、これまで低価値で使い道も少なく処分していたものが高く売れたらよい。が、面白くない(笑)。
これは、この前取材した吉野の木工家・高野大輔氏の作品。杉皮をデザインに活かしている。サイドボードなど大きな作品もあるが、写真のような小物もある。分厚い杉皮のゴツゴツした雰囲気、好き嫌いは出るだろうが、面白い(笑)。これだって木質新素材?
杉皮は、利用価値が低い。桧皮は、社寺仏閣などの屋根材(檜皮葺き)などに必要で足りずに困っているが、杉皮も屋根材に使えるものの、すっかり廃れた。内装も数寄屋造など凝った和室だけだろう。しかし、今風の使い方を考えてほしい。
たとえば店舗のディスプレイなどに向いているように思う。キャンプ場のコテージとか、ツリーハウスなどもどうだろうか。時代劇などの映画では、樹皮だけで森林のセットを組むこともあると聞いたが。
少し改変して表面が崩れないよう塗料で固めてもよいし、杉皮を粉にしても何か使えそうだ。工夫しがいがあるように思う。
なんか、楽しくなる新素材を開発してほしいなあ。
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