リフォームで感じたAI時代の労働
我が家のキッチンをリフォームした。
きっかけは、蛇口の不都合とコンロの老朽化なのだが、それを交換するには……と思ってホームセンターで各設備を見ているうちに、「いっそ、流しも含めて交換するか!」と思って見積もりを頼んだ。
結果は当方の念頭にあった金額を大きく上回る……断念しかけたのだが「これはイラン戦争の影響を受ける前の価格です。昨年からの人件費などの値上がりで……」と言われた。今後下がることはなく、上昇一方かと観念して頼むことにした。今なら、価格を動かさないと言われたから。なんかセールストークにハマった? まあ、いい。実際、ナフサ危機で、その後トイレやバスは受注そのものがストップされ始めたし。
ただ、工事は3日、もしかして4日かかると言われた。なんでも給排水、ガス、さらに電気関係の工事が絡んでくるらしい。さまざまな業者が入り交じるのだ。その間、自炊どころかお湯も沸かせないか。ポットと電子レンジを使うしかない。
ところが、工事担当者が来ると、「2日でやります」と言われた。自信ありげ。
そして当日、なんと1日で仕上げてしまった。
なぜ、早くできたの? と聞くと「おれ、水道も電気も一応全部資格持っているので、一気にできるんですよ」
おー。すごい。ブルーカラーの鏡。無駄なく動けるので時間も短縮できれば、収入も1社(一人)に集約できる。思わず「お見事」と拍手したくなった。
今、AI化が進むにつれて、ホワイトカラー、つまり事務職の失業が指摘されている。実際、海外では大卒の求人が急減したそうだ。一方で、現場でからだを動かす技術者の需要が伸び、収入も爆上がりしていると聞く。
単純労働ならばロボットに置き換わるだろうが、熟練技術労働までロボットに任せられるには、まだ十数年かかるはずだ。AIと根本的な機能が違う。現場の多様性が桁違いだから。手に技術を持つ者の強みが今後伸びていくだろう。
さて、これを林業界に当てはめると、将来が見えてくる。
林業界の事務仕事は、どんどん消えていくのではないか。むしろAIに情報を提供するための現場調査の人間が必要となる。そして植林から伐採までの仕事も自動化はまだまだ先で、熟練ブルーカラーは生き残る。AIに使われるか、使いこなすか。
今後の待遇・収益面からすると、森林組合の事務職が優遇されている状況は崩れていくだろう。現場の能力が重視される。千変万化の山の条件に対応しつつ、知識を持って最適解を見つけられる人材が求められる。ただ伐採とか集材に特化したような単純現場労働では、遠からずダメになる。ようするに考える力を持たねばならないだろう。これぞ、本当のフォレスター?
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いつも読ませていただいております。
良い職人が来てくれて良かったですね。そういう人を『多能工』と言うのですが、実際はそういう人って少ないというか、あまりいないと思います。しかも、資格があるというのは大前提ですけど、資格があっても経験が少ないと上手に工事ができるかどうかは微妙ですしね。
今現場を回しているのは第二次ベビーブーム世代です。あと15~長くて20年? その次はいません。現場の勤務条件は、相変わらずの劣悪です。給与、休日、環境・・・。今の若い人が避けるのも仕方がないと思います。
外国人に期待するのは止めた方がいいなと言うのが、現状の現場に来る外国人を見た実感です。日本人の親方がまずダメだもん。
近い将来、現場は回らないというか、2週間や1か月待ちは常態化することでしょう。
消費者側が、賢くなる必要がありますね。つまり、自動車整備もそうですが、電気機械設備製品の経年劣化を踏まえた故障する前に交換、これ大事と思います。
投稿: ポセイドン | 2026/06/13 22:01
そうか。運がよかったのですね。3日の仕事を1日でやったのだから、収入もそれに見合ってほしいです。
そういやリビングのリフォーム時にも、壁1面の書棚を作ってもらう際に腕のよい職人に当たった。
そうした人材の確保は本当に今後ヤバい。AIでは 置き換えられない世界です。
投稿: 田中淳夫 | 2026/06/13 23:15