イノシシの先祖はブタ?
なんとも奇妙な、いや意外すぎる発想の研究だ。
イノシシの先祖はブタだった?下顎骨の出土遺跡から解明 現代日本の野生イノシシは、弥生時代のブタの遺伝子を受け継いだ
名古屋大学の 新美倫子准教授の研究発表。ただしタイトルに引っ張られると間違う。正確には、「日本のイノシシ」には「中国産のブタ」の遺伝子が混じっている、ぐらいだろう。
ブタは、イノシシを飼い馴らして家畜化した動物だ。その結果、遺伝子だけでなく形態にも多少の違いでできていて骨にも証拠がある。一方で日本のイノシシの化石にブタの痕跡が混じっていたので調べてみたら……ということだと思う。
しかし弥生時代に中国からブタを移入していたというのも面白い。日本産のイノシシをブタ化したのではなく、中国で先にブタ化した個体を持ち帰った日本人がいたわけだ。当時の中国なら魏かもしれないが、そこに派遣された使者が帰国する際にブタをお土産にした? 卑弥呼の時代かもしれん。魏志倭人伝に記しておいてほしかった。そして、そのブタが逃げ出して、野生のイノシシと交雑した……。
もっとも、その後の日本でイノシシを獲物とする過程で、また家畜化を進めた可能性もある。
江戸時代には長崎出島に西洋のブタも持ち込まれた。明治以降は大々的にブタを輸入している。それらも逃げ出してイノシシと交雑した可能性もあって、イノブタと呼んでいるが。
実は生駒山に増えたイノシシも、イノブタ説があるのだが、真偽はわからない。見た目はイノシシそのものである。
私は、家畜の成立に興味を持っている。野生動物がいかにして人間のために変異してきたのか……という視点だ。家畜になる動物、家畜に仕立てる過程と条件、などを考えている。ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ……そしてイヌ、ネコ。
中でもブタは、もっとも古くから成功した家畜なんだが、それが野生と家畜の間を行き来していたというのは実に面白い。
ちなみに、私はイノシシ年だよ。
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