イギリスどうする?EUDR
EUDR(ヨーロッパ森林破壊防止規則)が発足したとき、イギリスはこれを適用するのだろうか、と疑問があった。
EUDRの施行は何度も延期されてきたが、ようやく今年12月30日から(大企業向きは)スタートする予定だ(予定どおりならば)。
これはEUで協議されてきたものだから、施行範囲はEU加盟国であろう。一方でイギリスは2020年にEUを脱退している。
ただ、EUDR以前のEUTR(ヨーロッパ木材規則)などもあって、こちらはイギリスも参加している。いや、そもそも森林破壊防止に関する貿易規則づくりにイギリスも熱心にだったのではないのか。詳しい経緯はともかく、イギリスが参加しないのでは、効果の点で弱まるのではないか……と感じていたのである。
だがイギリスは、新たな森林破壊規制を導入すると発表した。森林破壊につながる一次産品の取引規制制度を、2027年から施行をめざすらしい。
簡単に振り返ると、EUDRは、木材のほか牛肉、パーム油、大豆、カカオ(チョコレート)、コーヒー、ゴムとそれらの派生製品を扱う企業は、それらの原料の生産過程で森林破壊をしていないことを確認する義務を課す。
そして森林を破壊して生産されていたら、その商品を取引してはいけない。しかも生産国の法律を違反していなくてもダメというものだ。合法でもダメ、というのは強力な制度でありメッセージだろう。
それに対してイギリスの制度案は、原料生産が原産国の法律に適合して作られたことを確認する義務を求めている。また対象となる企業は、年間売上高100万ポンド超だという。年商2億円規模の中小企業まで含むとなれば、抜け道を防ぐことになる。
EUDRのように「合法でもダメ」ではないが、将来的にはEUと足並みを揃える予定のようだ。
EUと差別化を図りたいのかどうわからないが、もっと簡単に「EUDRに加盟します!」と言えなかったのかなあ(^^;)。
もっとも、日本のクリーンウッド法に比べれば、圧倒的に厳しい。
クリーンウッド法は、昨年改正されて事業者に合法確認が義務づけられたとはいうものの、違法産品でも締め出さない。また対象も、木材および木材製品(家具・紙など)だけで、生産過程における森林破壊には踏み込まない。農畜産物が含まれない点も致命的だ。だいたい原産地に本気で確認するのか怪しい。書類上で「合法でーす」と一筆書いてもらったらOKになりそうだ。
ともあれ、世界は粛々と動いている。他方で戦争や人権無視・迫害も広がっているけど、コツコツ進めるべきことはある。
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