木材は時代がかった古木に限る?
大阪に出る際に、すき間時間をどう使おうかと考えた。
いつもなら書店でも覗けば時間を稼げるのだが……今回はイマイチ気が乗らなくて、別の見どころはないかと探してみた。
見つけたのが「大阪くらしの今昔館」。天神橋筋6丁目のビルの8階に、昔の大阪の街並みが再現されている。以前行ったのは10年くらい前だろうか。なかなか楽しかったのを覚えている。模様替えしているかもしれないし、1時間ぐらい時間を潰すのにちょうどいいと考えたのである。
8階に昇ってチケットを購入すると、いきなり10階までエスカレーター。
こんな全景?を見下ろす展望台だった。ここには近世(江戸時代)の大阪の街並みのほか、近代(明治~戦前)の様子が展示されている。
これは古本屋。というか、昔の書店の再現だ。「べらぼう」な円本、浄瑠璃本などが並べられている。
この通りは、浴衣姿の人が多い。着物を来ている人々が行き交うので江戸時代の情緒が漂うのだが……そのほとんどが外国人なのね。コスプレ流行りなのよ。
こんな路地まで再現。板塀が並ぶ情景は、なぜかなつかしい。というか、私の子ども時代にもこんな風景は残っていたぞ。家は板塀、それも焼き杉板が多用されていたし、イヌも放し飼いだった。我が家のイヌも鎖でつないだことがない。
ちなみにこの街の板はエイジング加工されて、わざと古いように見せている。
そして、不意に思った。木材の用途は、こんな古材が似合う。まっさらな木材もいいが、古びてこそ魅力が倍加するのではないか。金属やコンクリート、プラスチックは時代とともに薄汚れるが、木質は鈍く光るのである。
たまたま先日のBSテレビで見た映画『侍タイムスリッバー』。
これは佳作だ。本当によくできた映画で、幕末の会津の侍が現代にタイムスリップするのだが、場所は京都の太秦映画村。江戸時代の町が再現されたセットの街だ。つまり、本物(という設定)の近世の町角と、作り物(映画撮影用セット)の町並が重なるように描かれるのだが、そこでも使われているのが、古材なのだ。生活感のあるセットの家は、見ていて気持ちよい。
これからは、木材はエイジング加工をした方が魅力を高められるのではないか。古材も、価値を高めて売り出すべきだ。
木材の価値とは何か。その点を突き詰めると時間経過にあり。……と思ったのである。
ついでに再放送中の『八重の桜』は、いよいよ会津戦争だ。そこでも会津の武家屋敷の再現度が楽しめる。いや、「侍タイムスリッパー」の高坂新左衛門の涙とも連動して泣かせられる。
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