択伐収穫試験林~その結果は?
奈良の春日山原始林の東隣に芳山(ほやま)がある。かつて土倉庄三郎が植林したところだが……その一角に地獄谷と呼ばれるところがある。
地図で見ると、たいして標高もなく、むしろなだらかな山と谷なのだが、中に入ると、かなり険しく急峻な峡谷が入り組んでいる。地獄と名付けられた理由は、昔はここに死体を投げ入れていたからだという。古代~中世の時代、墓を設けられたのは、ある程度身分と財産のある人で、庶民は遺体を埋めることもなく、山に捨てられていたのである。
それはともかく、そこに国有林があり「地獄谷ヒノキ・スギ・アカマツ択伐収穫試験林」の標識があった。
ここで近畿森林管理局と森林総合研究所が択伐の実験をしていたのか。設定したのは1940年ということは戦前! 恒続林ブームの頃かもしれない。
よく読むと、ヒノキ択伐林誘導区とスギ択伐林誘導区、そして自由施業区に分けていたらしい。
広葉樹を入れようという意図はなかったらしいから針広混交林というよりは複層林施業なのか。でも植樹だけでなく、天然更新もしていたらしい。アカマツも植えていない。
まわりの景観。ヒノキが目立つが、まあまあ、混交林。広葉樹も多少は生えている。80年以上経つことになる。そのわりには木が細いが……太いのは伐採した?
この試験林、成功したのか失敗したとするのか、評価はどうなっているのだろう。
混交林づくりは、各地で提唱されていて(奈良県も推進中)、でも否定的な意見も多いわけだが、実際に実験した山林は各所にあるわけだから、それらの結果を集計して、どんな条件ならうまく行くか行かないか、詳しく分析していないのか。せっかく実験したのに何十年も経つと放置しているところも多いようだが、改めて役立ててほしい。
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