3級ウイスキーの味
昼時に朝ドラ再放送の「マッサン」が流れている。
そこで戦後すぐの時期に3級ウイスキーをつくるために苦労する様子が描かれていた。3級ウイスキーとは、原酒率5%未満の、ようするにウイスキーもどきである。が、終戦直後の日本を盛り上げた酒でもあった。
主人公のマッサンは、そんなまがい物をつくることに抵抗しつつも、香りや味を付ける添加物を使わずにウイスキーぽくしよう、というわけだが、どんなものか私も試してみたくなった。
現在は3級ウイスキーという区分自体がなくなったが、ようするに思い切り安いウイスキーを飲んでみようと思ったのである。
一番最初に浮かぶのがサントリーのトリス。これぞ3級ウイスキーの代名詞的存在だが、それでは面白くない。そこで酒屋で見つけたのが、900円程度のこれ。
ロイヤルオーク。製造は南アルプスワインアンドビバレッジ株式会社。ただしスタンダードとスモーキーがあって、私はスモーキーを選ぶ。スモーキーさがあったら、とりあえずウイスキー気分が味わえるだろうと思ったから。で、原材料にはスピリッツが入っているが、グレーンの方が多い。
ここで用語を調べ直す。
モルトは、ようするに原酒だ。大麦麦芽のみを使って単式蒸留のアルコールを熟成させている。
グレーンは、トウモロコシや小麦など穀物からつくった連続蒸留のアルコールで熟成させている。
スピリッツは、穀物からつくった連続蒸留のアルコールで、熟成させていない。
このロイヤルオークは、並びからすると、モルトが量的に多いみたいで、次にグレーン、そしてスピリッツである。
ま、私の好むジンもスピリッツである。ラムもスピリッツ扱いだが、熟成させたダークラムもあるなあ。
さて、飲んでみる。炭酸で割ってハイボールにする。なるほど、スモーキーさはかなりある。これでも香料は入れていないのか。記載がないだけ? マッサンレベルなのかな。
決してマズくはない。私の舌には。飲めますよ。飲めます。
酒の味なんて、しょせん気分で決まる。ストーリーを感じればオイシクなる。これは3級ウイスキーの歴史を思い浮かべて楽しむ酒だ。味覚より嗅覚で感じる味である。もっと言えば脳裏で味わうこともできる。
こんな酒の感じ方は、木と同じだ。どんな材も感じ方次第で銘木になる。
でも……マズくないと、旨い、は別だけどね。
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