フェノロサと土倉庄三郎
昨夜、NHKBSの『英雄たちの選択』でフェノロサを取り上げていた。
日本に国宝(古社寺保存法)が誕生する家庭でフェノロサが果たした役割を取り上げている。この番組は、こうしたマニアックなテーマを取り上げてくれる。
私は、土倉庄三郎を追う過程で、廃仏毀釈とフェノロサの日本の古美術保存運動に触れた。そこで庄三郎とフェノロサには接点があったのではないか、と睨んだのだが、確たる証拠は見つけられなかった。ただし条件証拠はある。
まず、庄三郎が主導した奈良の古社寺の保存請願。
詳しく日本の美術、とくに古美術を取り上げて保護が必要だと訴えているのだが、そこに海外の動向などにも触れている。西洋では、どのように保存しているか、その経費まで説明する。その情報、どこから得たの?と思ってしまうほど緻密だ。
おそらくフェノロサの弟子である岡倉天心に聞いた(ほかに語れる人がいない)のだと思うのだが、いつ、どこで聞いたのか。そこで浮かび上がるのが、奈良市の浄教寺で行われた講演会だ。
* 奈良の諸君に告ぐ。(浄教寺のホームページ)
フェノロサが日本美術の素晴らしさを訴えたのだが、その解消には奈良県知事も含めて数百人が参集したという。その場に庄三郎もいたのではないか……と想像してしまうのだ。
番組では、この浄教寺の講演についてはわずかに触れるだけだったが、この場は大きな転機になったはず。もし、庄三郎が聞いて影響を受けたとすれば、その後の古社寺保存法の制定までの運動にも力になったはずだ。請願を出したのが明治29年、その翌年に国宝を定めた古社寺保存法が誕生している。
……とまあ、想像を膨らませているのだよ。ちなみに浄教寺には、私も縁がある。2週間前に、お参りに訪れたばかりだ。
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