BP材は、CLTを越えるか
内閣官房に「多様な木質材料の活用促進に関する関係省庁連絡会議」という会議があるそうだ。
林業や木材産業の成長産業化の推進を通じて地方創生を実現するのが目的だとかで、当初はCLT推しだった(会議もCLTが入っていた)。もう10年以上前から設置されているそうだが、今年5月に「多様な木質材料…」に改組したという。
で、その2回目会合の内容がHPにアップされていた。
それを見ると、さすがにCLT推進の姿勢を変えたわけではないようだが、別の木質材料にも目を向けている。
まずCLT建築が普及してきたことを示すグラフ。もう生産が追いつかないほどだそうである。本当? ただよく見ると、CLTだけで建設しろという当初の無茶ぶりではなくなり、部分使用も推進している。鉄骨とのハイブリッドはもちろん、階段だけとか床だけ、壁だけ……という利用であるだろう。また土木素材も紹介している。当たり前というか、こちらが現実的な使い方だ。
ただし、私が注目したのは、ほかの木質材料。
DLTは私が以前より推していた素材。板を重ねて束ねた素材である点では従来の集成材、そしてCLTとも同じだが、接着はダボで行うもの。接着剤を使わないのだ。釘など金属も使わない。
何がよいかと言えば、まず小工場でも生産可能なこと。大規模な工場設備を必要としないから、地方の製材所でも作れる。地方創生とか地方の製材所が生き残る術になるのだ。そしてダボは木製だから、抜けば簡単に解体できる。板に戻せるから再利用がしやすくなる。
加えて、今回はBP材というカテゴリーが登場した。これは何? 私は知らなかった。なんと日本BP材協会まで設立されていた。
具体的には上記図にあるとおりで、主に柱(角材)を張り合わせた素材ということだ。なるほど、別に新規開発ではなく昔からあるが、それを規格化したものらしい。そもそも東大寺大仏殿の柱も角材と扇形材の張り合わせを行っている。接着剤は使わず(膠は使っていたような記憶がある)鉄のタガで締めているけど。
これも小工場でつくれるらしい。材の分解はできないが接着剤の量が減るのは好ましい。強度も縦方向なら問題ないだろう。横架材・梁にはしづらい?
BP材とか名付けず「大仏殿仕様」とか呼べば、重みがあるのに(笑)。
この手のエンジニアウッドは、今後重要になるだろう。太い無垢材が手に入りにくくなってくる中、細い材の張り合わせ技術が欠かせない。合板からパーティクルボード、MDF、OSB、ファイバーボードといった繊維の流れと、集成材、CLT、DLT……といった方向の違いはあるが、木材の未来図を描けるかな。
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山の木はドンドン太っているので、これから太い無垢材は手に入り易くなるのでは?
価格次第でしょうけど。
投稿: くさ | 2026/09/15 16:47
太くなっているといっても、昔の大径木にはほど遠いでしょう。直径1メートル超えなんて大木はほとんどない。
それに林野庁は、早く伐れ伐れとウルサイし(笑)。
投稿: 田中淳夫 | 2026/09/16 09:14