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本の紹介

ナラシカ・動物・獣害

2018/07/23

学術会議と第二種特定鳥獣管理計画

日本学術会議が、「人口縮小社会における野生鳥獣管理のあり方の検討に関する審議について」(依頼) という文書を出している。山際会長からの依頼だが、いわば学術会議をげて研究せよ、という方針決定だろうか。

 
ようするに、増えすぎた野生鳥獣(とくにシカとイノシシを挙げている)の対策を各学界で考えてくれというわけだろう。
 
その背景には、「生物多様性国家戦略2012~2020」に示された「第2の危機」(自然に対する働きかけの縮小による危機)がある。
 
 
増えすぎた野生鳥獣のことを環境省的には「第二種特定鳥獣」という。第1種特定鳥獣が、生息数が著しく減少して生息域も縮小している、いわゆる絶滅危惧種を指すのだが、その反対に増えすぎて人間社会に悪影響を及ぼしたり生態系をゆがめる存在としての「第二種」がある。
 
実は、奈良のシカは、この第二種に当たるのだよ……。
 
 
この手の施策は、環境省と農水省が立てているが、そのバックボーンとなる研究が十分に行われているかどうかは怪しい。それぞれ研究機関を抱えているのだが……。学術会議はその後押しをしようというのだろうか。
ちなみに日本学術会議とは、総理大臣の所轄なのだが、政府から独立して職務を行う特別の機関、と位置づけられている科学者の代表団体だ。
 
 
しかし政府の目標は、5年後にイノシシとシカの生息数を半減させることだと。本気か。雄大な目標だ(笑)。ちなみにシカの生息数は、現在300万頭を優に超えている。
 
林野庁は、2025年までに木材自給率を50%にするという目標を掲げている。なんだか似ている(笑)。
 
どちらも科学的・社会学的な検討が欠かせないし、専門人材の育成が重要だろう。かたや鳥獣生態の専門家(捕獲の専門家、ではない)。かたや森林経営の専門家(伐採の専門家、ではない)。
どちらも各分野の学界の研究の後押しが欠かせないはずだ。果たして政府に聞く耳を持っているかどうか知らないが。
 
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今年、奈良公園で生まれた?“第二種特定鳥獣”もたくさんいる。

2018/06/23

シカの首に鈴(GPS)

『鹿と日本人 野生との共生共生1000年の知恵』 の見本ができた。発行予定日より2週間前という、ちょっと早いスタート。

 
改めて紹介というか公表したいのだが、とりあえずほっ。
 
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そんなところに「シカの首に鈴、ならぬGPSを自動装着する」計画があるそうだ。静岡県である。
 
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獣害、シカ害が叫ばれているが、肝心のシカの生態を知らないと駆除も防御もできないよ、というしごく真っ当な声どおり行動を調査する必要があるのだが、そのために首にGPSを付けようというのだが、実は付けるのは大変。
一度生け捕りしなければならないからだ。そして暴れないよう麻酔をして、眠らせてから装着しなければならない。死なせたら、意味がない。
 
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ちなみに写真は、GPSを装着した奈良の.シカ。奈良のシカだったら装着は比較的簡単。麻酔をかける必要もないだろう。近づいて頭をなでることもできる。鹿せんべいでも喰わせつつ手早く、装着するのは可能だ。(写真のGPSは少し大きすぎるが。)
だが、野山のシカなら近づくことも触らせることも無理である。そこで自動装着……?
 
方法は筒状の給餌器にシカが首を突っ込んだら自動でGPS付き首輪を装着してしまうというもの。
対象は角のないメスやコジカになるが、メスなどは群をつくるから1頭に装着できたら群の行動を把握できるようになる……はず。その情報を一定時間ごとに飛ばして、クラウドにため込むという魂胆である。そうしたらスマホでも位置が見られる。
 
現在のところは首輪に付けるGPSを開発中で、実験は秋からするということだ。
 
 
さて、もくろみ通り行くかな? 首罠というのは、意外と難しい。通称のくくり罠以上に警戒するだろうから、まず給餌になれさせないといけないし、首輪が巻き付けられるところまで首を突っ込んでくれるか? 装着に驚いて暴れて首を締めるかもしれない。
 
それに群行動というのも、奈良のシカを見ているといい加減。結構、離合集散が激しい。
 
とまあ、腐すよりは成功を祈る。
 
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2018/06/08

シカ避け出入り口2態

北海道行の途中、苫小牧に寄ってきた。

 
まず北海道には前日入りした方が安心だと考えたのだが、札幌で一泊というのは芸がない気がした。帯広まで行ってしまうのもイマイチ。どこか途中で寄るところはないかと考え、小樽も浮かんだが帯広方面とは方向が反対。そこで苫小牧(~_~;)。
 
苫小牧で何を見るの? と考えた結果、北大の研究林に足を伸ばした。
 
苫小牧研究林は、『森はよみがえる~都市林創造の試み』(石城謙吉著・講談社現代新書)を読んでいたので、興味があったのだ。ボロボロ状態の(~_~;)大学演習林を再生した話である。都市林というには、あんまり都市はなかったけど。
 
さて、苫小牧駅前はなんだか寂れていて、研究林への交通機関もないのでタクシーで向かう。
 
ところが、その日は小雨。。。森の入り口に着いたものの、私以外に人影はないわなあ。そして森林記念館、資料館も閉館中。一般公開は月イチらしい。アカンがな。
 
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見たかった観測塔。しかし立入禁止で近寄れませんでした。。。しかも、本当に見たかった樹冠観測用のクレーンやジャングルジムはどこにあるのかわからない。どうも立入禁止地区のよう。
 
よっぽど研究所の事務所に顔を出して声をかけようかと思ったものの、しょぼくれた気分で元気が出なかった。。。だいたい、なんと声をかけたらいいんだ? いきなり押しかけて見学させろ、と? 
 
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結局は、散策で終わってしまった。
 
 
その中で、こんなものを。
 
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花木園にシカが入らないようにした出入り口。なるほど狭くてV字に曲がっているから、シカは身体を触れてしまうので警戒して入らないわけね。まあ、人間にも狭いけど。。。
 
これで思い出したのは、奈良の大台ヶ原の散策道。
 
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出入り口部分にこれを設置すると、足が挟まりそうで警戒するみたい。
 
獣害避けの防護柵はいろいろあるが、集落など地域全体を柵で囲むには問題がある。何より人の出入りとの兼ね合いだろう。人間はすぐ扉を閉めるのを忘れるのだ。それに道路や川は完全に封鎖できない。
 
そのための仕掛けはいろいろ考案されているが、完全なものはまだないはずだ。
 
封鎖できない出入り口をいかに防護するか……。獣害対策の肝かもしれない。
 

2018/06/03

鹿溜まりのイチャツキ

久しぶりに見た、奈良公園の鹿溜まり

 
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先日、奈良公園でナラシカが30頭以上、密集している一角があった。
鹿溜まりと呼ばれているが、こうした密集陣形?は夏が多かった。涼しい一角にシカが集まってくるのだ。ときに100頭ぐらい。
 
まだ酷暑までにはならない今の季節に鹿溜まりができるのは珍しく感じるが、その鹿溜まりの周囲を観光客が取り囲むという独特の二重円ができた(笑)。
 
 
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その中でも目立つのは、この2頭。イチャツキが目に余る(^o^)。
 
 
北海道から帰って、私を待っていたのは「鹿と日本人」の再校ゲラであった。都合3日間を北海道で過ごしてゲラに目を通す時間が半減してしまった。今、焦って取り組んでいる。そんな時にブログ書くな、と思われるかもしれないが……(~_~;)。
 
ま、鹿溜まりの写真を眺めつつ、シカのゲラに目を通すのも悪くない、(いや悪いか?)と思う。
 
さらに明後日締め切り原稿も1本あった。
 
ああ(泣)。

2018/06/01

帯広はシカの街?

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北海道、帯広に来た。約4年ぶりだろうか。
そして帯広駅前には実物大シカの銅像があるのも以前と一緒。

だが、今回は新たな発見。
街角のベンチに座ったら……。

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なんと、足跡が。

この凝り性はなんなんだ。
もしかして帯広はシカの街?

地元の人に尋ねたが、シカの由来は知らなかった。もしかして地元の某実業家が寄贈したんじゃない?
とのことだった。


奈良から訪れた私としては気になる。奈良は生きたシカがうようよ?いるが、鉄?銅のシカもいいかも。
だって、食害も起こさないし。

もうすぐシカの本を出版するだけに、帯広のシカは無視できない存在なのである。

2018/05/16

奈良のシカ大暴走

ここ数日、全国的な奈良の話題が続々と発信されている。

 
まずは、纒向遺跡 卑弥呼の宮殿?と言われる大型建築物の跡が出土していたが、そこから発掘された桃のタネの年代測定が出て、3世紀前半と邪馬台国時代と一致したというニュース。いよいよ九州説を追い詰める(^o^)。
 
 
次は、宮滝遺跡 から、宮殿跡と思われる大型建築物跡の発見。
これまで日本書紀を始め、吉野に離宮に関する記述が多くあったが、具体的な場所を特定する証拠がなかった。宮滝だろうと言われていたが……。そこに、天皇しか使わなかったような建築跡が発掘されたのだ。これも考古学上の画期的な成果だ。
 
今上天皇が退任後は、吉野離宮に来てください、という声も(奈良には)あったが、肝心の場所がわからないのでは……と思われたが、これで決定(^o^)。
 
 
だが。だが、私がもっとも心に留めたのは、テレビ朝日の「モーニングショー」独占スクープだ。(ほかの局では報道されなかったと思う。)
 
 
奈良女子大付近で、約50頭の奈良のシカが暴走した、という映像付き。
 
これだ、これに優るニュースはない\(^o^)/。
 
番組内では、危険だとか異常ではないかとかいう発言もあったが、何、気にすることはない。シカの暴走に巻き込まれて死んだ奴はいない(と思う)。シカは基本的に人を避けて走るから、さほど気にしないでよい。むしろ、インスタ映えするシーンに出会ったと喜ぶべきだ。(元ネタが投稿されたのはツイッターだけど。) 
 
奈良のシカは、奈良公園だけに出没するのではなく、県庁や奈良女子大学にも毎日通勤・通学していることはよく知られた事実である(ホントカ)。たまたま、この日は50頭と少しばかり多くなってしまったようだが、そんなに驚くことではないだろう。
 
私がこのネタに喜んだのは、実は昨日出版社からゲラが届き、校正を始めたから。そのテーマは、奈良のシカの話である(^o^)。
 
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今夜は、この章から校正に取りかかる。ナラシカとは、奈良のシカの略称である。
 
6月中には出版予定。乞う、ご期待。
 
 

2018/04/25

Yahoo!ニュースに「ハンターは減りすぎたのか…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「ハンターは減りすぎたのか。獣害問題の統計に操作疑惑 」を執筆しました。 

 
 
正直に言います。これは、6月に出版予定の本の執筆で獣害について調べていく途中で判明した事実のリークです(笑)。
 
書籍で「衝撃の事実を突き止める!」と煽るのもよいが、その前に自身でもらしてしまうという、著者としてはあるまじき行為なのでした\(^o^)/。
 
 
ちなみにグリーンパワー2月号に、こんなグラフも載っていた。元自然環境研究センターの常田邦彦氏の記事だ。
 
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このグラフも、野生動物の生息数U字仮説を示している。
 
この記事にあるとおり,、すべての野生動物が増えているわけではなく、減少したまま、あるいは絶滅した動物だっているのはいうまでもない。

2018/04/20

仲良しナラシカ

週末ですね。

 
今日は仲のよいナラシカの写真を張っておきましょう。
 
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おっと、これは角つきあい……て、角は切られてないけれど。何も覗き込んでいる女性を取り合っているわけではありません。
 
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親子もいます。奈良公園で小鹿の公開が始まるのは6月かな。

2018/04/13

コスプレ奈良公園

今夜は金曜日。本当は裏ブログに記そうかと思っていたネタを、あえて表ブログに。

 
 
このところ奈良公園で目立つのは、ウェディングドレス姿である。男はタキシード。
なぜか、そんなカップルがうろうろしている。もっとも彼らの周りにはカメラを構えたフォトグラファーがいる。
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そう、奈良公園のロケーションで(おそらく)新婚さんの記念写真を撮っているのだ。芝生のど真ん中。公園内の池。森の中、鹿とともに……。
 
そんな恥ずかしいことをするのは、日本人じゃない……と思いたい(笑)。
 
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おそらく韓国か中国のカップルなんだろう。向こうには、新婚旅行先でそんな写真集をつくる風習があると聞くから。
 
それでなくても、奈良公園で今目立つのはコスプレだ。やたら着物姿の団体がぞろぞろ歩いていると思ったら、外国人。こちらは金髪碧眼もいる。日本人の方が少数派ではないか。
 
観光客に貸し出しコーナーがあるんだろう。ある意味、もっとも古都に合っているはずの衣装が、なんとなく恥ずかしい(-.-)。
 
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が、先日は新手を発見した。
なんと古代衣装であった。
 
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ああ、なんとなく天平人に見えるよ(笑)。もちろん来ているのは外国人だが、むしろ奈良時代には大仏開眼式などに多くの外国人が訪れていたというから、似合っているかもしれん。
 
考えてみれば、着物なんてずっと後世のものである。奈良時代はもちろん、平安時代だって着ていない。それを和風というのはいかがなものか。奈良公園でコスプレするなら、すべからく天平衣装が似つかわしい(⌒ー⌒)。
 
が、見てしまったのだ。おそるべきコスプレを。一瞬、カメラを向けたが、気後れして撮らなかったけど。。。
 
それは……セーラー服。若い女性がセーラー服を来ている。これが本物の女子高生・中学生なら何の問題もないのだが、すれ違い態に聞こえたのだよ。中国語が。
ああ、観光客が、コスプレするのに選んだのがセーラー服か。。。どこの店で貸し出しているんだろう。
 
 
あ、一応言い訳しておくけど、こんなコスプレ写真を撮りに奈良公園に行ったのではありません。
 
 
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横断歩道で、赤信号で立ち止まって待っているナラシカの写真を撮りにいったのだよ。
どこの横断歩道ならシカが渡るか、結構考えて場所をセッティング。しばし張り込みを行って、ついに撮れた。シカ1頭だけでも立ち止まっている。周りの人に付和雷同しているわけではないらしい。
もっとも、このナラシカは、撮影後じりじりと前へ出て車を止めてしまい、とうとう渡ってしまった。赤信号なのに。フライングである。

2018/04/07

動物の「可愛さ学」

たまたま東京の書店で見かけた雑誌。

 
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AERAか……と思いつつ、よく見ると、NyAERAになってる。。。(°o °;)。
 
ニェエラかよ。 丸ごとネコ特集の別冊だった。
 
 
ま、これだけではないのだが、今はネコブームなんだそうで、出版界もネコの本が続々と出ている。しかし、なんでネコなんだ。
 
もちろん、ネコが可愛くないとは言わない。いや、その仕種や性格が醸しだす「可愛さ」とは、人間の精神の何を刺激するのか、「可愛さ学」という学問研究ができないか、と考えたことがあるほどだ。
 
動物は、人間の区分の中に、はっきりと「可愛い」「可愛くない」に二分されるんじゃないか、という気がするのである。
ぺっとになるネコ、イヌは、可愛さ派の筆頭である。残念ながらネズミなどは嫌われる。が、ネズミの一種であるハムスターとかカピバラになると、一転「可愛い~」と言われる。ネコ科だって、ライオントラ、ヒョウはかっこよくはあるが、可愛いとは言いづらいし、何より怖さが先に立つ。
 
やはり人になつくとか、甘える仕種だろうか。変化自在の表情とかモフモフの毛の有り無しも影響するか。
 
 
話は変わるが、こちらは娘が飼っているウサギ
 
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ネザーランド種の小型でおとなしい。娘はウサギ派であった。。。ちなみに名前はモフちゃん。
が、ネコのような多様な表情はない。触っても大丈夫だが、抱き上げるのは嫌がる。モフモフの毛はあるけど。
 
そういや、人が「可愛い」というコアラも、実は無表情。動きも緩慢だし、いわゆる可愛い条件は少ない。にもかかわらず人気なのはなぜだ。
パンダは、ネコに近いだろうか。表情も仕種も多様でかわいらしい。だが、実は人間になつく性格ではないそうだ。だいたい巨体で力も強いから不用意に近づくと危険だ。
 
何が、人にとって「可愛い」という琴線に触れるのか。これを学問的に証明できないものかと思う。たとえば家畜になるウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなどは、どのように分類できるか。
ウシだって可愛いと言えば可愛いが、デカいと可愛いと簡単にいいづらい。ヤギは可愛い。ヒツジも一見可愛いが、ヤギほど表情はないし、動きも緩慢。
ブタは……子ブタは別として、なかなか可愛いと言わない。
 
 
なお、シカも「可愛い」に入ると思うが、実は無表情で人に馴れるようでいて、実はなつかない。奈良のシカが典型だ。
 
たまにイノシシ獣害対策の箱罠にシカが入ることがあるが、どうも始末せず放すケースが多いようだ。イノシシと同じかそれ以上の獣害の主なんだが、イノシシは殺せるがシカは殺せないという人も多いのである。その差は、「可愛さ」ではないか。
 
 
可愛さ学。誰か極めてみないか。
 
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森と林業と田舎