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森と林業と田舎の本

2021/01/17

シカカモカモシカカモ。。。

こんな記事があった。三重県の菰野町はカモシカの棲息地として売り出し中らしいが、カモシカをシカの仲間と思っている人が多いことから、
誰が、鹿や。」というポスターをつくったらオオウケらしい。
カモシカ=牛の仲間だったんだ… 「誰が鹿や」菰野町ポスターが話題

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しかシカとつくが、ウシ科の動物だね。考えたら、今年は丑年だから、こんな話題が記事になったのかも

私も学生時代にニホンカモシカの生態観察をしようと冬山に乗り込んで1週間ほど張り込んだが、見られたのは一度だけ、という経験があるので懐かしい。ただ、今では見るのにそんなに苦労しないだろう。あきらかに数は増えている。

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この写真、某林業家(の奥さん)から提供された写真。岐阜県の下呂地方の山らしい。ここまで大きくしっかり撮れるのだから、かなり近づけたのだろう。カモシカは、もともと何か異変があると、すぐに逃げずに立ち止まって確認する癖があるのだが、カメラチャンスにもってこいだ。

実は私が調査しようと思ったのも、もともと当時はカモシカの林業被害が多かったからだ。とくに岐阜の付知地方で問題になった。
私が張り込んだのは静岡県の中川根で、ここも増えているはずだった。しかし、簡単には目撃できないほどの生息数だったのだろう。今はその頃より増えているのは間違いないので、もっと獣害が発生してもよいものなんだが……。当時は植林したヒノキ苗を食われてしまう害が多かったが、現在は植林そのものが行われていないから目立たないのかもしれない。しかも、あまり農地の作物を狙って里まで出てくることはないようだ。その点はシカと違うかも。シカより用心深いのだろう。その上シカがあまりに増えすぎて、それに圧されている面もある。

だが、生息している限りは、何か植物を餌にしているわけで、それなりに植生を圧迫しているはず。今は何でもシカのせいにされるから目立たないだけかも。シカたがない(^^;)。

ちなみに食痕とか足跡、そして糞などはシカと似ているから区別しづらい。シカとカモシカの糞を区別できたら動物生態調査は一人前だ(笑)。

 

 

2021/01/15

トレイルカメラが身近に

野外にセットして、動くものを児童で撮影するトレイルカメラ。

かつて野生動物の行動を研究するのに究極のアイテム扱いで、これをアチコチに仕掛けたいなあ、でも高いしなあ……と思わせる代物だった。

それが、あっさりホームセンターで売っていた (@_@)。

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電池式で6カ月スタンバイしてくれるという。しかも赤外線で暗闇でも写る。防水・防塵なのはいうまでもない。なかなかの優れものだ。これが1万円足らずで手に入るのだから……。

一応、防犯用やゴミの不法投棄監視などが目的と書かれているが、こうした品が身近に出回るようになったのは、やはり農地や庭などが動物に荒らされることが頻発するようになったからではないか。これで荒らす正体を調べるためだ。イノシシが多いだろうが、シカやアライグマ、タヌキ、ハクビシンなども写っているかも。クマが写ったら怖すぎる。

それだけ獣害が身近になったということかね。

 

2021/01/13

木が白く染まる被害の正体

『獣害列島』を出版したからというわけではないが(いや、したからかも)、身近なところでも獣害が目によく止まるようになった。

これは奈良市のややこしいところ(道が入り組んでどこに向っているのかわからんようになりそうなところ。)を走っていて、目に止まった池の写真。

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池は、昨日の寒波で薄らと凍っているのだが、岸辺の木々がやたら白く染まっている。一瞬、何か白い薬剤でも撒いたのかと思ってしまった。あるいはペンキを空から散布したとか……。

すぐ気づいた。これって、鳥害だ。鳥の糞が木々にかかって白く見えるのだ。そして木は枯れていく。犯人、いや犯鳥はカワウだろう。よくよく見れば枝の先の方に群で留まっている。

ちょっと逆光なので池の反対側に走る。これがまた路地のような道だったのだが……。距離は遠くなったが、よりわかる。

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アップしたのも載せよう。

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この鳥の糞害というのも馬鹿にならない。木をどんどん枯らすし、いくら追い払ってももどってくる。仮に追い払えても、その句・群は別の山に移るだけで、そこの木々を枯らす。手の打ちようがないのだ。少々殺しても平気だというからカワウの駆除やもちろん防護や予防は簡単ではない。この岸辺の木もそのうち枯れるだろうなあ。

『獣害列島』では主に哺乳類に絞ったので鳥の害についてはほとんど触れなかったが、実はカラスやカワウといった鳥害も大きい。鳥インフルエンザの人間感染のように、潜在的にはコロナ禍より恐ろしいと言われる感染症の恐怖もある。

いつか鳥害を扱ってみたい……いや、止めておこう、鳥は誰かほかの人に頼むよ。私は、鳥は苦手だ(^^;)。

 

 

2021/01/12

箱わなに獲物がかかったとしても……

生駒山に仕掛けられた箱わなを見た。イノシシ用だろう。場所は、正確には県境を超えて、大阪府に入ったところだ。すぐ近くに建設資材置き場があるなど、わりと賑やかな場所なんだが、それはイノシシ的には気にしないのだろうか。

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餌は、ぬかとサツマイモのようだ。箱わな前と、入り口と、奥。3ヶ所に餌が置かれ、一番奥間で入ったら扉が落ちる仕掛けだろうか。
これが箱わなの仕掛け方として定石、なのかどうかは知らない。果たしてかかる個体がいるかどうか。

いつも思うのだが、仮にかかったとして、それを仕留めるのは誰が行うのだろう。素人には難しい。一番ポピュラーなのは槍で刺すことだそうだが、これは担当者の度胸も技術もいる。一発で心臓を刺せるのか。檻の中でも暴れるだろうし。急所を刺せずに血を流しながら暴れられたらきついだろうな。。。
次にを使う手があるが、これは猟銃を持ち資格も必要だ。大阪にも猟友会はあるにしても、わざわざ現場に来てもらわないといけない。銃だって当たり損なうとすぐには死なない。
最近は電気止め刺し槍もあるらしい。イノシシにバッテリーから電気ショックで命を絶つものだ。これだってアースが必要だし、漏電や自身の感電が怖いから慎重にしなければなるまい。ただ槍を突き刺したり銃で撃つより、心理的抵抗は少ないらしい。(でも、肉は食べられなくなると聞いたが、いかがなものか。)

そして死んだと思って箱わなから出したら、目覚めたりするケースもあるそうでヒッ (゚o゚;) 。

駆除と一口に言うけど、やっぱり大変だよ。。。

 

2021/01/11

「クマにどんぐり」論争に一石投げ入れた?

本日、ZAKZAKに「困ったクマにドングリで大論争 「ビーガン」団体の活動に生態系破壊懸念の声」という記事がアップされた。

これは1月8日の夕刊フジに掲載されたものの転載だが、日本ヴィーガン協会が行った「クマにどんぐり」を運ぶ運動のためのクラウドファンディングに寄付が殺到したことを元にした記事で、私がコメントしている。

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私を(電話)取材した記者は、とくに生態学に詳しいわけでも、その前の日本熊森協会の運動についても知らなかったが、直感的に「ヘンじゃね?」と思って取材を始め、クマの都会出没にコメントしていた私のところに連絡してきたというわけだ。そこで私が20年も前から問題になっている熊森協会の問題と歴史を含めて解説したわけである。で、クマの餌になるように人がドングリを運ぶことの問題点を総ざらえ的に説明した。

思えば、この問題の記事はいくつもある。そもそも私も、本ブログで昨年12月26日に「どんぐり騒動」として記している。

その前には J-CASTニュースで「クマのために「山にドングリを」 論争呼ぶクラウドファンディング」もあった。こちらでは両論併記というか、環境省の逃げ腰が目立つ。

そして共同通信の「クマ対策、各地で模索続く ドングリ集め給餌、植栽も」という記事を昨年のうちに流していた。ここでは出没するクマ対策の一つとして、どちらかというと好感を持って伝えている。だが、それに反論というか問題を指摘する声が高まったのだろう、年が明けて再び配信した。

クマ対策、山にドングリをまくのは大丈夫? 専門家、生態系への影響を危惧」。(1月8日)

こちらは懐疑的というかどんぐり撒いちゃダメという論調だ。ただ後半はふるさと納税でどんぐりのなる木を植えることを“好感”を持って伝えているから、記者はわかっていないのかな?

ともあれ、なかなかの賑わいだ(笑)。いや他人事ではいけませんね。私も一石を投げ入れた一人だし。正直なところ、別にどんぐり運んでも、生態系に与える影響はさして大きくないと思っている。運んで何百キロかのどんぐりの大半は鳥や虫やネズミ、せいぜいイノシシが食べるだけで、クマの口にはほとんど届かないだろう。そして残ったどんぐりも芽吹くことは少ないし、自然の中に飲み込まれていく。ただ、無駄なことやっているとしか思わない。

実は、ほかにも取り上げたいというメディアはあるのだが、どうせなら本丸の熊森協会を取材してほしい。彼らの資金源を洗えば面白いよ、と伝えているのだが。すると腰が重くなる……。

私自身も、以前も書いた通り、この問題は面倒くさい。。。むしろ興味を持っているのは「なぜ、クマなの?」ということや、「なぜ、ネコは可愛がられて駆除されないの?」なのだ。
カワイイという感情の正体を追いかけたいのだが……世間はカワイイとカワイソウの二つの感情で動いているというのが私の持論。ただカワイイはカワイソウと語源が同じなんだよなあ。不憫だという同情と好ましい・美しいという感性の関係も気になる。でも、これは心理学の世界になるし、世間を敵に回す(怖)からなあ。結論は、どう考えても
「ノネコを、どんどん駆除しろ」になるからだ(⌒ー⌒)。

ネコやクマがカワイイなら、農作物食って駆除されるシカやイノシシもカワイイし、ネコに食われる鳥の命はどう思うんだ、というだけである。

2021/01/10

林業の獣害は止まらないことの証明

たまたま見つけた、農水省のサイトにあった平成30年度農作物鳥獣被害防止対策研修。

どうやら各地から鳥獣害に取り組んでいる行政マン(農水省、環境省、各地の県、市町村自治体)、それに民間会社も含めた研究発表会のようなもののようだが、その中で気に入ったのは「個体数管理の落とし穴」だ。山梨県総合農業研究センターの本田剛氏によるものだ。

その主題の一つは、近頃流行りのシャープシューティング(野生動物を餌付けして、人に馴らして集まるようにしてから仕留める狩猟の仕方)に対する批判というか疑義。最終的に殺すつもりでも、餌付けして人に馴れさせたら仕留めるまでにも農地に出て被害を出すでしょ。私も、人に馴らしてから殺すなんて、動物に対する尊厳が感じられないと思ってしまうが……。

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むしろ注目したのは、「単純に個体数を半減すれば被害も半減すると考えるのは浅はか  個体数 ≠ 被害量」という言葉。

つまり駆除だけでは効果は期待薄、ということだ。同意する。とにかく捕獲、駆除数に頼って獣害を減らそうとするのは無理だ。かつて獣害対策会社に取材した際、「網や柵を張るのに力入れるより、どんどん駆除すればいいんだ」といった言葉を聞いて幻滅したことがある。一応、専門家がこんなことをいうのだから……。上記のように個体数を半減させても被害は半減どころかたいして減らない。やるなら絶滅に追い込むぐらいに駆除しまくるのならわかるが。

ただ私が考え込んだのは、「林業被害を減らすために、山奥でシカを殺す」ことは問題があるという点だ。

山奥での捕殺を続けるとどうなるかというと、シカを始めとする動物はむしろ里に出てくるようになる。というのだ。そして

• 農業被害増える.
• シカやイノシシの交通事故増える.
• サル,イノシシ,クマの人身事故増える
• 山奥での捕殺は,森林から出てこない「慎重な」個体を殺す
• これを続けると「大胆な」個体が増える.

というわけ。そして取るべき手段として上げるのは……

効率的な捕獲とは?
人を見ただけで山奥に逃げてしまう動物を作ること

れを裏読みすると、シカなど加害獣は山奥に閉じ込める⇒林業被害は防げない。ということになる。里に出てくる個体を駆除することは農業被害を抑えることになるが、森から出てこない個体は残る。それらは林業被害をもたらす……ということにならないか。

それを防ぐ決定打はない。あえて言えば里に近づく個体をどんどん捕獲したり追い払うから人を恐れる個体が多くなるだろう。そこで林業地に常に人の気配を広げること、だろうか。

これは厳しいねえ。林業地(造林地だけでなく、皮剥を防ぐためには高樹齢林も含む)に人が常に入る状況をつくるのは無理だ。数か月、いや数年間も人が通わない林地だって珍しくないのに。人の臭いのするものをばらまく……というのも効果は長続きしない。
そして柵も滅多にメンテナンスしないから、どこかに穴が開いたり開けられて侵入される。

さて、どうする?

 

2020/12/26

どんぐり騒動

一部で騒がれているのが、「どんぐりすてーしょん」のクラウドファンディングである。

クマ(この場合はツキノワグマ)が飢えている、彼らにドングリを! という運動が始まり、ドングリと金を集めているのである。そのためのクラファンも行われて、目標20万円に対して100万円以上集まったとか。どんぐりも数百キロ集めたよう。それを山に運んだという。

NHKでも紹介されたことが大きいのか。主催は日本ヴィーガン協会。ヴィーガンとはベジタリアンの一種と思えばよいが、食生活とクマがなぜ結びついたのか。

詳しくはこちらを。

なお集金は終わっている。

またぞろ、これか。。。と徒労感に包まれる。昔からやっていたのは日本熊森協会だが、そことヴィーガン協会の会長が結びついたらしい。彼らの行為には批判が昔からあるのだが、聞く耳持たない連中なので、絶対やめませんなあ。基本の主張は、クマは絶滅寸前! 飢えているから人里に出てくる! の一点張りなのである。彼らに『獣害列島』を読んでほしいが、読んだら怒髪天をつくかもしれない(笑)。

どうも彼らに対しては、学者も及び腰のようで、目立った批判は出さない。マスコミなどにもドングリを山に運んでも効果は「よくわからない」と逃げ腰のコメントで終わりがちだ。一方で、ネットなどではアマチュア?を中心に批判が行われる構図か。

で、私もアマチュアなので(⌒ー⌒)、先日某メディアにこの問題に対してコメントを求められたから、きっちり批判しておいた。どう載るかわからないが、新春号らしい。

このブログでは、この問題そのものには深入りしないつもりだが、私が昔から持っている疑問は、「なぜクマなの?」である。シカやイノシシは増えていることを認めて、駆除されても文句をつけないのに、なぜクマなのか。彼らは野生のクマに対峙したことがあるのか。
クマは、彼らにとってネコと同じなのかもしれない。理屈抜きで「カワイイ」もん。。。とか(笑)。理論よりイメージの中の動物になっているのではないだろうか。

そしてもう一つの疑問は、同調者が多いというか、ドングリだけでなく寄付金がよく集まる。たいていの動物保護団体は、運営資金集めに四苦八苦している中で、熊森協会は山を何百ヘクタールか購入しているほど、潤沢な資金を持っているようだ。そして芸能人や金満家の参加も多いと聞く。まあ、実際の運営や経理状況は「よくわからない」。

私は、以前取材を申し込んだことがあるが、拒否された。その後も折に触れて批判をしているから、いよいよ受け付けられないだろう。まあ、私もこんな連中を取材しても楽しくなく徒労だと思うから敬遠しているけどね。

2020/12/18

ノネコ騒動から「カワイイ」正体を考える

SNSでは、よくネコやイヌの動画を流している。私も、つい見てしまう。1行程度のコピーに騙されて……もういいよ、いつも同じだよ、と思いつつ、見てしまう(泣)。そして一つ見たら、次から次へと現れる。連動広告というヤツか。もういいって。ヤメロ~!(と言いつつ見る。)

とまあ、辟易しているのだが、そのSNSでノネコを巡って騒がしいと思ったら、環境省の奄美群島ノネコ捕獲作戦のことだった。それに予算が増額されて(たかだか1億円程度)3000頭の捕獲を計画しているとかで騒いでいる。そこに衆議院議員が口をはさんで余計に火がついた……という構図。ああ、維新の会か。。。。

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環境省も、ちゃんと解説したりしているのだが……希少種とノネコ・ノラネコ

そんなていねいな説明を一切気にしないのが、ネコに心を奪われた連中(笑)。ここに知性は見られない。ネコを殺すな、の一点張り。

シカやイノシシは大量に捕獲殺処分されているし、ネコがアマミノクロウサギやオオミズナギドリを獲って食べている(殺している)ことにはまったく言及しない。いや、アマミノクロウサギが減ったのはマングースのせいだ、マングースを退治しろという主張もある。ネコさえ助かればほかの動物のことなんかシッタコトジャネエ、ということか。
クマの場合は、「殺すな」と「危険だから殺せ」と意見がほぼ真っ二つに分かれるのだが、ネコになると「殺すな」が99%になるのはなぜか。

動物は野生と家畜とペット……だいたいこの3つに分かれるが(ほかに展示動物とか実験動物など)、なぜ野生動物が家畜になったのか。さらに愛玩動物(ペット)が登場するのか。結構、昔から考えているのだが、ペットはもっとも不可解な存在だ。

その点を『獣害列島』の末尾で論じたのだが、そこには「カワイイ」という感情が横たわる。これが曲者で、何をもってカワイイのか定義づけるのが難しい。詳しくは読んでもらいたいが、ローレンツの「ベビースキーマ」理論とかを取り上げたものの、思索はまだ続いている。残念ながら結論は出ていない。「カワイイ」と「萌え」の関係とか、キャラクターに対する「カワイイ」感情と共通点はあるのかどうか。
この点を詰めないと、頭空っぽの反知性的「ネコを殺すな」連中に対抗できないのではないか。。。

で、こんな本も読み始めた。

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この本についてはまた改めて。ただ、ひっくり返して考えた。異種にカワイイという感情が芽生えたから、人間は人間になった……カワイイという感情こそ、動物と人間の境界線にある。

もっとも、現在は乱用気味だろう。ネコだけを殺すな、という声もその一つだろう。いつか「カワイイ動物」から一大論考を展開してみたい。

 

2020/12/11

侮るなかれ、ネコの捕食力

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この写真、よくわからないかもしれないが、近くの山の中にあった鳥の羽根。その散らばり具合から襲われたのだろう。実は一カ所ではなく、ほかにも何カ所かあった。つまり、この山(というより丘)では鳥がよく襲われているらしい。そして、その“犯行”を誰がやったかと言えば……鳥を襲えるような敏捷な動物は、おそらくネコであろう。タヌキ、イタチなども候補に挙げられるが、ちょっと弱い。事実、この近辺にノラネコは多いのである。

山の中で、ネコに出会うことがある。捨てネコからノラネコになりつつある。そのうちノネコとなって野生化する可能性もあるだろう。

これは、また別のところで見かけたネコ。

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拙著『獣害列島でも、イヌ、ネコ、とくにネコの野生化について論じたが、そのために調べているうち「ノネコ問題」に話を絞っても面白いかなあ、と思うほどだった。実に奥が深い。

ネコ科は最強の肉食動物と言われていて、なかでもネコは小型ながら自然界におよぼす影響は大きい。環境に害を与える「世界の侵略的外来種」にネコは認定されているのだ。それなのに人間からは「可愛い」ということで保護されてしまう。駆除に対しても風当たりが強いのだが、少なくてもノラネコ・ノネコ(野生化ネコ)問題はもっと真剣に考える必要はある。

というようなことを考えていたら、森林総研や東大、そして山科鳥類研などによるこんな研究が出ていた。

準絶滅危惧種オオミズナギドリの大規模繁殖地が危機に ―伊豆諸島御蔵島のノネコによる捕食の実態が明らかに―

伊豆諸島の御蔵島でこんなことが起きていたのか。小笠原諸島や奄美群島のノネコ問題は、これまでも多少紹介されていたが、御蔵島はもっと小さな島だから影響は大きいだろう。175万~350万羽もいたとされるオオミズナギドリが、10万羽程度まで減ったというのは大変なことだ。
ノネコ1匹が、平均313羽(年間)捕食しているという推定はすごい。ノネコの推定生息数は書かれていないが、最低でも数百匹はいるんだろうな。

ノネコの狩猟本能は強く、また餌として食べる量からして自然界に与える力は強い。小笠原諸島でアカガシラカラスバト、奄美ではアマミノクロウサギやアマミトゲネズミ、ケナガネズミ……など絶滅危惧種を襲って食べ、生息を圧迫している。世界的にもネコのために絶滅に追い込まれる動物は少なくないのだ。

とはいえ、ノネコ駆除を言い出すと、また反対する連中がわんさかいるんだろう。小笠原諸島からは1000頭以上が捕獲されたが、それらは殺処分せずに東京都獣医師会が引き取って里親探しをしている。東京の人口が多いからできることだが、それでも十分な引き取り手がみつかるわけではないらしい。場合によっては獣医師の手元で飼い殺しになる。これほと捕獲しても小笠原諸島のノネコはいなくならない。捕まらないネコが今も増殖しているのだ。それなのに、御蔵島のノネコまで引き取れないだろう。

本州のような大きな島となると、ネコが鳥獣に与える影響を調べるのは難しいだろうが、決して軽微とは言えない。しっかり研究をする必要があるだろう。

2020/12/10

柵の中のナラシカ

ときどき奈良公園を訪ねる。今年は海外客がほとんどいず、ほどよい感じでゆっくりできる。これが奈良の良さだよ……と言いたくなる。

で、ナラシカも元気だ。鹿せんべいをくれる観光客が少なくたって、焦らないでいい。なんでも食べて生きていくのだ。

そして、こんな光景も見られる。

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ん? 何か……おかしい。どうした、ナラシカ。

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おい、樹木を守るためのネットの中にすっぽり入っているではないか。別にナラシカを閉じ込めたわけではないぞ。自分から入ったのだろうが……ネットの中の芝生は、ほかのシカに食べられていないから草の量が多いのか。しかし……。

こんな光景は、山の植林地に行けば、フツーに見られるけどね。。。

 

 

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