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森と林業と動物の本

2026/03/25

日本最古のネコとイヌ

昨日、Yahoo!ニュースにコメントをつけた。

約1400年前の土器にくっきり残る肉球…国内最古のネコの足跡の可能性 土器乾かす横をウロウロ?

“1400年前の古墳から見つかった土器にくっきりと残る肉球。当時、日本にいなかったはずのネコの足跡ではないかと話題になっています。
かわいらしい肉球型のくぼみ。これは、2007年に姫路市内の古墳から出土した須恵器と呼ばれる土器です。その後の調査で、大きさや爪の跡がないことなどから、ネコの足跡である可能性が高いことが分かりました。
日本では、ネコは平安時代初期の文献に初めて登場しますが、 この須恵器は、さらに200年ほど前のもので、ネコがより古くから身近な存在だったことをうかがわせます。”

コメントは、以下のよう。

「日本最古のイエネコの骨は、長崎県壱岐島にある弥生時代中期のカラカミ遺跡からの出土である。おそらく3世紀のものだから、この土器に残る足跡(7~8世紀か)より遙かに古い。イエネコの骨の出土例は、それまで13世紀のものが最古だった。壱岐は朝鮮半島から日本列島への渡来ルートにあるから、早くから渡来人とともにネコが渡ってきたのだろう。また同じ壱岐の原の辻遺跡では、イヌの骨も多く出土している。こちらは解体して食していた可能性がある。」

ようするに、元記事を否定した(笑)。姫路で発見された土器の足跡を日本最古としてはイカン。しかも、この土器の発見は2007年である。今頃、ニュースにすることではない。まあ、市の重要文化財に指定したからなんだろうが。

というわけで、改めて日本に渡来したネコとイヌについて紹介したい。というのも、私もこの動物の渡来に興味があるからだ。

そして見に行ってきたのが、壱岐の一支博物館だ。ちゃんと骨が展示されている。

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これがネコの骨。弥生時代の中後期というから、どう見ても今から1700年くらい前。こちらが最古である。果たして、愛玩動物だったのか、家畜だったのか。

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こちらはイヌの骨。ただし解体された痕があるので、食肉扱いだったのではないか、という説もある。

このイヌが日本犬の元祖に近いのかどうかはわからない。もしかしてニホンオオカミに近いのかもしれない。ニホンオオカミは、タイリクオオカミより柴犬に近いとDNAから読み解かれている。

壱岐は、朝鮮半島や中国大陸から倭国への航路に当たり、日本古代史に大きな役割を果たしている。古墳時代まで栄えた一支国があったのだ。古墳も多い。大和王権とも関係が深かったのだろう。壱岐にイヌやネコが渡来しても、日本本土に来たかどうかわからん……といったいちゃもんはつけないように。

ちなみに、本日は、この記事にコメントをつけた。

木桶仕込みの発酵文化を次世代につなぐ 香川県・小豆島でサミット

木桶サミット。今年もやってます。先年、取材として参加するつもりだったが、直前に高価なカメラを壊したので、意気消沈して取りやめたことがある(-_-;)。

 

 

2026/03/10

里道で見かけた獣害対策

奈良盆地には矢田丘陵があり、里山風景が広がっているのだが、そこを散歩中に通った道。

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やたら道と雑木林の間に金柵があるので、よほどイノシシなどが出るんだろうな、と思っていたら、こんな路面に遭遇。これは害獣が、足を踏み入れるとひずめが穴に落ちるから怖がり、侵入を躊躇させるための仕掛けだろう。それでいて自動車は通れる。

奥山で鹿害対策用に見かけたことがあるが、イノシシにも有効なのか。(矢田丘陵にシカはいないはず。……知らんけど)

里山に設置しているのは珍しいだろうが、なかなか物々しくてよい。実はここ、大和郡山市と奈良市の境くらいで、近くにイオンタウンも道の駅もあり、新興住宅街が広がり、ついでに富雄円山古墳もあり、比較的賑やかなところである(^^;)。

ただし、よく見てほしいが、右手の柵は、仕掛けの途中で途切れている (@_@)。まあ、これでも害獣の侵入は難しいかもしれないが、イマイチ手抜きだな。土地所有者の意向もあるのかもしれないが、効果半減かもしれないよ。

2026/01/14

高市首相とクマの生息数

高市首相、本気で解散総選挙をするつもりのようだ。

おそらく自民党はそこそこ議席を伸ばし勝つだろう。若者の支持率は非常に高いし、公明党もまだ野党化していず一部は従来の候補者を支持する。維新は負けても下駄の雪だ。立憲民主党に勝ち目はないだろう。

選挙の勝敗を決めるのは、組織ではない。感情であり気になるかどうか。それぞれの政党にいかなるイメージを持っているか、リーダーの注目度にかかっている。もっとも高市氏本人以外の自民党のほかの議員はわかっていなさそう。だから、伸び悩むかもしれないが……。

国民民主党、参政党はどうか。おそらく伸びると思う。とくに参政党の支持者は、既成政党に幻滅している人たちが支持層で、組織も関係ない。それでいて、地域活動に熱心で、地ならしを進めている。いくら主張の似ている高市首相でも、自民党にもどらない。

でも、感情選挙というのは今だけ刹那主義でもある。先のことは考えない。目の前の好き嫌いで決める。いや好きでなくても面白さで決める。芸人と同じだ。

選挙報道のおかげで、株式は乱高下しつつどんどん上がる。そして急激な円安と長期金利高が進む。こちらの方が先を読んで動いている。
いずれも物価高を呼び込む材料ばかり。貯金もなく、借金・ローンのある貧乏人は困るだろう。逆に貯金や投資が多い人はウハウハ喜ぶ。私のような富豪はバンザイなのである(⌒ー⌒)。

円安は怖い。国の安売りだ。日本の輸出依存度は2023年で162か国中126位。その裏返しで海外株式と通貨や金が上がる。つまり、それらに投資している私のような富豪はバンザイなのである。

若者の多くは貧乏だろうが、高市首相を応援する。私のような富豪は、本音は高市首相を馬鹿にしつつ、儲かっているからほくそ笑んでいる。物価高って、ようするに貧乏人から金を毟り取って、金持ちに渡すという構造だね。これっていい構図だ(私のような富豪には)。
でも若者に貧乏人は、生活が苦しくなれば政治を恨んで批判するのではなく、より強そうな指導者をすがりつく。高市政権は大磐石であろう。

さて、戯れ言を書いてしまったが、先を読む、裏を読むということは重要だな、と思った次第。

たまたまクマの出没に関して検索していたら、ヒットしたのが、このブログ記事。

2012/01/26ツキノワグマの生息数が激増?

おお、14年前にクマが増えていることを指摘しているのか。立派。そう思って開くと……。

なんだ、私が書いたんじゃないか!! (´Д`) 

昨年2011年の長野県内のツキノワグマの推定生息数は、3624頭。この数は、10年前の8割増だという。2001年は1913頭だったのが、06年が2771頭になり、とうとう3000頭を超えたわけだ。

言い換えると、14年前からクマは増えていることは、研究現場では指摘されていたということだ。10年で8割増。いや、2020年の調査では7270頭になっているから、さらに2倍だ。現在は、もっと多いかもしれない。

昨年のクマの捕獲頭数は、1万頭を超えている。25年11月末時点で過去最多の1万2659頭である。12月分を加えたら、1万3000頭を超えるかもしれない。冬眠するはずなのに、今も出没を繰り返しているからだ。とくに子グマが多い。全国の生息数は、おそらく7~8万頭、いや10万頭になっているのではないか。
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私のパソコン内に収蔵されている写真の中からクマを探したら、こんなものしか見つからなかった……。かぶりものとぬいぐるみである。こちらの方がカワイイね。

2025/11/27

「ノネコ撲滅」本はどう?

昨日は「クマ本を書くつもりはない」と記したが……。そこへ、こんなニュース。

ニュージーランド、2050年までにノネコ根絶へ 生物多様性保護目指す 

CNNニュースの報道だが、
ニュージーランドは生物多様性を守る取り組みの一環として、2050年までにノネコの根絶を目指す計画を発表した。

タマ・ポタカ自然保全相は20日、ラジオ・ニュージーランドの番組の中で、ノネコを「冷徹な殺し屋」と形容。鳥類やコウモリ、トカゲ、昆虫などの種を脅かす捕食動物の根絶を目的とした「プレデターフリー2050」の対象にノネコを加えると発表した。

ネコこそ危険な外来種、生物多様性の敵! というわけだ。

記事には、具体的につぎのようなケースを上げる。

「ノネコは農場から森林に至るまでニュージーランド全土で見かけるようになり、在来種の鳥類やコウモリ、トカゲ、昆虫を脅かしている」

北島の町オハクネの近郊では1週間で100匹以上のツギホコウモリがノネコに殺された。スチュアート島のニュージーランドチドリが絶滅寸前の状態に追い込まれたのもノネコが一因だった。

「ノネコはまた、イルカを害して人間に影響を与え、農場に家畜損失の損害を与えるトキソプラズマを拡散させる」

これは注目すべきだ。ノネコが在来の生態系に与えている悪影響を考えれば、こうした政策をもっと早く取るべきだった。
何も南太平洋の孤島で特殊な生態系のあるニュージーランドだからではない。同じことはオーストラリアや北米でも言われてきた。日本でも、小笠原諸島に奄美群島、そして伊豆諸島の御蔵島……。各離島では、ノネコの増殖が重大な生態系破壊を生み出している。とくに鳥類被害は大きいし、爬虫類や両生類もかなり食っているはずだ。

これにスポットを当てたら本が書けるかもしれない。。。。。。ノネコ撲滅作戦!

とまあ、そう表明すれば感情的な批判が飛び交うのは間違いあるまい(⌒ー⌒)。

以前調べたこともあるのだが、日本では明確にノネコによる環境悪影響や駆除に関する研究をしている人はなかった。むしろネコはなぜ可愛いのか、という研究を進める人はいる。

かろうじて上記の離島などの個別ケースで駆除をしてきた、する必要があるとするだけだ。ただし正確にはノネコの完全駆除ではなく、生体捕獲して飼い主探しをするなど、えらく手間のかかる方法を取っている。さもないと世間の反応が怖いから。ネコ様に遠慮してしまっているのだね。

ちなみに、ここで駆除を主張するのは「ノネコ」である。ペットのネコではない。街に棲むノラネコでもない。生まれたときから野生であるネコが問題なのだ。だけど、ネコの奴隷に成り下がった人々は、ノネコとノラネコ、そして飼いネコの区別もつかず、頭に血を上らせて反対するのであろう。

この点は、クマも当初似た展開だった。ただその後クマによる人身被害が相次いだから、駆除やむなしの声が8割を超えたが、ノネコ駆除に賛成するのは1割いるかなあ。ノネコが人を襲いかかるようになれば、気持ちが変わるかな。

これ、取材も執筆も大変だけど、出版元を探すのも大変。出版したら抗議に対応するのも大変。めんどくさそうだなあ。

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生駒山にもノネコがいっぱいいるんだよ。

2025/11/26

クマブーム?

今年はクマ出没が多かった(現在進行形)が、それに合わせたクマブームが起きているよう。

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書店の店頭平積み台には、クマ本コーナーがつくられていた。よく集めたね(^o^)。ここにあるのは新しいものが中心なので、古いクマ本もあるよ。

ちなみに私にも「クマブーム」が。私が執筆するのに加えて、記事のコメント依頼が多いのだ。講演まであった。

私は「頼まれるとイヤと言えない性分」なので(^^;)、一応全部お応えするのだが、その際に必ずいうことは、「私はクマの研究家ではないし、クマに特別詳しいわけでもない。ただクマの情報を収集して、それらの内容を分析しつつ、合理的な説明をできるようにしているだけ」ということだ。「それでもいいか?」と聞くと、それでいいというのだもの。依頼者は、そろそろ単に「クマを見た、クマに襲われた」といった証言を求めるところを脱して、クマの出没多発の全体像を説明する人材を求めているのだろう。

私がクマと直接関わったのは、学生時代に「クマの冬眠穴調査」を手がけたことぐらいだ。ハンターの案内で、山の中を歩き回ってクマの冬眠穴を調べるのだが、春先ですでに冬眠は開けているはずだったと思うが、もし中にいたら……と思いつつ岩穴や樹洞を覗き込み、大きさなどを計測していた。木に登って樹洞を覗くときには「足が震えているぞ」とハンターにからかわれたのを覚えている。

ほかは、各地の農山村や森林を歩く中でクマの痕跡を発見したり、クマを見かけたぐらい。

だから、依頼に応えるためにクマの本や論文を探して随分読んだし、日夜クマ出没のニュースを探して集めている。

そこでわかってきたことは、無茶な思い込み(クマは飢えているから仕方なく人里に出てくる、クマは本来臆病な動物なので、人を襲うのはよほどのこと……)は排したうえで、多様な生態を持っていること。そして、どんどん変化していること。昔のクマの行動生態調査の結果は通じなくなってきて、今風のクマが増えている。クマ対策に正解はないこと。クマの本が多数出るのは悪くないと思うが、誰が読むのか。

あまり続くと飽きてくる私。シカやイノシシの本は出版したが、クマの本を執筆することはなさそうだ。

そろそろクマブームから脱しなけばなるまい。次は何が起きるだろうか。

 

2025/11/07

生駒山にもクマ出没?

加熱するクマ出没問題。私のコメントも過激化しがちなのだが……(^^;)。

なんと生駒市にもクマの目撃情報が出た。といっても、まだ未確認なのだが、北部の高山地域で見たとのことだ。

確認されたものとしては、隣接する京都府精華町がある。

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場所は、精華町の自衛隊基地と住宅地の光台だという。

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下部の新興住宅街が光台。その上の緑地が自衛隊基地。弾薬庫があるらしいが……。いずれにしても、地図を見ればわかるが、生駒山系の北端で生駒市の高山地区と隣り合っている。

ただ、若干疑問なのは、生駒山系は孤立していることだ。周りを住宅地などに囲まれており、とくにクマがいると思われる東部の京都・滋賀・奈良の県境に連なる山々からは木津川を挟んでいる。

クマが木津川をわたるか? しかも目撃されたのは小さいという。幼獣だけでは無理ではないかそれとも母グマもいるのか。

しかし、クマより遥かに数が多く、また体格もよく飛び跳ねられるシカだって、この山系にはいない。ナラシカのように人に慣れたシカでも、さすがに住宅地の中を抜けて、川を渡って、生駒山系に入ることはなかったのだ。ニホンザルはいたけどね。

もしかして、イノシシやノイヌなど別の動物を見間違えた可能性もある。連日のクマ報道で過敏になっているから。

イノシシはたくさんいるし、東京23区内にもイノシシが出たと話題になっているとおり、人里でもわりと平気だから不思議ではない。

まあ、しばらく続報が出るのを待ちたい。

 

2025/09/08

犬用ジビエ商品、大流行り?

奈良市にできた道の駅「クロスウェイなかまち」。ちょっと無理した命名だが、蛇行剣発掘ですっかり有名になった富雄丸山古墳の近くだから、いつも混雑している。将来的には古墳の資料館も建てて、一大観光スポットにするつもりだな、と睨んでいる。

ここで見つけたのがジビエ。

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おお、イノシシやシカのジャーキーに缶詰にお菓子か……と思って気づいた。

犬用だった。

間違えて購入してしまうところだ。しかし、実にバラエティに飛んだ商品群。骨つきもあれば、ドッグフードによくあるタブレット状もある。デザインもかわいい犬の絵を散らばめている。マジで自分が食べるつもりで購入した人もいるのではないか。
お値段はそこそこするが、人が食するジビエほどではない。

これが、今後のジビエの方向性かな、と思える。犬用ならば、仕留めた獲物の処理にあまり気をつかわなくて済む。すぐに血抜きしなくては駄目とか、暴れた個体は蒸れ肉になって食えないとか、衛生管理のため専用解体場で処理しなくては違反とか、人様の食用ジビエは条件が厳しいのだ。そのため価格も高くなる。
それに比べると、犬の餌にする分には気にしない。血なまぐさい方が好きかもしれない。価格は一般のドッグフードより多少高くても愛犬には惜しまない飼い主も多い。

これまでも人が食えない部分をドッグフードの材料にすることは行われていたが、あまり前面に出していなかった。なんか、残り物処理ぽい。でも、ジビエであることを売り物にした方が欲しがる飼い主も多いのかもしれない。

ただ採算が合うかどうかが微妙。有害駆除で報奨金を受け取れれば、ジビエの代金を上乗せの稼ぎになると考えるべきか。

2025/07/14

シカ・シンポがっかりの理由

このところ2週続けて京都のセミナー、シンポジウムに行っている。

7月4日は森林総研関西支所の公開講演会「動く山、動く土」で、12日は「日本の山はシカの楽園? 山、森、水が危ない?!」である。
前者は、想定以上に面白かった。考えるところ大だったのだが、考えている最中なので、紹介はまた改めて(^_^) 。そして後者の方に期待していたのだが、残念ながら私の望んでいる内容ではなかった。私がテーマを読み違えたか。

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私は、野生のシカが増えていることに関する疑問や対応策に期待していたのだが、ここで語られたのは「シカの被害」であった。つまり植生破壊や土壌浸食、そして災害である。その実態の研究は示されたのだが、シカの生態についてはほとんど語られず。

また増えたシカをどうするか、という点については、「駆除する」としか言われない。ハンター不足、猟友会の問題などが登場するかと思ったが、ほとんど触れられず。ただ浸食された土地の植栽や、崩れないようにする小土木技術などが紹介される。

う~ん、それも大切なんだろうけど、私の論点と違う。

かろうじて最後(全体は6時間半の長丁場だった)の15分、会場からの声として、なぜシカが増えたのか、駆除を担当する猟友会の立場とその裏事情……などが出た程度であった。

ただ印象に残ったのは、一人の演者が口に出した「タイミングを逃した。手遅れかもしれない」点だ。レジームシフト、別の言い方ならティッピングポイントを越えてしまって止まらなくなった、つまりシカは増え続け、対策は追いつかない、という指摘だ。

一方で「なんとか流域全体、町も巻き込んで合意形成を」という声もあるが、町の人が参加したら「シカを殺すなんてかわいそう」というシカモリ協会(> <;)なんぞができるに違いない。もっとステークホルダーを絞るべきだと思う。そのうえで冷徹な専門家と実行部隊が必要だ。

なお、私が以前より考えていて、だから本シンポにも興味を持ったのは、本当に「異常なほどシカは増えた」のか、という疑問だ。

奈良公園には、奈良のシカ~神鹿がいる。1000年以上前から保護されており、頭数は現在約1300頭とするが、歴史的に見ても500~1000頭はずっといたはずだ。(戦国時代に訪問したポルトガル人は3000頭くらいいると記録しているが、これは調査した数字ではないだろう。)
ただ明治維新と戦中戦争直後は、保護から外れて数を著しく減らした(数十頭レベル)。おそらく密猟されたのだろう。

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そして奈良公園の一部である春日山原始林の植生は、シカのために荒れている。それを問題とする声も強い。天然記念物(奈良のシカ)が特別天然記念物(春日山原始林)を食べている、と言われている。

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ここで問題になるのは、いつから荒れているのか、という点だ。どうも江戸時代から荒れていたらしい。そりゃ1000頭からのシカがいて、それを駆除どころか保護をしていて、荒れないわけがない。

そう考えると、シカがいる山は、常に荒れた自然になる、のではないか? 自然は常に豊かと思い込まず、人為関係なく荒れた自然はある。植生は貧弱になり、土砂崩れを起こし、地形が変わる。山は動く、土は動く、のだ。

むしろ明治と昭和初期は、シカが密猟されて数が減った異常な時期だった。だから植生が短期間だけ豊富になった……と考えられる。その時期を過ぎて、再びシカの数がもどった今を比べるから「荒れた、困った」となる。

とはいえ、シカが永遠に増え続けるわけがない。どこかの時期に激減させるような環境要素があるはずだ。まさにレジームシフト。それをもたらすのは何か。気象?病気?狩猟?餌不足?天敵? それを探りたい。

 

2025/03/17

獣害でそば屋が休業

奈良県天理市の高原地帯に「荒神の里 笠そば」というそば屋がある。

すべて自分たちで栽培したそばを使っていることが名物だ。それも挽き立て・打立て・茹がきたて 。それなのに、そばを出せなくなったため一時休業するという。その理由は、獣害だそうだ。

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詳しいことは書かれていないが、昨秋の収穫時期に獣害等により壊滅的な被害を受けた事から、皆様方に地元産のソバを提供する事が困難な状況となりました、とある。

獣害とは、イノシシなのか、シカなのかわからないが、壊滅的とは……。高原だからイノシシはこれまであまりいなかったと思うのだが、登ってきたのか。あるいはシカが柵をかいくぐったのか。いずれにしろ5月には在庫が底を突くのだろう。他地域からそば粉を仕入れてまで開業を続けないとは、思い切った決断。

ここは個人の店とは違って地域おこし的につくられた店だ。

もともと山の中の高原地帯で、1978年に始まった国営総合農地開発事業、つまりパイロットファームとして60ヘクタール以上の巨大農地を造成したのだが、このような国主導の農業は何を栽培するか、どうやって売るかを考えていない。栽培するものに困る例もよく聞くが、手間のいらない作物としてそばが人気。それはこの施設も同じだ。私も、よく似た事例を各地で聞くのだが、実は成功しているところは少ない。たいてい失敗するのだねえ(> <;)。

ここでも4分の1に当たる15ヘクタールでそば栽培を始めた。とはいえ、そば粉だけでは利益など出ない。輸入品にかなわないからだ。
だが1994年に結成された笠そば栽培促進協議会女性部が、そばの加工と販売、そば打ち体験教室……などを始めた。素人のそばうちからスタートしたのである。栽培から加工・販売まで一貫して地元で行うそば屋として、笠そば処がオープンしたのだ。

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かつてのそば畑と笠そば処。なかなか繁盛していた。私自身も、幾度も訪れている。名人級の美味いそば……とまでは言わないが、それなりに楽しめる。ほかにも農産物直売もやっていたはずだ。

それにしても15ヘクタール分のそばを食い尽くすとは、どんな獣害だろうか。

 

2025/02/21

住宅地で猟銃発砲法案、いよいよ

政府は、本日「住宅地での猟銃使用を可能にする鳥獣保護管理法改正案」を閣議決定した。とうとう出ましたか。

クマの人里出没がこれほど相次ぐと、こうした手段も取らなくてはならないのだろう。これまで一貫して、国民から銃器を遠ざける政策を推進してきた警察からすると忸怩たる思いかもしれない。

とはいえ、条件は甘くない。日常の生活圏(それはどこだ? 村役場の周辺まで許容? それとも農家が数軒ある集落も入れる?)に出現した場合、市町村長の判断で住宅地でも危険鳥獣の猟銃での駆除を可能にするとした。

猟銃使用の条件は、
①危害を防止する措置が緊急に必要
②地域住民に弾丸が達するおそれがない――など。

ただし、市町村長が現場で判断するわけはないので、代行する職員が状況を報告して決めるのだろうか。結局は警察官なのかもしれない。それでは、今とあまり変わらない。
物損が生じた場合は市町村長が補償する措置もあるが、これは保険を適用する。

なお「危険鳥獣」と定義するのは、ヒグマとツキノワグマ、イノシシの3種としている。鳥獣なんだから鳥も入れてほしいけどなあ。ワシ、タカは無理として、人を襲う鳥としては……カラスか(^^;)。ダチョウが動物園を逃げ出したら駆除できるだろうか。

住宅地のクマ、猟銃駆除が可能に 政府が法案を閣議決定

Photo_20250221163701 日経新聞より

 

 

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