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森と林業と田舎の本

ナラシカ・動物・獣害

2019/06/22

奈良にもあった! ジビエソーセージ

ふと見かけた商品。

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ジビエのソーセージ。イノシシ肉と、シカ肉を使った2種類。どちらも奈良のジビエだ。

シカは間違っても奈良公園のシカではないが、流通に乗せるまで製造できたのは頑張った。実際、安定供給はジビエの最大の強敵。これも扱う店は絞り込んでいると思うが、とりあえず店頭に並んでいるのだ。

そのうち味わおう。今は、買わないけれど(^^;)。

 

2019/05/09

「クローズアップ現代+」のアーバン・イノシシ

昨夜のNHKクローズアップ現代+を見た方はいるだろうか。

タイトルが「アーバン・イノシシ物語」。都会に出てくるイノシシの話題だ。我が町でもイノシシは激増しているし、わりと身近なテーマだった。

詳しい内容は上記リンク先をたどれば、かなり詳しく紹介されているから任せるが、基本的には良番組だった。
イノシシが都会に出るのは、山で数が増えて、バッファーゾーンである里山の衰退により町に出やすくなったこと……これだけならありきたりだが、都会の餌が非常に高エネルギー食で、麻薬みたいな美味しさがあり、今更山にもどれなくなっているとまで紹介していた。しかも餌が豊富なので体格も山のイノシシより数回り大きくなっているという。山では成獣で体重80キロぐらいが限界なのだが、町に出没する中には150キロクラスまで生育しているのだ。

さらに出没しやすくした背景には、都会人が野生動物の怖さを知らずに近づき、馴化(人馴れ)を進めたことや餌を与える輩までいる点にも触れている。出くわしても追い払おうとしない人間は、むしろ襲っても良い対象と思っている。そして、目先の駆除では解決しない(駆除数以上の速度で増殖する)ことも説明した。

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都会の食事(残飯や、人を襲って奪う弁当・お菓子など)がイノシシにとっての麻薬と表現したのは上手い。その前にアーバン・イノシシという命名も上手いな。これで惹きつけられるし、ことの本質を伝えることができただろう。

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さらにこの写真は、なかなかショッキング。都会のイノシシは牙が山イノシシより数段長く鋭いのだ。横に飛び出しているから、接触するだけでザックリ切り裂かれる。しかも走ると2秒で時速40キロぐらいまで加速するそうだから、もはや人間が逃げるのは不可能ではないか。。。

ただコメンテーターがつまんない。人とイノシシは共生できないのか、とかキレイゴトしか語っていない。それにオオカミがいなくなってイノシシが増えたかとのような描写があるのも噴飯ものだろう。オオカミが消えて80年間は、イノシシは増えなかったよ。

むしろ私が気になったのは、こうした現象が日本だけでないことも示していることだ。

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ヨーロッパにトルコ、そのほか韓国でも町に出没するイノシシが問題になっているらしい。おそらく世界的な傾向なのだろう。つまり、里山の衰退、ハンターの減少などの日本的理由だけでは説明がつかないのは間違いない。もしやイノシシの“進化”か? 都会に順応し、都会の方が生きやすいと生息域を変え始めたのか?

実は拙著『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』で“奈良の鹿”を追いかけた際も、奈良の鹿とは山の鹿とは別の文化を持つ、いわば別種ではないか、と思ったことがある。遺伝子ではなく習性が別物になっているのだ。生態的亜種とでも言えるか。奈良の鹿も残飯あさって数を増やしているからね。(ただし、体格はむしろ小さくなっている。)

シカもイノシシも、人と人間社会に対する姿勢を変えつつある。人間側もこれらの野生動物との向き合い方を変えないと、エラいことになるかもよ。

 

 

2019/04/15

獣害のある自然

再びタナカ山林へ。今回もタケノコは見つからなかった。

だが、犯人の証拠を発見。

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このとおり、かじられたタケノコの穂先。さすがにイノシシだとわかる。地下茎の下をくぐるように掘り出して食べたか。

こんな置き土産もあった。

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しっかり糞をしていった。今年もタケノコ堀りはイノシシとの競争で厳しそうだ。今やイノシシは尋常でない増えようだ。

と書いて、ふと疑問に思った。イノシシ、そしてシカの激増で農作物だけでなく森林そのものも荒らされて生態系が乱されているというが、本当だろうか。乱されない自然とはどんな状態なのか。イノシシもシカもいない自然はおかしくないか。生態系は植物だけでなく動物も含めて成り立っているものだからだ。
これが外来種なら、本来いなかった動物が生態系を攪乱しているなどと言えるのだが、シカもイノシシも古来より日本の野山に生息していたわけである。そしてシカもイノシシも繁殖率は高い。なんでも食べて、たくさん出産する。増えて当然なのだ。オオカミが生息数を抑える効果は極めて小さい。ハンターだって農地を守るが精一杯で、生息数を左右する力はない。

たとえば江戸時代の山は自然豊かだったのか。いやいや、相当荒れていたようだ。風景画などにはスカスカだった状態が描かれている。一般には、人間が燃料にするため伐りすぎたせいだとされているが、そこにシカなども関わったのではないか。事実、里人は入れなかった聖域・奈良の春日山も同じだったからである。それなのに明治以降に植生が急速に豊かになって、今では「春日山原始林」として天然記念物であり、世界遺産に指定されてしまった。

むしろシカやイノシシに荒らされた自然の生態系が正常なのかもしれない。植物が繁茂して生物多様性の高い自然は異常と考えたらどうだろう。

明治期から昭和50年代までは、野生動物がひどく減少した異常な時代だった。そのおかげで植物が異常に繁殖し多様で豊かな森林になってしまった……このように解釈できないか。ところが自然を回復(この場合、シカやイノシシの生息数が以前にもどった状態)したために、また植生も昔の姿を取り戻そうとしている。。。

本来の自然は、植物が繁茂していなかった! 生物多様性の高い森林生態系はニセモノだ!

 

この仮説、誰か検証してみないか。(袋叩きになっても知らない。)

 

2019/03/23

動物行動学者の本

最近、動物行動学者の出版、それも一般向き体験談が増えているんじゃないか、と感じる。
私も何気なく手にとった幾冊かの本がその筋のものだったりする。
  
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動物と言っても結構千差万別で、扱うのは鳥類からバッタ、ウナギまで動物と言っても哺乳類から魚類、深海生物、昆虫、ときに植物もあるがバラエティに富んでいる。単に自身の研究内容を記したのではなく、むしろ研究のために自分のとった行動を記している。単に動物を扱うだけなら研究室でもできるのだが、行動を追いかけるとフィールドに出るし、相手は動きがあるから、一種の紀行文的な部分もあり、とくに海外とか無人島とかが舞台だと想定外の出来事も多くてハラハラドキドキできる。加えて研究内容のトピックをわかりやすく紹介しつつ著者の人生の歩みをたどる点も一般人の共感を得やすく読みやすいのだろう。
   
私の読んだ中でも、爆笑ものから感動した本もあれば、ちょっと無理しすぎ・文章下手・話題オモロナイ……な本もあって玉石混淆。
だが、なかにはヒットした作品もある。『鳥類学者だから……』とか『バッタを倒しに……』は、ものすごく増刷されているもんなあ。ちょっとしたベストセラー。おそらく、編集者はそれに味をしめたんじゃないかと思う(笑)。
     
私自身は、学生時代からサル学者とか民族学者とかの本をたくさん読んできたから馴染みがある。どちらかというと学者の本というより探検の本的な感覚で読んでいたが。専門的な知識もあるから教養的であるものの、実は目的に達するための行動を学ぶ意味もあったように思う。
最近は、『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』を執筆のため、結構な動物、とくにシカ本を読んだが、多くは研究書だったので面白くなかった。書き手の人格が現れる文章が読みやすいよなあ。その点は狩猟系とか、獣害対策の本の方が面白かった。
   
この手の本自体は珍しいわけではない。昔から名著と言ってもよい本が出ている。たとえば野生のゴリラやチンパンジーを追いかける学者や、ときに幻の動物を探したり恐竜化石を探したり……という本もある。実は、私が学生時代にボルネオのジャングルに行ったきっかけも、「オランウータンの島」(岡野恒也著)を読んだからである。これはオランウータンそのものよりオランウータンを探しに独立間もないマラヤ連邦のボルネオ島を訪ねた話。 
ただ書き方は概して真面目である。それに対して最近の本は、最初から笑いを取りに来ているように感じるが……。
   
  
そういや昨秋のテレビドラマで「僕らは奇跡でできている」というのがあり、それが動物行動学者(主演・高橋一生)が主人公だった。これはよくできたドラマで、学者はちょっと変わった……というより発達障害を思わせる行動が繰り広げられ、それらに振り回される学生・同僚・家族など周囲の人々の驚きや苦悩まで描いていた。が、そこから何がよりよき人生なのかと考えさせられるのだ。残念ながら視聴率は取れなかったようで、あまり世間の話題にはならなかったが……。このドラマの企画も、動物行動学者の本が売れている影響でつくられたような気がする。
  
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『僕らは奇跡でできている』一場面
   
なんだか、世間が学者という面白い人種を発見したのではないか(笑)。  
   
   
ときに、こんなページもある。
  
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単に谷山浩子の世界の終末を描いた歌が脈絡なく登場している(笑)。(『カラス屋、カラスを食べる』)
  


2018/11/27

ひこばえの稔り

実は、ここ1週間ほど風邪を引きずっている。熱は出ないものの、身体が辛い。

だから最低限の仕事などをこなすほかは、できるだけ動かずごろごろ。ダイエットも休止して?ばくばく食べて栄養をつけねば……。
 
ようやく回復してきた。まだ咳もくしゃみも鼻水も出るのだが、脱力感は薄らいできた。
 
少しは身体を動かさないと、筋肉が落ちる。なまって老化が進む。と思って少し山歩きをしてみようと思った。と言っても、いきなり道なきところを登って、途中でバテたら大変。
 
そこで考えたのが、山下り。車で高台まで登って、そこから下り道をおりるという……。ま、下りたらまた車のあるところまで登らなくてはいけないわけで(^^;)。ちゃんと道のあるところを選ぶ。
もっとも、行ってみたら台風の傷跡は今も残っていたので、倒木をまたいだりくぐったりしなけばならなかったのだが。おかげでゼエゼエと咳き込んできつかった。身体、やっぱりなまっている。
 
 
そんな中で棚田に出たときに見かけたもの。 
 
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この季節、棚田も稲刈りは終わっているわけだが、刈り取られた稲の切株からひこばえが伸びている。
 
これを稲孫(ひつじ)というそうだが、よく見れば、そのひこばえには稲穂が稔っていた。これをひつじいね、ひつじばえというそうだ。こうした田んぼをひつじだ、という。
 
実は、この稔りの収穫量がバカにならないのだという。江戸時代の年貢には入らないから百姓にとっては貴重な収穫であった。今も、実はひつじいねの米の方が美味いという農家がいる。過剰な肥料が抜けて、味がよくなっているとか。。。
 
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が、通常はほとんど放置されて終わるのだが、これを喜んで食う輩もいる。
 
それが野生のイノシシやシカだ。ひつじいねこそ、冬の大切な餌となるわけだ。そして、それを農家の人は滅多に追わないため、田畑に野生動物が慣れて出没するきっかけとなる。文字通り、味をしめるというわけだ。 
 
ひつじいね、食べてみたいなあ(^o^)。

2018/10/31

害獣の統計とその数字

生駒山でニホンザルを見かけた、という報告が私のところに届いた。3年ほど前からサルが見かけられるようになっていたが、そのときはハグレザルが移動中に生駒山系に入り込んだのかと思っていた。
ところが、どうも定住している気配がする。どうも生駒山系は.シカがいない代わりにサルの楽園になってしまっているのだろうか。
 
 
そんなときに環境省の自然環境局が、2016年度末のニホンジカとイノシシの推定個体数(中央値)を発表した。それによると、ニホンジカ約272万頭、イノシシ約89万頭だった。
 
前年度は、それぞれ304万頭、94万頭だったから、減少傾向にあると言えよう。せっせと有害駆除を進めた成果といえるかもしれないが、2023年までに半減(11年度比)させる目標からすると、まだまだ遠い。とくにシカの増加率を考えると、到底追いつかないだろう。
 
ちなみにニホンジカは本州以南であり、北海道に生息するエゾシカは入っていない。こちらは50万頭以上いるだろう。しかも304万頭は個体数の中央値とはいうものの、90%信用区間は約224万~456万頭だ。(イノシシ90%信用区間は約73万~123万頭。)あまりに幅がありすぎる(^_^) 。
もっとも推定値の算定法は得られたデータによって変えることが少なくない。新しい方法で過去の数値もさかのぼって変える。だから古い統計と突き合わせるのは危険だ。本当に減ったといえるのか疑問はある。
 
さらに獣害も数字上は減っているが、実感としてはないはず。そもそも生息数と獣害件数は正比例しない。数が減っても被害は減らない・増えることもある。
 
またハンターの捕獲数は伸び悩んでいる。シーズン中のハンター1人当たりの捕獲数は、平均2頭以下なのだ。単に狩猟免許を持つ人を増やしても効果は薄いのだろう。ちゃんと生きた獣を仕留める訓練する場を設けた方がよい。林業大学校より狩猟学校作った方が、農林業には効果的かも。
 
 
一方で新たな狩猟支援策を始まるという。仕留めたシカやイノシシを処理加工施設に持ち込むと、2頭目から補助が受けられる仕組み。これは都道府県からだが、環境省は取り組む自治体を支援するそうだ。これは、有害駆除の支援ではなく、ジビエの利用拡大支援だろう。
 
 

2018/10/11

ナラシカ急増の謎

先日、奈良のシカの角きり行事を観覧してきた。

行われたのは奈良の鹿愛護会の鹿苑という角きりのためのような場所なのだが……思った以上に勇壮で、観客向けにブラッシュアップされていて面白かった。

江戸時代などは、こうした施設ではなく、街角でやっていたという。お金持ちは、自分の家の前でやってもらうためにお金をばらまいたとかいうが(そして桟敷席を設けて、縁者と見学して楽しんだ)、気持ちがわかるような気がした。 現代でも町中でもやってほしい(^o^)。
 
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オスジカを3頭離して、走らせてから角に縄をかけて押さえ込むのである。 
 
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ちゃんとシカを寝かせる場所には、ゴザを敷いて、枕まで用意している。そしてノコギリで切るわけだが……。
 
実は、気になったことがある。この角きり行事ではない。解説の中で、今年のナラシカ頭数調査では、奈良公園のシカは総数1360頭だったというのだ。メスが767頭、オスが355頭。性別不明の子シカは、238頭。(今年7月16日現在)
 
これは公園内だけで、山の中、原始林の中、あるいは調査中は繁華街に出歩いていたシカはカウントされていないわけだが、例年と比べるとかなり多い。
 
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昨年が1226頭なのだから100頭以上も増えたことになる。とくにオスが増えている。
 
問題は、この理由だ。単に昨年は森に隠れていたシカが公園に出てきてカウントされた、というのならよいが、ちょっと怪しい。かといって自然増もおかしい。
 
となると、外部から入ってきた可能性があるのだ。オスジカならテリトリーを離れて放浪するからあり得る。
 
奈良公園に行ったら、銃に撃たれないよ、鹿せんべいをもらえるよ、という甘言に引っかかったシカがいるのかどうか。
おそらく、周辺地域の山でもシカが増えすぎて、密度を増したから押し出されるように奈良公園に入ってきたのではないか。いわば都会に出てきた田舎シカ。最初こそおどおどしていたが、先輩たちを見習って、お辞儀したり愛想を振る舞うと鹿せんべいもらえることを知って居ついたのかもしれない。人を恐れなくてよいことも学習したのかも。
 
だが、甘い。奈良公園はそんなにシカの天国ではないのだ。何よりも食料不足。これまでも限界だったのに、100頭も増えたら飢餓が起きる可能性だってある。交通事故も多発するかもしれない。
 
若草山のススキがほとんどなくなった件も含めて、異常事態になっている可能性を想定すべきだろう。
 
 

2018/10/07

若草山のススキ危機

若草山に登ってきた。若草山はこの季節、ススキに覆われるはずなのに、すっかり減ってしまったと聞いたから(ツイッター情報)からである。

 
ま、ちょうど「鹿の角きり」もやっているので、こちらも見ようかと(^_^) 。
実は、角きりをちゃんと見学したことがない。観光イベントぽくて、あまり興味を感じなかったからだ。ただ昨年は「ナラシカ本」(『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』)を執筆しようと思っていたので、これは見ておかねば、と思っていたのだが、この時期にノルウェーに行くことになって無理となった。遅ればせながら、今年は見ておこうかと。 
 
いや、なかなかよかったよ。まず儀式があって、その後は実況解説付き(^_^) 。迫力もある。
 
とまあ、角きりの話はまたの機会にして、今はススキなのである。 
 
 
若草山にお金を払って登るのも何十年ぶりか。子供の頃以降はしていない気がする。
それでも登りましたよ。
 
若草山を簡単に説明すると、春日山原始林の隣にあって山焼きをするので樹木はなく芝生に覆われている。標高342メートル。一番下が芝生状態(と言っても急斜面)で、ここが観光客がもっとも多いところ。その上にフェンスに囲まれた一角があって、その上が2段目。さらに谷などもあって、山頂部分が3段目となる。3つの尾根があるので三笠山というのが正式名称だ。
 
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1段目の芝生からフェンス方向。
 
さて、芝生とともにススキが全山を覆っていて、山焼きの後はそれが生長してシカの餌にもなる……はずなのだが、ないのである。
 
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これは2段目から山頂方向を見たところ。ほとんどススキは目につかない。もっとも足元にはわずかに生えている。ただ……
 
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やはりシカに食われたようだ。
 
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こちらは1段目のフェンスの中。かろうじてススキが繁っている。これでも、以前より減ったということだが。実はナンキンハゼも想像以上に繁茂していた。ススキに置き換わったみたい。ナンキンハゼは、今のところ背の低いブッシュ程度だが、実体は高樹だから、これが生長しだしたらヤバいね。山焼きにも負けないようだし。
 
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このフェンスも隙間から侵入されるみたいで、幾重にも補強されている。1頭でも中に入ると、かなりの面積を食い荒らしてしまうだろう。 
 
正確な原因はわからないが、やはりススキが減ったのはシカの食害ではなかろうか。そういや森の中で落ち葉を食っているナラシカも見かけた。飢えているのか。
 
2段目もフェンスを設置してススキの回復を図らねばならないかもしれないが、そうするとシカの餌場が失われる。ならば1段目フェンスを開放して年ごとに切り換えて行くか。
ナンキンハゼ対策も必要だろうし、なかなか難問である。
 
世界遺産の一部(バッファーゾーン)でもあるので、よりやっかいだ。 

2018/10/03

豚コレラでイノシシにもパンデミック?

岐阜県で見つかった野生イノシシから豚コレラの菌が次々と確認された。
 
遺伝子検査の結果、いずれも豚コレラに感染していたと発表した。どうやら10キロ圏内の養豚場で発生した豚コレラに感染したらしい。感染を確認したイノシシは、2日に見つかったもので計11頭になっている。
日本で豚コレラが発生するのは26年ぶりだという。 
 
豚コレラに感染したブタやイノシシは、数日で死ぬ。人間に感染して発病することはないが、感染力は非常に強く、人間が感染した豚肉を食った場合、その排泄物を食ったブタが感染するほどだという。口蹄疫と並ぶ畜産の敵だろう。
 
なお、日本の豚コレラとは菌の違うアフリカ豚コレラも広がっている。1921年にケニヤで発見され、アフリカ以南で流行を繰り返す、いわば風土病だった。
 
そんな豚コレラが、今年になって世界中で大流行している。とうとうアフリカを出て、ヨーロッパ、そして中国で拡大しているという。……中国ではすでに8万頭のブタを処分した。と、これは畜産業界の大問題なのだが。
 
豚コレラは、一般にブタの病気と思われているが、野生のイノシシにも移るわけだ。となると、野生動物にどんなインパクトを与えるだろうか。
国際獣疫事務局に報告された豚や野生のイノシシの感染は世界で36万1000頭を超え、2018年だけで11万9000頭が死んだという。
 
 
おそらく人間が運んだのだろう。ブタ界にパンデミック(疫病の爆発的流行)が起こらなければよいが。これまで病原菌がいなかった世界に出たとなると、いわば外来種のように広がる可能性がある。
日本で発生したのはアフリカ豚コレラと違うとはいうものの、養豚業界にとって極めて深刻な状況だ。
 
……ここで不遜なことを考えないだろうか。ブタだけでなく野生イノシシにも広がると、イノシシが激減するかもしれない。獣害対策的には僥倖になるかもしれない、と。
 
もちろん、養豚には厳しくなるだろう。一切、外部と接触させない方式にしなければならなくなる。コストが増し、廃業する人も出るだろうし、豚肉が高額になるかもしれない。食えなくなる可能性だってなくはない。
そして、猪肉はもっと食えなくなるかもしれない。養豚のように隔離できず、どこまで感染するやら。
 
一方でイノシシが減少すれば、田畑などの被害が減るかもしれない。シカ害はまだ残るが。こんなことを想像するのは、やはり危険思想だろうか。
 
これが、自然界でまま起きる普通の豚コレラの流行に終わるのか、人為がもたらした豚猪界のパンデミックになるのか。野生のイノシシは密集していないから感染が一気に広がる心配は薄いと思うが、菌が山野に残れば、どうなることやら。
 

2018/10/01

「狩猟のいろは」で「浅き夢で酔えず」

先週末、奈良で「狩猟のいろは」というイベントが奈良女子大学で開かれた。

 
奈良県の主催だが、奈良女で開かれたことからもわかるとおり、学生も含めた狩猟への勧誘なのである。狩猟免許取得相談会も開かれる。実際、徳島大学や三重大学の学生サークルらも参加している。奈良女子大にもハンティングサークルがあるそうだ。
 
そこに私も少しだけ顔を出してきた。残念ながら時間の関係で最後まではいられなかったのだが……。
会場ではハンターの講演や罠、銃の展示、そしてジビエ試食もできるようになっている。私は、ここで昼食を済ませようという魂胆もあった(^_^) 。
 
 
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関心を示す女性も来訪していた。ジビエ料理は猪肉と鹿肉の両方。
 
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くくり罠の展示。左が「非法定猟具」であり、本来使うのは右の方。
 
どこが違うか。ようは締めつけるワイヤーにストッパーがあるかないか、なのだ。なければ罠に足をはさまれた獲物は大暴れして、逆にワイヤーがより締めつけることになり、足を引きちぎることにもなりかねない。獲物が足を引きちぎって逃げ出せば手負いにする問題もあるが、何よりアニマルウェルフェア(動物福祉)の思想からのようだ。たとえ最終的に殺すにしろ、残酷にしないためである。 
 
なおハンターの講演では、ハンターへの参入を促すはずが、甘くないことを示す面もあった。何のために狩猟をするのか。この動機をしっかり自覚しないと厳しいだろうな、と思わせる。
 
県が催したのは、おそらく獣害対策の一環なのだろう。奈良県では、農務と林務の対策担当が寄って「鳥獣対策係」を作っている。だから展示している罠や銃も、森林整備課のラベルが張っていた。
 
ただ、ハンターを増やしたら有害駆除が進むというほど簡単でもない。ジビエを普及させたら駆除がやりやすくなるわけでもない。
「奈良のシカ」のお膝元であるだけに、理論武装をしっかりしておかないと、迷いが生じるんじゃないか。
 
狩猟の「いろは」を伝えるイベントのはずだったが、私は「あさきゆめみし ゑひもせすん」(浅き夢見じ 酔ひもせず)まで考えてしまったのであった。。。
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