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森と林業と田舎の本

2021/07/18

全国再エネ問題連絡会の結成

私も多少顔を突っこんでいる、メガソーラー建設に伴う森林伐採問題。

主に地元の奈良県平群町のケースだが、このほど全国の同じような問題を抱えている地域で反対運動を行っている組織が全国規模の連絡会議をつくるという連絡を受けた。そして、その結成会議に声がかかったので覗いてきた。と行ってもZoomによるウェビナー(web会議)である。

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私的には、勉強も兼ねた取材のつもりだったが、案内状を読んで、一点で目が点になった。

共同代表に、日本熊森協会が入っているではないか。それどころか事務局は熊森協会が引き受けているではないか。

こだけで私は引いてしまった。近頃、この協会が風力発電や太陽光発電の問題について盛んに発信しているのは知っていたが、もしかして呼びかけて結成したのも熊森協会?

とはいえ、まずは様子伺い。ひっそりと私もパソコン画面を覗く。こちらの顔は映らないように……(^^;)。

ウェビナーは淡々と進んだ。あくまで連絡会であって、全国統括組織ではなく各地の組織の連絡をになう、専門家も入れて政策提言を政府や行政にしていく等々。ただ、仕切るのは事務局の熊森協会会長なんだよね。今は会長は交代したのか、弁護士の室谷悠子氏だが。

全体を通しておかしな言動はなかったが、私的には熊森協会というだけで色眼鏡で見てしまう(笑)。世間的にも、賛同者を集めるのに足を引っ張るんじゃないかな。

とはいえ、改めて各地の報告を聞いていると、日本全国でとんでもないことが起きていることを痛感する。国内最大級のメガソーラーとされる五島列島の宇久島のものは720ヘクタールという恐るべき面積で島の4分の1をソーラーパネルで覆うという計画だ。それに建設に伴う許認可では、どこもありがちなヤクザや地上げ屋まがいの恫喝が行われている。

名称どおり再生可能エネルギーの問題全体を扱うというが、指摘されたのはメガソーラーと風力のようだ。今もっとも伸びていて問題も大きいバイオマス発電には誰も触れない。みんな気がつかない? それともバイオマスは自然に優しいと思ってる?

問題という点では、バイオマス発電が最大と思うのだが。メガソーラーや風力は、建設場所が山林地帯の場合だったり、規模がやたら大きい場合に問題が発生するが、発電方法としては期待されている方だろう。少なくても原子力や石炭火力より。
その点、バイオマス発電は、建設そのものよりも、建設後の稼働によって莫大な森林資源を燃やしていく。メガソーラーを一ヶ所つくって破壊した山林面積を毎年破壊していくと思ったらよい。あるいは海外から燃料を輸入するため二酸化炭素の排出は増えるばかり。産廃業者の参入も多くて、FITの悪用も目立つし、盗伐現場で起きているような恫喝などの噂も絶えない。闇にうごめく業者たちは、みんな同じ臭いがする。結局、根は一緒なんだな。

それこそ、バイオマス発電が、もっともクマの棲息地を破壊していますぜ( ̄∇ ̄) 。

さて、今後どのように発展するか、問題化していくか、私も見ていこう。ま、少し引いているけどね。。。

 

2021/06/01

表彰、受けました

本日、大阪府大東市消防本部で、表彰を受けました。

これは4月2日に生駒山北端の飯盛山で、私が山火事を発見、通報した件に関してです。

当時は、まあ、ボヤだし。。。と思って忘れかけていたところに連絡があって「表彰したい」と言われたので有り難く受けたのだけど、なんにろ緊急事態宣言真っ盛り。5月連休が明けたら、といいつつ、また延長で延びたものの、もういい! やる! ということで本日となった次第です(笑)。

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ま、そんなに大袈裟なものではないけど。それでも雑談の中で、山火事は、いったん広がったら簡単には消せなくて1週間2週間と続くこともあるので初期の通報は有り難かったと感謝された。たしかに当日は風が強かったので、飛び火の可能性はあっただろう。しかも私自身の経験でも、炎を斜面下で確認してから電話で通報して場所を説明しているうち(5分くらい)に上まで火が昇ってきたので、延焼は早い。
大規模に燃え広がったら夜も昼もなく消火に従事しなければならなかった、と聞いて、そうか、厳しい労働を多少とも軽減する面でも役に立ったのかもしれない、と思う。

表彰というのは、その事績を記録・記憶に残す意味もあるのだろうけど、同時に世間への広報の役割もあるのかと思う。私も森林ジャーナリストなるものが存在することを世間に知ってもらえるチャンスとも捉えているv(^0^)。



 

2021/05/21

先んじられた?木造人工衛星

今年1月に木造人工衛星がめざすものという記事を書いた。

ようするに京大と住友林業が一辺10センチほどの小型人工衛星を木でつくり、2023年に打ち上げるというものである。

ところがフィンランドの企業が、年内に木造人工衛星の打ち上げを発表した。計画の責任者は「年内にニュージーランドからこの衛星を打ち上げる予定だ」と述べた。もちろん、世界初となる。日本は抜かれたのである。

目的は、日本の場合は、宇宙環境における木材の物性に関する研究、宇宙環境における樹木の育成に関する研究などを掲げている。
一方でフィンランドの方は、宇宙空間で、木材の適性を検証するのが目的という。こちらの衛星は10センチの立方体だというから、日本の計画したものと似ているが、合板でできているという。

フィンランドの方が具体的で実利的。真空で、宇宙線の飛び交っている空間に耐える合板を製造するつもりのなのだろうか。

いずれにしろ、このところ日本は常に抜かれるねえ。。。しかもし2年も早くとは、どう考えても計画はフィンランドの方が先にあったのではないか。抜かれたというより日本の物真似と言われかねない。

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ところで、私はニュージーランドに宇宙空間にロケット打ち上げ基地があったことを初めて知った。実は別の記事で、北海道大樹町が、ロケット発射場などを整備する「北海道スペースポート(宇宙港)」構想を掲げて、町の委託で関連施設の管理運営などを担う新会社「SPACE COTAN(スペースコタン)」を設立したというニュースもあった。2025年度までにロケット打ち上げ場2カ所の完成を目指すとか。

こちらも抜かれているみたいだが(^^;)、それでも打ち上げ基地というビジネスを模索しているのは面白い。ロケット自体は、あまりに先端技術すぎて誰でも参入できるものではないが、地理的条件が適しているのであれば、宇宙港を建設するというのは地域起こし的には目のつけどころがいいかも。今後、絶対に需要があるのだから。

 

2021/04/02

山火事を通報

ちょっと希有な体験をした。

できるだけ毎日山歩きをするようにしているのだが、だんだんコースに困るようになってくる。同じルートは歩きたくないからだ。そこで迷う中、今日は家を出てから生駒山系の北端近く、飯盛山に行くことに決めた。ここから北側に下って四條畷神社などを巡るコースはまだ行っていないと気づいたからだ。

車で楠公寺に行って、そこから飯盛山に登り、ついでに城跡も見ながら北へ下ろう……。この城は、かつて三好長慶が機内天下を納めた拠点だ。キリスト教の布教を許したから城下にはキリスト教徒がたくさん生まれて、教会も建てられ南蛮文化が栄えた都となったのである。たった数年だけと……。そして山城としても、結構な規模を誇る。当時は珍しい石垣もつくっているし。

というわけで、楠公寺から南の郭跡を巡ったのだが、そこで何やら妙な音が。パチパチと草が燃えて爆ぜる音だ。見回したが、とく煙は見えないのだが……どこかで草刈りと野焼きをしているのか???

気になったので、千畳敷と呼ばれる(もっとも広い郭)の奥に向う。そこから音が聞こえたからだ。郭の周りは急峻な崖になっている。いよいよ音が派手になってきた。そこで斜面を下って音のありかを探す。すると、煙が上がって、炎が見えた。人気はない。

こりゃイカン。山火事だ。谷底が燃えて火が斜面を上がってくる。

2_20210402224501 山火事確認現場。

すぐに電話で119番。電波状態はあまりよくなかったが、飯盛山城が火事です、と伝える。わかってくれない(笑)。

まあ、それからああだこうだと場所の説明をしたのだが、そのうちに炎は斜面を駆け上って、郭の縁まて燃えだした。5分くらいの間にかなり広がったのである。とにかく消防隊を送るというので、私は待機しつつ、火を消す。と言っても足で踏みつぶす以上のことはできないのだが。

それでもササや落葉の燃えるのを抑えて少しは延焼を防いだが、そのうち大きな炎が樹木まで焦がしだした。

しかも風で、どんどん範囲が広がる。

Photo_20210402223601 炎が樹木まで移ってきた。

消防隊はなかなかやってこない。ちょっといらつきつつ待っていたが、ようやく到着したのは30分くらい経ってからか。ここまでのルートを見つけるのに手間取ったか。ちょっとややこしく、道も狭い。3~4人の消防隊員が来たが、消す道具類を何も持っていない。FM局までは道路もあるからそこからホースを伸ばすかと思っていたのだが、どうも放水車はそこまで登れないみたい。しかも消火栓がない。結局、楠公寺当たりから数百メートルもホースを伸ばすことになったようだ。

Photo_20210402223001 グーグルマップより。

飯盛山の南隣の峰にはNHKのFM局と、FM802の送信アンテナが建っているのだが、その裏である。真ん中に見える建物がFM局で、右上が楠公寺。火災場所は赤く塗ったところ。その間が平坦な土地が郭。

一応、私への事情聴取もあって、これまでの成り行きと連絡先を伝えた。

……ここまでで私の役割はオシマイ。その後、飯盛山を巡って……もう時間がない。仕方ないので北の郭を巡って、石垣なども確認して、帰ることにした。しかし、今度は警察から電話があって、電話で事象聴取。そして消防隊に消防団、そして警察関係車両と、山の中に続々と押しかけてくる。

最初はボヤぽかったのだが、意外や火はなかなか消えないようだ。そもそも自然発火とは考えづらく、不審火にしても、燃え始めた谷底には何もない。もしかしてマイナーな山道があって、そこに入った人が良からぬことをしたのか。不審者は見なかったか、と聞かれたが……。

もし誰も気づかないまま放置したら、どこまで燃えたか。郭の樹木まで燃え広がったら、FM局も煙に包まれたかもね。

もしかして飯盛山城が焼け落ちる幻影を(脳内に)見られたかもしれない。

私も、さすがに現在進行形の山火事に遭遇したのは初めて。通報も初めて。焼き畑するため山に火をつけたことはあるのだが、山火事とは違うわ。希有な体験だろう。そのとき、私は何を思ったか。

あ、これで今晩のブログネタは決定だな……であった(^^;)\(-_-メ;)。

2021/03/01

トルコの植林面積

さすがに驚いた。いきなり、こんなニュースを目にしたからである。

「トルコは植樹ヨーロッパ1位、世界4位」 トルコ大統領府が発表

ピンとこない。トルコと言えば、中近東の国だから、なんとなく乾燥地帯のイメージがある。実際、内陸部には砂漠もある。せいぜいブドウやイチジクなどの農作物が盛んだから、乾燥地農業はよくやっているのかな、と思い浮かべる程度だ。

具体的には、極めて短く、こんな記事になっている。

トルコ共和国大統領府通信局のファフレッティン・アルトゥン局長が、自身のソーシャルメディアで、トルコは「植樹において、ヨーロッパ1位、世界4位」であり、「森林を増やしている国の中で世界6位」であると表明し、「この18年間で 173万9944ヘクタールの新たな森林が我が国にもたらされた。木について言えば、ヨーロッパ1位である」と述べた。

これだけ。さすがに納得できないので、少し調べてみる。

すると、こんなグラフが見つかった。

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森林面積は右肩上がりではないか。ただし森林率は15%。やはり、たいして森林はないのだ。また人工林比率は、30%。

全森林面積のおよそ 30%にあたる 342 万ヘクタールが人工造林地となっている。最近 5 年間では年平均 16 万 ha の造林実績がある。主な植栽樹種はマツ類(Pinus nigra、Pinus brucia)である。トルコの造林事業は「造林・土壌保全総局」のもとで実施されている。

2016年の森林面積は、11万8174平方キロメートル。最も低い1990年の9万6220平方キロメートルと比べると、1.23倍にもなっていて、増加率は高い。日本と比べた表もあった。

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こういうのを見ると、まだまだ森林面積自体は大きくないが、植林そのものには力を入れている様子が浮かび上がる。日本は多い多いと自慢している(いや、多すぎるから伐ろうとのたまわる)が、面積は横ばいで全然増やしてない。蓄積が増えたというが、質的には劣化していると言えるだろう。

もしかしたら、今後の国際的な炭素の排出権取引「カーボンプライシング」を睨んでいるのかもしれない。ヨーロッパでは大きな市場となるだろうから、森林を増やすことは国際社会での発言力は有利になる。

ちょっと頭の片隅に記憶をとどめておこう。

 

 

2021/02/04

時松辰夫さん死去に触れて

ニュースで、大分県の由布市湯布院町の「アトリエときデザイン研究所」主宰の時松辰夫さんが1月3日に死去していたことを伝えている。83歳だというから、そこそこ天寿を全うされたのだろうが、私にとって記憶に残る人だ。

と言っても、取材したのは20年近く前ではなかろうか。クラフト作家ではあるが、本人の作家活動というよりは木工指導で有名な人だ。全国に木工を広げて、それによる町おこしや個人レベルでの田舎暮らしの生業などとして成り立たせていた。

Photo_20210204223701研究所(工房兼販売店)は樹林に包まれている。

とくに湯布院には研究所という拠点があって弟子の養成をしていたし、湯布院観光の一角を担っていたはずだ。旅館で、ここの木工品(食器から家具まで)などを使って、それが欲しくなってこの店を訪ねる……というルートができあがっていたからだ。

しかもつくられているのは、地元の樹木(雑木)を利用した作品。私が訪ねたときも、果樹園で古くなった木(ミカンだったと思う)を植え直すために伐った木を使った器がつくられていた。材料の木を巡るドラマも聞きながら、それを作品に仕上げていくのだ。それは言い換えると樹種を選ばない。

しかも行うのは、いわゆるグリーンウッドワーク。生木を削る方が柔らかいのでつくりやすい。ただ、そのままだと割れるから少しずつ乾燥させるのだけど、それに電子レンジを使うとか、ウレタン樹脂を浸透させて固めるとか、当時の私には目からウロコの手法だった。
なにより木工品の価格からすると、1本の木から数十万円分の商品が生まれる。

Photo_20210204223801 

由布院ブランドとも言えるものだが、それを全国に広げるための指導も行っていて、各地にここで習った技術で取り組んでいるところがある。私も、その後そんなところを3、4ヶ所見て回った。ただ、完全に成功しているところはそんなにないようだ。町おこし、と思って取り組んでも難しい。やはり木工が好きという人材がいないと進まないのだろう。弟子は約500人、このうち約150人が工芸で生計を立てているとあるが。

Photo_20210204224401細い幹でも、このように成形すると碗が幾つも採れる。

建築材しか眼中にない林業とは違う木材利用に目を向けるきっかけとなった。その意味でも、私に新たな視点をくれた人であった。そうそう、取材で訪れて夕方になったら、晩飯の用意までしてくれたよ(^o^)。

最近、広葉樹林業なんて言い方で、木工にも目を向ける人や地域が出てきたが、ずっと昔から時松さんは、それを唱えていたんだぜ(そして私も、その片棒担いでいたんだぜ)と言いたい。合掌。



2020/08/19

バイオマス白書2020、公表

昨日は霞が関側のバイオマス発電に関するごにょごにょした動きを紹介したが、くしくも本日、バイオマス白書2020が公表された。こちらは白書と言っても政府が発表しているものではなく、NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク(BIN)が出しているもの。

紙版もあるが、インターネットサイト版を広く公表している。

バイオマス白書2020サイト版(本編)

目次は以下の通り。

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バイオマス白書2020の紙版は、ダイジェスト版(A4版フルカラー28p)を1冊200円(送料・税込)にて、注文を受付ている。
こちらは、以下のページから申し込める。

全体を通して網羅的にバイオマス発電の動きについて取り上げている。今年は舞鶴のパーム油発電をほぼ中止に追い込んだことがトピックに入っているが、私はそこでダイベストメントの動きがあったことに注目する。ダイベストメントとは、投資撤退のこと。パーム油発電事業を推進していた日立造船へ融資を行っている金融機関に対し、環境団体がダイベストメント(投資撤退)を呼び掛ける文書を送った。

すでに幾度か本ブログでも取り上げているが、企今や環境に対する姿勢が企業にとって投資を呼び込んだり撤退されることで影響を与えるのだ。もし環境に寄与する事業なら投資が集まるし、逆に持続可能性の問題がある事業には、資金面で大きなリスクとなる。世界中で石炭火力が中止に追い込まれているのは、このダイベストメントが起きているからだ。

日本の林業はEGS投資かダイベストメントか

それなのに肝心の資源エネルギー庁では、「バイオマス発電を主電力に!」なんてぶち上げているんだから(´Д`)。意識低すぎ。世界の孤児だ。

2020/04/07

コロナ緊急事態の裏で起きている世界的危機

とうとう出た、コロナウイルス(COVID-19)による緊急事態宣言。

奈良には直接「宣言」とは関係ないのだが、影響は受ける。ずっと罹患者が少数で収まっていた奈良県も、このところじりじりと増えてきた。東京と比べると桁が2つほど低いが、さすがにこれほど長引くと、強大な大仏様のご加護と役の行者の神通力も薄れてきたようである。

ところで、世界にはコロナウイルスの影に隠れているが、猛威を奮っているものがほかにもある。

お忘れかもしれないが、COVID-19が流行る以前に問題となっていた疫病は、豚熱(豚コレラ・CSFウイルス)である。日本では中部地域を中心に広がり、各地の養豚業者が悲鳴を上げていた。基本的に治療法がなくて、罹患した豚はもちろん、同じ養豚場の豚はすべて殺処分対象だ。何千頭という豚が命を絶たれて埋められていく様子は悲惨である。現時点で中部地方と沖縄の8県で発生している。さらに野生のイノシシから病原体CSFが12県で発見されている。野生動物にもうつる……というより野生動物から感染したのだろうが、根絶は難しい。

それだけではない。もう一つアフリカからやって来た新病が広がっているのだ。

正式にはASFと呼ばれているが、これまでアフリカ豚コレラとされてきた。名前のとおりアフリカで広がった豚の病気だが、これが中国に入ってきて、今も広がっている。一度は根絶したと言っていたのだが、1~3月に新たに6カ所でAFSの感染例が確認されたそうだ。この病気は豚熱以上に致死率が高く、伝染力も強い。そして治療法はない。終息は見通せない状況だ。アフリカは常在だが、アジアではベトナムやフィリピン、インドネシアにも伝播しているし、モンゴルや韓国でも発生した。

ちなみに豚熱もAFSも、ウイルス性の感染症。どちらもイノシシにも広がり、日本でも野生のイノシシに豚熱ワクチンを与えるという作戦に出ているが、効果ははっきりしない。もし、これが豚の体内で変異をして人間にもうつるようになったら、COVID-19の二の舞だろう。多くの感染症は野生動物からもたらされるのだ。豚だからと過小評価するのは危険だ。

ほかにも大問題なのが、東アフリカで大発生したサバクトビバッタの大群だ。

今や海を渡って中近東、中央アジア、インド、そして中国へと東進している。こちらは風に乗って1日に100キロ以上も飛んで移動しつつ餌として植物という植物を食べ尽くす。このままだと大飢饉を引き起こしかねない。ケニアでは推定1200億匹のバッタの襲来により8400万人分の食糧が失われたという。それが数を増やしつつ進んでいるのだ。どんな穀倉地帯も砂漠化してしまう。だが、対策はコロナのおかげで後手後手に回ってしまった。中国にとってはコロナの次にバッタに怯えなくてはならないのだ。

 

付け加えると、こちらも忘れられているが、オーストラリアの森林火災

昨年11月末に発生し、大陸全土に広がった。とくにひどかったニューサウスウェールズ州では、面積の6・2%に相当する550万ヘクタール以上を焼失した。そしてコアラも多数が焼け死んだことが世界中に知られ話題になった。一時はシドニーにも大規模な火災が及びそうになっていた。その後も燃え続け、ようやく年を越して雨が降り鎮静化に向かっていたのだが、完全な鎮火宣言が出されたのは3月31日である。しかし、森林火災は今年も各地で発生する可能性が高い。オーストラリアだけでなくアマゾン、シベリア、東南アジア……。

現在はニュースがコロナウイルス一辺倒だが、こうした重大な問題になりかねない危機にも目を配っておきたい。

 

2020/02/17

「ワールド・ウッド・デイ」の開催中止の裏事情?

3月17日から21日まで東京都内で開催する予定だった「ワールド・ウッド・デイ2020」を知っているだろうか。もう開催まで1か月を切っているのに、そして世界最大のイベントだと謳っているのに、全然知られていない……。

この「ワールド・ウッド・デイ」の中止が決まったようだ。

少し説明すると、このイベントは、国際木文化学会(IWCS)とワールド・ウッド・デイ基金(WWDF)が主催し、ウッドレガシー推進議員連盟・同協議会と連携して東京五輪にあわせて“木の総合文化”を世界に発信するイベント……ということだった。結構、規模の大きな話なのである。日本では初めてだが、各国で開かれている。

だが、新型コロナ肺炎が流行していることを理由に取りやめることにしたというのだ。

 

これは、かなり怪しい。むしろ当事者は中止理由に「新型肺炎が使える」とホッとしているのではないか。その裏側のゴタゴタを私は耳にしていたからである。

なんなら「ワールド・ウッド・デイ」で検索してほしい。結構多くのサイトが登場するが、中身を読もうとすると、ほとんどがない。なかには「準備中」のままだったりする。作りかけで止まったようなサイトばかりなのだ。

趣旨などを書いている(実は家具新聞の記事)サイト

もう一つ準備中の(PR会社)サイト

空っぽの「ワールド・ウッド・デイ」サイト。

主導したはずの建具組合のサイト。(リンク切れ)

 

だいたい、これほど大きな大会なのに、協賛にも後援にも林野庁はおろか全森連や全木連など大きな団体が全然登場しない。結局、家具新聞や建具組合が紹介しているように、林業・木材産業サイドではなく家具業界が主導権をとった(それに広告代理店がノッタ?)。もっとも主導権争いというより、誰も主導権をとりたがらなかったのかもしれない。とにかくバラバラ状態で、建具組合だけでは何もできず、ほとんど準備が進んでいなかったのではないか。

そこで、新型コロナ肺炎が大変だ!とこじつけて中止した、というのが私の見立てである。日本への誘致には、台湾の篤志家が力を注いだということだが、それを無にしてしまって残念である。

さあ、どうかな?反論というか、もっと内実を知っている人は教えてくださいませ(⌒ー⌒)。

 

ちなみに「ワールド・ウッド・デイ」自体は、これまでも世界で開催されていて、真っ当なイベントである。日本が悪いのだ。

2020/02/07

「着るロボット」によるウォーキングツアー募集

これまでいくつかのメディアで紹介してきた「着るロボット」。パワードウェアを林業にも応用しようという動きがある。

そこに「着るロボット」を身にまとってのツアーが企画されている。開発した奈良の株式会社ATOUNと旅行会社が組んだのだ。

京都での実証実験ツアー
KNT-CTホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区、社長 米田 昭正:以下、KNT-CT)とグループ会社のクラブツーリズム株式会社(本社:東京都新宿区、社長 小山 佳延:以下、CT)と株式会社ATOUN(本社:奈良県奈良市、社長 藤本 弘道:以下、ATOUN)は、ロボティクス技術を活用した歩行支援用の「着るロボット」=パワードウェア プロトタイプHIMICO(ATOUN提供)を用いた歩行サポートツアーを正式にコースラインアップに追加し、本日より発売いたします。

すでに「ツーリズムEXPOジャパン2019(2019年10月)」で「着るロボット」体験会や、10名限定で募集した実証実験を兼ねたツアーを京都で実施していたが、正式にツアー商品として販売することにしたのだそうだ。
そして第1弾は「世界遺産・宇治上神社と宇治のまちなみウォーキング」

<ツアー概要>
■コース名:「着るロボット」で歩行をサポートする体験ツアー 世界遺産・宇治上神社と宇治のまちなみウォーキング
■出発日:2020年3月3日
■旅行代金(お一人):2,500円
■申込受付:コース番号:B0910-981(10:00集合)/B0911-981(13:30集合)
■集合・解散】京阪宇治駅(集合)/宇治公園(解散)
■旅行企画実施:クラブツーリズム株式会社 関西テーマ旅行センター
https://tour.club-t.com/tour/relation?r=KAN99487
*WEBにてコースの詳細をご覧になってお申込みください。
*サポートスタッフが同行いたします。

ちなみに使われる機器は

<使用機器 パワードウェア プロトタイプHIMICO(ATOUN) 詳細>
日々の歩行を支えるパワードウェア。歩行支援用パワードウェアのHIMICOは、坂道歩行で最大19.0%、階段の上りでは最大17.8%、砂地の歩行では最大30.7%の支援効果。快適な着心地を目指して、歩く姿勢や癖などの個人差を意識したアシスト制御手法の開発、および、さらなる小型軽量化に取り組んでいます。

■プロトタイプ仕様
想定装着者:身長155 cm~190 cm、腰回り100 cm以下(服を着た状態での寸法)
重量:2.5 kg
(仕様および外観は、予告なく変更されることがあります)

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私が着用した様子。

なお参加対象者は、高齢者や体力に少し自信がない人のほか、最先端のテクノロジーの体験をしてみたい人も歓迎だそうだ。実際、このパワードウェアを応用して、山登りがどこまで楽になるかを考察するのもよいだろう。いつか林業にも応用が効くようになるかもしれない。

ただしパワードウェアによるサポートは、あくまで歩行のアシストであり、まったく歩行ができない方が歩けたり階段を昇り降りができるようになったり……するものではないのでその点は理解のほどを。

 

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