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森と林業と田舎の本

2020/04/07

コロナ緊急事態の裏で起きている世界的危機

とうとう出た、コロナウイルス(COVID-19)による緊急事態宣言。

奈良には直接「宣言」とは関係ないのだが、影響は受ける。ずっと罹患者が少数で収まっていた奈良県も、このところじりじりと増えてきた。東京と比べると桁が2つほど低いが、さすがにこれほど長引くと、強大な大仏様のご加護と役の行者の神通力も薄れてきたようである。

ところで、世界にはコロナウイルスの影に隠れているが、猛威を奮っているものがほかにもある。

お忘れかもしれないが、COVID-19が流行る以前に問題となっていた疫病は、豚熱(豚コレラ・CSFウイルス)である。日本では中部地域を中心に広がり、各地の養豚業者が悲鳴を上げていた。基本的に治療法がなくて、罹患した豚はもちろん、同じ養豚場の豚はすべて殺処分対象だ。何千頭という豚が命を絶たれて埋められていく様子は悲惨である。現時点で中部地方と沖縄の8県で発生している。さらに野生のイノシシから病原体CSFが12県で発見されている。野生動物にもうつる……というより野生動物から感染したのだろうが、根絶は難しい。

それだけではない。もう一つアフリカからやって来た新病が広がっているのだ。

正式にはASFと呼ばれているが、これまでアフリカ豚コレラとされてきた。名前のとおりアフリカで広がった豚の病気だが、これが中国に入ってきて、今も広がっている。一度は根絶したと言っていたのだが、1~3月に新たに6カ所でAFSの感染例が確認されたそうだ。この病気は豚熱以上に致死率が高く、伝染力も強い。そして治療法はない。終息は見通せない状況だ。アフリカは常在だが、アジアではベトナムやフィリピン、インドネシアにも伝播しているし、モンゴルや韓国でも発生した。

ちなみに豚熱もAFSも、ウイルス性の感染症。どちらもイノシシにも広がり、日本でも野生のイノシシに豚熱ワクチンを与えるという作戦に出ているが、効果ははっきりしない。もし、これが豚の体内で変異をして人間にもうつるようになったら、COVID-19の二の舞だろう。多くの感染症は野生動物からもたらされるのだ。豚だからと過小評価するのは危険だ。

ほかにも大問題なのが、東アフリカで大発生したサバクトビバッタの大群だ。

今や海を渡って中近東、中央アジア、インド、そして中国へと東進している。こちらは風に乗って1日に100キロ以上も飛んで移動しつつ餌として植物という植物を食べ尽くす。このままだと大飢饉を引き起こしかねない。ケニアでは推定1200億匹のバッタの襲来により8400万人分の食糧が失われたという。それが数を増やしつつ進んでいるのだ。どんな穀倉地帯も砂漠化してしまう。だが、対策はコロナのおかげで後手後手に回ってしまった。中国にとってはコロナの次にバッタに怯えなくてはならないのだ。

 

付け加えると、こちらも忘れられているが、オーストラリアの森林火災

昨年11月末に発生し、大陸全土に広がった。とくにひどかったニューサウスウェールズ州では、面積の6・2%に相当する550万ヘクタール以上を焼失した。そしてコアラも多数が焼け死んだことが世界中に知られ話題になった。一時はシドニーにも大規模な火災が及びそうになっていた。その後も燃え続け、ようやく年を越して雨が降り鎮静化に向かっていたのだが、完全な鎮火宣言が出されたのは3月31日である。しかし、森林火災は今年も各地で発生する可能性が高い。オーストラリアだけでなくアマゾン、シベリア、東南アジア……。

現在はニュースがコロナウイルス一辺倒だが、こうした重大な問題になりかねない危機にも目を配っておきたい。

 

2020/02/17

「ワールド・ウッド・デイ」の開催中止の裏事情?

3月17日から21日まで東京都内で開催する予定だった「ワールド・ウッド・デイ2020」を知っているだろうか。もう開催まで1か月を切っているのに、そして世界最大のイベントだと謳っているのに、全然知られていない……。

この「ワールド・ウッド・デイ」の中止が決まったようだ。

少し説明すると、このイベントは、国際木文化学会(IWCS)とワールド・ウッド・デイ基金(WWDF)が主催し、ウッドレガシー推進議員連盟・同協議会と連携して東京五輪にあわせて“木の総合文化”を世界に発信するイベント……ということだった。結構、規模の大きな話なのである。日本では初めてだが、各国で開かれている。

だが、新型コロナ肺炎が流行していることを理由に取りやめることにしたというのだ。

 

これは、かなり怪しい。むしろ当事者は中止理由に「新型肺炎が使える」とホッとしているのではないか。その裏側のゴタゴタを私は耳にしていたからである。

なんなら「ワールド・ウッド・デイ」で検索してほしい。結構多くのサイトが登場するが、中身を読もうとすると、ほとんどがない。なかには「準備中」のままだったりする。作りかけで止まったようなサイトばかりなのだ。

趣旨などを書いている(実は家具新聞の記事)サイト

もう一つ準備中の(PR会社)サイト

空っぽの「ワールド・ウッド・デイ」サイト。

主導したはずの建具組合のサイト。(リンク切れ)

 

だいたい、これほど大きな大会なのに、協賛にも後援にも林野庁はおろか全森連や全木連など大きな団体が全然登場しない。結局、家具新聞や建具組合が紹介しているように、林業・木材産業サイドではなく家具業界が主導権をとった(それに広告代理店がノッタ?)。もっとも主導権争いというより、誰も主導権をとりたがらなかったのかもしれない。とにかくバラバラ状態で、建具組合だけでは何もできず、ほとんど準備が進んでいなかったのではないか。

そこで、新型コロナ肺炎が大変だ!とこじつけて中止した、というのが私の見立てである。日本への誘致には、台湾の篤志家が力を注いだということだが、それを無にしてしまって残念である。

さあ、どうかな?反論というか、もっと内実を知っている人は教えてくださいませ(⌒ー⌒)。

 

ちなみに「ワールド・ウッド・デイ」自体は、これまでも世界で開催されていて、真っ当なイベントである。日本が悪いのだ。

2020/02/07

「着るロボット」によるウォーキングツアー募集

これまでいくつかのメディアで紹介してきた「着るロボット」。パワードウェアを林業にも応用しようという動きがある。

そこに「着るロボット」を身にまとってのツアーが企画されている。開発した奈良の株式会社ATOUNと旅行会社が組んだのだ。

京都での実証実験ツアー
KNT-CTホールディングス株式会社(本社:東京都新宿区、社長 米田 昭正:以下、KNT-CT)とグループ会社のクラブツーリズム株式会社(本社:東京都新宿区、社長 小山 佳延:以下、CT)と株式会社ATOUN(本社:奈良県奈良市、社長 藤本 弘道:以下、ATOUN)は、ロボティクス技術を活用した歩行支援用の「着るロボット」=パワードウェア プロトタイプHIMICO(ATOUN提供)を用いた歩行サポートツアーを正式にコースラインアップに追加し、本日より発売いたします。

すでに「ツーリズムEXPOジャパン2019(2019年10月)」で「着るロボット」体験会や、10名限定で募集した実証実験を兼ねたツアーを京都で実施していたが、正式にツアー商品として販売することにしたのだそうだ。
そして第1弾は「世界遺産・宇治上神社と宇治のまちなみウォーキング」

<ツアー概要>
■コース名:「着るロボット」で歩行をサポートする体験ツアー 世界遺産・宇治上神社と宇治のまちなみウォーキング
■出発日:2020年3月3日
■旅行代金(お一人):2,500円
■申込受付:コース番号:B0910-981(10:00集合)/B0911-981(13:30集合)
■集合・解散】京阪宇治駅(集合)/宇治公園(解散)
■旅行企画実施:クラブツーリズム株式会社 関西テーマ旅行センター
https://tour.club-t.com/tour/relation?r=KAN99487
*WEBにてコースの詳細をご覧になってお申込みください。
*サポートスタッフが同行いたします。

ちなみに使われる機器は

<使用機器 パワードウェア プロトタイプHIMICO(ATOUN) 詳細>
日々の歩行を支えるパワードウェア。歩行支援用パワードウェアのHIMICOは、坂道歩行で最大19.0%、階段の上りでは最大17.8%、砂地の歩行では最大30.7%の支援効果。快適な着心地を目指して、歩く姿勢や癖などの個人差を意識したアシスト制御手法の開発、および、さらなる小型軽量化に取り組んでいます。

■プロトタイプ仕様
想定装着者:身長155 cm~190 cm、腰回り100 cm以下(服を着た状態での寸法)
重量:2.5 kg
(仕様および外観は、予告なく変更されることがあります)

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私が着用した様子。

なお参加対象者は、高齢者や体力に少し自信がない人のほか、最先端のテクノロジーの体験をしてみたい人も歓迎だそうだ。実際、このパワードウェアを応用して、山登りがどこまで楽になるかを考察するのもよいだろう。いつか林業にも応用が効くようになるかもしれない。

ただしパワードウェアによるサポートは、あくまで歩行のアシストであり、まったく歩行ができない方が歩けたり階段を昇り降りができるようになったり……するものではないのでその点は理解のほどを。

 

2019/12/18

Yahoo!クリエーターズプログラム感謝祭の表彰台

東京に来ている。

いろいろ目的のあるなか、夜はYahoo!クリエーターズプログラム感謝祭に出席する。

Yahoo!ニュースの書き手が集まる場だが、会場はホテルニューオータニだ。この宴会は、一人5000円で収まるだろうか……。これはYahoo!が払ってくれるけど(^o^;)。

お祭りなんだが、部門別の表彰もある。それでドキュメンタリー部門で登壇したのが、なんと伊藤詩織さんだった。

彼女、今日は裁判の判決が出て歴史的な日(勝訴)。ニュースでも流れていたが、その日にこんな会場で会えるとは。

彼女は、時として事件の被害者としてばかり注目を浴びてきたが、ちゃんとジャーナリストとしてドキュメンタリーの仕事で成果を上げていた。テーマはシエラレオネである。渋い。

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というわけで、今夜は飲んだくれたのであった。

2019/12/14

気になる辺境~ブーゲンビル島独立へ…

今、もっとも気になる国際ニュースは、イギリスEU離脱か。米中貿易摩擦、いやアメリカ大統領選挙か。。。いや、私の場合は、これだ。20191213_131106

先日、テレビで山本五十六を取り上げた番組が放映されていた(BSプレミアム『英雄たちの選択』)が、日本人にとって、ブーゲンビル島と聞いてもっとも知られているのは、山本五十六が撃墜戦死した場所としてだろう。だが、注目すべきは独立戦争である。
この島は、地勢的にはソロモン諸島の最北部であり最大の島だが、行政的にはパプア・ニューギニアの一部。一時期は世界最大級と言われる銅鉱山があり、パプア・ニューギニアの財政はこの鉱山によって支えられていると言われていた。しかし、あまりに酷い自然破壊とそれに伴う住民生活の破壊が進んで、採掘を止める運動から襲撃となり、さらに独立運動となった。BRA(ブーゲンビル独立軍)が結成され鉱山(オーストラリア系)を破壊して島を閉鎖したのだ。その際に使った武器は、日本軍の残したものだという……。

……それが1990年代なんだから、長い長い闘争期間が続いて、とうとう独立を巡る投票が行われることになったのだ。そして、その結果が、これ。投票率が90%を超え、そのうち独立賛成が97・7%。もうなんと言っていいか、圧倒的だ。

私は紛争前の島に渡ったことがあって、その時は鉱山の一部を目にしたし、また(ソロモンに比べれば)豊かなブーゲンビルを目にしたが、あまりの物価高に逃げ出した。そして次にソロモンに行った際は紛争真っ只中で、島は閉鎖されていたが、私は潜入を試みてブーゲンビル島の一歩手前の島まで行った。が、そこで私は病気に倒れて断念するのである……。まあ、渡らなくてよかった。渡っていたらもどれなかったかもしれん。

この件については、
ブーゲンビル・クライシス1
ブーゲンビル・クライシス2

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ちなみに、こんな新聞記事もある。BRAはブラック魔術を使うらしい……。

現地から手紙が届いたこともある。

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よく読めないけと(^^;)、ソロモン諸島側にも戦火が広がった様子が書かれている。幸い、21世紀に入って停戦にはなったが、結着は着いていなかった。

そこが、ついに独立か。まだ紆余曲折はありそうだが……。

あのすさまじかった鉱山の自然破壊も、30年間も閉鎖されていたら、また緑に包まれているだろうなあ。
一方でソロモン諸島国でも、島ごとに次々と分離して独立州になっている。イギリスのEU離脱とか、各地で独立紛争が広がっているが、分離・独立の動きは辺境でも進んでいる。否、辺境こそ世界の縮図、世界のトレンドが真っ先に現れる地域なのかもしれない。

 

2019/11/13

女性に頼まれたら……「中島彩、テレビ出演」の件。

私、どうもある種の女性に弱いのである。何か言われたら断れない……そういう女性が何人かいるのである。

一人は、娘。娘が帰省時の送り迎えはもちろん、飲み会までもアッシー君を務める。さらに「チーズケーキ食べたい」と言われたら、朝から必死になってチーズケーキを売っている店を探して走り回る。

それから『絶望の林業』の担当者。「ここ、オカシイ」と指摘されたら、「はいはいはい」と言って、すぐ直す。「増刷するから、明日までに直しを」と言われれば必死に間に合わせる。

そして……中島彩さん。10年に及ぶおつきあいです。

今回、こんな要望が。
私事ですが30分のドキュメンタリー番組に出演致します。」とのこと。つまり

この番組を見なさいとな。そして「興味ありそうな方がおられれば、お伝え頂ければ」とな。……いやあ、そりゃブログで告知するのが一番早いでしょ(^o^)。

セブンルール
関テレ・フジテレビ系(全国放送)
11/19(火)23:30〜予定

中島彩偏

このサイトの予告編によると、フラダンスも踊るらしい(⌒ー⌒)。楽しみにしよう。まだ日があるので、忘れないように録画予約することをお勧めする。私はしましたぜ。


なお、この日サッカー放送の影響で試合が延長すると、23:30より遅くなる可能性もあるそう。

 

2019/09/11

また盗伐が不起訴

このところ、『絶望の林業』がらみの話題を続けたが、またもや盗伐案件に……いや、フツーの森林や林業の話題も取り上げたいのだけどね。

なかなか被害届を受理しないし、受理しても不起訴にしてしまう状況の中で、検察審査会でようやく「不起訴不当」の決定がされて検察に差し戻された件。なんと、再び不起訴の決定がされたというのだ。

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実は、この件は、Wedgeの記事「横行する盗伐、崩れる山林 林業県・宮崎の闇でも取り上げた。盗伐されたのに、その被害届を警察が受理しないので70回も通ったというのだが、ようやく受理されたのに、すく不起訴。そこで検察審査会にかけて、ようやく今年4月に「不起訴不当」を勝ち取ったというもの。これで裁判か……と思われたのに、なんと検察はもう一度不起訴にしてしまった。

こうなると、打つ手なしである。不起訴の理由説明もない。最初は電話一本で終わらせようとしたそうだが、粘って文書で告知させたという。地検が不起訴の決定を文書でなく、電話で伝えるだけのつもりというのも、法治国家的にどうよ? と思う。いかに記録に残したくないか、表沙汰にしたくないのか。

宮崎県の林業界というよりは、司法も巻き込んだ闇は深いのお。。。折から、台風など大雨が続くが、盗伐跡地はどうなるだろうか。

 

追伸・農林水産大臣に、江藤拓議員が選ばれた。宮崎2区選出。(親が)盗伐の親玉じゃねえのか、という噂も飛び交う男である。

2019/07/30

林業本がお安く買えます~次世代森林産業展2019 

8月1~3日は、長野市ビッグハットで「次世代森林産業展2019」が開かれる。

林業関係者には、そこそこ情報が流れているかと思うが、結構大きな、おそらく日本で最大の林業の展覧会だ。林業機械の展示だけでなく、多くのセミナー、シンポジウムなどが開かれる。

後援は長野県とオーストリア大使館であるように、若干ヨーロッパ系林業の香りがするかもしれない(笑)。

私は1日午前10時半より、「林業に絶望する理由・希望を見出す理由」と題した講演を行うとともに、刷り上がったばかりの『絶望の林業』を販売する。講演時はセミナー会場(会議室1)で販売するが、その後は別のブースを借りて行うので探してください(^o^)。

別に森林・林業書籍を売るブース(築地書館)もあるので、こちらも探してください。ここでも、拙著『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』に『鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵』の販売をする予定である。

なお、これらは、市販よりお安く買える予定。


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と言っても、明後日だからなあ。長野市近郊の人しか無理か。もっと早く告知せいって? そのとおりです<(_ _)>。

 

ちなみに私は明日、長野入りします。夜、お暇な方はいますか? 孤独のグルメ楽しもうかと思ったり、夜の観光楽しもうと思ったり、心はざわついています(^o^)。

 

2019/07/04

タピオカミルクティとストロー

台湾では、タピオカミルクティーを飲んできた。日本で流行っているが、やはり原産地で味わわねば。ただし、私の頼んだのはチーズ味(^^;)。ちょいと変則か。

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タピオカを吸うには、この太いストローが必要だ。ただ、それでも詰まるから勢いよく吸引すると、ポコッとタピオカが口の中に飛び込んで喉に激突して痛かった(-_-;)。やはりタピオカはスプーンですくう方がよいと思う。

と、台湾グルメの感想を書きたいのではない。気になるのはストローだ。

このところ、ストローに対する風当たりが強い。マイクロプラスチック問題が世界的課題として取り上げられたかと思うと、なぜか矛先はストローに向いたのだ。これ、いかにもおかしい。世に出回るプラスチックのうちストローなんて、何千万分の1だろうが。あえて世間の目をそらそうとしたとしか思えない。

それに飛びついたのが、環境ジャーナリストの竹 田有里さんだ。水害被災地を取材して、間伐遅れが危険と聞き、間伐推進のために間伐材を使う商品をと考え、飛びついたのがストロー。木造注文住宅を手掛ける「アキュラホーム」に話を持ちかけ、間伐材を使用した「ウッドストロー」を開発させてしまった。
製法は、スギ材をかんな屑のように0.15ミリまで削り斜めに筒状に巻いたもの。手作業でつくっており、なんと1本50円。

本気か? 誰が使い捨てのストローに50円出すんだ。だが、いたよ。

東京・永田町の「ザ・キャピトルホテル東急」と共同で「ウッドストロープロジェクト」 として事業を立ち上げ、レストランで木のストローの使用を始めたというのだ。しかも木のストローを発表したら中央官庁や有名ホテルなどから問い合わせが殺到したという。世の中、50円のストローを使っても平気な顧客を抱える店がたくさんあったのか。官庁は税金だから痛みはもともと感じないのかもしれないが。

それにしても、一体ストロー何本分で1立米の木になるのか考えたことはあるのか。本気で間伐材の新たな使い道がストローと思っているのか。これで間伐が進むと考えているのか。いや、そもそも間伐材が売れないと誰が言った? いまや引っ張りだこではないか。バイオマス燃料として足りずに困っている。

ようするに、単に流行のストローに乗っかっただけとしか思えない。(その流行も恣意的につくられたものだろうが。)

ストローゴミをなんとかしたいのなら、回収システムを確立する方がよいだろう。多くが店で出すのだから、しっかり回収するだけで、巷に捨てられるストローは激減させられる。あるいはタピオカ、つまりキャッサバ澱粉から、生分解性プラスチックをつくり、それでストローにした方が意味あるんじゃないか。タピオカストローで、タピオカを吸い上げるのは話題にもなるし。

 

ちなみに本気で木材用途を考えるなら、国産材割り箸に力を入れるべきだ。国産材の高級箸でも原価は6円ぐらい。箸袋をオシャレにつけても20円程度だろう。そして機械化もできている。木材消費量も、ストローなどよりよっぽど多い。50円のストローをつくるぐらいなら国産割り箸をもっと増やすことこそ、新たな使い道となるだろう。新しくないのだけど。

マイクロプラスチック問題を真面目に考えるなら、ストローではなく、まともな実効性のあるものから取り組むべきだろう。

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こちらは台北のスーパーで買い物したときに購入したレジ袋。高いのだよ。6元した。20円を超える。今や台湾は全面的にレジ袋有料化を行っている。

2019/06/25

岩手県住田町の仮設住宅

岩手県住田町が、東日本大震災で被災者向けに建設した木造仮設住宅は、今年度末で提供が終わるそうだ。そこで役場庁舎のエントランスに1棟を移設して展示しているという。

思えば、私が東日本大震災の現場に足を運び岩手~宮城~福島と回った際のスタート地点が住田町。まずは、この仮設住宅を見学したのだった。ちょうど建設の真っ盛りだった。

 

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この仮設住宅は、もともと町で地元木材を使った仮設住宅を国に提案しようと以前から準備を進めていたもの。ある意味、非常にタイミングがよかったわけだ。そこで町独自の判断で建設を進めたのである。当時は仮設住宅にも国の基準があって、木造は当てはまらないから補助金が出ないという問題があり、そこでモアツリーズが全国から寄付金を集める運動を行っていた。たしか3億円必要で、そのうち2億円ぐらいを寄付で賄ったのではなかったか。私も些少ながら寄付した思い出がある。

庁舎に展示している仮設住宅は木造平屋で約30平方メートル、間取りは2DK。震災直後の町や町民の対応、仮設住宅建設の経緯をパネルや映像で説明しているそうだ。

当時、見学に行ったメンバーの一人は「ここに住みたい!」と叫んで顰蹙?をかった(笑)。たしかに木がいっぱいの室内とペレットストーブまで付いていたのでオシャレだった。しかも独立した一戸建て。長屋形式の仮設住宅は、隣の声が聞こえてプライバシーがないことが問題になっていたから、非常にレベルの高い仮設住宅だった。実際、この仮設から転居した住民の中には、これを移設したいという要望もあって払い下げたと聞く。なお1戸当たりの建設費は約450万円で、国の基準の上限561万円より安く付いている。この点でも優秀である。

大災害に際して、こうした事業をいち早く取り組んだ住田町には、林業の町としての矜持を感じられた。林業だからできること、を考えたのではなかったか。……今や私は、どこぞで「林業の町」と聞くと、すぐに脳裏には大面積の皆伐風景が浮かび、ああ矜持のかけらもなく森林破壊している地域ね、思ってしまいがち(とくに宮崎県ね)なのだが。

展示は8月7日までとか。機会があったら、行ってみたいけどなあ。

 

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