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本の紹介

林業・林産業

2017/04/18

不動産業と林業の相似性

たまたま不動産業界の記事に目を通した。日経ビジネスオンラインにあった不動産コンサルタントの牧野知弘氏へのインタビューである。

すると「これって、現在の林業事情と同じかも?」と思えたほど似たところが々ある。課題も浴似ているが、不動産業界で起きている新たな展開も、林業のヒントになるよう感じるのだ。

ちょっと羅列してみる。
 
現在の不動産は「資産であった不動産が、一転して負債になってしまう
これって、財産のつもりの山が金食い虫になったと嘆く山主の言葉そのもの。。。
 
 
不動産の価格が上がっていくことがもはや幻想
木材価格が上がっていくことなんて、もはや幻想……。もちろん森林価格も下落しているし。
 
 
空き家率が30%を超えてしまうと犯罪が増え、地域が荒廃していき、「スラム化」が一気に進む」 
地域の森林の約30%を超える面積が放置されて荒れると、森林地域(山村)全体が過疎高齢化で限界化して崩壊していく。
 
 
だが、今後へのヒントもある。 
 
若い人たちの多くは、住宅の価値とは「利用価値」に過ぎないという認識
若い人の多くは、森林は木材生産を行なう土地ではなく、空間利用する場と考えている。
この意識を強めたら、土地と利用権の分離を進めることができるだろう。土地価格はもっと下げて、利用価値で森林の売買を行なうことを考えられないか。 
 
不動産が証券化されるようになって以降、投資マネーの対象
森林の土地ではなく利用権(地上権)に価値があるのなら、それを証券化したら、投資マネーが入ってくるのではないか? 証券だから転売も可能となり、流動性が増す。
利用権を購入して、その森林を魅力的に仕立ててから転売することで利益を出す、という森林ビジネスも生れるかもしれない。
 
 
不動産業界では、自分の家を建てるためにローンを組んで購入する、その家と土地は財産となる……という固定化した考え方は古びてきた。最近の人ならは、
ローンを組むのであれば、倉庫みたいな建物を買って改装しシェアハウスとして運用するとか、二階建の戸建て物件の一階を賃貸に回すとか、民泊事業参入も視野に入れるとか、とても現実的で柔軟な発想を持っている。返済原資を自分の給料以外に確保している
森林の利用権購入も同じように考える。森林からの利益を木材生産だけで考えると成り立たない。シェアハウスや賃貸、民泊……に相当する別の収入源を一部に確保しておくことはできないか。
たとえば林内を有料の花園やトレイルラン、アスレチック場にする、林道や作業道の一部にソーラーパネルを設置したり、尾根筋に風車を設置して風力発電してもよい。尾根筋の道路は、風車のメンテナンスと林業用の両方に使える。、ほかにも小水力発電も可能だろう。さらに森林を小分けしてオーナー制度よろしく貸し出す……。いろいろ思いつくのだが、別口で利益を上げて、その金で森林を維持するのだ。
 
 
……こんな考え方を、実は折に触れて金融関係者や森林所有会社の人に提案してきたのだが、一顧だにされない(笑)。みんな、頭がカタい。アイデア勝負の時代なのに固定観念に縛られている。
むしろ先進的な不動産業者に森林経営を任せた方がいいかもしれないなあ。

2017/04/15

川の掘削

先日、川上村に行った際に、大滝前の吉野川を写真に撮った。

 
それを眺めていたのだが……ちょっと違和感はないだろうか?
 
 
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川の左半分。ちょっと不自然な形状をしている。
拡大すると……。
 
11
 
そう、人工的な溝がある。角度を変えると
 
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2
 
この川の真ん中の岩もちょっと加工の跡が……拡大する。
 
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ようするに、人工的に削ったのだ。筏を流せるように。
この大滝で吉野川は湾曲しているが、江戸時代はここで上流から流してきた丸太を集めて筏を組んだらしい。が、土倉庄三郎はもっと上流から筏で流せるように、さらに掘削を進めた。その痕跡の一つかな、と思っている。
ぜひ、近づいて間近に調査したいところだが……。
 
ところが、なんと渡るルートがない!
 
川向こうは岸が孤立している。チョー急崖を下るか、下半身浸かるぐらいの川を渡るしかあるまい。ボートを調達するか、濡れてもよい格好をするか。。。
 
ま、そんな課題を考えるのも面白いか。

2017/03/22

お尋ね~事故による伐採賠償額

林業現場の皆さんへ、ちょっとご意見・お尋ね。

 
 
私の友人が、ドローンを飛ばしていて、木立に引っ掛けてしまった。それを回収するのには、どうしてもその木を伐採しないと無理。そこで地権者の了解を得て伐採してもらったのだが、さて、地権者には立木代と慰謝料でいくらぐらい払えばいいか。
 
伐採した木はこんなもの。
 
Dscn8688  Dscn8686
 
伐ったのは、樹齢60年生のスギ。その横の細い木も一緒に伐った。
 
写真を見ればわかるとおり、わりと目はよいが、元玉部分はかなり曲がりが見える。幹の長さは10メートルぐらいだったという。搬出はしていない。
 
なお地域は九州で、地権者は林業家ではない。伐採したのは地権者とは別で、そちらの方への代金は別途支払っている。
 
 
さて賠償としてどれほどの額が適当だろうか。原木代だけを考えたらしれているのは、このブログの読者ならおわかりだろうが、事故ったことへの慰謝料も含めるべきだろう。菓子折りつけてお詫びを言いに行く分はおいといて(^o^)。
 
山主から林業家、一般市民、それぞれの立場の賢明なる皆さんのご意見をお聞かせねがいたい。地方によっては、こうしたケースにおける独特の手続きや慣習があるのかもしれないが、それも教えていただけると幸いだ。
 

2017/03/20

「林業で儲ける」2つの方向を考える

日経ビジネスオンラインに『「もうからない林業」でしたたかに稼ぐ人たちという記事が出た。

 
ここに登場するのは、岐阜県山県市の極東森林開発(中原丈夫社長)と、和歌山県田辺市にある山長商店(榎本崇秀社長)。なるほど、この人たちを選んだか、と思う。彼らは、なぜ林業で儲けられるのか。
 
極東森林開発の売り物は、注文から3日間の「短納期」と「ジャストインタイム」だ。さらに1本単位での注文も受ける「多品種・小ロット」の商品構成。
山長商店は、自社森林から製材、プレカットまで行い、住宅メーカーは1カ所ですべての木材が、最終製品として揃えられること。しかも「紀州材」ブランドの無垢材で1本ごとに伐採から加工履歴までトレーサビリティを付けている。(……以上、記事による。)
 
 
これはこれで(林業界では)すごいことなのだが、記事にはこんな言葉が登場する。
 
「林業家は自分たちのペースで樹木を切る。『そろそろあの斜面を切るか』という具合だ。そして切り出した丸太を市場に持ち込む。仮に『1カ月以内にこの太さのスギが100本、ヒノキが100本ほしい』などと要望があっても『まあ、切ってみないとなんともいえないけど、1カ月したら連絡するよ』という具合。そして実際には必要な丸太が揃っておらず『ある程度まとまるのはまた1カ月後だからそのころ来てくれ』という始末。これでは高く売れないのは当たり前だ」(中原社長)
 
ようするに、儲からないという林業家は、ビジネスの体を成していないから、と暗に臭わせている(笑)。
 
実は、ほかにも「儲けている林業家」は私も何人も知っている。相対取引で「市場の2割増価格で売っている」とか、造材が優秀でブランド的に市場価格より高くなる林業家のケースも聞いた。
さらに「山買いで儲けている」人の話もある。「うちの山は、全然金になる木がない」という山主から、安値で山を買い取るのだが、荒れたように見える山も、しっかり歩いて調べると、それなりによい木があるのだそうだ。元山主も知らなかった銘木を見つけたら、それを出して売るだけで元が取れる。残りを十把一絡げで売っても十分利益が出る……のだそうだ。
 
 
これらの例がやっているのは、マーケティングのマネジメントだ。マーケティング、つまり市場(顧客)が欲しがっているものを見つけ出して提供することである。これまで潜在的に国産材商品を欲しがっている客がいるのに、求められる形で供給しないから売れなかった。
 
マーケティングなんて、今やビジネス界では当たり前のようにいう言葉だが、それを林業界ではやっていなかったわけで、きっちりやれば儲かるわけだ。
 
ただ私は、林業界にはもう一つのブレイクが必要だと感じている。マーケティンクだけでは限界があるように思うのだ。なぜなら住宅着工件数が激減して、木材需要が縮む一方なのに、小さくなるパイの中で取り合うだけになるから。もともと生き残る業者は限られる。
 
では何が必要か。それを流行りの言葉で言えばイノベーションだろう。
 
マーケティングがすでにある(潜在的)需要を見つけ出して提供することなら、これまでになかった新たな需要をつくることがイノベーション。平たく言えば、新商品・新ビジネスを生み出すこと。
 
では、何が木材の新商品でありイノベーションになるか。木材(とくにスギやヒノキ)を使っていなかった分野への進出や、逆に商品になると思わなかった林産物を世に出すこと。
 
たとえば現在進められているCLTやバイオマス発電燃料は、一応イノベーションの部類だろうが、原木の価格が安くないと成立しないとか、安定供給不安という問題点を抱えている。もっと山側にプラスになる新商品はないか。
 
もちろん難しい。おいそれと見つかるはずがない。それでも私なりに考えたりする。
 
それをこのブログで垂れ流すつもりもない(~_~;)。だいたい誰にでもできるわけないだろう。それでもイノベーションを起こさないと先がないように思う。
 
 
 

2017/03/16

戦中の「伐ったら植える」

日本の山が、日中~太平洋戦争において大伐採されたことは、折に触れて記してきた。

 
それを拙著『森と日本人の1500年』には、次のように記した。
 
1940年 「国有林産物増産方針」
1941年 「国有林臨時植伐案」
1944年 「決戦収穫案」
 
ようするに軍需物資として国有林を伐採して木材を得ようという政策だ。かくして、日本の戦後は、はげ山からスタートせざるを得なかった。そして大造林が実施されるのだが……。
 
この度、たまたま読んでいた資料で、付け加える法律がつくられていたことを知る。
 
1945年 「戦時森林資源造成法」。
 
伐採跡地が放置されたままでは、銃後の国土保全が危ういとする意見が強く、しっかり跡地に植える法案が提出されたそうである。これは、そして4月2日の通常国会で可決している。戦争もいよいよ末期、本土決戦を覚悟する土壇場に成立したのだ。
 
実際にどれほど実行されたのかはわからない。終戦後は、反故にされた可能性も高い。しかし、林政担当者には「伐ったら植える」精神が非常時でも根付いていたのだろう。当然、政治家、軍部にさえ。
 
 
現在、日本各地で皆伐施業が広がっているが、果たして林業関係者に「伐ったら植える」思いは、どれほど残っているのだろうか。
 
「総量としては、日本の森林蓄積は増えている」から、この程度伐っても「森林は減らない」という言葉(言い訳?)ばかりが目立つのだが……。
 

2017/03/05

日経新聞の林業記事が核心を

このところ、日経新聞の林業記事が核心に近づいている。

 
いや、私がそう読み取っただけかもしれないが……。
 
まずは、2月28日配信のこの記事。

林業担い手「不足」9割、人材の確保急務 本社調査

 
前半は、林業で人手不足が深刻という調査結果を示している。
 
林業に従事する人が不足しているかどうかを森林組合に聞いた。「不足している」は43%、「やや不足している」も41%あった。9%は「不足して経営に影響が出ている」と答えた。
とくにどうこう言わない。問題は、その背景というか理由だ。
 
 
人手不足の解消に必要なこと(複数回答)を森林組合と住宅メーカーに聞くと「賃金・待遇の改善」がそれぞれ90%、74%に達した。
 
林業の担い手を確保する上で大きな課題の一つが所得の低さだ。林野庁のアンケート調査結果によると、2013年度の林業従事者の1人当たり平均所得は305万円。全産業平均の414万円を26%下回る。
 
そう、所得の低さが人手不足の要因なのに、それに目をつぶって「需要の拡大」を叫ぶのは馬鹿げている。
そして、所得が上がらない理由は、第一に原木価格の下落だろう。私はそれだけでなく、ニーズとマッチしていない点や、頭から従業員の所得を上げようと思わない経営者が少なくない問題もあると思うが。
 
その点は、
背景には木材需要の減少による丸太の値下がりがある。調査で森林組合に林業の課題(複数回答)を尋ねたところ「丸太の販売価格の低さ」(78%)が「従事者の不足」(57%)や「国産材需要の少なさ」(43%)を上回りトップだった。
 
 
日経新聞の記者さん、この問題をもっとクローズアップしてはどうか。私なら「人手不足」より、この点を記事のメインに据えるが。
 
 
一方、3月2日付けには、こんな記事が掲載された。

 

これは、また別の意味で面白い。記事のメインは、新建材、つまりCLTだ。岡山県真庭市を中心にCLTの建築が続々と増えていることに触れている。そして、これが木材需要の大きな波であるとしているようだ。
 
木材の住宅需要が減少しているので、非住宅建築物(公共施設、商業施設)に木材を使うことを期待し、そこではCLTが有望だから、CLTが木材需要を伸ばすのではとする。
 
関係者が望みをかけるのが大型施設だ。林業調査で森林組合と住宅メーカーに期待する建築分野(複数回答)を聞くと、84%が公共施設、52%が商業施設を挙げた。
 
028  CLTによる社屋建設。
 
 
そしてバイオマス発電にも触れる。
 
木質バイオマス発電もその一つ。調査では87%が期待すると答えた。
 
 
このように、新たな木材需要が林業再生に結びつくだろうと描くのだ。 
だが、もっとも注目すべき点は、次なのではないか。
 
ただ新たな用途を開拓しても、難題が残る。CLTや木質バイオマス発電は、主に角材に適さない曲がった木を使う。収入の柱となる高品質丸太の需要にはつながらない。山陰の森林組合は「低単価の需要拡大は意味がない」と言い切る。
一方、住宅メーカーの61%は林業の課題(複数回答)に「高コスト」を挙げた。売る側と使う側の意識の開きも大きい。
 
 
記事の付け足しのように記しているが、CLTやバイオマス発電では、利益率の高い高品質丸太(A材のこと)が売れるわけではないというのだから、記事の根幹はここにある。  
 
 
私は、CLTが悪いというのではない。それなりに魅力的な建材であることは繰り返し記してきた。ただ、本当に国産材を使って作るのか、輸入CLTに席巻されるのではないか、という疑問に加えて、いくら国産材のCLTが売れたとしても、それは林業家の収入増にはつながらないということだ。
同じく、バイオマス発電も、廃材を利用する点に関しては大いに推進すべきだと思う。願わくば発電だけでなく熱利用もしてほしいが。
 
しかし、山に金が還元されないかぎり、林業現場の人手不足は続くし、日本の山は荒れ続けるのである。
 
日経の両記事は、林業問題の核心に触れたのだけど、記事としてはクローズアップしていない。本気で問題だと気づいているのかなあ。
 

2017/02/14

林業と盆栽アカデミー

さいたま市は、2017年の5月以降に、「さいたま国際盆栽アカデミー」を開設するのだそうだ。
 
盆栽は、日本が誇る?植物芸術だと思うが、今や世界中に愛好家が広がり、日本の盆栽目当ての外国人観光客も多いとのこと。さいたま市は、7年前に盆栽美術館を開設している。
 
もともと関東大震災で被災した東京の盆栽園の植木職人が集団移転し、「盆栽村」を形成した歴史がある。そこで、盆栽を学ぶ専門機関として、盆栽を体系的に学べるカリキュラムを用意するのだそうだ。
盆栽職人らの後継者育成と技術継承とともに、訪日外国人に盆栽の魅力を発信することも考えている模様。
 
 
なんだか、最近は林業大学校だけでなく、行政が農業系、水産系と第一次産業の学校をつくるのが流行っている気がする。盆栽を第一次産業というべきかどうか悩むところだが、自然を相手にする職業の人材を養成しようという点では同じか。
 
 
でも、盆栽はいい(^o^)。
箱庭、あるいはジオラマづくりとかプランター菜園でも感じるが、小さな植物を相手にすると、大きな森林では見えにくい面に気づくように思う。ある意味、ミニチュアであり縮小版だから鳥瞰できるのだ。
 
プランターに種子を蒔いたら、わんさか生えてくる芽吹きの中でどれを間引くかによって、プランターの世界も変わってくる。引き抜いた隣の苗が大きく育つとか経験すると、間伐の役割を身をもって感じる。それも数週間で結果が出る。
 
だから林業家も、盆栽を手がけたら樹木を扱う感覚を養えるんじゃないか。どの枝を落としたらどんな反応が起きるか勉強になる。あるいはアーボリカルチャーとか街路樹のような高木の剪定技術も、盆栽で覚えることができるように思える。
通常は全体を見渡すことが難しい森林景観も、盆栽を通せば考える際の参考にもなるだろうし。
 
盆栽アカデミーではなくて、林業大学校のカリキュラムに盆栽技術を学ぶ授業も入れたらどうだろうね。
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プランターで作ってみた田舎ジオラマ(笑)。
 

2017/02/07

元林業地・高井戸

元林業地・高井戸

昨夜は、杉並区の高井戸に泊まった。
 
この地に来るのは初めてだが、ちょっと関心のあったのは、高井戸がかつて林業地であったこと。
高井戸丸太、別名四谷丸太の産地だったのだ。これは江戸から明治、昭和初期まで京都の北山杉と並ぶ高級材扱いだったもの。里山で、ていねいに材を生産していたという。
それは忽然と姿を消すのだが……。
 
そんな名残は見られないかと、ちょっと期待していたのだが。。。
 
ありません。全然、ありません。完全に住宅街。
それでも少し歩いてみる。
 
すると、写真のような雑木の茂る一角を発見。どうやら高齢者福祉施設の敷地らしいが、昔の高井戸の自然を一部に残しているようだ。
中に入ると、ケヤキの巨木や、コナラが残る。
 
ただ目を引いたのは、木々の間に隠れるように設置された水槽。
なんと木造である。今では珍しい木製水槽を使っているのであった。
 
木製の水槽は、いろいろな点で優れている。耐水性、耐アルカリ、耐酸性、耐用年限も金属桶よりずっと長い。断念性能が高いので、水の温度があまり変わらず結露もしない。地震に強く、軽くて部材も小さくできる、だから狭いところに設置できる……。
 
 
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※写真がアップされていなかったので、改めて。

2017/02/02

人材と木材の非正規雇用

アメリカはトランプ大統領で大混乱……という報道が続くが、ふと目にした記事には、アメリカの失業率は歴史的な低水準で、ほぼ完全雇用状態だとあった。2016年の米国の失業率は4.9%で、2010年の9.6%からほぼ半減しているのだ。長期失業数も2010年4月に戦後最悪の680万人だったが、昨年12月には183万人に減少の一途。
 
トランプ大統領の最大のお題目は、アメリカ国民に雇用を! ではなかったのか。
 
ようするにアメリカの労働問題は失業ではなく、低賃金・低収入層の増加なのだ。
ところがトランプの唱えるのは、前世紀的な製造業の雇用を増やすことであり、これは低賃金の労働者を増やすことにつながりかねない。
 
 
こんな点だけでも、トランプ大統領のいい加減さが読み取れるのだが、なんのことはない、日本と同じではないか。日本も失業率は下がっているのだ。
 
日本の政府首脳は「失業率はこんなに下がった」「こんなに雇用を増やした」と唱えている。それなのに経済は好転しない。なぜなら、国民の収入が低いままで購買力がつかないから。ついでに人口減。
 
 
Photo (世界経済のネタ帳より)
  
日本でも労働問題は、失業率ではなく低賃金なのだ。いわゆるワーキングプアである。働いているけど、貧乏。
それなのに政策は、単に雇用の数を増やすことだけをめざす。その手法は非正規雇用を増やすこと。(それがとりあえず歓迎されたのは、失業者が急増した2000年前後の緊急時だけだ。)今や非正規雇用は低賃金の温床である。それなのに、いまだ政策転換が成されていない。
 
 
この話題、各産業の構造でも応用できる。
 
せっかくだから林業で見ると、人材不足を訴えて人材育成を進めているが、そこで求めるのは低賃金現場作業員(ワーカー)だ。将来の森づくりを考える人材育成ではない。高賃金を払わねばならないからか?(仮に作業員の質が高まっても、低賃金にとどめるのだろう。)
 
 
人材だけでなく、木材も同じ。需要は増えている。
 
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ここ十数年で(18%から33%まで)15%も自給率を上げている。それ自体は驚異的だ。
 
ただ生産量は伸びたが、その分を吸収すべき木材需要がはっきり定まっていない。
そこで思いつきのように、バイオマス燃料など低価格の木材需要を増やす政策ばかり推進する。自給率の計算にも、これまで含めていなかった燃料を加える。しかし安いだけでなく、これらは安定的な需要かどうか怪しい。全体の需要そのものは減少が続いているからだ。
すると山主に利益が還元されないから、再造林は進まない。
 
なんか、非正規雇用だから低賃金で、若者は結婚できずに出生率が落ちる……という日本社会の大問題とつながるような話。
 
いわば木材の非正規雇用。人材も木材も、一緒だねえ(笑)。。いや、笑い事じゃない。
 

2017/01/25

360度カメラで森林情報

四国森林管理局では、2017年度から国有林の森林内の様子を「360度カメラ」で撮影して画像をホームページに掲載を始める計画だそうだ。
 
なんのことやら、と思うが、360度、つまり全方位を撮影できるカメラで国有林を写して、それをパソコンやタブレット、スマホなどでも見られるようにする。画面をいじれば、好きな角度から森林を眺められるうえ、部分的に拡大もできることになる。
単なる森林風景ではなく、樹木の様子を見ることができるはずだ。グーグルマップのストリートビューみたいなものか。
 
なんだか楽しそうだが、何も森を眺めて遊んでください、というわけではなく、これは国有林の立木販売を検討している業者への情報提供を目論んでのことらしい。
 
最近、国有林でも素材販売だけでなく立木販売、つまりまだ生えている樹木のまま売り飛ばす……語弊あるか、ようするに伐採搬出は自分でやってね、という販売方法を取ることが多くなったようだが、そうした木材購入の場合は、樹木の状態を確認するのが難しい。
いちいち山を歩いて1本ずつ確認するのは難しいからだ。
 
立木販売推進に向け、木材購入を検討している業者に分かりやすく情報提供し、落札率を上げようという魂胆である。
 
さて、効果のほどはわからないが、こうした情報提供は重要だろう。現物を見ずに購入する,文字通り山師か博打のような売買が少し真っ当になる。
できれば画像だけでなく、1本1本の履歴も記せたらいいのだが。なかには銘木が発見できるかもしれない。画像から、どの木がどんな木目を持つか読み取って、入札するような業者が出てきたら、それこそ博打ではなく真剣勝負にならないか。
 
 
これまで国有林は、木材の質を考えずに十把一絡げで量の売り方が目立ったが、 多少とも質の売買を進めてほしい。その方がお互いの収益が上がるうえ、木材の見る目や売買のモチベーションも高まるよ。
 
それとは関係ないが、高知県は国産のCLTの輸出も考えて、まず台湾の調査を始めるようだ。なかなか攻めの姿勢があってよろしい。その計画が成功するかどうかは置いておいて、県内で生産したCLTを国内市場だけをターゲットに売りさばこうとしていたら、絶対行き詰まると思うから。
 
小さなことからコツコツと。何事もイノベーションだなあ。四国は頑張っているのかも。

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