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本の紹介

林業・林産業

2018/01/16

バイオマス丸太

ふと訪れた生駒山尾根沿いにあるバイオマス発電所……と燃料置き場。

 
外から見ると、えらく丸太が積み上げてある。どうにも気になって(~_~;)、近づいてみた。
 
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なかなか大量の丸太だ。これが1ヘクタールぐらいの敷地にびっしり積まれている。発電所が稼働して1年以上が経つが、燃料となるてD材集めは軌道に乗ったのか、ずいぶん量が増えた。
 
それにしても、結構立派な丸太が混ざっている。素性がよいとはいわないが、長さも3メートルあるものが多いし、そんなに曲がっていない。多くが合板用B材としても通用するように思える。通常、バイオマス発電の燃料チップにするといえば枝や梢、切株、タンコロなどが目立つものなのに。……。
 
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独特の積み方をしている。これをどこから持ってきたのかが気になるところ。大阪の、それも県境の山の上に発電所をつくったのだから、近くに産地があるわけはなく、もっとも謎の部分だ。誰か、知らないか?
 
 
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こんな荷札のついた丸太を発見。でも、これでは仕入れ先がわからんなぁ。
切り口の印は、どこかの木材市場の競りでも通ったのだろうか。
誰か、解読しませんか(笑)。
 

2018/01/14

林野庁長官インタビュー

林野庁・沖修司長官インタビュー がサイトに掲載されていた。

 
国の森林環境税の整備について……ということだが、内容はあまり税金のことは少なくて林業事情について語っている。一般向きの記事だからだろう。
 
 
細かなツッコミドコロはいろいろある。たとえば……
 
日本の森林の3分の2に当たる1300万ヘクタールが人工林です。
 
人工林は通称1000万ヘクタールというのだが、増えたのだろうか? 長官が間違えた? それともライターの聞き取りミス?
 
 
幹が太くなると、柱など通常の木材製品よりもサイズが大きくなりすぎます。のこぎりを入れる部分が増え、歩留まりが悪いです。また、現状の製材工場では太い木を加工できる設備が少ないというハード面の制約もあります。ですので、適当な太さで主採した方がよいです。
 
これは納得いかないなあ。「柱など」というが、現在の需要は板に移ってきている。歩留りは太い方がよいはずだ。欧米では、もっと太くしてから伐るのが当たり前だし。それに製材工場の機械に合わせるというのも本末転倒だ。機械を変えるべきだろう。
 
 
管理が難しくなっている人工林を市町村が預かり、林業経営者に貸し出すのが森林バンクという考え方です。
 
これ、森林バンクが所有者を探し出して相続や名義も寄せて、境界線も確定して……という前提なのだろうか。この場合、バンクの主体は誰だろう。もっとも面倒な部分を肩代わりしてくれるのなら喜ぶ人はいるだろうが、ものすごく大変で、努力しても報われない。
そして「管理が難しくなっている人工林」を誰が引き受けるか。この場合の「引き受ける」は、伐採すると同義のように読み取れるが。
 
集約化の人材は民間に得意な人がいたらよいが、引き受け手がいるかな。森林組合だってイヤがっているのに。結局は地元自治体の職員に押しつけることになりそう。でも林業に詳しい人材がいない。業者のやりたい放題になりかねない。
そこで理事など幹部は林野庁から出向という名の天下り……なんてことになったら税金の無駄遣いが目に見える。
 
 
川中の製材工場に安定的に木材を供給することも、林業全体にとって重要です。今回のシステムで供給量も充実されると考えています。
主伐に視点を置くため、高額なA材を切り出せる森林が増えます。
 
やっぱり安定供給の主伐主体。森林環境税は主伐補助金とセットなのだ。森林整備という名の林業振興、木材生産増強が目的である。……でも、本当に10年後20年後も伐る木が残っているだろうか。
ボリュームゾーンである50~60年生の森を伐って大量生産のレールを敷いたら、業者も増えるかもしれない。が、資源が減ってきたらバタバタ倒産するだろう。その前に山を破壊するまで伐り続けるだろう。
 
 
宮崎県に視察行ったらよいと思う。資源が充実していると素材生産業者がたくさん生まれて伐りまくって、一時的に景気がよくなったが、いよいよ資源の底が見えだしたから。これから何が起こるのか。。。先駆的状況を示している。
再造林もする、と言っていたが、現実に再造林されているのか、育林も施して次世代の森が育っているか……見てきてほしい。そこに日本全体の将来があるかもしれない。
 

2018/01/07

就職の動機は

京都で開かれた「ライフ・アンド・フォレスト」というシンポジウムに顔を出してきた。

テーマは、「先生たちの本音~林業人材育成の現場から~」である。
 
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大学や林業大学校、そして自治体の研修センターの林業について学ぶ現場の声を聞くものであったのだが……はたして本音が出たか?
 
いろいろ情報としてはあったのだが、私としては気になる一項目があった。
 
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最近の学生は、就職口として考えると、いくら林業・森林の社会的使命を言っても「給料や厚生施設、休暇、勤務先など」を綿密に調べてしまう……という言葉が講演者から出たことだった。
 
当たり前だろ。まともな待遇なしに使命感で労働力を安売りすることが、現在の日本林業をダメにしたのではないのか。絶対条件、最低基準じゃねえか。
 
使命感とかやりがいとかで働かせようというのは「やりがい搾取」である。(by逃げ恥)
正月に帰省していた娘は、昨春就職したのだが、なかなか待遇のよい会社で、職場環境もよいし厚生関係はバッチリで、年に2回の帰省にも交通費が出るのだという。だから気に入っている様子は、これまでも幾度か聞かされていた。ところが、年末のボーナスが愕然とするほど低かったという……。1ヶ月分なかったというのだ。
 
どうやら厚生面の良さはボーナスを削ることで維持されていたらしい。そのことがわかった途端、娘は早々に転職を考え出した(~_~;)。
 
私は、これを正しい選択だと思う。
 
今や人材を得たければ、それなりの待遇を提供するのは当たり前だ。そのことを理解しない経営者は社員から逃げられるのだ。
 
ブラック企業になるぐらいなら、事業規模を縮小して少人数の職場にする(その分、残った従業員の待遇をよくする)。あるいは廃業する……でいいのではないか。  
 
林業関係で、そうした待遇を提供できないとしたら、それを「儲かる林業」ができないから、と逃げてはいけない。経営者の取り分を削っても社員に支払うべきだ。優秀な人材を確保してこそ、「儲かる林業・林産業」がある。石田三成が嶋左近を雇った逸話を思い出すべし。
 
そのことを理解できない事業体は……ま、どうなっても仕方ないね。

2017/12/19

日本を欧州材が席巻した時

現在の日本の木材需要量に占める欧州材は、7,6%(森林林業白書28年版)だそうだ。

 
随分増えたものだと思う。少なくても30年前はゼロと言ってよかった。
 
たまたま欧州材輸入始めの頃の思い出を語った総合商社マンの話を読んだ。それがすごい。
 
欧州材が日本に本格的に入ってきたのは1992年である。その前夜、アメリカの木材の輸出に規制がかかってウッドショックが起きていた。一方でヨーロッパではドイツマルク以外の通貨が大幅に切り下がり、とくに北欧では半値になっていた。木材価格も半値である。また日本国内でもプレカットが広がり始めて乾燥材を真剣に探し始めた時期でもあった。
 
……とまあ、こんな説明をすると、だから渡りに船と日本は欧州材輸入に踏み切ったのだ、と思いがちだ。ところが、そんな簡単ではなかったらしい。
 
なぜなら日本はバブルに浮かれていたからである。それに国産材に眼を向けたこともあったらしい。
しかし、そこに生き残りをかけたヨーロッパの木材業者が日本に乗り込んできたのだ。なにしろ大不況に陥って木材は売れずに倒産が相次いでいたから。輸出先として希望があるのは日本しかなかったのだ。
 
そこで行われたのは、徹底的に日本の木材市場を調べて求められているものをつくることだった。降水量や気温・湿度、木の動き……。国際携帯電話(まだメールもインターネットも普及していなかった)を持って、日本の工場を視察すると、その場で日本側の要求する仕様を本国に伝えて作らせる指示を出していたという。全量乾燥材で、寸法も希望通り。即断即決。
最終用途を聞き出すと、それに合わせた製品づくりを行うのだ。
そして、その最前線で走ったヨーロッパのビジネスマンは30歳半ばの若手だったという。
 
 
それまで欧州材という認識のなかった日本人、それも慣習に縛られて腰の重かった日本人を動かして、輸入を決めるまでに持ち込んだのだった。
 
 
ああ、これは敵わない……と思いましたよ。かつて高度経済生長時代の日本なら、工業製品を海外に売り込むときにはそんな頑張りを見せたのかもしれないが、90年代の頃にはハングリーさを失っていた。
 
 
そういや、ノルウェーでも彼らの現場力を感じたな。現場が権限を持っていて、どんどん話を進めていくのだ。
現在の日本の負けは、30年前から始まっていたのかもしれない。
 

2017/12/13

巨木林の伐採

先日、東京のライターを吉野に案内する機会があったのだが、そこで吉野林業についてもかんじてもらおうと山に入った。

 
めざすは巨木林である。本当は中奥の森まで行きたかったが、ちょっと時間が足りない。
そこで高原をめざした。ここにも250年生の吉野杉の林立する森がある。ただ、このところ少しずつ伐採していて、その一部が明治神宮の鳥居にもなったのである。
 
 
が、車で高原の集落をすぎて、いよいよ森の奥に進むと、なんだか伐採の臭いが……(笑)。
 
そして、ようやくたどりついた森はこんな具合であった。
 
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ふえ~ん。巨木はみんな伐られていた……。わずかに尾根筋や川筋に何本か残っているが、森という雰囲気は消えている。
 
切株はみんな直径1メートル超のものばかりで、それ自体も迫力はあるのだが、やっぱり高く伸びていないとなあ。
 
ちなみに、以前はこんな様子。
 
4 これは10年以上前の撮影か。
 
 
誤解のないように触れておくが、伐採したことをケシカランと言っているのではない。人工林であり、そこに生える木を収穫するのは当たり前のことである。永く残せば、雷に打たれたり強風で倒れたり、傷つく確率も高まるので、適度な時期に伐採するのは林業なら当たり前。
とくに明治神宮の鳥居になったと言えば、満足度も高いだろう。
 
あえて言えば、皆伐ではなく、少し残しておいてほしかったが……ようするに、外部者に見せる森が欲しいということである。
 
 
ちなみに伐採された谷の奥には、こんなシーンも。
 
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これだけの巨木を、ちゃんと切株の上に乗るように倒しているのはさすがだね。
葉枯らし乾燥をしているのだろう。
 
 
吉野には、まだまだ植えられた巨木が残っている。100年生は当たり前、200年生もそこかしこに見る。ただ、それは過去の遺物であって、現在から未来へ残す森はダイジョーブだろうか。。。

2017/12/03

林業ロボットは実用化するのか

高専ロボコン2017の全国大会をテレビで見ていた。
 
高専生がつくるロボットのコンテストだ。ゲーム形式で戦うのだが、アイデア満載で楽しい。
今年のテーマは「風船割り」なんだが、みんなあの手この手の作戦を立てて、そのためのロボットを作ってる。中には、対戦相手に勝つことより、「カッコいいロボットが作りたい!」というのが目的なのもあって、にんまりする。
 
空から槍が降ったり、蛸入道が現れたり合体ロボになったり……。
 
こんな番組を見ていると、日本もまだ捨てたもんじゃない、ニホン、スゴイ! と言いたくなる。(もっとも国際ロボコンでも、日本チームは上位に入りづらくなっている。)
 
そんな時に見つけた記事。
 
 
「林業用アシストスーツ研究開発コンソーシアム」(こんなのがあったんだ!)は、「TABITO-03」を試作し、東京ビッグサイトで開かれたロボット専門展「2017国際ロボット展」に展示したそうだ。残念ながら昨日までなんだが……。
 
このアシストスーツは、筋力負荷を17%軽減できて、急斜面を登り下りするのに効果を発揮するそうだ。
なるほど……と思うのだが、はて、現在の林業現場でそんなに自分の足で山を登ることは多いのだろうか。かなり乗用の林業機械も増えてきたのだが。それに、あくまでアシストであり、全自動のロボットでない。細かな地形や草木の状態の判断は、人間がするわけだ。
 
たしかに造林や下刈りなどでは、まだまだ自分の足を使わねばならない。ただ、ぐいぐい登るというよりは、ゆっくりで、そんなに負担になるのだろうか。
ただ苗とか刈り払い機など重いものを持つ際のアシストになるのなら効果的なのかもしれない。
 
長い間、開発研究されて、とうとう実用化されなかった枝打ちロボットのようなケースもある。今や枝打ちそのものが必要とされなくなってしまった。それに、ロボットではどの枝を落とすのか判断できない。全部落としていいわけでもない。
 
 
もっとも、そのうち本格的なAIの時代になれば、人間より的確な判断をするかもね。苗の植え方、草の刈り方、木の伐採……人間だって経験で覚えるのだから、AIは人間以上の多くの経験則を学習して理論的に身につける時代が来るだろう。
そのとき、必要な林業人とは何の役割を果たすのだろうか。

2017/12/01

森林認証の返上

NPO法人PEFCアジアプロモーションズから、来年3月をもって解散するという案内が来た。
 
ご存じのとおり、世界的な森林認証制度PEFCは、昨年の6月に日本独自の森林認証制度である緑の循環認証会議(SGEC)を承認して相互認証することになった。
そこでSGECもPEFC ジャパンに衣替えしたので、このNPOも統合されることになったのだそうである。
 
まあ、このことは事務的なことであり、SGECの変貌によって予期されたことでもあるので、どおってことはないが……今、森林認証制度はどうなっているのか?
 
 
現在、全世界での地域別認証面積は、FSCが約2億ヘクタール、PEFCが約3億ヘクタールのようだ。もっとも、両方を重複して認証を受けている森林がかなりあるので、おそらく4億ヘクタールを少し超える程度ではないだろうか。めちゃくちゃ大雑把(~_~;)
 
これって、全世界の森林面積の約1割ぐらいである。もっとも、ヨーロッパと北米が非常に多い。どちらもヨーロッパが1億ヘクタールぐらいあるし、とくにPEFCは、アメリカ・カナダが半分ぐらい占めている。
 
ともあれ、両方の認証を取得するということは、それだけのメリットがあるということだ。やはり貿易に必要であり、かつ認証のあるなしが価格に跳ね返るからだろう。
 
 
……ところが、日本の最新の森林認証面積を調べようとしたら、なかなか見つからない。どちらのホームページでも、隠しているんじゃないかと思われるほど、どこに記載しているのかわからない。探す手間をかける元気もなくなった。(もし、知っている人がいたら教えてほしい。)
 
一方で、一度は取得した認証を返上したという情報が目立つ。(FM、CoCともに。)
具体的にどことは言わないが、いくつか有名どころ?が消えている。
 
 
森林認証は毎年更新の手続きが必要だ。森林だけでなく、流通(製材業など)もともにである。5年に一度は審査を受け直す。これらの審査料が馬鹿にならないのだ。だから返上するわけだが、逆に言えば取得しても審査料分のメリットがなかったのだろう。
 
規模が小さく経営の苦しい事業体にとって耐えられないのである。一度は審査を受けたということは、それなりに環境への意識のある経営者だったはずなのだが……。
 
 
つくづく日本人は、環境に興味も理解もないのだなと思う。これは森林認証だけでなく、食料品なども同じ。環境認証は普及しないのだ。
 
ここでも、世界の趨勢に反しているのだなあ、と思わざるを得ない。
 
何か、認証材は市場価格の何割増しかで買い取る仕組みをつくらねばならないのではないか、と思わせる。
 

2017/11/23

クリスマスツリーと割り箸

このところ、(ネットで)話題になっているのが、神戸市の神戸開港150年記念事業として企画された「世界一のクリスマスツリー」を立てるプロジェクトだ。 

 
富山県氷見市の山中にあった高さ30メートル超、直径約1メートル、重さ約24トン、推定樹齢が約150年のアスナロ(ヒバ)を根っこから掘り返して神戸港のメリケンパークに運んで移植するというものだ。
ニューヨークのロックフェラーセンター前のクリスマスツリーよりも大きいことから「世界一」を狙うらしい。そして移植と言いつつも、クリスマス終了後は、切り刻んで直径20ミリの「継ぐ実」と名付けた記念品にして販売するという。。。。
 
 
当然、ネット内で話題になったのは、「いいね」ではなく批判 だ(笑)。こんな巨樹を一過性のツリーとして掘り出し、最後は小さく刻んでしまうのがケシカランというわけ。
 
正直、私は全然興味が湧かないというか、下らない企画だと思う。ただ、いくつかの点で引っかかってしまった。
 
 
一つは、この木の持ち主は、どれほどの対価を受け取ったかということ。これを運んで移植する某プラントハンターや、企画した某氏はたんまり受け取っているのは言うまでもないが、肝心の山主はどうか。
巨木と言ってもアスナロは、そんなに高価格の木ではない。通常なら立米単価は1万円程度だ。この木の材積は5~10立米ぐらい? 長大木だからと割増を付けても、たいした金額にはならないように思う。運ぶのにかかる経費に比べたら、端金になるのではないだろうか。
もしかして買いたたかれたんじゃないだろうか。。。と他人事ながら心配になった(笑)。
 
これは林業全般なのだが、木材価格のほとんどが伐採搬出費とその後の製材加工費だ。何十年、ときに何百年もその木を育て守った山主が受け取る金額があまりに少ない。それでは森をつくり守る気概が失せるだろう。……今回がそんなケースに当たらないことを願う。 
 
 
そしてもう一つは、なぜ短期間に役目を終えて切り刻んだらケシカランと思われるのだろう、という点だ。クリスマスツリーとして多くの人の目に止まるのは、短期間とはいえ大きな役割だし、その後記念品になって長く人の手元に残るかもしれないのに。
 
実は、かつて同じことを感じたのが割り箸。
 
割り箸批判には必ず、使うのは食べる時間だけで、食べ終わったら捨てるのがケシカランという理屈があった。しかし長く使えばよいのか。では何回?何ヶ月? という点には返答がないのである。
私は、食べるときに使い、捨てた後には(ゴミ焼却場の)燃料になるから2回は役に立っているぞ、と言ったのだが。
 
何より、割り箸は、木材単価からすると、かなり高く売れる品だ。1膳が5円だとしたら単純に1立米当たりで20万円以上の価値になる。もちろん加工賃も必要だし、原木にそんな値段はつかない。そもそも(国産の)割り箸用は製材した際に出る端材部分を使う。しかし所有者にとって、高く売れるのがもっとも嬉しい。
 
ほかにも木材を紙にしたら一瞬で捨てられる可能性がある。ティッシュなんて鼻かんでオシマイだよ。そんな木材利用が世の中にあふれているのに、なぜクリスマスツリーは批判されるのか。
 
とにかく高く売れたら、その木材の使い道は正しかったと言えるのではないか。
 
だけど、世間はそうではないらしい。いや山主だって同じかもしれない。
以前、ヒノキの大木をもっとも高くなる使い道を探したら「表札」用だとわかったとき、山主は売るのを拒否した話を聞いた。これほどの大木を細かく刻むなんてケシカラン……というわけだ(笑)。
 
いずれも経済原則に反しているのだが、人の心は、大木を前にすると妙な思い入れが宿るようだ。そして、ときとして非合理に振る舞う。

2017/11/22

吉野林業と銘木の時代

先日、現代林業の苦境というか問題点を話しているときに、

せめて吉野林業ぐらいは元気じゃないんですか」と聞かれた。やはり吉野林業は日本の林業の最高峰。材価も高いし、積み重ねた歴史から苦境に対処しているのでは……と思われたらしい。

 
残念ながら、反対だ(~_~;)。だって、吉野林業は今の林業の真逆の路線をこれまで歩んできたのだから。
質を追求し、量は出せず、コストも値段も高い。これって、質より量、低コスト化を進めて安価で売っていく道を強力(強引?)に押し進めている現在の林業政策と正反対ではないか。実際にも、大半の林業地とは別の道だから、ガラパゴス感が強い。
 
だったら吉野も量を追求し、低コスト林業をめざすべきか……。否。
 
いつも現代の吉野林業の悪口を言っている私(~_~;)は、最近になって吉野の路線こそ将来の林業に相応しいのではないか、と思い直している。そして、また吉野林業がリードする時代が来るのではないか、とさえ考え出した。ま、肝心の「将来」がいつなのか、それが難しいのだが。
 
それは黙っていてもそんな時代が来るというのではなく、そちらの方向に誘導すべき、努力すべきという意味でもある。
 
なぜなら、木材需要が先細りの中、量を追求するとさらなる価格の下落を招くから。だから少量でも利益が出る林業をめざさないと先がない。利益率を上げて少量でも純益を増やせる木材とは、材質を売り物にしなくてはならないだろう。
 
 
以前から強調していることだが、木材はもはや機能を売り物にすべきてはなく、官能を前面に出すべきだ。機能を無視しろというわけではないが、強度とか耐久性、耐火性……などは木材改質や、非木質素材の組み合わせでカバーできる。
だから木材は見た目が9割、いや9割5分くらいではないか。
 
見映えのよい木とは、ようするに銘木だ。銘木とは、一目で素敵と思わせる感覚を呼び起こす官能的な木である。
 
もちろん、天然木の自然に出来た杢などの銘木は、つくろうと思ってつくれるわけでなく、希少性が高い。だが四方無地、絞り丸太のように人工的に作り出せる銘木もあるだろう。
 
一方で、昔ながらの絞り丸太や四方無地がさほど売れるわけではない。こちらも先細り。
そこで今風の銘木を見つけ出さなくてはならない。木目や節の曲線の美しさを魅せるとか、木取りの技術で杢を浮かび上がらせるとか……新しい美意識と発想も必要となる。
 
つまり加工技術や最終商品と密接に結びつき、現代の銘木を生み出すことが吉野林業、ひいては日本林業の活路にならないか……。
 
そんなことを考えてみたのである。
 
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柱の断面に、こんな紋様?の木目があっても面白いと思う。
 
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フローリングの板が、こんな風に張り合わせてあるのも見せる木材だ。
 

2017/11/20

製紙会社の農業ビジネス

最近は、製紙会社が農業ビジネスに取り組んでいるそうだ。

 
栽培するのは、薬草や高機能茶など。王子製紙は漢方薬の甘草栽培に乗り出し、日本製紙はカテキンやアントシアニンの豊富なチャノキの新品種「サンルージュ 」の苗づくりを行っているという。なんでも赤いお茶なんだそうだが……。
 
まあ、ここでは何を栽培するか、ではなくて、農産物の栽培ビジネスに手を広げていること。
 
これまで製紙は装置産業的だった。紙の需要が減ったからと言って、乗り出すのはセルロースナノファイバーなど、これも装置産業。木質などの原材料の加工・利用ビジネスだった。そこから一歩原材料生産へと遡ったのか。
 
 
ただ私が感じたのは、先に林業家が取り組むべきじゃなかったのかな、ということ。
林業も斜陽なら、新たな商品づくりに乗り出すべきだし、その中には農業的な栽培は十分に射程に入るべき。林業家が自分の山で栽培した農作物を製紙会社に売り込みに行く……という方が順序としては正しくない? と思ったのである。
 
実際、林床で薬草栽培する林業は過去には広くあった。林内放牧のような畜産との組み合わせもあった。
 
先日、某地での講演の後に、森林組合の人から電話がかかってきて、私が話した「林床によるアジサイ栽培」の話が気に入って、考えたいと言ってきた。正確には、林家がやるのではなく集落でやりたいというのだが、どちらにしても樹木育てるより時間はかからないし、当たれば利益も大きい。
 
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もうちょっと、森林経営を柔軟に考えてみたらよいのだ。土地からいかに収益を上げるか、という課題に取り組むのだから。本来なら土地に近い者が思いつくべきではないか。
 
なんか、製紙会社にサキドリされているが残念。製紙会社の方が柔軟?
 

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森と林業と田舎