養蜂の取材を行った。
この養蜂家とは、楽しいハチミツの話もいっぱいして、それは面白かったのだが、先に話題になったのは、やはり昨年ぐらいから世界的な問題になっているミツバチの激減。急に巣からミツバチが消えた、と騒がれている問題だ。
現在の報道では、ダニやら電磁波や地球温暖化まだ持ち出し様々な可能性を並べて、「結局、決め手になる原因はわかりませんでした」という内容で終わっている。
が、なんのことはない、答は出ているのだという。
それはニコチノイド系の農薬である。これにやられてハチは死んでいくらしい。
すでに死んだハチが見つかっており、それを調査した結果、ニコチノイド系農薬が検出されているというのだ。それは北海道や東北のこと。そして、農協側がそれを認めて賠償金を養蜂家に払っている。ここまで因果関係がはっきりして、両者が認めているのである。
こんなこというと、またぞろ、環境ゴロが書き散らしたトンデモ本(たとえば「悪魔の新・農薬「ネオニコチノイド」―ミツバチが消えた「沈黙の夏」など)が世情を賑わせている。
こんな本は読むに値せず、私なんぞ書店で立ち読みして投げ出した(^^;)。
『ゴルフ場は自然がいっぱい』で農薬の心配は薄れたと書きながら、ここでは農薬批判かよ、と思われるかもしれないが、ちょっと意味か違う。
簡単にニコチノイド系農薬を説明すると、これは節足動物の神経に効く。これまでの有機リン系の農薬は、選択性が作られていて、ある程度定められた害虫だけに効くことに対して、たいていの虫には有効だ。言い換えると、虫ならなんでも殺してしまう。しかし、人間などセキツイ動物には何ら影響が出ない。地下水も汚染しない。
つまり、人間には無害で、虫なら何でも効くから、いちいち何の害虫にはどの農薬、と考えずに散布できて、農家にとって非常に便利なのだ。逆に言えば、せっかく選択性を高めて特定の害虫だけに効く農薬を開発してきたこれまでの方向性を変えてしまう代物だ。
この点、トンデモ本は、人間にも危険とあおっているのは間違っている。
そして、本当の問題は、農薬にあるのではなく、散布側にあった。
実はこの農薬は、全国各地で散布されているが、どこでもミツバチに害を出しているわけではないそうだ。日本なら東北-北海道が問題なのである。
その理由は、この地域の水田では、無人ヘリを採用していることにある。ヘリに農薬を積み込む場合は、農薬を水に溶かさず、粉末状のものをそのまま使う。その方か圧倒的に軽いからだ。
ところが、粉末農薬は軽いゆえに風に乗り、何キロも飛んで行く。養蜂家がハチを離しているところは農薬散布をしないように地元と協定を結んでいるが、その範囲を越えて飛散する。そのためミツバチに被害が広まったというのだ。事実、通常の水溶液にして水田に播いているところでは、ほぼ被害は出ていない。
つまり散布方法に問題がある……あまりに簡単な解答である。農薬を責める前に、やることがあるだろう、という話になってしまう。
それをなぜ、報道しないのか。この点については、また改めて。
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