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森と林業と動物の本

2025/03/13

Wedge ONLINEに「古墳の宿…」の記事を書いた裏事情

Wedge ONLINEに「奈良にある日本最古の道にオープンする“古墳民宿”SNSが生んだ新たな観光資源」を執筆しました。

「奈良にある最古の道」とは、山辺の道のこと。おそらく弥生時代からあった道とされ、古墳時代に入ってからはヤマト王権の主要な豪族の領域だった。おかげで、周辺に何百何千という古墳が並ぶ。天皇陵だけでいくつあるか。

その中の古墳の一つ、西山塚古墳が宿になったのである。全長114メートルの前方後円墳だ。

実は、毎日新聞奈良県版の大和森林物語に記した記事が元になっている。昨年から幾度も取材していて、ようやく記事にしたのだが、奈良県版だけでは惜しいので、Wedge on lineにも紹介したわけである。

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この写真は、2月に取材に行った際のもの。墳丘からのものだが、雪が積もっていて使うのを諦めた。

今回は切り口を少し変えて、媒体の性質も考えてビジネスマン向けに、事業展開を重視した内容にした。

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こちらは、昨年のまだ建設中の写真。いかにして、資金を調達し建設を進めたのかが面白い。こんな可能性あるんだなあ。

 

2025/03/12

徳田虎雄本から思い出した自身の経歴

先日の東京で移動中にスケジュールの隙間があって、その際に目についたBOOK OFFに入った。ここで20~30分くらい時間を潰そう。

そこで見つけたのが、この本。

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わが語録 真実を求めて~生か死か』(徳田虎雄)。日本最大の病院グループ徳州会の総帥だった徳田虎雄の本である。内容は、写真とキャッチな語録を組み合わせた妙な本。

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なぜ、この本に注目したかと言えば、編集したのは私だから。そう、私の作品なのである。初版は1986年3月18日とあるから、なんと39年前になる (@_@)。いや、本づくりには半年1年かけたから40年前の私の仕事だ。

もちろん私一人でつくったのではなくて、当時勤めていた出版社のほかのメンバーもいるし、実際の進行ではデタラメなこと、ひどいことが幾度も起きて最後は放り出していたが……。それを昨年10月に再版……というより復刻していたのか。まあ、徳田虎雄が亡くなったことに合わせて柳の下のドジョウ狙いなのだろう。

この本の裏話をすれば、凄まじい事実がいくらでもあるのだが、時代的には徳田の前半生にすぎないし、もはやどうでもよい。ただ気づいたのである。

この年の7月に、私は処女作を出版している。それが『不思議の国のメラネシア』。出版社に勤めながら、別の出版社から自分の本を出版するという真似をしていたのであった。まあ、出る直前に会社は辞めていたが(笑)。

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実は前年1985年にペンネームでも本を出していた。これはゴーストライティング?みたいなものだから書名は出さないでおこう。

言い換えると、私にとって今年は出版を仕事として始めて40周年ということだ。う~ん、ちょっとショック。うぎゃあ、と悲鳴を上げたくなる。そんな年になったか。

以来、私は何冊の本を書いたのか。ちなみに87年には『チモール知られざる虐殺の島』を出版している。

森林ジャーナリストとしての本は『「森を守れ」が森を殺す!』が最初で、こちらは96年出版。その後、だいたい毎年1冊は出している。

だが、これらの歩みの前に、編集者としての本づくりをしていたことを思い出したのである。この徳田虎雄本のほかにも関わった本は何冊かある。

でも、今年出版する本はないかな……。

 

2025/03/06

Y!ニュース「三陸は山火事の多発地帯……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「三陸は山火事の多発地帯。大船渡の山の復活を考える」を執筆しました。

大船渡の山火事に関しては、幾度もYahoo!ニュースにコメントをつけているが、さらにコメント要請が続く。またテレビ局からの取材も入る。いやあ、私は山火事の専門家ではないし……と思っていたが、同時に記事の内容、これでいいの?間違いではないけど誤解されない……? と思うものも目立つ。

そこでまとめて記事にすることにした。

とは言いつつも、被害を強調するのもイヤなので、復活の芽も考えておくことにした。もちろん被害は甚大で、避難者も苦労していると思われるが、あまり悲観的にならなくてもいいんじゃない? と思っている。

生態系はもちろん、人もレジリエンス、復元力を持っているし、持ってほしい。

ちなみに写真は、相変わらず苦労している(^^;)。Yahoo!には大船渡の山火事の写真がないよう。手持ちも当然ない。探すと、釜石の山火事の跡地のものが出てきた。もちろん、これも私が撮影したのではなく、当時の記事を書くために提供してもらったもの。改めて使わせていただくことにした。焼けた跡地が緑に覆われていて、ぴったりではないか。

2025/03/05

花粉症番組で「スギは冤罪」と力説

昨夜、テレビ出演した。「TOKYO MX」テレビだから、東京ローカルになるのかな。

その中の「激論サミット」という番組。テーマは花粉症だ。この時期は、何かにつけ花粉症関連の番組や記事が求められる。

依頼があったのはほんの数日前(実は東京滞在中)なのだが、当初、東京のスタジオへと言われたので、「私、奈良在住なんですが、東京までの交通費と宿泊代を……」というと、ペンディング(^^;)。同時に、概要を聞いて「無花粉スギは有効か」とか林野庁の政策を取り上げるというので、全否定しておいたから、まあ出演はないだろうな、と思っていた。

ところが、再び「出演者がいなくて」と再依頼があり、オンライン出演となった。(東京に呼んでくれないのかよ。お江戸で遊ぼうと思ったのに……と、ちっとは思った。)それでも、私の花粉症に冠して書いた記事は読んでくれたようで、その路線でもいいということになる。

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これは仮台本。

ただ始まる前の挨拶で、司会の堀潤さんが、「大船渡の山火事」について触れたので、思わず山火事と三陸地方について論じてしまい、「こちらをテーマにした方がよかった」となりかけた(笑)。

しかも本番でも、最初に「花粉症って、何か問題か」と降られたので、思わず「スギではない」論を展開。その後の流れをぶった切る。出演者にはドイツ人のメントラインさんもいたのでヨーロッパの花粉症の話になる。幸い、みんな乗ってきてくれた。出演者の中にも、「舌下免疫療法で治りました」という人(西内啓さん)もいたので、ようは求められるのは治療法ではないのか、スギを減らすことばかり考えるのは本末転倒である!という論調に引っ張る。だいたい世界中でスギ以外の植物の花粉症があるのだから……となった。

いやあ、私としては我が意を得たり、でしたよ(⌒ー⌒)。

最後に求められた一言でも「スギは冤罪だ~!」と叫ぶ。再審を乞う。

 

2025/02/28

文楽に出る木の種類と建築へのツッコミ

昨夜まで東京に行っていた。何をって、いろいろあったのだが、最大の目的は「文楽鑑賞」。

演目は「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)」という大作で、なんと3部構成10時間! 休憩は幾度かあるが、全部合わせても2時間ぐらい。つまり約8時間座りっぱなしで鑑賞したことになる。多分、途中で逃げ出すだろうな、ずっと寝ていたりして……とか想像していたのだが、しっかり全部観きった! 途中幾度かは睡魔に襲われたけど、全体としてはじっくり鑑賞、感動したのであった。

そもそも演目は、奈良が舞台である。まず妹背山とは吉野川の両岸にある二つの山のこと。話は天智天皇を軸に展開するのだが、場所は飛鳥だけでなく三輪山に奈良の猿沢池も登場すれば、吉野川も重要な役割を果たす。そして奈良のシカを殺せば死刑……というネタもあって、時間も舞台も時空を飛んでいるのだ。

話も盛りだくさんで、悲劇かと思えば吉本ばりの喜劇要素もあるし、ホラーにもファンタジーにもなる。自分の幼い息子殺しとか猟奇的な場面さえあった。

さて、せっかくだからトリビア的な指摘を(^_^)

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これは、妹山背山の段。真ん中に流れる川は、吉野川(え?)右手が背山、左手が妹山。川をはさんでのやり取り(いや、吉野川は幅100メートル以上あるんだけど……)の末に、妹山の女性は首を打たれて背山の男の元に運ばれ、首だけの花嫁になるのであった (゚o゚;) 。

で、この両屋敷の障子。木枠に紙を張ったものは、飛鳥時代にはなかったと思われる。わずかに正倉院に残るものにそれに近い家具があるとされるが、当時、紙は貴重品でこんな一面に貼れなかったはずである。

さらに、写真はないのだが、この障子を開けると床の間が登場する。またひな人形が飾られている。う~ん、これらも登場したのは室町時代だなあ。また首だけの花嫁の婿となる男は切腹しながら結婚式を上げる… え え、え~(゚o゚;) が、切腹も鎌倉時代から室町時代の武士の作法である。このように時空を飛ぶ(^^;)。

こういうツッコミばかりだとイヤラシイので、もう少し楽しい話題として、権力を握った蘇我入鹿の豪華な御殿について語ってみよう。

 

それによると「メノウの梁、サンゴの柱、水晶の御簾、ルリの障子」だという。どんな建築物なんだ。さらに飛び石はコハク、砂は金銀。釣殿に登ると春日の杉は草のようで、猿沢の池もお庭の井戸に見える。どんだけ高いんだ。

よい匂いがするのは、縁側の板が伽羅と沈香だから。どちらも香木である。そして学問所は唐木~カリン、紫檀、黒檀、タガヤサン(鉄刀木)と南洋の稀少木の名が続く。まあ、その後、掛け合い漫才のようになっていくのだが……。

 

この演目は江戸時代中期に成立したようだが、この時代の木材の使い方や、価値基準などが読み取れて面白い。

なお、私が東京まで観劇に行ったのは、招待されたから。なぜならテキストにこんな記事を書いたからである。

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奈良のシカを殺すと死刑というのは、この文楽で取り上げたこともあって世間に広く知られるようになる。ちょっと誇張も入りすぎだが、伝説をつくった作品である。 

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実際の観劇には、このテキストを首ったけで突き合わせながらであったv(^0^)。さもなきゃわからない。

この表紙の女・お三輪は、登場時分は喜劇的だったのに、最後は残酷な殺され方をする。これも涙。

2025/02/13

Wedge「スギを伐採しても花粉症がなくならない」を書いた裏事情

Wedge on lineに「【悲報】スギを伐採しても花粉症がなくならない理由、世界の花粉症患者は4億人以上!結局どうすりゃいいの?」を執筆しました。

タイトルは編集部がつけたが、「どうすりゃいいの?」と聞かれたら、「お身体、大事なさってくださいね♡」ぐらいにしか応えようがない。

とにかく花粉症対策と言えば、スギを伐るという発想の貧困さを指摘したかったのである。ほかのどんな病気になっても、病原菌に文句いうことはないはずだ。コレラでもペストでも、エイズさえ、それぞれの菌、細菌、ウイルスには文句を言わない。言えない。そりゃ、内心「こいつがいなかったら……」と思う人もいるだろうが、コレラ菌を絶滅させよ!と声高に叫ぶ人はいないだろう。水虫になったら、白癬菌をこの世から消し去ろうとは思わない。自身の足に住みつかないように清潔にするのが先決だ。

極めて単純なお話を記事にしたのである。

内容的には、これまで幾度も各媒体に発信してきたことなので、それほど新味はないはずだが、改めて調べる過程で花粉症の奥深さ?が見えてきた。日本よりアメリカの方が花粉症患者が多いらしい。アフリカにも多い。日本だって、花粉症が発見される前から似た症状が報告されている。

花粉症対策でスギ伐採に注ぎ込んでいる資金を、治療薬やワクチン開発に投入すれば、もっと早く完成するかもしれない。林野庁が花粉症対策に手を出すのは、それが補助金行政に都合がよいからだろう。
その際に反ワクチン論者が登場する……かどうかはわからない。アホはどこでもいるから。。。

 

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2025/01/28

ラジオで花粉症患者に喧嘩売る

今朝、ラジオ出演した。

ジャパンエフエムネットワークというFMラジオの朝9時台の番組「OH! HAPPY MORNING」である。全国9局(FM青森・岩手・秋田・山形・富山・石川・三重・山陰・香川)で流れたらしい。

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テーマは花粉症。今年は過去10年で最大の花粉量が飛散、ということに引っかけて、無花粉スギについて取り上げたいそうである。私は、依頼を受けて「私でいいんですかあ」と何度も確認したが、よいというのである。

たった数分間の出演でも、結構負担はある。事前に調べることも必要だし、直前に電話がちゃんと通じるか確認したり、邪魔な音の入らない場所に移動して出演待機したりと、朝飯食いながら考えたら落ち着かない。

さて、スギ花粉が増えた理由や無花粉スギなどの説明をしてから言ってやった。「無花粉スギなんて、何の役にも立たない( ̄^ ̄)」と。

もちろん、植え刈るのが年間1~2万本にすぎず、全部植え替えるまで300~400年かかることもある。が、スギがなくなっても花粉症は亡くならないと予想されるからだ。

そして「コロナ禍は、新型コロナウイルスが引き起こしましたよね。でも、誰もコロナウイルスを絶滅させろとは言わなかった。無理だから。同じように花粉もなくすのも無理。スギだけでなくて、植物に花粉を出さないようにしろ、というのが無理。だからこの対策は無駄。

その後、花粉をなくそうと思うより自分の身体をなんとかしろ、あるいは治療薬、ワクチンつくれ、と言いたかったのだが……。これはカット(MCに遮られた)。

だから、私にコメント求めたら花粉症の企画が成り立たなくなりますよ、と言ったのだよ。

こうしたラジオの小コーナーで、詳しく説明しても伝わらない。時間がないからではなく、理解が追いつかないから。聞き流す中で大量の情報を咀嚼するのは無理がある。だから細かな条件とか例外などは省いて、方向性だけを示すようにする。ざっくりとした捉え方を示すべきなのである。気になる人は、後で咀嚼してくれたらよい。いないだろうけど。誤解されてもよしと開き直る。細かいことが気になる人は文句を言うのだが、それは無視(笑)。

以上、私が身につけたマスコミ対応コミュニケーション法である。エヘン。

 

 

2025/01/16

Y!ニュース「メガソーラー裁判結審……」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「メガソーラー裁判結審。「合法」ならいい?司法の今を問う」を執筆しました。

長年、追いかけてきた平群メガソーラー建設問題なのだが、おかげで私も裁判の傍聴が趣味になりつつある(笑)。いや、正確には、こんな裁判って面白くない。ほとんど書面のやり取りに終始するのだ。とくに原告は攻めたてる陳述を行うが、被告は弁護士に任せ放しで、すべて書面だけ。何も発言しない。陳述だって聞いているのかどうか。書面を読めばいいからだ。

それでも裁判長、右陪臣は、それなりに原告側陳述者に顔を向けていたが、左陪臣は寝癖か!と思わせるほど乱れた髪の頭で、何を見ているのかわからない表情。眠いのかあ。

とはいえ、抽選券も出るほどの盛況なので、私もなんとか傍聴席に座れたことを喜ばないといけない。

そして、終わると弁護士会館で、報告会。会場からの質問も出て、「勝訴を確信」という。敗訴の可能性を口にするのは縁起でもない、そうである。

それで終わるかと思ったら、私が指名された。いや、もう時間オーバーだし、別に疑問もないので……と遠慮したが、促されたのでマイクを持った。

そこで話したのが、EUDRの件である。「合法でも、森林破壊はダメ」という強力なEUの規則を紹介して、裁判の判決がどうであろうとダメなものはダメ、ならぬものはならぬのです、と会津藩の「什の掟」みたいなことをブッタのであった。

その時思ったね。あ、これはYahoo!ニュースに記事に書けないかと。

裁判報道は公平性というか一方に偏った運動家的な記事はまずいという縛りがあるので、好き放題に書くわけにはいかないが、EUDRを持ち出して、合法でもダメなものはダメというケースもある、それが世界の潮流になりつつある、そもそも司法の目的はなんだ? という記事なら書けるかも、と思いついた。なんと、森林ジャーナリストが法曹に切り込む!

そこで書き上げたのが、この記事なのであった。ワハハ

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2025/01/15

Wedge ONLINE「〈ヤバい林業〉大阪・関西万博のリング…」書いた裏事情

Wedge ONLINEに「〈ヤバい林業〉大阪・関西万博のリングの木はどこの国から来たものか?木材のことを知らない建築家、木材業者、ハウスメーカー担当者が多すぎる!」を執筆しました。

タイトルがいい(笑)。私なら、こんな過激なタイトルはつけられない(笑)。なおYahoo!ニュースと違って、Wedge ONLINEはタイトルは編集者に任せている。媒体の癖はあるけど、これぐらい派手に書いた方がいいかなあ。

Wedge ONLINEには、わりと広範囲のテーマを扱わせてくれる。ただ執筆者の中に林野庁OBの中岡茂氏がいて、日本の林業界の話を書いているので、私は遠慮がちにしていた。重なるとつまらないし、先輩を立てておりまする\(^o^)/。もし気になったら、私の記事の下を見てほしい。彼の記事へのリンクもある。

だから私は、獣害や樹木葬、地域起こし、伝統工芸、建築、そして海外の林業、森林……とズバリ日本の林業という記事は少なめなのだが、今回は年初だし、日本の林業と建築業界の問題点にツッコんでみた。なおYahoo!のコメント欄に「林業の素人が書いている」と反発されてしまった。へえ~。

万博のリングについてはたいして触れていないのだが、タイトルになったことだし、もうすぐ開幕であることも考えると、今後もウォッチする必要性はあるかな、と感じる。

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批判するにしても絶賛する?にしても、一度は見に行かないと、とは思っている。それにしても……チケット予約の複雑なことよ!投げ出すぞ。

これって、大混雑を予想してアレコレ工夫しているつもりなのだろうけど、予約しづらくして閑古鳥鳴いたらどうするの。

2025/01/14

地震発災時に想う

昨夜は、希有な体験をした。

もともと夕方に電話がかかってきて、今晩のABEMA preme(アベマテレビ・テレビ朝日系)に出てくれないか,という要請された。ロスの山火事が話題である。私としては、あまりに急であるし、火事は専門じゃないから、とくにロスの大火災については知らないから、と渋ったのだが、一般論としての森林火災でいいからというのでOKしたのであった。

もちろんZoom参加である。ロスの在留日本人とともにコメンテーターとなる。MCは山﨑れいな氏。

8時から打ち合わせや通信確認などをしながら9時5分から、ということであった。約30分間。何かと落ち着かないが、私に声がかかるのは後半とのこと。前半は現地からのレポートとなる。

が、始まっていきなり私に話が振られた。なぜ、山火事が起こるのか、大規模化するのか、日本の山火事について……それって、全部後半の話題としていた点じゃないか(> <;)……と想いつつ、なんとかコメントしていく。
思えば、私は以前マレーシアで国境を超えたヘイズ(煙害)を経験しているし、日本でも地元生駒山の山火事発見などの経験もある。何かと経験談を織りまぜて話すと格好がつく。そこに日本の林業の問題や、地球環境問題を加える。

不思議と、みんな食いつく。スタジオの竹中平蔵氏まで「森林整備の遅れ」を取り上げた。世界的に森林火災は増えているが、発火自体は昔からあったことで、近年の問題は、件数増加よりも大規模化であること。日本では気候変動で乾燥するというよりは大雨が多くなって、山火事より水害の心配が強いと説明しつつ、いや、ロスの話をもっと聞こうよ……と思ってしまう。

こんなに話したら、肝心の後半の話題で応えるネタがなくなるなあ……と思っていた9時20分ごろ。

緊急地震速報が入ったのである。生放送中だ、インターネットテレビと言っても、即応する。宮崎県、震度5弱。九州一円が4以上。これは南海トラフか、直下型か。思わず、そちらのコメントをしそうになった(^^;)。

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その後、一度は元のテーマにもどるが、津波注意報が出たことで、完全に緊急報道体制にシフト。私らZoom勢の出番は消えたのであった。
最近はテレビや新聞などの既存メディアの凋落が指摘されるが、実はネットは対応が遅い。緊急事態に何をすべきか訓練されていないからだ。もちろん情報収集機能もない。おろおろした情報だけを垂れ流しても何も意味はない。既存メディアの報道に絡み難癖つけるしか能がない。

思えば、もうすぐ1・17。阪神淡路大震災の30周年を迎えて震災報道が増えている矢先である。

私にとって、申し訳ないが、震災といえばまず第一に阪神であり、東日本大震災でも熊本大地震でも能登地震でもない。当時は北大坂に住んでいたから、強烈な地震の揺れを経験しているし、その後の現場にも入っている。そして崩壊した都市と行政無化空間を見てしまった。人生を「阪神大震災の前か後か」で区別しているほどだ。

崩れた高速道路に登って、その折れ口を覗き込んでいる人、潰れた自分の家の前で記念撮影をしている人もいて、直後は深刻さより驚きの方が強かった。同時に一つの町の区画の住宅が全部ペちゃんこに潰れている現場も見た。木造住宅は地震に弱い。そう言われたのだった。

不思議な優しさ満ちた空間~阪神大震災見聞記~ 

こんな記事も書いていた。

1・1に続いて1・17、そして3・11も、もうすぐ迎える。同時に豪雨災害や山崩れ災害も起きたことを思い出す。おそらく今後も大規模火災、大水害も絶えず起こるだろう。備えよ常に。

今回、震災報道の現場にちょびっと触れたことも後に活かせるだろうか。

 

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