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森と林業の本

2024/09/05

本を読む順番を廃棄本で考える

地元の図書館に行ったら、廃棄本をリサイクル本と名付けて、「欲しい方、持って行って」とやってる。多くが童話など子供本なのだけど、さまざまな分野の本が並んでいた。そこで私も2冊ばかりいただく。

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野生イネの自然史』という専門書と、『ラーメン屋の看板娘が経営コンサルコントと手を組んだら』。アンバランス? いやバランスよく選択したのだよ。

前者は専門書だが、後者は小説スタイルの実用本だ。この手の本は、もしドラこと『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』以降、結構増えた(今はもしドラと言ったら「もしトランプ大統領が再登場したら」のもしトラに間違われてしまうね)。

で、当然ながら後者から読む(^^;)。読みやすいからね。まあ、ライトノベルみたいなものなのだが、ラーメン屋などの小規模店舗経営のノウハウを女子大生を主人公に据えて教えてくれる。作者は経営コンサルタントで、マーケティングの専門家だから、その手の勉強になる。

しかし文章だけでなく、キャラも構成も稚拙だしストーリーは単純なのに、面白く読めるのはなぜ? これは見習わなくてはならない。私もライトノベルぽく書いてみるか。もっとも、いくつか読んだライトノベルは途中で投げ出すものが多かった。高齢者が高校生みたいな話し方されたらなあ。

思えば、美味いラーメンをつくる人は職人であり、販売や経営の専門家ではない。チェーン店は自店の商品の美味さのレベルを把握した上で、売る方策を考えているのだ、という理屈はわかる。

しかし、大枚はたいて購入した新刊書も読まずに山積みなのに、なんで無料の廃棄本から読んでいるのか。

読まねばならない本を放置して、無駄な本から読みたくなるわけ」という実用書を書きたくなる。主人公は締め切りに焦る新人ライター(笑)。もしかして人生論になるかも。

ラーメン屋にも必要なマーケティングのテクニックを取り入れるべきか。「美味いラーメンだけは売れない、美味さほどほどのラーメン屋の方が流行らせる方が簡単」とする法則にしたがって、渾身の力作よりも中身ペラペラの空疎な本が売れる秘密を探ろうか。

あ、前者の「野生イネ」もパラパラめくっただけだが、イネの野生種はアジアだけでなくアマゾンなど南米にもあるなど、面白そうではある。でも野生種は絶滅寸前らしいが、その遺伝子は大切だ。今後のイネ栽培に何をもたらすか。専門書で難しいけど、なんとか後で読みたい。

2024/08/26

Y!ニュース「米不足!ウッドショックから見える…」を書いた裏側

Yahoo!ニュースに「米不足!ウッドショック絡み得る第一次産業の未来」を書きました。

前回に続いて駆け込み執筆。月2本のノルマ?は達したぞ。

もともと米不足というか米騒動については、別のYahoo!記事にコメントも付けたし、書こうかなという気持ちはあったのだが、あまり水稲農業だけの記事は気が進まなかった。

そこにウッドショックを絡めたら、農林業抱き合わせの第一次産業になることに気づき、執筆することに。
ついでに漁業も加えた。私の小学生時代だったか、漁獲量世界一からペルーに抜かれたことが教科書に載っていた記憶がある。ただしペルーはカタクチイワシばかりを肥料用に獲っていたから食料にしている日本とは違う、と弁解していた。

しかし、まあ無茶な操業をしていたものである。おかげで世界中の海から多くの魚種が枯渇しかけた。その点は林業も一緒で、戦中から戦後にかけて無茶苦茶な伐り方をして日本中をはげ山にしてしまった。一次産業にとって無計画操業は、将来に禍根を残すから恐い。

ただ、そうした時代は林業も漁業も沸き立って従事者が潤ったのは事実である。儲かる仕事には参入者も押し寄せる。

写真は、わざわざ生駒の棚田まで撮りにいったのだが、人(農家)が写っている方がよいかと、ライブラリーに頼った。

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2024/08/21

Y!ニュース「CO2吸収力が強いのは、原生林より人工林!」書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「CO2吸収力が強いのは、原生林より人工林!」を執筆しました。

ああ、今月は1本も書いていないな、コメントばかり付けてるな……と思って何か書こうと思い、こ難しいネタを持ってきたのだが……絶対にアクセス数伸びないよね(苦笑)。

ところで、久しぶりにYahoo!ニュースの編集画面を開いて書き出したら、何やら仕様が違う。

見た目は変わらないのに、こちらのキーボードで入力しようとすると違った反応が出るのだ。

たとえば記事の中に中見出しを入れようと思うと、全文がゴチックで巨大文字になってしまうとか、おかしなことばかり起こる。エンター押したら、最後列に飛ぶとか。書きにくいことおびただしい。何が悪いのか、何か訂正する方法があるのか、まだわからない。

ただ、Yahoo!ニュースから仕様を変えたという通知はこれまで幾度かあった。私は関係ないと無視していたのだが、もしかしてヘンな影響が出ているのではないか。やりにくくて仕方ない。

 

ちなみに本文に書かなかったけど、この記事の元ネタ研究発表は、東京大学と森林総研のホームページに掲載されている。

世界の森林の炭素吸収力は過去30年維持されてきた ―― 今後さらなる取り組みが必要:国際研究チームによる解析 ――

そこの注意書きに、こんなのがある。

クライメートスマートな森林施業
 温室効果ガスの削減へ貢献しながら、気候変動にも適応できるレジリエントな森林を目指す森林の利用方法。さらに、生物多様性など他の森林機能と調和しながら生産性の向上も持続可能的に目指します。現在欧州を中心に世界中でクライメートスマートな森林のあり方が研究されています。

クライメートスマートとは初耳だわ。気候変動に対応する林業ということ? 無理でしょ!

 

2024/08/19

今年の米は不作か?

昨日、Yahoo!ニュースでコメントを付けたこの記事。

米どころ新潟、災害級の猛暑でコシヒカリの一等級比率が平年70%→昨年5%に 想定上回る温暖化、「新之助」は窮地を救えるか #食の現在地

私が米作についてコメント? と意外感を持たれた方もいるだろうが、私はYahoo!ニュースに「農林水産業、第1次産業のエキスパート」として登録されているのだよ。まあ、米について特別詳しいわけではないが(^^;)、植物のこととして扱うとともに、産業問題としても切り込める。このコメントに1700を超える「参考になった」が付いた。なかなかの数字である。

おかげで某雑誌から「米の不作について」というコメントを求められた。専門じゃないよ、と言いつつ、ほいほい応えるのが私である。

そのコメントがいかなるものか、それをどう使う気なのか、この際ドーデモよい。私は自分の名で何を書かれても気にしないから。どうせ、雑誌のコメントだ(笑)。

ただし、私の意図だけはこちらに記しておこう。

まず、上記の記事をよく読めばわかるが、米は不作ではない。そもそも扱っているのは昨年の事例。そしてタイトルにある通り、一等米が減ったことである。それを今年も酷暑だから不作だろう……と連想させているのにすぎない。

だが、私は今年は不作ではないと思っている。作柄予想も例年並だ。昨年の経験から、今年は農家も暑さ対策をして頑張っている。雨がよく降ったから、成長はいいのではないか。

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生駒山の棚田。よく実っている。

ただ今後の台風によってやられる水田が出るかもしれない。秋田県なども、すでに先日の台風でかなり被害が出ているそうだし。

いや、昨年だって不作ではなかった。単に米の質が落ちただけだ。一等米の量は減ったが、2等米はたいして減っていない。
今年、米が小売店の店頭から消えたのは、インバウンドで外国人の消費が大きかったからだろう。観光客は、日本人よりよく米を食う(笑)。たまたま需給が狂っただけ。米不足と米が不作は全然違うのである。

しかし、質の落ちた米は買取価格が下がる。肥料や燃料費は上がったのに価格が下がれば純益は落ちる。農家はやっていられない。また暑さ対策の新たな栽培法なんて言われても、手間が増えるのはイヤ。高齢化も進んでいるから、米作止~めた、という農家も出るだろう。

落ちたのは、量ではなく質なのだ。そして問題は、価格下落なのだ。

この構図は林家と一緒だ。木材は質が落ちたというより質の低い木材ばかりが求められるようになった。そして価格が落ちた。だったら林業なんかやってられるか! となるだろう。林政をころころ変えても、高齢化の進んだ林家は対応しきれない。米作と同じ構造だ。

なお農家の平均年齢は68歳に達しているから、あと10年もすれば大半が引退する。当然、米の生産量も落ちる。質も量も落ちる。この時に、米不足が陥るだろう。

……とまあ、そんなコメントをしたけど、果たして使われるかな? 不作じゃないんなら記事止~めた、かもしれない。

2024/08/15

盗伐は日本林業必敗の印

「いつでも元気」という機関誌(保健医療研究所)の巻頭言に、『盗伐 林業現場からの警鐘』執筆の裏事情的巻頭言を執筆した。

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この雑誌、依頼があった際に「盗伐の話は「いつでも元気」になれませんよ。」と私の方から忠告したほどなのだが、この医療雑誌の編集は全日本民医連であった。わりと政治的で、パレスチナとか能登半島地震など、政治の記事がいっぱい載っている。

実際、裏表紙には、こんな告知が。

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そうか、盗伐問題は日本林業の「失敗の研究」なのだ。そう理解できた。

林業界が衰退している、林政は失敗したとはいうけれど、目に見える形で「失敗」を説明するのは難しい。じりじり、崩れていることを知らねばならない。

そう言えば「虎に翼」に総力戦研究所が登場した。これは1940年に日米開戦を見越して総力戦の研究を行うために設立された機関だが、ありとあらゆる要素から研究しても、日本は必敗の結果が出ていた。当時の日本の頭脳が、日米戦は負けるという結論を出したのだ。にもかかわらず政治家は、とくに東條首相は、その研究結果を無視して開戦に踏み込み、見事に予想通りの展開で負けた。

日本の林業も同じ必敗の道を歩んでいるのではないか。

この記事で私は、盗伐問題を通して林業全体の根本的問題である遵法精神の欠如を指摘している。そして産業の体を成していないと記した。同時に『盗伐 林業現場からの警鐘』の宣伝もちゃっかりしている……という名文(笑)。

もし本気で日本の森のこと、林業のことを考えるなら、必敗の道から引き返せ、と訴えたい。

2024/08/13

ウェッジon lineに、「森のラストベルト」記事を執筆

Wedge on lineに「日本でも広がる「森のラストベルト」日本とアメリカで起こる怨恨の実態、もう一つの分断」を執筆しました。

このところWedgeには月イチで執筆しているが、こちらはYahoo!ニュースとは違って、森林・林業に縛られず多様な記事を手がけるようにしている(もちろん林業記事も含む)。

これまでなら、盗伐多発、都会に野生動物、アジサイ・ビジネス、樹木葬……と来て、今度はアメリカ大統領選挙!

いや大統領選挙を直接論じたわけじゃないけど、その背景の一つを紹介したわけだ。それが「森のラストベルト」。アメリカ中西部の「さびた工業地帯」の動向が選挙結果を左右すると言われている。そこにもう一つのラストベルト。

そして、この問題は日本にも跳ね返ってくる。森林を多く抱える自治体ほど、過疎が進み経済格差が開くという現実。日本の場合は、治安悪化ではなく、人口減少が極端に進み自治体消滅危機が指摘されている。

まず空き家が増える。立派な邸宅だったようなのだが、今や草ぼうぼうで崩れ落ちかけている。それと、奇妙な廃墟が目立つ。それは地域起こし・地方創生を旗印につくられた観光施設だ。ドライブインや温泉など多数あるが、上手く観光客を招いて賑わっているところは少なく、数年後には廃墟になるケースが多い。最近では「道の駅」もそうだ。さすがに國の補助金を多数投入してつくった「道の駅」は簡単に閉じられないが、トイレと駐車スペース以外は使えないようなところが出ている。土産物販売や観光案内が成り立たないのだ。

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「森のラストベルト」は、今後日本でも大きな問題になるだろう。

2024/08/07

上毛新聞~群馬で吉野林業の宣伝(^_^) 。

群馬県の上毛新聞の取材を受けた。

テーマは花粉症。なのだが、私が聞かれたのは『絶望の林業』(笑)。森林に関するオールラウンドライターを自認する私としては、花粉症についても話したのだけどね。

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それが7月31日、8月1日と2回に渡って掲載された。ちょっと画像は小さいが、読めるものなら読んでいただきたい。ネットにもアップされているが、後半は有料。

《共存・克服・花粉症》第2章 シン・山林論(7) 国内林業、補助金頼り 

記事の2回目は、若干、希望の林業になっている(^_^) 。
私としては、奈良県の事例を紹介している点が、宣伝になっているので喜ばしい。(写真下)

ちなみに、この「花粉症の連載」記事は、6月から続いていて、その一覧を目にすると、花粉症を通して日本林業の現状を追いかける構成になっている。「シン・山林論」と打っているが、タイトルと出だし部分を読むだけで面白い。地方紙だが、群馬県にとどまらず取材をしている。

都市部では、林業に対する関心がどんどん薄れていると感じている中、地方ではむしろ見直しが進んでいるのではないか。ここでも意識の格差が広がっているように思う。

 

2024/07/27

迷いの森に迷いこむ

今手がけている原稿は、締切が7月30日。

そろそろ書かねばと取り組んだのは1週間ぐらい前か。記事そのものは短いので、アイデア勝負みたいなところがある。森林・林業系の話題でいかなるテーマを決めて、問題提起と落としどころを見つけて記事にするか。

このテーマにしようと決めたら、その分野の状況を調べて資料を集める。よし、書けそうだ。
そして、さらさらと書き出した。分量的には、十分だ。あとはブラッシュアップして……と思い出したところで、行き詰まった。

面白くない。この原稿は面白くないぞ。多少の手直しをして、盛り上がりをつくったり、オチ的な話題を入れたり……。おもろない。自分で書きながら読む気がしない。

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そこで抜本的に直すことにした。別のテーマにしよう。

はっと閃く。よし,このテーマで書こう。さらさら書く。おおお、なんだすぐに書けたぞ。

が。面白くない。いや、記事としては具体例も入れたし、体裁は整っているのだが、私の脳内で「おもろない」という声が響いている。

書いていじっているうちに、別のアイデアが浮かんだ。よし、こちらだ、と方向転換する。

……思いつきでは、最後まで引っ張れない。

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ああああ、書き直しだ!!!

迷いの森に迷い込んだ。いや迷うから迷いの森なのであって、迷い込んだのではなく、迷っているのか。もう、何を買い手も面白くないと感じたら、嫌になる。

いや、これまで書いた原稿も、多分、十分に読めるのだよ。水準は保っていると思う。そのまま出してもよいかと思う。が、頭の中に「おもろない」という声が響くと、もうダメなのである。

とうとう4回目の書き直し。もう締切まで日時が残っていない。追い詰められてひねり出すところに、どんな記事になるか。いっそ、森は森でも迷いの森の話でも書くか。

 

2024/07/22

Y!ニュース「津田梅子の学友・内田政子の生涯」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「津田梅子の学友・内田政子の生涯」を執筆しました。

内田政子というより土倉政子と書いた方が、どんな人物かわかりやすいかもしれないが、そこは結婚後の姓を優先。

このところ、Yahoo!ニュースではコメントを付けることに注力している。実はYahoo!ニュース編集部の要請に従ったことなのだが、気がつけば7月も終盤。一本も独自の記事を書いていない。これはまずい、と選んだのが内田政子である。

もともと新紙幣で津田梅子がよくマスコミに登場するのを見て、同じ時代にアメリカ留学をした内田政子もいるんだけどな、と思っていて7月初旬に書くつもりだった。それがズルズルと……。

拙ブログの読者には説明しないでもよいかもしれないが、内田政子は『山林王』の土倉庄三郎の次女。政子のブリンマー大学在学時代、津田梅子も在籍している。小さな大学だし、日本人女性は当時梅子しかいないところに政子が入学したのだから、絶対に交わっているはずである。ただ交流した記録がない。年の差、あるいは官費留学と私費留学の違い、もしかしたら出会ったものの仲良くなれなかった?とか想像はするが、もちろんわからない。もしかしたら、そのうち何か交流記録が見つかるかもしれない。

それでもタイトルに津田梅子を謳ったのは、まあ、流行りだし(^_^) 。西太后も考えたが、どちらが有名かということと、政子の外交人生は清国だけでなく、その後も華々しい。自力ではなく(外交官の)夫人とならなければ実力を発揮する場を与えられなかったのは時代のなせる業であり、残念でもあるが、ある意味したたかな生き方かもしれない。

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庄三郎(前列中央)と政子(後列洋装)

全然関係ないけど、現在の皇后の雅子さんも、外交官だったのに皇族と結婚したことで政府の外交舞台からは引っ込まざるを得なくなった。そして今は皇室外交に関わっている。今も英会話は天皇より上手いのではないかな。

政子さんも、内助というより「外助」で活躍したのである。

2024/07/02

エンターテイナーか、IT技術者か

津山ではセミナーが開かれた。見た通り、パワーポイントが使われている。

実は、今夜は岡山市内で大学時代の友人に逢ったのだが、彼は今は中学校の非常勤講師。国語担当である。その授業も、パワーポイントを使うのだそうだ。生徒も全員タブレットを所有し、デジタル化が進行している。

しかし、彼はこの道40年のベテランだ。教壇は舞台、教師はエンターテイナーを信念に教えてきた。

ところが今や、PCをいかに操れるかが教師の能力なのだそう。日本語の文法解説をダイナミックに展開する。

そんなこと言われたら、私のパワーポイント使った講演の自信が失われる(((^_^;)

講演時にヴィジュアルは大切だ。最初はスライドから始まり、さまざまなツールが登場したが、パワーポイントは非常に強力な武器だ。講演者の特権的なイメージがあったが、もはや学校で普通に使われているのだら、中学生にもかなわない。

エンターテイナーになるまえに、ITの腕を磨かないといけないなあ。

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