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本の紹介

地域・田舎暮らし

2017/02/20

「半林半X」って……

広島市は、今年になって「半林半X」の移住者の募集を始めたそうだ。
 
ようするに林業しながら、もう一つ何か職業を持ちながら田舎暮らしをしようというもの。
元ネタは「半農半X」だろう。
 
具体的には、市は最大3年間にわたり移住者を援助する。1年目は森林組合などで山仕事の技術研修を受けて、林業ができるように仕込む。2年目以降は、移住者の希望する仕事(これが半X)をサポート。市ができるサポートを斡旋するそうだ
そして、その期間中は、生活費として月17万5000円を助成するのだそう。ほかにも引っ越し代も半分(上限10万円)出すというのだから、かなり恵まれている。
 
 
狙いは、3年前の広島土砂災害の時に問題となった荒廃した森林を整備する人材を確保しつつ林業再生をめざすということらしい。 
 
ただ林業だけでは食っていけないから、あと半分は自分で仕事をつくれ、ということか? 
逆に考えれば、自分のしたい仕事(たとえば有機無農薬農業とか、芸術活動とか伝統職人仕事など)だけでは食えないだろうから、半分は林業で稼ぎなさいよ、ということかもしれない。
 
自伐林業になりなさいという意図らしいが、果たして1年間の研修で林業で稼げるほどの腕前になるのかどうか。どうせなら、どこかの林業大学校に留学させた方がいいかも(^o^)。
しかし林業も自分のしたい仕事も、半分ずつだから本気だせるのか?
 
 
ちょっと笑えるのが、定住を成功させる鍵は「地域住民との融和」にあるから、地域住民と普段から付き合いのある区役所職員が、移住直後は地域の会合や飲み会に同席してくれる、というシステム。
まあ……最初の1回くらい付き添って仲立ちしてくれるのはいいかもしれないが、自分の人間関係は自分でしっかり築こうね。田舎暮らしは仕事も人間関係も自己責任だよ。
 
しかし、広島市のような大都市が田舎暮らし募集を始めたら、ほかの貧乏市町村は困るだろうなあ。
 

2016/10/11

ギャザリングから考えた組織の寿命

福知山まで足を延ばして(奈良からなら近いだろうと思う人もいるだろうが、実は京都府の北辺に近く、結構な時間がかかる(泣)のだよ)、肝心のフォレスター&プランナー・ギャザリングのことを書かないと不満の方もいるだろうから……(笑)。

 
ギャザリングは、昨年同様ワールドカフェ形式、3つのブースをつくり、「フォレスターとプランナー」「現場・実行」「ネットワーク・ムーブメント」をテーマに話し合う形式で行われた。そして時間ごとにメンバーが入れ代わる。結論をまとめるのではなく、思いを吐露する……というのが目的だろう。
 
ま、私は取材というより傍観者? のつもりで、それぞれのブースを全部回った。もっとも、これまた昨年同様、意見を言わされる(^^;)機会もあったわけだが。
 
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もちろん、私もいろいろな思いを持っている。参加者の声を聞いて考えること、感じることもあった。フォレスターとプランナーを分けることに意味があるのか。研修と現場の乖離というが、社会のルールから乖離しているのは現場じゃないか。。。。等々、考えさせられた。
 
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が、ここではネットワークのブースで思ったことを。
 
意外や林業関係の人々をつなぐネットワークは数多いのだ。最近、とみに増えている。狭い業界なのに人々が分散しているゆえ、次々と作られるのかもしれない。そもそも今回のギャザリングだってネットワークの一つである。
 
で、聞いてちょっと驚いたのが、全国各地に広がった林業女子会が、早くも疲弊しているという話(^o^)。登録会員数は数百人にもなったが、参加者は毎回十数人、それも毎月人が集まる行事を考えて準備するのに疲れてしまった、次の会長の引き受けてがいない……というのだ。
 
他称・林業女子会ウォッチャー(そう呼ばれた)としては、気になる情報だ。
もちろん私は、数百人の会員がいて、今も元気で活動するところも知っているのだが、たしかにありそうな話だ。
 
私の持論(!)からすると、任意の組織は4年で壊れると思っている。立ち上げた1年目は勢いがあり、2年目は盛り上がり、3年目から不協和音が漏れだして、4年目にして方向転換か分裂か脱落者が出るか解散……それを乗り越え仕切り直して、組織が落ち着くのは7、8年以降か。。。
 
もちろん感覚的なもので、あんまり年数字に意味はないが、私もかつて市民団体の事務局を10年くらい続け、さらに多くの組織をつくったり参加したり壊したり……してきたので身に沁みている。
 
 
最初から期限を切って運営するという手もあるのだが、組織を維持するのに重要なのは、個人(とくにリーダー役)の意志だろう。
組織ではなく、一人でもやるという個人の思い。参加メンバーはその思いに寄ってくるのじゃないか。思いの強さの波によって組織も新陳代謝すれはよい。
 
 
フォレスター・ギャザリングも、多くの人と林業のこと、森林のことを話したいと思う人がいて、それをつなげる場を私が設けるという人がいて、存続するのだろう。その「私」の思いの強さは……どうかな?

2016/09/14

インバウンドに期待する時代

たまたま目を通していた本に、国立公園の成立に関する記述があった。

明治末から大正年間のことである。
 
 
いろいろな経緯があって、目的をレクリエーションや地域振興に定めるか、景観や動植物保護に重点を置くかで論争があったりと、なかなか面白いのだが、いよいよ法制化に向けて進んだところ、関東大震災が発生。(大正12年)
 
そうなると政府も国立公園どころではなくなる。
 
……と思いきや、復興がテーマになって国立公園選定運動は勢いを増すのである。
 
その理由は経済である。
 
第一次世界大戦時は、日本は好景気に湧いたのだが、その後は一転不況に陥る。そこに震災が来たのだから国際収支は赤字で経済は苦境に陥っていたのだ。
 
そこで国際観光を振興して外国人観光客に外貨を落としてもらうのがもっとも手っとり早い手段だという声が高まったという。
そのためには国立公園を整備して、日本の景観を売り込もう、というわけだ。
 
もっとも反対意見も出たという。国民の風紀が堕ちる、というのだ。つまり毛唐……外国人が来て日本人の気概が害される、というわけだ。
 
結果的には、国際観光振興に傾き、国粋主義者として知られる安達謙蔵が内務大臣として
国立公園調査会が設置、昭和6年に国立公園法が成立する……。
 
 
なんだか、読んでいて今の時代にも当てはまるな、と苦笑してしまった。
 
長期にわたる不況。東日本大震災の被害と復興という課題。悪化する国際収支
ここはインバウンドで! と外国人観光客が落とす金 にする声が高まっている。その一方でヘイトスピーチが蔓延して外国人を嫌う風潮が広がる……。
 
今では国立公園ではなく、世界遺産に選定してもらおうと各地が名乗りを上げる。 ただし自然遺産よりは文化遺産が圧倒的に多くなってしまった。観光客の増加につながると期待しているのだ。大人数が押しかけることの弊害なんて気にしない、自然や文化財の保護という発想より地域振興、いやインバウンドの金狙いであることは明白だろう。
 
 
私は外国人が多く日本に来る(他者の視線が持ち込まれる)のはよいことだと思っているが、露骨なインバウンド収益は期待しない方がよいと思う。
 
もともと観光とは移り気なものだ。流行はすぐに変わり、維持するためには不断の努力がいる。常に新たな企画をつくり、世界へ発信し、受け入れる能力を磨く……そんな力のある地域は限られている。基本、観光(いわゆるもてなし)とはマンパワーが重要で、過疎で人材力の弱い地域が取り組んでも息切れするケースが多いのだ。
 
一発狙いの名物をつくって、数年間の盛り上がりの末に地域全体が落ち込んだケースは後を断たない。以前より悪くなった例も珍しくない。
 
 
ついでにいうと、戦前の国立公園に対する期待は、戦争の硝煙とともに消えていったのである。
 
 
 

2016/07/28

物販こそ地域づくり

地域づくり、地域づくりの声が高いが、果たして具体的に何をすべきか。

 
まあ、人によりけり、地域によりけり、なのだが、肝心なのは、経済的に潤うことだ。人をどんなに集めても、地名が誰でも知っているほど有名になっても、観光客が殺到しても、地域にお金が落ちなきゃダメ。まず村民が自信を持つこと? それは入り口であって、その結果、儲からなければダメ。儲からずに誇りばかり高まった地域は救いがない(~_~;)。
 
以前、私の呼ばれたシンポジウムでこのような趣旨のことを述べた。
「人がたくさん来たから成功、と言っているイベントが、後で決算していたら赤字でした、ではダメなんです。ギブアンドテイク。来訪者を喜ばせたら金を取れ」。
 
すると後に、某地域の地域づくりをしている人は「ギブアンドギブだ。与えて与えて、それで満足してもらってこそ地域は盛り上がる」と反対意見を言った。
 
あの地域、今も生き残っているかなあ……(#^_^#)。。。
 
 
さて、儲けるためには何をしたらよいだろう。これが、そこそこの街なら、手はある。たしかに人が来たら自然と街で消費してくれたりする。サービスに対価を払ってくれる。
 
が、田舎では難しい。そもそもサービスが何かわかっていないこともあるが(~_~;)、目に見えない商品を売ることに長けていない。それこそギブアンドギブになってしまいがち。またサービスのつもりで一生懸命やっても、それが合わないと嫌われてしまうことだってある。
食物は魅力的なネタがあれば客を集めるのに効果的だが、外す場合も多い。B級グルメなどは、まず失敗する。しかも食材には賞味期限があるので、残ると捨てなければならない。
 
そこで思いつくのは、物販だ。物を売って儲けるのが基本。とにかく売れるものをつくれ。安い物から超高額商品まで、揃えておかないとお金は落ちない。
 
 
……そんなことを感じたのは、今大阪で話題の新感覚娯楽施設「ニフレル」を覗いたから。
 
ここは、水族館と動物園にアートを混ぜたような「……に、ふれる」施設らしい。
やはり一度は覗いてみなければ、と思って訪れたら、満員も満員。行列であった。それでも、変わった魚類などをいかに展示するか、触れる動物など展示の面白さは感じる。水槽を真ん中に置いて360度から眺めるというのはよい手だね。
 
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さて、最後にたどりつくのがミュージアムショップ。ここが大賑わいなのだ。
 
 
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木工品。残念ながらインドネシア製。
 
 
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みんな競うようにお土産物を買う。この購買力こそが、地元に金を落とす原動力だ! と感じたのである(笑)。
ぬいぐるみも木工品も、腐らないからいいよ。
 
土産物とは何か。それは、その地域に来た証である。必要なものかどうかではなく、思い出が甦るもの。
 
思えば、土倉翁の百回忌でも、土産物を用意しておくべきだったな。何も土倉饅頭とか庄三郎煎餅を売れ、というのではない。ただ、土倉翁の故郷に来た証を用意しておくべきだったな……と思ったのである。
 
いかに地域の自慢(資源)と連携した土産物をつくって売るか。田舎こそ考えてみるべきではないかな。

2016/07/01

既視感? 里山住宅博

「里山住宅博」というのをご存じだろうか。

 
博覧会と付いているが、神戸につくられようとする新興住宅地である。
 
 
内容はなかなか複雑なので、サイトをよく読んでほしい。神戸市北区で新規開発する住宅地なのだが、全部木の家で、最大の特徴は全戸に里山(山林)が付いてくるという点。この里山は共有地として住む人々が管理していく……という。
 
誰が主催者なのか、いま一つわからないのだが……まあ、里山的環境に住み、その環境をみんなで守っていくという発想が売り文句。しかし、場所は三田駅、新三田駅から近く、中国自動車道のインターもすく側。しかも隣接してイオンモールとプレミアムアウトレッまである!
 
なんというか、都会生活(イオンだけど)を満喫しつつ、里山(高速道路の側だけど)を味わえるという好条件だ。
 
が、何か既視感がある。。。。
 
実は、私は今から20年も前に同じ企画を取材しているのだ。
 
それは兵庫県の西宮市北部の山間部だ。こちらは兵庫県が主導して、新興住宅地の開発を計画した。その際に、それぞれの家に里山部分を付けるという発想だった。
 
そして各戸の山林を共同で維持管理していく協定を結ばせる(結ばないと入居できない)という発想なのである。
私も現地を回ったが、なるほど当時は見事な田舎の田園風景であった。そこをバブルの余波の残る時期だったから、野放図な開発を防ぐために企画したのだという。
 
ま、バブルが崩壊して、あっと言う間に絵に描いた餅になったが(~_~;)。だって、1戸当たり1億円くらいの価格設定だったんだもの。
 
数年前にまたそこを訪れたが、まあ、よい里山でしたよ(~_~;)。そこを森林セラピー基地にできないか、という構想もあったのだが……。
 
今回の里山住宅博は、神戸市内だし民間主体ぽいから兵庫県は関わっていないと思うが、発想は似ている。
 
さて、どうなりますやら。価格はバブル時代のようにバカ高くはないだろうが、舵取りは大変だろう。住んでからの住民の意見の相違やエゴも出るだろうから。
 
一度訪ねてみたい気はするが……。誰か一緒に行かない? 
 

2016/03/13

図書館を拠点に

川上村には、図書館がある。

 
これはすごいことだ。人口1500人程度の山村に図書館があるのだ。奈良県では吉野郡でここだけだろう。図書室さえ備える町村は少ない。
 
そこで小さな催しをやっていた。
 
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土倉庄三郎を取り巻く人々に関連した書籍を集めた一角。
 
もちろん土倉翁百回忌に合わせたものだが、残念ながら土倉翁に関する書籍はわずかしかない。直接的には『評伝 土倉庄三郎』と拙著『森と近代日本を動かした男 山林王・土倉庄三郎の生涯』だけだ。そこ新島襄とか八重とか、ま、庄三郎に関係ある人物の書籍も集めている。 そもそも、蔵書がそれほど幅広くないだけに苦肉の策だろう。
 
多少無理はあるが、土倉翁のお膝元だけに智恵を絞ってこれくらいやらねば。
 
 
図書館は、人口も少ない自治体では軽んじられがちだが、私は図書館を核にした村おこしも可能だと思っている。という。、情報集積と発信する拠点として図書館を活かしてほしい。
 
 
川上村に図書館ができたのは、有体に言えばダム建設による補助金が下りたからだろう。さもなければ「贅沢な」施設として俎上にも上がらないはず。
まあ、規模としては小さい。蔵書は3万部くらいか。通常の街の図書館と比べても充実していると言えないし、いくら月々書籍や雑誌を購入しても、目を通す人がどれだけいるの、と問われれば心もとない。
だが、吉野でただ一つ、山村では希有な存在であり、しかも吉野の歴史や自然というバックボーンを考えれば、さまざまな可能性がある。村外からの利用者を集めるだけでなく、村民の誇りだって生み出せる。図書館としてではなく、村の情報発信の拠点として利用しなければ。
 
 
だいたい図書館があることをもっと利用しなければ、村の予算を食いつぶすだけの、宝の持ち腐れになってしまう。
村民だけでは少なすぎる利用者も、情報発信基地となれば、吉野の拠点となり得るのだ。
 
図書館の価値を世に知らしめた小説として「図書館戦争」があるが、荒唐無稽に見えて、世情に抗う前線基地なのだよ、図書館は。
 
以上、中学・高校と、図書委員長や図書部長として学校図書館に6年間君臨し続けた私がいうのだから間違いない(^o^)。

2016/03/04

ハラールラーメンとならまち

ハラールラーメン」の試食会に招かれた。

ハラールとは、ムスリム(イスラム教徒)が食べられる認証を取った食材のことだ。イスラム式のお祈りを捧げて解体された肉とか、酒(味醂を含む)を使わない調理法であることが肝心である。
 
そんなムスリム向きのラーメン店が、奈良のならまちに誕生したのである。店名は、「ならまちmoon3じんにいや」。(意味は不明)  
正確な開店日は、3月5日からだ。
 
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ちょっと汁気が少なく、極太麺のラーメン。スープの味は、意外とあっさりしている。豚骨などはもちろん使えないから、ハラール鶏肉に野菜の出汁であろうか。スパイスがかなり効いている。時折、粒をかじると苦みがあった。これは……クミンかなあ。具は、野菜とゆで卵、それに鶏肉ミンチ、ナッツ類。そしてパクチーが乗る。
私はアラブ料理には疎いものの、中近東のイスラム圏というより東南アジアの味をイメージした。日本人にも向いている味だろう。
 
 
が、私の注目したのは、ラーメンだけではないのだよ(⌒ー⌒)。
 
写真をよく見ていただきたい。ちゃんと吉野の天削げ割り箸を使っているだろう。これでラーメンを食べる贅沢(^o^)。
さらに、真っ黒に写ってしまったが、テーブルは樹齢100年ものの吉野杉製である。
 
店そのものは、長屋を改造したもので、内装も木がいっぱい。
 
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実は、空き家だった長屋の各室を全部改装して、さまざまな店を出す計画だという。題して「ならまちスーク」。
 
店のある場所には、観光地になっているならまちの外縁部に当たり、訪問者が一見で来ることは少ないと思われる。が、こうした店が出ることで、新たに人を呼び込めるかもしれない。近くにはゲストハウスもできたようだ。
 
ムスリム向き料理店というのは、県がイスラム圏のインバウンドを期待しての要望らしいが、実際には旅行者よりも在日ムスリムや日本人が来るのではないか。
 
 
ならまちとは古い江戸時代からの町並みの残る庶民の住む地域だ。寺社仏閣の奈良ではない、いわゆる町屋である。そこが近年次々とオシャレな店に改造されて、観光客が訪れるようになった。路地が複雑に曲がりくねって入り組み、その奥に何があるかとワクワクさせられる。それこそスーク(アラブの市場)。
 
私も歩いて思った。江戸時代の町並みを保存しているような観光地はたくさんあるが、それらとちと違う。もっと生活感があふれている。実際に住む人もまだまだ多い。
なかには伝統的な長屋ではなく、モルタル安普請の長屋も混ざっている。ヘンな店もある。景観的にはミスマッチだが、逆に保存された町並ではなく、生きている人々の味も出す。
 
 
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なんじゃ、こら? と思わせる店。壁中にアイドルの写真がベタベタと張られている。それも前世紀のアイドルが多い。一応、「書店」の看板があるが……。
 
こういうのが街の魅力を生み出すのだろうな。
行政関係者が一点豪華主義的観光施設や、一流ホテルを誘致したがるが、そんなもので街は魅力的にならない。
もっと街の不動産屋的発想で、その土地に向いた小さな専門店や個性のある住民を誘致しないと。ならまちは、それに成功しているように思われる。奈良は、大仏様とシカだけではないよ。
 
 
せっかくだから住所も記しておく。
 
奈良市南城戸町33 「ならまちmoon3じんにいや」
路地を入った奥だから、なかなか見つけるのは大変かもしれない(笑)。

2016/02/28

秩父のカエデ商品群

秩父を訪れて、もっとも楽しみにしていたのは、聖地巡礼ではない。ほかにもオタクネタはたくさんある。

たとえばパワースポット・三峰神社にニホンオオカミと役行者伝説。石灰岩採掘で削られた武甲山、秩父鉄道も鉄ちゃんには欠かせないだろう。もちろん本多静六も……。
が、忘れてはならないのがカエデの樹液だった。
 
そう、秩父ではカエデの樹液を採取して「樹液林業」「広葉樹林業」をめざしている。……まあ、この話は、最近はテレビのワイドショーでも取り上げられているほどだから、知る人は多い。
 
いやいや、樹液を絞るのはカエデだけではなくて、キハダも絞っているよ、と詳しい人は応えるかもしれない。またカエデと言ってもいろいろ種類があって、メグスリノキの樹液は、漢方にもなるかもしれない。
 
 
だが、肝心のカエデの森では「将来木施業」をやっていることはご存じか? しかも、残した将来木の周りにカエデを植林して、将来は複層林・混交林にする計画だ。
 
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将来木施業(優性木残存間伐)の現場。
 
 
043  雪の中の樹液採取。
 
この点も興味深かったのだが、私が本当に驚いたのは、その後帰る前であった。
 
秩父を去る前に、やらねばならないのは、何か。やはりお土産購入だろう( ̄^ ̄)エヘン。
というわけで、秩父のヤオ百貨店を訪れ、さらに駅前の仲見世通りの店を覗いたのだが……。
 
そこで見てしまったのは……。
 
1
 
2  
 
2_2
 
Photo
 
おおお、カエデの樹液関連商品がいくつもあるではないか。
写真が撮れなかったものもたくさんある。もはや、秩父と言えばカエデがトレードマークになる勢いなのだ。そのうち秩父市の旗は、カナダのようにカエデの紋章が入るのではないか……とさえ思う(^o^)。
 
実は、この点がもっとも優れた点だと感じ入った。日本全国、地方振興だか地方創生の旗を振り回して、特産品づくりに取り組んでいる地域は数多い。だが、ほぼ99%が破綻している。なぜなら、特産品が売れないから。いや、売れないようなものを特産品と言わないのである。補助金食いつぶし商品だろう。
 
特産品をつくるのが地域づくりなのではなく、特産品を売って地域に金を落とさせることが地域づくりなのだ。
 
そのことは、聖地巡礼でも同じこと。アニメの舞台、映画の舞台になって人が来るのはよい。しかし、訪れた人が金を落とさないと無意味なのだ。落とすのはゴミだけ、というのは自虐ギャグでしかない。
 
まあ、聖地巡礼をするのは高校生とか大学生が多くて、あまりお金を落としてくれないそうだが……それでもさまざまなお土産品を用意している。
 
加えて樹液を絞ってシロップや飲料にするだけではダメで、いかに多くの土産物をつくるかがポイントだろう。
 
秩父は、その壁を乗り越えたようだ。もちろん、まだまだ地域全体が利益を享受できるほどの規模にはなっていないが。
 
※あえて文句つければ、もう少しパッケージデザインにこだわった方がよいよ。今の商品群のデザインは、ちょっと素人ぽい。高知県の「ごっくん馬路村」のようなデザインを備えたら、次の段階に進めるだろう。
 
 
ちなみに私の購入したお土産の一つに、これがある。
 
3  イチローズモルト!
 
世界最高に選ばれたこともある国産シングルモルトなのである。(このパッケージのデザイン力を見よ。) 
 
他にもワインづくりもすすめているそうで、秩父は日本酒、ワイン、ウイスキーと、酒のメッカになるかもしれない。商品あっての地域づくりだよ。
 
 

2016/02/26

秩父・聖地巡礼

は秩父に行っていました。

 
到着してすぐに気がついたのだが、秩父は“聖地”だったのね……正確には“聖地巡礼”のメッカなのね。
 
ここでいう“聖地”というのは、アニメの舞台のことであり、“聖地巡礼”とはアニメの舞台となった土地をファンが回ること。
 
秩父では、以前「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(通称・「あの花」)の舞台となって人気を呼び、昨秋は「心が叫びたがってるんだ。」(通称・「ここさけ」)が劇場公開されて、またもやブームになっているという……。
 
そんなこと言っても、知らない人は何も知らない(~_~;)。私も、一応「あの花」とか「ここさけ」というアニメがあったことは知っているし、それが聖地巡礼を呼び込んでいることは聞いていたが、その舞台が秩父ということは忘れていたのである。 
 
しかし……。
 
011
 
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町の居酒屋、ラーメン屋にも、こんなポスターは張られており、「ここさけ応援スタンプラリー2015秋」とか「ここさけお散歩マップ」がつくられている。もちろん、町上げての聖地巡礼情報を伝えるサイト まであった。
 
こうしたあにめの舞台を聖地巡礼するのが人気を呼んだのは、同じ埼玉県を舞台とする「らき☆すた」が始まりと言われているが、実はその仕掛け人が、現在秩父にいるらしい……。
 
私は、アニメを見ていないけれど、今回聖地を訪れたことで、アニメを見てみようかな、と思ってしまうのだから、逆の聖地巡礼になるかもね。
   
 
もっとも、私にとっての秩父の“聖地”は本屋さんの店頭だ!
 
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2016/01/30

林業研究で地域おこし協力隊に!

今日は、吉野に足を運んだ。

 
いくつか用事があったのだが、その一つを川上村で話し合う中で出た言葉。
 
「誰か吉野林業を研究して、その内容を地域に活かしてくれないですかね。地域おこし協力隊になったら3か年続けられます」
 
お、なんか面白い切り口かもしれん。
 
川上村だけではないが、山村なら林業を活かした地域おこしは大きなテーマだ。そして地域おこし協力隊のメンバーも、林業に関連した商品開発や宣伝部隊となって頑張ってくれる人は多い。それで起業する人もいる。
 
ただ、その地域の林業の歴史や技術を十分に理解して、それを元に地域おこしとなるとなかなかハードルが高い。ある種の研究者の仕事になってしまう。
だが、林業体験イベントや、地域の魅力発掘などを考えた場合、やはりそれなりの知識と見識を持った担当者がいないと、腰砕けになりがちだ。せっかく外から来た人に、その地域の林業の魅力を伝えようとしても、舌足らずになることは考えられるだろう。
 
今は市町村はもちろん、県にも十分なその土地の林業について熟知している人は少ない。地元の林業家に詳しい人がいるかもしれないが、それは経験知であって情報発信活動に向いていない。
また地域の観光資源を発掘するのも、素人的な目よりも専門的に歴史をひもといて価値を指摘できる人が欲しい。
 
 
とはいっても、外部の研究者に頼るには限界がある。遠く住んでいたら十分な研究もできないし、そもそも対象に選んでくれるかどうか。な
らば、しっかり地元に棲みついて研究する人を募集するというのはどうだろう。最近は大学などの研究職は狭き門になっているが、地元密着型の研究人材を雇用するのだ。
 
そこで地域おこし協力隊の制度を活用する。3年間は給料が出るのだから、その間、その土地に住み込んで林業研究を通して地域の魅力発掘に取り組む……というスタイルも考えられるのではないか。就職口が見つからずに研究職をあきらめかけている若き学徒にとっては、一つのチャンスにならないか。
 
3年後どうするかは悩ましいが、本当に地域の魅力を発掘できたら、それを仕事につなげることも可能だろう。何より研究成果を上げたら、地元に認めらるはず。あるいは論文を書いて注目されたら新たな任地が見つかるかもしれない。
 
ちなみに川上村は、今年も地域おこし協力隊を募集中。これまでのメンバーによると、極めて自由に動かせてもらえるそうだから、林業研究という切り口でも応募できるのではないか。
そして吉野林業は、極めて研究テーマとしては奥深く魅力的だ。
 
あ、ただし締め切りは2月12日だった。。。。あと2週間ないか。
 
でも、新しい地域おこし活動になるし、研究希望者にとってもチャンスだよ。

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森と林業と田舎