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森と林業と動物の本

2026/02/13

「三年晩茶」と「風の森」

先日、「奈良から世界へ ネイチャーポジティブの輪(和)」というシンポジウムに顔を出してきた。

内容を一言では説明しづらいが、ようするに国際的に注目されている概念ネイチャーポジティブを推進しようと、奈良の事例をいろいろ紹介していたのである。私も、へえ、奈良にこんなグループがあって、こんな活動しているんだ、と思うところは多々あった。

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その中でも紹介したいのは、健一自然農園というところが出した「三年晩茶」だ。これは伊川健一さんが高校生の時から手がけてきた放置茶園を開墾する事業なのだが、放置してもはや大木に育ったようなチャノキから茶をつくっている。それも茶葉だけでなく枝も幹、樹皮も混ぜた茶である。放置されていたからこそ、無農薬で育った木なのだ。

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手にしているのが3年茶の枝

とまあ、これだけなら「頑張ってるね」というだけで終わるのだが……実は、この晩茶による抹茶ラテも販売しているのである。つまり放置茶畑からつくった抹茶(定義上は粉末茶になる)と牛乳の飲料だ。

日陰栽培など細かな規定のある、もっとも繊細な抹茶をあえて放置されたチャノキでつくる。今世界的に流行りの抹茶ラテの世界なら可能なのかもしれない。

同時に思い出したのが、奈良県の御所市、油長酒造でつくる「風の森」だ。この日本酒は、すごい人気でなかなか手に入らないことで知られている。多分、関東では手に入りにくいだろう。うちの娘が探していた(^o^)。

この酒で驚かされるのは、原料に使っている米が秋津穂という食米であること。しかも磨くのは65%程度なこと。これ、日本酒に詳しい人なら驚きだろう。銘酒と言われているのは、みな酒米と呼ばれる品種(山田錦とか五百万石、赤磐雄町……)にこだわり、ギリギリまで削る。35%まで磨いた大吟醸だぞ!と自慢するものだ。「獺祭」とか。

が、そうした風潮に棹さして、吟醸ではなく廃れた食べるための米を使い、あまり磨かず、しかも硬水を使う。社長に言わせると、「何を原材料にしても、それを個性に美味しい酒はできる」のだ。

そんな酒が、通に大人気なのだ。さらに、米が取れる棚田ごとに味が違うと、ボトルも分けている。

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これって、ワインの世界でいうテロワールだ。農園ごとにワインは違うのである。

三年晩茶にしろ、風の森にしろ、世間の常識を覆したかのような商品である。そして放置茶畑、あるいは棚田を守る活動へと進む。
これぞ、ネイチャーポジティブを土地の活動へ引き寄せることなのかもしれない。

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風の森をつくる葛城醸造所。棚田の中に建つ。

同じことを林業でできないのは、なぜだろうね。単に原木の産地銘柄ではダメなんで、エンド商品まで落とし込む覚悟があるかないか、だろうか。

 

2026/01/30

「四万十ドラマ」の大躍進?

たまたま阪神百貨店を訪れた。そして地下の食料品売り場を歩く。

そこで発見した店が「四万十ドラマ」だった。和菓子を中心とした商品が並んでいた。

びっくりだ。四万十ドラマが百貨店に常設店舗を持つなんて。(昨年10月オープンらしい。)

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「四万十ドラマ」とは何か。実は株式会社である。今から30年ほど前、この四万十ドラマを取材した。高知県四万十市の「地域商社」を名乗っている会社?だった。会社と言っても、自治体と組んで立ち上げた団体だから第3セクターになるか。ようするに四万十市(当時は中村市だったかな)の産物を売っていくという意図であった。

まあ、手づくりぽさが目立ったが、これに注目したのは、売り出す商品が面白かったから。

くそっぱ。フキの葉である。これで野ぐそをしたときに尻を拭くと気持ちよいのだそうだ。(……私も実験したことがあるわ。たしかに。)
川舟。四万十川で使われる舟である。川舟大工がまだいたのだ。
小学生の書いた作文、研究発表の冊子もあったような。
ほか、なんだったかなあ。一応、ヒノキ片とか、米とか野菜、鮎、地元の栗の菓子などもあったかと記憶するが……。

面白いけど、売れるかい~!と思うものが並んでいた。まだインターネットが始まった(Windows95が出た)ばかり?の頃だったのでネット販売も無理だった。
ようは商品売るより、名を売る戦略だった。川舟売りますとあれば目を引くが、実際に買ってもらいたいのは別の農産物というわけだ。

取材した記事は「ビーパル」に掲載したのか、「田舎暮らしの本」だったか。一度、バックナンバーを探してみようかな。

しかし、その後正当派の地域商社になったようだ(笑)。

ちなみに、今はしっかり四万十ドラマオンラインストアが立ち上がっている。くそっ葉も川舟もないけど。

当時取材した若者も、今や立派な社長だ。なつかしいなあ。
決して尻すぼみの地域起こしではなかったことを証明しているのだ。

 

2025/11/17

迷路とベンチ~平城宮跡にて

気分が晴れないときは、平城宮跡へ。なんたってだだっぴろい。快晴の日は訪問者も多い(駐車場が満杯)が、130ヘクタールの草原に吸い込まれてみんな見えなくなる。

おりしもオギの白い穂が満開だ。ススキのように見えるが、平城宮跡に生えているのは近縁のオギと、ヨシである。

そして「おぎの美術館」が開かれていた。オギの野原を美術館に見立てたアートイベントである。

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背丈を超えるオギの原の中に迷路のような遊歩道がつくられているのだ。風景がそのまま絵画になる。描かれているのは朱雀門だ。
そしてベンチ。寝転がると空に描かれた空が見える。

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私は、「迷路」と「ベンチ」によるまちおこしはできないか、と考えている。町の魅力は迷路であることと思うのだ。その角を曲がると何かあるのかわからないドキドキ感。目的地がわからなくなって彷徨う感覚。その中で意外なものを発見する興奮。これらがあると、その町は魅力的になる。

ただ、ひたすら歩いて迷って出られない……というのは恐怖となる。そこに必要なのがベンチ。街角にベンチがあると、腰掛けて休める。そこでお茶できたり、つい買い物をしてしまう。たまに誰かと出会って会話する。ホッとして、また歩こうと思い出す……。
そんな街づくりをすれば、人は勝手に集まると思うのだ。

この「美術館」には迷路とベンチがある。

実は、平城宮跡の中には、数多くのベンチがある。何千人と人が来ても吸収してしまう草原と、そこで休めるベンチ。

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ベンチに座って1300年前の賑わいを想う。

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2025/06/23

酒の島・沖縄

今日は沖縄慰霊の日。沖縄戦は6月23日に組織的戦闘を終えた。写真は、先日訪れた浦添城にあるガマ(洞窟)の中に設けられた慰霊碑。浦添城は、首里王朝以前の中山王朝の城なのだが、この丘の争奪で激戦があったところである。

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ここでは沖縄戦の被害の一つとして、泡盛の酒造所について触れたい。泡盛は、琉球王国では王と貴族の飲み物とされた。とくに長く寝かせた泡盛は古酒(くーすー)として価値が高まる。だが地上戦が行われたため、古くからの酒蔵はほとんど破壊されてしまった。

ところが、たまたま夜入った店が泡盛にこだわった店主だったため、うんちくをかなり聞かされた。それによると、現在酒造所が47もあるというのだ。そして沖縄戦で貯蔵していた泡盛が全滅したから、80年を越える古酒の泡盛はないと言われているのだが、実は戦災を逃れた甕も少し見つかっているのだそう。なかには160年ものがあるそうだ。

しかも、各酒造場がいくつもの銘柄を出しているので、「多分、全銘柄は1000ぐらいあるんじゃないか」という。毎年のように新しいのが出るという。とても全部揃えることができないのである。わりと全国的に有名な久米仙も、久米島の久米仙と那覇の久米仙があるとか……。

その後、国際通りを歩くと、泡盛専門店、古酒専門店がいくつも並んでいる。私はふらりと入って地下の倉庫に入れてもらったのだが、そこには何百種もの泡盛、そして泡盛以外の酒が並んでいた。その中には、こんな酒も。

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焼酎でも泡盛でもない新たな酒「IMUGE(イムゲ)」が登場していたのである。芋でつくっているのだが、芋焼酎ではない。分類上はスピリッツだというのだ。その根拠はよくわからないが、泡盛は王侯の酒であるのに対して、イムゲは庶民の自家蒸留酒なのだそう。米は使わず芋と黒糖で醸造し、それを蒸留している。戦前にはあった酒を復活させたという。

また泡盛以外にも、沖縄産のウイスキーやジン、そしてラムが並ぶ。ウイスキーと言っても米でつくっているのだから泡盛とどう違うのか……。シェリー酒の樽で寝かせた酒もある。ほかにパイナップルワインも見かけた。ヨーグルト酒とかミルク酒とか、なんだかわからない酒が山ほどある。何種類も味見をさせていただく(強い酒をストレートで何杯も!)だけで、かなり酔ったよ。

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それにしても、人口と比して酒蔵が多すぎる。全国販売をしているメーカーは少ないから、みんな島内で消費しているのかね。もはや沖縄は日本最大の酒産地として捉えるべきなのではないか。酒の島。主産業は酒(笑)。世界に売り出せばいい。酒による地域起こしも可能だろう。

ちなみに私はラムの原酒(50度)を買ってしまったよ。黒糖の酒と言えば、奄美の黒糖焼酎を思い出すが、それは米で仕込んで黒糖で味付けをする。こっちは純粋に黒糖だけで仕込んでいる。強いのに甘い香り。

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2025/04/26

山村のモンベル・ショップ

先日、奈良県吉野郡の黒滝村を訪れた。

そこにある道の駅「吉野路黒滝」で何か式典をしている。ここにモンベルショップがオープンしたのだという。南都銀行の跡地だそうだがら、まさに、なんと!(⌒ー⌒)

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人口500人程度の山村にモンベルがオープン。なかなか常識はずれの展開ではないか。住民の購買力だけでは、とても成立しない。

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店内は、いわゆる都市部のショップと変わらない品揃えだ。ターゲットは、やはり村の外から来る訪問客だろう。
当然アウトドア用品が並ぶが、やはりファッショナブルなウェアが多い。ほかキャンプ用品、ちょっと目に入ったのは水遊び用の道具か。黒滝村には遊べる渓流が多いから、それらに合わせた品揃えかもしれない。

「林業用品も置いていますよ」とのことだが、探さないと見つからない。ようやく隅の方(笑)に少しだけあった。

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これも一見したら、一般的なアウトドア用品だが、チェンソーパンツなどが並ぶ。

聞いたところ、モンベルの直営ではなくて、黒滝村森林組合の経営らしい。モンベル商品を仕入れて並べる、いわゆるモンベルフレンドショップだ。これを逆から見たら、森林組合が都会から来るアウトドア客向きの商品を並べた店を開業したというわけだ。

黒滝村も観光には力を入れているが、とくに有名な登山に適した山はない。せいぜいハイキングレベル。むしろ川遊びやキャンプ、それに温泉客などが多いように思える。ただ黒滝村から南下すると天川村があって、こちらは山に川に洞窟に温泉と多くの観光客を集める。パワースポット扱いの天川弁財天もある。そして修験道の拠点でもある大峰山(山上が岳)と隠れ里ぽい洞川集落。シーズンによっては、渋滞を引き起こすほどの行楽客が来訪する。それらの客の多くが往復の途中で黒滝村の道の駅に寄り道している。

しかし、登山を目的とする人なら、最初から登山用具は揃えているはず。修験道の行者やキャンプ客も同様で、途中で道具を購入するとは思えない。もっと気軽な散策や寺参り、山里グルメ……などを求めて行楽気分で訪れた客が、ここでモンベル商品を目にしてアウトドアの空気に幻惑されて?ファッショナブルなウェアが欲しくなるはず……行楽中だから財布の紐も緩んで買いたくなるはず……という戦略か。

森林組合としては、補助金頼みの林業だけでなくビジネスの幅を広げて多角化を図る意味もあるかもしれないし、村全体にも店員という雇用も生み出す。村の名を売りつつ、都会の風を吹き込ませて、村人の接客や販売、それにデザインセンスに影響を与えるかもしれない……。

〇〇なはず、〇〇ではないか、〇〇かもしれない、の連発である(^^;)。

一方でモンベルからすると、都会のショッピング街やセンター、モールに出店する従来の販売網に風穴を開け、新たな顧客をつかむ挑戦だろうか。明確なウトドア指向の客ではなく、革靴とパンプスで行楽地に行くような客をターゲットとできるかどうかの試みでもあるのだろう。フレンドショップなら、リスクは大きくないし。林業が基幹産業の地だから、少しは林業関係のギアも売りたいという思惑もあるに違いない。

〇〇だろうか、〇〇だろう、〇〇に違いない、の連発である(^^;)。

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黒滝店限定のTシャツ。原案は、村の林業女子のデザイン。限定品に弱い人向きのお土産になるはず、なるに違いないv(^0^)。

気になる人は、訪れてみて。なかなかの山の奥だよ(⌒ー⌒)。。。

 

2025/04/12

吉野山余談~角と樽

吉野山で見てきたもの。それは桜の花だけではない。

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まず、こんなものを売る売店……というか露店があった。

シカの角。値段は……1万5000円! いやいや、よく見ると1万8000円、さらに3万円もあった!  安いのは……6500円。

こんなに差をつけますか。枝分かれの数によるようだが、毎年、枝分かれ数を増やすから年をとったシカほど高いわけだ。イヤイヤイヤロップイヤー、ムリムリムリカタツムリ、ヤバヤバヤバヤンバルクイナ……と頭の中で唱えたよ(´_`)ワカルカナ

しかし、角自体はシカが山に落とすものである。それを拾うだけ。いわば原価はゼロ。問題は、それを探す手間なんだが、1頭分のオスシカの遺骸があれば2本の角は採れるわけである。1万5000円なら3万円分になる。まあ、どこに落ちているかわからないから、偶然の産物に近いかもしれないし、必ずしも全部売れるわけではなくて、売れ残る可能性だってある。

使い道には、根付、ペンダント、ナンフの柄、帽子かけ、スリッパ立て……とあるが、やはり驚いたのは愛犬のおしゃぶり。そんな需要があったのか。イヌは鹿の角をかじりたくなるのか。何万円もするイヌ用グッズか。。。。と様々な気持ちが去来するのであった。ちなみに防止やスリッパ立てにするにしても高い。なお根付やナイフの柄にするには、プロ的な技術がいるなあ。

 

さて、もう一つは、吉野山にあった空き家。家そのものではなくて、窓に写るもの。

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これは……樽ではないか。吉野杉でつくられた樽だろうか。見たところきれいだから、中古ではなくて新品かもしれない。過去、この家の主が樽を扱っていて(つくっていたのか販売をしていたのか)、その在庫かもしれない。今は、この家に人の気配はないのだが、捨ておかれたというよりは、空き家を倉庫として使っている可能性もある。

こんな商品からも吉野を感じてみてはいかが。

2025/04/10

覚悟の吉野山

昨日は、吉野山に行ってきた。

もともと吉野山の桜の写真を撮っておく必要があって計画し、余裕のある日と桜の開花状況を勘案して選んだのが、9日。だが、この日はトンデモであった。まず満開日(下千本、中千本)。快晴。そして翌日からは雨の予報。つまり花見の最後のチャンスになるかもしれない。

ここまで条件が重なれば、とてつもない人手が予想される。私は、そんなに満開でなくてもいいんだけどね……と思いつつ、覚悟して出かけた。

ただし、もはや車はムリ。近鉄吉野線もかつて経験のないラッシュ。通常人がよく降りる飛鳥駅でも降りる人はほとんどいない。みんな花見客なんだろう。終点までゴーだ。

吉野駅到達後はロープウェイの列が100メートルぐらいあって待つだけで1時間を越えそう。もちろん私は自分の足で登る。これも覚悟済み。撮影用にあっちゃこっちゃに寄り道しつつ、下千本、中千本、上千本まで徹底的に歩く。奥千本はさすがに諦めた。もともと桜は咲いていないはずだし、そんなに重視していなかった。こちらは秋にでも行けばよい。紅葉が見られるだろう。

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こんなもの序の口だわ。登る道が渋滞しているし、商店街も満員電車なみ。そこは歩行者天国だからいいけど、車やバイクの走る道は悲惨だ。何がって、歩行者が車を通してやらないから(笑)。ただバイクはブンブンとドローンのごとくふかすのが不愉快。そろそろ許可車両以外は通行禁止にすることを考えた方がよい。

面白いのは、沿線の家もみんな店開きしていること。通常は民家じゃなかったっけ、と思うところでも店になっている。そこで売る商品は何かはさておき、稼ぎ時なんだろう。外国人相手の店もよく出ている。これぞオーバーツーリズム?

いや、ここで考えたのだ。吉野山は、普段は閑古鳥……と言ったら失礼だが、まあまあエエカゲンな人手なのだ。秘仏のご開帳とか、何かイベントがないと、なかなか観光客は来ない。私は、静かな季節の温泉と寺社巡りも好きだが……。

だが吉野山の民は、1年を桜の季節の1週間で稼ぐ、と言われるほどなのだ。下から上、さらに奥千本まで含めたら3~4週間ぐらいは花見できるが、いずれにしろその間だけの大混雑。これをオーバーツーリズムと呼んではいけない。祭りだと思おう。

この時期に押し寄せる客相手に稼げ!稼いで稼いで稼ぎまくれ! 賑やかで普段会わない人との交流もできる。ほかの時期はのんびりやる。閉店してもよい。いや、そもそも店をやっていないか。花見時期だけの臨時営業だ。宿も営業は半分ぐらいでいい。

なんだか羨ましくなってきた。3週間で稼いで、後は遊んで暮らす(笑)。温泉に浸かり放題、地酒飲み放題……もちろん、桜の手入れはしっかりして過ごす。

年中ごった返して不平不満をぶつぶつ口にする京都人なんぞと違うのだ。

とはいえ、私も人ごみに酔って気分が悪くなった。結局、人の少ない方少ない方へと進み、はるか高見に……。

ここまで来たら人気はなくて、桜の花を独り占めだ。。。。

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いるやん (@_@)。この満開の桜樹の景色を独り占めして寝ている人が。やるなあ。

最後に、一応ステキな花の吉野山の写真も披露しておこう。

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別に、こんな写真を撮りにきたのではないのだ、と言いつつも、その場にいたら反射的にシャッターを押してしまう景観であった。

2025/03/17

獣害でそば屋が休業

奈良県天理市の高原地帯に「荒神の里 笠そば」というそば屋がある。

すべて自分たちで栽培したそばを使っていることが名物だ。それも挽き立て・打立て・茹がきたて 。それなのに、そばを出せなくなったため一時休業するという。その理由は、獣害だそうだ。

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詳しいことは書かれていないが、昨秋の収穫時期に獣害等により壊滅的な被害を受けた事から、皆様方に地元産のソバを提供する事が困難な状況となりました、とある。

獣害とは、イノシシなのか、シカなのかわからないが、壊滅的とは……。高原だからイノシシはこれまであまりいなかったと思うのだが、登ってきたのか。あるいはシカが柵をかいくぐったのか。いずれにしろ5月には在庫が底を突くのだろう。他地域からそば粉を仕入れてまで開業を続けないとは、思い切った決断。

ここは個人の店とは違って地域おこし的につくられた店だ。

もともと山の中の高原地帯で、1978年に始まった国営総合農地開発事業、つまりパイロットファームとして60ヘクタール以上の巨大農地を造成したのだが、このような国主導の農業は何を栽培するか、どうやって売るかを考えていない。栽培するものに困る例もよく聞くが、手間のいらない作物としてそばが人気。それはこの施設も同じだ。私も、よく似た事例を各地で聞くのだが、実は成功しているところは少ない。たいてい失敗するのだねえ(> <;)。

ここでも4分の1に当たる15ヘクタールでそば栽培を始めた。とはいえ、そば粉だけでは利益など出ない。輸入品にかなわないからだ。
だが1994年に結成された笠そば栽培促進協議会女性部が、そばの加工と販売、そば打ち体験教室……などを始めた。素人のそばうちからスタートしたのである。栽培から加工・販売まで一貫して地元で行うそば屋として、笠そば処がオープンしたのだ。

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かつてのそば畑と笠そば処。なかなか繁盛していた。私自身も、幾度も訪れている。名人級の美味いそば……とまでは言わないが、それなりに楽しめる。ほかにも農産物直売もやっていたはずだ。

それにしても15ヘクタール分のそばを食い尽くすとは、どんな獣害だろうか。

 

2024/12/05

道の駅と富雄丸山古墳

先日、奈良天理市の道の駅を紹介したが、実は先週末に奈良市に新たな道の駅がオープンした。我が家から車で20分もかからないかな。

「道の駅クロスウェイなかまち」。中町という地名なのだけど、ダサい名称だ(笑)。
まあ、敷地は広く、建物は木調で、いくつもの棟があって、ドッグランまで併設している。なかなか豪華である。中心は、やはり農作物など地場産品。なんとなく、観光地の土産物売り場を連想してしまう。

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オープンから数日経って平日ならすいているかな、と思って訪れたのだが、まだごった返しているわ。

建物も商品陳列も、なかなかオシャレにしている。そしてよく売れている。ただ私には、あまり魅力的でなかった。木製品は入り口横の薪ぐらいしかないし(^^;)。核になるものがない。ほかの土産物店でも並んでいるような品が多い。あえて特徴を出しているのが、これかな。

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そう、富雄丸山古墳で発掘された蛇行剣をイメージしたお菓子。ただし、中身はポップコーン?だった。それはつまらんだろう。どうせなら蛇行した煎餅ぐらい焼けなかったのか。安易に走ってはいけない。ちゃんと剣の形にしなければ、そのうち人気がなくなるだろう。

とはいえ、富雄丸山古墳が名所であるのは間違いない。なぜなら、この道の駅の隣にあるのだから。(間に田畑などが横たわるけど)

せっかくだから、そちらにも行く。

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こんな道路標識?が。もともと古墳は公園になっていたから、道はしっかりしている。

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たどり着いた。以前のような発掘現場の屋根は取り外したようだ。警備員もいない。でも、監視カメラがあるようだ。中に潜入してみてえ、と思いつつ、自粛。思えば、この古墳に関しては30年ぐらい前に「奈良最大の円墳!」と記事を書いたこともある。その後も幾度か訪ねている。あの頃は、簡単に森林に入ることができたのに、とちょっと残念な思い。

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こんな感じ。3つの古墳が重なっているかのよう。

そのうち道の駅周辺に古墳の資料館でも建って、観光客を呼べるかもしれない。奈良市というが、大和郡山市に隣接しているから、再来年の大河ドラマの主人公・豊臣秀長の居城もある。薬師寺、唐招提寺も、平城宮跡公園も近い。また高速道路インターもある。すごい恵まれた立地だ。

だけど、しかし……今のままでは安直な道の駅だよ。

2024/12/03

熊野古道の雲海の村

今朝、何気なくつけたテレビで野迫川村が登場していたので驚いた。奈良県で最小、いや全国でも最小の村である。

それもモーニングショーだから全国版でわりと長く(15分くらいのパートだったと思う)放送された。ローカル番組でなく、これほどこの村が取り上げられるのは珍しいのではないか。

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何しろ人口327人……とテレビでも紹介していたが、実態としてはその半分、150~160人くらいではないか、と言われる本土最小の村なのだ。そこに外国人観光客が殺到しているという。観光客は年間5万人ほどだが、その3割が外国人!

何が目的かと言えば、まず熊野古道が走っており、次に雲海が年中見られることが売り物の、天空の村であること。ちなみに私も幾度となく訪れているが、なぜか雲海は一度も見られない(^^;)。

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それにしても熊野古道全体では、8割が外国人だというもはや日本人より有名になっている。ただ熊野古道と言っても、この村は有名な中辺路ではなく小辺地というルートで、山越えの多い道のため相対的に訪れる人は少ない。それが逆に名所になっている。古道が歩きたくても人が多すぎると楽しめないという人も多いのだ。番組では、まさに世界中から人がやって来ていた。オーバーツーリズムを嘆いているのは、日本人だけではないのかもしれない。

以前より「雲海が見られますよ~」と売り出していたものの、なかなか客は増えなかったのに、ネット、それもSNSでたっぷりの写真とともに紹介されたことでバズッたらしい。

私にいわせれば、潜在力はあったのだ。なぜならこの村の隣が和歌山県高野町。年間100万人以上が押し寄せる高野山の総本山だ。ほんの少しの工夫で、それらの一部に足を伸ばしてもらえる。

もっとも気をつけないと足を救われるかもしれない。

小辺地ではないが、熊野古道の一部、十津川村の一角にはこんなところもある。

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古道のすぐ側に作業道が伸びているのだ。それも古道に平行して何百メートルも開削した。当然、林業事業体が敷いたのである。そして、この道から巨大な皆伐地が目に入る。これって世界遺産を訪れる人に対する林業家の嫌がらせ?と思ってしまう所業だ。

古道を歩いてきた外国人は、それを目にして、その場で写真をとり、それをユネスコのイコモス(国際記念物遺跡会議 にメールで送るそうだ。イコモスは日本政府に問い合わせ、文化庁が林野庁に、さらに奈良県に問い合わせるという。

林業が世界遺産を壊したといわれないように。

 

 

 

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