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森と林業と田舎の本

2022/01/24

首里城再建巡る動き急

先日、いきなり私の携帯がなり、見知らぬ人から電話があった。

内容は「例の木材の件だけど……」。例って、何だ。あ、ちょうどトガサワラ座敷のことを書いたからか?

が、話が食い違う。相手は不動産業者らしい。だいたい、どうして私の携帯の番号を知ったのか。え、木材業者から聞いた?

少しずつ整理して聞いていると、例の、とはこちらであった。

廃業時代に失われる? 日本の森が生み出した宝の行方

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これは、今や手に入らないような大径木材を在庫している業者の話だが、この木材を買い取りたいというのだ。で、それは、どうやら首里城建設に使うためらしい。(この当たりを明確に言わないのが不動産業界の手口か。)

しかし、私に聞かれても困る。しかるべき業者との窓口を通してくれということで切った。これまでも問い合わせはあったが、いよいよ現実的な木材売買の動きに感じる。う~ん、私もブローカー的に振る舞って1割は斡旋料だぜ、と啖呵切ったらよかったかもなあ。

どうも、首里城再建の動きが加速しているようだ。

首里城のためならカシの大木の伐採OK? いや反対?

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昨年もこんな記事を書いたが、各地で木材熱めが進んでている。またテレビにュースでは、長崎でも伐られたらしい。

長崎】沖縄首里城復元に木材伐採

佐世保市江上町のミカン畑の斜面に生える2本のマキの木が、首里城正殿の「向拝柱」と呼ばれる4本の柱のうちの2本とするため伐採されたというニュースだ。幹周り約2メートル40センチ。高さ20メートルほどで、樹齢は200年から300年ほど。これだけでなく、長崎県内からは松浦市や雲仙市からも合わせて7本が沖縄に送られるとのことだ。

かき集めた木材で、今年から建設が始まり、5年かけて再建する計画である。

しかし、トガサワラの件で知ったのだが、全国各地の木材業者はまだまだ隠し持つ材があるね(^_^) 。トガサワラだって、すでに伐採・製材済みの材が相当眠っているそうだ。ヒノキの大木もあるし、価格さえあえば、それらを放出するつもりの業者はかなりいる。首里城再建は、千載一遇のチャンスとみんな待っている。金に糸目をつけずにいるからなあ。

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トガサワラの板。100枚くらいストックしているそう。「木材業界には闇があるんだよ」と教わった\(^o^)/。

私の所なんぞに問い合わせて来なくても木材はあるよ。金さえ出せば。

 

2022/01/19

幻の銘木座敷。その正体は?

某旧家の座敷を見せてもらいに行った。ここで使われている木は、ほぼ1種類。

滅多に出ない幻級の銘木だとか。かつて大阪では好まれたということだけど、今は知る人も少ない……。

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一応、木目のわかりやすいところを写したけど、この写真だけで樹種がわかる人がいたら、銘木マイスターでしょう(笑)。だいたい、樹木そのものが絶滅危惧種なんだから。

解答は、ずっ~~~と、下の方に書く。










答え。トガサワラ。別名吉野松。

2021/12/03

スウェーデントーチ?

ホームセンターで見かけたもの。

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スウェーデントーチだそうだ。単に短い丸太に切り込みいれただけ(^^;)。でも、その切れ込みに火を入れる(紙でもいいし、燃えさしでも固形燃料でも)と、よく燃える。しかも、切れ込み部分が五徳となり、丸太の上面に鍋などをおける。すぐ沸くのだ。また火持ちもよい。丸太の大きさ次第だが、数時間は持つ。

この商品の樹種はわからない。ちょっと細いな。どこでつくっているのかラベルをよく見ればよかった。まさか(スウェーデンからの)輸入物ではないだろうな。

しかし、私がこうした丸太の燃やし方を知ったのは20年以上前。その時から「これは商品になる!」と言って周りに勧めてきたのだが、なかなか普及しなかった。奈良県では森林技術センターで燃焼実験までやったのに。

ただし、当時は「木ろうそく」とか呼んだ。ちょっと耳で聞いただけなら意味がわからないので、切り株コンロと呼んだり、最近はログファイヤーなんて言い方もあるらしい。でも、スウェーデントーチというのはどこから? スウェーデン製があったからか。

私もつくったことがあるが、スギはよく乾燥していないと上手く燃え上がらない。見た目はよくても芯が湿っているのだな。

それにしても……このホームセンターではよく売れているのか、底を尽きかけている。

2021/11/09

「長谷寺の舞台から飛び下りる」気分

奈良県桜井市の長谷寺に行ってきた。

名刹だから知っているだろうが、一般には長い399段の登楼やボタンの花が有名だろう。

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しかし、見どころはいっぱいある。まず本堂は国宝だし、御本尊の十一面観音像は高さ10メートルもの木造の仏像。日本最大の木造仏だ。重要文化財。

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これ、撮影禁止なのだが、外から本堂前面を撮影したら、その奥の暗がりに小さく写っていたので無理して引き延ばして明るく調整してみたもの(^^;)。これぐらい許してくれ。今どきのカメラは性能がよいのだから。
本尊像については、奈良時代に初瀬川に流れ着いた巨大な神木を、開祖徳道が3日で観音菩薩像にしてしまったと伝えられる。昔の人は彫刻も早かったのである (@_@)。ただし、現在のものは火災後に再建したもので、室町時代作とされる。

そして、こちら。

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長谷寺の舞台。京都の清水の舞台とそっくり。高さはどちらが高いかわからないが、もともと斜面に建っているうえ、長谷寺自体が桜井の山手にあるので感覚的には、こちらの方が広々と遠くまで見渡せる。大和盆地一望だ。しかし、ほとんど知られていないのは残念。もっと売り出せば、清水寺に張り合えると思うのだが( ̄∇ ̄) 。

ほかにも五重塔や六角堂なども建築としては面白い。ま、寺院とは木造建築の粋が揃っている。さらに天狗杉などの巨木もあるし、長谷寺のすぐ前の山には、素盞鳴神社があって、ここのイチョウは奈良県一大きいとか。

何かと楽しめるのだよ。

2021/10/24

薪ショック?

 薪の価格が上がっているそうだ。ウッドショックが薪にも到来か? なんてニュースになっている。

実際、近くのホームセンターで見かけた薪の山。

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売り切れだそうです。これも一括して全部買った人がいるようで。

まあ、説明ではコロナ禍とかソロキャンプブームなどで薪ストーブや焚火需要が増えて、それが薪不足につながり価格も上がっている……建材高騰のウッドショックにも引っかけた話題としているよう。

否定はしない。しないが、どうも出来レースぽい(笑)。急に寒くなって薪ストーブに点火する家庭も増えたのかもしれないが、ちょっと牽強付会ではないか。たまたまの薪不足とウッドショックを(言葉だけ)結びつけたらニュースになるぞ、という……。

ただ構造はウッドショックと同じだ。経営判断や流通問題で需給バランスが崩れて品不足・値上げになっただけだろう。薪製造の人手不足もあるし、コロナ禍もあるし。そもそも薪は半年~1年間乾燥させないとよくないから、薪の供給は以前から細っていたことになる。しょうがいないので人工乾燥機を使って乾燥薪を生産しているところもあるそうだ。
しかし資源としての薪が足りないことはない。山には、たっぷり木がある。広葉樹も針葉樹も。

ちなみに写真の薪には「アカシア」とあった。ニセアカシア(ハリエンジュ)のことなのか、それとも本物のアカシア(ネムノキ属)材を輸入したのだろうか。

 

2021/10/23

木彫りがフィギアにガチャに

毎度、ガチャ見学(笑)。ガチャガチャを見ていると世相がわかる……かも。

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とうとう、木彫りをフィギアにするまで進化した。(もちろん、木彫りそのものではないよ。それは原型士の「作品」だ)
この作品は、川崎誠二という木彫り作家。沼津の人らしいが、詳しいことはわからない。インスタはやっている。

ちょうど、こんな記事も出ていた。

ガチャ史上「最高難度」木彫り再現 「500円じゃないと作れません」はしもとみおさん作品で伝えたいこと

こちらは多少お高くなっているが、これは、はしもとみおのネームバリューに加えて、その作品がよりリアルでそれをフィギア化するのには高い技術が必要になるからだろう。色の再現性も難しい。
ただ彼女は、アーティストというより木彫りの動物づくり職人的な人。だから自分の思う造形ばかりではなく、依頼によって亡くなったペットの再現などを請け負っている。

私も展覧会に行ったことがある。

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こちらの作品は、よりミニマムでフィギアぽい。

木彫りの世界まで行くと、木材は化ける。

 

2021/10/14

吉野杉の輸出に見る木材の「価値」

米の価格が下がっているようだ。このままでは米農家は立ち行かなくなる……という声が上がっている。たとえば東北6県の主要銘柄米(1等米60キロ)が、前年比2000~4000円程度下落した。これはゆゆしき事態だろう。直接の原因は、コロナ禍で外食産業が不振になったことだとされているが……。

ただ、ちょっと妙だ。今年3月には、2020年度全体で米の消費が2.2%増となったというニュースが流れていたからだ。中・外食消費量は3.7%減少したが、家庭内消費量は5.1%増だった。米は食べられているのに、取引価格は下がるとは……。

 

全然関係ないようで、思い出したのはYahoo!ニュースにあったこの記事。

パリ】フランス人の心に響いた「吉野材」に日本ブランドの未来を見る。

吉野からパリに輸出した吉野杉[YOSHINO WOOD]が評判を呼んでいるのだ。それをパリ在住の日本人がレポートしてくれている。こういうのは有り難い。フランス側の動きや感覚がよくわかる。

ともあれ、吉野杉の素晴らしい材質が理解されたか……というと、全然そうではない(笑)。

そもそも吉野材のヨーロッパ輸出は、2017年から取り組んでいた。最初はオーストリアに。だが、まったく成果は上がらず。ドイツのケルンで行われていた木材メッセにも吉野材を持ち込んだが、まったく相手にされず。

そこでどうしたか。……ぜひリンク先の記事をよく読んでほしい。読まずに、このブログだけで知ろうと横着してはダメよ。
ようはワインでいうテロワール、良質の木材が育てられる背景、環境、あるいはどういう人がかかわって、どういう木材の文化があるのかという、地理的、環境的、歴史的な部分、そういうストーリーと一緒に見せてゆくということなのだ。そして最終商品を見せる。

Photo_20211014213701(イメージです。)

実は、この吉野材の輸出に関しては、私も以前から聞いていた。肝心の人物にも会っている。ただ、聞くだけじゃダメだね。こうしてフランスの様子を紹介されているのを読んで、ようやく合点がいった。

私は20年以上前から「木材は情報素材だ」「木材の個別の機能はほかの素材より劣る」「価値は情操・感覚で伝えるべき」と言い続けてきたと自負しているが、それをキッチリ示している。

吉野杉の原木を見せても見向きもしなかったヨーロッパ人が、見事に反応したではないか。また原木ではダメなわけで、見せる形にしなければならない。

お米も一緒なんだな。もはや栄養をとって腹を満たす素材ではなくなっている。米を売るのではなく、テロワールで売る。料理で売る。たとえば玄米ではなく、おにぎりで売る。売る人の人柄で売る。そんな覚悟がいるのだろう。

2021/10/12

シュールな大極殿南門

平城宮跡に大極殿南門の復原工事が進んでいる。

大極殿は、天皇が儀式・執務をする巨大建築物だが、その周辺の復原として南門をつくっているのだ。この度、素屋根を横にずらしたというので見に行ってきた。

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なんか、シュールというか、古代建築物の復原なのに、近未来的な鉄の屋根がある。いわば建築用の足場と囲いだが、いよいよ中の建築が完成したので、それを横に引っ張ってずらしたというのだ。私が頭に浮かんだのは、サンダーバードの基地(笑)。

ずらす前は、こんな感じ。

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さて、これも復原・復元であって、文化財の修復建築でないのは言うまでもない。設計図が残っているはずもないから、想像で描いた部分も多分にある。

沖縄の首里城の再建工事と似た立場である。時代の差が1000年以上あるので、より想像部分が多いだろう。ここでは、どんな木が使われているか。

木材としては8000の部材があるそうだ。使われたのは、主に紀伊半島のヒノキ。なかには樹齢200年近くの吉野ヒノキもあるそうだ。大木である。もっとも太い柱となる原木の直径は80センチくらいか。人工林からであって天然木ではないはずだ。でも、Yahoo!ニュースにも書いた通り、文化財でもないのに貴重な大木を使うことの是非を考えると、悩ましい。

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使われた木のサンプル。

南門の完成は、来年3月を予定。でも次は、両隣に東楼、西楼を建てる。なかなか終わらんのである。

 

 

2021/09/21

ダイソーのヒノキオイルの成分は?

百円均一ショップであるダイソーが、国産ヒノキオイルを出した、という。

これまでもアロマオイルは売っていたが、それは合成香料で、本物のヒノキなどから絞り出したエッセンシャルオイルではなかったはずだ。だが、今回は、明確に「国産ヒノキから」と書かれている。なんでもStandard Products by DAISO という店で販売しているらしい。

Photo_20210918150402 サイトから借用

まさか、ヒノキオイルが100円で??? 通常数千円するんじゃないのか、と驚いたが、値段は550円だった。それにしても安い。
だが、よく見ると4ミリミットル瓶である。なるほど、それならギリギリ採算は合うか。なお香りは、オレンジ、シダーウッドヴァージニア、ティートゥリー&ユーカリ、ユーカリ、柑橘ブレンド、プレーンとある。主に福井県の木材のほか、東京檜原村や四万十ヒノキを使うらしい。販売価格からすると、原価はどのくらいだろう。多分、厳しい取引条件があったに違いない(^^;)が、逃げずに契約に至っただけでも、ほかの林業地に差がついた。

ダイソー/ヒノキオイル・箸発売

しかし、ダイソーがなんでまた……。実はヒノキオイルだけではなかった。アロマブロックやスモークチップ、カトラリー(箸)などの17アイテムもあった。全国のダイソーで扱うぐらいになれば面白い。そうなると莫大な量が必要だ。オイルはともかく、ほかの箸やブロックなどなら可能ではないか。価格は300円とか、やはり安い。

そんなに売れるとも儲かるとも思える商品ではないが、やはり環境配慮を掲げている。しかし4ミリミットルのオイルは何に使うのだろう……まあ、アロマテラピーの入門編かね。最近は、ヒノキの香りのコロナウイルスへの抗ウイルス作用も指摘されているが……。

ちなみにヒノキには、ヒノキチオールはほとんど含まれていない。もともと発見されたのはタイワンヒノキからで、日本のヒノキにはないのだ。むしろ青森ヒバによく含まれている。ただ木曽檜には若干含まれているというから、ヒノキの品種とか育ち方にも生成に関わるのかもしれない。まあ福井県や高知県のヒノキには含まれていないだろう。

つまりヒノキオイルの成分はヒノキチオールではなく、αピネンなどである。これはヒノキ以外の木にも含まれている。

 

2021/09/06

復元家屋の木の種類

生駒山の森林公園で見かけたこの標識。

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ケヤキとな。しかし、この板の木目はどう見てもスギ……と立ち止まって考えて、気がついた。ここで「欅」と記しているのは、背後の樹のことなのだ。この木をケヤキと記す標識の板はスギ板なのであった。おそらく公園内で倒れたスギの有効利用なのだろう。

あまりに当たり前のことに引っかかっていた私は自分をアホかと苦笑いしたのだが、復元した家屋の木材の種類まで同じにするのは難しいだろうと気がついた。地元で復元中の平城宮の大極殿とその周辺の南門も、できるかぎり国産のヒノキを使っているが、全部が全部同じではない。

それで思い出した。佐賀県の吉野ヶ里遺跡。

ここにもかつての弥生~古墳時代の宮殿や家屋が多く復元されている。

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ただ、事前に読んだ本によると、吉野ヶ里遺跡の建築物の多くはモミの木で作られているらしい。当時、九州ではモミがもっとも普遍的に生えている大木だったらしい。スギやヒノキは少なかったのである。そこで、見た復元建築物は……。

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どう見てもスギの木で建てられていた。ちょっとがっかりした(笑)。

今ではモミの木を大量に仕入れるのは難しい。それこそ外材のモミならあるが、国産とは若干種類が違うのだろう。別にいちゃもん付けるつもりはないのだが、完全復元というのは難しい。文化財といえども、樹種までこだわらない。(あるいは文化財系の関係者は、形などにはこだわっても素材の樹種には興味を示さないのかもしれない。)
そういや沖縄の首里城も、以前はタイワンヒノキで建てていたし、今度の復元には国産ヒノキを使うそうだ。明治までの宮殿がヒノキで建てられていたという証拠はないというか可能性は低いのに。むしろ沖縄のイヌマキを使いたいところだが、底をついているから無理として、スギは使わない・使いたくないらしい。

ちょっと脱線してしまったが、「これがケヤキだ」と示すのにスギの板を使ってもいいじゃないか(笑)ということである。

 

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