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本の紹介

木製品・木造建築

2017/05/16

新大阪駅のトイレ

新大阪駅に行ったとき、寄ったトイレは、なんと「日本トイレ大賞」を受賞していた!(平成27年)

 
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このトイレのどこが「大賞」なんだ? 一応、壁面を緑にしているが、これ造花(葉)だし。
が、中に入ってわかった。
 
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壁面は、木の木口で覆われていたのである。
アップすると、こんな感じ。
 
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木材の色を上手く模様にしている。
 
……なんだか、木を内装に取り込んだら、すぐに評価が上がるような気がしてきた。インテリアを手がけているデザイナー諸君。木という素材は狙い目だよ(⌒ー⌒)。

2017/05/15

箱根細工はツキ板?

先日の「ブラタモリ」は、箱根の関所がテーマだったが、目を引いたのは箱根寄木細工だった。

色の違う木材を張り合わせて模様や文字を絵画的に描いた木工品(主に小箱)だが、ちょっと想定していなかった点があった。
 
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すごく細かな模様だが……これ、木を寄せただけではなかったのね。
 
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鉋をかけるのだった。
 
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なんと! この模様は鉋クズとなってしまうのだ……。
 
いえ、もちろんクズではありません(~_~;)。 暑さは0,2~3ミリくらいだろうか。これほど薄くして、別の木工品の表面に張り付けることで完成なのだった。こんなに薄くして利用するなんて。
 
箱根細工について詳しく考えたことはなかったが、なんとなく寄せた木の板をそのまま小箱などに仕上げるイメージを持っていた。しかし、模様と本体は別だったのだ。
 
 
そこで気になるのは接着剤。寄せ木の接着もだが、本体に張り付ける際には何を使っているのだろうか。現代はなんとでもなるが、江戸時代の接着剤は何を使ったのかね。ニカワでそんなにきれいに張り合わせられるのだろうか。接着面が極薄になっても離れない品質が求められる。
 
 
それにしても、ある意味、現代に通じるのではないか。きれいな模様のあるのは表面だけでいい。内側は見えないのだし。銘木のツキ板を無骨な集成材や合板に張って、豪華な無垢材に見せる技術に通じる。
いわば寄木細工は、化粧ツキ板みたいなものである。
 
現代は、集成材とかツキ板張り付けとかいうと、なんとなくまがい物のイメージがあるが、箱根細工は伝統工芸だ。ツキ板使って、箱根細工の現代版を生み出せる可能性もありそうだ。
 
 
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現代のツキ板でも、こんな象嵌ぽいことも行える。

2017/04/30

「小屋」の可能性

本屋でふと見かけた雑誌……いや、ムック。思わず買ってしまった。

 
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モノ・マガジンの特集記事を集めたもののようだが、「小屋」である(笑)。
 
いや、これがなかなか見せるのだ。(注・まだ読んでいない。どちらかというと眺めて楽しむ本か)
小屋と一口に言っても、実にバラエティがある。倉庫のようなものや作業小屋から始まり、家畜の飼育小屋、山小屋、炭焼き小屋、そして美しい別荘かコテージ、ツリーハウス、キャンピングカーのような自動車、屋台、家の中の小屋……。作り方も、コンテナ改造からオシャレなハンドメイド、藁や土でつくったエスニックな代物まで紹介している。
 
いやいや、日本だって縄文・弥生時代の竪穴式住居というのは「小屋」だ。
 
1 鹿児島・縄文時代の上野原遺跡
 
思えば、私がかつてボルネオやソロモンで地元民の村に転がり込んで居候した場所も、たいてい小屋だった。ニッパヤシなどで葺いた高床式の家だが、広さからすると、ほぼ小屋の部類である。妙に心地よいのである。
 
2 ソロモン諸島シンボ島のニッパハウス
 
 
さて私が本書でちょっと現実的&気に入ったのは、小屋というより書斎?
 
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周りがみんな棚になっていたら、さぞかし仕事が進むだろう……?
私は、資料類をデスクの周辺に積み上げたりばらまく癖がある。ちゃんと直すと忘れてしまうので、身近なところに置きたいのだ。また使い終わったものは、後背に投げる。かくして、数日ごとに片づけないと思いっきり散らかるのだが、こんな仕事スペースなら救われるんじゃね?
 
ま、これが置けるほどの廣井仕事部屋がいるのだが。
 
 
閑話休題。
 
小屋というのは、意外や日本人の感性に合うのではないか、と思った。大きな邸宅よりか小屋の方が楽しげなのだ。何やらドラマが展開される。あるいは建てるまでのストーリーが浮かぶ。
 
そして、小屋ならまだまだ需要があるのではないか。住宅建設は年々減少している。かつて毎年100万棟も建っていたのが異常なのだが、現在は80万棟くらいか。今後、急カーブで落ちていき、予測では40万~20万棟まで縮小すると言われている。
 
つまり住宅に頼る木材需要もその分だけ減るということだ。
 
もちろん、その対策に非住宅建設のほか、土木資材だとかリフォーム資材だとか、いろいろ提案されているが、「小屋」需要というのを考えても良いのではないか。
 
すでに一戸建て住宅に住んでいる人でも、家の中や庭に小屋を建てるという提案をすれば需要を喚起できないか。
 
小さな山林に、一坪か二坪の小屋を建てる(あるいは建てたものを運び置く)だけで、別荘になる。こんな小屋の大きさなら建築基準法も該当しないし、地目なども気にせず建てられるところがたくさんある。
 
キットにして、購入者が簡単に組み立てるものでもよい。
 
すでに、そんな商品も販売されているが、もっと大々的にブームをつくれば、木材需要の数%を占める程度なら可能ではないか?  これぞイノベーションである。
 
 

2017/04/14

3階建て土蔵?

散歩していると、ちょっと異様な建物を発見。

 
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(・_・)...ん? 3階建ての土蔵。。。いや、1、2階部分は土壁ではなくて木造のようだが、しかし、3階建ては珍しいんじゃないか。
 
角度を変えると、こんな風。
 
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なんか、燈籠のようでもある。旧家なのだろうが、何を納める蔵(だった)だろうか。木造だと耐火的な意味はないと思うが。それとも土壁の上に木を張っているのか。
 
 
よくよく見ると、奈良には木造3階建て建築がそこかしこにある。昔はお金持ちが多かったのだろう。(今も、かもしれない。隠れ財産ありそう。)

2017/03/24

奈良の木造率

公共建築物等木材利用促進法が登場して、国が整備する公共建築物の木造化が上がったそうだ。平成27年度調査によると、対象となった110施設の木造化率は54.5%で、5割を突破した。前年度が32.0%だから、結構な増加率である。
また公共建築物の木造率(床面積ベース)では、全国1位が秋田県(36.9%)、2位は岩手県(33.5%)。木造・木質化した公共建築物の件数のトップは、北海道の180件……とも報道されている。
 
ま、それだどうした、公共施設の定義だの考え出すと怪しげでもあるが、ふと木造建築物と言えば寺社があるから奈良県はどうだろう、と思った。
 
で、思い出したのが、先日訪れた春日大社の参道トイレ。
 
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木造ではないが、屋根の骨組を見えるようにして、なかなかオシャレである。これだけで木材が強調されて気分的な木質率は高くはないか?
 
そういや東大寺のトイレも木質格子でカバーしていたっけ。全体に観光地のトイレは木質率が高い気がする。
 
 
ついでに鹿せんべい売り屋台も……。
 
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売り場は、単にパラソル立てているだけの場合も多いが、こんな木造屋台で売っているところもあるのだよ。
 
こんな街角木質率も計ってほしいな(笑)。奈良県はきっと高いと思う。
 

2017/03/13

木造洋館~奈良基督教会

スギバイオリンつながりで、奈良の木造建築を。

 
近鉄奈良駅からすぐの繁華街の一つ、東向い商店街の中程に日本聖公会奈良基督教会がある。明治30年に建てられた礼拝堂は、国の重要文化財に指定されている。
日本建築家教会の奈良地域会が選んだ近代化遺産にもなっており、実に風情のある木造洋館で和風と洋風が混じり合った建築だ。
敷地内に親愛幼稚園があるから、平日は誰でも簡単に入れるわけではないが、日曜日は礼拝日であり公開しているので覗いてみた。
 
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祭壇は、一瞬、神道的な趣を感じたのだが、しっかり十字架が置かれていた。
 
またパイプオルガンも備えている。
 
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天井がまた素敵。
 
ちなみに奈良では、聖公会とは英国国教会系の宗派だが、ほかにも高田基督教会や八木基督教会も木造の教会だ。
また桜井聖保羅教会も美しいコロニアル洋式を残す木造洋館の教会。
 
いずれも奈良の近代化遺産だ。奈良は古代史ばかりに注目が集まるが、明治時代の奈良も面白いよ。

2017/03/12

吉野杉のバイオリン

今日は、コンサートに行ってきた。

 
と言っても、奈良県立ジュニアオーケストラの定期演奏会に付属した? スギバイオリン完成披露演奏会なのだが。
 
ジュニアオーケストラは、幼稚園児から小学生、中学生、高校生まで(一部大学生)で結成されたオーケストラということで、これはこれで珍しくて面白げなのだが、やはり気になるのはスギバイオリンである。
 
これは、吉野杉によってつくられたバイオリンのことだ。
 
知事の肝入りで製作されたというのだが……。内幕を探ってみると、
 
知事「奈良の木を売るのに建材ばかりではなく、何か別の木工品の可能性はないのか。たとえば楽器とか……」
「わかりました。バイオリンを作りましょう!」
 
ということになったらしい。なぜなら知事はバイオリン弾きだから\(^o^)/。
 
しかし、バイオリンとはもっとも難しい楽器と言われるのに……いまだにその音色がどのように発せられるのか科学的には謎だという。
 
だから、いざ製作しようとなると大変。そもそもスギでバイオリンをつくってくれる職人がいない。みんな「つくってヘンな音しか出なかったり、何年か後に壊れたら、製作者が笑い物になる」と嫌がったから。また実際に「絶対、スギではまともな音は出ない!」と言われたそう。 それでもイタリアのバイオリン製作学校の学位を持つ鈴木郁子氏が引き受けてくれた。
 
結局、一般にはスプルース材を使う表の響板やバスパー、魂柱(それがどこを指すかは略。私もよう知らんし)に使うことになったそう。
 
材料は、30年前に伐られた270年生の吉野杉が使われた。一般にスギ材は音の伝わり方が遅くて音響部品には向いていないが、吉野杉の密な年輪なら可能ではないか、というわけだ。
 
かくして完成したら、意外や、よい音が出たのである。私は素人だが、それでも伸びやかで柔らかい音色に聞こえた。
 
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完成披露には知事も出席。
 
052 対談相手はコンマスの梅沢和人氏。
 
会場(奈良県文化会館)では、オケのコンサートとは思えない展示が(笑)。
 
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ただ、私が注目したのは、会場の壁。
 
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よく見てほしい。壁板は、全部吉野杉だよ。おそらくツキ板を張ったのだろうが、膨大な面積だ。その反響がよいのかどうか私には判断できないが、私はその木目に目を奪われたのである(笑)。
 
 
壁板はともかく、バイオリンをつくって吉野杉の需要が伸びるものではないだろうが、究極の木工品である楽器に使える素材だと示すのは、やはり価値があるかも。
ちなみにバイオリンの裏板や側板、ネック、指板などはメープルや黒檀といった広葉樹材を使う。そこにはケボニー化させたスギ材を使って完全なスギバイオリンを生み出すのも夢じゃないかもね。 

2017/03/03

階段木琴

ちょっと奈良県森林技術センターに寄ったら、こんな木工品?を見かけた。

 
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何かわかるかな? ヒノキ製と思う。
 
ヒントは、イチバン下にあるコレ。
 
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ここにある木の球を、イチバン上から転がすのだ。
 
そう、ころころ転がり落ちながら音を奏でる階段木琴であった。形はいろいろあるようである。音の鳴る仕組みもさまざま。
一度転がしたのだが、何の曲だったかな。童謡のような、「赤とんぼ」だったかな……。
 
以前、森の中に仕掛けた木琴が奏でるコマーシャルがあったと記憶している……探してみたらありました。DoCoMoのCMであったか。
 
 
 
センターにはこれ1台ではなく、何台かあるそうだが、イベントなどで人気だそうである。
 
楽器と木材は、ナカナカ相性がよい。木材に変わる素材は少ない(素材を変えると音色も変わるから別の楽器になる)からだ。木材の利用法の中で、ある意味最高の代物といえるのではないか。使われる量は少ないし、天然ものゆえに木材の中でも選ばれた部分だけだが、感覚に訴える面からもアピールにもってこいだ。
木材価格も楽器用となると跳ね上がる。
 
 
そういえば、奈良県はほかにも吉野杉で楽器づくりを進めていたな……。(続く。いつかわからんけど。)

2017/02/27

人工都市の木製デッキは

人工都市の木製デッキは
なぜか『さいたま新都心』に来ている。

なんだか驚くほどの人工都市。文字通り新しい都心だ。
大宮市と浦和市が合併した時に両市の間に建設されたそう。高層ビルとアリーナとショッピングモール、そして合同庁舎などが集積しているが、作り込まれた印象だ。

で、その中にあった木製デッキなのだが……通行止めだった(-_-;)。

防腐が上手くいかなかったのかなあ。

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2017/02/25

古代は「グリーンウッド」が当たり前?

クリーンウッドかグリーンウッドか……と昨夜書いて気づいた。

グリーンウッドというのは木材関係者の間では未乾燥材のこと。つまり生木だ。同時に(乾燥させていないから)安い木材を意味することもある。
 
一般に木材は乾燥させないと、強度も劣るし狂う、腐るからダメだと言われている。グリーンウッドを使ったら、よい建築物にならないから不人気。国産材が外材より使われないのは、いまだに乾燥材の割合が低いことも大きい。
 
さて「日本の木造建築技術はスゴイ」と持て囃す声もあるが、古代の人はちゃんと木材を乾燥させたのだろうか。技術的には、きっちり乾燥材を使わないと「スゴイ」建築はできないはずだが……。
 
 
縄文時代によく使われたのはクリの木だが、クリ材は乾燥すると堅くなる。金属刃物がなかった時代、それを利用するのは大変だった。しかし、生木は逆に柔らかく割りやすい。石斧でも伐採できるし、尖らせたり割って板にしたりもしやすい。だからクリは生木で加工したとされる。クリの木で建物や道具を作ってから乾燥して、堅くなるのだ。
 
当時は、乾燥で縮んで隙間ができたり曲がっても気にしなかったのか。。。。と思っていた。
 
 
だが、金属が普及してきた奈良時代でも乾燥させなかったらしいことがわかってきた。
 
現在、奈良の薬師寺の東塔が解体修理されているが、そこで表皮のついた板が見つかった。ヒノキ材だろう。その材を年輪による年代測定法で計ると、伐採されたのは西暦729年と730年であることがわかった。ほかにも720年代の伐採だとわかる白太(辺材)付きの木材がある。
 
東塔の建設は天平2年(730年)と確定している。
 
3 薬師寺。東塔は右手だったと思う。
 
これは何を意味しているか。
 
伐採してすぐの木材で建設を始めたということだ。
 
当時は人工乾燥(加熱して木材を乾燥させること)なんてない。天然乾燥、それも製材していない状態なら、ほとんど乾かないだろう。少なくても5年くらい寝かさないと含水率は下がらない。  
 
古代人の寿命は今よりはるかに短い。庶民は平均寿命が20歳代だったという。栄養状態のよい貴族でも30~40歳程度。そんな時代に木材を乾燥させるために何年も寝かせる余裕はなかったのかもしれない。
あるいは寺院の建築計画を何年も先まで立てて、それに合わせて木材調達も何年前から行なって貯蔵していた……ということもないだろう。
 
つまり今は国宝になっている日本の伝統建築とされる木造建物は、伐採直後のほとんど生木を使って建てられたわけである。
おそらく建てていると、派手に狂ったのではないか。ただ建てる最中にその狂いを手直しして最終的に落ち着くように計算したのかもしれない。その後も修理を繰り返しつつ現代に至ったのではないか。
 
木材はグリーンウッドで使う。クリーンではないかもしれない(環境破壊したかもしれない)が、伐ったらすぐに使って、後に修正を加える。これが古代建築の常識だったのかも?
 

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