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森と林業と田舎の本

木製品・木造建築

2019/04/29

連休生駒ガイド・宝山寺獅子閣

生駒の名刹(^o^)、宝山寺。ここは神仏習合の寺・神社(一応、真言律宗)なのだが、見所は多い。なかでも連休中のオススメが、獅子閣だ。

これは明治初年に「文明開化したし、ここにも洋館建てようぜ」という発想から誕生したと……言われる。

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このように急斜面に建てられた。用途は賓客の応接・客間用とは聞くが。

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これが玄関正面。木造ながら擬洋風。建てたのは宮大工。このために横浜だかに修行に行ったという。

ギリシャ式を思い出す木の柱にバルコニー2方面にあり、内部は螺旋階段に色ガラス、アーチ型の窓……とふんだんに洋館要素を取り入れている。一方で和室もあって、その襖絵も素晴らしい。

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重要文化財に指定されていて、ふだんは中に入れないが、5月3~6日は公開する。木造建築に興味があれば、楽しめますぞ。宮大工の技が、通常とは違う形で発揮されたところを見ることができる。
ついでに言えば、新緑の中でここから見渡せる生駒谷に奈良盆地の景色も素晴らしい。

2019/04/28

連休生駒ガイド・東洋民俗博物館

連休に行っておくべき、特選ガイド第2弾。

それは東洋民俗博物館だ。場所は、生駒から車で約10分。「菖蒲池」のほとり。この博物館は、財団化はしているが、実質的に私設博物館だ。

九十九黄人という人物の収集した品で作られているのだが、この人物に私は会ったことがある。それについては、拙HPの「知られざる探検家列伝」に記した。

世界の性風俗を研究した九十九黄人

とにかくすごい人なのだが、私が会って2年後に104歳で亡くなった。

今回は久しぶりの訪問。博物館は四男家が継いでいる。

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建てられたのは大正年間から昭和初期とか。帝国ホテルとよく似た形をしている。

で、陳列品の凄さはHPの方も参考にしてほしいが、ほとんどが戦前の収集。アイヌや台湾、南洋諸島の民俗品が多いが、師スタール博士に沿った絵馬や御札の収集もしていたらしい。宮武外骨の「滑稽新聞」やエロ雑誌の嚆矢とされる「アマトリア」、大人の玩具など貴重な資料が眠る。

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これなどは、昭和天皇が使われた箸。どうやら奈良に行幸した際のホテルからもらったとか。多分、ミズキの材で作った箸だと思う。今は製造されていないが、かつては皇室用の箸を福島県相馬のミズキでつくったのだ。今は幻の箸である。

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これは南米ペルーのミイラのちんこ! なんでも、当時は現地にミイラがごろごろしていて、一体お土産に持って帰っていいぞ、と言われたそう。しかしでかすぎるのでココだけちぎって持って帰ったという。。。。当時はおおらかだったんだなあ(´_`)。

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ダルマやコケシの収集・研究もされていたようだが、なかには手のあるダルマもいたらしい。

そして、驚くべきものは、こんな品。

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広島の原爆に被爆したビール瓶や溶けた瓦など。なんで、こんなものが! 別に怪しいルートではなく、ちゃんと譲られたものだという。

ほかにも語り尽くせない品の数々。彼の伝記を誰か書いてほしい。

 

 

 

2019/04/10

驚異!奈良の森ホテル

奈良の町を歩いた。最近の奈良は、なかなかファッショナブルになっている。オシャレな店も増えた。これまで一般の民家だったと記憶するところにも、そこここに不思議なお店が開かれている。路地にカフェだったり、骨董屋だったり。趣味なのか一発当てるつもりなのか。でも、街としてはそうした変化が元気の基だ。いい雰囲気を醸しだしている。

やはりこれはインバウンド観光客激増効果だろう。観光客が来ると単に金が落ちるだけでなく、他人の目にさらされることを意味する。それによって自身の見られ方も気にするようになる。京都ほどの観光公害も発生していないし、いい塩梅だ。

もっとも課題は、やはり宿泊客の少なさ。それはホテルの少なさと直結している。ホテルが増えたらナイトライフも充実するのか、夜の楽しみが増えたら宿泊も増えるのか。もっとも、ほかの都会にあるような猥雑な夜の繁華街は奈良には似合わないだろう。今でも町家の影に隠れるように夜の素敵なお店はあるのだから、それを探索する楽しさを知らせてほしい(^_^) 。

 

で、こんなところを見かけた。

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これ、近鉄奈良駅からほど近い商店街の中。なんだと思う? 木を全面に打ち出したようなエントランス。

なんとホテルだった。

奈良の森ホテル

名前がそそる(笑)。が、驚くのはまだ早い。どんな高級ホテルかと思いきや、カプセルホテルなのだ!

これは驚異だ。

ホームページを見ていただければよいが、FRPのチープなカプセルではない。木製だぞ。それも吉野檜だと書かれてある。
しかもお一人様ばかりではなく、男女混合OK4人ルームもあれば、ダブルベッドの部屋もある。朝飯付きコースもあるようだ。価格は4000円台からのよう。大都会のカプセルより少し高いが、宿泊費としては格安。

これ、泊まってみたい。我が家から30分圏内だけど(笑)。

誰か、奈良市内で飲まないか。そして終電を逃して泊まらないか。……もっとも、ここはカプセルホテルと言っても予約しないと泊まれないような気がするなあ。やっぱり計画的に泊まるべきか。4人で一部屋借りて、奈良のナイトライフを楽しまないか。

 

2019/04/07

大極殿の柱から感じる10年

平城宮跡はよく訪ねる。山を歩くのも飽きた、平地が歩きたい気分の時に、平城宮跡はもってこいなのだ。奈良でこんなに平坦なところはほかにないのではないか、と思うぐらい(笑)。しかも草原だけでなく樹木もそこそこある。人が少ない……というより広いから分散して渋滞感がない。そして平城いざない館のほか、朱雀門や平城宮時代の復元建物も数多くあるので歴史にも触れることができる。

で、今回は野外ばかり歩くのではなく、大極殿にも入ってみた。実は久しぶり。2010年に完成以来、十数回は上がったと思うが、ここ1,2年はご無沙汰していたと思う。思えば今年2019年は完成後10年目だ。

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緑の芝生と青の空。赤い大極殿。なかなか絵になる。

そこそこ観光客も来ていたが、私はガイドの解説を聞くこともなく、内部を見て回る。天井に描かれた絵などよく見ると、興味深い。
その中でも注目したのが、柱。

 

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やはり10年経つと、直径80センチ級のヒノキの丸柱にも割れが入っている(比較的早く割れた記憶がある)が、それより塗料のはがれが目についた。これはベンガラかね。当時の塗料を再現しているはずだが、このままだと腐りが入りやすい。いつか塗り直すのだろうか。

最近の研究によると、古代人は木材を乾燥させずに使っていた、と考えられている。なぜなら年輪から読み取れる伐採年と建設年がかなり近く、おそらく伐ったものをすぐに加工して建設に供したようなのだ。
「木材は乾燥させないと割れたり反ったり縮んだりする」から未乾燥材を建築に使ってはダメというのは現代の常識だが、本当だろうか。すぐ古代の技術はスゴイと持ち上げたがるが、それも今の醜悪な「日本スゴイ」論と根っこが一緒のような気がする。

木材が長い間にどのような変化をするかの知識を、寿命の短い古代人が身につけるのは難しい。知識の伝達手段も限られている。それに何年も木材を乾燥させていては、建設に間に合わず皇室・貴族や大僧正の不興を買うだろう。

しかし、反ったり縮んで建物のそこここに隙間ができたらどうするのか。柱がぐらつくかもしれない。多分その度、修繕・修整を繰り返したんじゃないかなあ。

 

 

ところで、今回の訪問のもう一つの目的。それは南門の建設現場が見学できるようになった、と聞いたから。大極殿前に南門を建設中(国交省事業)だが、この前に開かれた会合で紹介されたのである。

で、行ってみた。

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巨大な復原図の描かれた天幕が張られて、その前に見学用のやぐら。だが登って中を覗いても……中身がないのであった(^^;)。まだ礎石を復原しただけだから。
気長に通わないとなあ。。。

 

2019/04/04

春日大社国宝殿の「シカ顔」

奈良を訪れた。目的の会合まで少し早く着いたので、例によって散策&シカ観察。
シカは元気です(笑)。早くも袋角(新しい角の生え始め)をつけたシカもいるし、人懐こい。と言っても、手のひらを開いて見せると、さっと散っていく。ようは鹿せんべいが欲しかったのに持っていないとわかると手のひらを返すのだ。

本当は春日山原始林を歩こうかと思ったのだが、そこまで時間がなかった。

そこで目についたのが、春日大社国宝殿。まだ入ったことがなかったな。。。入場料500円なり。

現在は、世界最大の太鼓「だ太鼓」(だの漢字は難しい)を展示している。高さ6メートル以上あり、鎌倉彫の龍と鳳が素晴らしい。当然、国宝である。

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写真は復元されたレプリカ。実物はこれより大きいと思う。

 

が、私は別の逸品を見つけたのである!

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国宝殿入口から入ってすぐの壁。見事な春日杉の板が張られている。これは2年前の国宝殿リニューアルの際にしつらえたのだとか。
ちなみに春日杉とは春日山に生えているスギで、吉野杉の原種ともされる。今は伐採禁止。ただし枯れたり倒れた木を出して、たまに市にも並ぶことがあるが、当然価格はすごい(^^;)。

これは春日山でもっとも太いとされた大杉が倒れかかっていたのを伐採して出したものらしい。根株も掘り出したという。(根株は国宝殿の隣の店先に展示されていた。)

この春日杉の壁にあるのが、これだ。

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これ、何に見える? シカの顔みたいではないか。学芸員によると、客から指摘されたのだそうだ。春日大社にはやはりシカが似合います(^_^) 。

私はひとしきり褒めて、「国宝殿の中でもっとも素晴らしいお宝」と口走ってしまったとさ。ヾ(- -;)

2019/04/02

樹木のカスケード利用は世界的潮流?

ショッピングモールなどで店を覗いていると、どうしても木に目を向けてしまう。

建具に内装、インテリア。そして商品も家具はもちろん木のグッズの数々……それらの木材の種類が気になるのだが……。

今回見かけたのは、「マンゴー」だった。マンゴーってフルーツだが、その木を使ったテーブルが置かれていた。さらにラバーウッド、つりゴムノキやヤシの木。これまで用材としては登場しなかった木だなあ。ほかにもアカシアやラジアータパインが堂々のテーブルやイス、サイドボードなどの家具となっている。一昔前までは、製紙チップか梱包材にしかならないと言われたのに。

世界的に、木材の多様化が進んでいるのかもしれない。考えてみれば、マンゴーもゴムもヤシも、それぞれの実や樹液が役に立って、収穫量が落ちることかで廃材になるところを今度は母樹を用材として使おうというのだから、いわばカスケード利用。多分、最初は「この材質では使えない」とか言われたのだろうが、工夫次第で用途を開発したのではないか。

そういや日本でもブナは役立たずの木だったのが、乾燥法や加工法の技術開発で立派なハードウッドになった。それこそが林産業のイノベーションだと思う。ウルシノキも樹液を絞った後は、木材として使っていた時代がある。養蚕に必要なクワも大木になったら結構な材が採れた。

次は、樹木自体の多用途化・多様な資源化を考えるべきだろう。すでに思いついたサクラ林業も、花に材に樹皮に……と多様な使い道がありそうだし。

たとえばリンゴやミカンなど果樹は、一定樹齢後に植え替える。やはり収穫量が落ちてくるし、品種の交代もあるからだ。そうした廃材の使い道開発もちゃんとすべきだろう。ただでさえ家具用ハードウッドが足りないと行っているのだから。まあ、リンゴもミカンも人が作業しやすいように樹高を高くしないで低く仕立てるから材としては小さくしかならないが。 

 

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上はリンゴの木の細工もの。下はたしかミカンの木から器をつくっているのではなかったか。記憶が曖昧だが。どちらも果樹園から出た廃材を利用している。

日本に用途にあった木がなければ外国から輸入するのではなく、今ある木をいかに使うかを考えるのも林業を支えることだと思うよ。

2019/03/26

古民家改修の宿

本日は十津川村。紀伊半島のど真ん中の村の限界?集落にある古民家改修をした宿に泊まっている。

何がすごいって、窓の外である。石垣が見えるのだ(^o^)。
石垣が邪魔しているから何の景色も見えないように思わせて、実は……石垣が見えるのだ(笑)。

これがすごい。夜はライトアップをしている。

今宵はこれを眺めながら、一人で(持ち込みの)ウイスキーのグラスを傾ける。チラチラとツインベッドを目の隅で見ながら。

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2019/03/04

木工大国・ベトナム!

昨秋のことだが、女子大生からメールが来た。
 
今、ベトナムの企業にインターンとして滞在しているというのだ。そして森林認証制度をテーマに研究しようとしているとのことだった。そこで私に問いかけがあり私もそれなりの返信をしたのだが、その件は置いておく。もう彼女も帰国したかもしれないが、報告は届いていないので、どうなったのかわからない(^o^)。
 
ただ、ベトナムでは森林認証が進んでいることが印象的だった。
 
と言っても、おそらくCoC認証だろう。木材および木材製品の流通に関わる点で森林認証が重要になっているのだ。なぜなら、ベトナムは木工王国だからである。(正確には、木工人民民主主義共和国?)
 
最近の発表(農業農村開発省)によると、2018年におけるベトナムの木材および林産物輸出額は約1兆円に上っているという。それは農林水産物の輸出額の25%以上を占めるほどだ。
 
ベトナムは現在、世界120か国・地域に林産物を輸出しており、世界で5位、アジアで2位、東南アジアで1位である。ベトナムの林産業は過去10年で800%以上の成長率を記録したそうだ。2019年の林産物輸出額は約1兆2200億円を見込む
とくに家具や木工品の一大産地となっているのだ。国内には4500社の林産加工企業輸出業者は1800社以上。2000万人以上が同分野に従事している。設備も最新式で、中国より立派。そして技術力も非常に高い。
いわゆるアジアン家具ではなく、北欧のデザイナーと提携しているからスマートでスタイリッシュなデザインが売り物だ。
 
輸出先は、以前は日本、台湾、韓国だったが、今はアメリカやヨーロッパ、オーストラリアが増えてきた。イケヤの家具だってベトナム製。
 
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日本でもニトリの家具にゴムノキ製が多いが、おそらくベトナム製だろう。たしかベトナムに工場を建てていたはずだ。
 
その素材となる木材は、需要の80%以上をまかなっている。質も年々向上しているという。もっともベトナム戦争でジャングルはかなり焼かれたので、原生林からの収奪ではなく植林木だ。とくにゴムノキかアカシアだ。昔は紫檀、黒檀、白檀の産地だったはずだが、すっかり変わったのだ。
 
ところが面白いことに、ベトナムの木工産業が昔から盛んであったわけではないらしい。いわゆるドイモイ政策以後に、海外から資金を取り入れ、フランスと中国が持ち込んだ木の家具を作る技術を活かしているのだ。
もちろん、それに対応できる器用さと勤勉さがあり、賃金も安い。これらが合わさって家具産業が勃興したのだろう。
 
市場は海外、とくに欧米だから、木材にも森林認証が必要となっている。ゴムとかアカシア林も取得しているのだろうか。日本からベトナムへの木材輸出は増えているが、認証材はほとんどないだろうから、そのうち頭打ちになるのではないか。加工してまた日本にUターンさせるのならいらないけれど。
 
私は、日本の林業を立て直す肝は家具や内装材にあると10年以上前から唱えてきたが、残念ながらそれを実行・達成してみせたのは日本ではなくベトナムであった。
いまだに建築構造材にしがみついている日本の林業・林産業は先細り感しかない。認証を取っていないから原木輸出さえも期待できない。海外視察に行くのなら、もはや欧米ではなくベトナムに行った方がいいかも。

2019/02/28

木目のある風景

ふと寄ったホームセンター。

 
その入口で、丸太の山積みに出くわした。
 
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なんだ、薪かシイタケ原木か……と一瞬焦ったが、もちろん、すぐ正体はわかる。
 
トイレットペーパーであった(^^;)。
 
なぜかパッケージが木目なのである。何か意味があるのだろうか。単にペーパーは木からできていますよ、というアピールか。 
 
さらに売り場を回っているうちに、こうした商品も目に留まる。
 
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フライパンの把手部分が木の木目。
もちろん、印刷であろう。が……。
 
このような商品が最近は増えたような気がする。
意味もなく、と言っては語弊もあるが、とにかく木目調が全体に増えた。
 
まあ、これは良いことなのだろう。それだけ木目、つまり木の模様に価値を求める人が増えたということになる。実は、わりと最近まで(と言っても前世紀かもしれん)、木の素材を隠すようなデザインが多かった。むしろ合成樹脂の方が人気があったように思う。その方がカラフルだし、防水だし、何かと機能面でよかった。
それに比べて今は人々は木に親近感を抱いている。残念ながら、それを木目模様の印刷で補われているのだが。
 
もっと、本物の木の木目を売り物にできないものか。

2019/02/16

超絶技巧展で感じた考えた

昨日は、所用で大阪に出たついでに、あべのハルカス美術館で開かれている「脅威の超絶技巧!」展を覗いてきた。

 
芸術作品の中でも、とくに超絶技巧と呼ばれる人間技と思えないような繊細な技術を駆使した作品を集めた展覧会である。
 
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それを発揮するのは、木彫ばかりではなく陶磁や金工、牙彫、七宝、漆芸、自在、ガラス……とさまざまなのだが、やはりとてつもない。どうしてこれが人の手でつくられたの? と思われる作品が並ぶ。タンポポの綿毛なんてのもあるんだぜ。
 
もちろん撮影禁止であるが、2点だけ撮影OKがあった。
 
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残念ながら、これらは木彫ではない。
 
そこでチラシにあるサンマの食べ残しをアップにしておく。
 
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一木づくり。つまり1枚の木板から彫り出したものだ。サンマも皿も。
いくら目を凝らして接近しても木彫と思わせない細密さ。
 
こんな可能性があるんだな、とうならされる。
 
 
ちなみに説明文によると、日本でこの手の超絶技巧が流行ったのは江戸時代の後、明治に入ってからのようだ。なかには作者不詳の職人芸も多いらしい。それらがつくられたのは、おおよそ輸出商品としてなのだ。陶磁、日本の工芸品が、ジャポニズムかどうか、欧米で持て囃されて高値で買われて行ったのだ。 
 
言い換えると、芸術家が挑戦しただけでなく、職人が技術を競っただけでなく、売れるからつくった、という側面がある。
 
販路を確保したら(価格も報われる額を保証したら)、今でもつくりたい職人・アーティストはいるだろう。「日本スゴイ」と言いたければ、しっかりしたバイヤーと営業マンを育てることだね。

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