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森と林業と田舎の本

2019/08/18

銘木揃いの住宅のお値段

初対面の人からSNSで誘われて、大和郡山市の建築現場に行く。

ここで使われる木材をコーディネートしたのだというが……。もう、銘木がてんこ盛り。

まず外装側壁。

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これ、スギの赤身?しかも和釘。

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仏間の框には、黒柿を入れている。

天井には太い曲がり松の梁が入っているし、すごい伝統的和風建築か、と言えばそうでもなく、洋室もある。

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これはダイニングキッチン。扉やカウンターはアパの大木だ。フローリングはカリン。ほかにも国産材だけでなく外材も含めて銘木がてんこ盛り。トイレにはクス。30種は超えるんじゃないか。わざと和室に外材も使っているし、国産ヒノキも巨大節のあるものを利用していたりする。部屋数も2階を含めて数多い。

なんとも贅沢な家……とても下々の人間には手が出せない豪華な住宅。と思いかけたが、聞いてみると、施主は30代のサラリーマン夫婦だという。普通にローンを組んで建てているのだそうだ。私の想定では4000万円前後か。

銘木を探して取り寄せて使うととてつもなく高くつくが、在庫を上手く使えば十分収まるそうだ。これこそ適正価格。
銘木・役物の名で時価になりがちな日本の不合理な流通価格を見直すことはできるのではないか。

 

2019/07/29

世界一高い木造ビルの建材

ノルウェーの首都オスロの北にある小都市ブルムンダルに世界一高い木造の複合ビル「ミョーストーネット(Mjostarnet)」が建てられたそうである。建物の高さは約85.4メートル、18階建て。2017年3月から工事が始まり、総工費5000万ユーロ(約61億円)をかけて今年3月に完成したそうだ。ちなみに建築中の動画もある。日本をはじめ世界中から数千人もの人々が視察に訪れているとか。

動画に映る景色を見ても、のどかな田園都市ぽいのだが、ここに18階建てビルを建てたのは何だろう。施主のオーナーのArthur Buchardt氏は、地元の素材や地元の生産者、地元の企業を使って、世界一高い木造ビルをつくりたいと願ったというのだが……。
建物に使われた主な木材は、近隣の森から持ち込んでいる。逆に言えば、田舎町にこれだけの資力のある会社が成立している点でも興味深い。ホテルやオフィス開発の不動産会社のようだ。

ただ建材が木材と言っても、約1400立方メートルの構造用集成材にエレベーターや階段のシャフト、バルコニーなどはCLT、床の一部に単板積層材(LVL)を使用した。すぐに想像されるCLT一辺倒のビルではない。

ちなみにこれまでの世界一高い木造建築は、ブリティッシュコロンビア大学の18階建ての学生寮で、高さ53メートル。こちらは木材、鋼鉄、コンクリートの複合建築だし、主に使われたのは超厚物合板「マスティンバー」だそう。意外や世界の木造ビルは、CLTに頼っていないのだ。
  

それよりも、写真を見たところ、外壁はケボニー化木材ではないだろうか。

私が同じノルウェーのトロンハイムで見てきた9階建て木造ビルと酷似している。こちらはCLTの構造材に外壁がケボニー化木材を使ったと聞いている。

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ちなみに、最近はケボニー化木材と呼んでよいのか若干迷う。ケボニーというのが会社名であって固有名詞になっていないからだ。より普遍的には、フラン樹脂化木材とでも呼ぶべきかもしれない。実際、日本で進むケボニー化木材技術の研究では、ケボニーとは呼ばず「フラン樹脂化」は名付けている。

もしこの加工木材に興味のある方、そして肉眼で見たい方触りたい方。明々後日に長野市で開かれる次世代森林産業展2019へどうぞ。私のセミナー(1日午前10時30分~12時)では、実物を持って行き紹介する。触らせてあげようv(^0^)。

同時に8月5日に発行予定の『絶望の林業』の先行発売も実施。なんと定価2200円プラス税(2376円)のところ、2000円!ポッキリ
破格値であるぞよ。部数に限りがあるのでお早めに。

 

 

 

 

2019/07/16

新建材MPPって何?

日本の林業界では、木材の生産量を上げることを至上課題とする政策が続いているが、実は従来の木材用途はいずれも供給がだぶついている。板も角材も建材としては減少が続くし、コンパネのような合板も頭打ち。そこで新たな木材需要を生み出さねば……と叫ばれ、あげくにバイオマス燃料だ、と燃やしてしまう有り様。だから新たな木材加工品が求められるわけだが……こんな商品はどうだろう?

超厚板合板のMPP(Mass Plywood Panel)マスティンバー。なんだか戦隊ヒーローものの名前みたいだが、アメリカで開発された新たな木質建材だそうだ。

超厚板とは、ざっと3インチというから……簡単な計算では7,6センチを超えるから、8センチほどの厚さのある合板である。通常の合板が、厚くても2,4センチまで。構造用合板は3,5センチが最大のようだ。つまりそれらの2倍以上の厚さだ。ちなみに幅12フィート(約366センチ)、長さ42フィート(1280センチ)に及ぶものが標準サイズとか。これぐらいの厚さがあると耐火性能も高いし、耐力壁にもなるだろう。ビルディングの建築に使える。製造は合板工場か。

 

このように紹介したら思い出す建材がありますね?

そう、CLTだ。MPPは丸太をかつらむきしたベニヤ板を直交させて張り合わせるが、CLTはラミナ(木材をスライスした板)を直交させて張り合わせる。CLTの厚さは最大で9層27センチのものもあるが、3層なら6センチぐらい。分厚いラミナを使っても12センチ。

もちろん両者は木質構造も違うのだから特性も違う。しかし使い方を考えると、重なるところもありそうだ。木造ビルの材料になりそうだ。部分的な壁材や床板なら、CLTだってMPPだってどちらでも間に合いそう。

MPPが日本の建築基準法に適合するのかどうかは知らないが、CLTのライバルになりそうな予感。

次々と新製品が出てきて、右往左往して、需要を食い合うのだろうな。

 

2019/07/06

木材?木材風?

ホームセンターで見かけた薄板(ベニヤ)。

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こんなエイジング加工したような吸う汚れた板も売り物か……と思いかけるが、

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なんのことはない、ポリエチレン製のマットであった。しかし、かなり騙されるほどの出来。見た目はすっかり本物ぽい。いや、触感もかなり木肌ぽい。ま、触るとグニョッと曲がるのだが。

このような品が出てくると、木材なんか必要なくなる。木材風で十分ではないか。。。

木材研究が進むにつれて、木材的な見かけだけでなく、触り心地まで似せることができるようになった。

それでも、本物の木材を使ってください、と言うには何が必要だろうか。

 

2019/07/04

タピオカミルクティとストロー

台湾では、タピオカミルクティーを飲んできた。日本で流行っているが、やはり原産地で味わわねば。ただし、私の頼んだのはチーズ味(^^;)。ちょいと変則か。

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タピオカを吸うには、この太いストローが必要だ。ただ、それでも詰まるから勢いよく吸引すると、ポコッとタピオカが口の中に飛び込んで喉に激突して痛かった(-_-;)。やはりタピオカはスプーンですくう方がよいと思う。

と、台湾グルメの感想を書きたいのではない。気になるのはストローだ。

このところ、ストローに対する風当たりが強い。マイクロプラスチック問題が世界的課題として取り上げられたかと思うと、なぜか矛先はストローに向いたのだ。これ、いかにもおかしい。世に出回るプラスチックのうちストローなんて、何千万分の1だろうが。あえて世間の目をそらそうとしたとしか思えない。

それに飛びついたのが、環境ジャーナリストの竹 田有里さんだ。水害被災地を取材して、間伐遅れが危険と聞き、間伐推進のために間伐材を使う商品をと考え、飛びついたのがストロー。木造注文住宅を手掛ける「アキュラホーム」に話を持ちかけ、間伐材を使用した「ウッドストロー」を開発させてしまった。
製法は、スギ材をかんな屑のように0.15ミリまで削り斜めに筒状に巻いたもの。手作業でつくっており、なんと1本50円。

本気か? 誰が使い捨てのストローに50円出すんだ。だが、いたよ。

東京・永田町の「ザ・キャピトルホテル東急」と共同で「ウッドストロープロジェクト」 として事業を立ち上げ、レストランで木のストローの使用を始めたというのだ。しかも木のストローを発表したら中央官庁や有名ホテルなどから問い合わせが殺到したという。世の中、50円のストローを使っても平気な顧客を抱える店がたくさんあったのか。官庁は税金だから痛みはもともと感じないのかもしれないが。

それにしても、一体ストロー何本分で1立米の木になるのか考えたことはあるのか。本気で間伐材の新たな使い道がストローと思っているのか。これで間伐が進むと考えているのか。いや、そもそも間伐材が売れないと誰が言った? いまや引っ張りだこではないか。バイオマス燃料として足りずに困っている。

ようするに、単に流行のストローに乗っかっただけとしか思えない。(その流行も恣意的につくられたものだろうが。)

ストローゴミをなんとかしたいのなら、回収システムを確立する方がよいだろう。多くが店で出すのだから、しっかり回収するだけで、巷に捨てられるストローは激減させられる。あるいはタピオカ、つまりキャッサバ澱粉から、生分解性プラスチックをつくり、それでストローにした方が意味あるんじゃないか。タピオカストローで、タピオカを吸い上げるのは話題にもなるし。

 

ちなみに本気で木材用途を考えるなら、国産材割り箸に力を入れるべきだ。国産材の高級箸でも原価は6円ぐらい。箸袋をオシャレにつけても20円程度だろう。そして機械化もできている。木材消費量も、ストローなどよりよっぽど多い。50円のストローをつくるぐらいなら国産割り箸をもっと増やすことこそ、新たな使い道となるだろう。新しくないのだけど。

マイクロプラスチック問題を真面目に考えるなら、ストローではなく、まともな実効性のあるものから取り組むべきだろう。

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こちらは台北のスーパーで買い物したときに購入したレジ袋。高いのだよ。6元した。20円を超える。今や台湾は全面的にレジ袋有料化を行っている。

2019/07/02

台湾で後悔したこと~クロガキ?

台湾より帰国しました。昨夜、というより今日の未明になったのだけど……。

で、今日は午後からメチャ忙しくなりそうなので(´_`)、先に書いておきます。

台湾は面白かった。日本と違って雨が降ったのは初日だけで、あとはほぼ晴れ。暑かったが、毎日約3万歩歩いていた(ざっと15キロぐらい?)。疲れたけど。日本では1日で1000歩いかない日もあるのだから。

散歩だけでなく、山も登り、博物館やら植物園、そのほか町の歴史探訪的なことも行い、非常にためになった。取材という点では、ほぼ99点、満点に近い満足度である。疲れたけど。

それでも後悔したことがある。

この写真は、某町を歩いて、木工の店があったので覗いた際に見つけたもの。

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ん? これは……なんかクロガキのような。。。クロガキとは黒柿、つまり変色した柿の木の木材だが、一本何十万円もするものがある。1立米単価なら100万円を軽く越すだろう。いや1000万円かな? まあ、クロガキを1立米集めるのは至難の業ではあるが。しかし、クロガキの木工品はさらに値が張る。

台湾にクロガキがあるのかどうかわからない。別種かもしれない。しかし、同じような価値があるのではないか。この輪切り。直径はざっと10~15センチで厚さは2センチくらい。

「特価200元」とある。大雑把に800円ぐらいか。

買うか? 800円でクロガキなら……もしかしたら掘り出し物かもしれないぞ。しかし、私には何かに加工することもできない。そもそも、こんな端材は価値があるのかどうか。いや、お土産としては意味があるかも……。

結局、買わなかった。正直、歩き疲れていたのだ。早く、駅前まで行って、飯を食おう、冷たい茶を飲もう、と焦っていたのだ。かろうじて写真を撮っただけで後にした。

これが最大の後悔(^^;)。やっぱり買っておけばよかった~。別に本当の価値がいくらでもよかったではないか。偽物でもよいではないか。お土産なんだから。しかも800円ぐらいなら、笑って済ませられるではないか。

次に行くときはきっと……って、もう、どこの店だったかも覚えていない。後悔だなあ。

 

2019/04/29

連休生駒ガイド・宝山寺獅子閣

生駒の名刹(^o^)、宝山寺。ここは神仏習合の寺・神社(一応、真言律宗)なのだが、見所は多い。なかでも連休中のオススメが、獅子閣だ。

これは明治初年に「文明開化したし、ここにも洋館建てようぜ」という発想から誕生したと……言われる。

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このように急斜面に建てられた。用途は賓客の応接・客間用とは聞くが。

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これが玄関正面。木造ながら擬洋風。建てたのは宮大工。このために横浜だかに修行に行ったという。

ギリシャ式を思い出す木の柱にバルコニー2方面にあり、内部は螺旋階段に色ガラス、アーチ型の窓……とふんだんに洋館要素を取り入れている。一方で和室もあって、その襖絵も素晴らしい。

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重要文化財に指定されていて、ふだんは中に入れないが、5月3~6日は公開する。木造建築に興味があれば、楽しめますぞ。宮大工の技が、通常とは違う形で発揮されたところを見ることができる。
ついでに言えば、新緑の中でここから見渡せる生駒谷に奈良盆地の景色も素晴らしい。

2019/04/28

連休生駒ガイド・東洋民俗博物館

連休に行っておくべき、特選ガイド第2弾。

それは東洋民俗博物館だ。場所は、生駒から車で約10分。「菖蒲池」のほとり。この博物館は、財団化はしているが、実質的に私設博物館だ。

九十九黄人という人物の収集した品で作られているのだが、この人物に私は会ったことがある。それについては、拙HPの「知られざる探検家列伝」に記した。

世界の性風俗を研究した九十九黄人

とにかくすごい人なのだが、私が会って2年後に104歳で亡くなった。

今回は久しぶりの訪問。博物館は四男家が継いでいる。

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建てられたのは大正年間から昭和初期とか。帝国ホテルとよく似た形をしている。

で、陳列品の凄さはHPの方も参考にしてほしいが、ほとんどが戦前の収集。アイヌや台湾、南洋諸島の民俗品が多いが、師スタール博士に沿った絵馬や御札の収集もしていたらしい。宮武外骨の「滑稽新聞」やエロ雑誌の嚆矢とされる「アマトリア」、大人の玩具など貴重な資料が眠る。

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これなどは、昭和天皇が使われた箸。どうやら奈良に行幸した際のホテルからもらったとか。多分、ミズキの材で作った箸だと思う。今は製造されていないが、かつては皇室用の箸を福島県相馬のミズキでつくったのだ。今は幻の箸である。

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これは南米ペルーのミイラのちんこ! なんでも、当時は現地にミイラがごろごろしていて、一体お土産に持って帰っていいぞ、と言われたそう。しかしでかすぎるのでココだけちぎって持って帰ったという。。。。当時はおおらかだったんだなあ(´_`)。

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ダルマやコケシの収集・研究もされていたようだが、なかには手のあるダルマもいたらしい。

そして、驚くべきものは、こんな品。

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広島の原爆に被爆したビール瓶や溶けた瓦など。なんで、こんなものが! 別に怪しいルートではなく、ちゃんと譲られたものだという。

ほかにも語り尽くせない品の数々。彼の伝記を誰か書いてほしい。

 

 

 

2019/04/10

驚異!奈良の森ホテル

奈良の町を歩いた。最近の奈良は、なかなかファッショナブルになっている。オシャレな店も増えた。これまで一般の民家だったと記憶するところにも、そこここに不思議なお店が開かれている。路地にカフェだったり、骨董屋だったり。趣味なのか一発当てるつもりなのか。でも、街としてはそうした変化が元気の基だ。いい雰囲気を醸しだしている。

やはりこれはインバウンド観光客激増効果だろう。観光客が来ると単に金が落ちるだけでなく、他人の目にさらされることを意味する。それによって自身の見られ方も気にするようになる。京都ほどの観光公害も発生していないし、いい塩梅だ。

もっとも課題は、やはり宿泊客の少なさ。それはホテルの少なさと直結している。ホテルが増えたらナイトライフも充実するのか、夜の楽しみが増えたら宿泊も増えるのか。もっとも、ほかの都会にあるような猥雑な夜の繁華街は奈良には似合わないだろう。今でも町家の影に隠れるように夜の素敵なお店はあるのだから、それを探索する楽しさを知らせてほしい(^_^) 。

 

で、こんなところを見かけた。

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これ、近鉄奈良駅からほど近い商店街の中。なんだと思う? 木を全面に打ち出したようなエントランス。

なんとホテルだった。

奈良の森ホテル

名前がそそる(笑)。が、驚くのはまだ早い。どんな高級ホテルかと思いきや、カプセルホテルなのだ!

これは驚異だ。

ホームページを見ていただければよいが、FRPのチープなカプセルではない。木製だぞ。それも吉野檜だと書かれてある。
しかもお一人様ばかりではなく、男女混合OK4人ルームもあれば、ダブルベッドの部屋もある。朝飯付きコースもあるようだ。価格は4000円台からのよう。大都会のカプセルより少し高いが、宿泊費としては格安。

これ、泊まってみたい。我が家から30分圏内だけど(笑)。

誰か、奈良市内で飲まないか。そして終電を逃して泊まらないか。……もっとも、ここはカプセルホテルと言っても予約しないと泊まれないような気がするなあ。やっぱり計画的に泊まるべきか。4人で一部屋借りて、奈良のナイトライフを楽しまないか。

 

2019/04/07

大極殿の柱から感じる10年

平城宮跡はよく訪ねる。山を歩くのも飽きた、平地が歩きたい気分の時に、平城宮跡はもってこいなのだ。奈良でこんなに平坦なところはほかにないのではないか、と思うぐらい(笑)。しかも草原だけでなく樹木もそこそこある。人が少ない……というより広いから分散して渋滞感がない。そして平城いざない館のほか、朱雀門や平城宮時代の復元建物も数多くあるので歴史にも触れることができる。

で、今回は野外ばかり歩くのではなく、大極殿にも入ってみた。実は久しぶり。2010年に完成以来、十数回は上がったと思うが、ここ1,2年はご無沙汰していたと思う。思えば今年2019年は完成後10年目だ。

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緑の芝生と青の空。赤い大極殿。なかなか絵になる。

そこそこ観光客も来ていたが、私はガイドの解説を聞くこともなく、内部を見て回る。天井に描かれた絵などよく見ると、興味深い。
その中でも注目したのが、柱。

 

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やはり10年経つと、直径80センチ級のヒノキの丸柱にも割れが入っている(比較的早く割れた記憶がある)が、それより塗料のはがれが目についた。これはベンガラかね。当時の塗料を再現しているはずだが、このままだと腐りが入りやすい。いつか塗り直すのだろうか。

最近の研究によると、古代人は木材を乾燥させずに使っていた、と考えられている。なぜなら年輪から読み取れる伐採年と建設年がかなり近く、おそらく伐ったものをすぐに加工して建設に供したようなのだ。
「木材は乾燥させないと割れたり反ったり縮んだりする」から未乾燥材を建築に使ってはダメというのは現代の常識だが、本当だろうか。すぐ古代の技術はスゴイと持ち上げたがるが、それも今の醜悪な「日本スゴイ」論と根っこが一緒のような気がする。

木材が長い間にどのような変化をするかの知識を、寿命の短い古代人が身につけるのは難しい。知識の伝達手段も限られている。それに何年も木材を乾燥させていては、建設に間に合わず皇室・貴族や大僧正の不興を買うだろう。

しかし、反ったり縮んで建物のそこここに隙間ができたらどうするのか。柱がぐらつくかもしれない。多分その度、修繕・修整を繰り返したんじゃないかなあ。

 

 

ところで、今回の訪問のもう一つの目的。それは南門の建設現場が見学できるようになった、と聞いたから。大極殿前に南門を建設中(国交省事業)だが、この前に開かれた会合で紹介されたのである。

で、行ってみた。

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巨大な復原図の描かれた天幕が張られて、その前に見学用のやぐら。だが登って中を覗いても……中身がないのであった(^^;)。まだ礎石を復原しただけだから。
気長に通わないとなあ。。。

 

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