無料ブログはココログ

森と林業と動物の本

2026/05/15

木橋の腐朽

近隣の矢田丘陵の尾根部分に伸びる遊歩道がある。ふらふらと歩いて運動と気分転換によいのだが、その一角にある池には水辺に木橋が架かる。

それが、とうせんぼになっていた。

2_20260515164301

1_20260515164301

水辺というか、ほぼ水面を伸びているのだが、これを木造の橋にしようと考えた担当者はエラい(笑)。ある程度、防腐性を施していたかとは思うが、建築後数十年経つのだから、やはり傷んできたのだろう。そっと入ってみると、木の板がぶわぶわする。釘を打ったところも浮いていた。

木は腐る。では鉄骨ならばよいかというと、そうでもない。鉄も錆びるし朽ちる。コンクリートだって寿命はある。とくに水の上なんだから、長持ちしないことは間違いない。

実は遊歩道の別の部分にかかっていた橋(谷を越えるもの)も、一時期通行止めになったうえで、その後修繕された。ここはどうするか。果たして修繕されるのだろうか。すでに池から離れた森の中を迂回するルートが作られている。

我が家にも自家製の木のデッキがあるし、山にも築いたことがある。どちらも時とともに朽ちていく。自宅のものは、毎年防腐剤を塗布するが、山の者はほったらかしになる。そして腐って落ちたら「自然に還ったのだ」と開き直る(笑)。

思えば日本の伝統建築は木造だが、それが長持ちしているのは、絶え間なくメンテナンスし、傷んだところは修繕してきたからだ。それができなくなっている……。

こうしたケース、今後増えるだろう。自治体の財政難もあれば、人手不足もあるだろう。そして利用者の増減も影響する。再建することは減るのではないか。

地域の疲弊は、こんな周縁部から始まる。

 

2026/05/12

公園木で薪生産は可能か

某公園を散歩するために訪問。最近は、わざわざ車で散歩する場所を探して移動してから歩くという無駄なことをしている(^^;)。

で、見かけたのが、こうした伐採跡だ。

Photo_20260512115901

大木を大量に伐ったらしい。アカマツが多いようだが、松枯れ木なのかどうかはわからない。問題は、この材をどうするのか。こうして積んであるものの、何かに使うためでもなさそう。長さ2メートル以下に玉伐りしているし。数十本伐っているから、それなりの量だが……。
薪にして乾燥させておけば、周辺の高級住宅地に住んでいる薪ストーブ所有者から引き取りたい人も現れるかもしれない。

最近は街の中で薪ストーブを備えている家屋をいくつか見かける。

Photo_20260512120701

これも生駒市内の幹線道路すぐ側の家。道路から一歩路地に入って発見して、思わず写真を撮ってしまったら、家主がいた(^^;)。挨拶して、話を聞くと、薪とする樹木は各地から声をかけてもらってくるそうだ。それを自宅で保管して乾燥させている。実は、この家の裏側に巨大な薪棚があって、そうとうな量を保管・乾燥させている。

最新式の薪ストーブは煙をほとんど出さないというが……臭いは大丈夫だろうか。苦情の出ない環境ならねえ。我が家も、以前薪ストーブをもらったのだが、設置は諦めた。しかし、公園で薪を生産して、町中で消費する循環ができたら面白い。

そういや3年前に執筆したこの記事。

薪で銭湯復活!が引き起こした不都合なまちづくり

その後、薪ボイラーを再び稼働させたのだが、今度は煙も臭いもしないのだそうだ。だから周辺住民からも文句は出なくなった。薪を完全に乾燥させれば苦情が出るような事態にはならないようである。

 

 

2026/04/23

ドラゴンの村にて

和歌山県龍神村を訪れたら、龍神村ドラゴンミュージアムというのがあった。

……が、定休日(-_-;)。

1_20260423152301

ミュージアムの前に置かれたドラゴン。多分、コモドドラゴンだろうが、実際に生息する巨大トカゲの実物大だ。その迫力たるや……よくぞ、ここまで緻密に彫ったものだ。一応ベンチなのだが、遠目には剥製?と思ってしまうほど。

そこで、この木彫りを彫ったチェンソーアートの第一人者・城所啓二氏に連絡を取って会うことになった。彼はこの村に住む。

彼がチェンソーアートを始めて25年経つというから、私とのつきあいもほぼ25年、四半世紀だ。ここ数年は会う機会がなかったのだが、今回の思いつき紀伊半島一周旅行?は、旧交を温めるのにもってこいだった。

彼の家にお邪魔してチェンソーアートの近年の動きや林業界の最新事情など情報交換。表面には出てこないが、さまざまな動きがあるようだ。そりゃ取材しないといけないな、と思わせるものもある。

それにしても、彼のチェンソーカービング作品は、すでに別次元になっている。最近は仏像を彫ることも多く、もはや仏師である。

Img_20260423151850

これはいただいたカレンダー表紙だが、この1対の仁王像なんぞ、お寺に展示されたらみんな手を合わせる代物だ。

そして、その価格も聞いたが、やはりずば抜けている。大木とはいえ、スギの2番玉で直径は80センチくらいか。2メートルものを半割にしてつくったそうだ。普通に丸太として買えば、1万円もしないのではないか。

木材の価値は最終商品に加工して生まれる。

チェンソーアートは、25年前に日本林業の起爆剤になると信じて取り入れた。私も取材した。丸太から木工品へ橋渡しする価値の創造……ということを考えていた。それは今も生きている理念なのだが……残念ながら世間に十分理解されたわけではない。

とまあ、そんな昔の青臭い時代の話もしつつ、いつしかお互いの老後の設計、健康法、親の介護……という話をして盛り上がり(^^;)、そろそろ時間だから帰らねばとなっても「また会って、老後の話をしよう!」と言い合って別れたのであった\(^o^)/。

 

2026/04/10

表札の木目

物置で捜し物をしていると、目に入ったのが木片。

それをよく見ると……。

20260409-190630

表札だった。父の名が書かれていたのだろうが、ほとんど消えている。かなり古い、私が小学生の頃に見た記憶がある。当時の家に掲げていたものだ。現在の家に引っ越してからは、木ではなく石の表札になっている。

しかし、この表札……ヒノキ材だと思うが、非常に目の細かさに驚いた。年輪を読めるだろうか。

よりわかりやすい裏側を表示しておこう。

20260409-190743

年輪間隔は1ミリとない。幅は8センチくらいだから、ざっと80~100本の年輪が入っているはすだ。当然、柾目であるからこの原木はどれほ どの大きさで樹齢何年ぐらいだったのだろう。

この表札を作ったのは、父が過去の家を購入したときだと仮定すれば、70年以上前ではなかろうか。当時は表札といえば、かなりこだわりがあって最高級の木を使ったとも聞いた覚えがある。

そういや、すでに林業が傾いてきた頃、1970年代ぐらいの時、ある山主が自分の山にあるもっとも太い自慢のヒノキを伐りだすことになって、その木を最も高く売れる用途を探してくれ、とある地元の林業担当職員?に調べてもらった話をどこかで読んだ。神社か寺院の柱用か。それとも内装材か。

結果、表札だということになった。太いヒノキから表札材を生産すれば、もっとも高く売れる。

が、この話にはオチがあって、山主は断ったのである。「あの立派な太い木を、小さくバラバラにされるのはイヤだ」と言ったそうである。
売値より、大径木の木は大きな用途に使ってほしい、という山主ならではの思い入れがあったのだ。

今なら、そんな選択をする山主はいるだろうか。思い入れより高く売れることを優先するような気がする。もっとも、今や表札の価値も下がって、とても高くは売れないだろうな。

2026/04/04

偏愛博物館の『木組み博物館』

 BSテレビでは、ときに掘り出し物のような番組を見つける。あまり宣伝もしていないので、新聞の番組表を頼りにタイトルだけで目利きしなければならない。

昨年末に見つけたのがBS-TBSの「偏愛博物館」。個人的な思いから作ってしまった私設ミュージアムを伊集院光が訪ねる番組で、これが傑作ぞろいなのだ。
ただ放映日がまったく落ち着かず、深夜かと思えば夕刻だったり、曜日も間隔もバラバラ。相当必死で探さねばならない。幾度か気づかず見落としたが、幸い再放送も多いので、ほぼ網羅している。

最新回は、4月3日11時からあった「木組み博物館」だった。

20260403-230116

20260403-230559

20260403-230605

そう、伝統的な日本の建築技法である木組みを紹介する博物館なのだ。木継ぎや仕口など釘を使わず木材をつなぐ技法である。

なんでも、木組みの種類は4000種くらいあって、今も更新されているという。過去の伝統だけでなく、現在の大工が発明し続けているそうだ。それらの見本がズラリと並ぶ……いやあ、魅せられます。入館者の3~4割は外国人で、大工が多いというのも納得する。これぞ、クールジャパンの実力だ。
展示だけでなく、実際に体験もできるし、講座も開いているらしい。開館は週三日。

思ったのが、何も古い技術と思わず、現代でも応用が効くのではないか……ということだ。そもそも大口径・長大材が枯渇した現代、接着剤で張り付ける集成材などではなく、木組みを利用すれば小径木や端材の大規模化が図れる。接着剤で固めたエンジニアウッドは、木質の持つ個性や柔軟性を殺してしまう。木組みならば無垢に近い木材の特性が活かせるだろう。

木組みづくりも、大工の個人的腕前に頼るだけでなく、今の時代なら機械化することだって不可能でもあるまい。

場所は東京は早稲田の穴八幡宮の近くだ。いつか行ってみたい。木造建築の過去ではなく、未来を考えるのによさそうだ。

2026/03/15

木造住宅の木材出所

林野庁長官の講演資料を見ていると、こんな図表があった。

Photo_20260315113401

木造住宅で使われる木材の内訳だ。これが、個別部材別に見ていると、なかなか興味深い。

柱材は、57%が国産材だが、48%は集成材。
横架材(梁など)は90%が輸入材。
土台は国産材が75%。羽柄(筋交いなど)材が64%で、面材は81%。

これで国産材の使われ方の特徴が見えてくる。ボリュームの大きい横架材は、輸入材が圧倒的に多いのだ。もう一つのボリュームのある筋交い(羽柄材)はそこそこ国産材が使われているが、下地に隠れ、目立たないし細い材からつくられるから価格も高くはない。面材も、ほとんど合板ではないか。
ちなみに内装に使われる木材は登場しない。

ただし、このデータ元は比較的規模の大きな住宅供給会社とあるのがミソだ。ようするにハウスメーカーだろう。ちゃんとデータを持っているのは、ハウスメーカーぐらいではないのか。中小の町の工務店、ビルダーではない。

こうした割合を見て、何を考えるかは、各人の自由にしておこう。

2026/03/06

格安のジンを飲んで

イオン系列のお店で見つけたジン。

20260306-124327

これが格安の880円。

ジン好きの私は、様々なジンを購入している。昨今はクラフトジンのブームとかで、日本の酒造メーカーも次々と出す。私も珍しいものには目がないが、そうすると価格は徐々に高いものに手を出してしまう。なかにはスコッチのシングルモルトよりも高いものもあって……安酒ジンのイメージは崩壊しつつあるよう。

そんな中で880円! 度数は37度と低めだが、やはり試さなくてはならんだろう。

そして口切開けしたのだが、わりとジェニパーの香りもして悪くない。いや、かなりよい。日本のクラフトジンの中には(大半だが)、和風を意識しすぎて、ヒノキやらワサビだか、ミョーなボタニカルを入れたジンを出しているが、まずくはないにしても、私に言わせればジンではない。ハーブ酒だ。

その点、このジンは美味いよ。ロンドンドライジンとあるが、イギリス製のボトリングで、何もイオンが製造した酒ではない。つまり本場の味だ。

まあ、私の舌が、その程度のものといえばそれまでだが(否定はしない)、もともとジンとはカクテルの割材の酒のイメージが強くて、そんなに高くて美味い酒をめざしちゃいけないんだ(笑)。

そう、酒類の価値は、価格やイメージに左右されがちだが、実はたいして変わらんのだ(私の舌もそんなもんだ)。

世の中の商品には同じ材料なのに価格差が大きいものが多くある。5倍、10倍の価格差なんてざらにある。しかし各商品の機能性はたいして変わらず、単にイメージで価格の差が出ている。

木材も、その手のものの代表だよ。銘木も並材も変わらない。木っ端も木粉も同じ。無節よりも節ありの方が強度が高いのに価格は差がある。

いかに既存イメージをぶっ壊すか。いや新たな高級イメージを付与するか。それで値段は10倍にできる。……と、ジンを舐めながら考えるのであった。

2026/02/08

タイワンヒノキの鳥居

タイワンヒノキの鳥居と言えば、すぐに思いつくのは明治神宮の大鳥居(第二鳥居)だろう。

だが、全国にタイワンヒノキを使った鳥居はあるようだ。そもそも明治神宮と対になっていた橿原神宮にもあった。1940年に建造された。
残念ながら腐朽が進んだとかで2020年に撤去されたようだが……。現在はカナダヒノキ、イエローシダーに変わってしまった。

3_20260208171201
ありし日のタイワンヒノキ製鳥居。(2015年撮影)

そして、また発見した。福岡護国神社の鳥居もタイワンヒノキ製だった。それも原木のまま使っているとかで、表面が生々しい。

7_20260208171401 8_20260208171601
このデコボコ感がよろしいですなあ。1943年建造とか。

さらに福岡大仏(東長寺)もタイワンヒノキ製であった。

20260116-1428281

こちらは1987年に建造だから、ぎりぎりタイワンヒノキを購入できたのか。

こうしてタイワンヒノキの旅は続く(^-^)/ 。

 

2026/02/07

木造高層ビルへの招待?いや正体!

昨夜、ふと最近の木造ビルがどうなっているのか思いついて検索してみた。

すると……今年9月に完成予定の三井不動産グループの木造ビルが東京日本橋に。

Mitsu01_o

18階建て、84mの高さで日本一になるそうだ。

ところが28年、つまり再来年には東京海上ホールディングスが丸の内に20階建て、約100mのビルを建設中だった。

T2

いやいや、それどころえ大林組が、オーストラリアのシドニーに地上39階建ての高さ182メートルの木造ビル「アトラシアン・セントラル」を建設中。こちらは今年9月に完成予定で、世界一の木造ビルになる予定。

1_20260207140401

なんと、目白押しではないか。……でも……よく読むと、いずれも木造ハイブリッドとある。鉄骨や鉄筋コンクリートを混ぜているわけだ。アトラシアン・セントラルなど、7階まで鉄筋コンクリートづくりで、それ以上も鉄骨とのハイブリッド。
実は日本の各ビルも似たようなもの。別にハイブリッドが悪いわけではなく、むしろ現実的でよろしいと思っているのだが、木造の割合はどれぐらいなのか。重さでは鉄骨に負けるが、カサは単純に半分あるとしても、日本一とか世界一としてはしょぼくなる。

それぐらいなら、完全に構造材をコンクリートにして、内装、外装に木材を使って木質化すれば、同じぐらいの木材を消費するのではないか。

どうせ構造材の木材は、人の目に止まらない。よく「木造ビルは、人に安らぎを与える」なんてノウノウと書いている記事があるが、目にする木材は構造材じゃないから(笑)。CLTなどの木質の構造材の面は、正直きたない。その上に改めて木質の内装材を張るか、木目のあるクロスを張っているんだよ。香りがいい、という記事もあったが、それ、消臭剤でも撒いているんだろう。完成直後ならともかく、すぐ木の香りなんて消えてしまう。

……とまあ、そんを木造ビルの悪口を書こうと思いついた(⌒ー⌒)。これから調べていきます。

 

 

 

2026/01/20

木製鳥居の復活を

台湾檜でつくられた建築物を探している。そこでふと気づいたのが、鳥居。これ、全国にあるのではなかろうか。

すぐに思いつくのは明治神宮の第2鳥居だろう。ほか橿原神宮などにもある。

だが、もっと大きな鳥居、それも1本の原木でつくられたものがあった。福岡護国神社の一の鳥居だ。明治神宮のものは、たしか寄木ではなかったか。

1_20260120203401

これ、1943年、つまり戦時中に建てられたらしい。当時の台湾は日本領だったから、どんどん台湾の巨木を伐って日本に運んだのだろう。そして日本の神道の鳥居になっていく。

7_20260120203401

こちらの写真だったら、いかにも原木をそのまま鳥居の足にしたという感じがする。

もともと鳥居は木製だったはず。それも巨木を使うから神聖な結界を敷くことができた。宮島の巨大鳥居もクスノキだった。しかし、掘っ立て柱では、すぐに木は腐る。そこで石で作り出し、やがてコンクリート製や塩化ビニール製の鳥居を作り出すのだね。まあ、ときとして銅製の鳥居などもあるが、よほど管理をしっかりしないとすぐに錆びて腐り落ちる。

なぜ台湾檜を使ったのかと言えば、ようするに日本本土に鳥居にできるような巨木がなくなったから。

しかし今なら、スギならかなりの大木も育ってきたし、防腐措置を施した木製鳥居もつくれる。木製鳥居を全国的に復活させたら、結構な量の木材需要が生み出される、かも?

 

 

より以前の記事一覧

May 2026
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

森と筆者の関連リンク先

  • Yahoo!ニュース エキスパート
    Yahoo!ニュースに執筆した記事一覧。テーマは森林、林業、野生動物……自然科学に第一次産業など。速報性や時事性より、長く読まれることを期待している。
  • Wedge ONLINE執筆記事
    WedgeおよびWedge on lineに執筆した記事一覧。扱うテーマはYahoo!ニュースより幅広く、森林、林業、野生動物、地域おこし……なんだ、変わらんか。
  • 林業ニュース
    日々、森林・林業関係のニュースがずらり。
  • 森林ジャーナリストの裏ブログ
    本ブログの前身。裏ブログとして、どーでもよい話題が満載(^o^)
  • 森林ジャーナリストの仕事館
    田中淳夫の公式ホームページ。著作紹介のほか、エッセイ、日記、幻の記事、著作も掲載。