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森と林業と動物の本

2025/05/23

おバカ?「選挙ポスター掲示板への木材利用状況調査」

いやあ、オモロイというかおバカな調査を林野庁はたまに行う。

今月のモクレポ(5月)では、「選挙ポスター掲示板への木材利用状況調査」というのをやっていた。

まあ、たしかにもうすぐ参議院議員選挙だし、都議選もあるし。。。おそらく、近来にない人数の立候補者数が予想される(ようするに選挙をオモチャにする連中が、最近はウンカのように湧いてくる)から、選挙掲示板を大量に用意する必要が生じているし、そのための使用木材量は馬鹿にならないだろう。

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要約すると、回答があった1227市区町村のうち42%の市区町村で、国政選挙や地方選挙の選挙ポスター掲示板に木材を使用。
「木材を使った」と回答した517市区町村のうち、国産材を使っているのは53市区町村(市区町村産材や都道府県産材を使っているのは44市区町村)。
合板用素材の入荷量が多い県の一部(岩手県、秋田県など)において、地元産を使っている市区町村が多い。

掲示板に使われる木材とは、ほぼ合板だろう。国産合板も増えたとはいえ、見た目は輸入合板と区別がつかない。それに合板用に使われる木材(B材)の価格は安い。それが売れることを山元は喜んでいるのか。そもそも需要を後押ししなければならないほど売れていないのか? むしろB材需要は増えているように思うが。また外材の合板はどうなの? 掲示板は一度で廃棄するのではないと思うが、リサイクル率は? とまあ、いろいろ考えてしまう。

それにしても木材を使っているのは約4割で、使っていても市町村の選挙担当者の89%は、木材産地を知らないわけだ。外材か国産材かの区別もつかない。その時点で、この調査の意味が迷走してしまって、おバカになる(笑)。

でも、林務関係あるいは環境関係の部署以外の課員は、木材を使う意義とか木材の産地なんて考えもしないのが普通だろう。

結論としては、こんな具合。

・ 国産材を原料とする合板(国産材合板)による選挙ポスター掲示板が、徐々に使われるようになっています。
・ 選挙ポスター掲示板をはじめ、国産材の利用は、木材の販売収益を森林所有者に還元することで、持続可能な森林経営を可能とします。
・また、多くの市町村では、「都市の木造化推進法」に基づき、木材の利用の促進に関する方針(市町村方針)を定めていただいており、選挙ポスター掲示板への国産材利用は、この市町村方針の達成にも貢献するものです。
・選挙ポスター掲示板の発注に当たっては、是非、国産材合板をご検討ください。

でも、まあ、私はこんな調査好きだよ\(^o^)/。

2025/05/20

太っ腹?イオンの木育広場

以前も本ブログで触れたが、各地に木育施設が誕生している話の中で、イオンモール四條畷に木育広場をつくるらしいと紹介した。

木育流行り

このほど訪れたら完成オープンしていた。

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見たところ、使われているのはスギ材。だが驚いたのは、その広さだ。一階のかなり広いスペースで展開されていた。ここにテナント入れたら5つぐらい入りそう。なかなかオシャレなつくりで、その気になれば100人ぐらい子供たちを遊ばせられるのではないか。

そして、無料なのである。正式名称は「なわてmokumokuひろば」。

何もテナントが抜けて空きスペースに臨時につくった代物ではない。そこそこ金もかけたのだろう。それを無料で親子は好き放題入って遊べる一応対象年齢は10歳までとあったので、私は遠慮した(^^;)。誰かの親のふりをするのも憚られたので。

なぜ、このような施設を設けたのか。テナントを入れなくてもよいという経営判断はいかなるものか。子供が無料で遊べる場所を提供することで、親子連れがわんさか来て、モール内で買い物をすればお金が落ちる……普通に考えられるのは、そうした想定だろうが、それだけで、こんな広い場所を提供できるのか? 
もともと、モール内には各所に子供向きのコーナーはある。ゲームコーナーもあれば、フードコート内に「コモレビキッズ」や「なわてキッズパーク」、さらに通路などを利用した子供の遊び場、ベビールーム、キッズトイレ……。少なくなった子供だけに子供に甘い、いや熱心な親が増えて、彼らはチョイ富裕層で、彼らを引き込むことが経営にプラスとなるのか。

いずれも木材が目立つ造りだ。木育施設は集客施設……そんな効果があるのかどうか私には判断しかねるが、木育あなどるなかれ、である。

これをいつまで続くか楽しみに観察しよう。半年後に撤去されてしまうことのないように(^^;)。

2025/05/14

万博の哲学的?な木

先に訪れた万博。正直、さほど感心する展示のパビリオンはなかった。展示を見に行くつもりなら、私はもうコリゴリ。オススメしない。

その中で、多少考えさせられるというか、何?これ?と悩まれれる、いやもっと言えば「なんやねん(怒」という気分にさせられるものもあった。

とくにこれは……。

「困った木」。ブースとしてはNHKを始めとする在阪テレビ局の中継基地なのだが、なぜか茅葺きである。ま、それはいいのだが、その周辺に並ぶ柱が「困った木」と名付けられている。

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何が困っているのか。一応の説明文は、大きくなりすぎた街路樹だったり、製材加工ミスの木材だったり、育ちすぎたスギやヒノキだったり、枯れて倒れる危険があった保育園のサクラだったり、海に沈められていた木だったり、鳥が穴をあけた木だったり、電線にひっかかりそうで切られた木だったり、ツキ板になれなかった木だったり、大屋根リングの端材だったり……まあ、なんというか、使えない木ということなのだろう。

アートにはなっていないし……これを展示することに何の意味があるのだろう。哀愁が漂っている? いや、そもそも困るとはなんぞや。若干むかついたのであった。それに……これらの木に注目する人は、私以外に見かけない(笑)。

それと似ているが対極は、ウズベキスタンパビリオン。

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なんでか、柱が林立。スギの木だけど。説明もかなり哲学的。「知の庭」という名がつけられている。一回の近未来的な展示や360度周回映像展示を見ているうちに、なぜかこの庭に着く。それでも、考えさせられたという点では、ウズベキスタンの一本!

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アラブ首長国連邦。これ、ナツメヤシの材なのである。芯は違うと思うが、とりあえずナツメヤシは、実や葉だけでなく葉柄まですべて使える資源なのだそう。石油よりナツメヤシ! わりと気に入ったパビリオン建築であった。

ほかにも植物ならバルトのラトビア・エストニア館も、ちょっと違う意味があった。面白いかと言われると……なのだが。

2025/05/03

何が建築物の木造率を上げているのか

国はへ、木造建築を増やそうとやっきになっている。大阪万博でも、リングが世界最大の木造建築だと必死で売り出している(私は、仮設で壁もないリングを木造建築のランキングに入れるべきではないと思っている)が、肝心の建築物の木造率はどうなっているのか。

新規着工住宅の木造率グラフがあった。

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なんと57%まで上がっている。ちょっと意外(笑)。私は、増えているように思えなかったのだが。

しかし、よく見ると建築数自体は減っているのだね。その中で木造住宅が増えているらしい。

もう一つ、建築物全体のグラフもあった。

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こっちは全体で、横ばいというよりはじり貧だな。43%以上あったのが、41%まで下がっている。
ただ、公共建築物と低層建築では増えている。あれ? では何が全体を引き下げているのか。。。高層ビルは昔から非木造だろう。結局、マンションなどの非木造の集合住宅などが増えているのかな、とも思う。

謎です。誰か教えてください(^_^) 。

それにしても、住宅建築数は年間80万棟を切るまでに落ちている。しかも世帯の縮小も進んでいる。一人暮らし、二人暮らしが増えたら、いくら木造住宅を建てても規模は小さくなるだろう。木材消費量は落ちる。今後、人口減に大工減も考えたら、木材需要が増えるとする要因を思いつけない。

木材の使い道の未来に建築はあるのか。そこから考えた方がよいのではなかろうか。

木材の消費は減ってもよい。それに合わせて林業関係人口も減ってもよい。ただ収入が減るのは困るので、単価の高い用途を模索すべきだろう。

 

2025/04/22

伊藤伝右衛門の檜兜

昨日は、伊藤伝右衛門邸で見てきたものを紹介しようと思っていたのだけど、最後に買ったお土産の印象が強すぎて(^^;)、カレーをアップしてしまった。

実際にお見せしたいものは、こちら。

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檜兜。ヒノキでつくられたカブト。もちろん実戦用ではないのだけど、超高級品。かなり格の高いもののよう。

孫に送ったものとされるが、白蓮の薦めだったと伝わる。端午の節句の武者飾りだろうか。

ちなみに伊藤邸の中には白蓮資料館もあるのだけど、二人の間で新聞を通して行われた公開離縁状の応酬については、一切触れていない。いや、離婚したことさえほとんど触れず。私は、それが読みたかったのに。ただ白蓮用の水洗トイレがあったのが新鮮だった。

また邸宅の造りや使用された木材、細工などには興味深いところもあった。明治期の和風建築の粋(プラス西洋様式の取り入れ)という目で見たら、なかなか面白いのではなかろうか。

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2025/04/18

セルロースナノファイバーの罠

私は、セルロースナノファイバーに関して懐疑的だ。

素材としては認めているし、まあ、今後技術が進めば(現在は、まだ実用化レベルに到達していないと判断する)そこそこ普及するんじゃないの、と思っているが、少なくても林業や木材産業に寄与することはない。経済的にも怪しい。採算が合う気がしない。

それなのに注目させようとするのは、単に夢物語をばらまいて、林業に希望を持たせて後に突き落とす罠だと思っている。

そこに、こんな研究発表があった。東大のHPにもあるが、こちらは研究comより。

細胞壁セルロースのミクロフィブリル(ナノファイバー)は、植物種に依らず、形状が均一であった

難しそうに書かれているが、要旨は次のようにまとめられている。

発表のポイント

セルロースナノファイバー(CNF)の断面寸法は、産業上の主原料である針葉樹に限らず、草本類の麻や、木本と草本の中間的な分類とされる綿であっても、ほぼ同一の2~3nmであり、CNF1本(植物学上のミクロフィブリル、またはセルロースの結晶子)は、セルロース分子鎖18本で構成されるモデルが合致することを明らかにしました。これまでのセルロース結晶学では、樹木と麻・綿のCNFは、断面寸法が明瞭に異なり、別種の生合成機構が想定されてきました。この従来の理解は、これまでCNFを単離(孤立分散)させる技術がなく、複数の結晶子が合一したCNF凝集体を評価していたことに由来します。本成果により、高等植物であれば、木本と草本に差はなく、同様の機構で生合成していることが新たに想定されます。また、産業上も、樹木だけでなく、麻やエリアンサス、農業廃棄物等からも、均質なCNFを生産できることを本成果は示しています。

これでも難しい(笑)。そう思ったら、最後の列辺りだけを読めばいい。

高等植物であれば、木本と草本に差はなく、同様の機構で生合成している
産業上も、樹木だけでなく、麻やエリアンサス、農業廃棄物等からも、均質なCNFを生産できる

樹木だけななく、草本植物や農業廃棄物からもつくれるよ、ということだ。

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よくセルロースナノファイバーを説明する図として使われているのだが、これは樹木から取り出すような説明になっている。だが、本研究からはどこから取り出してもつくれるよ、質は同じだよ、ということがわかったのだ。

そうなると、わざわざ樹木を伐ってきて、細かくすりつぶして……という手間をかけずに、簡単に栽培する、いや草刈りするか、廃棄物を利用する方を選ぶわなあ。その方が安く原料を得られて経済的にペイする。価格も下がるかもしれない。

となれば、木材需要が増えるとか単価が高くなるとか、林業関係者が一縷の希望を託したようなセルロースナノファイバー信仰は崩れ去るのである。間違っても林業には寄与しない。

セルロースナノファイバーに期待を寄せるのは、合成樹脂とかガラス、金属、そして食品・薬品系の素材開発者業界だろう。プラスチックの中に閉じ込めて強化したものが、果たして環境に優しいのかどうか知らないけどね。

2025/04/16

棚?極限のシェルフ

無印良品で見かけた家具は、面白いものがいっぱいある。

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これはエクストラ・シェルフと名付けられているが、ようするに棚である。移動できるのかラック扱い。

高名?デザイナーの設計のようだが、一見だれでも、とくに林業家なら自作できそうな構造である。丸太の輪切りや半割りを金属の骨組みに接続しただけではないのか? 

そういや、これまでも太い角材を置いて「ベンチだ!」という“家具”を見たことがある。丸太のタンコロの表面を磨いて置き「スツール!」と強弁した声もあった。

でも、こうしたデザインに価値があるし、それが高く売れることでもある。ン万円以上するんだよ。

誰でもつくれそうで、誰もやらなかった家具。言い換えればアイデア勝負。

我と思う林業家は、自らデザインのセンスを磨いて挑戦しないか。販売ルートなどをつくるのは大変だが、今はネット通販もある。職人的技術を磨く前に「アイデア」で戦える時代である。

とまあ、昨日完結した「半分、青い」(BS11)を見て思ったことだけどね(^_-)-☆。
私はこのドラマを、漫画からそよ風の扇風機まで、クリエイティブな活動の苦しみを描いた佳作だと思っている。

2025/04/08

防腐木材の末路

久しぶりに訪れた我がタナカ山林。

普通ならタケノコ堀りを視野に入れるのだが、まだ出ていない。というかイノシシの荒らしがひどくて、もしかしたら食い尽くされたのか。。。昨年もそうだったから、見通しは暗くなる。

それとは別に、以前デッキを築いた現場を確認する。実は、数年前に撤去したのだ。かなり腐朽が進んでいたので天板を外して元の更地にしている。何しろ築いてから10数年。天板はツーバイフォーを使ったのでかなり厚みのある材だし、防腐塗料も塗ったものの、さすがにこの年月をすぎると寿命がきた。再び建設するかどうか迷っているが、しばらく跡地は放置して自然にもどしている。

ただ土台となる部分には、防腐木材を使っているから残っている。ホームセンターで売っている枕木である。

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これは再利用することも考えている。ところが……1本を引き抜けないかと思って揺すってみると……。

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崩壊した(゚д゚)。。。なんと、外殻以外はボロボロに腐っていた。

この木だけ腐るというのは、防腐処置がいい加減だったということか。もともとホームセンターに売っているような枕木は、芯の部分まで含浸されているのか怪しかった(残る土台も、芯部分に腐りが入っているものがある)が、まさか全体が腐り落ちるとは。

不良品だね。まさか10数年前に買った枕木が不良品だ、と怒鳴り込んでも相手にされないだろうが。それとも防腐していても10年も経ったら腐るものなのか。

 

 

2025/04/06

大極殿のベンガラ赤

平城宮跡の大極殿。ここにはヒノキの大径木でつくられた柱が林立しているのだが……。

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外部(建物内部は、ガラス戸に守られている)の柱は、塗料が剥げかけていた。「手で触らないでください」と表記があるほど。

この塗料、大極殿の建設時に奈良時代に則して選ばれたはずなので、おそらくベンガラだろう。酸化鉄の赤色塗料である。ベンガラとはインドのベンガル地方から輸入されたからという説があるが、それは江戸時代以降の話。酸化鉄などどこにでも昔からあるので、古墳時代から使われていた。

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赤く塗られた古墳の中(福岡県の王塚古墳レプリカ)

ただし、酸化鉄か赤鉄鉱石などの鉱物をすりつぶしたのか、あるいは鉄バクテリアがつくったものか。土中の鉄分を参加してエネルギーを得るバクテリアのつくる赤は、今でも下水溝や山の掘削現場などで見られるから、すぐ採集できる。古代の日本ならこちらではないか。
ただ復原大極殿に使われたのは、何かわからない。鉱石をすりつぶした輸入品の可能性もある。

問題は、完成後十数年で剥げてきたことだ。そんなに長持ちしないのである。また塗り直すのだろうか。

赤く染めた部分を埋めてしまう古墳はともかく、古代の宮殿や寺院神社の赤も、常に剥げていたのではなかろうか。そういや、奈良時代、それに平安時代の建物は赤など極彩色の色合いだが、鎌倉時代以降は渋くなっていく。今では、木が時とともに変色した状態を「日本のわびさびだ」とか言って喜ぶが、古代の日本は中国的な極彩色が好きだったのではないか。

中国王朝を模した宮殿を赤く染める。
それが剥げて来る。
何度も塗り直すが、金がかかるので青息吐息。
そのうち放棄する。
渋い木の色がむき出しになる。
これぞ、和の精神・ワビサビの色だ! と唱えて納得する……。

こんな状況ではなかったのか。

いや、もっと昔まで遡ると、倭国は木の生成りの色を尊んできたのに、随や唐の影響を受けて、建物を極彩色に塗りやがって、こんなの文化破壊だ! と言った倭国の文化人がいたのではないか。倭の文化は、もっと素材を大切にするものだ。中国かぶれした貴族どもは売国奴だ、と政権批判をしたのかもしれん。まっ、それを言うと、古墳の石室やお棺の中を水銀朱で真っ赤にした歴代豪族も批判することになってしまうが……。

ともあれ、防腐剤としての塗料と、木の文化について考えると面白いかもね。

 

2025/03/22

関西万博の日本館

いよいよ関西大阪万博まで、あと3週間。みんな、盛り上がってる? いえ~い!!

万博と木材という点からは、大屋根リングが取り上げられることが多い。が、ほかに日本館も「木材使いました!」と力説しているパビリオンだ。

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内壁材や外壁材として使用されるCLTは、280組560枚。総使用量は、約1600立方メートル。これ、多いのか少ないのか。。。ちなみに展示はなんだ?建物そのものが強調されているが。
林野庁のモクレポにも特集記事が。CLTを使っていることを強調している。

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日本館のHPには、「円環状の構造体によって、いのちのリレーを体現する日本館は、ホスト国のパビリオンとして唯一無二の存在感を放ちます。最大の特徴は、円を描くように立ち並ぶ無数の「木の板」。その隙間からは内部を垣間見ることができ、中と外、展示と建築の連続によって、日本館のテーマにもある「あいだ」を来場者が意識するきっかけをもたらします。主にCLT(直交集成板)で構成される「木の板」は、万博終了後に日本各地で建物としてリユースされることを前提に、解体や転用がしやすいよう工夫されています。

 

なお、大屋根リングに使われた木材は、2万7000立方メートル。スギ、ヒノキ、オウシュウアカマツと並ぶが、一番多いのはフィンランド製のオウシュウアカマツだ。
最近の記事では、福島産の国産材を使ってます! と必死でPRしているが、
出荷しているウッドコアによると、福島県産のスギ材でつくった集成材を約4500立方メートル納入したという。つまり使用割合は1割6分になる。ほかに四国のヒノキも使っているが、加えても2割に達する程度ではないか。とはいえ以前は3500立方メートルだと言っていたから、頑張って増産したのかな。

主催者側のHPには、木造リングについて「樹齢30年ほどの木材を伐採し、新たに植林することでCO2の吸収・固定が促進される」と説明しているのを見つけた。え? 樹齢30年で伐っちゃったの??? これが本当なら、伐期40年規定を破ってやわやわの木を使ったのか、と思ってしまうし、まさか国産材の使用割合を増やすために無理して、伐期齢に達していない30年生スギを伐採したのか……と邪推もする。それに再造林きっちりしたか確認したのかも疑問。伐ってすぐに再造林しないよなあ。たいてい2~3年後。
実際の調達は、ボリュームゾーンの50年60年生の木ではないか。主催者とやらは、そんな林業事情を知らずに語ったように思える。

こうして突っこみつつ、だんだんリングや日本館を見たくなってきたぜ( ̄ー ̄)ニヤ。

 

 

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