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森と林業と田舎の本

2019/12/10

針葉樹材を黒檀のように?スイスで発明された木材

ちょっと気になるニュースがある。スイスで木材をプレスして、エボニー(黒檀)の材質に似せる技術が生み出されたというのだ。

スイスインフォスイス生まれの「熱帯」木材が森林破壊を救う

生まれた木材をsonowood(ソノウッド)と呼ぶ。

黒壇は、黒光りして堅いから家具や木彫などに用いられるが、熱帯地域にしか生育せず、しかも過剰伐採・採取が続いたからほとんど絶滅危惧種だ。ワシントン条約で取引規制が行われていて、輸入時には申告が必要だ。

黒檀は、とくに音の伝導に優れており良質なバイオリンの指板に向いているという。そのほかアクセサリーや高級時計にも使われる。だから黒檀に似た材質の木材を人工的につくれるとなれば、飛びつく人々がいるだろう。

さて製造は、スイス連邦工科大学チューリヒ校とSwiss Wood Solutionsが開発した。スイス産のカエデとトウヒ材を圧縮し、エボニーに似た材質を作る方法を開発したというのだ。具体的には、スイス連邦材料試験研究所(EMPA)に設置された巨大なプレス機で、特定の楽器作りに最適になるよう、木材の密度と音の伝わり方を微調整するという。

実際、楽器製作者は黒檀をなかなか手に入れることができず、最高級のバイオリンほかの楽器の材料に困っているのだ。この木材を使って作られた楽器をプロの音楽家が使ったところ、本物を使ったものと同じくらい良いと高い評価を得たらしい。演奏家の感想として「トロピカルウッドの指板よりも音が暖かく、よりオープンです」という言葉が紹介されている。

もっとも、1立方メートル当たりの生産コストは20万フラン(約2200万円)! 輸入木材の10倍。それでも2年先まで予約はいっぱい……。

こんな内容だ。もっと突っ込んで製造法を知りたいところだが、ちゃんと記されていない。わずかに「前処理された木材をプレスにかける」といった言葉が読み取れる。この前処理とは? 

イマイチ、わからん。単にプレスしただけでは、そんな材質の変成を起こせない。圧縮木材は時間とともに元にもどるため、それを抑えようとすると樹脂注入などが必要になる。そこに「添加物を含まない」「プラスチック、樹脂は含まない」などと書かれると、正体不明だ。加熱などもしたのか。いや前処理という言葉があるが、そこで薬品を使っていないのか。

スイス語(ドイツ語)のHPを自動翻訳にかけてみると、こんな言葉が。

熱帯木材の非常に価値のある物理機械的特性を実現する高品質の材料。

ソノウッドはプラスチック複合材ではなく、添加物を含まない本物の100%天然木。

生分解性で、プラスチック、樹脂、人工着色料は一切含まれていません。

そして熱帯木材の代替などは、私が紹介してきたケボニー化木材とよく似た発想である。こちらは針葉樹材を広葉樹材のようにする、というキャッチフレーズで紹介したが、天然性樹脂の注入によって行う(フラン樹脂化)。ではソノウッドはいかなるものか?

もうちょっと科学的な説明が欲しいなあ。

2019/11/24

合板のお値段

ホームセンターを覗くと、合板が売っていた。ここは、プロの業者も仕入れに使っているらしいので、わりと工事現場で見かけるような建材も並んでいる。

ふと気になったのはお値段。

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違いはわかるだろうか。1枚1180円なのは、針葉樹合板。ま、スギなど国産材で作られた合板だ。
そして1350円なのは、ラワン合板。熱帯木材を原料とする合板だ。多くは違法木材使ってンじゃねえかと言われている。

この際、合法か違法(グレー)かは別として、値段では国産材合板の方が安いんだねえ。

かつて南洋材は安い、というのが評判だった。そして国産材は高い、外材は安い、というイメージがあった。今でもそう思っている人は多いだろう。だが、原木価格で逆転が始まり、さらに製材品でもすでに国産材の方が安くなってきている。そして、合板でもはっきり示された。

もちろん、合板の値段は原木だけでなく製造をどこで行うか、そして市場での引き合い、流通、仕入れ量……など複数の要因が絡んでいるのだから、価格差もその度にどう動くのかわからないが。
ちなみに合板はラワン製の方が優れているのは間違いない。節も年輪もないから樹脂も出ないから。表面もきれいだ。

でも、国産材合板が安いのはよいことだ。それによって需要が国産材に流れるなら、南洋材合板は売れなくなる。グレーな木材の需要を減らすことになるのだから。

2019/11/19

スタジアムの木の座席

ウノスタ、釜石鵜住居復興スタジアムがAgrio(電子農業誌)の記事になっている。私のYahoo!ニュース記事と似ている(^^;)。

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折しも、ウノスタの木の座席の写真をください! と現地を訪れた人に頼んだらたくさん撮影して送ってくれた。

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そうか、こんな座席か(^_^) 。早くも日焼けして、しっとりした色合いになっている。座り心地の評判も上々のようだ。

ところで気になるのは、先日誕生した東京オリ・パラで体操やボッチャの会場となる予定の有明体操競技場。ここにも木の座席が設えられたという。それについてのルポが、日刊スポーツに載っていた。

客席少々痛めクッション持参も/五輪体操会場体験記

この記事、いつまで読めるかわからないが、木の座席についての部分を引用しよう。

実際に客席にも座ってきたが、「少し痛い」が率直な感想だ。

10月25日に完成し、一番のウリは大屋根や内観に使用された木材。使用量は2300立方メートルで、20年大会に向け建設される競技施設では最大となる。1万2000人の客席は国産のスギが使用され、ベンチタイプ。大会後にはスタンドは撤収され展示場となるため、スポーツ観戦では珍しいタイプで、席は薄い板で約39センチ幅で仕切られている。

実際に座ってみた第一印象は「硬いな」。木材なので軟らかさはなく、長時間の観戦ではお尻が痛くなってきそう。肘掛けはベンチの端に設けられるため、ない席では寄り掛かって体重を逃がせない。クッションなどを持参してもよさそうだ。直角に据えられた背もたれは約20センチの高さだが、ちょうど腰骨に当たるため、もたれると背中が痛い。一昔前の深夜列車「ムーンライトながら」も直角の背もたれで、長時間の乗車では寝られずに苦労させられたが、そんな記憶を思い出した。

率直な感想だ。写真を見ても、これは「座りにくい」。座面と背もたれが垂直で、しかも高さがないからもたれられない。ウノスタのベンチは丸く成形されているし、若干の角度がつけられているから素直に座れるだろうが、これでは前かがみにならないといけない。

木をたっぷり使った競技場を売り物にしているのに、これでは興ざめだ。設計者はどんなつもりでこんな座席にしたのか。「どうせ木だから」とでも思ったか。

本丸の国立陸上競技場でも木のイスになるはずだが、果たしていかがなものか。

2019/11/05

正倉院展あきらめて、正倉院へ

ならどっとFMのライブ出演を終えて、せっかく奈良に来たんだから、現在開催中の正倉院展に行こうかと思った。

が、悪い予感はしていたのだ。なんたって町中がごった返している。そりゃ3連休の最終日だし、イマドキは外国人観光客が激増しているし。

しかし、この人の波の一部は、奈良国立博物館に向かっているのは間違いない。令和初の正倉院展は大人気、という評判だったからだ。アサイチで入場まで30分待ちの行列とか。。。

そこで、あっさり正倉院展を諦めることにした。そして奈良博横を通りすぎて向かったのは……正倉院である。

意外と知られていないが、正倉院展の開催中は、正倉院そのものも開放されている。と言っても中には入れないよ。あくまで外観を眺めるだけだけど、門戸を開放して敷地内に無料で入れるのだ。これまで塀の隙間から覗くぐらいしかできなかった正倉院を、目にするのもよいだろう。

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正倉院(正確には正倉。正倉があるところが正倉院)、思っていた以上にデカいよ。カメラのファインダーに入らない。そこでパノラマ撮影したので、少し歪んでしまった。

床下は高さ3メートルぐらいあって、直径60センチ級の丸柱が40本ある。そして上部は言わずと知れた校倉造り。三角形に製材された建材による、いわばログハウスだ。木を立てて使わず横に寝かし積み上げる発想とどこから生まれたのだろうか。

この正倉院は奈良時代から残っているのだから、奈良時代の木材だろう。正倉院そのものが巨大木造建築物であることを感じる。今、これと同じものを建設しようとしても、なかなか難しいだろう。

やはり見る価値はあった。ただし、午後に行くと日射しが逆光になることを知る。まぶしくて十分に眺められないし、写真も撮りにくい。また広角レンズでないと入らない。どうせなら午前中がオススメだ。

 

さて、正倉院展は11月14日まで。やっぱり行こうかな。並ぶ覚悟で。館内に入れても、人だかりで宝物をゆっくり見られるかどうかはわからないけれど。でも平日だったら、もう少し行列は減るだろう。地元なりの強みで時間はなんとでもなる。

誰か、つきあおうという奇特な方、いる? 

 

 

2019/10/24

夜の城に登る

昨日から駆け足で岡山~鳥取界隈を回る。

今日はあいにくの雨だったが……。

回ったところで印象に残った「木もの」。

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これ、道の駅「あわくらんど」の一角。前も見ているのだが、その時は一面だけだった風車がパワーアップ?していた。どんどん広げていくのだろうか。

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智頭町の木材市場の一角。先日市が立ったそうで、結構な量の木材が集まっていたが、その中にあったこれは薪の山。これから冬に備えて出番なんだろうか。木材市場というからには、木材はなんでも揃う場になってほしいと思っていたが、薪も扱うのは意味があるのではなかろうか。

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昨夜、沈没した津山の夜の城。津山城は登り損ねたのだが、こちらの城は登った。2階までだけど(^^;)。そして某店で沈没しました。。。登城したつもりが、巷の夜の闇に落ちたのでした。おそるべし、ママさん。
やられたなあ。参りました。。。。ちなみに外装が木の城なのだよ。

2019/10/18

木でない木目のデザイン

最近の建築は木質化ブームが起きているらしい。

一方で建築家は木造がダイキライ! という声も聞こえる。なぜなら木材のような性能がはっきり読めない素材は使いにくいからだ。木材と言っても樹種に加えて生育による差もあるし、加工方法によっても変わるし、まあ重力計算などを必要とする建築にはいかにも使いにくいから。

で、見かけたのがこれ。これは、某店舗の壁。

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見た目漆喰か? と思わせて、よく見ると木目が描かれている。別に色は木材ぽくないのだから、木肌ぽく見せようとしたわけではないのだろうが、あくまで木目なのである。転写したのか、印刷したのか。ちゃんと凸凹もあって、触ってみると本物ぽい。

木に見せかけるのではなく、木のデザインを借用する……というわけ。ここまで来たか、と思わせたのであった。

でも結局、本当の木材を知らない、というより使いたくない建築家にとっては、コッチの方向に行くのだろう。すでに木肌・木目を印刷したり真似た合成樹脂建材も多い。それでも、まだ木に見せかけようというところには「木質はよい」と思いがあるようだが、ここまで来ると木質ではないことを主張しつつ、木目模様が美しいから取り入れた、という感覚だろうか。

危うし、木質ブーム。本当の木の魅力とは何か、を追求しないとまがい物に乗っ取られるぞ。

 

2019/10/16

釜石のスタジアムの木製座席

ラグビー・ワールドカップの釜石会場は、岩手県釜石市の釜石鵜住居復興スタジアム。ウノスタと呼ぶそうたが、国内で唯一、今回のワールドカップのために新設されたそうだ。

ここで13日に開かれる予定だったカナダ-ナミビア戦は、台風19号接近のため中止になった。その後、カナダ代表が被災地でボランティア活動を、ナミビア代表も宮古市でファン交流会を開いたことで話題になったが、もう一つ別の話題も紹介しておこう。

会場となったウノスタの座席4990席は、木製だったのだ。さらにベンチ108基、トイレ2棟、日よけのためのルーバーも木製。ほかにも使い捨ての木皿などもつくったという。使われたのは約800本。

しかも、ただの木材ではない。そこで使われた木材は2年前に釜石市内の尾崎半島で起きた400ヘクタールにも及ぶ山火事によって焼けたものだった。ウノスタで使われた木材すべてを被災スギで賄った。
木製の座席は暑い日も温度か上がりにくく座りやすく、見た目も美しい。考えてみれば、火災に遭ったと言っても芯まで燃えた樹木ばかりではない。内部は十分使える木材もある。それを「焼けた杉」と悪いイメージになるのをひっくり返したわけだ。そもそも「焼き杉」は古来からの加工方法。表面を焦がして腐朽しづらくする手法でもあり、木材の質を上げるのだ。

思えば2011年東日本大震災で釜石は、大津波によって甚大な被害を受けた。その中でほとんどの小中学生は助かった「釜石の奇跡」と呼ばれる事象もあったが、スタジアム建設はある意味復興のシンボルだった。ここに釜石の木を使う計画を進めていた。その最中に山火事が起きたのである。だが、山火事による焼けたスギを建設中のスタジアムに活かすことを提案、実行したわけだ。

その立役者は、やはり釜石地方森林組合だろう。震災では事務所も職員多数も失われたが、そこからの復興途上である。そこに起きた山火事だが、それを逆手にとったわけだ。

この森林組合は、震災後林業スクールを開いたほか、バイオマス燃材の利益から基金を立ち上げ、伐採跡地への再造林費用を補助する民間の補助制度もつくっている。そして山火事の後にスタジアムの木製座席を生み出した。今回の3回目の被災ともいうべき台風の後に何を生み出すか、私は楽しみにしている。

 

2019/09/26

ホームセンターのビーバーの餌

セミリタイヤして、楽しいことをのんびりやる余生を送ると言いながら、相変わらず世間に追われているんだが、そんなときは気分転換にホームセンターに行く。

ホームセンターは、いつも新しい発見がある(^o^)。

今回は“ビーバー”の餌を発見した。

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こんな板を並べている。端材の投げ売りか……と思いきや、その板の種類は千差万別。

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拡大してもらえば、読めるかな。

写っていないものもあるが、ざっと並べると、柳、タモ、ドロヤナギ、メジロカバ、ケヤキ、谷地ハン、栓、ミズキ、一位、イタヤカエデ、栗……ほかにハンノキもあるが、これは谷地ハンと別だろうか。よく、これだけ集めた。

しかし……こんな樹種の板を並べて、誰が買うんだ? これらの樹種の違いを楽しめる人なんて……どこぞの“ビーバー人間”だろう。。。ああ、わりといるんだな、そんな人が(^^;)。おそらく出荷した製材所も、なんらかのビーバー人間だろうし。ようするに、ここはビーバーの餌場(⌒ー⌒)。こんな木を眺めてニヤニヤする人がいるんだろう。そのうち罠にかかるかも。

ほかにも、いろいろあるよ。

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何に使うのかわからない木っ端の商品が。

2019/09/16

味な小屋

この時期に千葉を訪れたと書きながら、災害とは縁遠い天然ガスや花の名前なんぞと何を記しておるんじゃい、と思われる皆さん。はい。今夜もそうです(^o^)。

私が泊まったのはいすみ市なのだが、田舎を訪れたつもりが、意外なほど垢抜けしていた。アチコチにオシャレなカフェだレストランだ、ペンションだ。結構豪華なホテルもある。

どうやらサーフィンのメッカとしてサーファーが多く訪れる土地だかららしい。いや、訪れるというよりは移り住んだ人が多いのだ。移住者的な文化が漂っている。この日も海には,多くのサーファーが波に乗っていた。
そして田舎道を歩いていると、ふと目に留まるのは、こんな小屋。

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四畳半ぐらいの小屋。一種の別荘だろうか。いや、別荘に付属したビジターハウスかもしれない。

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ここまで行くと、遊びの小屋だろうか。カフェもやっている雰囲気。楽しんでつくっている。
だいたい、こうした小屋は移住者が好きなんだ(笑)。これが田舎の雰囲気を変える可知らになる。

簡単に自作できるキットもあるらしい。一時期、小屋ブームと言われて、小部屋に籠もる人も多かったのだが、私も建てたくなったのであった。自宅の庭に建ててやろうか。。。

 

2019/08/27

インスタとカッティングボード

飛騨で見かけた木工品。

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カッティングボードである。何人もの木工家の作品が並べられている。これこそが、今の売れ筋とか。

近年は高い家具はあんまり売れず小物に人気が移っている。まず器。次にカトラリー(フォークやスプーン、箸など)だった。そして、今の売れ筋はカッティングボードなのだそう。ようは、まな板なのだが……。
どんどん加工度が減っていき、ほとんど「板」やん、と思ってしまった。把手が付いているところに新味があるというか、わずかな腕の見せ所?

だが、ちょっと違った。そもそも使い道も単なる食材を切るまな板ではなくなっているのだ。

そう、この売り場の写真のように、カッティングボードの上に料理を乗せて「見せる」ものになっているのだ。従来の皿やトレイ、あるいはランチョンマットの役割を果たしている。もちろんアウトドアなどで持ち運びのできるまな板としての使い道もあるのだろうが、切った食材ををそのまま並べて食べるわけだ。

これが流行る一因が、インスタグラムらしい。つまり、カッティングボードの上に並べた料理を写真に撮るとインスタ映えするというわけ。実は切るのは別のまな板で、盛りつけだけがカッティングボードになりつつある。

だから木工家も、板に把手を付けるだけでは失格。料理を盛りやすく若干の窪みを持たせるとかの工夫もいるし、何よりデザイン的要素が重要となる。わざと樹皮や節を残したり、木目や色もこだわる。形も四角ではなくナチュラルな曲線にしたり……。センスが問われる。飛騨、高山では木工を学ぶ場が多く、そこから巣立って独立する木工家も多いわけだが、彼らにとって日常的に売れる貴重な商品アイテムになっていた。

まな板でなくカッティングボードと名を変え、役割も変え……もはや商品としても新たな存在になっている。インスタというか、画像で他人に見てもらいたい欲求が新たな商品を生み出すのか。

見習わなくてはならん業界は多いはずだ。

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