木製品・木造建築

2009/10/28

木造の超高層建築

東京より、帰って来ました。ヘロヘロ。

スカイツリーを見た影響を受けて、木造の超高層ビル構想を紹介しておこう。

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これは、建築家の高松伸氏が発表した、木造の京都市庁舎。集成材によって巨大な三角錐を組み合わせることで、高さ180メートルのタワーを作れるというのだ。

細かな点はともかく、技術理論的には可能なのだろう。

どこかで挑戦してくれないかな。

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2009/10/16

この木、何の木?

福井で見せてもらった、この木の板、さて、何の木でしょう。

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見た目はヒノキ? と思いかけたが、ちょっと違う。これほどネジくれた幹になるのは……実は、カイヅカイブキである。

そう、よく生け垣、庭木などになるカイヅカイブキ。通常は、小低木ぽいが、ヒノキ科の中でもビャクシン(イブキ)属だ。非常に強いヒノキチオールの香りがする。

なんでも墓地に生えていたが、だんだん伸びすぎて倒れそうになっていたから切り倒したものだという。そのままだと捨てられるか燃やされるだけだが、それをもらってきて薄板にスライスしてみた。すると、このとおりの赤い心材が美しいし、香りもよい。

そこで磨いて花台などにして売れないかとか模索中。

つい1枚もらってきてしまった。私も磨いてみようと思う。何かよい商品にならないかな。

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2009/10/14

木ロウソク・ボイラー

木ロウソク。あるいは木こり(樵)のロウソク、ときには切り株コンロなどと呼ばれるものを知っている人は多いだろう。

ようするに短い丸太にチェンソーで切れ目を十字に入れただけのものなのだが、この切れ目に着火材、あるいは火のついた炭を落とし込むると、この丸太は奥から燃えだす。

Photo                                                 

こんな感じ。

これが、なかなか火力が強くて、しかも炎は外に広がらないから安全だ。上にはそのまま鍋やヤカンを置いて調理することもできる。焚火にもなる。

これほど火付けが簡単で、安全に取り扱える、しかも作るのも簡単! なんだから、大いに普及させたいと思ってきた。

ところが、意外と広がらない。キャンプ場なんかで売ればいいのに、と思うのだが、あまり誰もやらない。何がマズいのか。簡単すぎる? でも、木質ペレットストーブは、薪より簡単なのが売り物じゃないか。それとも、今やキャンプ場も焚火禁止の流れの中で、これも使わせてもらえないのか。

さて、先般の福井県では、山の中に取材に行った。訪れた施設は、なかなか面白い試みをしていたのだが、そこで意外な計画を聞いた。

この木ロウソクを利用したボイラーを作るというのだ。

木ロウソクをボイラー室に放り込み、勝手に燃やしつつその熱を給湯や調理に使えるようにするものだという。

おお、これは盲点だった。どうしても木を燃やすから、嗜好品扱いをしがちだったが、これほど扱いが簡単なのだから、実用品としてボイラー燃料にするのは面白くないか?

薪ストーブや焚火そのものは、火付けが大変だったり、その後の火を保つ管理に人を張り付けないといけなかった。しかし、木ロウソクなら、一つ放り込むだけで、あとは6時間くらい燃え続けるそうだ。これなら山の家とかキャンプ場でも扱えるし、給湯などで役立つ。シャワー設備の隣に、木ロウソク・ボイラーなんて、面白い。

せっかくのアイデアを奪ってはいけないが、これを広めれば、山に捨ててある丸太が活かせるだろう。薪ストーブは、広葉樹材を求められたり薪割りの手間があるが、こちらは、スギでもヒノキでも、よく乾燥させればすぐ使える。

このためのボイラーづくりをできないか。

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2009/10/13

中世の建築

福井では、駆け足ながら「一乗谷」を訪れた。

戦国時代の越前朝倉家3代が拠点とした土地だ。あえて狭い谷に町を築き、要害の地としたのだが、織田信長に攻め滅ぼされたのは知ってのとおり。

その土地が、中世城郭都市の遺構をほとんどそのまま残すとして、国の特別史跡となっている。現在も発掘が続いているが、一部は復元されて、中世の街並みを再現していることで知られる。

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これは町人の家らしい。

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これが表通り。まさに土と木でできた町並だ。屋根は瓦ではなく、板葺きで石が乗せられている。色もなく、土と石と、くすんだ木材だけ。木はヒノキやマツが多いという。一部にはクリ材も使われている。

かつての日本の町は、こんな具合に地味だったのだろうか。

しかも、この時代には縦鋸もカンナもなく、主に手斧やヤリガンナで丸太を削り、割り、角材を作ったそうだ。

実際、この復元家屋にも手斧の跡が残っていた。写真を拡大してみると、

Photo_2

手斧の跡がわかるだろうか。なかなか細かなところまでこだわっている。

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2009/09/25

木製スツール

渋谷パルコの写真展会場に置かれていたスツール。

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なかなかオシャレだろう。スギ材を集成して、表面は手作り感を出した削り方をしている。またスギ材は柔らかいので、圧密加工しているそうだ。

やはりな、東京はこんな商品が開発されて、また売れるんだよな。

と思ったのだが、値段を聞いて仰天。

なんと一脚6万円! 

ちょっと暴利……じゃない? 販売者が暴利をむさぼっているとは言わないが、加工賃だけでは高すぎる。少数生産のためだろうか。それとも、デザイナーが「作品」として作ったので、高くなったのだろうか。

さすがに主催者側も「高すぎる」と言っている。とはいえ、4脚で24万円かけたわけだけど。

スツールそのものもは、切り株なんぞで簡単に作れるものだ。その場合は、原材料で1000円もしないだろう。だが、時間がたって乾燥すると、割れが入るかな。それだって、塗料で防ぐ手だてもあるし、そこまで高くならないのではなかろうか。

せっかくいい木材製品なのにな。この値段ではデザイナーの名前入りで売るような特殊な品になってしまう。それでは需要が限られる。せめて1万円前後にできないか。さもないと「売れる商品」にはならない。数が売れなければ、森林に対する影響も少ない。

                                                                                                                           

ちなみに、国産ヒノキの間伐材でつくったケータイ「TOUCH WOOD」が、発表になった。
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0909/24/news063.html

まだ試作品だが、ほしい(^o^)。これも、「more trees」プロジェクトで作られたものだ。

また、こんな木製ダンペルも発売されている。結構売れているそうだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyoguide/amuse/uresuji/CK2009091902000205.html

木製だから、あまり重くないだろうが、むしろその方が気軽な運動に使えるのではなかろうか。こちらは安い(^^;)。

こうした数の出る木材商品を開発してほしいね。

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2009/09/16

産地よりも樹種の鑑定を

毎日新聞によると、ここから本文です。現在の位置は独立行政法人森林総合研究所では、木の原産地を科学的に特定する研究をしているという。そして、産地偽装や違法伐採を調べようということらしい。

方法は、木の年輪部分の炭素の同位体を測定するもの。雨の多い年に育った部分は「炭素13」が少くなり、雨量が少ない年は多めになることを利用するらしい。そのため、ベイマツの年輪の「12」と「13」の比率を分析し、約100年間の変化パターンと、各地の降水量記録と比べている。

ご苦労さま、といいたい。

でも、これでわかるのは、実際の産地周辺150~300キロ程度だったという。当然、国境付近や年輪のない木、同じ国内でも気象条件の違う地域だと無理。

産地偽装や違法伐採の問題は、非常に根が深い。それを科学的に鑑定できればステキだ。しかし、私はそのためにも、産地そのものより樹種に注目すべきではないか、と思っている。

樹種を明確にすれば、木材の素性はかなりのところはわかるはずだ。なかでも海外では、多くの産地は、植林木であっても微妙に樹種が違う。だから樹種の特定で、かなり把握できるだろう。それも違法性は、木材からはわからないが、これも樹種によっては輸出できないものもあるので、ある程度までは、抑止効果になるのではないか。

加えて,私が期待しているのは、日本と海外はまったく違うことだ。つまり、樹種をラベリングできれば、自然と国産材と外材の区別ができる
世界各国からいかなる木材を輸入しているかを白日の元にさらすことは、国民の知る権利でもある。海外の産地の偽装を問題にする前に、国産材と外材の差をわかるようにすべきだろう。

そして、合板や集成材が何でできているか(ときに別種の木材を混ぜて製造していることもわかるはず)を知れば、国民も木材について考える機会も増えるのではないか。

森林総研では、DNAによる樹種や産地の区別方法も研究しているそうだ。これも、乾燥材では、DNAの抽出が難しいし、そもそもDNA解析は時間と手間がかかって実用的かなあ、とも思う。

疑問なのは、DNAまで持ち出さなくても、顕微鏡で木繊維を観察すれば、かなりの確率で樹種はわかるのではないか、ということだ。

木材には、産地よりも、樹種の明記を義務づけられないかなあ。

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2009/08/07

ルーマニアの木材

散歩しているときに、建築中の住宅に遭遇。

その敷地には、木材が山積みになっていた。柱材をよく見ると、集成材のプレカットだ。いまどき珍しくない。

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が、そこに張られているシールを読んで、驚いた。

原産国が、ルーマニアになっている。樹種は、スプルース。
そしてJASマーク。

う~ん、旧東ヨーロッパが経済的に勃興してきて、木材産業も盛んであることは漏れ伝わっていたが、現実にルーマニア材を身近に見ると、ちょっと感慨深い。(ただし、製造がルーマニアの会社なのか、ドイツ当たりの会社の工場なのかはわからない)

ヨーロッパ材が急進していることは知っているが、北欧、中欧に続いて東欧も日本をターゲットにしてきたことになる。人件費が安そうだなあ。

ここのところ、国産材の需要増が著しいが、いよいよ強敵が増えてきたぞ。

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2009/08/01

女子大生木材商品開発会議を開催

ついに女子大生と合コン、もとい、女子大生木材商品開発会議が開かれた。

会場の京都女子大学は、本日からオープンキャンパスを実施しており、門前より女子高生があふれている。女子大生のみならず女子高生も! とおじさんは奮い立ったのでした(笑)。

で、肝心の合コン、もとい女子大生木材商品開発会議は、午後2時スタート。時間前に会場に現れたのは男ばかりで、(-.-)……だったが、やがて女子大生、元女子大生も続々と現れ、10人を越していたかな。ちなみに参加者全員で24人と想定以上の人数。さらに京都新聞の記者まで取材に来ていたから、なんだか大げさになりすぎたかも(^o^)。

今回は第1回ということで、まずは自己紹介をしつつ、私ほか数人が持ち込んだユニークな木材グッズを紹介しつつ、思い描く商品アイデアを膨らませていくブレーンストーミング。否定的な意見は抑えて、どんどん連想ゲーム的にアイデアを出し合う。

たとえばディズニーランドのミッキーマウス形紙吹雪を木にするところから、ハート形の紙(木)吹雪、四葉のクローバー形紙(木)吹雪などというように。

詳しい内容は、少し整理してから紹介しよう。

今回は、大半が初対面同士だから、一種のアイスブレイク。やっぱり合コン、もとい女子大生木材商品開発会議は、お互いが和やかで遠慮のない関係を築かないと盛り上がらないからね(^o^)。

今後、2ヶ月に1回くらいの割合で合コン、もとい女子大生木材商品開発会議を開く予定である。その間は、ミクシィの「木ごころ知れた女心」コミュで、議論を深める。
最初はアイデアの数を増やし、やがて絞り込み、専門家の意見も取り入れて、実現化していこうと考えている。幸い、参加者には製材所や大工、家具職人までいて、試作品を作るまでは、そんなに心配要らない陣容だ。そして、それを販売するルートを持っている人々もいるのだから心強い。
もしかしたら、分科会をつくって、テーマ別(玩具、文具、家具、エネルギー……など)に進めることもあり得るかもしれない。

なかなか幸先のよいスタートをきれたかな、思っている。

そして合コン、もとい女子大生木材商品開発会議は、オーガニックレストランに場を移し、ネパール料理を食べながら二次会を楽しんだのであった(´-`).。oO

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2009/07/30

焚火の缶詰

まだ蚕を追いかけた旅の疲れが取れない……。

で、こんな話題提供にしておきます。

毎日新聞によると、「たき火の缶詰」という商品が開発されたそうだ。

岐阜県中津川市の加子母森林組合と、東白川村の木工加工会社「ライフフォーレスト」が共同開発したもの。

どんな缶詰かというと、一斗缶の中に、ヒノキのおがくずなどを固めた燃料「まきちゃん」5キロと、火付け用のかんな屑、それに鍋と蓋、マッチ、軍手、火挟みが入っている。これに火を点けると、だいたい2~3時間燃えるそうだ。また別売りの追加燃料もある。
これで暖をとれるとともに、煮炊きもできる。缶詰には、ちゃんと空気穴があり、そのままたき火を行える仕組みだそうだ。重さ約8キロ。1缶2980円(送料別)。詳しい使用説明書も付いている。

ようするに災害時の非常用燃料セットである。おが屑をいかに売るかという点から開発したそうだが、一つ一つは何のことはない品だが、セットにすることで至れり尽くせりのたき火セットになる(^○^)。

こうした商品をマジメに考え、開発し、販売したことに、この森林組合の頭の柔軟さを感じる。明後日の、女子大生開発会議でも、こうした発想に負けないよう期待したいものである。

災害時の避難先に指定されている役場や学校などに常備しておくよう営業をかけるのも面白いかもしれない。が、いっそのことたき火をしたくても、なかなか機会のない都会派アウトドア愛好家に売りつけるのもよいかもよ。

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2009/07/25

病院特別室の天井

父が病院内で引っ越しをしたのだが、いろいろあって特別病室入り。

それがすごいのだ。もちろん一人部屋だが、なんたって畳敷き(^o^)。そして木調家具があり、冷蔵庫も洗面台も付いている。ベッドだって木製だ。窓の外には緑も見えるし。

いやあ、私も見舞いに行ってくつろげる(^○^)。寝っころがれるぞ。

そして驚いたのが,天井だ。

Photo こんな感じ。

ここも木調である。

ただし、よく見ると、印刷であった……。

それでも木目はみんな違うし、木目の盛り上がりもある。触ると(わざわざベッドの上に立って、天井を触った)ほんのり柔らかい。おそらく樹脂製だろうが、よくできている。

こんな偽木材が出回るようでは、真性の木材製品が売れなくなるはずだ。

ただ、これまでの無味乾燥な白い壁(でも、染みがある)と、金属製ベッドに家具、カーテンだけの病室とは雲泥の差。

何も差額ベッドだからよいという次元ではない。あきらかに病人の心によい影響を与えるのではないか。

そこで考えた。

木製の内装を病院に売り込めないか。患者の気持ちをよくして病気が早く治るというデータでも付けたら、人気を呼びそうな気がする。

ただし、高いと差額ベッドにしか使われない。簡単・安価であることが重要だ。この際、合板でもよいから、自然素材を病室に使うことが重要だ。

ちなみに、父の病室には特別料金を払っていない。今回はたまたま。だから、いつ追い出されるかわからない(^o^)。

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2009/07/18

おが屑も商品化

木材の価格が下落しているとき、「おが屑の方がよく売れる」という声を聞いた。

以前から、木材の単位は小さくなる(丸太-製材-集成材-合板-パーティクルボード(チップ)-ファイバーボード……)ことを指摘して、将来は木粉が主流になるんじゃないか、と冗談で予言してきた私としては、一歩現実が近づいている(笑)。

実際、おが屑は、いろいろ需要がある。とくに家畜の畜舎に敷く敷き材としては貴重だ。これまでは藁がよく使われたが、藁が手に入りにくくなったうえ、おが屑の方が処理が簡単らしい。さらにキノコの菌床としても利用される。エノキタケやブナシメジなどは購入時にくっついているからよくわかるが、シイタケだって今では菌床シイタケの方が多い。そのほか、農家でも利用するし、オガライト・オガ炭を生産しているところもある。

また、木質ペレットに固める前の木粉を、そのまま燃焼させる方式も模索されている。

だが、おが屑は、製材を行って出るものであり、木材が売れない、製材が行われないと生産されない。そのため製材業が不振だとおが屑は品薄になってしまう。すると価格が高騰する。昔は廃棄物扱いだったのに、今やおが屑の方が価格が高い? と冗談が出るほどだ。

そこで、最初からおが屑を生産することをめざす会社が現れた。

栃木県の小金建設は、製材所などから端材や間伐材を集めて、おが粉を製造する事業に乗り出すそうだ。1000万円かけておが屑製造用機械を設置するという。社員も7人派遣する計画。建設会社の異業種進出の一つである。まあ、農業や林業への進出よりは、本業に近いかもしれない。

ただ、おが屑の販売先は、ペレットの原料などだというから、(^^;)である。まあ、需要があってペイするならいいけどね。来年度に960万円の売り上げをめざすそうだ。

おが屑が、廃物利用から木材の主力商品に変わる日も来るかもしれない。

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2009/07/14

商品市場の変化を考える

女子大生・木材商品会議に向けての、思考トレーニング

そこで思い出したのが、以前聞いた「市場の移り変わり」論だ。

日本のような先進国の市場は、単にモノの売り買いだけではなくなっている。

ちょうどテレビドラマ「官僚たちの夏」で、昭和30年代の国産自動車やテレビの開発の状況が描かれているが、それも参考になる。

まず、当初は売り手市場だ。ものが足りない状況。発展途上国型と言えるかもしれない。その場合に必要なのは、供給量を増加させることである。
車なら、まず自動車自体を製造して世に出すことが重要だ。輸入することも考えられる。ちゃんと安定供給されることが重要だ。すると、どうしてもほしい人が高くても買う。
実は、木材に関しては、昭和30~40年代がそれに当たる。とにかく木材不足だった。住宅だけでなく、さまざまな建築資材としての木材が求められた。だから外材も輸入したし、国産材も品質無視で供給された。

次に品質競争。当たり前だが、単に自動車、あるいは木材であればいいのではない。さすがに欠陥品はマズいことに気づく。自動車ならちゃんと走ることが重要だ。故障が多くても困る。木材も正確な寸法や強度が求められる。
もちろん自動車はこの点をクリアした。が、現在の国産材市場は、まだこの段階も完全にクリアしていない。

やがて訪れるのが、コスト競争。ちゃんと走る車が、必要量供給されることを前提に、安いものが売れる。木材も同じ品質なら安い方がよい。だから円高で価格がどんどん安くなった外材も喜ばれた。そのうえ品質も輸入商社が検査して確保した。国産材の価格は、その後下落を続けて安くなったが、品質とのバランスで、いまだ足踏みを続けている。

そして、安定供給され、品質も価格も十分になってくると、プラスαが求められてくる。
現在の自動車は、安全性を高めるためABSやエアバックを装備したり、衝突安全ボディを売り物にしている。カーナビ標準装備を掲げるところも現れた。
この点に関しては、木材は出る幕が少ないが、ツルツルに表面をモルダー加工したり、色合い無節、木目などを強調するのは、この一つか。表面の圧密加工とか、防腐剤注入材もある。これは高級材としての分野としてみると、すでに先に進んだ。ある意味、過去の木材市場は、この部分が肥大化してしまったのではないか。一部の林業地は、品質競争を抜きにして、このプラスαに走ってしまった

最後に、成熟市場が訪れると、もはや製品自体の性能では差がつかなくなる。
そこでトータル競争の時代が訪れている。具体的には、企業イメージだ。どんな立派な自動車を安く開発しても、その自動車会社が贈賄事件に絡んだり、派遣切りを率先してやれば、イメージは降下する。社長、社員のモラルも問われる。
だから自動車も、CMでは「家族団欒」とか「スポーティな走り、乗り心地」などを売り出すしかないし、企業も社会貢献を考え出す。環境のことを考えて植林します、なんてのは、その一つだ。
こちらは、木材-林業界にとって何ができるだろうか。もともと森林は環境に密接しているのだから、もっとも売り出したいものなのだが、現実には森林伐採のイメージを持たれてしまった。そこで合法証明を付ける、FSCやSGECなど森林認証制度や木材認証制度で、環境負荷度や品質保証、行われている。トレーサビリティも、その一つだろうか。

さて、この展開の中で、何が求められ、どんな商品が作られるべきだろうか。

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2009/07/12

本榧の碁盤

昨年亡くなった叔父の遺品が、実家に届いた。

本榧の碁盤である。

Photo                                              

見ていただきたい。この厚さ、そして柾である。どこを見ても節は見つからなかった。年輪の流れを見ると、この素材となったのは、おそらく直径1mを越える大榧だっただろう。

国内産か、あるいは中国や東南アジアなど外国産かはわからないが、これほどの木はそうない。

なぜか、碁盤といえば、最高級の品は榧の木製である。碁石や将棋の駒を置いた時の音がよいとされる。とはいえ、価格もとてつもない。

試みにインターネットで検索してみると、中国産でも55万円以上、国内産の木によるものなら77万円といった値段が付けられていた。もっとも国内産の本榧の柾目となると、ときとして1000万円を越える値段が付くものもあるという。

遺品には、碁石などもセットになっているから、100万円を越す逸品だとしてしもおかしくない。国内産の場合は、どこそこの榧の木である、という履歴もわかるようだ。

仮に、こんな榧材が、1立米あれば、何百万円になることやら。1本全体だと数千万円もあり得る。もしかして、木材価格としては最高レベルかも。

ただ、こうした碁盤の価値は、稀少性も絡んでいるだろう。こんな木がたくさんあったらいいな、と考えてはいけないのである。

叔父が残した碁盤と碁石などを引き取ってくれと言われて受け取ったのだが、父母も、今は囲碁をしない。私も囲碁には縁がないし、どうしたものか。
叔父は、囲碁を愛していたことは聞いていたが、これほどの盤石をどこで手に入れたかわからない。

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2009/07/10

木材商品・風呂木

8月1日の女子大生・木材商品開発会議の前に、新しい木材商品を紹介しておこう。何かの参考になれば幸いである。

熊野古道近くの山林で育った尾鷲ヒノキの木片が「入浴木」として売り出されている。
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/mie/090708/mie0907080225000-n1.htm

尾鷲市内の入浴施設「夢古道の湯」で販売しているもので、熊野古道沿いの市有林から出た間伐材などで製造している。その商品は。

ヒノキを直径9センチ、長さ11センチに円柱加工して磨いたもの

毎月数百個、1年で約8000個が売れたそうだ。ようするに風呂に、ヒノキの片を浮かべておけば、ヒノキの香りがする、という入浴剤代わりなのである。(2個で840円)

ミソは、「熊野古道の森からのおくりもの」と焼き入れていることだろう。お土産になるのである。最近は入浴業者向けの長さ1.5メートルの丸太も売り出して、北海道から熊本県まで約40カ所から引き合いがあるらしい。

実は、この木片を入浴剤にするアイデアは、先輩格がある。

それは㈱四万十ドラマの「風呂板」だ。ヒノキの小さな板に、少しヒノキオイルを塗って風呂の入浴剤として歌出して馬鹿売れしたらしい。こちらは3枚で600円とか。

どちらも、尾鷲ヒノキ・熊野古道とか、四万十川のネームバリューを最大限に活かしたことは間違いないが、小さな木片が高付加価値商品になる見本だ。

風呂にこだわらなくてもいい。
実は、私も尾鷲の製材所でもらってきたヒノキの円柱を、車内やトイレに置いていたことがある。匂いがしなくなると、少しずつ円柱を切り落とす。すると,またヒノキの芳香が漂うのである。
そこで考えたのは、カッターナイフの刃のように簡単に切り落とせる切れ目を入れておくことだ。素人はノコギリも持たないし、切るのは結構大変だ。しかし、手でパキン! と割るようにできれば、簡単に新しい香りが出せる。これで芳香剤として商品にならないかと考えていた。

こんな商品開発、やってね。

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2009/07/06

第1回女子大生・新商品開発会議in女子大

懸案の女子大生による木材新商品開発会議を開催します。

以下の日程・場所という案が出ています。もし異議がなければ、この線で進めます。

日時:8月1日(土)14:00〜16:00

場所:京都女子大学のどこかの教室

議題:これからの木材新商品開発会議の進め方について

申し込み;参加希望者は、直接高桑(takakuwa@kyoto-wu.ac.jp)まで、氏名、職業、連絡先(メールアドレス等)をお知らせください。

同時進行で、ミクシィのコミュ「木ごころ知れた女心」で意見交換を進めますが、今回は顔合わせとともに、具体的な会議の進展を図るための方策を探りたいと思います。

参加資格は、もちろん女子大生だけではありません。さまざまな分野の人が交わることで、新たな発想を紡ぐことを目的としています。だから、まったく木材に関係のない世界の人も歓迎です。いえ、そうした人こそ期待します。

同時に、木材を扱っている人の参加も望みます。単なる夢物語を語って楽しむだけで終わらせるのではなく、目に見える形で商品を提案したいからです。

斬新な発想と、様々な業界のプロが結びつくことで、現代の混迷を破るトバ口にしたいと思っています。

なお、終了時間が午後4時と比較的早く設定していますが、参加者間のアイスブレイクも大切ですよね(^^ゞ。期待しています。

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2009/06/30

ペレットに希望を託す理由

森田稲子のブログ」で、私の木質ペレット批判に対して反論が行われている。

さっそく私も再反論……という展開になってるが、ここで考えてみたいのは、なぜ木質ペレットにそんなに入れ込むのか、という点である。

もともと前世紀の末頃から(といってもたかだか10年ほど前だが)、バイオマス・エネルギーという考え方が登場した。これはヨーロッパで進んでいた木材発電・熱供給(コジェネレーション)などの動きが輸入されたと言えるだろう。

実際、私も『伐って燃やせば「森は守れる」』で、木質のエネルギー利用について紹介している。その後、カーボン・オフセットなどで理論武装も進み、国も「バイオマス・ニッポン」構想も打ち出し、広がっていく。私も、それらに反対ではない。私が批判しているのも、木質ペレット全体ではなく、林地残材によるペレットと言ってよい。

が、そのバイオマス・エネルギーのアイテムとして、木質ペレットが紹介されるや否や、多くの市民が「熱狂」してしまうのである。数々のNPOが木質ペレットに取り組み、シンポジウムが開催されたり、普及活動を自主的に行った。
森林組合などもペレット工場を建設した。ペレットストーブも輸入したり、国産開発が行われて、さらにペレットの配送や通信販売を行う会社も登場した。それが運動か、ビジネスかはさておき、実に多くの民間が木質ペレットに未来を描いたのである。
山元も、木質ペレットそのものに対してどう思っているのかはっきりしないが、少なくても木が売れない! と悩んでいるところにバイオマス燃料としての木材の用途が示されたことで、林業復興の一縷の希望を抱いたのだろう。

木質ペレットそのものだって欧米から輸入された発想なのだが、これまで木質バイオマスと言えば、薪か木炭くらいしか思い付かなかったところに、ペレット化というのは、かなり斬新に思えたのだろうか。輸送や貯蔵に便利、自動供給も可能などの利点に飛びついたように感じる。政府が、バイオマスに注目した流れからペレットに目をつけるのなら理解できるが、なぜ一般市民までが木質ペレットに入れ込むのだろうか。

その理由の一つに、扱いやすさがある。また巨大産業ではなく、身の丈にあった活動が可能という点もあるようだ。

たしかに、薪や木炭といった古典的?木質バイオマスは、火付けも大変だし、維持管理もちょっと技術がいる。一酸化炭素の発生の心配もしなければならない。これを趣味のレベル以上に普及させるのは大変だろう。
一方で、それまで木材発電と言えば、製材工場の端材・廃材をそのまま燃やすボイラーか、製紙工場の黒液(木材よりパルプを作る際に出るリグニンなどベンゼン系の液状物質。よく燃える)による燃焼が中心だった。こちらには巨大プラントが欠かせず、市民団体には手が出ない。

だが、ペレットなら、簡単な機械があれば作れる! 製造や販売、宣伝の役目を担える。
そして自分も、地球温暖化防止の一角に参加できる。林業復興の一助ができる。林地に残る伐り捨て間伐の残骸を救う手だてになる。

そんな思いが、今も木質ペレットを推進する原動力になっているのではなかろうか。

ただ、バイオマス・エネルギー、そして木質ペレットに入れ込んで勉強を始めた多くの人は、徐々に暗くなる。どうやったってコストが引き合わない。そして気候や人口配置から考えても日本では売れないことに気づいたからだ。
さらに欧米に視察に行って、あちらでは林地残材を搬出するのに、ほとんどコストもかからず(作業道網が整備済み)、端材・廃材を使った木質バイオマスが作られている現実に向き合う。林地残材は無料で、ましてや林業と違った次元で考えられていることを知って、いよいよ意気消沈する。バイオマスは林業ではなく、資源エネルギー問題なのである。

近年、国のバイオマス・エネルギーの趨勢は、バイオ・エタノールの方に向かっている。エタノールという液体燃料にしたら、ガソリン供給などで形成された既存のインフラがほとんどそのまま利用できる。自動車もスタンドも、わずかな改造で済む。木質のエタノール化はまだ未完の技術だが、将来的には木質ペレットより期待できるだろう。

が、市民団体は、あまり入れ込まないのである。なぜなら、エタノール化には、それなりの規模のプラントが必要で、弱小の市民団体には手が出ないからだ。せいぜい天ぷら油のバイオ・ディーゼル化くらいに留まる。

そろそろ名誉ある撤退を考えたらどうだろう。もともと木材のエネルギー利用とは、薪利用のように地域内で小規模に行うか、巨大プラントによる端材・廃材処理で行うものだ。あるいは国家規模で研究してエタノール化を実現するか。ペレットも、廃物を活かすつもりで利用法を考えれば、十分に価値がある。

だが、決して木質ペレットは林業の救世主にはならないのだ

林地残材を、「ペレットくらいしか加工できない」なんて頭を硬くせず、それこそ女子大生の協力も得て、高付加価値でどんどん消費される木材商品を生み出す方が、よほど市民が取り組む林業復興になると思うが、いかがだろうか。

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2009/06/29

女子大生と木材新商品づくり

コメント欄で展開していては、読まない人もいるだろうから、改めて独立させる。

「マスコミ業界が瓦解する理由」のコメント欄で、「女子大生と木材の新商品を開発しよう」というネタで盛り上がっている。

しゃべり杉爺さんより、京都の女子大生が参加する意向が示され、それに吉野の製材所が応じた。行政職員からも賛同の意を寄せられている。

そこで関西を舞台にした現場の会議(なま女子大生と囲む会議)と、ネットによる意見交換の場づくりが考えられている。もう少し仕組みづくりを詰めないといけないが、女性の斬新な視点と、現場の声を活かしたブレーンストーミングを行えれば面白くなるだろう。

そして、これはと思うアイデアが出たら、試作品を作って世に問いたい

そこで、基本となる商品開発の要諦を考えてみた。

1、木材を売れる商品にすることで、木材の需要を高め、山里に利益を還元して森林再生を図る。

2、身の回りに木材による製品があることで、木材への愛着を深め、ひいては森林、山村への理解を持ってもらう。

3、そのために必要な木材商品とは、なるべく付加価値の高いものである。さもないと山里への還元が進まず、継続したやる気も持てない。

4、しかし、少量しか消費しないものでは困る。森林への影響が少ないからだ。たくさん売れるもの、あるいは繰り返し購入したくなるものを狙うべきである。

5、大木とか無節など、珍奇な素材を使って作る品では意味がない。どこにでも溢れている木材、あるいは現在商品化が行われていず無駄に廃棄されているような素材を使うこと。

6、特殊な技術を有する職人しか作れないような商品もダメ。それはアートとか作家性の高い商品であって、木材消費量の増加につながらない。売れるとわかれば増産が可能な品であるべき。

……このようなルールを考えてみた。

たとえば割り箸は、いずれにも該当する。端材を使って作り、消費材であり、一定の機械があれば誰でも作れる。そして木材量から考えると極めて価格が高い。仮に1膳2円としても、1立米の木材から3万膳作れるとしたら、6万円だ。それは、かなりの高級木材商品である。

一方、燃料用木質ペレットは、4、5、6には該当するが、3には合わない。燃料はあまりに安くて引き合わないからだ。しかし、木質ペレットでも燃料以外の用途を提案して、価格を引き揚げることも可能だ。たとえば「室内にも設置できる清潔・高級砂場の素材」としてペレットを売り込み、1キロ150円で注文がとれるなら、十分採算に合う。

どうだろう? どしどし参加者、そしてアイデアを募集する。とくに女子大生、いや女性歓迎(^o^)。

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2009/06/22

内装・外装商品の企画募集

先週末から続いたトビムシ・セミナーやその後連日となった飲み会で話題になったのは、やはり木材の商品開発であり、それをいかに売り出すかという営業戦略であった。

いかに不景気であろうと、売れる商品はある。儲かっている会社はある。不況のせいにして補助金に泣きつくことが、ビジネス体力を奪っている。

それぞれのセミナー、飲み会では、それらのヒントになる話がいっぱいあった。事実、儲けている人もいた。「ここだけの話……」利益率が馬鹿高く、手間もかからず濡れ手に泡、のような話もあった。立米50万円くらいで木材を売るのだ。

ま、それらのネタはこのブログでは披露しないが(^^;)、頭を使えば可能なのである。

そこで、こんな募集を紹介しよう。

住宅分野への地域材供給シェア拡大総合対策事業
地域材を生かした新製品企画の募集について

(財)日本住宅・木材技術センターと、(社)日本木材保存協会が、林野庁の助成を受けて、スギ、ヒノキ等の地域材を利用したマンションの内装材、もしくは住宅の外構材の新製品の企画を募集しているのである。

審査に合格すると、新製品開発のために必要な経費への支援(内装材及び外構材とも、400万円まで)と、製品開発に当たって専門家等からの指導、助言及び開発された製品の普及に対する支援が行われる。

悪くない話だ。箱ものではなく商品開発に公的機関が支援することは喜ばしい。

そして、内装材、外装材というのも、私の思いとぴったりだ。

私は常々、木材を構造材にしていては、いきづまる、と言ってきた。はっきり言って、木材は金属やコンクリートなどの構造材マテリアルにかなわない。いろいろ理由を付けて木材の優位性が語られるが、それは虚構だ。
強度なら鉄骨や鉄筋コンクリートの方が木材より強いに決まっている。耐震でも耐火でも、木材は劣るのだ。もちろん、それぞれ素材のメリットデメリットはあるが、木材がほかの構造素材を蹴散らすほどの優位は存在しないのだ。

唯一、木材が絶対的優位を保てるのは、感性に訴えることである。人の目、手触り肌触り、香り、温かみ……そして、何よりも天然物という心に訴えるもの。これだけは木材がほかのマテリアルと違いを主張できるのだ。
そして、感性素材としての木材が活かされるのは、内装材と外装材しかない。しかも、装飾用木材は通常薄く板にして使うから、難物の乾燥でも有利になる。単価は高く、一点当たりの使用素材量は少ない。
逆に、いくら構造材に立派な木材を使っても、上から新建材で覆われたら感性効果は何もなくなるだろう。

だから、木材の、内装材と外装材新商品を開発しろ。いろいろな機会を捉えて私はそう発信してきたつもりだが、あまり賛同が得られなかったようだ。

しかし、今回の企画募集は、ドンピシャ、その路線である。まあ、応募条件は法人格を持つことで応募期間も一ヶ月を切るなど、多少制限はあるが、厳しくはない。

我と思わん業者は、応募してはいかが。

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2009/06/10

200年住宅よりも、20年住宅!?

政府が、長期優良住宅促進法という法律を施行した。

いわゆる「200年住宅」制度というもので、長く強度を保てたりシロアリ対策をしている、間取りを変更しやすいなどの構造を取った家は、住宅ローンや税金などが優遇されるらしい。こうした家づくりを進めたら業界の信頼感が高まるから、住宅市場の起爆剤になる……と期待しているらしい。

でも、なあ。日本の住宅の寿命が短いのは、構造の問題だけだろうか。
やはり時代とともに求めるデザインや機能性が変化することが大きいと思う。さらに日本人の感性として「禊ぎ」の精神から、世代が変わったら一新したがるからではなかろうか。伊勢神宮に始まる発想だ。実際、私も今両親が住んでいる家は、私には使い勝手がよくないもの(^^;)。

それに、素朴な疑問として「味長持ちのガム」のコマーシャルじゃないけど、住宅も長持ちさせたら買う人が減る、住宅市場は伸びるどころか縮小するんじゃないの?

折しも、今年4月の新設住宅着工戸数の発表があったが、前年比32,4%減の6万6198戸である。5ヶ月連続の減少となった。とくに6万戸台は2ヶ月連続で、過去最低水準だそうだ。このままだと年率換算値は77万9000戸

減少傾向にある住宅着工戸数だが、それでも毎年100万戸を切ることはなかったはず。たしか昨年度も110万戸ぐらいはあったと記憶している。それが78万戸前後になれば、約3割減? か。 このうち木造建築が何軒になるかわからないが、林業界にとっても、需要の激減が予想される。

木材需要の点から考えると、いかなる住宅政策の方向性が考えられるか。

いっそ、20年住宅を開発する。20年ごとに建て替えることが前提の住宅で、ローンも20年以下になる超低価格住宅。どうせ地震国の日本だから、潰れるのが前提でもいいんではないかい? ただし強度だけは確実にする。家が壊れない強度ではなく、中の人や財産を傷つけない強度だ。実は、これに木造は向いている。
こうなると、「飽きたらから建て替えよう」という人も現れて、よく木材が売れる(笑)。

リノベーション住宅というのはどうだ。間取りも窓の位置も内装デザインも簡単に換えられる住宅。日曜大工感覚で、壁の板を外しては、新しい板や窓枠にできる。玄関の戸とか部屋の戸も交換できる。その度に部材を買わせる。

もう少しマジメに考えると、住宅着工件数が減るのは、仕方がない。人口が減少しているのだから。しかし、今や住宅は木造の割合が減っている。だから住宅の木造比率を上げることをめざすべきだ。
だから、法律で鉄骨住宅を禁止する(^^;)。新建材も使わせない(*_*)。……は、無理だろうが、木材使用比率によって税制を優遇するような考え方は不可能ではないはず。減価償却期限の見直しとか、住宅所得税の変更で対応できないか。いっそのこと、国産材を使うことでウッドマイレージCO2の削減を計り、その分をカーボン・オフセットの理屈で売買できれば、国産材住宅の方が実質安くなるのではなかろうか。

しかし、何よりも使いたくなるような木質建築材を開発することが先だろうな。

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2009/03/24

紅白のスギ内装材

日本住宅・木材技術センターが、昨年3月に東京・新木場で国産材利用技術に関する発表会を開いたレポートというのが、ネットで見つかった。

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/kenzai/20080421/518671/?ST=building

この記事のタイトルにもなっているが、私は、今後の木材の生きる道は、内装材しかないと思っている。量的には構造材が多く、今も国産材と言えば、そちらに生産が傾斜されているが、将来的に構造材需要が減ることはあっても増える要素はないと見ているからだ。

そして、木材の特質を活かすのは、直接木部を見て触れる使い方をしなくてはならない。構造材に必要な機能のほとんどは、別の素材で代替できる。なかには木材より優秀なものもたくさんある。

さて、そのつもりで記事を見ると、しょっぱなに載っている中西木材の「デザインウッド」に目が行った。写真を見てほしい。

スギ材で作った集成材なのだが、紅白(芯材と辺材)を交互に張り合わせて模様にしている。これまで紅白が混じった材は、嫌われてきたのだが、あえてデザイン化したのだ。そして、実際に素敵に見える。
国産材を使うと「和風になる」と嫌う施主が多いなかで、これは洋風にもマッチしそうだ。

こうした商品開発は、あちこちで提案されているのだが、なかなか普及しない。その理由は、施主が嫌がるからではなく、業者が嫌がるようだ。昔ながらの「紅白の材は低質」の概念が抜けないため、作りたがらない、使いたがらないのだ。
この壁を打ち破り、広くこの手の商品が出回ると、きっと木材需要が増えるだろう。

この記事の筆者は、そうは思わないようなのが救いだが、それでもひっかかる点がある。この商品の心配な点として、

「もう一点は価格。原料がスギなのに広葉樹並みの立派な値段が付いている。製造段階で人件費がかかるのであれば、赤い部分をチークなどの広葉樹にする選択肢もあればより良いと思った。 」

なんで、材料がスギだったら、広葉樹並の値段を付けたらいけないのだ? ましてや「赤い部分をチークなどの広葉樹にする」なんて、本末転倒じゃないか。売れるのなら高く付けたらよい。売れないならチークであっても安くすべきだ。

木材は、感性の素材だ。だから構造材よりも内装材であり、価格は消費者が決めるべきなのだ。

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2009/03/22

吉野屋に木造店舗

牛丼の吉野屋。ここで展開する新店舗が、木造が登場しているそうだ。

平成20年度は、新規出店約80店舗のうち約90%を木造で建設したという。今年度も同規模の木造店舗(約80店)を建設する予定だ。ただ、それがどんな経営戦略なのか、詳しいことはわからない。

それにしても、吉野屋と言えば、この3月16日に「リターナル箸」という名の樹脂箸を全国に展開すると発表したばかり。ようするに割り箸を廃止するというわけだ。それにより原木換算で14000本を使わなくて済む…二酸化炭素を6345トン削減すると、自慢している。

その代わり石油(樹脂)を使うんだけどね。こちらの二酸化炭素排出量は示していない。

その一方で、木造店舗を増やしていることを、どのように説明するのだろう。こちらは、「森林の健全な育成のために」なんて言うのだろうか。割り箸廃止の言い分と矛盾するじゃないか。

まあ、私が「吉野屋」で牛丼を食うことはないだろう。

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2008/12/17

杉玉細工

004智頭の町でよく見かけた玄関先の杉玉。

なかなかオシャレなエクステリア?になっている。

杉玉とは、スギの葉で作った球状の玉だが、普通は直径30センチくらいある。主に造り酒屋の軒先に吊るすもので、これが新酒の完成を示す。まだ青い杉玉が出たら、今年の新酒の売り出しだ。醸造が進むにつれ、茶色になる。

これを智頭では、町の象徴にしているらしい。写真のように屋根まで付けたり、フクロウの顔を作ったものもある。スギの葉細工を広げようという町おこしらしい。

「杉玉道場」という看板を掲げているところもある。観光客に杉玉つくりの体験をさせてくれるのだ。ただし、大きな本物は3、4日もかかるので、小さなものである。値段も1万円くらいはする。そこで小さなものを半日で作ってみようというわけだ。
とはいえ、手作業。スギの葉を針金の玉に差し込み、それをチョキチョキハサミで切って球に仕上げる。

こうした伝統的な細工物を、今風のインテリアに仕上げて売り出すのはアイデア商品だ。結構な土産物になるかも。
できれば、さまざまなデザインと、簡単に大量生産できる作り方、考えてください。

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2008/12/12

木造文化財と木材

昨日の話題ともつながるのだが、先日、「文化遺産を未来につなぐ森づくりの為の有識者会議」が結成されて、主に歴史的木造建築物の修理修復に必要な大径木を今から作る、そして残しておく運動が始まっている。
すでに吉野杉など各地の大木が登録申請に手を挙げたようだ。

同じような動きは、すでに10年近く前から立松和平が仕掛けた「古事の森」づくりがある。今から林齢300年400年の森を作ろう、という運動だ。

実は、その時から疑問に思っていたのだが、どうして歴史的建築物の修理には大径木が必要なのか。たしかに現在残っている建築物の素材は大径木だったとしても、それを修理するのに同じ大径木にする意味はあるのか。

今の技術なら、小片を組木にしてもよいし、集成材や合板だってよいのではないか。接着剤の寿命がどうの、いうのは言い訳だ。その点は技術力でクリアできる。

そもそも歴史的建造物は、長い間に修理する時、常にその時代の技術を取り入れてきた。また素材も変えてきた。
法隆寺だって、創建当時にはなかった筋交いが入っていたり、唐招提寺も木小屋、いわゆるトラス構造を後世取り入れている。そして、東大寺大仏殿では、明治の大修理の際に、イギリス製の鉄骨を屋根に入れたし、一部はコンクリートを使っている。当時は、それが最新の技術であり建築素材だったからだ。また木造の柱も、寄木だ。

今でも、国産の大径木がないからと、台湾やら北米、アフリカなどから仕入れた外材を使った歴史的建造物は多い。

さすがに木造建築物の修理に鉄やコンクリートを使えとは言わないが、現在の人工林から取れる木材を集成して大径木に仕立てて見せることも、後世に残す技ではないかと思う。そして、本当に価値ある歴史的建築物なら、素材や構法がなんであれ、価値は減じない。

たまたま残ったのではなく、残したいという思いが今に伝えたのだから。

……とまあ、理屈こねるよりも、今から300年後目指して大径木を育てるとか、あと200年伐らないと登録するという発想に、何かうさん臭さを感じるのだ。きれいごとすぎる。どうも今は材価が安いから伐って売るより登録しておこう、上手くいけば補助金もらえるかもよ、というような意図が透けて見えてしまう。
いくら今約束しても、100年もしたら、後継者はさっさと高値の時に伐ってしまいそうな気がする。

Photo                                                  

大仏殿の柱。人がくぐり抜ける穴があるので知られるが、よく見ると、この柱は寄木であることがわかる。鋲と鉄輪で集成してあるのだ。大仏殿は集成材づくりである。

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2008/12/10

200年住宅

国土交通省が提唱する超長期優良住宅、いわゆる200年住宅の先導的モデルとやらが発表になっている。

やはり新築、それも木造住宅が多いらしい。それ自体はいいのだが、どうも解せない。というのは、そこで語られる200年の寿命とは、まず強度である。耐震性などを重視しているようだが、それは当たり前だろう。しかし木造は、本来そんなに長持ちするだろうか。
そう言うと、すぐに法隆寺なんぞを持ち出されるが、あれが1000年保っているのはしょっちゅう修繕しているからだし、その度に部材は交換している。そして莫大な補修費をかけている。

住宅は、そうまでして維持すべきものか?

たしかに日本の住宅の寿命が平均30年を切るのは短すぎるとは思うものの、ライフスタイル自体の時代の変化もある。今から30年前の住宅と比べると、現代はパソコンなどのネットワークが必需品だから、住宅もインテリジェント化が求められる。

ただ、私が気にするのは、住む人の趣向でありデザインだ。どんなに強固で便利で合理的な構造でも、自分の感性に合わないと住みたくない。親の建てた和風住宅はいやだ、という子供もいるだろう。

実は、私自身がその問題に直面している。私の両親は今だ健在で近くに家を構えているが、もういい年だから同居も考えないといけない。しかし、両親の家のどこに私が仕事場を構えるのだ? と悩んでしまう。それなりに仕事のしやすい(そして生活もしやすい)環境にしようと思ったら大改造が必要だが、それを両親が認めるとは思えない(-.-)。どうせなら両親がいなくなってから、自分好みに建て替えて住みたいと思ってしまう(~_~;)。

そこに日本人的な、代が変われば新しい器を求める感性もあるように思う。

200年住めます、と言われても、30年前の住宅には住みたくないです、と思っている人も少なくないのではないか。そもそも子供の代が同じ場所に住むとも限らない。田舎暮らしに憧れる夫婦の子供は、ほとんど都会に憧れる(^^;)という事実もある。

無理して長期住宅を設定するより、解体の楽な(環境に優しい)建築方法を開発するとか、中古建材の流通機構を整備する方がよいのではないか。また同じ家族・親族が住み続けると設定するよりも、持主が変わることを前提にした、中古住宅の取引市場を活発化する方がよいのではないか。
さらに日曜大工的リフォーム素材の充実のような、安上がりで自分好みを実現しやすいリノベーション市場を作るのも面白いかもしれない。

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2008/10/11

明治神宮の大鳥居

闊歩してきました、東京の森を。

今日訪れたのは、明治神宮。あいにくの雨模様だったが、負けずに境内の原生状態の森を観察してきた。シイ・カシの照葉樹林を基本にしながら、クヌギ・コナラなど落葉樹も少なくなく、クスノキも目立った。また「明治神宮御苑」に入ると、菖蒲園としての湿原や、草地も作られている。池もあるから、ビオトープ的でもある。ここは江戸時代には、井伊家の下屋敷だったそうだ。

まったく手が入っていないわけではないが、過度ではなく、極めて自然状態を保っている。これが140年ほど前に人の手で一から作られたと思うと、なかなか感慨深い。

3                       

                          

で、参道にもどると、「日本一の大鳥居」がある。これは木造としては日本一なのだそう。たしかに無垢の木で直径1,2m、高さ12mというのは記録的だろう。    

私は、近づくと、ひび割れに顔を押しつけた。

プンッ、と匂う。そう、ヒノキの香りだ。それも強い。木曽檜を思い出すが、もう少し甘いような気がした。

これは、タイワンヒノキだろう。

そう思って調べてみると、やはりそうだ。実は2代目だそうだが、初代、2代ともに台湾の阿里山から手に入れた霊木を使っているのである。

タイワンヒノキは、日本のヒノキとは種が違う。いつかタイワンヒノキを巡る歴史について調べたいと思うが、まずは明治神宮を支えている木として記憶しておこう。

それにしても、2代目は昭和46年に立てられたというが、それから40年近くたっているのに、いまだに強い芳香を放つ鳥居に脱帽。

 

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2008/09/09

第3回東日本チェンソーアート競技大会

6日、7日と、山形県金山町で、第3回チェンソーアート競技大会が開かれた。結果は以下の通り。

山形新聞http://yamagata-np.jp/news/200809/08/kj_2008090800117.php

ブログhttp://1st.geocities.yahoo.co.jp/gl/dewaryuba

私の注目は、やはり北海道の木霊光さん。なんたって、北海道下川で会ってきたからである。しかも、翌日(4日)には山形に出発するというので、朝から練習している現場にお邪魔して話をしてきた。そこでは、大会で作る予定の作品を彫っていたのである。

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テーマは、クマ。チェンソーアートの王道的テーマだ。ちょっと意外だったが、あまりに普遍的テーマゆえに「クマで入賞した人がいない」ということから、あえて選んだのだという。ただし、そのフォルムや細部の仕上げは、やはり木霊流か。

結果は、2位入賞。1位もクマであることを考えると、ちょっと残念だが、王道ゆえのつばぜり合いを感じたということになる。ちなみに上記の練習作品の素材はトドマツで、スギで彫られた大会作品とは微妙に違うな。

次は、もっとゆっくり話ができればと思う。

ただ気になるのは、安全対策。彼のアトリエは山の中で、奥に1軒民家があるというが、ほとんど車も通らない奥にある。そして彼は携帯電話を持っていなかったのだ。チェンソーの扱いだけでなく、破片が散乱している中での作業であるし、転ぶ可能性もあるだろう。ぜひとも気をつけて作業を行ってほしい。

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2008/08/21

ファミマが木造店舗

あまり議題を増やすと混乱するので、今日は情報を1本。

コンビニ・チェーンのファミリーマートが、今後木造店舗を出店していくことにしたらしい。

http://www.family.co.jp/company/news_releases/2008/080818_1.html

木造だからCO2排出が少ない……というお決まりの理由かと思いきや、それだけではなく木造の方が値上げ著しい鉄骨よりも安くできる、工期も大幅に短縮できる、光熱費も抑制できる……とさまざまな利点があって、経営上も有利と睨んだのである。

それを可能にしたのは「木造FP工法」という、よくわからないが(^^;)、おそらくパネル工法の一種だろう。

木造建築を、環境など持ち出さずに採用させたという意味で、私は注目している。今後、木造は、純粋に機能やコストを念頭に増やしていくのが理想だ。環境のために、なんて言葉、聞き飽きたよ。

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2008/07/10

廃墟テーマパーク?

Photo_2                                                  

                                                

これ、なんだかわかるだろうか。

ベンジャミンという観葉植物でつくったテラス。しっかり編み込んである柱が怖い。よくぞ作った。実は、沖縄の「ビオスの丘」というテーマパークにあった。ほかにも、植物による様々な造形があった。これも、木造建築物?

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これは?  実はごみ箱。金網のごみ箱にうまく植物が絡ませて生育し、見事な造形になっていた。

                                         

                          20                                  

                                           

これは、ベンチ。でも、座れねえ。なんだか廃墟みたいだ。あえて草を生やして残しているのだ。シュールだ。

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少し背景に溶け込んでわかりにくいが、休憩所の屋根には草木が生えていた。もちろんわざと屋根の上に土壌を敷きつめたのである。背丈1m以上のマツなど案外大きな木も育っている。

「ビオスの丘」は、もともと禿山の荒地に蘭の栽培所を作る計画でスタートしたのが、生態系の復元に取り組み、今は結構な観光地にもなっている。人工湖があって、以前はいたブラックバスなども駆逐して、在来種の生物だけにしたそうだ。そこにはボートも遊覧する。

ちょっとマニアックだけど、自然復元技術としてはなかなかのものである。かつての荒地に、昔あった沖縄の自然が甦っていた。そして驚くのは、こうしたテーマパークが、それなりの人気を集め、単年度では黒字経営なのだ。たいしたイベントも打たず、ひっそりとやっているのに、それなりの客を引きつけている。

こうした静かなテーマパークもいいね。

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2008/06/17

杉焼板

Photo                                               

                                                

生駒の山中の民家で見かけた外壁は、杉製の焼いた木板だった。

懐かしい感じ。昔は、家の外壁だけでなく、塀も多かったし、当たり前のように見たのだけど。ただこの家は、ちゃんと杉焼板の壁にも、サッシが入っている(^^;)。そこだけ現代風。

焼板は、表面を焦がして腐朽しないようにする伝統的な技術だ。時間とともに風情が出るのもいい。一般的な素材だと、徐々に汚れが目立つが、こちらは渋くなる。

もちろん万能ではないが、実は火に強くなり、防水効果もあるそうだ。木材は、表面が炭化することで、熱を通しにくくなるからである。炭は、電磁波も通さないから、そうした機能も売り物にできるかもしれない。さらに軽いから地震で倒れて人身事故になることも少なかろう。

デザイン的にも楽しめるから、もっと流行ってもよいような気がするのだが。

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2008/05/31

九州国立博物館

せっかく福岡に行ったのだから、と翌日訪れたのが、オープンしてまだ日の浅い九州国立博物館。

2                                          

とにかくデカイ。なんだ、この形は、というデザインである。高さ36メートルだが、長さが160mだという。

東京、京都、奈良、に続く国立博物館だというが、大阪には国立の民族学博物館があるし、たしか千葉には歴史博物館があったのではなかったっけ……。まあ、そんなことはどうでもよいが。

で、その中の1階エントランスの吹き抜け天井を見上げると

4                                             

わかるだろうか。丸太が張りめぐらせてあるのだ。太さは、ちょっとわかりにくいが、20㎝くらいだろうか。

おお、木を使ってあると喜びかけたが、よく見ると何の役割を果たしているのかわからない(^^;)。建物の構造自体は、鉄骨軸にSRCである。

6 こちらは壁だ。同じく丸太が並ぶ。

                                                   

ようするに装飾だろうか。でも、かなり多くの丸太を使ってくれた。当然、九州産だと思いたい。こんな使い方なら、どこでも使えるはず。強度も関係ないし、加工もいらない。国立ゆえの使い方か(笑)。

ちなみに5 下はエントランスから見た4階部分。大規模集成材のようだ。

                                                 

                                                

そして、8 こちらは発掘された太宰府の柱材。針葉樹、とだけ記されている。ちゃんと樹種を特定してほしいな。

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2008/05/14

桶風呂

友人のカメラマンが作ったビデオ「桶風呂をつくる」DVDを送ってきてくれた。

これは滋賀県の湖東地方に分布する桶風呂を再現する文化財の記録映像である。

桶風呂というと、単に大きな木の桶の風呂……風呂桶のことと思うだろうが、ちょっと違う。この風呂は、水は数十センチ、せいぜい座った腰くらいまでしか溜めない。そして人が入ると竹で編んだ傘のような蓋をしてしまう。仕組みは五右衛門風呂のようなもので、これで蒸気によって温まるのだ。

いわばサウナである。なぜこんな風呂が発達したのかというと、燃料が少なくて済むからだという。お湯はわずかだから藁束が一つで沸いたらしい。

江戸時代の燃料は薪や藁だが、どちらも不足気味だったということだ。当時の山は禿山だらけで、木材は素材としても燃料としても貴重品だった。桶も、その材は何度も修繕しながら使い、古い材は一回り小さな桶に作り替えることもした。大変な仕事だったろうが、当時は樽や桶職人は食いっぱぐれのない職業だったのだろう。

今や世界的規模で石油価格の高騰やマテリアルの奪い合いが始まっているが、不足は新たな工夫と職業を生み出すのではないか。そして資源の節約と使用効率のアップにつながり環境負荷も弱まるのではないか。
そんなことを考えて、なにやら資源不足に期待してしまった。

ちなみにDVDは非売品?なのかなあ。

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2008/04/30

爪楊枝入れ「ひのぴ」

奈良県の観光連名が「観光みやげもの大賞」最優秀賞に選んだのは、携帯爪楊枝入れだった。

その名は「ひのぴ」。実は東吉野村の旅館「杉ヶ瀬」にしか売っていないのだが、若女将が考案したヒノキの枝を活用した代物だ。直径12ミリ、長さ75ミリ。

つまようじ入れ「ひのぴ」

女性ならではの発案らしいのだが、何よりヒノキ製なのがいい。しかも枝をくり抜く形で仕上げているのもいい。村内の筆職人と開発したとのことだが、東吉野村に筆職人がいたことにもびっくり。
しかし、賞を取ったのだから、もう旅館だけの販売に留めておいてはいけないだろう。しっかり量産して、各地に並べないと。さもないと、単なる形だけの受賞だったかと疑ってしまう。奈良のお土産として普及させねば。

そして、できれば割り箸入れも考案してほしいね(^o^)。本来、割り箸入れは割り箸産地の奈良が作らないといけないものだよ。

ちなみにPR大賞の特別賞には、小説「鹿男あをによし」が選ばれたそうだ。

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2008/04/04

木桶と郵便局巡り

昨日紹介した「桶屋の挑戦」を私に教えてくれた友人が、たまたま今日、生駒にやってきて少し話した。

彼は、伝統工芸関係を得意とするカメラマンで、桶づくりに関しても撮影を進めているのだが、そこで出たのは、「桶は絶滅危惧種」。

そうなのだ、木桶とか木樽は、すでに絶滅の域に入っている。だいたい、「桶屋の挑戦」を少し読んだだけでもわかるのだが、木桶は絶対に必要な道具ではない。代替え品がすでにあって、そちらの方が使い勝手も、性能的にもよかったりする。多少は有利な部分もあるが、それだって程度の問題。

はっきり言おう。木桶は現代に必要ない。ほかにも必要ない木製品はたくさんある。

ところで、この友人は、郵便局巡りを趣味にしている。各地の田舎の郵便局を訪ねては、そこで1000円ずつ貯金する……というみみっちい(^^;)趣味だ。都会よりも田舎の小さな局を回りたがる。愛好家は結構いるらしいが、民営化した郵便局を回るのもアリ? とちょっと意地悪な質問をした。

だったら佐川急便とかヤマト運輸の基地を回るという趣味だって成り立つはず。

もちろん、そんなことはしない。郵便局だからよいのだ。民営化はしたが、かつての全国津々浦々にある郵便局を訪ね歩く風情がよい……その感覚を聞いて、これは木桶と同じだと感じた(^o^)。絶滅危惧種ゆえの郷愁

最近、木桶を求める人が、少しだけ増えている。使い道としては、インテリアだったり看板だったり。お風呂で使うにしても、オシャレだから。いわば実用品ではなく飾り用である。しかし、桶職人にとっては、飾り用に桶を作るのは忸怩たる思いがあるらしい。

伝統工芸ではない、実用品としての木製品が必要だ。
現在の木製品が飾りと化し、伝統工芸とされたときは、絶滅へ一歩進んだときではないか。

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2008/03/15

韓国南大門の再建

先の鹿児島では、韓国への住宅輸出の話も聞いてきた。
宮崎県を嚆矢とする中国への国産材輸出とは別に、鹿児島県では鹿児島県産材による木造住宅を輸出しているのだが、それで思い出したのが、焼け落ちた韓国国宝の南大門(崇礼門)再建話である。

以前にも書いたが、放火で焼けた南大門を2013年に向けて再建計画が進んでいる。

でも、その材料はどうするのだろう? 

もともと韓国は木材のない国だ。まともな森林造成がスタートしたのは戦後であり、木材自給率も日本以上に低い。いや、木造住宅自体がほとんどない。そこに600年以上前に建設された壮麗・巨大な門を再建しようとしたら、膨大な量と、そして巨木が求められる。とても自前で木材を準備できないだろう

南大門の材料がどんな樹種の木材で作られていたか知らないが、それと同じ木で太さ・量とも調達するのは至難の業だろう。外材だって、どこの木を使う? 多分アカマツを多用していると想像するが、ヨーロッパアカマツでもいいのか。

近くでも中国だってロシアだって、大変だ。それとも台湾? おそらく日本も適合するかどうかわからないが、一つの候補になりえる。今からマツの巨木を探しておけば、高く売れるかもしれない(笑)。
もう一つ思いついたのは、真新しい木材よりも、古材の方が再建には向いているのではないか、ということだ。なんでも南大門の1階部分は8割がた残っているそうだ。ならば、それに合わせるのは古材の方が似合う。そして古材なら、木造建築物が多く残る日本である。しかも、近年取り壊しが多くて、古材の潜在的供給はかなりある。

古代朝鮮半島の扶余の国には、日本からコウヤマキを輸出したと思われる痕跡が韓国の古墳から見つかっている。時を経て再び日本の木材を輸出する可能性だってあるのではないかなあ。。(もっとも日本の木材なんか使えるか! という国民感情はあるかもしれないが…)

それと木造技術も心配だ。韓国にも宮大工はいるが、木造建設技術はかなり衰退しているらしい。戦後、ほとんど木造住宅を作って来なかったのだから。年間70万戸の住宅着工件数のうち、韓国在来工法の木造住宅は、もしかしたら1000戸を割り込むかもしれない。韓国で木造住宅と言えば、ツーバイフォーかログハウスなんだから。

こちらでも日本の技術を活かせるかもしれない。もちろん建築物の防災技術も。

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2008/03/14

200年住宅

福田首相が、「200年住宅」を推進している。
まあ、それは首相になる前から知っていたんだけど、今度法案が国会に提出された。

私は何を持って200年住宅? と思っていたのだが、どうやら基準は
「腐食や磨耗の防止、耐震性、バリアフリー、省エネ」などの要件と、「構造の変更や維持保全の手当てが容易」であることも条件のようだ。そして、こうした住宅には税負担を押さえたり、ローンの返済条件を優遇するらしい。

なんだかわかったような、わからないような…。

たしかに欧米では100年以上住宅は使われるのが普通なのに日本では平均30年弱というのは短すぎる。しかし、日本人の気性として、古い家に世代を越えて住み続ける可能性はそんなに高くないように感じるのだ。

穢れの思想を持ち出すほどではないが、新しさに価値を見出すことの多い日本人。
もちろん、住宅自体の強度や年齢による違いなど長く幅広く持つことは大切だが、家族構成も変わるし、好みも用途も移る。たとえば今から100年前の設計士に、現在のIT化なんて予想できるわけがない。そして昔の農家などに憧れる人はいても、実際に住むのがどんなに大変か。
また同じ家系の人が同じところで生活するとも限らない。

必要なのは、住みたくなる家であることだ。住みたければ、維持管理も熱心にやる。リフォームもする。その点、日本の軸組工法は、基本的に間取りも内装も外装もいくらでも変えられる。

長持ちする家と住みたい家は、別である。

そして住みたい家は、時代とともに移り変わるから最初の設計段階で決め手はないだろう。結局、納得できるのは、構造の変更や維持保全の容易さぐらいである。

まずは簡単で希望の通る改装技術の開発と、転売とリフォームをしやすくなる社会的なシステムが必要ではないかな。

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2008/03/12

自分の山の木で家を建てる

鹿児島で取材した中で興味深かった一つ。

それは、山主に自分の山の木で家を建てませんか、という呼びかけをしている工務店があったことだ。

家を建てたいと思っている施主の中で山(やはりスギ・ヒノキ林だろう)を持っている割合を考えると、そんな需要があるのか? と思うのだが、意外やヒットしているらしい。

鹿児島には小さな山主はそこそこいて、木もそれなりに生えている、住宅建材を全部賄えなくても、多少の木は取れるケースは少なくないのだそうだ。

なにしろ昨年24軒の建築を受注したうち、半分の12軒がこのケースに該当したのだ。
もちろん大変である。林業やっている山主はほとんどいず、伐採から搬出、そして製材まで全部面倒みなくてはならない。かといって価格を高くしては引いてしまうだろう。

幸い、この工務店は実は山主でもあり製材業務もやっている。つまり自前で何でもできる体制がある。そして伐った木は無駄にせず、端材も全部家具にするなど使い回す。だから価格はそんなに上がらない。

伐採前には山の解説もして、山主のロマンをかきたてる。

これは重要なことではないか。いまや山里に住んでいる人でも、家は外材使ったハウスメーカーの家に住むケースが少なくない。その意識から変えなくてはならないのではないか。

たしかに今どきは100ha200haないと林業として維持できない。10ha、いや1ha山を持っていても意味ないし面倒なだけ…そう思っている山主に、少なくても自分の家くらいは自分の山の木を使おうと呼びかける価値はあるのではないか。

林業全体に対するインパクトは小さくても、森林所有者の覚醒をうながす運動にはなるように感じた。

小規模山主は、全国にも多くいるだろう。彼らが自分の家を建てる時に自分の山を思い出して多少とも利用すれば、山に対する関心が生まれ、森林整備も進むかもしれない。本数は少なくても木を出すために作業道は引くから、間伐もできるようになる。

これは「自分の山の木で家をつくる運動」として広げたいな。

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2008/03/05

ちりとてちんとエイジング加工

NHK大阪放送局のロビーには、現在「ちりとてちん」のセットが展示されている。

それがなかなかの盛況で、スゴイ行列までできていた。
みんな好きなんだなあ~。私も行列に並んだ一人だけど(^o^)。

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なかなかよくできていて、昭和時代の住宅をうまく再現している。落語的な小道具も凝っている。わざわざそのために存在しない本を作って本棚に並べる凝りよう。
徒然亭の紋がセミなのは、徒然草に「日暮らし硯に向かいて……」とあるので、日暮らしイコールヒグラシ、なのだそう。さらに徒然亭草々の部屋にある「三国志」の本は、草々イコール曹操、つまり三国志の英雄にちなんだものだとは知らなかった……。
さらに若狭塗り箸の販売コーナーまで作ってあり、なかなか商魂たくましい。このドラマは、塗り箸の宣伝に大きな貢献をしただろう。

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とまあ、そんな感慨はともかく、セットだから最近作ったわけだが、その木材類は見事に古くさく加工されていた。それをエイジング加工というのだそうだ。

どのように加工するのか説明しているコーナーがBKプラザにあった。

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それによると、まず真新しい板を火で焼く。まっ黒こげにしてからブラシで磨く。その上に下塗りをして色をつけてから、また落とし……と繰り返して、年季の入った木材に仕上げるのである。

この手の技術は、映像メディアだからこそ必要とされて生み出されたのだろう。別に古くさくすればよいわけではないが、この技術を使うことで新たな木材商品を生み出せるのではないか、と感じた。木材の風合い感がまったく変わるからだ。
木材は、古くなればなったで味が出る。これが他の素材との差でもある。もっと活かし方を考えないか。

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2008/02/20

国宝の木造建造物

韓国の国宝・崇礼門南大門)が焼け落ちた。

はたして崇礼門は復元できるのか? ということが話題になっているが、実は復元では意味がない。というのも、新たに作り直したら、それはレプリカであり国宝ではなくなるからだ。日本でも金閣寺が戦後放火で燃え落ちて、その後復元されたが、すでに国宝の指定を外されているはずだ。

一方で法隆寺の金堂も、同じく戦後すぐに火事にあっている。そして壁画などが燃え落ちたが、現在も国宝だ。

その差は、法隆寺の場合は「修復」だったかららしい。実は燃えたのは壁画だけでなく、かなり堂そのものも焼けたのだが、かろうじて構造材となる木材は燃え残っていた。だからそれを元に「修復」したことになるらしい。金閣寺は完全に焼け落ちて、それができなかったのである。

とはいえ、現在の金堂のかなりの部分が戦後に作り直された木材であることは間違いない。それでも創建当初の技法が残っていたらよいのか?

実は、法隆寺の五重塔自体も、最初の創建後に火事で焼けているらしい。本当に火事にあっているのか論争もあるが、当時の焼けた壁土まで出土したのだから、おそらく間違いないだろう。とはいえ、100年程度若くなっても世界最古の木造建造物であるらしいので、そんなに気にしないかもしれない。

が、さらにさらに、その塔の構造には、が入っている。柱を貫で補強する構法は、後世のものだ。おそらく鎌倉時代以降だろう。何度も修理をするたびに、部材を入れ換え、構造まで変えてきたのだ。今の五重塔のうち、白鳳の時代の木材は、全体のどれだけか一度調べてみたらよいのではないか。

同じく国宝の東大寺大仏殿や南大門にも、イギリス製の鉄骨が入っていることは、拙著『だれが日本の「森」を殺すのか』に記した。正倉院も、明治の修復で西洋のトラス構造が作られている。

このように考えると、「修復」と言っても部材や構造まで変えているのなら、創建時のままだという国宝の根拠が覆る。

木造建造物の価値は、実は古さにあるのではなく、その歴史性・継続したストーリーではないか。そして国宝に値するデザインと国民の支持があることで連綿と「修復」されてきた。残したくなる価値があるからだ。それさえ保てば、いかなる手の入れ方でも「復元」ではなく「修復」になる。

韓国の崇礼門も、写真で見れば、まだ立った柱が残っている。安心して「修復」し、再び国宝になればよい。

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2008/01/31

「間伐材の新商品」報道

昨日、これは関西でしか放送していないだろうが、「ムーブ!」という昼番組で、日本の森林を救うための「間伐材からの新商品」というコーナーがあった。

やはり一応チェックしてしまう。まあ、それなりの内容で、間伐材を使うことで森林を復活させると伝えている。大きく間違っているところはない(でも、国産材が売れなくなったのは、『安い外材』のせいにしたり、『伝統的和風建築が減った』ことにしている。まさに林業界の言い訳に騙されていた)のだが、そこで最近登場している新商品・新技術

まずバイオマス。ペレットに木材発電。そして木片入りコンクリートレンガ、マイクロ波による木材変形「四角い丸太」……。

正直、ぱっとしなかった。いずれも最近発明されたものじゃない。とくに技術の面から言えば、かなり古い。取材者は騙されたのではないか。本当は、その技術を活かしていかに現代的な売れる商品を生み出すか、というのが課題なのだが。
バイオマスは、山から伐りだした間伐材を使っては引き合わないのは当たり前で、端材・廃材を前提にしなくてはならない。四角い丸太も、20年くらい前から研究されてきたが、イマイチ売れる商品ができない。

私も、この手の情報を報道してきた一人なので偉そうなことは言えないのだが、技術開発と商品開発は違うのだ。焦点を当てるのなら、技術ではなく「商品が売れた」ことにしないと、間伐材を使って森林を救う、にはならないだろう。

番組の中で私が気になったのは、「和室のない家の場合、建築費のうち木材の価格が占める割合は5~7%です」と業者に言わせたこと。ハウスメーカーのこの言葉は、木材が高いという思い込みを破ったという点で面白かった。ただ和室と関係ないはず。和室だと言っても数寄屋造りで銘木を使わなくてもよいのだから。

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2008/01/27

年輪にドラマを

久しぶりに土倉庄三郎関係。

昨日は庄三郎の孫のところにお邪魔した。そこでお土産に持っていったのが、吉野杉の木口の薄切りだ。先日、チェンソーアート関連で吉野に行った際に、樹齢100年を越える丸太の端を薄く(5㎝程度)切らせていただいたものである。

なぜ、こんなものを、と思われるかもしれないが、土倉庄三郎が亡くなったのは1917年。つまり昨年が没後90年だったわけだが、樹齢100年を越えていたら、少なくてもその木は庄三郎が存命時に植えられたことになる。
そこで積まれた丸太の年輪を数え、100年以上のものを選んだのである。

この木を森の名人に見立ててもらうと、近年の世話はあまりよくないが、若いころは丁寧に育林された形跡があるという。事実、若いころから年輪が詰まっている。
伐採地は、川上村でも奥地に当たる入之波の三之公付近だという。土倉家の山は、川上村でも吉野寄りの大滝周辺が多いのだが、この当たりは庄三郎が三重に抜ける東熊野街道を建設するために苦労したところ。もしかしたら土倉家の植林した可能性は捨てきれない……。
と、そんな夢を見ると、単なる丸太の輪切りも、違ったものに見えてくるのではないか。この中心部の年輪が育つ頃には、まだ庄三郎は元気で、各地の植林を指導していた。年輪に時代を重ねると、一気に単なる生長環が情感を持った歴史の証人となる。

先日の森林認証制度の講演の際にも言ったことだが、木材は情報商品だ。とくに感性情報の有る無しで価値は決まる。年輪のつくる木目に育った時代を語らせると、えも言われぬ魅力がほとばしる。

ところで、こちらのお宅では、台湾でつくられたドキュメンタリーのDVDを借りた。お孫さんの父、つまり庄三郎の次男である龍次郎は、台湾で2万町歩の植林をするとともに、台湾初の水力発電所を建設している。その軌跡を追ったものだ。
もちろん台湾目線でつくられているのだが、ざっと目を通しただけでも、結構感動した。語られている言葉も何もわからないのだが、台湾近代化の一歩を刻んだ発電所建設にかけた人々の思いと、今は廃墟となったその跡地の映像にはドラマがある。そして日本人が、そこに関わっていたことも少し嬉しくもある。

廃墟の映像も、その裏にあるドラマが美しく魅力的にする。このドキュメンタリーを、日本人向けに作り直したくなった。誰か興味のある放送人いませんか。

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2008/01/11

年賀状と木材チップ

古紙配合率40%を謳っていた再生紙の年賀状が、実は1~4%しか古紙を使っていなかったことがニュースになっている。今年最初の偽装発覚(^^;)か。

でも、あえて造り手の日本製紙側の立場になって考えると、40%も古紙入れて、色も艶もコシもない年賀状だとマズいだろ、という判断があったのだろう。実際、インクジェット式の印刷はうまくできるか、とまで考えると、そんな年賀状がどれほど売れるか疑問だ。古紙はあってもコシのない年賀状では、自動選別機械も通らなかったかもしれない。

ところで、製紙の元になる木質チップについて調べてみた。
日本の木材需要は8831万2000立方m。そのうちチップ用は3697万7000立方m。つまり4割以上を占める。そして国内のチップ用木材は、449万6000立方m。国内木材生産量は1761万7000立方mだから4分の1だ。

それだけではない。国産材の製材端材からもチップが作られるので、それが300万を越していると思われ、だいたい国産チップの生産量は700万~800万立方mくらいになる。もっと詳しい数字を知っていたら教えてほしいが、ようするに日本の木材消費の4割がチップなのだ。そしてそれは、8割がた製紙用に回る。

なんだか、こうした数字を知らずして、林業再生のために国産材を使おう、というのも虚しくなる。年賀状に使ったどうかはともかく、再生紙だって大半が外国からのチップで作られた紙のなれの果てだろう。

しかも国産チップは、輸入チップの6割7割くらいの価格にしかならない。これは品質の問題ではなく、安定供給できるかどうかが要因だ。

もっと国産チップを使おう、という運動の方が意味があるかもしれない。その方が山に還元できるよ。

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2008/01/09

堀木エリ子展

昨日、大阪に出た際に心斎橋で「堀木エリ子展」に顔を出してきた。

堀木エリ子は、和紙作家である。以前取材したことがあって、それで招待状をいただいていた。先に横浜そごうで開いた時もいただいたが、さすがに行けなかったら、今度は心斎橋そごうで開催され、こちらの案内も送って来ていただけたのである。

いや、予想以上によかった。和紙の可能性に目が見はる。彼女は1300年の和紙の歴史の中で、初めて「立体和紙」に成功しているのだが(立体のまま紙漉きを行う)、それを活かした作品群が会場を覆う。なにしろ最大の作品は長さ30mを越える。それを継ぎ目なしで作っているのである。

ちょうど見ていると、堀木本人が現れた。私は簡単な挨拶をしただけだが、デザイン系の学生たちが見学に来ており、彼らに解説をするためらしい。おかげで私も一緒に聞かせていただく。これはラッキーだ。

彼女は話し方もうまい。見習わなくては。和紙の魅力、製作意図を紹介する。同時に商品としての可能性にも触れた。

実際、光を活かしたインテリアとしての和紙商品は魅力的だ。オブジェにもなる。
売り物として見ると、単なる和紙の1000倍くらいの値段になるだろう。

私は、「アートによる地域づくり」には懐疑的である。というと誤解を招くが、個人的な趣味はともかく、個人の作品性が強く、基本的に手作りで作り手も一人であるアートは、量産できない。経済効果は小さいからだ。個人の技にこだわっているだけでは、地域への波及効果は少ない。裾野を広げないと「個人の成功」に終わってしまう。

しかし、彼女は新しい技法を編み出し、それを使うことで量産も可能にした。これは地域づくりに活かせるのではないか。事実、彼女は、某山村にその技法を提案して、特産物づくりに貢献している。(ただし、その地域が合併してから、どうなっているか…)
またアートの魅力の持つ集客力も馬鹿にならないことを改めて感じた。

アートは、作品そのものに意味があるのではなく、企画力・発想力だ、と気がついた。そして地域の産物にするにしても、まずアート性があって、それを工芸品として量産するプロデュース力があると、地域貢献にも役立つと思いついた。
たとえば割り箸だって、木工アートにしてしまってはダメである。チェンソーアートもしかり。しかし、裏返すと木っ端で作る割り箸というアイデア、チェンソーアートの作品の魅力を世に問うのは、「アーティスト」の仕事だ。

和紙の原料は、コウゾ・ミツマタといった森林資源である。残念ながら、現在はほとんど輸入物であるが…
しかし木材は国産が充分にある。国産材を優れた企画力と新しい技術で、価値を驚異的に引き揚げた商品を量産することも可能ではないか。林業再生・山村振興を考えるなら、まずは商品開発のための優れたアーティスト&プロデューサーを見つけることから始めてほしい。

Photo                                              

展示の写真は撮れないから、その入り口と、吹き抜けにある堀木の作品をご紹介。

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2007/12/17

たこ焼きのフネ

娘と、大阪の「たこ焼きミュージアム」に行って、店を梯子した。そして、どのたこ焼きがお気に入りか評論し合った。元祖の何も付けないたこ焼きやラジオ焼きもあれば、ソースに凝ったもの、そして塩味などの新感覚たこ焼きもあった。

ま、それはよいとして、たこ焼きと言えば、その入れ物はやはりフネと呼ぶ経木を折った容器である。正確には舟皿と呼ぶらしい。すでに発泡スチロールも増えているが、いまだに経木の使い道としてフネは欠かせない。

なぜ、高くもないたこ焼きに高めのフネを使うのか。割高ではないか。しかし、フネに入っていないたこ焼きは、どこか美味しそうに見えないし、また格下の扱いになる。やっぱりたこ焼きそのものがフネと一体の商品なのだ。

ここに、割高の木製品を売る秘訣があるような気がした。この商品は、木製でなけれはいけない、というイメージをいかに植え付けるか。

もし、その方法が見つかったら、これまで次々とプラスチックや紙などに置き換わってきた商品が再び木製に復権できるもしれない。
そして、さらに木製は木製でも、国産材でなければ、というイメージをいかに作るか、といをことも次の課題である。

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2007/11/18

スギとヒノキの合作

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この写真は、木のペン立て。よくある木工、とも言えるが、じっくり材質を見てもらいたい。

そう、これは外がスギで中の仕切り板がヒノキ製である。つまり、スギとヒノキの合作なのだ。簡単なことなのだが、意外と今までにない品に仕上がった。ほんの少しのアイデアを出すことが大切。

これは、今度の丹波木材フェアの記念品用に試作されたもの。

同じく、割り箸入れもある。

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どうだろうか。赤と白の対比が美しい。

ちなみに割り箸入れは、昨年のものが、コンパクトな鞘式だったのだが、中が洗えないという注文がついたことから作られた作品。割り箸も4膳入る。その分大きくなったので、少し持ち運びには大きなバックが必要になるかもしれない。そこで、丈の短い割り箸を前提にした小型版を今度作ることになった。また角を取って丸いデザインにすることも考えられている。

うまくいくと、ちゃんと販売する計画だ。でも私は、マイ箸用に塗り箸入れに転用さないか心配(^^;)。塗り箸は1膳だけだろうから、入れたらガサガサになるかな?

感想を聞かせてください。

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2007/11/12

丹波木材フェア

昨日まで、丹波木材フェアに行っていた。

何も鶏の燻製だけではなくて、その名の通り、木材関係の出展が多い。いや、木材ばかりと言ってもよい。

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小物・大物、スギ・ヒノキに限らず広葉樹材もあるし、丸太からおが屑まで、様々な木材製品が並んでいる。ログハウスや国産材の家のブースもある。チェンソーメーカー、そして竹細工などで遊ぶコーナーも設けられていた。そして、かなりの人出なのだ。
イベントとしては小規模なものなのだが、朝から待っている人がいて、一斉に木材を選んでいる。そして、結構な量を買い込んでいる。なかには業者もいるようだが、多くは日曜大工用、つまりDIY愛好者だ。

なるほど、訪問客の多くは本気なのだ。休日の過ごし方として来る人もそれなりにいるだろうが、大半は木材を見にやって来ている。神戸からのバスツアーもあるほどだ。

時間をかけて木材フェアを定着させてきた努力もあるだろう。しかし、DIYに特化しても、それなりの集客力があることを感じさせられた。

いっそ、日曜大工用品とかも出展させたり、DIYコンテストなどを開いてはどうだろうか。日曜大工の祭典として位置づければ、全国的に有名になり、DIYのメッカにすることも不可能ではないぞ……と想像する。

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ちなみに、私は燻製以外に鹿肉も食べました(^o^)。

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2007/11/01

印刷の板目

さる大型の喫茶店に入ったときのこと。

その店は、内装・外装に木をたっぷり使っていた。テーブルも木製。壁も腰板を張っている。なかなか気持ちよい。が、一緒にいた「森の名手・名人」氏は、天井を見上げて、
あれは、印刷やな」。

えっ? あれが??  本当???

Photo                                               

                                                

私には、本物の木の板にしか見えない。色合いも、別に違和感はない。
それでも、じっと見つめているうちにわかった。節の配列がまったく同じ板がある。またそっくりの節が繰り返し登場する。

いやはや、一目で見破った眼力もすごいが、最近の印刷にも参る。これまで木目を描いた印刷物はよくあり、私でもたいてい見破れたが、今回のはかなりハイレベルだ。しかも身近な部分(テーブルなど)は本物の木なのだ。天井だけにプリント木目のクロスを使うとは、なかなか手が込んでいる……と思ったが、なんで、全部本物の木を使わなかったんだ、と逆に腹が立ってきた(笑)。

以前、人の感性から見た木目の研究をしている研究者に会い、どんな文様に人は「自然」を感じるかという調査の結果を教えてもらった。様々な要素があって、それが自然な木目と人工的な木目の違いとなることがわかった。
が気がつくと、その研究は、どんな要素を取り込んで人工的に木目を描けば「自然」に見えるか、という答えにもあることに気がついた。つまり、ばれない偽装の方法を開発しているということになる。

その点を研究者に問うと、「そうなんですよ」と困った顔をして、そんな目的のために研究しているのではないことを示した。
でも、今回のプリント木目を見ると、いよいよそのレベルまで達してきたことを感じさせる。

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2007/10/29

国産材商品の販売の裏

先日、霞が関の農水省にある「消費者の部屋」を訪れた。ここでは生活アートクラブが国産材によるオフィス商品の展示を行っていたことは、以前少し紹介した。

私が以前訪れたときは、あまりに展示がつまらなくて3分で部屋を出たが、今度は30分以上見ていても飽きない。あくまで展示なのだが、その場で買いたいという声が上がっていた。事実、後で注文も来ているようだ。

Shohisya_room                                                

開展同時に人が流れ込んできて、なかなかの賑わい。

                                                         

並べられている品が興味深いのはいうまでもない。木織りのバッグや名刺入れ、木製の卓上クリップ、マグネット。 国産材による紙……。3みんなデザインもよい。                       

紙製のデスクと椅子。もちろん座って執務できます。

                            

だが、見せ方が違う。配置の仕方、ディスプレイも見せる。そして、何より生活アートクラブのメンバーが、熱心な人には解説している。何も商品の特徴ばかりしゃべっているわけではない。素材の故郷、作る人、そして産地の環境。そうしたドラマとストーリーが、見る人の感性に触れるのだ。

今や、日本は商品の機能を買う時代ではなく、商品のストーリーという情報を買う時代になったことを如実に感じた。

逆に、国産材商品を扱う上で問題点は何か。これは生活アートクラブの富士村さんに直接聞いた話だが、「安定供給」だそうだ。

素敵な国産材商品を発見して、製造元がどんな製造態勢をとっているかを問い合わせる。しかし、たった一人の職人が、1週間10か20くらい作っている、あるいは妻が夜なべ(^^;)して作っている……という話を聞くと、取引するのに二の足を踏むそうだ。さらに作り手の覚悟も問題となる。急に注文がしたら、休日返上で作る心構えがあるか、そして絶対契約(納期・価格など)を守る気概があるか。
生活アートクラブが売ると、ロットは何百という単位で注文が来るのだ。それに対応できないと、会社としても信用を失う。また契約途中に投げ出されてもたまらない。残念ながら、その当たりに不安を感じると取引しない。

売るのはストーリー。作り手は安定供給。これが国産材商品のキーワードかな。

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2007/10/28

朱雀門と長崎

昨日の続き。

ちょっとした雑談から驚く事実を知ってしまった。

長崎の島原の地に育ったヒノキが奈良に送られていたのだ。そして何になったかというと……。これ!

                                                                          Photo

 平城宮跡に復元された朱雀門! 当時の都の南の門である。

ここには、直径80㎝を越える太さのヒノキがふんだんに使われているが、その木は、長崎産だったのだ。なんでも、奈良の業者が買い付けに来て、70本ほど引き取ったという。長崎にそんな大木が? と半信半疑だったらしいが、ちゃんと管理されていたのである。まだ数百本はあるそうだ。

Photo_3                                              

写っている女性と比べたら、柱の太さがわかるだろう。

                                              

Photo_2

朱雀の額もかかっている。

                                             

ただし、吉野など紀伊半島と違って生長がいいから、太さの割には樹齢は短いという。そして油っ気が少ないという。だが、それがよかった。というのは、写真で見たらわかる通り、復元された朱雀門は、赤く朱が塗られている。これが当時の建築だったからだが、塗料を塗るには、油っ気がない方がよいらしい。下手に吉野産だと、うまく塗れないのだ。

ともあれ、こんなところで長崎と奈良がつながっているとは。
現在復元中の大極殿にも、ヒノキの大木がふんだんに使われている。紀伊半島で集めたと聞いているが、実はもっと全国各地から運ばれてきたかもね。

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2007/10/25

隠れチェンソーアーティスト

岩手で車を走らせて、道の駅「石神の丘」に入った。すると店の前に並ぶのが、これらの作品群。

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彫刻だ。サル、トリ、イヌときて、写真には写っていないがイノシシもある。
手彫り? いや、チェンソーアートらしい。が、これまで目にしてきたチェンソーアート作品とは、どうもテイストが違う。
中に、作者の紹介記事が張ってあった。どうやら作者は還暦をかなりすぎた人らしい。道の駅のオープン時に、どうも寂しいと、チェンソーで彫刻をすることを思いつき、毎年、干支の動物を作り出したそうだ。それが四年前。つまり、今の日本のチェンソーアートの潮流とは外れたところで始めたらしい。

もしかしたらテレビなどでチェンソーアートを見るなどしたかもしれないが、誰にも教わらずに我流で始めたのそうだ。だから、作風が独特なのだ。またチェンソーアート以外にも、木の根っこなどで作品づくりをしているとか。チェンソーアート自体は、日本に導入された最初期から扱っているベテランである。

まあ、こうした独自にチェンソーアートを始めた人は、結構たくさんいるのではないか。インディペンデントと呼べようか(笑)。技量の進歩という点からは遅れるかもしれないが、むしろ独自の作風を生み出せるかもしれないな。来年のネズミはどんな姿になるだろうか。

ちなみに吉野チェンソーアートスクールでも、次回(11月24,25日)に干支づくりを行う。その見本が、これ。Nezu3

                                                

 

                                                                                         

俵の上に乗ったネズミ君だ。これを作成したスクールの校長・福本さんも、実はインディペンデント。誰に教わるでもなく、また情報も得ずに自身で始めた。しかも1990年代だから、かなり早い。 こうしたインディペンデント大会を開くと面白いかもね。

                                                                                        

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2007/10/12

山に木道を

公共事業に国産材を、という声は、いまだに強い。

木造ガードレール、高速道路の木造遮音板、木造砂防ダム……どれも悪くはないと思うが、イマイチだ。それに無意味に木材を使っても、機能が劣れば悪影響が出るし、高いから税金の無駄遣いにもなる。何かよい新しい木材の使い道はないかと考えていた。

そこで思いついたのが、コレ!

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写真は、どちらも屋久島の縄文杉への道のりだが、ほとんどの行程に木道が敷いてあった。トロッコ道はもちろん、登山道になっても、7割がた木道があったのではないか。おかげで急斜面も階段が刻んであるので、難なく登れる。

もちろん目的は、膨大な登山者から山を守るためだろう。地道を年間7万人も往復したら、すぐに山の表土はえぐれて、そこに雨が降ろうものなら、ずたずたになってしまいかねない。それに怪我人が出たら、救出もやっかい。展望台を築いたのも、縄文杉に近づきすぎないよう、いわば隔離するためだ。それにしても、よく、これだけの木道を作ったな、と感心した。

これらの木道や展望施設に使われる木材の量は馬鹿にならない。ここに国産材による木道キットを考案して、投入するのだ。もちろん、腐食防止措置は必要だし、スギのような柔らかい木を木道にするには工夫がいるだろう。だが、それは技術がカバーするはずだ。

全国の国立公園・国定公園のハイキング道、そして森林公園の遊歩道なども、全部木道で整備する公共事業を発案したらどうだろうか。
建設には山を知っていないといけないから、雇用も地元の人優先になるだろう。山の中の建設は大変そうだが、先にモノレールを設置して材料や作業員を山に上げて、モノレールに沿って木道を敷設するなど、工法はいろいろ考えられる。何より環境を守ることに貢献すると訴えられるから、反対意見も少ないだろう。

一部の登山家は、自然の道を歩きたいと反対するかもしれないが、「あなたの足跡が山の自然を破壊しているのですよ」と反論すれば黙らせられる(笑)。うだうだ言ったら、入山規制するぞの脅しもかけられるなあ。

これこそ、正真正銘の緑の公共事業だ。木材使って緑を守るを地で行く。

どうだ?                                                                                             

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2007/09/23

アイスキャンデー棒

暑い。9月も末なのに、猛暑である。夏は暑くても仕方ないと諦めているが、この季節に暑いと怒りが込み上げてくる。

……で、復活したのがアイスキャンデー。しばらく我が家の冷蔵庫から尽きていたアイスキャンデーを買ってしまった。私は、アイスクリームも嫌いではないが、暑いときは氷菓子の方が好きである。それをがりがりとかじって体温を下げたい。

今夜もかじった。そして手元に残るのが、木の棒

アイスキャンデー、別にアイスクリームでもいいのが、その棒が、何でできているか、どこで考えたことはあるだろうか。実は、シラカバが多く、ほとんど中国だそうである。

割り箸輸入会社も、アイスキャンデー棒を扱っているケースが多い。その需要は馬鹿にならない量になる。しかも代替え品がない。
熱伝導や味覚、製造、冷凍耐久性などの点から、プラスチック製は適していないらしい。木製でもアスペンは少し臭いがあって合わない。

今度、中国製の木製品の大幅値上げが予定されているが、棒も引っかかる。割り箸だけではないのだ。こちらの方もパニックが起きるかも。

いっそマイ棒運動なんぞ始めて、アイスクリームを買いに行ったらどうか。こちらの国産は難しいか。シラカバ材は、北海道にいっぱいあるはずだが

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2007/08/29

木のトレイが…

木のトレイが…

屋久島のホテルで驚くべきものを発見した。それが木のトレイである。それも、普通のものではない。以前、こちらのブログでも紹介したかもしれないが、最初に開発されたものがまったく売れずに失敗した後、作られた1枚の板をそのままプレスして作るタイプのもの。日本エコ環境という会社で開発したのである。
撥水性もあるし、木目もよく出ていて強度もある。今度こそ売れると予想されたのだが、資金がなくて工場が稼働できないのが悩みだった。

ところが、ここに売っていたではないか。なぜ? 環境で売り出している屋久島に向いているということか。しかし工場は、ようやく政府の助成が受けられるかどうかと聞いていたのに……。

おそらく、以前、試験的に作られたものが出回っていると思うのだが、なんで屋久島のホテルなんだろう。開発者は宮崎の人だったが。

それにしても、5枚で600円は暴利だと思うよ。この製造方法では、1枚15円くらいと安く作れる(以前の木のトレイは20円以上した)ことが売り文句の一つなのに。

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2007/08/24

チェンソーアート画廊

チェーンソーアート作品を展示するギャラリー「丸太房」が、浜松市にオープンしたそうだ。

すでに作品は50点ほど並んでいるというが、「サルやウサギなど動物をモチーフとした表情豊かな作品」だという。作品の販売もしている。作ったのは、オーナーの長谷川渉さん。本業は商業デザイナーでショーウインドウの立体作品を作っているらしいが、3年前からチェンソーアートを趣味として始めたとか。
静岡新聞http://www.shizushin.com/local_west/20070822000000000050.htm

写真を見たところ、写実系ではなく、どちらかというと漫画系のユニークなものが多い。

結構なことだが、どうせなら遠州・三河にはチェンソーカーバーは比較的多いのだし、他人の作品も含めてバラエティを出してほしいな。個展じゃないのなら。

でも、アートとしての認知が進んだ一コマだと思う。折しも富山県南砺市では、井波国際彫刻キャンプが開かれ、城所啓二氏が出場中。いよいよチェンソーアートが彫刻の一分野として広がれば、注目もアップするだろう。

 

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2007/08/08

木のカウンター

高知・土佐町で、なぜか私が地元の人を引き連れて訪れた店。

「なんてん」というスナックなんだけど、ここのカウンターが凄い!

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                                         この写真だけではわからないかな。とにかく一本の木なのだ。一枚の板、ではない、木である。長さ14m! それも根付き。

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わかるかなあ、この迫力。酔っぱらっていたので、うまく写真が撮れなかったのが残念だが、天井にも丸太が組まれて、大変な迫力なのだ。

残念ながら、現在のママさんは店を居抜きで引き継いだだけで、このカウンターの由来も、どうやって店の中に設置したのかもわからなかった。(どう考えても建物を建てる前に搬入しないと無理)
しかも、隣に「土の畝」という居酒屋があるのだが、そことはトイレでつながっているという不思議な構造。ちなみに「土の畝」でも、随分飲んだっけ。

「なんてん」のカウンター、やりようによっては名物になるのに、ママさんは、その魅力がわからないらしい。いっぱいナンダカンダと雑物が積まれていてもったいない有り様だ。
これまで来たことがある人も、このカウンターに気づいていなかった。

このカウンターを紹介したことで、私は土佐町の情報通?になったのである(笑)。

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2007/08/06

山のヒット作

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写真は何かわかるだろうか。

                                             

単なる丸太の輪切り? そのとおり。これが、今よく売れている。そんな……と言われそうだが、ネットで一回1000枚単位の注文が来るそうだ。
もちろん、誰でも作れそうで作れない。たとえばチェンソーで切ったら、断面がきれいにならないし、水平が取れない。通常の丸鋸でも無理。それをしっかり仕上げることで引っ張りだこになっている。こちらは「さめうらこむ」のお仕事。
そのほか「ネコの爪研ぎ」とか「キャットタワー」も作っている。枝だらけの梢を使った家具も人気だ。

Photo_2

こちらは、犬小屋を製作している「犬小屋工房」。

                                                            これも大ヒット。なにしろ、月産40戸。大工を10人ほど雇ってフル回転している。これもネットの注文だ。全部オーダーメイドで、地元の杉を使っている。人間でも入りたくなるような犬小屋だ。なかには防音設備付きとか、テラス付き、2階建てで階段付き……など。

木を売るには住宅など大物を狙え、という考え方は今や古い。この手の木工グッズこそが稼ぎ頭なのだ。高知の嶺北地方では、こうした商品開発に取り組む人がたくさんいた。

木材を量で売るのではなく、付加価値をつける方向も忘れてはならない。

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2007/08/01

しそうの森の木

宍粟(しそう)の視察のつづき。

宍粟というと、みんな八木木材なのだが、そこと対になるのが「協同組合しそうの森の木」である。ここが面白いのは、素材生産業者と製材所と工務店が組んで作った協同組合であること。こうした縦の関係の異業種が組合を作るケースはあまりないと思う。

驚いたのは、商品開発力だ。
担当者もいう貧乏所帯で、たいした機械類も揃っていなかったが、それを逆手にとって商品開発を進めていた。

創業3カ月で、なんと32のアイデアを試し、そのうち5つの商品化を進めているという。
「夜思いついたアイデアを、翌日から工場で試して試作品を数日中に作ってしまう」という体制なのだ。

ヒットした中には、フローリング材の端材から、赤身(心材)ばかりを切り出して、それを集成した板、あるいは白身(辺材)ばかりを集成したパネルがあった。下手するとゴミ扱い、そうでなくても不良在庫になりかねない端材商品がよく売れることで、場合によっては本体より儲かることになったそうだ。

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まだまだ木材商品には、可能性があるのではないか、と思わせた。

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2007/07/21

吉野古木

吉野話の第3弾。

こんな商品を見つけた。P7210020_1 箸ではなく、箸袋。拡大するとP7210023

小さなのは、爪楊枝袋

もちろん、本物の木と和紙を使ったものである。

                                      

                                             

吉野杉、吉野桧を薄くスライスしたものに和紙で裏打ちしたものだ。木目がよく浮かび、友禅の模様が透けて見えるところがよい。まだ製作を始めて間もなく、販売もわずかであるが、吉野で誕生した新商品である。
裏打ちせずに木だけのものや、漆で絵や文字を書いたものなどバラエティはいろいろある。また箸袋・爪楊枝袋に限らず、封筒などの商品展開も考えているそうだ。

つい最近まで割り箸づくりをしていた人が、木工品製作に切り換えるとともに、奥さんとともに考え出したものだ。吉野の割り箸には吉野の箸袋を、というわけだが、ギフトなどに使えるほか、マイ箸、マイ割り箸を持ち歩くのに向いているように思う。箸箱よりコンパクトで、他人に見せびらかせられる(^o^)。

作っているのは、吉野古木。商品のアイテムは、HPを見てほしいが、大阪の百貨店でも扱いだしたそうだ。

もちろん箸袋だけではどれだけ需要があるかわからないし、デザインや加工法にも工夫の余地があるだろう。そしてネーミングや販売方法ももっと考えないといけないと思う。価格も、売り方次第でもっと上がるのではないか。

新たな挑戦をしている人もいることを知っておきたい。

連絡先は、吉野古木制作 奈良県吉野町窪垣内2 FAX0747-53-0125
mail tomoko-m@rouge.plala.or.jp

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2007/07/08

木質ペレットの輸入

関西電力は、カナダから木質ペレットを輸入するそうだ。

年間約6万トンの木質ペレットを、カナダ西部から京都府の舞鶴にある火力発電所に輸送し、石炭に混ぜて燃焼させるという。
これで発電に伴う二酸化炭素の年間排出量を約9万2000トン削減できるらしい。しかしウッドマイルズ(距離)とウッドマイレージCO2(輸送にかかるCO2排出量)を計算したらどうなるだろうか。なんでも2~3万トン型ばら積船を使い、年間7~8航海で輸送するというが、それに費やすエネルギー量が心配だ。また木質ペレット自体の生産にも、かなりエネルギーを使っているはずだ。

日本にないものなら仕方がないが、木質廃棄物は山ほどあるのに、輸入するということに割り切れなさを感じる。経営的には引き合うとしても、二酸化炭素削減の手段としては、間違っていないか。

販売の始まったバイオエタノールもそうだ。ガソリンに3%添加して販売されているが、あれはフランスからの輸入なのである。ほかにもブラジルからの輸入が模索されている。目先の削減目標に追いかけて、地球全体としては削減にならないことをやっているように感じざるを得ない。

バイオエタノールを国内で生産するための研究は行われているが、海外で実用化しているのに今頃取り組むのも間抜けな話。仮に技術的には追いつけたとしても、規模から言って、海外産とコスト面で太刀打ちできるわけがない。つまり国産が普及する可能性は極めて低く、無駄な研究と感じる。
どうせなら、どこも実用化レベルでは成功していない木質廃棄物からのエタノール生産に研究・実用化に絞った方が起死回生の戦略となるだろう。

それとも、この手の資金を国内の森林に投入して、どんどん国産材を買い上げ、それを炭にして地中に埋める方が、純粋に炭素の固定(CO2の削減)につながるのではないか。

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2007/07/02

7世紀のノコギリ

奈良県明日香村の石神遺跡で、7世紀後半とみられるノコギリが出土したそうである。長さは44,5センチで、柄も刃も残っている。ほぼ完全な状態だというから珍しい。
柄はヒノキ材で、一部を握りやすく削って細くするなど加工されている。刃は、さすがに曲がって先が欠けているそうだが、刃の目は三角形。やっぱり横挽き用だろう。

これが宮殿など飛鳥時代の建築物を建てるのに使われたのかもしれないと思えば、なかなかの歴史ロマンである。

考えてみれば、ノコギリの登場は、林業の世界で一大革命であったろう。それまでは斧や鉈だった。石製から金属製に変化しても刃は1枚。それが連続した小刃へと変化したのだ。動きも斧なら樹木をたたき伐るが、ノコギリは挽いて伐るようになる。切り口が細く滑らかになる。これは、凄い発想の転換ではないか。
また横挽きから、縦挽きも登場し、伐採だけでなく板への製材にも応用が利く。

ノコギリの次の飛躍は、押し引きではなく回転運動を取り入れたことだろう。つまりチェーン化したことだ。最初は幹に巻き付けて押し引きする使い方をしたそうだが、やがてハンドル式になり、完全な回転運動を取り入れた。
さらに人力から動力利用となる。まず蒸気機関の利用から始まり、電動モーター、さらにエンジン付きノコギリ、つまりチェンソーに発展するのだ。

チェンソーの登場は、木材生産効率を10倍くらい上げたというが、それは産業発展につながったと言えるだろうし、同時に山村の雇用を少なくするきっかけになったかもしれない。一人で10人分の仕事ができるのだから。

ノコギリ産業学なんて、考えてみてもいいかもしれない。

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2007/06/21

百均ショップの品

久しぶりに百均ショップを散策(^o^)。

百均ショップは結構楽しめるが、その魅力を「安さ」だけに求めるのは違うだろう。膨大な商品アイテムそのものが魅力になる。事実、この手の店にしかないアイデア商品や、珍品も少なくない。たとえばインテリア系は、不思議な品がいっぱいある。和風ミニチュア家具の癒しグッズなんて、箱庭的に楽しめるし、台所用品も意外に便利な品も多い。

とくに木工品は、数も多い。たいてい中国か東南アジア製。木材の魅力を考える際の参考になることもある。ヤシの木やゴムの木の木工品は、なかなか味があって好きなのだが、百均ショップ以外ではなかなか見つけられなかった。

今回は、「竹のトレイ」を発見。
あんまり知る人は少ないだろうが、日本で話題の「木のトレイ」は、もともと竹製だった。技術としては、竹を材料にして作られたのだ。しかし、東南アジアの太い竹の方が効率よく作れるので、香港だかに移転。現地では結構生産しているらしい。ただし、日本には防カビ剤など、いろいろな規制があって入って来なかった。そのうち国内で、間伐材を利用した木のトレイの製造技術が完成した。その後の展開は、すでに紹介したこともあるが、飛びついた地域は販売がうまくいかず苦労している。

しかし、今回は防カビ剤を使用しない竹のトレイが輸入されていた。もし、これが流行ると復活しようとしている木のトレイの先行きが心配になる。

……そんなことも考えられる百均ショップなのである。

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2007/06/20

木箱追放

P6120007_1

写真は、いただいたお餅が入っていた木箱。
よく観察すると、底と蓋は、木目が印刷された紙製だった。幅広の木は高いからだろう。あくまで細い間伐材でも作れる横板だけの木箱である。

それでも、木箱がまだあるだけでホッとする。というのは、今小売業界では木箱の追放が進んでいると聞いたからだ。高級菓子のほかソーメンなども木箱入りで販売していたのだが、それが減っているのは……

消費者が木箱は森林破壊していると思うから」だそうである。

なんと、環境対策の一環で紙箱に切り換えているのである。箱の処理も楽でいいとか、安上がりという裏事情もあるかもしれないが、そこに「環境」という名目があれば、高級品を求める消費者も納得する。

しかし、全国から木箱入り商品がなくなれば、それなりの量の木材消費が減るのではなかろうか。何より、反論しない生産者側に情けなさを感じる。ちゃんと、木箱を使う意味、材料の木がどこから得ているかなどを説明すれば誤解は解けるだろうに、

木材を使う→木を伐採する→森林破壊

という連想を広げているように思う。

しかし、考えようによっては、今後、木箱をアレンジすることによって新たな木製品の需要を生み出すことは可能ではないか。単純に言えば、「森を守る木箱」のイメージを添付すれば、売れると思うけどなあ。

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2007/05/30

木曽の木地師

木曽へ行ったときは、木地師の里も案内していただいた。

訪れた工房では、何十人もの弟子をとっている。そこで見せていただいたのは、不思議な急須置きP5200074_1 急須にお湯を足す時など、蓋の置き場に困る。そのまま置いたら口の部分が汚れるし、逆向きに置くにはつまみがあるから安定しない。

そこで、このような蓋がおけるものを考案したのだという。案外簡単そうでいて、切り込みの角度などが難しいらしい。

ほかにも、ろくろで丸太から器を切り出す場合に、意外な向きでセットすることで、これまでにない木目を出したものとか、半分腐っていた木切れを、腐りの部分を活かした見事な一輪挿しに加工した作品もあった。

それらを作ったのは、みんなよそから来た弟子だという。親方(社長)は、「既成概念のない彼らの発想は素晴らしい」と褒めていた。しかも、商品を売るために、こんな試みもしている。P5200072 P5200073_1

素材となる木を展示して、どんな木目や色合いか紹介したり、この店の売上ランキングまで、張り出している。

さらに観光ツアーのろくろ体験とか、見学も受け入れていた。

伝統的な木地師としては、思いもかけないことばかりのようなのだが、それを受け入れた親方も凄い。案内してくださった方によると、「昔よりも、よくしゃべるようになった」とか。以前は、寡黙な職人だったらしい。

何も自分がビジネス感覚を鍛えて全部仕切る必要はない。よそ者を受入れる度量さえ備えれば、周りが動いてくれることもある。さらに技術の進歩にもつながった。

こうしたケースは参考になるのではないか。

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2007/05/26

東急ハンズ

今日は打ち合わせで、大阪の江坂に行った。以前住んでいた街であるが、ここには東急ハンズがある。そこで、打ち合わせ後にセンチメンタルジャーニーならぬ視察(笑)。

やはり目当ては、木製品。

たとえばP5250104 、これは単なる雑木の小枝や、その輪切り。それも商品として売っている。P5250107 P5250106 ドングリや松ぼっくりも売っている。P5250108 驚くべきは、おが屑も売っているのだけど、こちらの品は、クッションやインテリア素材にするらしいが、価格は50円。

ところが、P5250118 こちらはアウトドアの火起こしグッズ。同じくおが屑だが、315円ですぞ。

それどころか、P5250110 こちらは、どうみても古い板。何に使っていたのが傷だらけ。日に焼けている。このお値段が、なんと1万円を超えている。いやはや、凄い価格設定である。

まだまだある。売り物だけではないのだよ。

P5250109 こんなインテリア利用や、P5250114 ディスプレイ用にも使われている。P5250117_1 P5250121 P5250113                         

これらも木材に価値を見いだしているのだろう。今後、ディスプレイやインテリアグッズとしての木材商品は期待できるのではないか。たとえば花が持つ商品価値に匹敵するものが、木材にあるような気がする。

東急ハンズを見て回ると、商品とは何か、経済とは何かの勉強になる。もし商品開発を考えているのなら、ヒントはいっぱいあるはず。だから視察なのだよ。                                           

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2007/05/24

数寄屋の語源

木曽のヘギ板職人との話の中で、「数寄屋(すきや)造って、なんでいうんだろうね」という言葉が出た。

一般的には、数寄屋とは茶室のことで、庭などに別棟として建てられた小さな家屋である。数寄とは茶の湯のことだったようだ。

そして数寄とはすき者から来ており、すき者とはかぶき者のこと。当時の武士社会の中では軽妙洒脱なオシャレをする者を指したらしい。あるいは派手で異様な姿を指すようだ。かぶくとは、傾くが語源ともいう。ちょっと時代を遡れば、バサラという言葉もある。鎌倉時代終焉から南北朝時代にバサラ大名なんてのが登場している。

茶の湯が、当時の新しい流行だった時代に、それに熱中するのは数寄者だったのかと想像する。そしてほぼ同時代に歌舞伎も登場している。

建築から言えば、書院造に異を唱える形で登場したから数寄屋造なのだろう。
ただ、書院造がヒノキの大木を多用したのに対して、スギの小径木を使った建築だから数寄屋はスギの建築に通じるという声も聞いたことがある。

いずれにしても、時代の変わり目に目新しく異様な建築として登場したのが数寄屋。それが今や伝統家屋の代名詞となっているのは皮肉でもある。そろそろ新たな数寄屋、いや歌舞伎屋、いっそバサラ建築……を生み出す時代かもしれない。

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2007/05/22

ヘギ板職人

ヘギ板というのをご存じだろうか。
簡単に言えば、木材を刃物を使わず裂いた板である。繊維を傷つけずに、わずかな切れ目から木目に沿って手で裂く。薄いものは、厚さ1ミリ以下にもする。昔は、メンパなどもこうして作ったというし、そもそも日本には縦挽きノコギリの登場が非常に遅く(室町時代)、それまで、みんな木は割いていた。そして、それを編んだのが網代(あじろ)編み。

その職人が、長野県上松にいた。小林鶴三さん。日本に残るヘギ板職人は二人だけだという。その工房を見学させていただいた。

材料は、サワラかネズコ。ヒノキは裂かないという。むしろスギの方が裂きやすいそうだ。裂き方は、見ていると無造作で、なんということはない。まるで張り合わせた合板のベニヤを剥がすごとし。だが、その裂き面を見ると、見事に繊維を切らずちぎらず、木目の境を裂いている。それが何とも言えない風情をかもしだす。

Nagiso_1 写真は、幅の狭い板だが、本当は、もっと広いものを裂くらしい。

ただ材料を選ばないと、うすく裂けないし、美しくもならない。だが、その材料がなかなか手に入らないのが悩みだという。そのため後継者の育成もできない(仕事量がない)のだ。

小林さんは、第3回森の“聞き書き甲子園”で、森の名手・名人に選ばれている。さっそくその項目を読むと、戦国時代に盛んに茶室が作られた際に、天井や壁に網代編みの材料として発達したらしい。もっとも、当時は職人は京は大坂など都会にいたという。それが材料を求めて山に分け入ったのだ。今とコースが正反対。いや、当時のヘギ板づくりはハイテクであり、都会派産業だったと言えるかもしれない。
だから最後に「林野庁への願い」として、材料調達をなんとかしてくれ、と言っている。 

                               Nagiso_2_1

網代編みの工程。

        Photo_3

木目の紅白を生かした美しい網代。

しかし、材料もなく、後継者もいない、そして茶室の造営も減ったから需要も伸び悩む。となると、将来は危うい。しかし、木繊維を切らない加工は、何か生かす場があるように思える。何も美しさだけではないはずだ。かつてのハイテク産業を現代に甦らせる方法はないだろうか。

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2007/05/10

古代の木材リサイクル

大阪に出た際に、多少の時間があったので、大阪歴史博物館に寄った。

展示はつまらなかった。江戸東京博物館の方がよほどよかった。
ところで、最初の部屋は難波の宮から。やはり大阪は難波宮から始まるのだ。
意外と知られていないが、古代史の始まりは飛鳥ではない。その前に河内王朝などがあり、大阪に都があったのだ。とくに難波宮は、副都として長く存在していた。奈良時代でさえ、聖武天皇が平城からアチコチ遷都したあげく難波に行き着いている。その後、また平城にもどるのだが、最後まで副都であり続けた。

P5090002

それはともかく、10階建ての博物館の最上階に難波宮の大極殿が復元されている。といってもハリボテだが、太い柱があったことはわかるだろう。この木はどこから持ってきたのだろうか。現在、平城宮跡で本格的に復元している大極殿よりは小さいが、相当な大木を使ったのは間違いない。

記述によると、難波宮の宮殿などは、その後長岡京を建設する際に移築したそうだ。一方、平城京からも長岡京、平安京へと移築が行われている。言い換えると、木材のリサイクルだ。古代だからといって(古代だから?)大木は無尽蔵にあるわけではないし、伐採や加工の手間を考えると、古い材を使うことが重要だったのだろう。

幸い難波から淀川を遡れば長岡京だし、平城から木津川を下れば平安京に着く。比較的輸送はしやすかったのだろう。

そう考えると、平安京の宮殿は、随分お古だったんだね(笑)。

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