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森と林業と動物の本

2026/09/10

木を伐らないと報酬が得られる仕組み

このところ、ようやく「木材生産だけでなく収入を得る方法」としての林業が語られるようになってきた。といっても、細々だが……。

そんな中で目が止まったのは、こんなニュース。

森林を残す所有者に報酬を 「伐採しない」選択に価値をつけるブラジルの試み

ブラジルでは、法律上は農地や牧草地に転換できる森林を、あえて残す土地所有者に金銭を支払う取り組みが試行されている。アマゾン環境研究所(IPAM)がすすめるプロジェクト、「CONSERV」だ。
ブラジルでは、土地所有者に一定割合の森林を保全することが法律で義務付けられている。保全すべき割合は地域によって異なり、アマゾンでは最大80%、その他の地域では20%とされている。
一方、その基準を超えて残された原生植生は「法定保留地の余剰」とされ、許可を得れば合法的に伐採し、農地や牧草地に転換できるという。
問題は、こうした「合法的に伐採できる森林」が広大なこと。研究ネットワークMapBiomasの調査では、2008年から2024年の間に、アマゾンとセラード(ブラジルのサバンナ地域)で許可を得て伐採された森林は360万ヘクタールに上っている。これは、ベルギーの国土よりも広い面積だ。
CONSERVは、これらの森林を伐採せずに残す土地所有者に対して、その保全に対する金銭的なインセンティブを提供する。森林を残すこと自体に経済的な価値を持たせる仕組みだ。
2020~2024年の試行では、マットグロッソ州とパラー州の23の土地を対象に、ノルウェーとオランダの政府から資金提供を受け、アマゾンとセラードの2つの生態系で計2万707ヘクタールの土地を保護した。

CONSERVで受け取れる報酬は年2回。金額は、森林伐採リスクや森林環境サービス、そして土地価格に基づき算出されるそうだが、その原資をどこから得ているのか気になる。

現時点では寄付金のようだが、今後は炭素クレジットの販売や対象地で生産された農産物への価格プレミアム、そのほか融資条件を有利にすることなどを考えているそうである。

イマイチ、伸びしろがないなあ。ガッツリ収入源を確保しないと。炭素クレジットは日本でも流行りだか、問題は誰が購入してくれるかだ。設定しても、買手がいないと話にならない。

もう一つ、生物多様性クレジットを設けることはできないか。森林を守って生物多様性維持が金になる仕掛けをつくってほしい。

エコツアーなど観光収入もそんなに期待できない。いっそ森林に金を出す国や企業のビジネスに有利な取引条件を与えるとか、勲章を授与するとか(^o^)。アイデア不足だ。

むしろ私が気になったのは「合法だけど伐らせない」という発想である。合法というのは、かなり恣意的に国が法律で決めることなので、合法的に伐採したけど森林破壊になった、という例が世界にはあふれている。

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この写真はブラジルの林業らしいが、まさに計画的に行っている合法林業だ。

思いつくのは、EUDR、ヨーロッパ森林破壊防止規則だ。これは貿易時に商品が森林破壊をしていないかチェックするシステム。なかなか難しくて、制度として稼働が遅れているが、発想は「合法でも森林破壊はダメ」である。

しかし、これは買わないだけだから、森林の所有者にメリットが少ない。何かないかなあ。

2026/08/30

表の顔と、背後の本音

あまりニュースになっていないが、自衛隊がインドネシアに派遣される。目的はカリマンタン(ボルネオ)島で広がる森林火災の消火活動を支援するため国際緊急援助隊だ。
陸上自衛隊のCH47ヘリ3機を載せた海上自衛隊の輸送艦「くにさき」で現地に急行するそうだ。

山林火災の消火支援でインドネシアに自衛隊派遣へ

世界中で頻発する深刻な森林火災を多少とも鎮火することに貢献できるのなら結構なことだ。とくにインドネシアの火災は煙害となって東南アジアを覆っており、環境破壊が激しい。また自衛隊も消火技術を身につけて、日本で起きる森林火災対策に役立ててほしい。

こうした海外への災害派遣自体は、これまでもやってきたことなので、そんなに違和感はない。ただ、一部では言われるだろう。自衛隊の海外派遣の実績を積むことになる……と。

たしかに国際緊急援助だと言っても、日本の軍備と隊員が海外で活動することに違いない。将来的に海外派兵に結びつかないと言い切れるのか。気をつけないと、痛くもない(痛いかも)腹を探られるだろう。

それで思い出したのは、群馬県のみなかみ町で行われた「赤谷プロジェクト」だ。約1万ヘクタールの国有林「赤谷の森」を、地域住民の組織と日本自然保護協会、そして林野庁関東森林管理局が、生物多様性の復元と持続的な地域づくりを進めるものだ。

具体的には何をしたのかというと、皆伐だ。この地域に済むイヌワシにとって、草原が必要だからである。

スギ林を全伐して草原をつくり、地表が見えるようになると、イヌワシが餌となる小動物を発見しやすくなる……。餌を得られやすくなることでイヌワシの生息を保証する。イヌワシは絶滅危惧種だから、彼らの生息好適地をつくることは重要な意味を持つと言える。

それ自体には意味があり、科学的にも正しいと思えるのだが、その際に林野庁の某官は、「これで皆伐の意義を広めて、全国でも皆伐がしやすくなる」という発言をしている。まさにイヌワシをダシに、皆伐政策に反対する世論を弱めようという裏の意図があったのだ。

実際、その後、みなかみ町では赤谷だけではなく大規模伐採が進んで、そこを取材した新聞記者によると、かなり荒っぽい施業で土砂崩れを引き起こしていたようだ。
赤谷プロジェクトを見本に、全国の皆伐した国有林跡地を見事な草原と多様な森に仕立てたら立派だったのだが、そんな気配は感じられない。

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イヌワシ。以前、泊まった山の中の怪しげな宿では、イヌワシを飼っていたので驚いた。天然記念物を個人が飼育していいのか……。一応、怪我をしているのを助けた、と言っていたが。その後、宿は消えてしまった。イヌワシのほか、いろいろ動物がいたが、どうなったか。

2_20260830163401みなかみ町の山並み

 

2026/08/20

モクレポ~円安で木材輸出は伸びたか

高市政権になってからとてつもない円安が進行している。おそらく今後も続くだろう。

でも政権側は「円安でホクホク」な業界があると開き直っているが、暴落と言われる水準まで行けば何が起こるか……。
さて、ホクホクの業界の一つに木材輸出があるのではないか。そう考えて調べてみた。日本の木材輸出に関するデータは意外と少ない。幸い、林野庁のモクレポ8月号が出ている。

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たしかに上半期伸びている。でも、特別目立つほどではないか。中国が圧倒的だが、フィリピン、アメリカも伸びている。

私の知るところによると、九州では木材を輸出するために国内製材業者分も回すほどで、狂騒状態だというのだが。
輸出先は中国が圧倒的だが、中国も不景気で木材輸入は減らしている。日本からしても輸出は丸太中心。これでは利益薄いなあ。

日本は南洋材はもちろん、欧米からの木材輸入でも丸太はどんどん減っているというのに中国には丸太で輸出する。低開発国と同じだ。なお輸出増のフィリピンからは製材輸入量も多いから、結局は木材加工を向こうでしてバックしているのだろう。日本の木材輸入は各国とも製材など加工品が大半だ。日本の木材加工業は縮小していることになる。

そこで輸出額の統計を見る。

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相変わらず、木製家具が伸びている。これも円安の効用か。家具に使用する木材は、輸入している広葉樹材の可能性が高い。
そこでもう一つ気にしている広葉樹材の貿易はどうなっている。

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日本はアメリカから大量の広葉樹材を輸入している。こちらも製材が多い。使い道は、ツキ板などもあるだろうが、やはり家具材か。木質ペレットなどには広葉樹材を原料にするものも多いが、別物だ。

ちなみに木材貿易図を見つけた。これは針葉樹丸太なので、3分の1を占めるチップや木質ペレットは入っていない。

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日本は輸入しか示されていない。ただ中国の輸入元を見ると、日本は136万立方メートル。増えたといっても、ニュージーランドが圧倒的でEUにも負ける。日本材は1割以下ではないか。中国からすると、日本の木材は、そんなに重要視されていないのだろう。

……とまあ、とりとめもなく、こんなことを感じているのであった。

2026/08/05

林野庁長官人事って

林野庁長官が変わるそうだ。8月6日付けで林野庁長官の小坂善太郎氏が退任し、後任に国有林野部長の長崎屋圭太氏が就く。

正直、この手の官僚人事には全然興味がないのだが、若干感じたのは、小坂氏は、1年前の就任だったこと。官僚人事は2~3年で交代するから早すぎて……と言われるが、最近は1年が当たり前になっているのか。これで何か新しい政策を打ち出すのは不可能であり、退任前の格付け人事なのだろう。あ~あ。

もう一点、若干話題になっているのは、小坂氏も長崎屋氏も、技官であること。つまり理系出身、林学系学部出身なのである。林野庁長官は、事務官(ほとんど法学部出身)と技官が交代で勤めるのが慣例だったのに、このたすき掛け人事を破ったことになる。

ただ、より深掘りすると、そもそも戦前は官僚トップに就くのは全員が事務官だった。法律を学んでなければ出世できなかったのだが、戦争直後に、GHQに林野行政のトップは技術と現場を知っている人にしなさいと勧告を受けて、技官が就任するようになった。

だから戦後は山林局⇒林野庁の長官に技官が就くようになったのだが、いつしか?事務官も就任するようになって、たすき掛けが行われるようになった。

今回、長崎屋氏が技官であるや、56歳と若いこと、そして本庁の次長を経ずに長官になったことなど異例ではあるが、どんな意図なのだろう。

まさか1年後に退任したら、57歳で官僚辞めるの?どこに天下りするの?といった余計な心配?をしてしまう。あるいは長く勤める布石なのかあ。

まあ、私は、技官が必ずしも林務行政に向いているかどうかはわからないと思っているけど。

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2026/08/04

バイオマス白書2026と地元の発電所

昨日、edgeでいきなり入力で漢字変換ができなくなったうえ、即ブラウザがダウンする症状が発生。実は、その前々日にChromでも同じ症状が出たのでedgeに変えたのだが、それが伝染したかのよう。どうもChromもedgeも、同時期に更新されて、それが私の日本語入力「Japanist10」に合わなかったようで不具合が出たらしい。

泣きそうになっていたが、とうとう最後の手段?firefoxを導入。これは初めてなので戸惑うことも多く、また引き継げない情報もあったりと、使えるように構築するのに悩まされる。各種パスワードを見つけるのに苦労するわ。時代とともにパスワードは微妙に変わっているのだ。求めに応じて長くするとか、使い分けるため。

とりあえず、このココログ更新ができるかどうかを試しているところである。

昨日、書きかけたところで止まってしまったネタを。

バイオマス白書2026サイト版が公開された。これはNPO法人バイオマス産業社会ネットワークが作成しているもので、官庁のものではない。だから、政府におもねることなく現状と問題点を記されている。

具体的な内容をここで紹介する元気はもうなくなった(´Д`)のだが、「2025-2026年のFIT/FIP制度の動向」に、新規に稼働し始めたバイオマス発電所の一覧が掲載されている。

そこに我が地元、生駒市に新たにできたバイオマス発電所が載っていた。「BPSいこま」の「北田原発電所」である。

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これは私が潜入調査して撮影したもの(^^;)。ま、正確には迷い込んだのだが。たまたまある道を走っていてミョーなプラントを見かけたので、そちら方面に車を走らせて見つけた。

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特徴は、周辺にメガソーラーやごみ焼却施設もあること。それらは生駒ではなく隣接する大阪の交野市ではなかったか。

このバイオマス発電所は、建築廃材を主燃料としている。FITを使っているかどうかわからない。

いろいろ思うところはあるのだが、もう今日は疲れた……。firefox構築に。。。。

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2026/08/02

農業省が動物福祉省になった国

デンマークの農業関係の省庁である「食品・農業・漁業省」が、新たに「自然・動物福祉省」に再編された。

この国は、農業のほか畜産業が盛んで、年間約3000万頭の豚を生産しているそうだ(豚肉の9割を輸出)が、養豚大国から、農業とか畜産の名称が消えたのだ。

今年の総選挙では、養豚産業を巡る動物福祉や環境政策が争点の一つになって、「豚選挙」と呼ばれたとか。
結果的に新政権は、農業省を再編に取り組んだのだ。「自然・動物福祉省」は、農業分野における温室効果ガスの排出削減の機能(これまでは「グリーン・トライパート省」が担当)も引き継ぐという。

農林水産業と環境は、同じ自然を扱いながらも何かと対立しがちだが、一緒にやっていく方針なのである。

現実に日本の農業・林業・水産業は、生物多様性などに反した構造になっている。農業も林業も単一種を集中的に栽培しがちだし、水産庁なんぞは持続性を無視した魚獲り放題施策を推進する。動物福祉にいたっては、改善する気があるように見えない。オリンピック時でも動物福祉を求めるGAPを無視して、まがい物のJGAPをつくって誤魔かしたからね。

 

そういや、中国の天津肉類協会加盟企業は、森林破壊と無縁であることが認証されたブラジル産牛肉に限って輸入することを確約した。今年は5万トンだそうだ。ブラジルの牛肉輸出業者の今年の対中輸出見込み量の4.5%に相当する。もちろん価格は上がる。
こうした動きは、徐々に世界の食肉市場にも影響を与えるだろう。

世界的に農業政策は、気候変動や生物多様性への影響、動物福祉、水質汚染などを無視できなくなってきた。

日本も、こうした潮流に乗ったらどうか。20世紀末の官庁再編時に、林野庁と環境省を合体させる動きがあったのに、ギリギリのところで潰された記憶がある。今度は農林水産省と環境省を再編・合併して「自然環境産業省」でもつくったらどうかな。

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環境省の方が字が大きい(笑)。

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でも、農水省の看板は石造りだ(^^;)。環境省はひっそりと。

 

2026/07/24

林業界の外国人の待遇

最近、日本の林業界に外国人を受け入れる相談を受けた。

ここでは具体的な内容は伏せるが、ようするに特定技能制度に林業と木材産業が加わったからだろう。国全体としては、在日外国人の就労を厳しくする動きがあり、さらに排外主義がはびこりかねない情勢であるが、林業界は人手不足が極まって、外国人サマサマなのか。
ちなみに、特定技能以前に、技能実習制度や有償インターンシップで入国して林業へ就職するケースが多い。

調べてみると、多いのはベトナム人で、フィリピン人、中国人、ミャンマー人、モンゴル人もいるそうだ。そして現在注目されているのがインドネシア人なのである。やはり東南アジアが多い。ネパールは意外と少ない。森のある国の人がいいのか(^^;)。
そういや、この話とは別に、林業現場に近いところで外国人によく会う。台湾人にフランス人、アメリカ人もいた。彼らは地域おこし協力隊の制度なども使うが、特定技能でも技能実習生でもないはずだ。

もっとも、円安が進行して現在、日本の給与はさして高くない。出稼ぎ目的だとウマミは減っているだろう。むしろ森が好きだから、日本の森と林業に興味を持って就労するケースが増えているようだ。これって、素晴らしいではないか。

問題は、受け入れ側だろう。日本の林業界、受け入れたいといいつつも、真っ当な雇用環境があるのか心配。日給制ではいけないし、保険などもしっかりしないとマズいだろう。外国語だけにコミュニケーション環境や、宗教などへの理解も必要だ。

が、聞いてみると、今のところ収入はいいのだ。年収で500万~600万円だという。(この額は、その林業事業体の全員が受け取っている。外国人だけではない。)これって一般的な日本人の林業従事者よりよくない? 

森林・林業基本計画で「林業従事者の収入を増やそう」という提言も、林業全体の平均は361万円だから全産業平均の458万円にしよう、というものだった。これを軽く超えている。

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加えて、受け入れ努力がすごい。事前研修に加えて日本人側がコミュニケーションを取るための努力をものすごくしているし、配慮もハンパない。それだけの待遇があれば、日本人就業者だって増えるのではないか……。

もしかして、日本の林業事業体(森林組合含む)の2極分化が進んでいるのかもしれない。旧態依然と、新体制を組めたところと。それを計る物差しが外国人就労ができるかどうか……なのではないか。

林業と一括りにするのではなく、やる気のあるところ、ないところ、で見ていけば別の姿が浮かび上がる。

 

※追記・若干、誤解を呼んでいるので、改めて。外国人就労者を高給で雇おうとしているのではなく、その事業体に勤める人は、だいたいこれぐらいの給与をもらっているよ、という話である。日本人と外国人の給与格差をつけるのは法律違反なので、そこに勤めたら外国人だって同じぐらいもらえるわけだ。ただし平均なので、新人からでもない。それは日本人も同じ。

2026/07/21

「森業アワード」で思い出す

林野庁で「森業アワード」とやらをやっているらしい。

森業ポータルサイト

ようするに「森業」となる取組を行う企業・自治体・NPOなどを表彰・発信する顕彰制度だ。事業コンテストと思えばいいか。

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で、肝心の森業とは何か、ということになるのだが。

「地方みらい共創戦略」(令和7年5月28日農林水産省公表)において「森業」の推進が位置づけられました。
文化的サービスを始めとする森林の多様な生態系サービスの提供・活用により、人と森林の関係を深めるとともに、
林業と相まって森林所有者に利益を生み出し、豊かな森林づくりにつなげる取組「森業」を推進しています。

とまあ、こんな風に説明されている。どうやら「地方みらい共創戦略」とやらでは、里業(農業系)、海業(水産業系)と並んでいる。
森林がらみではあるけど、既成の木材生産とは違う事業という位置づけみたい。

「森業」とは、森林浴やトレイルライド等の森林空間利用、林業体験や企業研修等のフィールド提供、J-クレジットや未利用資源の活用等、森林のもつ社会経済的価値や環境価値を活かした取組で、関係人口の創出・拡大、ウェルビーイングの向上、森林経営の収入源の多角化などを目的とするものです。

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事例としては、森林浴に森林サービス産業、加えて企業の森やJクレジットまで含めている。
過去の総ざらい的である。木材だけを使う林業はパッとしないし、オルタナティブなネタを探している風でもある。

私自身は、以前より木材しか資源としない林業に物申してきたし、森林療法などは30年前から取り上げてきた。そして、何より20年ぐらい前には「森業・山業創出支援事業」という補助金を取ったこともある。その際のネタは、チェンソーアートである。

思えば当時から森業という言葉は使われていたわけだ。山業は消えたけど。

だから今回の事業も別にいいけれど……と思いつつ、しっくりこない。なんか林野庁のお遊びに付き合わされている気分になる。
補助金バラマキのネタ募集みたいだ。林野庁界隈の内輪で盛り上げているだけ?

私が以前「森業・山業」事業に応募したのは、「補助金を受託するとはどんなものか経験してみよう」という気持ちからだった。そして、補助金は取らずにやるべきだったな、というのが結論だった。事業は身銭切ってやるもんだな。

今回の「アワード」に、仮に選ばれたらどんな特典があるのかわからないが、表彰されて何が嬉しいんだよ、という気分である。

 

2026/07/12

今度はネットゼロパスウェイ認証

初めてFSC(森林管理協議会の森林認証)が登場した時、「これだ!」と思ったと同時に「他人に認証してもらわないといけないの?」という点が脳裏に引っかかった。

日本の林業が森林の質を下げている、これを何とかする手立てはないものか……と思索を繰り返していた頃である。1990年代か。

FSCの説明会に三重まで行って“勉強”したことを思い出すが、ようするに当事者(林業家とそれを購入する製材業者など)が信用ならないから、第三者が認証するということを理解しつつも、金もかかるしなあ……と思った記憶がある。

今となっては「当事者は信用ならん」という発想に大いに同意する。信用ならない。彼らに任せておいたら森林は破壊される、と意を強くしている。森林認証もいろいろできたが、少なくても日本の林業はよくなっていない。断言する。

さて「第三者が認証しなけれはならない」という考え方は、どんどん広がる一方だ。ありとあらゆる商品に認証制度が登場している。そして、新たに登場したのが、「ネットゼロ・パスウェイ認証」だ。

テーマは脱炭素。国際規格の認証と策定を手掛けるBSI グループジャパンが、 「ネットゼロ( 温室効果ガス排出量実質ゼロ)」に向けた脱炭素戦略の実効性と信頼性を高める第三者認証サービスである。

イギリスで生まれヨーロッパで広がりつつあるが、それを日本に持ち込むようだ。 2050年までのネットゼロに向け、企業に目標を宣言させるだけでなく、 実現可能性の高い移行計画の策定と、その信頼性を客観的に示すことが求められる。とくにカーボンオフセット(排出権取引)を使わないことが大きな特徴だろう。

その説明会を開きます、という案内が、私のところにも届いた(^^;)。

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オンラインだから、簡単に参加できますよ、というわけで、30年前と大きく変わった。

もう、勉強はこりごりだが……。

この認証の内容はともかく、私の考える脱炭素でもっとも有効なのは、森林面積を増やすことと、木炭を土壌に混ぜることだ。

前者は当たり前だろう。とくに熱心なのが中国で、とてつもなく森林面積を増やしている。なんとタカラマカン砂漠とゴビ砂漠をつなぐ「緑の長城」が衛星写真でもわかるほどだ。

だが、私は後者にも期待している。木を炭に変えれば再び大気中に放出される可能性は非常に低くなる(その土壌を熱しないかぎり)から。バイオマスエネルギーのように、す固定された木材を燃やして排出してしまう詐欺的な脱炭素とは違うのである。そして木炭を多く含む土壌は概して農作物の生長にプラスとなる。

4パーミル・イニシアチブ」という脱炭素運動が、すでに行われている。世界の土壌の表層の炭素量を年間0.4%(4パーミル)増加させるというものだ。それだけで人間の経済活動によって発生する大気中の二酸化炭素を実質ゼロにすることができる。

マツタケと4パーミル・イニシアティブ 

4パーミルイニシアティブと「地中の森」づくり

日本では山梨県が熱心で、なんと認証制度もつくっている。
やまなし4パーミル・イニシアチブ農産物等認証制度

ネットゼロ・パスウェイ認証にも、森づくりと木炭づくりを加えてくれないだろうか。

2026/07/08

イギリスどうする?EUDR

EUDR(ヨーロッパ森林破壊防止規則)が発足したとき、イギリスはこれを適用するのだろうか、と疑問があった。

EUDRの施行は何度も延期されてきたが、ようやく今年12月30日から(大企業向きは)スタートする予定だ(予定どおりならば)。

これはEUで協議されてきたものだから、施行範囲はEU加盟国であろう。一方でイギリスは2020年にEUを脱退している。

ただ、EUDR以前のEUTR(ヨーロッパ木材規則)などもあって、こちらはイギリスも参加している。いや、そもそも森林破壊防止に関する貿易規則づくりにイギリスも熱心にだったのではないのか。

詳しい経緯はともかく、イギリスが参加しないのでは、効果の点で弱まるのではないか……と感じていたのである。

だがイギリスは、新たな森林破壊規制を導入すると発表した。森林破壊につながる一次産品の取引規制制度を、2027年から施行をめざすらしい。

簡単に振り返ると、EUDRは、木材のほか牛肉、パーム油、大豆、カカオ(チョコレート)、コーヒー、ゴムとそれらの派生製品を扱う企業は、それらの原料の生産過程で森林破壊をしていないことを確認する義務を課す。

そして森林を破壊して生産されていたら、その商品を取引してはいけない。しかも生産国の法律を違反していなくてもダメというものだ。合法でもダメ、というのは強力な制度でありメッセージだろう。

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それに対してイギリスの制度案は、原料生産が原産国の法律に適合して作られたことを確認する義務を求めている。また対象となる企業は、年間売上高100万ポンド超だという。年商2億円規模の中小企業まで含むとなれば、抜け道を防ぐことになる。
EUDRのように「合法でもダメ」ではないが、将来的にはEUと足並みを揃える予定のようだ。

EUと差別化を図りたいのかどうわからないが、もっと簡単に「EUDRに加盟します!」と言えなかったのかなあ(^^;)。

もっとも、日本のクリーンウッド法に比べれば、圧倒的に厳しい。

クリーンウッド法は、昨年改正されて事業者に合法確認が義務づけられたとはいうものの、違法産品でも締め出さない。また対象も、木材および木材製品(家具・紙など)だけで、生産過程における森林破壊には踏み込まない。農畜産物が含まれない点も致命的だ。だいたい原産地に本気で確認するのか怪しい。書類上で「合法でーす」と一筆書いてもらったらOKになりそうだ。

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ともあれ、世界は粛々と動いている。他方で戦争や人権無視・迫害も広がっているけど、コツコツ進めるべきことはある。

 

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