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政策・行政関係

2017/10/27

来年度予算要求④流通コスト対策

来年度の林野庁予算要求内容も、先週に①、②を紹介し、③に相当するのはYahoo!ニュースに書いたので、今回は④になるのだよ。
 
 
今回は、川上側から川中・川下側。流通コストの削減を後押しする施策を考えているようだ。
その方法は、伐採から建設までの各業種を連携させること。それによって無駄を省き、コストを圧縮させようというわけだ。そこで連携ができた製材所を支援する。つまり建設業者との連携ができている製材業者に対して優先的に補助対象とするという策。
木材加工施設などを造る際の補助金は、現在もあるが、ちゃんと売り先も確保しておけよ、ということだろうか。
 
私はずっと林野庁を貶してきたように思う人もいるかもしれないが、,これはいいんじゃないか? と、珍しく褒める。
売り先とそこで必要とされる木材の質(木取り)がわかっていれば、無駄が出ないことは以前から指摘されてきた。しかし、みんな化かし合いをやっている。いかに安く買いたたいて、高く売るかに腐心してきたからだ。だから、どの業者も疑心暗鬼になる。それを補助金をチラつかせることで、連携させようというわけだ。
 
一方で、伐採から製材、そして建設まで全部こなす業者を増やす算段もしている。たとえば製材業者が伐採事業に進出する際、設備導入を補助するそうだ。
 
これは、どうかなあ。どの業態も、結構なノウハウを必要とする。建設なんて、簡単にできないし、しても販売ノウハウを持つのは大変だ。
家の産直を謳って、山側の業者が欠陥住宅ばかりつくったり、逆に川下の工務店が原木や製材を買い叩いた事例を思い出す。
一方で「顔の見える家づくり」を持て囃した時代があった。まさに伐採から製材、建築までネットワークを組んでトレーサビリティのも持たせる方法だった。だが、結果的にほとんどのネットワークが休眠してしまっている。結局、ここでも疑心暗鬼になって、誰がどれだけ儲けるか、利益配分がおかしくなった。
 
結局、多種業界を一社でやろうとして成功できる地力のあるのは、相応の資金力と人材を揃えられる大手だけになるような気がする。
 
A材対策というものもあった。今売れるのはB材C材D材と安いものばかり。質が良くて利益も大きい建築用材の需要拡大の必要性がある。
そこでA材に関して、強度と乾燥度を担保したJAS認定を受けた木材を工務店・ビルダーが購入した場合に補助金を出す案だ。
 
なぜこれが、A材対策になるのかよく理解できない。
そもそもA材を使わず、集成材やパネルを使う建築の場合は関係ない。補助金分を儲けるめに、工法を変えてまで無垢のA材を使おうというビルダーがどれだけいるのか。
いっそ、補助金をビルダーに払うのではなく、A材が売れたら山側に払うのならわかるが。もっとも、これもビジネス的モラルハザードだなあ。

2017/10/20

来年度予算②所有者不明山林問題

所有者不明の土地の問題がクローズアップされている。私も、それに関する記事を執筆するため取材したおかげで、わりと身近に感じているのだが……来年度の施策にもその対策が盛り込まれているようだ。
 
 
もっとも、これまで手を打ってこなかったわけではない。
たとえば「要間伐森林制度」というのが2012年に設けられている。知事の裁定によって、所有者の分からない林地の間伐を第三者(森林組合)に任せるというものだ。
共有者不確知森林制度」もある。こちらはなんと今年2017年に開始したものだが、共有林で一部の持ち主が不明の場合は、市町村による公告と知事の裁定を経て、判明している持ち主らの合意のみで伐採を可能にするもの。
 
ところが、どちらも公告申請件数は現在までにゼロ。
なんたって、公告というのはかなり強権の発動であり、訴訟リスクがあるからだろう。伐採してから、所有者が見つかり、訴えられたらイヤだと感じるのだろう。それに手続きも煩雑。
 
それを来年度からより簡単な手続きで、間伐や伐採を行えるように見直す……それが可能かどうかも検討するということらしい。
 
 
でも、まあ、これらの見直しが行えても、適用するのは伐採あるいは林道・作業道を入れる必要のある山林ということだろう。伐りたい山があるのに、一部の反対で伐れない……なんか、伐るのが至上命題みたい。
 
それは昨日のエントリーとも共通するが、ようは木材生産量を増やすことだけが目的なのだ。森をよくする、美しい森をつくる、という目的を感じない。
たとえば雑木林などの山林、間伐をしても利益が出そうにない森に関しては放置するのだろうか。
 
その前に、所有者を探し出す、説得するというプロセスが見えないのだが……。
 
実際に強権を発動してまで実行するのは、所有者不明山林と言われるうちの何%だろうか。
 

2017/10/19

来年度の林野庁予算要求を見る1

選挙戦も終盤だが、こうなると私は興味を失う(~_~;)。
 
そこで、一歩進んで選挙後の内閣にとって最初で最大の仕事となる2018年度予算案づくりに眼を向けてみた。すでに大枠は決まっているのだ。
 
 
林野庁は、相変わらず「林業の成長産業化」施策を掲げているが、要求額は約300億円。
いくつか興味深い点があるが、その一つは「森林管理を伐採業者に委ねるスキーム」だ。「意欲と能力のある伐採業者」を選んで絞り込み、設備導入費や間伐費の補助を集中的に支援する計画である。
 
これ自体は、以前から言われてきたのだが、そこに3段階設けている。
①森林所有者の管理責務を明確化する
②所有者が管理できない場合は自治体が「意欲と能力のある伐採業者」に管理を委託する
③委託先が見つからなければ市町村が管理する
 
この②と③が、結果的に「意欲と能力のある伐採業者」に委託するのだろう。
そこで業者の要件が問題となる。どうやら自治体が業者のリストをつくるらしい。
 
その基準が「確実に利益を上げられる業者」であることだ。事業量の増加に対応できることや、「主伐や再造林のガイドラインがある」といった要件を想定している。
 
そこに高性能林業機械や路網整備費、間伐作業費などの補助金を集中的に支給する構想のよう。
これって、ようするに大規模に伐採できる業者を優先するということだろう。どんどん伐れよ、息切れするな、休むな、社員旅行はハワイだぞ、なんていうイケイケドンドン業者である。
 
今後も規模拡大路線を続けていくわけか。なんか、九州辺りの大面積皆伐を得意としている業者を想定しているように感じる。宮崎には、NPO法人ひむか維森の会が作り上げた「責任ある素材生産事業体認証制度」(CRL認証)もあるから、この認証を受けた業者ならガイドラインを持っていると認定できるだろうし。
 
将来に向けて森づくりにじっくり取り組みます、小さく、少しずつ、持続的に林業続けます、という業者は多分排除されるだろう。「排除の論理」(笑)。   
 
そこに加えて、森林環境税の導入も睨んでいるようだ。ここで得た資金を、上記補助金に回すつもりか。もはや新増税は確実に通ると、決めているのだね。
各党の公約を見ても、どこがどんな政権を立てても、この方向性は変わらないのか。あるいは、各自治体は抵抗できるのだろうか。

2017/09/19

林野庁が「森林バンク」とな?

林野庁が放置人工林の整備のために「森林バンク」制度を創設する計画のようだ。年揚げの通常国会に法案を提出する予定とか。

 
Photo
 
ネットでは、こちら 。   
 
とうとう出てきたか、というのが最初の感想である。以前より議員WGやら識者の懇談会等で、提案が出されているのを聞いていたからだ。そして、私なりに森林バンク構想を練っていた(笑)。
 
今回の構想は、放置されている人工林を整備することを目的に掲げてある。この手の問題が起きると、必ずと言ってよいほど森林バンク的な機関が想定されるが、その根底には国に任せたら安心、みたいな発想があるのではないか。
私は反対だ。国に任せたら不安である。責任なく、机上の論理ばかりになりかねない。
 
 
今回は、市町村が森林を借り上げて、実際の作業は木材生産会社などに委託するとしているが……ちゃっかり林道整備や林業機械は国が支援するそうだ。
加えて、記事には無料で借り上げて管理するのに「年間500億円規模かかる」と試算しており、そこに国の森林環境税を当てるというのだ。この金額はなんだ(笑)。ここが怪しい。
 
手入れすると言って、逆にひどい施業をする例は多い。重機で土壌を引っかき回したり、バイオマス燃料用に皆伐して、「放置森林を手入れしました」と言いかねない。     
そもそも環境保全のため、とお題目を掲げるのなら、たとえば1ヘクタール以上の皆伐は禁止とか、再造林を10年以上監視するスキムを盛り込むべきだろう。10年後に成林していなかったら罰則を与えるぐらいでないと信用できない。
 
以前も少し紹介したが、「農地バンク」なるものがある。農地をやる気のある「担い手」の元に集めることを目指したが、発足後ほとんど機能していない。農業も大規模化することで「成長産業」とする計画だったが、見事に失敗しているのだよ……。
 
 
ちなみに私が考えている森林バンクは、「意欲ある林業経営者」に森林を預けるのではなく、「金のある異業種企業」に森林を斡旋するバンクである。森林を所有する名誉を与えて、金を出させる。ただし、実際の森林経営は専門のプロに委託しなければならない。国の森林総合監理士もいいが、地元で養成されたフォレスターも混ざった森林経営委員会を作らせたらよくないか?
また斡旋業務は、新たな組織を創設せずとも地方の金融機関が担ってくれるのが一番だと思う。だって、地元の企業の財務状態をもっともよく知っているから。
 
 
まあ、ああだこうだ、と、私も責任負わずに机上の論理で考えているだけだけどね(;´д`)。
 

2017/09/17

林野庁と環境省の境界線

気がついたら、明日も休日なんだって。

全然知らなくて、明日までに仕上げる原稿を用意していたのに……。
 
 
というわけで、こんな日に真面目な森林や林業や木材の話を書くのもシャク? なので、またもや大台ヶ原のことを。
 
今度は東大台の一枚。
 
299
 
東大台ヶ原は、日出ヶ岳や正木が原など名所がたくさんある。海もよく見える。海までたかだか20キロほどなので、伊勢湾から尾鷲辺りが一望できるのだ。
 
そして、伊勢湾台風以降、多くの倒木が出て、そこにシカの大繁殖などもあり、草原が広がっている。原生林が失われて草スズタケとミヤコザサが繁り、そのササ原もシカによって食べられて裸地化が進んでいるわけなので、自然劣化が進んでいるわけだ。
だから悲しまなければならないのだが……いい景色じゃないか、と登山客に喜ばれている。
 
とはいえ、放置はできないので、シカの捕獲事業と防護柵を建てているわけだ。めざすは、かつての「苔むす森」を取り戻すことなのだが……。
 
そして、驚いたことに長大な木道がつくられていた。登山者があまりに多く道が削れるうえ、どんどん副道がつくられてしまうからだそうである。
 
この景色にも驚いたのだが、私がもっと注目したのは、管轄の違いがあること。
 
写真の右が環境省。左が林野庁。環境省的には、国立公園特別保護地区に指定されているのであり、林野庁的には森林生態系保護地域を設定しているからだ。
 
この木道に、見えない境界線があるのだよ(笑)。やっている事業は同じなのだか、よく観察すると、微妙に防護柵(防鹿柵と環境省は呼ぶ)の張り方が違ったり、パッチディフェンスとか稚樹防鹿柵とか、呼び方が違ったりする。
 
仲良くやってね(^0^)。

2017/05/25

違法ジビエは諸刃の剣

政府の「農林水産業・地域の活力創造本部」が、獣害対策の一環として、野生鳥獣の肉(ジビエ)の利用を拡大し、2019年度にジビエの消費量を倍増させる目標を立てたそうだ。
 
それによると、全国に12のモデル地区を指定し、ハンター養成に加えてハンターに仕留めた獲物をジビエとして商品化する処理方法を研修するほか、捕獲後すぐに処理できる移動解体車や、年間1000頭以上を処理できる処理加工施設を整備する。
さらに野生鳥獣を適切な衛生管理の元に処理する施設を認証する制度や、捕獲日や捕獲者などの情報を提供する情報管理システムの開発支援……だそうだ。
 
 
う~ん。ジビエを普及させることが獣害対策につながるかどうかはかなり疑問なのだが、その前にこの手の策から浮かび上がるジビエ利用の現状を思い出してしまった。
 
これまでのジビエと言えば、(輸入品は別として)猟師が獲ってきた肉の“おすそ分け”として存在した。見知ったハンターが獲った獲物を分けた肉である。その際に金銭のやり取りがあるかないか。あっても、あくまで個人間のお礼レベルだ。
だから、仮に食中毒が起きても、問題化しにくい。またE型肝炎への感染リスクがあると思いつつも、シカの生肉の刺身をオイシイheartと食べている。
 
 
では、彼らがどのように獲物を処理しているか。私も目撃したことがあるのだが、多くのハンターは、仕留めた獲物(シカやイノシシ)をその場、つまり野外で解体する。血抜きして毛皮を剥ぎ、渓流などに獲物を浸して肉温を下げ、また内蔵を捨てる。オイシイ肉部分だけを持って
帰るわけだ。
 
しかし、それが何を意味しているのか。何よりも衛生的でない。地べただったり、段ボールを敷く程度。川の水も、どの程度衛生的か怪しい。
 
これは、はっきり言って食品衛生法の違反である。だから販売してはいけない。しかし、実際には出回っている。これは違法ジビエだ。
 
さらに野外に血を流したり川で肉を洗うのだから水を汚すことにもなる。解体後の死体の処理も、しっかり穴を掘って埋めるとは思えない。川岸に放置したり、ブッシュに投げ込んで終わり。それが環境破壊になるどころか、クマの餌になったりもする。
 
 
上記の施策は、違法ジビエを排除することを目指しているのかもしれない。というと良いことのように思えるが、完全に実施すると日本で出回っているジビエの多くが消えるだろう。
 
なぜならハンターの多くは、ジビエ利用(野生肉のおすそ分け)を諦めるから。ジビエを遵法化しようとすると、すごい手間とコストがかかるが、それを嫌うのである。
現在でも、ジビエに参入するハンターは、ごくわずか。少しでも駆除個体の有効活用したいと思うからだが、始めたら「全然儲からない」どころか「赤字で首が回らない」話が出てくる。やってられないだろう。仕留めて1時間以内に解体処理場に運び込めと言われると、農地の側で仕留めるのならともかく、山の中ならいかに大変か。
 
そんな苦労しないでも、有害駆除報償金を受け取っておけばよい。そして、自分の分の肉だけを(違法に?)解体して持ち帰るのではないか。それを有償おすそ分けしたら、犯罪になってしまうから。
 
 
ジビエ倍増作戦が、逆にジビエ消費量を激減させるかもしれない。
 
103_2
 
シカ個体の3分の2が、ゴミとなる。

2017/05/13

愛媛県が外国人林業研修生?

愛媛県が、今年度から3か年の「林業担い手外国人受入れモデル事業」をスタートさせたことを知った。

具体的にはベトナム人研修生を毎年5名程度招き、林業事業体等に就業できるまでの教育や技能講習等について支援するのだそうで、2800万円程度の予算が付けられている。
 
これまで林業現場に外国人労働者を受け入れる案は幾度も登場しているし、一部には日系ブラジル人など外国人を就労させるケースはすでに行われている。また建築現場や農業でも年々、外国人労働者が増加している現状がある。
その背景には慢性的な人手不足があるわけだが、行政が積極的に関与して林業界に受け入れる例を私はほかに知らない。
 
 
しかし、今回の事例で苦笑いしたのは、事業内容が「林業における新たな担い手を確保するため、全国初となる短期の外国人技能実習生の受入れを支援するモデル事業に取り組み、継続的な受入体制を整備し、林業の活性化を図る」とある点だ。
 
3年間の滞在が終わったら帰国する外国人を担い手とするのは、ようするに林業は単純作業で3年ごとに入れ換えても大丈夫という認識か。多分、さほど技術を必要としない下刈りや切り捨て間伐のような作業に従事させるつもりだろう。それが技能実習か。
農業界の外国人研修生が年々増加しているが、数々の問題が噴き出して批判を浴びていることを知らないのだろうか。下手すると人権問題にもなりかねない。
 
一方で、その他林業労働力の確保の促進に関する事項の中には、
愛媛県の造林・緑化・木材の搬出等の優れた林業技術の移転を図ることは、諸外国の経済発展と国土保全を担う人材育成が成される重要な国際貢献であり、林業労働力の確保にも繋がるため、外国人を継続的に受け入れる体制を整備を検討していく。
と記している。
 
この点に関するパブリックコメントの複数の批判的な指摘に対して
外国人技能実習生の活用につきましては、現在のところ、農林水産業において、林業のみが外国人技能実習生の実習期間を2年以上に延長する制度の対象になっておらず、活用されていない現状であるため、今後の国の制度改正を見据え、法律に準拠した適正な制度の運用を行う体制づくりを検討していくこととしたものですのでご理解をお願いします。」と木で鼻をくくったような返事を繰り返している。
 
担い手確保とか国際貢献という、本音と建前のような言葉の羅列はおいといて、愛媛県の優れた林業技術、とあるところで爆笑した。どこが? どんな優れた技術があるのか、ぜひ具体的に教えてほしい。日本の林業技術は遅れているからと、ヨーロッパから指導者を呼んで学ぼうとしている最中ではないか。(ちなみにドイツ人フォレスターが、日本の林業現場は30年遅れている、と言ったのを聞いたことがある。)
 
たとえば熱帯と温帯という決定的な風土気候の違いに加えて樹種も生態系もまったく違う中で、どんな造林を教えるのだろう。日本固有種のスギの造林法をベトナム人に教えるのだろうか。それとも熱帯産のチークの育て方を日本の林業家は知っているのか。
木材の伐採や搬出も、低効率が指摘されているのに何を教えるのだ。林業機械の操縦を教えても、ベトナムにない機材だと意味がない。
 
もっと本音を言えばよい。低賃金で危険な仕事は外国人にさせたいと。使い捨てしたいと。
 
 
実は林業は、第一次産業の中で若者率が伸びている職種だ。実際、希望者は比較的いるのだ。自然の中で働きたいという声はよく聞く。
 
しかし結果的に日本人の林業の担い手が少なくなるのは、あまりの待遇の悪さに起因する。事故率は全産業の平均の12倍に達するのは安全教育がなおざりになっている証拠だ。毎年、多くの人が林業現場でなくなったり大怪我を負っている。
また給与は日当払い・出来高払いがまだ多数を占めているうえ、額も平均以下だ。独り暮らしならなんとかなるが、家族は養えない……と結婚退職(もちろん男子)が多い所以だ。家族ができたら生活を送れないからである。
だから全国に林立し始めた林業スクールの卒業生も、いざとなると林業に就業しない人が少なくない。
 
 
どうせなら2800万円を現在の林業従事者の給料に上乗せしたらどうか。離職を防いで定着率を上げられるし、新たに参入するケースも期待できるだろう。
 
 
日本中、どこも腐った政策が横溢している。

2017/05/11

国の森林環境税で思い出す森林交付税構想

森林環境税構想、国は本気らしい。すでに総務省で検討会が開かれている。

 
これ、少々勘違いされがちだが、すでに森林環境税に類する独自課税をしている県は、たしか34ぐらいある。これは県税に上乗せ方式だ。
それに対して国は住民税に上乗せして全国民から徴税しようという魂胆。そして市町村に配分するという。
 
言い換えると、多数の県では森林整備目的で県税と住民税の二重に課税されるわけだ。 ようするに増税。すでに森林環境税を取られている私からすれば、ええ加減にせえ、と思う。
 
全国町村会は賛成。全国知事会や全国市長会は慎重……というところか。
 
 
ツッコミドコロは満載なんだが、もともと森林環境税のある県は森林面積が広いわりに人口が少なかったのだから、東京など大都市圏から徴税すれば総額として増えるのは間違いない。
 
 
どうせなら県の森林環境税を撤廃して国税に一本化したらどうか。そして森林面積割にして配分する。それが都道府県単位か、市町村単位かは悩ましいが。。。東京都23区とか大阪市なんか、取られるだけでほとんど受け取れないんじゃないか(笑)。
 
 
ここで思い出すのが「森林交付税構想」だ。覚えているだろうか?
 
これは和歌山県本宮町の当時の中山町長が提案して、それに呼応するように全国で賛成の声が上がり、森林交付税創設促進連盟みたいなのができたはず。
 
これは、新税を徴収しようというものではなく、正確には森林交付税交付金構想である。
通常ある地方交付税交付金は、国税を各自治体に配分するものだが、これは基本的に人口配分である。すると人口が少ない自治体に不利なのだ。そこで森林面積割にしてくれ(人口が少なく森林面積の広い自治体に多く配分してくれ、という提言である。
 
森林整備関連の配分は補助金などの形であるが、これらは厳しく使い道を国に規定されて使いにくい。というか、無駄な使い方をしたり、余計な事務手続きばかりがかさんで、小さな自治体にとっては負担ばかりがあった。だから自由に使える交付金がほしいというわけだ。
つまり地方交付税交付金の配分規定に森林面積を加味することを陳情した。
 
私は、発案当初から取材していた。参加自治体は1000近くまで膨れ上がり、通信も発行され……と盛り上がったのだが、結果的に国は動かなかった。  
そんなときに高知県で森林環境税がつくられたこともあって、連盟も解散してしまった。
 
 
さて、今頃になって国が森林環境税を導入しようというのなら、もう一度、森林交付税の発想を取り出してもよいかと思う。当時の検討内容を引っ張りだせば、配分方法や、使い勝手の参考になるかもしれない。
 
ただ、都道府県でも市町村でも、「自由に使える金」というのは、目先のバラマキになるのが目に見えている。森林に使われないかもしれない。森林関連というのがどれほどの縛りになるか。かといって、使い道を国が規定したら補助金と変わらない。
思いっきり使い道をオープンに住民に示して、批判に耐えるのがイチバンだと思うが。。。
 

2017/04/07

信組の農業法人向けファンド

先に、まちづくりは不動産屋が手がけて上手く行っている事例が多くあるが、森づくりは金融機関が手がけられないか……とアップした。それに類する記事を見つけた。
 
全国9つの信用組合が共同で農業法人を育成する投資ファンドを立ち上げたという。その名は、信用組合共同農業未来ファンド
 
具体的には、北央(北海道)、秋田県いわき(福島)、あかぎ(群馬)、君津(千葉)、第一勧業(東京)、糸魚川(新潟)、都留(山梨)、笠岡(岡山)の9つ。加えて、恒信サービス株式会社(東京)と日本政策金融公庫、そしてフューチャーベンチャーキャピタル株式会社も出資して、投資事業有限責任組合を設立した。各信組が2000万円ずつ出資していて、総額が3億6000万円で運営期間は原則15年。
 
目標は、農業を核とした地方創生、6次産業化、異業種からの農業参入支援……。20~30件程度の投資案件を扱う予定だ。 
ちなみに東京が地盤の第一勧業信組が地方の信組の消費地・東京の窓口を務めるという。大消費地の農産物消費動向を農業地域に伝える意味があるかもしれない。
 
もともと農業法人投資円滑化法の改正で農業法人投資育成制度というのがつくられたそうなのだが、ま、そんな背景はともかく、金融機関が比較的農業に関心を強めている印象だ。
 
もちろん、本当に上手くいくの?という疑問もチラホラ浮かぶ(~_~;)。支援に値する農業法人があるのか、法人でなければダメなわけで、新規立ち上げの壁も高いかもしれない。
 
ただ、(JAなどではなく)外部の金融機関が、農業に眼を向けて本格的に動き出す先駆けではないか。農業異業種の目が売れ筋トレンドを示せたら、参考になるうえ勇気づけられる起業家もいるだろう。
 
 
さて、本ブログの趣旨からすれば、その次は林業界がターゲットになるだろうか……とつなげたいところだが、林業にそれだけの潜在的可能性を認めてくれる金融機関があるかどうか。いや、可能性はあっても、農業以上に面倒くさい障壁を感じるかもしれない。
しかし、農作物よりは量や単価が高く、消費対象が建築や土木など動くマネーが大きいから当たればデカいと見ることもできる。
 
 

2017/03/21

鳥獣被害は「減った」

シカにイノシシ、サル、カラス……と鳥獣被害が話題になっているときに、農水省から2015年度の農作物被害額が発表になった。

 
その結果は……被害金額は176億円。前年度から15億円減(対前年7,8%減)。被害面積は8万1000ヘクタールで前年度より300ヘクタール減。被害量は50万トンで前年度より4万6000トン減(対前年8%減)……。
 
なんだ、騒がれているから年々増大かと思いきや減少傾向にあった。
被害金額については、シカが60億円と6億円減少(対前年9%減)、イノシシが51億円で3億円減少(対前年6%減)、サルが11億円で2億円減少(対前年16%減)。やはりシカとイノシシが圧倒的に多いが、鳥類もカラスとその他を合わせると、30数億円になる。
 
これはあくまで農作物被害なので、林業のほか一般家庭の被害(たとえば家庭菜園)は入っていない。実態は5倍ぐらいあると聞くが、とりあえず全体的には減少しているのだろう。
 
その点は、グラフを見るとわかりやすい。
 
Photo (農水省)
 
 
なぜ減ったのか。分析によると、まずは市町村の対策、つまり防御と駆除が進んでいることだろう。なんだかんだと言っても、駆除数は毎年増えている。柵も設置が進んでいる。
 
ただ「餌となるドングリが豊作だった」(鳥獣対策室)という声が出ているようだ。
これには首をかしげる。そこには「野生鳥獣は野山のドングリなど天然ものの餌が好きで、それが足りないから里に下りてきて農作物を狙う」という発想があるように思う。また「わざわざ危険な里の農作物を狙うのは大変」だから本来なら忌避する、と思い込んでいるのではないか。
 
これは私の勘だが、むしろ野生鳥獣は農作物が好きで、里で餌を得る方が簡単……だからやってくるのだと思っている。
 
なぜなら品種改良された野菜は美味しいし、栄養価も高い。量もまとめてある。取るのも簡単だ。柵をしているとか、ハンターが狙っているというのも、まだまだ局所的。人間に姿を見られても、今では追われない。逆に人が逃げる。
そもそも餌となるのは、人が収穫する農作物以外にもたくさんある。農業廃棄物や畦道に生える草などは、いくら食べても人間は怒らない。それどころか、廃棄物を喜んで提供してくれる人が少なくない。
 
これまで里に食事に行くことを知らなかった鳥獣が、いったんそれを覚えたら止められない止まらない、ではないか。「あそこのファミレス、美味いねん」的な(笑)。
 
この私の説には、明確な裏付けはないので今後の研究を待ちたい(^o^)。
 
 
ともあれ、被害は多少減ったのは事実だ。人間側のガードがきつくなったこともあるだろう。
しかし、被害届けを出さなくなった可能性もある。諦めてしまったり、老後の楽しみ農園だったりすると。また農業廃棄物を食べても届けないし、農道・林道の草刈りをしてくれてありがとう、と思う人もいるだろう。それが鳥獣を呼び込んでいるのに。
 
実態はなかなかわからない。
 

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