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森と林業と田舎の本

2023/01/29

「森林破壊に関係する商品販売禁止」法

世界の動き、メモ。

森林を破壊して作られた商品の販売は禁止する……ある国がそう宣言すると聞けば、どう感じるだろう。なんだか夢物語みたいで、「極端だなあ、無理でしょ」と思うのではなかろうか。だが、本気だよ、EUは。

「森林破壊に関係する商品販売禁止」法が成立したのである。具体的には、EUは森林破壊リスクのある農産物や畜産物などのサプライチェーンに規制をかける法律だ。森林を伐採した土地で生産される農産品やその加工品はEU域内に輸入できなくなる。EUを脱退したイギリスも、実はEUより先に法案を成立させた。現在は細則を練っている最中だというが、施行されたら、世界中に大きな影響を与えるだろう。

品目は、カカオ・コーヒー・パーム油・大豆・畜牛・木材の6品目。欧州議会は、さらに天然ゴムやトウモロコシなどを対象に含めて規制強化するよう求めた。

気付かれただろうか。木材が入っているのだ。つまり、森林を破壊して収穫した木材は輸入しなくなる。判定の方法は、サプライチェーン全体で森林破壊に関するデューデリジェンスを企業に求める。産物の生産地の位置情報や生産日、法令順守などを確認したうえで、衛星画像との照合などを通じて森林伐採や荒廃によって生産された農産品でないことの証明を義務付けられる。

対象となりそうなのは、やはり南米やアフリカ、東南アジアだろう。アマゾンを切り開いてダイズ畑やトウモロコシ畑、牧場をつくった大豆、トウモロコシ飼料、そして牛肉も輸入禁止。熱帯雨林をオイルパーム農場にしたヤシ油や、カカオを使ったチョコレートも輸入禁止。

ヨーロッパが木材輸入を止めたら、日本はその分を輸入できるんじゃね? と浅ましいことは考えないように。どうせ、時間をかけて世界標準になるのだから。批判が集中して、日本の商品だって対象になるだろう。

さて、どうする? 日本では誰も論じていないような気がする。

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地平線までアブラヤシの続く農園。マレーシアのサラワク州にて。これは対象になるかな。

2023/01/24

ようやく?クリーンウッド法とメガソーラー

来年度の林野庁の施策を見ると、ようやくというか遅すぎるよ、と言えるものの、意味ある改正案が並んでいた。

一つは、クリーンウッド法。次期通常国会への「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)」改正案の提出される模様だ。

これまで究極のザル法とも言えるのがクリーンウッド法だった。なにしろ登録した業者だけで適用とか、違反しても罰則なしだったので、世界中の違法木材が逆に日本に集まってくるんじゃないか、なんて言われたのだが、それを義務化することになりそう。すると罰則も可能になる。そのため第1種の登録制度は廃止し、第2種事業者については制度を維持する……とかなんとか、よくわからん(^^;)。

ちなみに主導するのは、農林水産省、国土交通省、経済産業省なのだが、問題は施行するのは2025年度からになるから、来年再来年度は駆け込み違法木材輸入が増えるかもなあ。それに輸入業者らに「合法性」の確認の仕方がどんなものかよくわからん。いくらでもでっち上げできそう。また国産材はどうするんだ、とも思う。

もう一つは、太陽光発電設備の設置を目的とした林地開発に関して、
太陽光発電設備の設置を⽬的とした⼟地の形質変更を⾏う場合、0.5haを超えるものについて知事の許可の対象とする。
許可を受けようとする者に対し、防災措置を⾏うために必要な資⼒・信⽤、能⼒を有することを証する書類を添付することを義務付け。

詳しいことは、林野庁のホームページで確認してほしい。林地開発許可制度の見直しについて(令和4年度)

かなり厳しくなったが、肝心の知事が推進派だったらザル法になるかも。。。それに防災措置の書類なんて、業者はいくらでも出すからね。ただその問題が発生したときには履行しないだけ……。

だからその直接の経営業者はペーパーカンパニーにしているのだ。黒幕はさっさと逃げる。

その点は奈良県平群町のメガソーラー問題を見ているとよくわかる。つくづく業者って、法律なんてどうにでもなると思っていることがよくわかる。そして行政担当者のクズっぷりも。忖度なんだか、上を向いて仕事をして言いなり状態。法律を破っても気に入られる答えを出すことしか考えていない。上司に反論する気概ぐらいを持てよ。オレなんぞは、勤め人時代、毎回上司と怒鳴り合っていたぞ。

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ここで違法伐採された熱帯材とか、森林破壊のメガソーラー開発地の写真を出すのがイヤになったので、我が家の火鉢の写真を張り付けておくよ。少しは心安らかに。

2022/12/21

メガソーラー記者会見

本日は、奈良県庁で平群町メガソーラー問題の記者会見が行われた。

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内容的には、私が先日の県担当者の面談状況で伝えたものを簡潔に紹介したもの。

『絶望の奈良県庁』は書けるか

・申請書類が全部そろっていないのに受理したこと。
・そろっていない書類の中に重要な「河川協議」があって、内容に「計算ミス」(虚偽?)が見つかったこと。
・住民説明会が正常な形で開かれていないこと。
・森林審議会が開かれて通れば、もう認可されてしまうこと。

ちょっと数字などが並んで、しかも砂防工学なども関わる話になるので、最初のうちは記者の頭の上に???が飛び交っている様子だったのだが、次第に整理されて問題点がつかめてきたようだ。おそらく、何カ所か奈良、もしくは関西版のニュースになるだろう(とは期待する)。

果たして、どれほどのマスコミが報道してくれるかが重要なわけだが、実は会見中の昼のニュースの時間に、毎日放送が次のようなニュースが流れた。これは、事前取材によるものだが、今回指摘の問題点の一つでもある。計算ミスといっても、限りなく偽装に近い。実は、ほかにもデカい「計算ミス」が見つかっているのだが、そちらは今回までに間に合わず、改めて公表することになるのだろう。

住民1000人提訴のメガソーラーで『町が計算ミス』豪雨の場合に川氾濫3か所→21か所 

おそらく、今後いくつかの局と新聞が記事にしてくれるだろう。また会見をした住民とは別の住民らから、知事に手紙が届けられたそうだ。

さあて。年の瀬も押し迫ってきた。

来年はどうなる? どうする?

 

 

2022/12/11

相続土地国庫帰属制度 のパブコメに書けない意見

以前より気にはなっていた、相続土地国庫帰属制度。そのパブリックコメントが募集されていた。

農林水産省関係相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行規則案についての意見・情報の募集について

正確な法律名は、以上の通りなんだが、2023年4月27日から施行されるらしい。

対象として考えられているのは、故郷の空家や農地、そして山林を相続したくない人が放棄できるようにするものである。なかでも「負道産」として語られることの多い山林の扱いに注目する人が多い。ただ、この法律で山林放棄は何かと難しいと言われている。なぜなら、条件に「境界が明らかでないこと」と、「所有名義が曖昧でないこと」が課せられているから。山林って、この2つが非常に多いのだ。

実際に、奈良県なんぞは地籍調査がほとんど進んでいない。近畿、中京という歴史あるところは進まないという鉄則(笑)があるわけだ。一方で北海道や九州、東北はそこそこ進んでいるので、この地域なら可能な人もいるだろう。また法務省も実態に合わせるために境界線確定の条件を緩和する方向を考えているらしい。確実な測量などしなくてもよいかもしれない。

でも、所有者が登記されていない場合は致命的。

何より難しいのは、国に引き取ってくれという場合は管理料を要求される点だろう。土地をやると言っているのに、金を取るとは何事かという感情面もあるし、面倒な手間をかけて、あげくに金を払うぐらいなら放置するという損得計算をする所有者の方が多い気がする。

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山林の管理料計算式というのがあったよ。高いのか安いのか。私も些少の山林を所有するのだが、もし国に上納するとなると、大雑把に計算しても、30万円前後になった。とても払う気がしない。

そのうち「金を払わなくても引き取りますよ、なんなら少しお小遣い渡しましょうか」という外資が現れたら、そっちに流れるような気がする。

そういやドラマ「ファーストペンギン!」で、漁業権を事実上買い取る外資を問題視していたが、何が悪いのか説明不足を感じた。外国人だから土地への愛着はないだろうが、日本人でもないがしろにする人が多いから、今の事態は発生している。それなのに、外資だから、というのは差別意識ではないのか。しかもドラマでは、解決に怪しげな政治の黒幕が登場するのは下品。逃げている。

しかし土地への愛着がないことを問題視するのなら、いっそのこと、この「愛」を基準にしてはどうかと思う。

山林も海も土地全般の相続者に「土地への愛」量を計って、そちらに軍配を上げるのだ。そして優遇する。森が好きな人には、無料で譲渡、税金も免除にするとか\(^o^)/。その代わり、相続者1代限り、森をしっかり管理しないと罰則をつける。

どうやって「愛着度」を計るか? そりゃ、森への献金額。オイオイ カルト的に精神に森への愛、森への感謝の念を焼き付けてマインドコントロールするのだよ。森への愛が足りないと先祖に祟られるとか、森のサタンに襲われるとか。。。ヾ(- -;)

こんなことをパブコメにかけないわな。。。。

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でも、ヨーロッパのフォレスター養成学校で言われることは、技術や知識に加えて、「森への愛」や「自然に対する感動」が条件なのだよ。愛のない人は、フォレスターに向かないのだ。

 

2022/11/27

林野政策は誰のため

昨夜は、林業家と本郷元林野庁長官を交えての懇談会。

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これからの林業について語り合ったのだが、そこでの本郷さんの発言。

「林野庁の政策は、どうしようもない山林をどうにかしようという視点から考えている。戦後の林政の後始末的な発想で進めているので、申し訳ないがここに集まっている篤林家の皆さん向きのためには行っていない」

これ、聞きようによっては、やる気のある林業家は、国を当てにしないで自分でやってくれ、ということ。さらに深読みすれば、国を当てにする林家は篤林家ではないとも言っている?

さて、こう聞いて怒るか、奮い立つか。

林業家の皆さん、逆に見られているよ。

 

2022/11/24

林政審議会員募集。で、審議会って何?

林野庁が林政審議会の委員を募集していた。

「林政審議会」委員の公募について

私も以前は、委員になったら何カ月かに1回だが東京に呼ばれるんだな、そのついでに取材したり出版社巡ったり、遊んだりできるな……と不埒な発想を持ったこともあるのだが、今はその気力もない。行く時は自腹で行くぜ(T ^ T)。

で、思うのだが、審議会ってなんだろう。

この年になると、これまでいくつかの自治体の審議会の委員はやってきたんだが、何のためにあるのか、と思うこともしばしばであった。

大きく分けて二つある。一つは行政のアリバイづくり。市民や識者の意見、聞きましたよ、というポーズを取るためのものだ。だいたい事前に用意した通りのシナリオで進む。外れることは「許されない」。
もう一つは、本気で委員の意見が活かされるケースだ。行政は方向性を決めていなくて、何か出た意見を聞いて決定することもある。もともとはアリバイ工作だったのに、委員の強い意見で左右されることもあるのだが。

ある審議会はひどかった。事前に「5回ほど開きます」と言っていたのだが、最初の1回は任命式と自己紹介で終わった。で2回目に臨むと、なんとまた自己紹介が始まるのだ。前回よりは深くだが、肝心のテーマの議論はしない。ファシリテーターは大学教授なんだが、何やら研究室のゼミのやり方を教えているような展開となり、私は途中でキレて、「5回のうち2回をこんなことで時間を潰して何やってんだ!」と怒鳴ったら、「いや5回よりは回数増やしますから」とか言い出す。

しかし、結果的にはコンサルのつくったたたき台の方針案に沿って、みんな思いつくままの感想をいうだけ。意見でさえない。そもそも委員に集まった中に専門家があまりいない。緑に関することだからと、町内の花壇の世話をしているボランティア団体の代表とか、町内会の代表、農協……それもやりたくて参加したというより、頼まれた状態だから、会議中に内職を始める人もいた。そして「へえ、棚田ってのがあるんだ」なんて発言も飛び出す。なかには失業中に応募して委員になり、途中で再就職が決まったので脱退した人もいた。

もちろん、専門家集団の集まりで、かなりカンカンガクガクやりあった審議会もあった。そして結論は、実行に移された。コンサルの方針を否定したのである。でも、出席しながら一度も発言しない人もいるし。

また私は委員ではないが、某審議会に呼ばれて講演と意見陳述したことがあり、その際はコンサルも含めてその改革案で行くことが決まった。ところが私が去って数か月後に雲散霧消するのである。後で聞いたのだが、既成勢力の猛烈な巻き返しがあり、改革を勧めていたはずの本部長が寝返ったのだ。脅しをかけられたのか、甘い役職を提示されたのか、全部ひっくり返して従来どおりやることにしてしまった。コンサルも責任を負わされて追放されたのだという。

さて、林政審議会はどっちでしょう(笑)。別に何を答申してもその通り実行する強制力もなく、せいぜいご意見、白書のどこかに触れておきました、ぐらいでお茶を濁すことも「可能」なんだろう。(それがほとんどのように見えるが。)
でも多数決で決議するわけじゃないから、一人でもごね続けたら面白い結論になるかもしれないよ(⌒ー⌒)。

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たまに会議にクマモンが出席していることもある?

 

 

2022/11/09

木材輸送料にまで補助?

補正予算案などが出て、また大盤振る舞いが進みそうだ。

林野庁関係の補正追加額は約1162億円で、公共事業が約935億円、非公共事業が約227億円。みんな借金だけど……。

そんなときに、東京都の木材流通業者への輸送費補助案が目についた。こちらも、物価高対策だから二重取りのようだが。

国産材への切り替え促進を目的として掲げているのだが、林業地としては小さな東京でなぜ。具体的には都内の木材流通事業者が国産材の取扱量を以前より増やした場合に、輸送費を補助する。木材1立方メートルの輸送ごとに1万円だそうである。とくに多摩産材、つまり東京産材を取り扱う場合は、一度の輸送につき2万円を補助するのだそうだ。事業費は3億円。

原油・原材料価格・物価高騰等に係る支援策について

どんどん甘やかして、ダメ人間、ダメ産業をつくる制度のように感じるよ。お小遣いを湯水のように与えられた子どもがグレる事例はいくらでもあるだろうに(笑)。

だいたい金が出ないと国産材使ってやらないぞ、というのは、国産材は価値が低くて、通常の価格では使えないと認めているかのようだ。当事者が、国産材は出来が悪いと思っている証明みたいなものだろう。

ちょっとだけ興味を持ったのは、「都内の広葉樹を活用したシイタケや薪の生産者にも、運搬に掛かる費用の一部を補助する支援策も実施する林産物生産支援事業」というのもあった点。

シイタケは、現実的には農産物扱いだろうが、都内の広葉樹と判別できるのかどうか。おそらく菌床栽培だから、粉にしてしまっている。今は菌床を海外から輸入するケースもあるから、産地偽装?になるかもしれない。

それと薪。これは薪ストーブ愛好家は喜ぶかな? いや業者の輸送費補助だから、これで薪の価格が下がるとは言えないだろうが。

薪ストーブ用の薪にシイタケを生やさせて、収穫後に燃やすとか、薪ストーブで温めて芽生えさせたシイタケです!と言って二重取りできないかな……。

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2022/10/02

木材自給率がダウン!その裏事情を読む

昨年度の木材需給表が公開されていた。

それによると2021年の木材自給率は41.1%。前年と比較すると0.7ポイント低下した。つまり伸び調子だった自給率がついに頭打ち?

ただ建築用材等の自給率は48.0%で前年より0.8ポイント上昇する一方で、非建築用材等の自給率は35.5%で前年と2.0ポイント落ちている。

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自給率だけでなく、木材量を数字で見ると、2021年の木材の総需要量は8213万2000立方メートル。前年より769万3000立方メートル(10.3%)増加している。その中身は、用材が575万立方メートル(9.4%)、燃料材が193万9000立方メートル(15.1%)増加。また輸出量は325万1000立方メートルで、前年から24万2000立方メートル(8.0%)増加した。

そして国内の林業を計る指標は国内生産量だが、2021年は3372万3000立方メートル。前年より257万4000立方メートル(8.3%)増加。12年連続で増加し続けていた。一方で輸入量は、4840万9000立方メートル。前年より511万9000立方メートル(11.8%)増加。うち用材が360万3000立方メートル(9.1%)、燃料材が151万6000立方メートル(39.1%)増加である。

こうした数字をどのように読み取るかは、皆さん、じっくり考えてください\(^o^)/。

そもそも前年、つまり2020年がコロナ禍もあって需要が激減していたわけだ。だから需要量そのものは2019年と同水準にもどっただけと言える。20年の木材自給率は、需要が減ったのに供給が減らなかったから伸びたのだろう。今回落ちたのは、ある意味正常。

私は、需要量は経済動向がそのまま反映されて、減ったり増えた(元にもどった)りしているなあ、と感じた。一方で生産量は変わらず増え続けている。こちらの方が異常じゃない?というか、需要に対応していないのは、経営的には危ない。

さて25年に木材自給率50%は達成できるかな?

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今後、木材需要はわずかに伸びる程度だが、国産材利用量は格段に増える、という予測を出しているね。とくに製材が伸びるのだと。
勇気ある予想だ(笑)。

 

2022/09/18

林野庁予算のグリーン成長総合対策って

来年度予算の林野庁の要求額は、対前年度当初予算比で17.8%増の3505億9300万円。チラリと中身を見たのだが、目に止まったのが、この項目である。

森林・林業・木材産業グリーン成長総合対策等・155億円。

これって、林業界のグリーン成長って、何?
カーボンニュートラルを見据えた森林・林業・木材産業によるグリーン成長を実現するため、川上から川下までの取組を総合的に支援……と書かれてあるが。わからんぞ。で、少し検索してみた。

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こんな絵が出てきたのだが、いよいよわからん。

木材加工流通施設の整備、路網の整備、高性能林業機械の導入、間伐や再造林、都市部における木材利用の強化、輸出を含む新たな需要の創出、「新しい林業」経営モデルの構築、国民運動の展開等、川上から川下までの取組を総合的に支援します

<政策目標>
国産材の供給・利用量の増加(3100万m3 [令和2年度]→4200万m3 [令和12年度まで])

この内容のどこがグリーンなのか。今までどおり、ではないのか。改めて予算項目に入れること? 木材の伐採を増やして供給を増やして、木材利用して輸出もして……どこが脱炭素なの? さらにグリーン成長……の中に「林業・木材産業循環成長対策」というのがあるのだが。

木材需要に的確に対応できる安定的・持続可能な供給体制の構築のため、木材加工流通施設の整備、路網の整備・機能強化、高性能林業機械の導入、搬出間伐、木造公共建築物等の整備等や、再造林の低コスト化に向けた取組への支援等、森林資源の循環利用確立に向けた取組を総合的に推進します。

これのどこが、いままでは違うんだよお(泣)。逆に言えば、これまで、このような増産や整備、コスト減の取組はしていなかったというとこか。いや、グリーンではなくCO2排出し放題だと認めるのか。

「新しい林業」に向けた林業経営育成対策というのもある。

<政策目標>
○ 主伐の林業生産性向上(5割向上[令和12年まで])

やっぱりわからん(笑)。どこが新しいのか。ようするに伐って、伐って、森林を減らしてCO2の吸収能力を落として……それがグリーンなのか。名目変えたら要求額増やせるってことかな。

 

2022/09/04

木質バイオマスエネルギーの利用動向

林野庁が、「令和3年木質バイオマスエネルギー利用動向調査結果」というのを発表している。

これがどういうものか、意図や調査内容は、リンク先に載っているから見ていただきたいが、その結果の概要(読んだのが「概要」なんで、「概要の概要」になるか。)は、こんな感じ。

木材チップの量は 1069万3,197トン(前年比 2.7%増加)
内訳は、「間伐材・林地残材等」に由来する木材チップは 411万3674トン(前年比5.2%増加)
「製材等残材」に由来する木材チップは 177万6774トン(前年比 6.1%増加)
「建設資材廃棄物」に由来する木材チップは 401万427トン(前年比4.5%減少)

輸入チップ、輸入丸太を用いて国内で製造」が、40万5517トン(前年比33.2%増加)

まあ、バイオマス発電が増えているわけだから、その燃料として使われる木材(国産)も増えているのは想像がつく。が、ちょっと違和感。

まず「間伐材・林地残材等」が増えているというのは、そのまま字面どおり信じてよいのか。だって、現場では山を丸ごと皆伐して、全部燃料にして「林地残材です」と言っているからね。間伐材だって、燃やすしか使い道のない間伐材なの? という疑問がちらほら。

「製材等残材」というのも、おかしいなあ。だって国産材の製材は増えていたっけ? 

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令和2年は減っているよ。翌3年は、ウッドショックで国産製材需要も増えたかもしれないが。単に元年レベルにもどっただけかもしれない。
そもそも日本の木材需要は減少傾向にある。それを燃料木材で嵩上げしているのだから、林地残材が増えた、製材残材が増えた、と言われても疑ってしまう。燃料用に伐ったのではないのか。

そして「建設資材廃棄物」というのは、ようするに解体した建築物から出る廃材なんだろうが、本当に燃料にしてよいのは、これだけだと思っている。燃やすほかに使い道がほぼないからだ。が、減っているだと。建築廃材を燃やすことに文句がつきやすいのは知っているが、それで減ったわけではないだろう。

そして、圧倒的に伸びているのが輸入チップと輸入丸太由来なのだが……量としてはそんなに多いわけではない。

根本的なことを言えば、各事業所にアンケートを送ってオンラインで回答を得たものだけの集計なので、その精度は怪しげで、回答しなかった事業所のことを考えれば……ああ、考えたくない(^^;)。

厳密な分析は、皆さんでやってね。

 

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