無料ブログはココログ

本の紹介

政策・行政関係

2017/03/21

鳥獣被害は「減った」

シカにイノシシ、サル、カラス……と鳥獣被害が話題になっているときに、農水省から2015年度の農作物被害額が発表になった。

 
その結果は……被害金額は176億円。前年度から15億円減(対前年7,8%減)。被害面積は8万1000ヘクタールで前年度より300ヘクタール減。被害量は50万トンで前年度より4万6000トン減(対前年8%減)……。
 
なんだ、騒がれているから年々増大かと思いきや減少傾向にあった。
被害金額については、シカが60億円と6億円減少(対前年9%減)、イノシシが51億円で3億円減少(対前年6%減)、サルが11億円で2億円減少(対前年16%減)。やはりシカとイノシシが圧倒的に多いが、鳥類もカラスとその他を合わせると、30数億円になる。
 
これはあくまで農作物被害なので、林業のほか一般家庭の被害(たとえば家庭菜園)は入っていない。実態は5倍ぐらいあると聞くが、とりあえず全体的には減少しているのだろう。
 
その点は、グラフを見るとわかりやすい。
 
Photo (農水省)
 
 
なぜ減ったのか。分析によると、まずは市町村の対策、つまり防御と駆除が進んでいることだろう。なんだかんだと言っても、駆除数は毎年増えている。柵も設置が進んでいる。
 
ただ「餌となるドングリが豊作だった」(鳥獣対策室)という声が出ているようだ。
これには首をかしげる。そこには「野生鳥獣は野山のドングリなど天然ものの餌が好きで、それが足りないから里に下りてきて農作物を狙う」という発想があるように思う。また「わざわざ危険な里の農作物を狙うのは大変」だから本来なら忌避する、と思い込んでいるのではないか。
 
これは私の勘だが、むしろ野生鳥獣は農作物が好きで、里で餌を得る方が簡単……だからやってくるのだと思っている。
 
なぜなら品種改良された野菜は美味しいし、栄養価も高い。量もまとめてある。取るのも簡単だ。柵をしているとか、ハンターが狙っているというのも、まだまだ局所的。人間に姿を見られても、今では追われない。逆に人が逃げる。
そもそも餌となるのは、人が収穫する農作物以外にもたくさんある。農業廃棄物や畦道に生える草などは、いくら食べても人間は怒らない。それどころか、廃棄物を喜んで提供してくれる人が少なくない。
 
これまで里に食事に行くことを知らなかった鳥獣が、いったんそれを覚えたら止められない止まらない、ではないか。「あそこのファミレス、美味いねん」的な(笑)。
 
この私の説には、明確な裏付けはないので今後の研究を待ちたい(^o^)。
 
 
ともあれ、被害は多少減ったのは事実だ。人間側のガードがきつくなったこともあるだろう。
しかし、被害届けを出さなくなった可能性もある。諦めてしまったり、老後の楽しみ農園だったりすると。また農業廃棄物を食べても届けないし、農道・林道の草刈りをしてくれてありがとう、と思う人もいるだろう。それが鳥獣を呼び込んでいるのに。
 
実態はなかなかわからない。
 

2017/03/15

一歩先を行く?農業政策

林業界を観察していると、激変する周辺環境とは別に、な~んにも変わらない日本の林業現場という印象がある。
 
林政も、民主党から自民党に変わって以降、目立った変更がない。単に旧に復しただけだ。が、変わらずに続けられるとは思えない。では、何がどう変わるのか……。
 
そんなときは農業事情を見ると、少しヒントになる気がする。農業の方が、ちょっとだけ、林業より先を行っているからかもしれない。やはり農業の方が産業規模が大きいし、人口も多い、林業よりは……。世間の関心も強いし、圧力団体もある。で、政府も林業よりは農業の方に注力する。
 
 
そんなつもりで農業ニュースに目を通すと、こんな動きがあった。
 
静岡県は、所有者が不明の耕作地の利用権を農地中間管理機構に設定する知事裁定を全国で初めて行なう、というのだ。
 
これ、前提を知らないと何のことかと思うのだが、実は2014年の改正農地法で、所有者不明の農地については、知事の裁定で利用権を農地中間管理機構移転させることができるようになっている。
この機構とは、通称・農地集積バンクというが、都道府県に各1つ設けられている。何をするかと思えば
①地域内の分散し錯綜した農地利用を整理し担い手ごとに集約化する必要がある場合や、 耕作放棄地等について、農地中間管理機構が借り受け
② 必要な場合には、基盤整備等の条件整備を行い、 担い手(法人経営・大規模家族経営・集落営農・企業)がまとまりのある形で農地を利用 できるよう配慮して、貸付け
③ 当該農地について農地としての管理
④ その業務の一部を市町村等に委託し、農地中間管理機構を中心とする関係者の総力で農地集積・耕作放棄地解消を推進 
 
簡単に言えば、公の信用で、所有権はさておき所有者が不明の農地を実質的に取り上げ、他者に貸し出すということだ。
上記の静岡県の例で言えば、東伊豆の889平方メートルが、所有者も相続人も死亡し、少なくても10年以上放棄されている。そこに適用するという。すでに近隣農家の借りたい希望が出ているから、比較的スムーズに進みそうだ。
 
 
この手法、そのうち林地にも応用されるのではないか。
たとえば所有者が不明、あるいは所有者の同意を得て山林を一括して利用権を取り上げ、集約化して経営を別の林家に任せる、ということは有り得るだろう。どうせなら集約化した林地の境界線の不明確な部分も一括裁定してほしいが……。
 
日本の森林を奪うのは、外資なんぞではなく、宙に浮いた所有権であることは、そろそろ政治家も官僚もわかってきたのではないか。
 
 
もう一つ。
政府は閣議で国家戦略特区法の改正案を決定した。その中を見ると、農業分野(ほか観光、サービス)で就労する外国人の在留要件を緩和する項目がある。今国会で成立するだろう。いよいよ外国人が日本で農業をやる時代が来るかもしれない。
 
当然、林業にも広がるかもしれない。外国の林業技術者を雇用する時代が……。

2017/03/02

専門職業大学が誕生する

この4月から林業学校が3校増え、全国19校になる。兵庫県の森林大学校、岩手県の林業アカデミー、和歌山県の農林大学校に新設される林業経営コース……。

今後も計画・構想は目白押し。また短期の林業研修コースを設けている自治体もある。
 
 
ま、こんなに増設・拡大することの善し悪しはともかく、一方で専門職業大学を設立する動きがある。
 
専門職業大学は農業や観光、ITといった分野で経営者層を育てることが目的とかで、4年生大学や短大と同じ学校教育法に位置付ける。つまり卒業すると、大学と同じ「学士」が得られるわけだ。(今国会で同法を改正予定)
だから専門職業大学は4年制か2~3年制にする。ほかにも条件としては、専任教員の4割以上を実務経験者にすること、企業内実習を2年間で300時間、4年間で600時間以上……などがあるそうだ。とにかく経営者として必要な実践的な内容を学べることが目標だ。
 
その一番手として考えられているのが、農業大学校の改組。今のところ静岡県の農業大学校が手を挙げているそうだが、さて全国に広がるだろうか。
 
 
と聞けば、その流れは林業学校にも来るのかと考えてしまう。静岡の場合は農林大学校だから、林業コースはどうなるのだろうか。
 
ワーカー(作業従事者)ではなく、経営者を育成しようという考え方は賛成だが、学校教育法に馴染むかどうか、と考えると疑問もある。
 
そもそも、現在の通称「林業大学校」の中で、学校教育法に沿って「専修学校」扱いで設立されたところは少ないはずだ。農業大学校の場合の法的根拠は、農業改良助長法だ。
 
林業大学校も自治体の林業関連部署直属だったり、社団法人や森林組合の塾的扱いのところもある。
なぜなら、その方が自由度が高いからだ。学校教育法に沿うと、一般教養や体育なども含めないといけなくなるとか、上記のような授業時間に枠がはめられる。それでは、新しい実習や講座が開けなくなりかねない。
 
林業理論も、あまりにバラエティがありすぎて、定番を教えることが難しそう。
 
さらに言えば、林業で専門職業大学を作っても、専業林家なんてほとんどいない(食えない)わけであり、新規就農者が農地を得ること以上に自分の土地(林地)を確保するのが難しい。だいたい経営を考えるなら、100年単位だ。
 
ああ、成長分野の経営者を育てる、という専門職業大学の趣旨から林業は外れているわ。。。むしろ既存の林業経営者を学び直させる必要があるわけか。
 
 
そのように考えると、日本の林業って、つくづく「学校」が似合わないなあ(⌒~⌒ι)。
 

2017/02/24

クリーンウッド?グリーンウッド?

合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律 」が、今年5月20日から施行される。
 
 
昨年、議員立法で誕生した違法木材の取り締まりを目的としていたはずだが、内容は「合法木材の促進」であって、違法木材の排除ではない。しかも促進であって、「絶対に合法木材だけ」という気概もない。
 
 
……とまあ、昨年から悪口を垂れ流している(~_~;)のだが、実はどうもよくわからないというか、混乱している点がある。
 
 
それは、……この長ったらしい法律の名前の略称だ。
実は「クリーンウッド法」と「グリーンウッド法」が混在しているのだ。
 
え、クリーン? グリーン?
 
 
みんな覚え間違いしているのか、新聞などのニュースでもグリーンウッドという言葉とクリーンウッドというのが時として混ざっている。
文字も、クとグでは、区別がつかない。小さな紙面やネット画面だと点があるのかないのか……。
 
 
すでにグリーン購入法があり、ここでグリーンというのは緑、つまり環境に優しいという意味を込めているのだろうが、今回だってグリーンでもおかしくはない。
 
しかし、合法という点からはクリーンなのだろうか。正しいという意味をこめているのだろう。
 
 
ちょうど林野庁は運用に必要な省令と施行規則及び基本方針の案に関してのパプリックコメントを募集している。それでは、クリーンウッドのようだ。
 
でも、グリーンと間違って使っている人も少なくないよ(~_~;)。
 
私もグリーンの方がわかりよいと思うが。グリーン購入法と並んで使えばいいし。
 
 
この法律の中身や運用よりも、略称の正しい普及を先に進めてもらいたい(笑)。
 

2017/02/22

「地域林政アドバイザー」の影に……

林野庁が、来年度から市町村に「地域林政アドバイザー」を配置することが決まったというニュースがあった。それが「地方財政対策」だというのだが……。

市町村には林務行政に通じている職員が少ないため、専門職員を雇用する経費を特別交付税で手当てするのだという。
 
対象になりそうな人物は、森林総合監理士や、林業技師、森林部門の技術士、それに森林施業プランナーなどを想定しているようだ。もっとも、そのうち林政アドバイザーの資格をつくって認定ビジネスにしてしまうのかも。
 
Photo こんな図があった。
 
 
しかし、仕事は市町村有林の経営計画づくりや認定、林地台帳の整備、境界線確定、林業の担い手支援、木材利用提案……などということだから、本来これこそがフォレスターの担当すべき仕事だ。
その意味では、やたら範囲を拡げて多くの有資格者を取り込もうとするよりも、日本型フォレスターともいう森林総合監理士が担うと絞り込む方がよいのではないか? 
これまで「取っただけ」になりかけていた資格だが、ようやく役割を発揮できる場ができたと思えば喜ばしい。
 
しかも有資格者を雇用する財政措置を行うわけで、市町村側としては有り難いのだろうね。
 
 
……ただ、これが「地方財政対策」だというのは、私なんぞは、その代わりに国の森林環境税をつくるための地ならし、という意味だと勘繰る……というか読み取っている(笑)。特別交付税が財源だからね。
 
ようするに増税であるが。。。自治体の森林環境税とかぶる。まあ人口が少なく森林面積の広い地方府県が課税するより、大都会の住民からも取れる国税の方がたんまり集まるか。

2016/12/02

バイオマス発電の買取区分が変更

FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の調達価格等算定委員会で、中小水力とバイオマス発電では、区分を新たにつくることになったようだ。
 
ここではバイオマス発電に絞って内容を確認してみた。
 
現行のバイオマス発電は、燃料の種類によって5つの区分がある。
バイオマス発電の5区分のうち3種類が木質(あと2つはバイオガスなど)。林地に残された未利用材、製材端材・農業残渣などの一般木質そして建築廃材などリサイクル木材だ。また未利用木材に対しては、出力2000キロワット未満と以上で買取価格を分けている。
 
これまで多かったのは、未利用材を使った発電だ。その場合、規模では5700キロワット辺りが損益分岐点のようだ。(そこで2000キロワット以下の区分をつくって買取価格を高くしたわけだが。)
ところが認定・導入量を見ると、一般木質の認定量が圧倒的に多くなってきた。認定量で比べると、未利用材は44万キロワットなのに対して、一般木質は322万キロワットにもなる。約8倍だ。ちなみに建築廃材は38万キロワット。
 
とくに目立つのは、一般木質で出力が2万キロワット以上の大規模発電設備の認定量が急速に増えていることだ。おそらく輸入バイオマス(PKS:ヤシ殻等)を当てにした計画だろう。
 
実は出力の規模によって発電効率は、大きく違ってくるのだ。
現在の買取価格は出力5700キロワットの設備を基準に、発電効率を26%と想定していた。しかし調査によると、大規模なバイオマス発電設備では出力が1万kW以上の発電効率が30%を超え、2万キロワット以上では32%に達していた。
 
2万キロワット以上の発電所が32%で発電できると、26%で計算した場合と比べて、年間で2割以上発電量が増える計算だ。一方、買取価格は26%で計算している。当然収益も大きく上がる。儲かるから建設ラッシュなわけなんだろう。 
 
そこで2017年度から、一般木質燃料による発電に対して出力2万キロワット未満と以上で買取価格を分けようという方針が持ち上がったのだ。現在の買取価格は24円(税抜き)だが、20円前後まで引き下げるという。
 
事業者は、びっくりというかタマランだろうなあ(笑)。さすがに赤字になるほどの引き下げではないだろうが、儲けが減ると読めば、計画から撤退する事業者も出るに違いない。
政府にとっては、それが狙いかもしれない。あまりに多すぎる計画(一般木質による発電所は現在121件認定、稼働は26件)だから、減った方がよいと思う。
 
 
ちなみに未利用材による発電所も現在78件認定で、稼働しているのは38件。これも多すぎる。これ以上新規につくっても燃料調達の面から行き詰まるだろう。未利用材というのは、簡単に集められないのだ。
 
また毎年度ごとに決定していた買取価格を、発電事業者が収益性を判断しやすくするため、2017年度から複数年先の買取価格を決める方針とか。これも計画抑制につながるだろうか。
 
 
ヘドロから湧くメタンガスみたいなバイオマス発電計画が、これで少しは目覚めて減ることを期待している。
 
 

2016/11/24

フォレスター学校?ドキッとする奈良新聞

昨日の奈良新聞の記事。

 
 
なになに、「県フォレスト・アカデミー構想 スイスの養成校と覚書 3県連携の創立前進
 
なんと、奈良県に仮称「県フォレスト・アカデミー(林業大学校)」を設立して、三重、和歌山とともに紀伊半島フォレスターの養成校をつくるとな?
 
いや、荒井知事がスイスを訪れてリース林業教育センター(フォレスター学校)と連携の覚書を結んだことは知っていましたよ。奈良県にも林業大学校設立構想があることは知っていましたよ。そして私も、単なる林業大学校では近畿圏に京都にあり、兵庫にも和歌山にも設立され、三重だって計画している中で、遅れて奈良がつくっても無理だから、いっそ林業大学院をつくったら、と常々口にしていましたよ。
 
しかし、3県連携? これは初耳(笑)。
 
さっそく図書館に行って、該当記事の全文を読んできた。
 
 
Photo
 1面トップ記事だよ(~_~;)。
 
よくよく読めば、奈良県が和歌山、三重両県と連携合意したのは、森林環境管理の分野。また3県連携で学校をつくろうと知事は発言しているが「思いが一層強くなった」とある。
 
つまり思いだけだね(~_~;)。
 
実現すれば、全国初の“広域連合”による林業大学校の誕生となる」と書いたのは、記者。
どうも、奈良新聞が先走ったんじゃないか。知事の暴走か、新聞の暴走か。
 
これ、和歌山県や三重県の知事が読んだらどんな反応するだろうなあ。奈良県内だって関係部署の意見集約できているのかなあ。ま、知事が口にしたのだから県内は、文句出ないだろうけど(笑)。。。
ある意味、書かれちゃったから進めなくちゃならなくなるかも。。。(笑)。
 
たしかに実現したら面白いとは思う。現場の林業ワーカーばかり養成している多くの林業大学校とは一味違った内容になるかもしれない。マネジメントのできる人材養成となり、林業大学校の卒業生、あるいはすでに林業現場で働いている人の学び直しの場にもなる。
もともと吉野林業の山守制度はフォレスターに似ていると言われているし、3県と言わず全国から生徒を集めてほしい。 
 
すでに奈良森林総合監理士会(奈良フォレスター会)も設立されているのは露払いになるかも。
 
 
 
ちなみに図書館を訪れて、もっと嬉しい発見。
 
Dsc_0163
 
市内に3つある図書館のうちの1館に、拙著、『森は怪しいワンダーランド』が入荷していました~! 貸し出し中なので、目にすることはできなかったけど。

2016/11/17

SGECは急拡大しているが

森林認証の一つ、SGEC(緑の循環認証会議)認証が、今年に入って急拡大しているようだ。
 
昨年12月の段階で、SGEC認証を取った森林の総面積は約130万ヘクタール、流通のCOC 認証が約350 件だった。
9月30日の統計では、認証森林が約150万ヘクタール、COC認証が435 件となっている。
今年に入って取得した地域だけを見ても、長野、鳥取、宮崎、秋田、栃木、福井、熊本、滋賀、徳島などがある。さらに東京都農林水産振興財団が管理する多摩地区の約900ヘクタールが認証を受けたという。
 
これは、今年6月にPEFCとの相互承認を取得したからだろうか。やはり世界的な認証とつながることは、魅力的なのだろうか。。。
もちろん、2020年の東京オリンピック・パラリンピック関連の施設や印刷物(紙)に認証品を使用されることへの期待もあるだろう。当の委員会はあんまり守る気持ちがないようだが……。
 
そもそも、認証を取得するための審査は日数的にどれぐらいかかるのか。オリンピックに使われるかも、とかPEFCとの相互承認が決まったから「よし、取得しよう」と思って、すぐに取れるものとは思えない。
FSCの関係者は、「今から審査受けても、オリンピック施設の建設には間に合わないよ~」と言っていたが(笑)。SGECは早いのかもしれない。
 
とりあえず、森林認証が増えること自体はいいことだ。認証基準の細かな点はともかく、経営者の環境意識は、多少とも高まるだろう。そして第三者の目にさらされることで、経営も変わるかもしれない。
 
 
ちなみに、某県の読者から「地元の森林がSGEC認証を取ったが、そこは放射線の数値が高いところ。高い金を払ってこんな認証を取得していいのか」という声が届いている。「放射能汚染状況重点地域」になっているらしい。土壌は1000ベクレル以上だというのだ。
 
 
たしかに放射能の問題はやっかいだ。環境認証ではあるが、放射線数値が審査項目に入っているかどうか。。。ちなみにSGEC認証の審査料は、FSCよりかなり安いです(~_~;)。
 
一方で、FSCは放射線に関してもチェックに入っていたと思う。SGEC、そしてPEFCはどうだったか私も知らない。
 
ところで、FSCの認証面積は増えていないよね。。。

2016/11/12

謎?ながはま森林マッチングセンター

滋賀県と長浜市が、「ながはま森林マッチングセンター」を設置したという情報に接した。

 
なんだ、これは。。。
滋賀県の北部に位置する長浜市は、県内最大の森林面積を有するが、都市住民の山村への移住や定住を促進するのが狙いなんだそうだ。
プレスリリースから引用すると、
 
豊かな 森林資源や多様な地域資源と、都市側のニーズをワンストップでつなぎ、新たな交流 や移住定住、就業機会の促進や産業の創造を支援する」という。
 
……さっぱりわからん。
 
検索してみると、いっぱい出てきた。独自のサイトもあるし、フェイスブックにも開いている。開所の新聞記事もいっぱいあった。……それなのに、わからん。
 
新聞記事を書いた記者も内容が理解できていないと思わせるが、ようするに中身がないのではないか? さらに引用すると
 
【業務内容】
利用可能な森林や空き家、遊休施設などの資産情報及び移住や就業・起業の希望者などの人的情報を一元的に調査収集し、地域内外に発信するとともに活用希望者に対してコーディネーター及び地域アドバイザーによるマッチングを行い、交流や 定住、仕事づくりにつながる支援を行います。
 
誰か、解読してくれ(笑)。結局、何をするんだ。具体例が何もない。
森林が欲しい人が現れたら売りたい森林所有者を斡旋してくれるのか。すると全国各地に設立されたものの、ほとんど機能していない「空き家バンク」と同類のものなのか。(多くの空き家バンクは、登録した空き家のストックがほとんどなく開店休業状態だという。)
 
仮に都市の依頼者個人が「ただで森を借りて遊びたい」ケースでも斡旋してくれるのだろうか。森林ボランティア団体や野外活動団体が、活動に使える森林を探しているケースならいいのかな。
 
【効 果】
ながはま森林マッチングセンターを通じて、山村で働きたい、暮らしたい、起業 したい将来性のある人材を募集・発掘し、活用可能な資源や資産とマッチングさせ、 新たな就業や起業への支援を行うことで地域の担い手や産業の育成が図られます。
 
他人事な書き方だなあ。意欲的に人材を発掘したり、起業してもらおうという熱意が感じられない。プレスリリースなのに、作成した当事者は「俺は知らんが、こんなこと役所が言ってるぜ」的に読めてしまう。いよいよ謎は深まるばかり(*_*)。
 
 
実際のところ、センターは森林組合などが今年6月に設立した協議会が運営するのだそうだ。オープンは、週に3日間。コーディネーターには、元県職員と地元の森林に詳しい住民10人程度が当たるという。
 
 
地域振興につながるマッチングを考えているのなら、
・先に自由に使える森林を用意して、それを利用して起業する人を募集する。
・森林を欲しがっている企業や資産家に、森林を売りつけるビジネス。
・森林による起業計画をコンサルティングし、県や市の許認可を請け負う。
 
こんな事業はどうだ……無理か(笑)。
 
 

2016/10/20

森林環境税は投資と見るべし

今年は、各地で森林環境税の見直し論議が行われているようだ。岐阜県や福岡県などの議会で始まっているよう。

 
思えば高知県が最初につくったのは2003年で、それに続いて各県が森林環境税を作り出したのが数年遅れ。たいていの県では、5年とか10年を適用年度としてつくられたから、今年はそれらの県が、2期目から3期目に移るかどうかを決めるのが今年なのだろう。
 
でも、おそらくどこも継続なんだろうなあ。なんとか審議会とかつくって、各界の意見を聞いて、やっぱり森林を守るにはまだまだ金がかかります、市民も賛同しています、なんて具申させて、結果、何も変わらない……。
 
 
本ブログでは、幾度となく森林環境税について触れてきた。古いものは、現ブログではなく、裏ブログ(2006年)でも取り上げている。最近はYahoo!ニュースでも取り上げた。
 
 
来年当たりから、京都府や大阪府まで創設することになって大都市からの徴収も始まる。いや、それどころか、国税としての森林環境税も創設されようとしている。
つまり自治体に取られ、国に取られ、同じ名目で幾度も課税されるわけだ。ついでに炭素税として間接的にも徴税れれている。
 
問題点はいろいろあるが、もっとも納得がいかないのは、森林環境税で集めた数億円を財源があるものの、使い道に困っているのが現状が透けて見えるからだ。
その点について書いた代表的なものにいくつかリンク張ると、
 
 
 
 
 
課税にだって、アカウンタビリティー(説明義務)とかューデリジェンス(適正評価手続き)とか見える化とか……、ビジネス用語を使ってみたかっただけだが……ようするに、納税者に納得を得られるものを出してくれないかね。アリバイ的な審議会なんぞではなく。
市民も増税には敏感に反応するはずなのに、こと環境関連の課税には甘すぎないかね。林野族に自由に使えるポケットマネーを与えてもろくなことに使わない。広く薄くバラまいて、逆に悪しき事態を固定するだけ。
 
 
私は、税金とは寄付金ではなく投資だと思っている。納税者にちゃんと見返りを与えるべきだ。森林に投資した分、誰が見ても美しい森ができました、といった成果を出してほしい。
森林環境税でバイオマス発電所が建てましたとか、高性能林業機械を森林組合に無償貸与して、皆伐をこれほど進めました(で、はげ山が広がる)とかいうのは、心底イヤなのだ。
 
いっそ納税者に森林株を配って株主になってもらうのはどうかね。貴方の納税で、ここの森を整備しました、と見えるようにする。人工林だけでなく、雑木林も対象だ。一人何株分か払ってもよい。もちろん、何年か経って整備されていなかったら株主訴訟を起こす権利もある。
 
これを新・緑のオーナー制度と呼ぼう(笑)。森林資本主義でもいいよ。

より以前の記事一覧

2017年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

森と林業と田舎