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政策・行政関係

2018/02/20

森林環境税ぶんどり合戦始まるか

まだ国会審議も終わっていないのに、もはや実施確定的な森林環境税。

 
年間約620億円の税収となると予想されているが、こうなると分捕り合戦が始まりそうだ。
で、林野庁が考えている配分案が見えてきた。
 
まず1割を都道府県に、9割を市町村に割り当てる。これは大枠として決まっている。ここからだ。
 
 
市町村の配分額は、「50%を私有人工林の面積、20%を林業従事者数、30%を人口」という基準を用いて計算する。私有の人工林面積については、林野率によって傾斜配分となる。
具体的には、林野率が75%以上ならば1,3倍。85%以上ならば1,5倍にするそうだ。
林野率が高いということは、それだけ山深いということであり、搬出が大変という意味なのだろう。なお全国平均は66,5%だ。
 
ただ人工林というのは、やはりスギやヒノキ、マツ、カラマツなど定まった樹種を植えたところになるのだろう。コナラやクリの人工林なんて認められないか。
山村の中には90%以上が山林というケースも少なくないが、国有林や公有林を除くとどうなるだろう。おそらく東北地方などは国有林率が異常に高いから、あんまり配分されない?
一方で西日本は有利かもしれない。
 
せっかくだから、自分の住む市町村はいくら受け取るか概算してみたらどうだろう。ちなみに奈良県の山村はほとんど民有林(それも私有人工林)で林野率95%なんて村もあるから、わりと多くなるかもしれない。でも、人口は少ないなあ。
 
林業従事者数は……今から幽霊職員・社員を増やすところも出てくるかもね(笑)。
 

2018/02/11

スゴイ官僚「杉浦譲」

たまたま手に取った「杉浦譲」(NHKブックス・高橋善七著)。

 
明治維新を支えた旧幕臣を描いているのだが、ほとんど無名だろう。だが、その足跡を追うと、なかなかスゴイ。甲府の幕府勤番の出身だが、非常に優秀だったようで官校の助教を振り出しに、外国奉行所に勤めて幾度も渡欧し、幕末の外交に尽力している。明治になると、旧幕臣ながら優秀ゆえに徴用された。
 
明治政府では、民部省をはじめに、駅逓権正、つまり郵政事業の立ち上げから不平等条約の改正や府県区画の再編、富岡製糸場の創設、陸運会社の設立、地租改正の推進、新戸籍法の起草、さらに東京日日新聞の創刊、つまり現在の毎日新聞へとつながる全国初の日刊紙の創刊をなし遂げている。
 
なかなかスゴイ官僚なのである。
 
その業績の中でも最後に手がけたのが、官有林の設立である。つまり、現在の国有林となる森林の制度の立ち上げに関わっていた。とくに森林行政に詳しいわけではなかったようだが、フランス式の林学をかじっていたようではある。
 
明治7年に官有林保護育成の基本方針を決定するのだが、それを担当したのが地理局。そこに杉浦は着任したわけだ。そして基本策を打ち出している。
 
「森林の国家経済に及ぼす影響は実に大なるものがある」
「山林に対する改革が行われないため巨害が現出するわけであるけれども、直接に人の心を揺り動かすに至らない」
 
林区、これは現在の森林管理署に相当する部署をつくろうと建議するが、経費の面から苦労した様子が描かれている。しかし体(林区などの林野制度)の完全を求めるが、その用(栽培、人材、伐採)を実施することができない……と嘆いている。
 
明治10年には地理局局長になり、官有林の調査に出かけた。その記録によると、どの林区に何本の木が生えているかまで調べている。そして「部分木規則」を制定したようだ。
「部分木規則」は、言ってみれば分収林制度であるが、この制度は吉野にあり土倉家も関わっているので気になるところだ。
 
だがこの年の5月に長野県から愛知県の官有林を現場視察を行った際に、身体を壊して亡くなっている。43歳であった。
 
国有林や林野行政の実質的な創始者のような位置づけだろうか。
 
 
 
他にも杉浦は、盲人教育運動に取り組んだり、芸妓娼婦の解放にも取り組んでいる。
後者はいわゆる「牛馬解き放ち令」である。当時の娼婦や年季奉公人は身の自由を奪われ牛馬のごとし、しかし牛馬が借金して金を返さなくてはならないのはおかしい、だから牛馬を解き放て、という論法で、人身売買を禁止し、すでに売られていた人はすべて無償で解放させたのである。これはマリア・ルーズ号事件の裁判とも関わっているのだが、こうした廃娼論を裏で支えていた。
 
やっぱりスゴイ官僚だ。
 
 

2018/02/09

「日本スゴイ、官僚スゴイ」を探す

このところ林政施策批判ばかり続いてしまったが、某コメントで「日本スゴイ、官僚スゴイ」記事も書きたい、、、と記してしまった。

 
で、やってみようかと(笑)。
 
 
私の記憶している行政府のスゴイ例はわりとあるのだよ。
まったく記憶を頼りに記すので、細かな点は間違っているかもしれないことを念頭に。
 
第一に思う浮かんだのは、何十年か前の宮崎の口蹄疫に対する農水省だ。
口蹄疫が出たらウシ、ブタほか家畜の大半はやられる。極めて危険な病気だが、日本ではほとんど発生例はなかった。それなのに初期症状で気付いた獣医の報告から短期間に抑え込んだ状況を、私は当時のニュースで追いかけて感心した。素晴らしく初動が早く、適切な対応だった。
もっとも、それから何年後か、再び口蹄疫が広がり、今度は世界最大規模の被害を宮崎で出してしまうのだが……。
 
中国がレアアースの輸出制限を始めた時のことも思い出す。ハイテク製品に欠かせないレアアースだが、生産地のほとんどは中国。日本の各企業はパニックに陥りかけた。メディアもレアアース危機を煽っていた。ところが経産省ではこの事態を早くから予測しており、対策を打っていた。レアアースのリサイクル技術とレアアースを使わない製品づくりを進めて、レアアース危機は雲散霧消、輸出規制を事実上撤廃させた。その後もレアアースの価格は落ちたままである。地味だけど、あの担当者はスゴイと思った。
 
奈良県大塔村の山崩れを予測したのは、国土交通省。事前に降水量などから大規模な崩壊を予測して通行を止めて避難を行っただけでなく、現地にカメラを設置。おかげで山崩れで道路が流される瞬間の貴重映像を残した。これは今も残っているから探してほしいが、目の前で山が崩れていく様子が記録されたのはスゴイ。カメラの設置地点を決めた人もスゴイ。
 
ほかには何があるかなあ。
 
結果的にたいした対策はうてなかったが、全国でナラ枯れが始まった時に、その原因やメカニズムをいち早く発表した森林総研はスゴイと思いましたv(^0^)。これも、流行る10年以上前からナラ枯れの大規模化を予測して研究していたからだろう。ま、予測しても効果的に防ぐ手立てがないのだからしょうがないのだが。。
 
 
どれも、スゴイと感じたのは、事前予測と顕在化した後の初期対応がしっかり行われていたものだ。未来を読んで、今から動く。これこそ真骨頂ではないか。
 
でも、ここ5年ぐらいは記憶に残ることはない。未来を読むどころか目先の対策さえ怪しい。今を読んで手を打っても手遅れだっちゅうに。いや、今やっていることが未来に及ぼす影響さえ読めなくなっている。(正確には読まない、かも。)
 
やはり政治のトップが反知性的になると、部下も知性を捨てるのかねえ。。。

2018/02/07

「林業9割に債務保証」って……。

もう当分、林野庁関係の施策について記すのは止めようと思っていたんだよなあ。

 
だって、気分が悪いから。頭にカッカと血が昇るから。反吐が出そうになるから。
 
 
でも、こんな記事読んでしまった。
 
日経新聞である。
 
 
なんか日経の記者は林業も農業もよく知らないまま書いている様子があるが、ようは、林業の規模拡大を図らせるために金融機関から融資を受ける際、国が債務保証しますよ、ということである。
 
農水省は「林業の成長産業化」を掲げて規模拡大を促す。一つが国の保証事業の拡大だ。林業事業者が金融機関から融資を受ける際、国などの基金を使った債務保証の要件を緩める。通常国会に改正法案を提出し、現在1000万円以下の資本金要件について、中小企業の定義(製造業)である3億円以下に緩める。
これに伴い債務保証の対象範囲は事業者の9割超まで広がる。
 
この場合、規模拡大というのは、大型林業機械を導入させて、ばんばん木を伐れ、ということなのだな。資本金3億円以下とすれば、たいていの伐採業者は適用できる。
 
冒頭に宮崎の例があるが、
「切りごろを迎えているのにもったいない。宝の持ち腐れだ」。宮崎中央森林組合(宮崎市)の奈須隆男事業課長はこう話す。この冬、樹齢40年を迎えた「適齢期」のスギ約700本を伐採した。周りの森林所有者にも伐採を持ちかけたが、了承をもらえなかった。
 
木が成長しすぎれば倒木の危険もあり、加工して流通させたとしてもコストがかさむ。
  
これ、何を言っているのかわからない(@_@)。40年すぎたら「成長しすぎ」? 「加工して流通」って、何に加工するの?
 
40年で伐採適齢といわれると、いくら宮崎でも……と思うのだが、ようは周辺の所有者の山も含めて皆伐の規模を拡大したいということだろう。
 
 
しかし、何千万という林業機械のために融資を受けるとして、1台スウェーデン製購入するのに1億円です、作業中にアタッチメントが故障しました、修理費400万円です、あ、丸ごと交換は3000万円です……という世界だから、焦げつく可能性も高いように思う。でも、国が保証してくれるんだから大丈夫だね!
 
どんどん事業者増やして、木を伐らせて、国土を裸にして、伐る木がなくなった途端どんどん倒産するだろう。そのとき、山村は滅ぶのだ。

2018/01/23

施政方針演説

どうやら風邪を引いてしまったようだ。

 
身体の節々が痛い。鼻水が出る。だるい。熱っぽい。
 
こんな日はひたすら寝るに限る。だから原稿は後回しにして……なんでブログを書いているんだ?
 
とりあえず簡単に。いよいよ通常国会が開幕した。安倍総理が施政方針演説 をしている。
 
その中の地方創生の項目の「農林水産新時代」に森林バンクについて触れている。いよいよ本決まりなのだろうか。国会審議はあるのだけど。
 
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 戦後以来の林業改革に挑戦します。豊富な森林資源を有する我が国の林業には、大きな成長の可能性があります。

 森林バンクを創設します。意欲と能力のある経営者に森林を集約し、大規模化を進めます。その他の森林も、市町村が管理を行うことで、国土を保全し、美しい山々を次世代に引き渡してまいります。

だが、私が注目したのは、「おわりに」である。
 
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この冒頭に登場する人物に注目していただきたい。
 
 「五十年、八十年先の国土を富ます。」
 百五十年前。天竜川はたびたび氾濫し、村人たちは苦しめられてきました。子々孫々、洪水から村を守るため、金原(きんぱら)明善(めいぜん)は、植林により治水を行いました。
 六百ヘクタールに及ぶ荒れ地に、三百万本もの木を植える壮大な計画。それでも、多くの人たちが明善(めいぜん)の呼び掛けに賛同し、植林のため、共に、山に移り住みます。
 力ある者は、山を耕し、苗木を植える。木登りが得意な者は、枝を切り落とす。女性や子どもは蔦(つた)や雑草を取り除く。それぞれが、自身の持ち味を活かしました。
 多くの人たちの力を結集することによって築き上げられた森林は、百年たった今でも、肥沃な遠州平(えんしゅう)野の守り神となっています。
 多くの人の力を結集し、次の時代を切り拓く。あらゆる人にチャンスあふれる日本を、与野党の枠を超えて、皆さん、共に、作ろうではありませんか。
 
なんと、金原明善が登場する。もともと治水に力を注いできた豪農だが、後半生は森づくりに邁進する。そこで関わったのが土倉庄三郎だ。天竜に吉野式の林業を取り入れさせたのである。それに金原と土倉は似ている。
 
そのうち土倉庄三郎も施政方針演説に登場させないとイカンなあ。。。。
 
しかし、この金原の事績から、未来の国づくりを謳い、それを憲法改正に結びつけようとするというのは、牽強付会だ。誰の入れ知恵だろうか。 
 
 
なかなかよいこと言っているんだよ。文面だけ読めば。それを聞いていると、薄っぺらいペラペラの言葉になるのはナンだろうね。やっぱり総理の教養のなさに起因するのかね。読み終えたら、すぐに内容忘れてしまうんじゃないか、と思わせるんだよ。あるいは、自分は植林に参加せず他人に植えさせる側と決めているように聞こえるんだよ。
 
さあ、寝よう。

2018/01/21

森林環境税に対する論説

森林環境税がいよいよ本決まりになって、各マスコミが扱いだした。

 
森林環境税に関する論説」を集めたコーナーがつくられている。論説と言っても新聞記事だが。単に新税構想を紹介した記事ではなく、ちゃんと内容を論じたもの、という意味だろう。
 
 
 
この中で読みごたえがあったのは、日経かな。
 
森林税はなぜ年1000円なのか。斎藤健農相は「伐採に必要な資金だ。従来の予算で対応できない森林がどれくらいあるかというところから積算した」と話し、需要からの逆算と説明する。
林野庁は山奥など手入れが難しい私有林の面積を基準にしたという。同庁は手入れすべき私有林は年十数万ヘクタールあり、間伐に1ヘクタールあたり40万~50万円かかると試算。所有者の同意取り付けや測量など関連経費を加え、約600億円の必要額をはじいた。
林野庁の18年度予算は2997億円。新税による税収はその2割に当たる。
 
この計算、本当かな。林野庁が一人当たり1000円にするため、基数を設定したようにも感じるが。フェイクニュースになっていないか、誰かファクトチェックしてほしい。(私? 私は数字弱いから……。)
 
 
ちなみに私の記憶だと、ほかにも森林環境税を扱った新聞はある。まず東京新聞がそうだし、地方紙もまだあったはず。
 
171215  東京新聞12月15日
 
 
もっとも早く論説記事として発表したのは、多分私である(^o^)。Yahoo!ニュース にアップしたのは、11月18日だ。
 
そして、実はもう1本執筆中。もうすぐなので事前予告しておくと、WEB RONZA に森林環境税についての記事を予定している。内容はより詳しくなる、はず。
 
ここで問題となるのだが、私はこの原稿の一部に「まだ反対の声があまり強く出ていないが」と記した。しかし、こうして新聞の論説記事を読んでみると、わりと批判的な論調も増えてきた気がする。まずい。来週入稿のつもりたったが、書き直そう。
 
 
もう一つ、冒頭に紹介した「勉強部屋」には<<森林環境税の海外への情報発信>>も行っている。そこで税制大綱の森林環境税の部分を訳して、The Forest Environmental Tax in Japan will start in FY 2019というページを創ったそうだ。
 
世界中で、環境対策、それも森林に関する目的税をつくった国はないと聞いているので、反応が知りたいところ。しかも、通常の環境対策は「規制」か「課税」なのだが、これは逆に金のバラマキだからね。そして税金で木を伐らすのだから特異と言えば特異だろう。
 
いよいよ第196回通常国会が22日に招集される。森林環境税の審議がどのように行われるか注目である。
 

2018/01/08

「森林生長量」の数値の計算式は

某林業関係者らと飲んでいた時に話題になったのが、全国で進む皆伐。どんどんはげ山が増えている現場を見ている人にとっては、「伐りすぎじゃないのか?」と思ってしまう。

  
これ、理屈の上では日本の森林の生長量以下に抑えていることになっている。それどころか日本の林業における伐採率は、生長量の4分の1(24%)しかないから森林飽和状態だ、もっと伐らないと森はよくならない、と説明されている。
 
 
あるいはバイオマス発電に供する未利用材という名の林地残材。これは年間2000万立方メートルもの林地残材が発生しているのだという。だから、それらを集めて燃料にする限りは全然足りなくなることはないことになっている。だから、
 
 
いずれも林野庁の発表している資料に載っているわけだが、この数字を出すにはどのような計算を行って導き出しているのだろうか。
 
意外や元の資料がわからないし、どんな係数を使っているのか。全国の森林生長量の計算式は何か。
そもそも日本の森林率が67%と世界有数ということになっているが、この場合の森林の定義はなんだろう。日本列島の衛星写真を使って面積をチェックしているというならまだしも、伐採跡地も森林扱いしているのが現状だ。それにWTOの出している統計では、日本の森林率を64%だとしている。この数字の齟齬は何?
 
たとえば再造林されない山も、粛々と生長していることにしているんじゃないか。あるいは植林して1年目の山も森林と見なし、苗木の生長量をカウントしても、それが伐採率の計算の際の分母に使えるだろうか。
 
林地残材の計算も切り捨て間伐の量とか切り払う枝の量はどんな計算式を使っているのか。山奥の谷に捨てられている残材をいかなる方法でチェックしているのか? そして、その計算式は妥当なのか?
 
 
 
……そんな話をしていて、「誰か、計算式をチェックしてみない? 案外前提がデタラメかもよ」と言ったのだ。
そうしたら「それ、自分では調べないんですか」と言われた。。。(~_~;)。
 
いやあ、私はフリーで地方在住の身の上では検証するのは大変すぎるのよ。正直言って、そんな数字を分析するのは苦手……というより気分が悪くなる。
なにより、やっても仕事にならん、ようは金にもならん。仮に大きな嘘を発見しても、ベタ記事にするのが関の山だろう。私は、そんなことより楽しい楽しい森の話の記事を書きたいのだよ。
 
だが、やる価値はあると思うが。政策立案の前提として使っている数字がどこから出てきたのかはっきりさせないと。  
 
誰か、統計を探し出したり数字の分析に強い人調べてみませんか。研究テーマになるように思う。学生が卒論・修論のテーマにしてもいいんじゃないか。給与もらってる大マスコミの記者でもいい。
 
もし挑戦する人がいるなら、私も協力するよ。横から「頑張れ!」と声がけする(笑)。
 
 
2 こんな伐採跡地も「森林」扱いなんだよなあ。

2018/01/05

森林環境税で直接支払いを

今年は、あんまり林業政策について触れたくないな、という気分がある。(なぜって、考えるだけで気分が悪くなるから。)
 
が、新年早々、こんな情報が入ってきた。“林業関係者の悲願”だという国の森林環境税の創設がとうやら本決まりのようなのだが、様々な問題を抱えている中で、大きなものにすでにある府県の森林環境税と国のものをいかに棲み分けるか、という点。
 
なにしろ同じ目的による二重課税である。どちらも徴収は県民税、市町村住民税に上乗せという変則的な方法で、しかも特定財源とする。
だから違いを出すためには使い道などで棲み分けるしかないのだが、フツーに考えれば府県が先につくった税金なのだから国がそれとは違った使い道にするのが筋だ。
 
が、林野庁幹部は「森林環境税にかぎらず、国の新しい制度ができたとき、県の既存制度と役割調整するのは県の仕事」と言い放ったそう。
 
こういうのを盗人猛々しいというんだろうな。オレ様発想というか、棲み分けのアイデアさえ出ない能無しぶり。
 
 
ここまで言われるのなら、府県側がまったく使い道を変えてしまったらどうだろう。
 
オススメは、林業関係者への直接支払い制度をつくってその財源にすること。月に何万円か受け取れたら、生活安定に寄与するだろう。それも優秀な人材には割増に払うのだ。そうすれば全国から能力のある林業技術者を引き寄せて集めることができる。
林業従事者の数はしれているし、県の森林環境税でも少なくても3億円程度はあるうえに、県外者が移り住めば県の人口も増えて地方交付税交付金も増額されるので、財源としては十分だろう。
 
そのうえで支払額に等級をつけて資格の有無を問うたり、実地試験を受けさせる。チェンソーや重機の扱い方とか植え付けや草刈り、選木眼などをチェック。そして森林知識とか林業関係の法令、さらにはコミュニケーション能力もチェックするのはどうだ。ちゃんと人前でしゃべれるか(笑)。仕事内容を他人に説明する能力も林業には必要だ。
現場従事者ばかりではなく、経営者にも適用できないか。森林経営計画を自分で立てられると金一封(笑)。どうせなら林業関係者の中に、林業記事を書くライターも含めてほしいが……。
 
経験年数だけではダメで、実力によって給与の額が変わってくるとなれば真剣になるはず。
 
さらに、今の自分の実力では無理だ……と思う人向きに、林業予備校をつくる。ここで2年間学んだら、直接支払いの等級が最上位になりますよ、と勧誘すれば生徒も集まるだろう\(^o^)/。
 
下手な林業大学校をつくるより需要があるだろうし、林業人材の底上げに寄与するはず。
 
というのが初夢でした(笑)。
 
 

2017/12/24

(戦時)森林資源造成法を振り返る

今夜はクリスマスイブ。と言っても何にもなく、しかも雨である。雪ではなく……。

 
林業関係のあふれるほどある補助金。その原点はどこにあるか調べている。たしか大正時代に始めて作られたような記憶があるのだが……。
 
そんな合間に、1945年4月2日、戦時森林資源造成法が制定されていることを見つけた。ちょうど72年前の12月22日に森林資源造成法と改名されて公布されたが、ようは造林補助金である。
 
政府は、農林中央金庫に森林資源造成証券を公布させる。額面は3億円に限るというが、現在のレートだとどれぐらいなのだろうか。数百億円相当であるのは間違いない。
 
方法は、森林所有者が造林費用の半額を農林中金にまず払い込む。するとその額面の倍額の造林証券の交付されて、造林の完了後に額面金額の支払いを受ける……という仕組みである。
ようは、政府が農林中金に額面の半額を補給するわけだ。だから証券造林と言ったとか。
 
 
戦時中だから、木材の大増産が行われていた。そしてはげ山が増えていた時期だ。しかし、やはり伐採したら植える、という基本的なことを政府も理解していたのだろう。さもないと大変なことになると。
だから森林所有者が政府の命令に従わないとき(再造林しない時)は、政府が森林所有者に代わって執行することも可能である条項もあった。
 
改めて指摘するが、これが公布されたのは1945年である。戦時下も戦時下、もはや敗色濃厚の時期に、こんな法律を作っていたことを知ると、ちょっと感動する。当時の林野官僚は、非常時でも木を植えさせようと必死に大蔵省を説き伏せたのだろう。
 
もちろん、きれいごとだけではなかろう。もしかしたら軍事物資である木材をもっと供出するよう、再造林の負担を面倒見てやるから、という意図もあったのかもしれない。それでも、伐りっぱなしはいけないという意識はあったのだ。
 
はて、現在の〇〇な人々は「伐りっぱなしはいけない」と思っているのだろうか。
 
Photo
 
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法律第三十五号 朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル戦時森林資源造成法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム 裕仁 昭和二十年四月二日 内閣総理大臣 小磯國昭 農商大臣 島田俊雄 法律第三十五号 戦時森林資源造成法 第一条 政府ハ大東亜戦争ニ際シ森林資源ノ戦力化ノ徹底及之ガ造成ノ確保ヲ期スル為命令ノ定ムル所ニ依リ農林中央金庫ヲシテ額面三億円ヲ限リ森林資源造成証券(以下証券ト称ス)ヲ交付セシムルモノトス 第二条 森林所有者命令ノ定ムル所ニ依リ農林中央金庫ニ対シ森林資源造成ノ為必要ナル一定ノ行為(以下造林行為ト称ス)ニ要スベキ費用ノ二分ノ一ニ相当スル金額ヲ払込ミタルトキハ農林中央金庫ハ当該森林所有者ニ対シ其ノ払込金額ノ倍額ニ相当スル額面ノ証券ヲ交付スベシ
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2017/12/12

スイスの憲法改正とダイジョーブ

週末は、谷山浩子コンサート。至福の時間を過ごしたv(^0^)。

ま、その足で親戚の通夜に駆けつけることになったのだが……。 

そんなこんなの合間に考えたのが、これ。スイスが今年9月に憲法改正の国民投票が成立したということ。それも安保体制を強化するために……。

 
ただし、食料安保条項だけどね。賛成票は78,7%。なかなかすごい数字である。ただし投票率は46%。
 
内容は、「スイス国民の、量的に十分で安全かつ誰でも入手可能な食料への常時アクセス」というもの。
具体的には、農地の保全。地域の条件に合致した生産。市場の要求を満たすこと。持続可能な発展に資する貿易。資源保全に資する食料の利用
 
なんだか難しいが、環境負荷を避けて、しっかり生産しろよ……ということだろうか。安易な農地拡大を認めないし、輸入も増やすな、食料ロスを出すな、と厳しい条件を表明したということだろう。しかも自由貿易を守りつつ、食料安保を達成するように工夫されている。
種子法を廃止して、農業の自由主義化(グローバル化)を進める日本とは真逆かも。
 
ただし、現在のスイスの食糧自給率は55%ぐらいらしい。多分、日本と計算方法が違うと思うが。
 
 
詳しいことは、私もまだわからない。細かな背景を知らないと理解できないこともあるだろう。もともと連邦国家で、国より州の方が強いというお国柄だが……。しかし、こうしたテーマを憲法に盛り込むというのは国民性だろうか。この次は林業改革で憲法を改正するかもなあ。
 
すでに直接支払い制度(面積支払い)もあるし、持続可能表示もある。景観維持や望ましい生産方式による支払いもある。こうした政策は12年も前から進めていたようだ。
 
 
 
 
ここでも日本の思いつき憲法改正と比べて真逆だよな。
 
 
 
谷山浩子の新譜に「白雪姫と七人のダイジョーブ」という歌があるのだが、誰が何を守ってくれるからダイジョーブなのか……聞き終えてしばらくすると、ぞっとする歌なのである。
 
 

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