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本の紹介

政策・行政関係

2019/04/08

林業の「働き方改革」

林野庁のホームページによると、「林業の働き方改革」と「木材産業の働き方改革」の手引き書をつくった、とのこと。

林野庁では、林業で働く方々にとって働きやすい環境を整備し魅力的な職場づくりを支援するため、有識者や林業の経営者等の関係者が参加する林業の「働き方改革」検討会を開催し、林業における「働き方改革」の実現に向けて-林業経営者向けの手引き-を作成しました。

ちょっと宣伝をお手伝いしておこう(^_^) 。

詳しい内容を知りたければ、こちらを。

 

※ここで少し引用して内容を紹介しようと思ったのだが、またもや本ブログ(ココログ)に不具合が発生。画像データが張り付けられない。なんか、リニューアル後、単に不具合だけでなく使い勝手も悪くなってうんざりしている。しかも、前々からの課題だったFBなどとの連携は今もできないまま。ツイッターも以前より面倒になった。ほかにも欲しい機能は全然追加されないで、何をリニューアルしたんだ、と言いたくなる。

 

せめてセルフチェックの項目(一部)だけ。

 経営理念を持ち、従業員と共有していますか。
 経営目標や売上高などの経営情報を従業員に開示していますか。
 就業規則を作成し、従業員に周知していますか。
 従業員にとって重要な労働条件を通知していますか。
 雇用契約を適切に結んでいますか。
 従業員の労働時間の管理を適切に行っていますか。
 長時間労働は発生していませんか。
 年次有給休暇などを適切に付与していますか。
 賃金制度を適切に整備し、支払いを行っていますか。

 危険防止措置を講じていますか。
 求人票などに労働条件のほか、自社のアピールポイントを記載していますか。
 女性の活躍を促していますか。
 従業員の能力や実績を適切に評価していますか。
 期初に年間の労働日数をカウントした上で、1年間の業務の進め方を計画していますか。

ま、こんな調子である

これらを行っている林業事業体が、全体の何割あるか、ぜひとも知りたいものである。


※ようやく直ったみたい。まったく。とりあえず昨夜張り付けるつもりだった画像。

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2019/03/28

林業スクールの“名称”

もうすぐ4月。つまり新年度、新学期が始まるわけだが、そこでまたもや新たな林業スクールがオープンするらしい。

今度は滋賀県。目的は、生産性の向上や新規就業者の確保のほか、森林経営管理制度に対応する市町職員の養成研修だそうだ。だから対象は、すでに林業に就業している者と、新規就業者(転職者)、そして市町職員となる。もちろん必要な予算は、森林環境譲与税を利用するらしい。(約2000万円) 

もっとも、いわゆる林業大学校のような教育機関ではなく、年に幾度かの研修を実施する形式。既就業者向けは県内の森林組合作業班に講師を派遣し、年3回程度の研修。労働生産性を現在の倍(1人1日6立方メートル以上)をめざすとか。新規就業者とは、新卒というよりUIJターン者向けらしい。研修期間は2カ月で、年間3回受講できる機会をつくって、年間6人程度育てる。市町職員は、内容を5項目に分け1項目1~2日間実施。座学と実習で森林整備の方針を立てて業務を発注できる人材を県内全市町で1人以上養成する。
講師は、内外の民間企業や大学、他府県の林業大学校、試験研究機関からの派遣に頼るそうだ。

まあ、なんだか、その程度で大丈夫?というのが私の率直な感想だが……実は私がもっと注目した点がある。それは、この滋賀県の林業スクールの名称が「フォレストアカデミー」だということだ。

なぜ、この名前に興味を持ったかというと……実は奈良県も設立構想を温めているフォレスター学校も、仮称ながら「フォレストアカデミー」なのだ。つまり先んじられたわけ! もっとも、まだ影も形もないから文句も言えない(^^;)。

もう奈良県では、「フォレストアカデミー」を使えないぞ。別の名称を考えねば。
個人的には、フォレストアカデミーというのは安直でカタカナばかりで軽いのも気にいらなかったから、没になる方が嬉しいのだが。もうちょっと特徴だせないかな。

 

ちなみに来年4月に林業大学校設立をめざしている北海道では、早くも名称を募集した。すると303件が寄せられ、その中の「北の森未来」と「未来の森づくり」を組み合わせて「北の森づくり専門学院」と決まったそうだ。これは……特徴はあるが、なんか気恥ずかしい(笑)。学園ものアニメに登場する学校名みたいな気がした。

ともあれ、名前は大事だよ~。

 

2019/03/05

ウッド・チェンジって何?

林野庁の「官民で連携して木材利用の推進方策を検討する懇談会」(通称ウッド・チェンジ・ネットワーク)とやらを立ち上げて、初会合を2月27日に開いたという。
 
合い言葉は「ウッド・チェンジ!」だそうだ。これがどーゆー意味かというと、「燃えやすいという木造のイメージのチェンジ、鉄筋の建物を木造にチェンジ、 持続可能な社会へチェンジ」の三つのチェンジを込めているとか。
 
これは英語ではないが、訳せば「木材に変えよう」になるか? ウッドに持続可能な社会という意味まで込められてしまった。ただし正確に言えば、国産材に変えようであり、外材を使われても困るだろうな。それこそ「外材から国産材から変えよう」なのだけど、「木材を鉄筋コンクリートに変えよう」にならないようにね。
 
ともあれ、このウッド……という言葉は何か聞いたことがあると思い記憶をたどると、まず数年前に「ウッド・ファースト」という言葉があったなあ。次に「ウッド・スタート」も使われた。
それぞれ誰が言い出したのかはっきり覚えていないが、前者はまず木材を使うことを検討しようであり、後者は幼児に木製玩具を与えて木材に触れさせる木育を施そうという運動の合い言葉ではなかったか。
 
そして今度はウッド・チェンジ……。ウッドの後ろをチェンジばかりしている(^^;)。 
 
 
会合には、林野庁の幹部のほか、大林組や住友林業、三菱地所のほか、セブン-イレブン・ジャパンや東京海上日動火災保険などの企業、そしてオブザーバーとして東京都や高知県、国土交通省も参加したらしい。
ようは建築分野に木材(国産材ね)を使ってくれというわけだ。(高知県はどんな経緯があるのだろう。)
 
大林組とか住友林業には木造住宅や木造ビルを作ってもらいたいが、結構大変。セブンイレブンさんよ、コンビニの店舗なら簡単に木造でできるんじゃね? という推し付合いがあったのかも。
 
別に悪いことではないのだけど、なんか大袈裟な懇談会をつくって行う運動かと思ってしまう。あんまり声高に運動されるとウッドうしい……。
 

2019/02/26

野生のイノシシにワクチン投与の不思議

豚コレラが猛威を奮っているのはご存じだろうか。
 
岐阜から始まったようだが、今や愛知、長野、滋賀、大阪と5府県の養豚場で豚コレラの感染が確認されているのだ。これはやっかいな病気で、いったん感染および感染の疑いがあれば、問答無用でブタおよび豚肉を出荷停止し処分しなければならない。すでに数 万頭が処分対象となった。ちなみに、豚コレラは人間には感染しないし、その肉を食べても問題ないとされる。
 
が、問題は感染源だ。どうやら野生のイノシシが関わっているらしい。すでに岐阜と愛知では豚コレラに感染したイノシシが180頭も確認されているからだ。
 
驚いたのは、その対策。なんとイノシシに対して経口ワクチンを投与することになったのだ。そんなワクチンがあったのか!
農水省では、ワクチンは12万個をドイツから輸入するという。このワクチンは縦横4センチの形状で、トウモロコシ粉やミルクパウダーなどで作ったエサの中に液状ワクチンが入っている。これをイノシシが通る獣道などの地中10~15センチに埋めるのだそうだ。イノシシが鼻で掘り起こす習性を利用し、このエサ=ワクチンを食べさせようというわけだ。
段取りでは、春、夏、冬のシーズンごとに2回散布し、散布から一週間後にイノシシがワクチンを食べたか調べる。このワクチン投与は数年間継続するらしい。
 
……これ、どう考える?
 
こんな手でイノシシにワクチンは行き渡るのだろうか。確率的に、ワクチンを食べるイノシシは生息数の何%になりそうか。
そもそもワクチン入りの餌を食べさせてイノシシを豚コレラから守るぐらいなら、それに毒を仕込んでイノシシ退治をした方がよくね?。。。だってイノシシは増えすぎて農作物に何十億円も被害を与える害獣だ。駆除も一生懸命にやっている。奨励金だけで何億も支出している。イノシシ以外の動物が食べたらどうするとか、毒を野に撒けないという意見もあるだろうが、毒の種類によっては比較的短期間に分解して無毒化するものもあるはず。
 
むしろイノシシの生息数を落とすチャンスと捉えて、積極的に駆除を強めた方が建設的なのではないか。毒ではなくワナや銃による駆除を強めるべきだろう。ただ駆除した感染個体からハンターに病原菌が付着して感染を広めないよう気をつけないといけない。
もちろん、各府県ではそうした対策も進めているようだが、効果が読めないワクチン投与をなぜ行うのか。「やってる」感を出すため?
 
 
面白い(と言っては語弊がある)のは、養豚場のブタにはワクチンを投与しないことだ。なぜなら、ワクチンの成分が肉に残る心配があり、それが知られるとワクチンを打ったブタ肉の消費に響くからだそう。豚コレラ菌は人間に害はないし、ワクチンも問題あるように思えないから怖いのは風評被害だろう。だから1頭でも豚コレラが確認されたら、その周辺の養豚場のブタは全部処分されてしまう。
 
ちなみに専門家による「拡大豚コレラ疫学調査チーム」が岐阜からの感染ルートを調べたところ、ウイルスを含んだ泥や糞を付けた車両や人を介して岐阜県から愛知県内に入った可能性が高いという。岐阜県内の感染にイノシシは無罪と言えないが、他府県への拡大に関しては、ちょっと濡れ衣の可能性も出てきた。
 
農水省、よく考えてね。 

2019/02/20

林業大学校を3年制に

長野県林業大学校は、現在2年制の林業専門の学校だ。これを3年制の「専門職短期大学」に移行させる計画が進んでいる。
 
長野県の林業大学校が開校したのは1979年度だというから、今も残る林業系の大学校の中でもっとも古い部類だろう。林業専門課程を設けたのは2000年度で、学校教育法に基づいた専修学校となっている。(現在全国各地に開設されている林業スクールの中には、専修学校でないものも多い。)
 
老朽化が進み、またライバル校も増えたので造り替えを模索していたようだが、そこで立ち上げられたのが、長野県林業大学校グレードアップ推進会議。この名前には笑ってしまったが、真面目に識者が今後の大学校のあり方を議論したわけである。
 
結論として異業種連携や国際基準のカリキュラム、林業従事者のキャリア開発、地域の森林整備を担う人材……を育てる大学校に、というコンセプトを立てたらしい。林業スクールの多くは、林業現場で即戦力になる労働者(ワーカー)を送り出そうとするところが多い中、長野はよりグレードの高い林業従事者育成をめざすのだろう。
 
もともと長野県林業大学校では、卒業生が県や市町村の公務員になる率が高く、その点で他校と違いはあったが、今後は3年制にすることでより教育程度を上げようと提言を出したわけである。
まだ議会などでも揉むだろうから、この改組を確実な決定とは言えないものの、そんなに大きく変えられることはないのではないか。
 
しかし、3年制が本当によいことか。生徒は集まるのだろうか。現在の志願倍率は最近10年平均で1,8倍あるそうだが、3年間も学生続けるぐらいなら4年制大学と同じ卒業資格が欲しくなりそうな気もする。
また就職口も、今より広がるものか。現場系の森林組合や林業会社では求められるかどうかわからないうえに、林業系公務員の求人が多いわけではない。4大の森林科学系学科出身者の多くが、林野庁や各自治体の林業職に就くことを思うと、就職口の奪い合いになりかねない。信州大学にも森林・環境共生学コースがあるのに、卒業後の進路を住み分けできるのか。
 
 
しかし、こうした専門職短大が企画されること自体、4大が人材育成をさぼってきたからかもしれない。森林・林業系の学科や研究室は近年減少が続いている。農学系の学科と合体させたり、環境関係の学科に改組が進められてきた。
 
ちょっと興味深いのは、農学系学部を新設する大学は増えていることだ。国立大学では山梨大学の生命環境学部、徳島大学の生物資源産業学部、福島大学の食農学類がここ10年以内に設けられた。さらに私立大学では吉備国際大学龍谷大学に農学部、立命館大学には食マネージメント学部が設置されている。今年4月には私立の新潟食料農業大学がオープンするし、来年には泉南大学にも農学部が増設される予定だ。
 
農学系の学部学科は増えて環境系、バイオ系や食品系の人気は高まってきたのに、森林系・林業系のコースは減っている理由は何だろうか。やはり学生に人気がない、就職口が限られている……などだろう。
その間隙をつくように?実業的な林業大学校が増えているというのは面白い現象だ。
 
ちなみに近畿大学農学部には森林資源学の研究室が設けられるそうだ。近大農学部と言えばマグロ養殖の水産学科が有名だが、そのキャンパスは奈良市にあって90ヘクタールもの敷地を誇る。その大半が山林。ここを利用して森林学でも名を挙げてほしい。
 
国公立大学の森林・林業系が減少している中、あえて増設されるというのは、もしかして世相を先取りしているのかもしれない。農学系に期待の風が吹く今、その風は森林学系にまで届くだろうか。
 
Dsc00893 広大な近大農学部のキャンパス

2019/02/18

2018年の木材輸出統計

昨年の木材輸出額の動向が公表されている。

 
 
それによると、まず輸出先は、中国が159億円(対前年比9%増)、フィリピンが79億円(同8%増)、韓国が32億円(同13%減)、アメリカが25億円(同32%増)、台湾が20億円(同21%増)など。
量的に多い中国向けは、主に梱包材や土木用材の丸太が増加した。
アメリカの伸びが目立つが、住宅フェンス用の米スギ(ウエスタンレッドシダー)の価格高騰したため、代替材として日本のスギ製材の輸出が増加したかららしい。台湾も、丸太・製材とも大きく増加したがヒノキ製材が多い。
一方で韓国向けは、大きく減少している。どうやら日本の木材も製材加工拠点を中国に移したよう。つまり中国経由で入っているのだろう。
 
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品目別では、丸太が148億円(対前年比8%増)、製材が60億円(同12%増)、合板等が72億円(同14%増)。合板は圧倒的にフィリピン向きだ。製材や合板産業がたいしてないからだろう。
 
 
さて、動向としてはどのように読み取るべきか。丸太ばかりではなく製材が伸びたのは良い兆候かもしれない。アメリカ向きの伸びが今後続くかどうかはわからない。私は怪しいと思うが……。結局は価格勝負だからだ。韓国は厳しい。台湾、フィリピンは期待できるかな?
 
もう一つ、輸出量の数字も出された。
 
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以前森林・林業白書の数値は、なぜ輸出は金額で、輸入が材積なんだ 、とかみついたことがあるが、ここで初めて?両方の数字がわかった。 
 
2018年の木材輸出額は約350億円
その木材輸出量は、丸太が115万7438立方メートル、製材が14万5995立方メートルだった。
製材の歩留りを簡単に50%と仮定すると、原木量としては約30万立方メートル。そのほか合板や木工製品などを合わせたら同程度の約30万立方メートルとしておく。それと丸太と合わせると、原木相当で、ざっと176万立方メートルの国産材を輸出したことになる。
もっとも製材や合板、木工品の中には外材を使ったものもあるだろうから、若干割り引いて考えるべきか。控えめに150万~160万立方メートルと考えた方が安全かな。
 
推測に推測を重ねているので、内部の人はちゃんと計算してほしいものである。
 
政府の統計への信頼性がガタガタと揺れている最中だが、統計とはその数字から何を読み取るかである。
 
 

2019/02/11

森の救世主?ヤバいコウヨウザン

ちょっと訪れた某森林管理局。

その外向きのガラス壁に妙なポスターがあった。 
 
1
 
森の救世主コウヨウザン現る!」だと。
 
木材価格が低迷している上、スギやヒノキでは50年~60年かかるので子や孫の代まで負担がかかる……と問題を指摘してから
 
4  3
 
夢の樹木、国内最大のコウヨウザンの林分が庄原市で発見されたとあるのだ。
 
ちょっと無理があるだろ……。(林分なんて言葉も林業家にしか通じない。)
 
庄原市のコウヨウザンの林約10ヘクタールは、元市長が植えたものだが、偶然発見されるもんじゃない。
日本には江戸時代から持ち込まれて各地に植えられている。しかし、ほとんど広がらなかった。ヒノキに匹敵するほど硬いとあるが、材質が日本人には好まれなかった。材質は荒く、どちらかというとマツに近い。この点にほおかぶりしてはダメだ。そもそも外来種なのだ。
 
しかも、林業を救うような書き方をしつつ、植えるのは耕作放棄地とは……。
なぜ、山に植えない。同じ早生種のセンダンも耕作放棄地に植えるといいと説明されているが、こちらは山では育たないから。
 
 
私は何もコウヨウザンを植えるな、と言っているわけではない。建築構造材としては悪くないだろうし、合板用などにも向いているような気がする。一部で植えるのはアリだろう。ただし、造作材向きではなく、林業の主流になるような樹種ではない。
それに中国では600万ヘクタールも造林されているから、もしかして日本に輸出されるかもしれない。
 
あんまり外来種を「救世主」扱いするんじゃないよ、というだけだ。

2019/02/06

「森林サービス産業」を謳う前に

先日、「“森林サービス産業(仮称)~新たな森と人のかかわり『Forest Style』の創造~”キックオフ・フォーラム」が開催された。もちろん、会場は東京なんで私は参加していない。そんな気軽に東京には行けないのよ。
 
それでもウォッチングはしている。
 
なんでも意図は、「森林空間の新たな利活用を通じた新産業創出を目指す」ことだという。
 
「国民の価値観や余暇活動のあり方、ライフスタイルが多様化するなかで、医療・福祉、観光・交流、教育・学習支援、娯楽等の分野において、森林が有する多面的な価値を積極的に引き出したアクティビティや、森林空間が有する豊かさを活かした利活用のニーズの高まりを見ることができ、こうした取組を通じた山村振興への期待も高まっています。」
 
どうやらすでに「森林サービス産業(仮称)」検討委員会というのがあって、医療・福祉、観光、教育等の分野の業界団体等の参画しているらしい。
 
1 こんな森林リゾートのイメージ?
 
……、ま、意図にさしたる異論はないが、なんか聞いたことがある。そう、森林セラピー事業の時も同じようなことを言っていなかったっけ。今回は森林セラピーについて触れていないが、内容的に重なるだろう。
 
そもそも森林セラピーの元は森林療法であり、これは医療・福祉・教育などへ森林空間を活かす話だったのだが、いつしか観光などを上書きされて、地域起こしネタにされてしまった。その点今回は始めから観光と地域振興に触れている(^^;)。
 
 
実は、同じような話は別の分野でも聞いている。それは環境省からだ。具体的には、国立公園を利用したインバウンドだ。2020年までに外国人の利用者を年間1000万人にするというのだ。これを名付けて「国立公園満喫プロジェクト 」。
そのためには、環境整備と利用規制のルールづくりが必要だとしている。が、なかなか進まない……。 
 
なぜ進まないのか? 地権者たる林野庁が反対しているから(笑)。国立公園の管理権限は環境省だが、その土地は国有林が多く、そちらの管理権限は林野庁が持っている。しかも、林野庁は国立公園に被せるように森林生態系保護地域などに指定している。(加えて世界遺産などもあるんだけどね。こちらは自然遺産なら環境省……なんだが、実は外務省が力持っていたりする。)
 
ようするに省庁間で管理権限のつばぜり合いをしているわけだ。 
 
実際問題として、環境省には予算も人員も少ないことがある。レンジャーが少なすぎてボランティアみたいなアクティブレンジャーまで作っている。だから、林野庁に予算と人員を譲れ、という声まで出ているわけだ。
私も国立公園特別保護区の部分は環境省に任せてもよいかと思うが……人員を譲れというのは、林野庁職員が環境省に移るということ? とりあえず森林専門家は林野庁の方が圧倒的に多いだろう。ある意味、乗っ取れるんじゃないか(笑)。環境省の森林保護の発想は古くさいので、それもいいかな、と思ったりもする。
 
ともあれ、環境省の動きと張り合うように「森林サービス産業」を打ち出した林野庁の裏事情というのを探ってみるのも面白いと思うよ(⌒ー⌒)。
 

2019/01/31

林業以外に配る林業補助金

林業はいいなあ、補助金いっぱいあるから……という声を聞いたことあるが、どうも林野庁の補助金制度は周辺産業にも拡大の動き。
 
国産木材の活用を促すため、関連産業の支援に乗り出すというのだ。具体的には、林業家などと連携しつつ国産木材で住宅を造る工務店や、家具を製造する会社、そして木材の流通業者など。低い金利で融資を受けられる形で資金支援の対象にし、設備投資や運転資金に使えるようにするのだ。債務保証も行う内容らしい。
すでに今通常国会に農林漁業信用基金の資金供給と債務保証制度を拡充することを可能にする法律改正案を提出する模様。
 
 
もともと林業の補助金は、植林からスタートしてどんどん各施業にも就くようになり、とうとう昨年から主伐にまで就くようになった。それらは一応、林業家向けだ。
 
林業家以外となると、2000年代に新流通加工システムや新生産システムのように合板製造企業や製材企業に出したことがわりと大きな動きだったように記憶する。だが、いよいよ川上~川中、そして川下まで下っていったか。
 
何やら私が『森林異変』で提案した「大林業構想」を地で行く拡大ぶり。狭義の林業から周辺産業まで含めて全体像を捉えようという問題提起のつもりだったが、まさか補助金対象にするとは思わなかったよ(-_-;)。
 
もっとも、それだと最後はリサイクル木材、つまり廃棄物処理業界も含めないとなあ。バイオマス発電の燃料生産をしているから、十分に林業と関係あるよ。
 
日本は財政危機だと言われているけど、林業関係ならば使い切れないほど配る金があるということだろうか。
すでに林業関係分野には、配りたくても受け取り手がいないほど潤沢だ。どんな小さな事業体でも、林業やっていたら債務保証してくれる。さらに森林環境税で市町村にもつかみ金。それでも余るから、対象を拡大するのだろう。
 
財務省、そして国会も、この法改正案を通すの?
 

2019/01/29

町立林業学校!

全国各地で林業スクールの開校計画があることはこれまでにも伝えてきた。今春にもオープン予定のところがいくつかあるが……。そのほとんどが道府県によるもの。
その中で目立つのは市町村立だ。
 
にちなん中国山地林業アカデミー 」を開校するのは、鳥取県日南町。今年4月から開校する全国初の町立林業学校だ。町の担当者によると、高齢化と人材不足で安定的な木材確保ができず工場が停止するケースや、町内の林業事業体では人材育成できず新規雇用が進まないからという。
 
定員は10人程度で、在学期間は1年間。町が出資する産業振興センターが委託を受けてアカデミーの運営を行う仕組み。生徒募集の条件は、18歳以上で卒業後に林業分野に就職することなど。推薦と一般入試があり、授業料は年9万6000円。
前期(4月~11月)を「実践訓練期」として、技術に加え労働災害対策を指導する。後期(3月まで)は「就業準備期」であり、林業事業体でのインターンシップなどで就職を支援。 なお遠方の人向けに町営住宅や空き家などのあっせんもする。
 
ちょっと魅力的なのは、この町の森の大部分はFSCの認証を受けていること。現在1万9500ヘクタールにもなっているという。そのうち町有林668ヘクタールを演習林とするという。林業大学校で、これほどの面積の演習林を抱えているところはない。大学だって、こんなに広い演習林を持つのは、北大と東大、京大……を除くといくつあるか。
森林認証を取得したところでは、どんな施業をしているかわからないが、一味違うのだろうか。
 
労働災害対策に力を入れるのはよいが、講師役はセンターの職員と林業現場で働く人を招くという。 う~ん。よい人がいますように。
 
実際のところ前期の半年で教えて、後期は実践というか仕事はしながら学ばすOJTということだろう。まさに即席のワーカー養成である。
 
それにしても、本当に林業の現場従事者がそれほど足りないのだろうか。 一時的に不足しているとしても、いつまで続くか。卒業後に全員が町内で就職できるほど募集があるとは思えないし、また当人たちの希望も必ずしもそうではなかろう。
それに人材育成は、舵取り役も含めて考えてほしい。
 
 

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