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森と林業と田舎の本

2020/07/14

密漁対策の漁獲証明制度、創設か

また、宮崎県で盗伐案件で立件されたようだ。詳しいこときは明日の朝刊に載るそうだが……このところ、次々と起訴されている。それでも盗伐、つまり違法伐採は収まらないのだが……。

水産庁が動く、かもしれない。

林業と双璧をなす?違法取引オンパレードの日本の水産業だが、このほど有識者の検討会で漁獲証明制度創設の内容を取りまとめた。

内容は、なかなか思い切った施策だ。産地などを表示した漁獲証明を添付しなければ販売・輸出できなくするというのだ。漁業者が魚種や水揚げ量、漁獲日などを漁協に報告し、漁協がこれを基に漁獲証明番号を付与する。そこに扱う漁協、日付、ロットなどの情報も示す。事業者は、証明番号などを記載した販売・購入記録の保存を義務化する。

ただし、すべての漁獲物にそれを当てはめるのは無理があるので、現在考えられているのは、アワビとナマコ。これって、反社会勢力、つまりヤクザの資金源になっている密漁品だ。なにしろ日本の市場に流れているアワビの約半分が密漁品と言われ、中国に輸出されるナマコも大半が密漁品。将来的には伊勢エビなども対象にしたいという。私は、シラスウナギも加えるべきかと思うけどね。

なお輸出品も漁獲証明を必要とする。輸入する水産物の一部も相手国の漁獲証明書を求める。これがこのまま法律として成立すれば、結構厳しいものだ。これらを排除することができれば、アワビなどは市場に流通する量は激減し、価格は高騰するかもしれない。

こうなると漁業者や卸売、加工業者、小売りなどは証明の表示がある水産物しか扱えなくなる、はずだ。証明書のない水産物や正規品に密漁品を混ぜて販売した場合には罰則も設けるというから、なかなか水産庁本気か?と思わせるのだ。(もっとも、あくまで検討会の案だから、それを水産庁が法案化して、それを国会で通せるかという点が不明確なのだが。)

秋の臨時国会に関連法案を提出する予定だそうだ。法律が成立したら、2年後には運用を開始する。原案どおり法律ができるか。それともヤクザさんのために抜け道をいっぱい用意してあげるのか。

やはり反社会勢力が参入していることが大きいのかなあ。今や暴力団に対する締めつけは相当厳しくなったので、それに連動しているのだろうか。

さて、林業界はどうするのだろうか。違法伐採、無断伐採、違法木材の輸入などが今も続く状況に何らかの手を打つ気はあるのか。

残念ながら林野庁にやる気は見えない。ようやく作った法律がクリーンウッド法だからなあ。初めから抜け道をつくった中身のない形だけの対策。そもそも違法を取り締まるつもりはなくて、合法にしましょう、とよびかけるだけ。盗伐が相次いでいることに対しても、遺憾声明さえ出さない。

しかしその気になれば、取り締まりは水産業界より簡単だと思うのだ。何より業者が(違法に)手にしようとしている金の原資は、たいてい補助金だから。最初に取り締まるだけでなく、補助金拠出後に厳しく検査すれば、すぐボロが出る。利益が出なくなれば、違法行為をやる意味がない。

林業の場合は、ヤクザの参入というよりは国がヤクザの育成をやっているような気がする。ヤバイことできる余地やチャンスをわざとつくって暗に勧めるのだから。。

 

2020/07/09

今更ながらの「過剰木材緊急対策」

コロナ禍不況対策として打ち上げられた「令和2年度 過剰木材在庫利用緊急対策事業」に目を通してみた。

この件に関しては、Yahoo!ニュースに「輸出木材の保管費用もコロナ禍対策?輸出拡大をめざす農林産物の怪しげな内容」を書いている。ここでは、コロナ禍対策が木材輸出の在庫に補助金を出すことか! と突っ込んだわけだが、それをそのまま延長したような対策事業(笑)。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡⼤により、林業・⽊材産業においては、中国への丸太輸出の停滞、資材難による住宅建築の遅れ、経済活動全体の停滞などにより、国内外での⽊材需要の減少やこれに伴う在庫の増加、減産、⼊荷制限等といった事態が起こっており、事業者の事業継続に影響が⽣じています。
輸出の停滞により⾏き場のなくなった輸出向け原⽊を有効活⽤するため公共施設等における⽊材利⽤を⽀援します。

どうしてもコロナ禍による木材輸出の停滞を強調したいらしい。中国は、すでに正常化しているって。在庫が増えた原因は、国内の建設現場の停滞だろう。今どき輸出木材抱えて「売れない!」と嘆いている業者は、ビジネスの失敗をコロナ禍に隠しているだけではないか。
さらに付け加えれば、水害で山は各地でズタズタになっていて、木が出せなくなっている。現在の在庫が尽きたら、原木価格は一転値上がりするかもしれない。その頃に、この対策事業で需要が増えたらどうなる?

で、肝心の補助案件だが。

○ 過剰⽊材在庫利⽤緊急対策事業
通常⽊材が使われない外構部や公共施設等における⽊材の活⽤を通じて輸出の停滞により⾏き場のなくなった輸出向け原⽊を有効活⽤するための取組を⽀援します。
また、⽊材利⽤を促進するための普及活動を⽀援します。
(対象となる施設)
• 公共建築物等⽊材利⽤促進法に基づく公共施設(学校、保育園、病院、⽼⼈ホーム、駅、庁舎等)
• 災害対策基本法に基づく指定公共機関の施設
• 公共の⽤に供する場に設置される外構(公園等の塀や柵、デッキ、遊具等)

とはいえ、さすがに輸出木材だけに対策というのもオカシイというわけで、木材建設関係に大盤振る舞いをしていた。すごいよ、この項目。

これらは、どこを見ても国産材を使えとは書いていない。おそらく書けないのだろう(書いたらWTO違反になるから?)けど、それなら外材の建材も使えるということか。まあ、それもコロナ禍不況対策にはなるだろうけど(建築業界の、ね)。

(⽀援⽔準)
⼯務店等の施⼯者が⽊材を活⽤する際の経費(材料費、⼯事費等)について、以下の⽔準で⽀援。
• 構造材床⾯積  1平⽅メートル当たり 39,000円以内
• 内装材 内装⾯積 1平⽅メートル当たり 12,000円以内
• 外構材 延⻑  1メートル当たり 17,500円以内 等

これらの金額は、なかなかのものだ。

ただ、よくよく読むと「利用できるのは、CW法に基づき合法性が確認された木材製品です。」という項目があった。CW、クリーンウッド法がこんなところに登場するなんて。CW法に登録していたら支援額が増額するそうだ。こんなもん、取っている業者がいるのか? と言われているが、餌をぶら下げたか。コロナ禍対策のふりをしつつ、不興の法律を抱き合わせるとはなあ(苦笑)。あわてて登録する業者もいるかもしれない。しかし、外材なら合法性は森林認証制度で押さえているはずだ。こちらの方が信頼度は高い。


それにしても外構材高いねえ。ここにケボニー化木材を押し込めないか(⌒ー⌒)。デッキや公園遊具にも使ってほしい。現状は欧州材だが、少しはスギ材製のケボニー化木材(フラン樹脂化木材)もあるよ。

ぜひ、これらの支援策を使って、コロナ禍を乗り切ってくれ(⌒ー⌒)。

 

2020/07/05

ひっそり募集? 奈良県の「森林管理職」

まだ全容はわからないのだが、奈良県職員の募集にこんな職種があった。

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えっ、読めない?そうでしょう(笑)。ならば拡大を。

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どうでしょうか。奈良県職員の採用試験実施計画にひっそりとたたずむ?新たな職種(笑)「森林管理職」

来年から設けられるのだけど、これは、奈良県フォレスターのこと。奈良県フォレスターになるには、来年度開校予定の「奈良県フォレスターアカデミー」で2年間学ぶことになっている。こちらの生徒募集もそのうち始まるのだろうけど、その中に特待生?みたいに、最初から奈良県職員として学ぶメンバー枠を設けたようなのだ。

言い換えると、給料もらいながらアカデミーで学べる。そしてスイスへも研修に行けちゃう! 卒業後の進路も迷わずというか決まっているというか、すでに就職しているわけだ。すぐに県内のどこかの地域に幹部として派遣されるのだ。イメージ的には、防衛大学校みたいな感じ? 給与もらって学んで訓練受けて自衛官の幹部候補生になるようなもの。

詳しい条件は7月14日に試験内容が配布されてからわかるだろうけど。

もし、森林や林業に携わりたくて某官庁や自治体職員、あるいは組合とかに勤めたものの内実はデスクワークばかり……あるいは森を破壊する仕事ばかりと腐っている人。あるいは楽しく森の仕事やっているけど、収入など待遇が劣悪とか不安定で将来設計が立たず悩んでいる人。一考に値するかもよ。しかも、この森林管理職は原則配属替えはないから、定年まで同じ森の現場に張りつくことになる。

年齢制限は、昭和55年生まれということは、今年40歳まで受験資格があるわけか。定員は5人らしい。狭き門になるかならないかは、全国から応募が殺到するかしないかによる。我と思わんものは、どんどん応募してほしい。奈良の森の将来が決まる。

それにしても……ひっそりとした募集だな。。。

 

 

2020/06/30

民間地の生物多様性認証制度の創設?

環境省が、景観や生物多様性などを長期的な観点で保全するための認証制度をつくろうとしているらしい。

ここでポイントなのは、対象は民間所有の森林・土地であること。国公有地はすでに保護制度をかぶせているところが多い。国立公園のほか森林生態系保護地域だの原生環境保全地域だの、いろいろある。だが、そうした法的な枠組に入っていない森林や里山を当てはめることを想定しているようだ。そのための認証の基準や選定方法などをこれから検討していくのだという。

今年度から候補となる森林や里山に関して動植物の生息や景観の実態を調査し、2022年度から運用を始める予定だ。

もっとも、まず民間所有の森林などが、どこに、どれくらいあるのか、その管理状況を把握するところからスタートするらしい。日本には企業や個人のほか神社や寺も森林などを所有しているところが多いし、共有地などもある。環境省としては、これまで目を向けなかったそうした地域の自然保護を強化したい考えだ。そして認証地をつなぐネットワークを構成して生物が移動できるようにし、健全な生態系を保存したいという。

しかし調査方法も難しいし、認証基準や選定方法についても決めねばならない。しかし民有地となると、私権の制限につながるのかどうかも大きな課題になるだろう。とくに林業地などはいかなる判断をするのか。仮に現在の環境が素晴らしいと認定した後に、伐採できるのか。あるいは里山のように、水田や畑を始めとする農業地も含むと、常に人の手を加えることで維持される自然となると、単に「保護する」では済まない。それこそ農薬や除草剤の使用方法まで考えねばならない。
さらには森林認証制度との兼ね合いも出てきそうだし……なかなか前途多難な様子が目に浮かぶ(^^;)。

有識者や海外の事例を元に決定するそうだが、そもそも民間所有者が積極的に認証を取りたい、と参加を促すには、メリットがないと進まないだろう。むしろ認証を取得できない森林は二流のレッテル張られるぐらいでないと前向きにならないのではないか。
ただ、トキやコウノトリの保護のために里山を保全する自治体の条例もあるわけで、不可能ではないだろう。むしろ市民の意識を高めなければ効果を生まなくなりそうだ。

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タンチョウヅルのいる里山の風景も候補、かも?


その背景を探ると、国際的にも、法的に保護された区域以外の場所でも動植物や景観を守らないと全体の生態系を維持できないという考え方が広がっているらしい。それを日本に取り入れようというわけだ。

実は、日本の愛知県で開かれた生物多様性条約会議では、2010年より10年間の目標を定めていた。いわゆる「愛知目標」である。20もあって複雑なので、リンク先で見てほしい。ただ今年が目標の最終年となっているため、次の締約国会議では、新たな目標が議論される。そこで民間所有の自然の保護を入れることになりそうなのだ。環境省は、先んじて認証制度を創設して、国際的にアピールしたいのだろう。

さて、どうなるか。民間であろうと森林は公共財であり、社会資本であるという見方に立てば、何らかの枠組は必要だ。それを認証制度の形で行うのが適切なのかどうか……イヤなら参加しないだけ、とはならないか。

ともあれ、環境省が意欲的に取り組むのなら期待して見守っていきたい。

 

 

2020/06/27

岡山に木材研究の拠点?

このニュースをどのように読み取るか……。

岡山大学に新工学部を2021年4月に新設する計画があるそうだが、そこに森林保全から林業、木材加工、木造建築までを一体とした教育研究ゾーンづくりをつくるための検討委員会が発足するそうだ。

岡山大学に加えて、岡山県立大学や岡山理科大学(加計学園?)とも交流し、岡山県、真庭市、真庭地区木材組合、そして林野庁や銘建工業も協力するとか。建築家の隈研吾氏も委員になるみたい。

なんだか岡山県あげての計画に見えるが、ようするに県北地域で林業や木材製品、木造建築などを研究するというものである。だが、岡山県には森林科学系の大学はないはずだし、そもそも新設されるのは工学部なのだ。森林保全とはあるが、ようは木材を扱う研究だろう。森林生態系より、建築に重心があるのは想像できる。
ともかく、産官学で研究すると打ち上げたのだから、何か思うところはあるはず。

CLT以外のネタを探すのかな? CLTは国の研究機関がやってしまったし、CLT工場も全国に立ち上がったから、いまさら岡山県としての出番はないはずだ。ただ問題は、CLTが全然売れないことだろうねえ。。。。国産材を使用しているのかも怪しくなってきた。次の一手を考えておかないと、打ち上げ花火になってしまうから。
でも必要なのは、素材(CLTなど)の性質性能などの研究ではなくて、需要開拓だろう。それも高く売れる需要を見つけないと、安い欧米製にたちうちできない。果たして「教育研究ゾーン」の取組として、需要開拓に取り組めるか? それと、付け足しのように?森林保全とか林業も書き込んだのだから、山の現場のことも研究していただきたい。

そういやケボニー化木材(フラン樹脂化木材)の研究も岡山県と岡山経済界は関わり協議会を設立したはずなのだが、私の感触としては、ほとんどやる気なさそうだった(笑)。脱線するが、ケボニー化木材の国産化の研究はそれなりに進んでいますよ。そう遠くない時期に実用化されるんじゃないかな。(ケボニー化というと、ノルウェーのケボニー社のものになってしまうので、最近はフラン樹脂化という言葉を使うようになってきた。)

こちらは、まだ製造技術の研究段階だが、今から需要も発掘しておくべきだろう。これもバックキャストの発想で、まず最終的な使い道を描いて商品開発をしないと、先に「こんな性能の商品できました」と言っても、使い道がわからないのでは話にならない。まあ、日本のものづくり全体が陥っている罠なんだが……。


 

2020/06/02

所有者不明土地に関する「管理措置請求制度」って何?

妙な制度を目にした。「管理措置請求制度」。知っている人はいるか?

所有者不明土地に関する項目で、民法の改正に向けて法務省が新設を目論んでいるらしい。現在はまだパプコメ対応しているところだが、そんなに遠くないうちに現実に決まるのではないか。

所有者不明土地問題は全国の悩みだが、とくに山林に関してはやっかいだ。宅地や農地以上に持ち主も、境界線もはっきりしない有様だから、今後の施業などに大きな影響がある。そこで考えられている「管理措置請求」とは何か。

中間試案はこんなもの。

例に上げられているのは、現在使用されていない隣地における崖崩れ、土砂の流出、工作物の倒壊、汚液の漏出、悪臭の発生その他……などにより、自分の土地に損害が及びそうなときは、隣地の所有者にその問題事由の原因を除去させ、または予防工事をさせることができる、というもの。で、やらないとこちらでやってしまうよ、という規定らしい。

適用するのは、隣地の所有者に対して問題原因の除去または予防工事をしろと通知したにもかかわらず相当の期間内に異議がないとき、あるいは隣地の所有者が誰かわからず、その所在も知ることができない場合、公告をしてそれでも相当の期間内に異議がないとき……だ。

一方で「急迫の事情があるとき」という項目もある。この時はさっさと問題撤去ができてしまう。

この急迫の定義がわかりにくい。典型的事例として挙げているのは、暴風により高い位置にある隣に繁る樹木が傾いて、自分の土地に向けて倒れそうになっているなど危険な状態になっているとき……などが考えられるているようだ。裁判などの手続きを踏む余裕がない場合である。

問題は、その措置をとる費用だ。これは、隣地所有者の負担とするとしつつ、条件次第で減額する可能性とか、そもそも折半する……などの案が出ている状態でどんな形にするか、試案では決まっていないみたい。ただし、所有者が不明だったのなら、実質的に費用を支払わすことは無理ではないか。見方を変えると、全部費用を自分が被る覚悟があれば、隣地を勝手にいじってもよいということを法律で認める制度と理解することもできる。

いずれにしろ、山林の所有者不明土地では、この制度、何かと使えそうだ。逆に言えば、勝手に使われてしまいそうな山林所有者にとっては恐いかもしれない。何十年ぶりに山を訪ねたら「急迫の事態だった」という理由で伐採されているかもしれない。本当に所有者不明、連絡先がわからなかったのか、ちゃんと調べたのか、ということを証明するのも大変だが。

現在の所有者不明土地問題を多少とも解決するためには、こんな制度も必要なのかもしれない。でも、役人(おそらく市町村)がこの制度を知るのに時間がかかりそうだし、内容を熟知して適切に運用するのは大変だろう。わからぬまま許諾をだしたら恐い。

またまた現場に負担をかけそうだ。やはり専門家を置かないとなあ。

 

 

2020/05/20

書き替え疑惑・木材自給率の最低値

以前から気になっていたのだが、木材自給率について調べたら、2018年は前年より0.4ポイントアップの36,6%だという。2011年から8年連続の上昇になる。総需要量も8,247万8,000m3と3年連続で増加したそうな。ま、それはドーデモいい。

気にしているのは、次の点だ。その記事の説明に、「木材自給率は2002年に18.8%と最低値を記録した」とある。
実際、昨年の森林林業白書には、こんなグラフが付いている。

2019

この中の2002年のところに18,8%と記されているのが読み取れるだろう。

さて、ここで疑問。かつて木材自給率のボトムは18%とか、18,2%と言っていた。私が本を執筆の際に白書などを確認・引用しているのだから間違いない。その本にも当然、その数字を記した。

そこで過去の白書から取り込んだグラフを張り付けておこう。

 Photo_2020052016430125

どちらも18,2%と記している。まあ、ほかにも20%だという数値を示すものもあるのだが、それは大雑把に示したのだろうということにしておく。いずれにしても、最近になって18,8%に変えられているのだ。母数(総量)をいじったとしか思えない。

もしかして現在の統計がバイオマス燃料材も含めるようになったからか? しかし2000年頃にバイオマス発電はほとんどなかったから、それを外したら自給率を引き下げるほどの量があったのかなあ。こんなのもあった。

Photo_20200520164901 

いつから、どのように計算式を変えたのか。その理由はなんなのか。その説明はどこかに載っているのだろうか。それともこっそり書き換えたのか。政府資料の破棄や書き換えが得意な現政権だけに、油断ならない。誰か説明してほしい。

過去の白書を調べても、そもそも木材自給率を毎年同じところに載せてないことに気づいた。わざと見つけにくくしているのだろうか。グラフも各年代に数字を入れていないものがある。ちなみに25年度の白書は18,2%だった。そして29年の白書は18,8%になっている。

困るんだよ~。私が昔の記憶で18,2%の数字を使ってしまった場合、私の間違いにされてしまいかねない。何より、白書が信用ならないことを示してしまうだけだろう。

 

2020/05/19

「しが自然保育認定制度」の担当部署は?

滋賀県に「しが自然保育認定制度」ができたそう。なんで滋賀をしが、とひらがなにするのか疑問だが…。

自然保育とは、ちと耳慣れないが「森のようちえん」的な自然の中の保育活動を指すのだろう。実施要項には、

第1条 しが自然保育認定制度は、森・川・里・湖のつながりを重視し、森林、里山等を中心として、野外での保育および幼児教育(以下「保育等」という。)を行う団体であって、この要綱に定める基準を満たすと認められる団体を自然保育を行う団体として認定することにより、自然保育の社会的な認知および信頼性の向上を図り、森林環境学習のすそ野を拡げるとともに、子どもたちが心身ともに健やかに育つ環境の充実を図ることを目的とする。

とある。(これは条例になっているの?)

ようは滋賀県が示す一定の条件をクリアしたと認定された団体には、運営に関する助成金が受け取れるというものだ。助成対象となる経費の例には、以下のようなものが並ぶ。

・研修受講費・・・救命救急やリスクマネジメントの講習受講費、自然保育に関するフォーラム・シンポジウム・研修の参加費 等
・森林フィールドの安全確保費・・・枯れ木や枯れ枝の除去費、かぶれる植物やマムシが潜みそうな藪の刈払い費、ハチの巣の除去費、つまずく恐れのある林内歩道の修繕 等
・外部指導者の招へい・・・森林フィールドでの指導を依頼した自然観察指導員、森林インストラクター等への謝礼 等
・森林への移動経費・・・森林フィールドへ移動する際のバス、タクシーの借上げ費、レンタカー代、ガソリン代 等
・活動消耗品費・・・森林フィールドで使用する道具類(ロープ、ナイフ、スコップ等)、救急用品、殺虫・防虫用品 等

わりと細かい(笑)。運営費補助としてまとめて出すのではないようだ。申請書類づくりが大変そう…というのが私の感想だが、ともあれ県が後押しするのは大きな動きだろう。

実は、同じような森のようちえんの認定制度は、鳥取県を嚆矢として、長野県、広島県にもある。園舎を持たないなど、従来の枠に収まらない方針だけに、改めて行政機関が認定しないと運営が厳しくなってしまう。私も取材したことがあって、ブログやらYahoo!ニュースやらに記事にした記憶が。。。

ところで滋賀県でこの制度を担当するのは、林務系の部署のようだ。先行する鳥取、長野、広島は福祉系部署であるのと違って始めて……と紹介されている。おや、ちょっと意外。というのも、私が取材に顔を出した鳥取県では森林林業系の部署だった記憶があるからだ。そう思って調べると、福祉保険部の「子育て王国推進局」担当だったよ! すごいネーミングだ。。。立ち上げてから移したのだったっけ。

まあ、日常的な運営となると保育園管轄の方がよいのかもしれない。あるいは幼稚園管轄なら教育委員会か。
しかし、おそらく立ち上げ時には、保育や幼児教育担当者よりも森林関係部署の方が適切だろう。木育とか自然環境教育になると、そうした福祉や教育部署では門外漢になりがちだ。「木育の敵は、教育」という名言を発した木育関係者もいるから(by『絶望の林業』)

ともあれ、滋賀県も動き出したか。奈良県も、知事が「森のようちえん」に言及しているんだけどなあ。本当は今年がチャンスのはずだけど、コロナ禍で何から何までストップしてしまっているのが残念だ。

 

 

2020/04/30

ナラ枯れ、枯れないうちの伐採策

数年前、生駒山周辺でナラ枯れが猖獗を極めた状態は幾度も紹介したと記憶する。最近は、もはや枯れる木がなくなったのか、あまり目立たなくなった。

しかし、実は今が大変なのである。というのは枯れたナラ系の大木は、この数年間で完全に枯れて強度がなくなり、ポキポキと折れていくからである。最初は梢と枝で、そろそろ幹ごと倒れる。とくに昨年は台風など強風が多くて立ち枯れていた木が揺すられて、折れては枝や幹を周辺にまき散らしている。これが危険なのはいうまでもないが、落ちた枝・幹が林床を埋めて林内を通れない。しかもほかの低木・稚樹などにのしかかって痛めつけている。ときには宙ぶらりんの枝もある。景観も悪くなってしまった。まさに「荒れている森」という状態だ。

しかし、片づけるのは相当な手間がかかる。

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さて、秋田県がナラ枯れ対策に補助金を設けたという。それが「まだ枯れていないうちに伐ってしまおう」というもの。枯れる前に伐る、という発想は自治体の施策としては珍しいかも(笑)。コロナだけでなく何事も早期対策が一番。

内容は、ナラ枯れしやすい老齢木(樹齢50年以上)を伐採して集材することへの補助らしい。助成の対象種は、ナラやコナラ、ミズナラ、クリ、カシワなど。老齢木は奥地に生えているケースが多く、林道から遠いほど伐採のコストがかさむためという理屈だ。20年度当初予算に関連経費2400万円を計上している。林道から伐採木までの距離に応じて、伐採木の材積1立方 メートル当たり最大2500円を事業者に支払うというもの。県は3年間の事業継続を目指すとか。

どうやら、広葉樹の大木を伐る業者がいることを前提にしているようだ。しかも集材する前提ということは、広葉樹林業の後押しでもある。いや、ナラ枯れ対策に名を借りた広葉樹伐採の後押しかも。

秋田県内の民有林のナラ枯れ被害は、19年度で全国ワースト1位の約7200立方メートルだった。ナラ林の7割が老齢木だというし、世界遺産の白神山地もあるから焦ったのだろうか。たしかに周辺にはミズナラやカツラも多いから。
ただし白神山地売り物はブナ林だが、不思議とブナはナラ枯れしないんだよな。ナラ枯れの正式名称はブナ科樹木萎凋病なのに。あ、この補助金でブナの大木を伐りだしてはダメだよ( ̄^ ̄)。



2020/04/01

白書のための「森林環境譲与税の使い方」事例を収集?

今年発行される19年度「森林・林業白書」。ここに森林環境譲与税の使い道の好事例を多く載せるため、白書担当者は奮闘しているそうだ。

もともとは与党の議員から要望があったということだが、ようするに昨年からばらまかれ始めた森林環境譲与税、どこの市町村も使い道がわからず困っているということだろう。

もともと、この森林環境税の怪しさについては、繰り返し記してきた。Yahoo!ニュースだけでこんなにもなる。

news.yahoo.co.jp/byline/tanakaa
news.yahoo.co.jp/byline/tanakaa
news.yahoo.co.jp/byline/tanakaa
news.yahoo.co.jp/byline/tanakaa

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