無料ブログはココログ

森と林業と田舎の本

2023/07/05

樹木葬じゃない“循環葬”

ちょっとまたミョーなお墓を見つけた。循環葬?

〝死〟を森林保全に。日本初*人と地球にやさしい循環葬®︎の森が大阪・能勢妙見山にて6/30グランドオープン 

パッと見には、樹木葬みたいなのだが……樹木葬墓地と言わないのは? 

「樹木葬」という名の墓地は、まだ始まって古くはない。21世紀に入ってからなのだ。日本で最初の樹木葬墓地は、岩手県一関市の知勝院が始めた。ところが人気を呼ぶと知って、お墓メーカーが売れ筋と思ったのか参入多数。
今では樹木葬と呼ばず、樹林墓地とか、庭園葬、桜葬とか……さまざまなものが出ている。樹木葬そのものを商標登録しなかったうえに、知勝院を視察さえせずに、そのめざすところを知ろうともしないで、形だけ真似た墓地が各地に誕生した。さらに形も真似ない、樹木葬が乱立して現在に至っている。だから、ひどいものになると木のない樹木葬もあるし、墓石の代わりに小さな樹木を植えただけの墓、しっかり墓石のある墓まで出てきて、もはや看板に偽りあり、状態だ。

が、これは初っぱなに「森林保全」なんて謳っている。主宰元が、at FOREST株式会社。森をかなり意識した墓のようだ。Return to natureなんて文言も入れている。期待できるのか?

日本全国の寺院所有の森(墓地)を拠点に、墓標も何も残さず埋蔵するサービス循環葬®︎「RETURN TO NATURE」は、ご遺骨を土に還りやすく加工し、自然との循環を促す方法で埋蔵。売上の一部は、RETURN TO NATUREを通じて拠点となる森の保全活動に充てると共に森林保全団体に寄付。誰にでも訪れる〝死〟を森づくりにつなげ、自然豊かな未来に貢献します。

ちなみに知勝院が樹木葬を始めたのは、荒れた森を墓地にすることで森を蘇らせる発想だった。墓石の代わりに樹木の苗を植えて、木が育てば森になる。墓標は木材などで次第に朽ちて消えるし、宗教宗派を問わず、生前契約が多くて埋葬後の管理費もいらないのも魅力であった。まあ、その後、真似たところは、それぞれの流儀で展開するものだから違いは出るのだが。

私は、そうした自然を守る思想を持ち「死して森になる」お墓を「緑の埋葬」と定義づけた。

『樹木葬という選択』

Photo_20230705165901

というわけで、樹木葬評論家、樹木葬アドバイザーとしての私としては、この循環葬なるものも気になるのである。

ただ、ねえ。このプレスリリースに目を通すと。どうも本来的な樹木葬を理解しているようには見えないのだよ。

Photo_20230705164501

こんな一覧を載せて差別化を図ろうとしているが、ここにある樹木葬の定義がまったくずれている。それこそ墓石メーカーの樹木葬もどきをそのまま採用したかの中身。いや埋葬そのものより、森づくりに関しても素人ぽい。

日本発の森林浴は、欧米では自然療法として医療現場で実用化されており、ストレスホルモンを低下させ、ナチュラルキラー細胞(がん細胞やウイルス感染細胞などを見つけ攻撃するリンパ球)を増加させることが明らかになっています。

これ、森林浴ではなく、森林療法のことのようだけど。このデータ自体が偽装に近いのだよ。こんないい加減なことを書かれたらなあ。薬事法違反じゃないか(笑)。

肝心の埋葬の方法も、「細かくパウダー状にしたご遺骨を、自然環境に配慮した方法で土に還します。

とあるが、これは散骨である。骨を粉にして森や海などに散布するのは、樹木葬、いや埋葬にも区分されない。ここで埋葬法の適用外となる。せめて法的な面もはっきり理解しておいてほしい。さもないと、地元住民から苦情が出るよ。

私が樹木葬の取材で全国を巡った頃とはかなり世相も変わり、また数も爆発的に増えて自己流というか、それぞれの流儀で行うものだから、もはや定義などドーデモよくなっているのかもしれない。しかし、押さえるべき点は押さえてほしい。

そもそも樹木葬は、一定期間は故人の眠る土地が特定できる。だから遺族も訪問できる。だが、樹木が育つにつれて木の墓標もなくなり、やがて森の中に埋もれゆく。この時間が別れを告げ気持ちの整理をつける期間なのである。散骨が、骨の粉を撒いたら終わるのとは違うのである。

日本唯一の樹木葬アドバイザーがいうのだから間違いない(⌒ー⌒)。

私の近隣にも、樹木葬墓地をつくれないかな。私の入る墓を今から確保したいのだ。

 

2023/04/19

自家製お茶づくり

こんなお茶をつくった。左が材料。

1_20230419162401

わかるだろうか。この黄色のお茶。そう、キハダだ。キハダの樹皮を砕いてを煎じたもの。

3_20230419162401

こんな感じ。水は、多分1・5リットルぐらい入れたから、ちょっと多すぎて味が薄くなるかな、と思ったのだが、出来上がったのを口に含むと苦いの何の(´Д`)。。。でも、これがキハダの価値だ。苦みがキハダの特徴でもある。

実はキハダのお茶もあって、そちらはキハダの葉などを利用する。そちらもほろ苦くはあるが、その苦みが癖になるとも言える。が、キハダの本丸とも言える樹皮は……ベルベリンをたっぷり含んだ整腸剤になる、そう。

そこで当分キハダの煎汁をお茶として飲んでみようと思う。まずは胃薬をこの茶で飲む (゚o゚;) 。。。

乾燥させたキハダの樹皮は頂き物だが、最初はその独特の風合いが気に入って部屋のインテリアぽく飾っていた。しかし、いつまでも置いておくと効力?が落ちるかも、と案じて、やっぱり今のうちに本来の使い道をしようと思ったから。

ベルベリンは、腸の蠕動を緩めたり、腸内の腐敗や異常発酵をおさえる作用があるので下痢止めなどに使われる。修験道者の飛躍・陀羅尼助丸の主成分でもある。そして目薬にも使えるという。陀羅尼助を目にねじ込むのか?

もちろん、現在はそんな使い方を推奨されていないが、かつては目薬用陀羅尼助も売っていたらしいよ。ヤニ目やカスミ目にキハダの煎汁を垂らしたのだそう。ほか腫れ物、切り傷、火傷などにも効いた、とされる。もっとも、より実用的なのは、眠気止め。修行者など修行中の坊さんがこっそり使っていたらしい。

私は、当面毎日飲んで胃腸を整える。そして……また強いジンを飲む(笑)。

 

2023/02/20

月ヶ瀬のひげ茶の味

日本茶の「ひげ茶」をご存じだろうか。

先日の月ヶ瀬梅林に行った際にお土産として買ったのだが、なんと1袋100円。(大袋で300円。)

20230219_173259

月ヶ瀬は、実は梅林だけでなく、月ヶ瀬を含む大和高原全体が大和茶の産地でもある。そもそも日本に茶が伝わったのは大和が最初という伝承もあり、日本で最初の茶は奈良なのだよ。中国から茶を持ち帰った奈良時代の坊さんはが植えたとか。今は、奈良からほぼ隣の宇治に出荷されて宇治茶に化けていることも多いのだが……(ーー;)。

それはともかく、大和茶はそれなりに加工されて煎茶として商品になっている。しかし、ひげ茶とは。おそらく「とうもろこしのひげ茶」(韓国産らしい)ぐらいしか世間では知られていないのでは。お茶の産地だけしか出回らないように思う。

実は製茶の過程で茎の皮が剥けたものなのである。写真をアップしてもわかるだろう。葉でもなく、茎でもない。茎の皮なのだ。ある意味、かなり廃棄物感が強いのだが、それを月ヶ瀬では商品化していた。隣の、同じく大和茶の産地である奈良市都祁とか山添村とかでは見たことがない。製茶の際に出る粉は粉茶として商品化されているが、皮のひげ茶は知られていない。
茶の木の樹皮にも茶の成分テアニン、タンニンをよく含んでいるらしい。

そこで試飲してみたのだが、これがなかなかなのだ。色は薄めだが、十分に香りがあって渋みは少ない。しかも湯を注いですぐに出る。驚いたのは、急須に入れ放しにしておいて、時間が経った残りのお茶を飲んでみても、全然渋みなどが出すぎていないこと。時間を置いても味の変化が少ない。むしろ滲出時間は長めの方がよいかと思う。ちなみに粉茶は、どんなに短時間でも渋みが出てしまうから、ひげ茶の方が入れやすい。

これは、意外や隠れた逸品だと思う。隠れお茶遺産(^o^)。

5_20230220170701
春の茶畑

おそらく月ヶ瀬でも、ひげ茶は農家の出す日常使いの茶なのだろうが、私は気に入った。実は我が家で飲む日本茶として購入しているのはかなり高価な茶葉なのだが、日常ならこれでいいや、と思わせた。まあ、身近に売っていないけど。

これは廃棄しかない、と思わせるものを商品にアップサイクルすることも考えてもいいよ。日テレの番組「鉄腕DASH!」の中の「ゼロ円食堂」のように廃棄物だって調理の仕方次第。

 

2023/01/19

農林・林畜連携はできないのか

今、全国的に注目されているのが「耕畜連携」である。農業と畜産業の連携、具体的には減反や耕作放棄地で飼料作物を栽培して、畜産現場に飼料とかワラなどを提供し、ウシ、ブタ、ニワトリの糞を肥料として農業現場に提供する……という動きだ。

その背景には畜産飼料と化学肥料の高騰、輸入減がある。農業は採算が合わずに耕作放棄が進む一方で肥料不足、一方で畜産飼料の自給率は2021年度で25%(カロリーベース)に過ぎない。地域で両者が連携すれば、お互い補える。

これをイマドキの言葉で言えば「未利用資源の活用、循環」「輸入依存の肥料や食品を国産化」「環境負荷の小さい農業への転換」などなど、ポイントが大きいわけだ。農林水産省が推進する「みどりの食料システム戦略」とか、SDGsの考え方にも合致する取り組みなのである。

まあ、よいことである。

が、その前に脳裏に浮かんだのは、なぜ農林連携、林畜連携ができないのか、という点。

実は、山林を使えば、より簡単に農業に肥料、畜産に敷き藁など素材を提供できるから。

本当は山の を集めて堆肥を作ればよいと思うが、複雑な地形では落葉を一カ所に集めるのは難しいし手間もかかる。しかし、雑木や残材をその場でチップにすれば、積んでおくだけで堆肥になる。腐葉土などは海外から輸入しているが、簡単に生産できるはず。畜産の糞尿を山に貯蔵する手もある。わりと副業的に商品化できると思うのだ。しかも短期利益を得られる。

思えばほんの一昔、農業は山を持っていなければ成り立たなかった。落葉落枝、下草などを肥料にしなかったら、農業はできなかったからだ。ところが化学肥料の登場で、農林の分断が進んだ。さらに山地放牧も普通に行われていたが、放牧獣が植林苗を食べてしまうとか、広域放牧は管理しづらい……などの理由で林地と畜産の分断も起きた。

しかし、今ならもう一度結べるのでは、と思ってしまう。

だた農家や畜産家は多くが主たる生業としているが、林業そのものが副業的な面がある。山主と作業者が別という点も大きい。それが連携しづらさを生んでいるのかもしれない。

001_20230119172101

雑木林の落ち葉を集めて堆肥にし、田畑に入れる……農林連携どころか農林複合、アグロフォレストリーだ。

2022/11/17

下水汚泥より落ち葉を

政府内で下水汚泥を肥料として活用する取り組みの検討会が開かれた。参加するのは農水省だけでなく国土交通省に自治体、肥料メーカー、農業団体など関係する部署組織だという。

なぜかと言えば、昨今は肥料不足だからである。まず化学肥料の材料であるカリやリン、アンモニアなどは、みんな輸入である。それが海外から入ってこない、価格が暴騰したという事情がある。とくにリン鉱石は、日本にはほとんどないから自給は難しい。

そうかといって有機肥料も増えないのだ。なぜなら有機肥料の材料とも言える魚粉、海藻、骨粉、家畜・家禽の糞、油粕……などもほとんど輸入。ウクライナ危機だけでなく、円安も影響して輸入しづらい。

一方で下水汚泥はリンや窒素といった肥料成分を含む。これまで輸入した少なからぬリン分の含む肥料は下水に流れ込んでいるからだろう。また有機成分も多い。事実、一部が肥料として利用されているが、割合としては1割ほどだ。そこで肥料の国産化を推進しようという検討会らしい。それ自体は結構なのだが……。

下水汚泥よりいいものがあるではないか。

秋になれば目につく落ち葉。これをもっと活用できないか。現在、市街地の街路樹が落とす葉は、ほとんどが焼却処分されている。これは行政として、あるいは町内会のお仕事として落ち葉を集めて袋詰めしてゴミの日に出している。

それなら集める手間はほとんど済んでいるのだから、それを仕分けして落ち葉だけを別のところに運んで寝かせばいいのではないか。半年でほとんど腐葉土になるし、もう1年ぐらい寝かしたら、よい土、よい肥料になるよ。

001_20221117171101

写真は私の住む町で行われていた落ち葉かき。森の中のようだが、実は住宅地に隣接した棚田と雑木林だ。彼らは、自分の田んぼ用の腐葉土をつくろうとしているのだろうが、積んでおくだけで肥料になるのだから簡単だと思うけどな。

そして、その寝かせる場所としてもっとも適切なのが山林だと思うのだ。落ち葉や剪定枝などは産業廃棄物ではない。そして、1年2年後、完熟堆肥として売り出せば、副収入を得られると思うのだ。積んでおけばカブトムシやコガネムシの幼虫は大発生するかもしれないが、妙な有害昆虫の発生源にはならないだろう。

そして、こうした堆肥は高く売れる。葉っぱには、リンもカリも窒素も含む。意外と完熟腐葉土の堆肥はあまり出回っていない。

ちなみにホームセンターで売っている腐葉土の多くは海外産だし、実は完熟させていない。わざと?葉の形を残す状態で販売している。その方が早くつくれて早く売れるし、客も葉の形が残っていると腐葉土ぽいと喜ぶからだ。だけど、そんな腐葉土を入れても土壌改良以上の効果は出づらい。たまに化学肥料をまぶした腐葉土もあるそうだが。

016

こちらは、森の落ち葉を山でしっかり完熟させた腐葉土。

我が家も、今年から落ち葉や剪定枝のほとんどをゴミに出さないで、庭で土に還るまで積んでおくようにした。

下水肥料よりイメージもよいと思うよ。

2022/11/08

カエデの水とり

函館の北方民俗資料館で描かれていたアイヌの暮らし。

春夏秋冬の絵の一角に「イタヤカエデの水とり」があった。

20221030-092443

そうか、アイヌ民族も、カエデの樹液を採取していたのか。これまで欧米、とくにカナダのメープルシロップのイメージが強くて、その物真似ぽく感じていたのだが、なんの、アイヌもやっていたのなら日本の民俗にも入るのではないか。やはり甘みのある樹液を味わっていたのだろうか。煮詰めてシロップにまではしなかったのか。

そして、今や全国に広がりつつある。先鞭を切ったのが秩父だ。秩父樹液採取組合までつくっている。現在はもっと各地で行われているみたいだ。

アイヌの図では、春先の仕事として描かれていたが、まだ雪深い季節から行う。

051_20221108203101

秩父で見たのは2月だった。

ただ、日本ではメープルシロップまでするほど量が採れないし、おそらく糖分も多くないのだろう。煮詰めると、量的には100分の1くらいになる。もっと別の商品化は考えられないか。シベリアの民族は、シラカバからも樹液は採れて飲料にするそうだから、そのままのジュースとして売れるのではないか。味はあまりしないと思うが、冷やして飲めばわからんものだ。

「万病に効く霊水、霊薬」とかいって、カルト宗教に売りつけるとか(笑)。

 

 

2022/09/09

「冒険の森」のパイ

奈良県王寺町に「冒険の森」がオープンしている。

1_20220909210001 3_20220909210001

「冒険の森」とは、簡単に言えば森の中のアスレチックだ。わりと立木の上にルートが作られることが多く、ちょっと体力も勇気も必要。ただしガイドがしっかりついて安全面には気をつけている。

もとはフランスで広がった「フォレストアドベンチャー」が日本に持ち込まれ、そこから独立したのが「冒険の森」。自然共生型アウトドアパークというキャッチフレーズだ。単なる遊具としてのアスレチックと違うのは、わりと地域起こし的な視点があって、森を利用した地域づくりが謳われる。どちらも合わせると、全国で何十か所になったか。どんどん増えている印象。

それ自体はいい。また高さ10mぐらいの木の上を渡り歩くなど、子供の遊び場というより大人の愛好家が多い。

私も、以前はこの動きを推奨していたのだが、全体のパイ、つまり需要はどれほどあるのかと考えてしまった。全国に両方を合わせると60ぐらいあるのではないか。とくに関東圏は多い。冒険の森は関西圏中心。ほかにも「ポケモンの森(ポケモンワンダー)」とか「ツリーピクニック」なんてのもある。私も、それらを「私が期待する森の利用法」を書いている。

たとえば奈良には,山添村に「冒険の森」がある。その運営母体が王寺町にもつくったわけだが、王子町は奈良県でも人口が増加しており人気の地域だ。大阪にも近い。それだけに集客は期待できるだろうが、逆に森の区画は狭い。周りは住宅地になってしまっている。
山添村は大和高原にあり結構遠い。果たして食い合わないか? さらに遠い十津川村には「空中の村」という同じくフランスから導入した施設があり,こちらはアスレチックというよりのんびり木と木の間を歩いたりお茶したり読書したり寝転がれたりする趣向。遊ぶより癒し、と大人向きを極めた感じ(笑)。経営者がフランス人という点も興味深い。もちろん、中身のコースの違いなども重要だろう。

今後はコンセプトの住み分けと、内容次第だろうね。スリルがある方が人気がありそうではあるが、その分ガイドがしっかりしないといけないし、コストは増える。ガイドの質も問われるし、宿泊させた方が落ちる金も増えるはず。

さてさて、健全な競争をしてもらいたい。

2022/07/29

「乾燥」という魔法

木材は乾燥させないと使えない、乾燥剤と未完乾燥材は別物……とよく聞く。実際、木を乾燥させると寸法は変わるし、重さは変わるし、強度も何もかも変わる。見た目もかなり変わる。

という話をするつもりはなくて、たまたま見つけたお菓子というかおつまみがこちら。

 20220727_220658

 愛媛県の柑橘類の実を薄切りして乾燥させたもの。ただ、それだけ。シトラス・チップスというそうだ。かじるとよく乾燥しているので、パリパリと割れて口の中でふやける。ほのかに甘く、また渋みがあったり、香りもそれぞれ違う。しかし何も味付けしていない。砂糖も使っていないそうだ。皮も美味しい。口の中で柑橘にもどる。

20220727_221153

種類は7種類ほど(温州みかん、愛媛果試第28号、伊予柑、河内晩柑、はるか、ブラッドオレンジ、レモン)混ぜてあるのだが、なんともシンプルで美味い。酒のつまみにもってこい……と思ってから、あえてチップを酒(今回はジンソーダ)に漬けてみた。
しばらくすると、乾燥チップがほぐれて生っぽくなる。果汁が溶けだす。これはジンリッキー(ジン、ソーダ、ライムのカクテル)だね。入れたのはライムじゃないけど。

20220728_221536

 

そこでふと思いついた。木材も、乾燥を通してこんな変化(へんげ)を見せられないか。7つの樹種の板を乾燥させて違いを楽しむ。何の違いか。内装材というのはアリキタリだな。やはり、かじらせるか(笑)。鉋屑に調味料をしみこませて乾燥させたら、珍味として売れるような気がする。

20220729_153438

こちらはダイソーで見かけた。「枝をかじってストレス解消!」とあるから、えええ、そんな商品あるの? と驚いたのだけど、よく見ると「小動物」用だった(笑)。リスとかハムスターにかじらせるのか。これの人間版を出してみたらどうだろう。食い物にすると、木がもっとも身近になる。

 

2022/07/24

ジン飲みの本音~フォレストジン

先日、東京を訪れた際に、面会する人は、場所として帝国ホテルを指定してきた。そして、ごっついステーキランチをご馳走になった後は、カフェに移ったのだが、そこでお酒を頼むようにいう。いや、まだ昼間ですし、お酒を飲んだら仕事に差し支えます……なんで言いながら、「ではジントニックを」と注文してしまう私(^o^)。

するとウェイターは「ジンは何にしましょう」と聞くのだ。さすが帝国ホテルのバー(からカフェに運ぶ)。ジンの銘柄を指定できるのか、と感動して、「ではシップスミスを」。シップスミスVJOPがお好みなのだ。

ところがしばらくしてウエイターは「すみません、シップスミスは置いていません」とな。結局、ビューフィーターにしたのだが……。

何をだらだらと書いているかというと、私はジン飲みだ、ということだ\(^o^)/。

このほど「フォレストジン」なるものが発売されたらしい。それも酒造メーカーではなく「日本草木研究所」というところから。

アルコール度数は45度で、内容量は500ml。

一口飲めば、魅惑の森林旅行。
木で酔う「フォレストジン」が新登場。
日本草木研究所では、日本の未利用木材を有効活用する香木酒「フォレストジン」を開発しました。
原材料の60%以上にスギ/ヒノキ/ナラの間伐材を使用し、そしてボタニカル原料の100%が国産野生香木という取り組みは、日本初の試みとなります。

Fe6cf29e36052a953c7c(研究所のHPより)

酒の製造者は、株式会社スティルダムサガと、佐賀県の会社になっている。ここ2020年に設立だと。それもジン専門?の蒸留所らしい。日本草木研究所も、イマイチ存在が不明確。

なかなかそそるではないか。でもお値段は、送料を含めると6000円を優に超える。500mlで。ちょっと手を出しにくいぞ。

そもそもジン飲みを自認しているから、昨今のクラフトジンブームは歓迎していて、各地の地場メーカーがつくるジンを試してみた。が、いま一つ満足していない。マズいんじゃないよ。味としてはそれぞれイケるものもあった。が、ジンとして美味いんじゃないんだなあ。

ジンとは、スピリッツにボタニカルと呼ぶ植物性のエキスを浸透させたものだが、基本はジュニパーベリー(セイヨウネズの実)にコリアンダーである。その風味なくしてジンとはよべない(個人の感想です)。ところが、日本のクラフトジンは、和製ボタニカルを意識しすぎてユズだ茶だヒノキだと懲りすぎて、肝心のジュニパーベリーの香りが隠れてしまっている。

というのが、我が不満。だから、結局は洋物のジンにもどってしまった。シップスミスは、その中でもジュニパーベリーにこだわったジンだ。(ちなみにシップスミス社は、現在サントリーが買収したので日本の会社とも言える。そういやサントリーの「翠」が売り出し中だが、私は鼻で笑っていた。ところが、先日たまたま飲んだら、意外や?イケる。ネズの松脂ぽい香りもかすかにする。価格も手頃で、お気に入りに入れた。サントリーやるじゃん。)

さて、このフォレストジンはどうだろうか。よくよくボタニカルを見ると、ハイビャクシンやネズミサシというセイヨウネズに近い種も入れているようである。

【味わい】
まるで深い新緑の森の中で深呼吸した時のような圧倒的な「森林感」を味わえるフォレストジン。ヒノキの枝葉から抽出する鼻を抜ける青いフレッシュな香りや、杉の林檎を思わせるたおやかな芳香、そして神事でも利用される高野山の霊木コウヤマキの酸味ある後味。ハイビャクシンとネズミサシは和製ジュニパーベリーとして機能し、スパイシーで華やかな風味が引き立ちます。

どうしようかなあ。試飲するには高すぎるし、製造母体もコンセプトも、何か不安。誰かお試しした人の感想を待ちます。

 

2022/07/04

葉ッぱ切り絵展

奈良で「葉っぱ切り絵展」が開かれていたので覗きに行く。

これ、わりと最近有名になってきた、葉っぱに細かな細工で切り絵にしていく手法だ。

20220704_184554

リトの名で、たしかSNSで発信したことで知られるようになったのではなかったか。そしてバズッたことで、彼はプロのアーティストとして活動するようになったのだったと思う。これもSNS情報だけど。下記リンク先を見てほしい。

リト@葉っぱ切り絵 (@lito_leafart) • Instagram 

20220704_143900

せっかくだから作品世界をいくつか。

20220704_143258 20220704_184644 20220704_184824

展示は、額の中の本物と完成時の写真がセット。本物は押し葉ぽく茶色に変色しているのが残念だが仕方ない。でも、青いできたてほやほやの作品も見てみたいな。やはり葉っぱだもの。

葉っぱも、意外な「資源」であるという認識ができたね。そのうち「切り絵用葉っぱセット」を売り出すことはできないか……なんて考えてしまうのは、アートに耽溺できない私の悪い癖。。。

会場では、「写真OK」「SNS発信OK」と大きく書かれていた(笑)。昔だと、この手のアーティストの作品は、写真撮影しようものなら係員が飛んできて削除を要求するという……場面が展開されたのだが、今や逆転。発信してください、というわけだ。

作品を勝手に撮影するなというのは、、私は「撮られたくないなら発表するな」と思っていた。まあ、アート作品は仕方ない面もあるが、シンポジウムなどで演者のパワポ資料などを撮影禁止するのは理解に苦しむ。後でゆっくり読み返して理解しようと思う参加者の気分を阻害する。それをするなというのは誤解したまま、理解できないままにしておく行為ではないか? もし資料をていねいに見られたらボロが出るからか? と悪態をつきたくなる。

とまあ、脱線したが、これからは参加して拡散する(してもらう)時代なのだ。

私の本の情報も拡散してね(^^;)。

 

より以前の記事一覧

September 2023
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

森と筆者の関連リンク先