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森と林業と田舎の本

2022/05/29

ニホンミツバチと養蜂昨今事情

玄関先にミツバチが群舞していた。これは……と探すと、門上に咲いている花に群がっている。この花の蜜に夢中なご様子。

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というわけで接近する。どうやらニホンミツバチのようで、基本的におとなしいし、採蜜中のハチは、蜜に夢中で人を刺すことは少ない。というわけで、極超接近撮影。刺されたら自己責任!

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わかるかな、ミツバチがブンブンと飛んでいる。大丈夫、刺されませんでした。

この花、いつから咲いているのか知らなかったのだが、キンリョウヘンではないか?ニホンミツバチが喜ぶフェロモンを出すと言われている花だ。そんなの植えた記憶はないし、別種かもしれないが、とにかくハチが寄ってきているのだからよしとしよう。

このまま住み着いてくれる(分蜂)のなら面白いが、巣箱を用意してみようかな。もう時期的に間に合わないか。

というわけで、私の行きつけ(!)の養蜂園に話を聞きに行く。

話は趣味のニホンミツバチ養蜂の話に収まらず、セイヨウミツバチによるにわか養蜂家が増えたことになった。かつては免許制だった養蜂も、今では届け出制に変わって、やたら参入者が増えてきたのだそう。とはいえ、プロとは言えないから養蜂技術も怪しい。

まあ、それだけなら文句言えないし、切磋琢磨すればよいのだが、慣習的ルール無用の状態になっているのだそうだ。たとえば巣箱を置く場所は、これまでなら距離など業者間の取り決めがあったのが、勝手にこちらの巣箱の側に置くそうだ。しかも、プロの養蜂家は草花の種子散布や花木の植樹などを行って蜜源づくりに取り組んでいるのに、にわか養蜂家は、それなしに蜜の採れそうな花の側に巣箱を置きたがるのである。
単に蜜の取り合いだけでなく、病気やダニの感染を引き起こしかねないので怖い。なかには巣箱の盗難もあって……。養蜂業界、百鬼夜行する。

ちなみに今年は(今年も?)蜜はあまり採れなかったという。年々厳しくなっているとか。それは気候などもあるのだが、今春はサクラの花が非常によく咲いたのに、蜜は全然採れないという状況も起きている。蜜を持たない花が増えた……? いや、暖冬で早く花を咲かせると蜜をつけないのかもしれない。この辺の樹木の生理はわからない。これって、森林生態系にとって由々しき事態だし、ヤマザクラのハチミツ、美味しいのに食べられなくなるかも。

とまあ、業界裏事情をいろいろ聞いたよ。(本来なら、このネタで雑誌の記事として売り込むところだが、最近は仕事を自ら増やすのが面倒で、無料でブログに書いてしまうのであった。。。)

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生駒山のニセアカシア蜜と、北海道中頓別のアザミ蜜。

 

2022/05/25

大楠と、怪しい樹齢

日本には、各地に日本最古を謳った神社があるのだが、淡路島の伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)もその一つ。

ま、何をもって最古とするか、理屈はどうでもよいのだが、この神社には大楠がある。私は、この大楠を見に行ったのだよ。

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夫婦楠の名で知られるが、幹周り8mを誇っている。まあ、大きいことは認めるし、それをご神木よろしく祀るのも結構。根元に祠もある。
ただ樹齢を900年としているんだなあ。これは怪しい。

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よく見たら、約「900」年のところは張り替えている(^^;)。元は700年か800年か。

しかも、夫婦クスの名のとおり、幹は二つに分かれているのだが、これは2本の苗がそろって成長する際に癒着してくっついたものらしい。つまり1本の木ではなかったわけで、それを単に太さから樹齢を割り出したとしたら、ちょっと、いやかなり怪しい。

私の見立てでは、その半分以下、300~400年ぐらいではなかろうか。

どうも、人は大木の樹齢を長く長くと勝手に割り増しする傾向がある。以前、樹齢700年と判定されたツバキがあったのだが、(それも割り増しで実際は300年くらいだと思うのだが)命名されたときは「千年椿」となってしまい、いつのまにか説明板の樹齢も1000年に変えられてしまった経緯を聞いている。古くて太いとした方が神格化できて自慢なんだろう。

ちなみに同じ淡路島の妙勝寺にも大楠はある。こちらは見事。神酒周りは7・8m、根回りは11・6mとされている。根元に穴も開いていて、奥にはトトロが住んでいるらしい (゚o゚;) 。。。

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墓地の真ん中にあるが、「夫婦クス」よりずっと樹冠が広い。樹齢は600年とされていた。ちょっとだけ、謙虚(笑)。

しかし、この墓地はいい。高台にあるので海が見渡せる。それでいて、このクスの枝の広がりが素晴らしい。樹木葬ならぬ樹下葬だ。思わず墓参りに来ていた人に「こんなところに墓があるなんて羨ましいです」と言ってしまった。

樹木葬よりいいかな。墓石はあるけど。

2022/04/11

特用林産物を忘れない

先日のブログで林業産出額について書いたが、ふと、そこで触れたのは木材ばかりであることに気づいた。

木材以外、特用林産物と呼ぶものもある。これは何で、いかほどか。だいたい想像するのは、キノコだろう。分類を見ていると、薪炭も入っていたが、さて算出額は……。

2020年のきのこ類の林業産出額は、2259.6億円(対前年比4.3%増加)だという。生産量では46万2277トンで、前年に比べ6588トン(1.4%)増加している。さらにタケノコの生産量は2万6449トン、前年に比べ416.4トン(18.7%)増加。

2020年の薪炭の産出額は、59.6億円(対前年比2.6%増加)。木炭の生産量は1万2925トンで、前年に比べ1468トン(10.2%)減少。

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まあ、そんなものか……と思ってグラフを見て気づいた。木材に匹敵するほどの産出額なのだ。言い換えると林業産出額という中で、木材は約半分にすぎない。キノコもほとんどが室内で栽培されたものだから、林業というより農業に近いと思うのだが、それが半分を占めるということ何を意味するか。

そもそも林業補助金のほとんどは木材生産のために出されているだろう。キノコ栽培にも多少はあるだろうが、そんな莫大なものではない。せいぜい初期の施設投資の補助ぐらいではないか。何から何まで、コストの7割がた補助金で賄っている木材生産とは違う。つまり木材産出額に対しての補助額は、大雑把にこれまでの推定の2倍近いと思っていいのではないか。

 

ただ、私が興味を持った特用林産物は、実はキノコではない。「その他」だ。キノコ以外には何があるのか。

ここで登場するのが、ロジンとテレピン油、であった。どちらも松脂から採取するものだと思うが、何に使うのだろうか。そして(植物性)蝋がある。

ロジンは、野球などで使う滑り止めのイメージがあるが、ほかに体操やバレエシューズの滑り止め、ヴァイオリンなど弦楽器への使用がある。だが、ここで使い道として多いのは、製紙用の滲み防止剤(サイズ剤)だろう。加えて油ワニス、ラッカー、塗料、顔料の表面コーティング、そしてチューインガムベースにもなるそうだ。
テレビン油は、油絵具の薄め液・画用液としてのイメージが強いかな。実際は塗料やワニスなどの溶剤のほか、医薬品の成分など科学薬品の原料らしい。

蝋は、いわゆるロウソク用はほとんどない。和ロウソク以外は石油系。ハゼなどの実から取る植物性の蝋は、ワックスやクレヨン、CD、コピー機のトナー、整髪料、口紅にグミ……なるほど、こんなところに使われるのか。

渋い生産物だ。しかも輸出している。

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特用の輸出額は、なんとキノコより「その他」がずっと多い。キノコは国内消費用がほとんどなのか。乾燥シイタケ以外は輸出しづらいからかも。むしろ輸入超過だ。キノコ以外の特用林産物の1月末迄の輸出額は1億6800万円で、対前年同期比73%と伸びている。これも林産物輸出の数字を結構左右しているのではないか。

特用林産物。これは曲者だ。一般に意識する「木材生産の」林業の姿を見誤らせる元ではないだろうか。

2022/03/31

桜葬~悪貨が良貨を駆逐する

吉野山の如意輪寺と言えば、後醍醐天皇の墓所でもある。そこに桜葬墓地がオープンしていた。

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奈良にも樹木葬墓地が増えてきたか……と思ったわけではない。むしろ頭に浮かんだのは「悪貨が良貨を駆逐する」だ。

もちろんどんな墓地をつくろうと、その墓地に入りたいと思う人がいようとかまわないのだが、少なくても桜葬は樹木葬とは似て非なるものである。そして、そんな樹木葬が圧倒的に増えており、本来の樹木葬が広がらないことを感じた言葉である。「悪貨」というのは私の描いた樹木葬(良貨)ではないという意味だ。

そもそも樹木葬の理念は、埋葬を通して森を整備して環境保全に役立てるという発想から始まっている。だから埋葬地はやがて自然に還るというのが基本だ。「緑の埋葬」ともいう。世界には、樹木葬墓地エリアが自然保護区に指定されたところもある。

ところが現在広がっているのは、環境や森のことを考えたのではなく、単に石の墓標を樹木に置き換えたものとなった。さらに石の墓標も残しつつ樹木を植えたものまで登場した。さらに樹木がない樹木葬墓地まで生まれている。その墓地内にある1本の木だけを墓標として、その周りに石墓が並ぶのだ。私が見て歩いた中には、遠い墓標は中心の樹木から50メートルくらい離れていた。もはや何をもって樹木葬と呼ぶのかわからないようになっている。

そして、その典型が桜葬なのである。

なお樹木葬の特徴としては、やがて自然に還るから、永代供養であることもあるが、樹木をサクラに限ったことで世話が欠かせなくなった。毎年花を咲かせるようにするには肥料もやらねばならないし、剪定も必要だし、毛虫の発生には消毒も求められる。石墓よりよっぽど手間がかかる。それを業者に任せたら金がかかる。

おそらく、こうした墓は、遠からず放置されるだろう。遺族も子の代、孫の代まではともかく、それ以上先になると被埋葬者の生前を知らない子孫となり、墓守を担う期待はできない。しかも人口減社会では遺族もいなくなる可能性が増えていく。本当の樹木葬は、それにも備える意味があったのだが、形骸化というか無視されてしまった。

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これは樹木葬墓地の中につくった桜エリア。森の中に桜を植えた箇所があり、その周辺に埋葬する。これぐらいならいいかな、と思うが……。

ちょっと寂しい。私が入りたくなる樹木葬墓地は、いまだに奈良県内にはない。

 

2022/02/12

森の中のレール

森の中……というか、正確にはササの中……いや、もっと正確に言えば里山の耕さなくなって周りにササが繁ってしまった畑跡、という気がするが、そこを覗くと妙なものが。

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これ、どう見ても鉄道模型用のミニレール。これがNゲージなのかOゲージなのか、いろいろ種類があるらしく、私にはチンプンカンプンなのだが、わりと大きい縮尺の鉄道模型用だろう。

この土地の持ち主なのか、あるいは借りているのかしらないが、どうせ耕していない土地なら趣味の世界の場所に、というところか。

なかなかよい利用法かもしれない。多分、この手の空間を欲しがっている人はたくさんいるはず。家の中だけでは限度があるし、また常時設置はできずに片づけなくてはならなくなったら面白くない。そして趣味としての利用なら金に糸目はつけないはず(⌒ー⌒)。野外だからジオラマをつくるのは雨風に当たってもよいような本格派にしないと難しいかもしれないが、逆に言えば周りの自然のレイアウトをそのまま使えば本物ぽい。思い存分走らせる場所がつくれる。また、いざとなったら撤去も簡単。

すでに鉄オタ向きのレンタルレイアウト(のスタジオ)があるらしいが、放棄農地などは、この手の利用法を考えてレンタルする商売ができるのではないかなぁ。

 

2021/12/15

国産サカキとコウヤマキ

農産物直売所で見かけた供花の列にあったのがこれ。

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サカキだ。主に神道系の供花……というか依代だろう。が、張り紙にあるように「国産のサカキ」であることが売り物にしている。
そうなのだ、今や市場に出回っているサカキの9割以上が中国産なのであった。国産は珍しいわけだ。神道なのにねえ……。
ちなみに、売っていたのは和歌山県龍神村産でした。生産者の名前入り。

なお、その横に並んでいたのがコウヤマキ。

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これも国産だ。なんたってコウヤマキは日本固有種であり、特産だから。こちらは真言宗の供花代わりに使われる。コウヤと着くのも高野山が由来で、単にマキ(槙)とか本槙と言う方が本物ぽい。ただ天然のコウヤマキ林はほとんどなくなっており、現在は造林したコウヤマキから枝葉を採取している。すると、その森はこんなのになる。

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うねうね、にゅろにゅろ。萌芽が伸びて不思議な姿になっている。私は、これこそ魔界の森だと思ったよ。先日紹介した魔界の森の王の樹も、実はコウヤマキであった。

サカキやコウヤマキの供花生産も、立派な林業になっておりまする。

 

2021/12/09

ニオイ木って何?

たまたま目にした記事。山形県置賜農業高校園芸福祉科が、消臭効果があるとされている「ニオイ木」の研究を続けている……というものだ。

すると不快臭の原因となるアンモニアガスと硫化水素ガスに対し、空気清浄効果で有名な観葉植物「パキラ」と比べて、ニオイ木が6倍の吸着能力があることを証明した、というのである。

この記事そのものは面白い。農業高校の生徒が外部から研究依頼を受けて、いろいろ挑戦して,ついに証明した、というのは絵になる。

ただ気になったのは、「ニオイ木」って何? という点。

こんな植物は知らない。おそらく山形県か東北の地方名なのだろうけど。検索しても、グーグル君には登場しない。あえて言えば、この置賜農高の研究を紹介する記事があるだけ。しかも近年は減っているので栽培方法も研究するというのだが、どうも確立した技術がないらしい。

いろいろ断片的な情報から調べると、ようやくクサギのことだとわかった。クサギは臭木と書くが、臭いをニオイと読むのかも。

しかし、クサギとはその名の通り臭い木なのだよ。それが消臭効果というのも面白い。それに減っている? 西日本だとどこでも生えているような気がするけどなあ。もともとパイオニア植物だし、わさわさと生えて、それを切ると臭い……というイメージがある。

それでも置賜農高では、組織培養に成功して効率的な増殖方法を実現した。そして品質や環境に配慮した花卉生産の国際認証「MPS」を取得したという。この認証も初めて知ったが、それを地元の深山和紙を製造する企業に依頼して製品開発するまで進めているという。

雑木林の雑木、というよりほとんど雑草みたいな低木が、ここまで資源となるのはすごい。農業高校もやるねえ。

昭和天皇ではないが「雑草という名の草はない」のであって、それぞれの草木にはさまざまな特徴があり、それを活かせば商品化も可能なのかもしれない。

Photo_20211209220801 ニオイ木ならぬクサギ。

2021/09/16

刃物を支える石

先日、草彅剛がMCを務める「最後の○○~日本のレッドデータ~」という番組を見た人はいるだろうか。

ここでは「人知れず消えつつある数多くの職人の技や、生産物など“日本のレッドデータ”を紹介する番組だが、そこで取り上げられたのは、天然砥石だった。

日本刀がブームになったが、そこで注目されたのは古来の名刀である。そこから、それをつくる刀鍛冶……までは誰もがすぐに連想するのだが、実はその先に研ぎ師がいる。研がねば、どんな刀も名刀にならない。……ま、そこまではギリギリ連想する。が、その先に研ぎ師の使う砥石がある。今や一般には人造砥石が席巻しているが、日本刀には天然砥石しか向かない。その粒子の細かさやはがれ具合は、合成樹脂で固めた人造ものでは再現できないからだ。

で、天然砥石になる石は、日本列島はわりと全国で採れるのだが、それは二級、一級品まで。日本刀向きの特級品は京都でしか採れない、と言われている。包丁にこだわる料理人も、天然砥石を選ぶ。海外からも京都の砥石を求めて訪れる人がいる。
そして、今も砥石の原石を掘っているのはただの一人。この人がいなくなると……という番組である。日本刀から砥石の採掘まで行き着くのはなかなかの想像力がいる。

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実は、私も砥石の取材はしたことがあって、この裏話は何かといっぱい聞いている(⌒ー⌒)。ただ、実際に掘っているのはこの人しかいないのは事実だ。掘らなくなって、オレの山の方がもっとよい砥石が出る、と言うのはみっともない。

で、私も砥石鉱山に潜ったことがある。ただし、上記の現役鉱山ではなく、廃坑だけど。怖いよ、廃坑に入るのは……(笑)。

だが、日本は木工王国だと言われるのだが、それはよい砥石があるからだという。砥石がなければ刃物も活きない。

いや、刃物だけではない。漆芸も多くが砥石なしでは成り立たない。ただし、こちらは研ぎ炭と呼ばれる木炭だ。アブラギリの白炭が最高級なのだが、これを焼く職人が、これまた全国に何人もいない……。これはICチップやレンズ磨きにも必要とされる。

これらも山と森の産物だと言えなくもない。とてつもなく貴重な森林資源だ。

チェンソーに鉈、ノコギリ……林業用刃物で、そこまで砥石にこだわる声は聞いたことはない。工芸品・芸術品と日常品の差と言えばそれまでだが、技術を支える縁の下の石ころにも忘れないでおきたい。

 

2021/09/12

杉葉線香は、なぜ売れたのか

読売新聞に売り上げ「ほぼゼロ」から30倍に、手作り線香店「えらいことになったわ」という記事が載った。

これによれば島根県安来市で創業100年を超える「内田線香店」の杉葉線香が売れているという。

私はてっきり、何か工夫した新商品を出したのか、今どきのSNSでバズらせるネタを提供したのかと思ったのだが……半分外れ、半分当たり。

SNSを利用した点は当たったが、とくに変わった商品とか使い方とかを紹介したのではないらしい。地元ケーブルテレビの関係者がツイッターで書き込んだだけだという。それでも人気を呼んだのはなぜなんだ? 100年続く老舗の品だとか、もうすぐ潰れそうとか書いたの?

05261112_60adae9c914d4商品サイトより。

思えば、スギの葉が線香の材料になることは私も知っていた。というか、林業はスギやヒノキの幹ばかりではなく、葉も樹皮も売るものだ、という文脈で記事を書いてきたからである。ただ杉葉線香は、線香の中では安物扱いされていると聞いていたのだが……。

ちなみに写真の線香は825円だから、さして高くない。火付きが良く、折れにくいのが特徴だという。どうも杉葉線香という商品自体に力があるのではないか。

ちょうど割り箸の記事を書いていたところなのだが、こうした派生商品、まだまだ伸びしろがあるような気がする。SNSだけではなく、ちゃんと人々の目に触れるような宣伝・広報をすれば、商品の力で売ることは可能ではないか。

そのうちスギの花粉も商品化されるかもなあ……(^^;)。

 

 

2021/09/05

クラフトコーラ流行り

いまどき、クラフトコーラが流行っているのだそうだ。クラフトビールにクラフトジン、などクラフト流行りの中で、コーラも登場?

そもそも「クラフト~」とは何か。 「職人が作る〇〇〇」、「手作りの〇〇〇」といった意味合いで「独立性」「地域性」などがキーワードとなっている、そうだ。少量生産とか個性を前面に出して大手メーカーじゃないことを売り物にするような品か。

実は奈良県には、このクラフトコーラが次々と登場している。

「大和コーラ」に「キハダコーラ」、「おにみみコーラ」……。そこにコカコーラボトラーズが奈良デザインボトルなんぞも発売して……。

簡単に紹介すると、 曽爾村観光振興公社が今年4月1日に出したのが「大和コーラ」。きび砂糖、ヤマトタチバナ、レモン、ヤマトトウキ(曽爾産)、キハダ、クローブ、オールスパイス、コーラナッツ、カルダモン、シナモン、その他スパイス類で味付け。
ポニーの里ファーム(奈良県高市郡高取町)が今年3月31日(水)に発売したのが、「湧き水のキハダコーラ」。和漢伝統薬「陀羅尼助」を模して、キハダの実、紫ウコンスパイスをブレンド。レモンとカボスも合わせている。

「おにみみコーラ」は、「おにみみ」という風邪薬を製造する端壮(たんそう)薬品工業が製造。カルダモン、クローブ、スターアニス(ハッカク)、クコの実などの香辛料や生薬を使っている。香辛料の種類や配合を季節ごとに変えているそうだ。

ほか元祖といわれる「伊良コーラ」や、このところ売り出し中のて「岐阜コーラ」、日本酒・八海山の甘麹で作った「UMAMI COLA」。全国に広がっているらしい。ようするに流行になっている。売れるなら結構。価格はいずれも1000円以上するが、希釈して飲むらしい。もはや清涼飲料水というより健康飲料か。黒酢ドリンクに近いかも(^^;)。どこがコーラなのかわからない。

では、なぜコーラなのか。 世界最初はコカコーラだが、これはコカとコーラの実を入れていたという伝説がある。コカイン入れて飲んだら元気……だったわけである。ま、今はどちらも使っていない。ただ薬草を入れた飲料水だった。だから薬草(ハーブ、スパイス)を入れたらコーラと呼ぶのだろうか。

たしかに奈良は明治時代まで薬草栽培と販売の「薬種」ビジネスが盛んだったところで、薬草飲料であるコーラに向いているのかもしれない。奈良漢方のメッカ・プロジェクトというのもあったし(笑)。

しかし薬として販売するのは敷居が高い。薬事法があるからだ。そこで飲料水にしてしまっているのだろう。

そこで連想するのが、クラフトジンである。

私はジンが好きで、クラフトジンブームが起きたときも、さまざまなご当地クラフトジンを試し飲みした。いずれも、不味くはない。美味しいと言っても文句はない。が、今はどれも飲まない。なぜならジンとは思えぬ味になっていたからだ。

ジンは、ボタニカルと呼ぶ植物性の香り原料をアルコールに浸漬させてつくるスピリッツだが、一つ絶対的条件がある。ジンのボタニカルで欠かせないのはジェニパーベリーである。日本名はネズの実。この香りが基本なのだ。

ところが、日本のクラフトジンは、ご当地を意識しすぎて、ご当地ボダニカルを必死に選んでいる。日本製だからユズだクロモジだ、サンショウにショウガ、緑茶まである。そしてヒノキなども。それが不味いわけではない。しかし、その分ジェニパーを軽んじている(と私は感じる)。もしかして、ジェニパーを入れないでジンを名乗っているものもあったのではないか? あまり奇をてらいすぎると本質を忘れる。

だが、私はジェニパーベリーの香りがないのをジンとは思わない。

結局、私が行き着いたというか、もどってきたのはシップ・スミスだった。とくにVJOP。

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これは通常のロンドンドライジンの3倍のジェニパーが入っている。だから「Very Junipery Over Proof Gin」 だそう(^^;)。でも、ジンだ~!と声を上げたくなる香りと味だ。しかも57度という度数。炭酸で割るだけでいい。

これだって、少量生産だし、職人芸的なつくりだからクラフトジンの仲間かもしれない。ちなみにイギリスの醸造所だが、サントリーが買収したから日本の会社でもある。

クラフトコーラも、よ~く本質を考えて展開してね。

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