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森と林業と田舎の本

2022/09/09

「冒険の森」のパイ

奈良県王寺町に「冒険の森」がオープンしている。

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「冒険の森」とは、簡単に言えば森の中のアスレチックだ。わりと立木の上にルートが作られることが多く、ちょっと体力も勇気も必要。ただしガイドがしっかりついて安全面には気をつけている。

もとはフランスで広がった「フォレストアドベンチャー」が日本に持ち込まれ、そこから独立したのが「冒険の森」。自然共生型アウトドアパークというキャッチフレーズだ。単なる遊具としてのアスレチックと違うのは、わりと地域起こし的な視点があって、森を利用した地域づくりが謳われる。どちらも合わせると、全国で何十か所になったか。どんどん増えている印象。

それ自体はいい。また高さ10mぐらいの木の上を渡り歩くなど、子供の遊び場というより大人の愛好家が多い。

私も、以前はこの動きを推奨していたのだが、全体のパイ、つまり需要はどれほどあるのかと考えてしまった。全国に両方を合わせると60ぐらいあるのではないか。とくに関東圏は多い。冒険の森は関西圏中心。ほかにも「ポケモンの森(ポケモンワンダー)」とか「ツリーピクニック」なんてのもある。私も、それらを「私が期待する森の利用法」を書いている。

たとえば奈良には,山添村に「冒険の森」がある。その運営母体が王寺町にもつくったわけだが、王子町は奈良県でも人口が増加しており人気の地域だ。大阪にも近い。それだけに集客は期待できるだろうが、逆に森の区画は狭い。周りは住宅地になってしまっている。
山添村は大和高原にあり結構遠い。果たして食い合わないか? さらに遠い十津川村には「空中の村」という同じくフランスから導入した施設があり,こちらはアスレチックというよりのんびり木と木の間を歩いたりお茶したり読書したり寝転がれたりする趣向。遊ぶより癒し、と大人向きを極めた感じ(笑)。経営者がフランス人という点も興味深い。もちろん、中身のコースの違いなども重要だろう。

今後はコンセプトの住み分けと、内容次第だろうね。スリルがある方が人気がありそうではあるが、その分ガイドがしっかりしないといけないし、コストは増える。ガイドの質も問われるし、宿泊させた方が落ちる金も増えるはず。

さてさて、健全な競争をしてもらいたい。

2022/07/29

「乾燥」という魔法

木材は乾燥させないと使えない、乾燥剤と未完乾燥材は別物……とよく聞く。実際、木を乾燥させると寸法は変わるし、重さは変わるし、強度も何もかも変わる。見た目もかなり変わる。

という話をするつもりはなくて、たまたま見つけたお菓子というかおつまみがこちら。

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 愛媛県の柑橘類の実を薄切りして乾燥させたもの。ただ、それだけ。シトラス・チップスというそうだ。かじるとよく乾燥しているので、パリパリと割れて口の中でふやける。ほのかに甘く、また渋みがあったり、香りもそれぞれ違う。しかし何も味付けしていない。砂糖も使っていないそうだ。皮も美味しい。口の中で柑橘にもどる。

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種類は7種類ほど(温州みかん、愛媛果試第28号、伊予柑、河内晩柑、はるか、ブラッドオレンジ、レモン)混ぜてあるのだが、なんともシンプルで美味い。酒のつまみにもってこい……と思ってから、あえてチップを酒(今回はジンソーダ)に漬けてみた。
しばらくすると、乾燥チップがほぐれて生っぽくなる。果汁が溶けだす。これはジンリッキー(ジン、ソーダ、ライムのカクテル)だね。入れたのはライムじゃないけど。

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そこでふと思いついた。木材も、乾燥を通してこんな変化(へんげ)を見せられないか。7つの樹種の板を乾燥させて違いを楽しむ。何の違いか。内装材というのはアリキタリだな。やはり、かじらせるか(笑)。鉋屑に調味料をしみこませて乾燥させたら、珍味として売れるような気がする。

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こちらはダイソーで見かけた。「枝をかじってストレス解消!」とあるから、えええ、そんな商品あるの? と驚いたのだけど、よく見ると「小動物」用だった(笑)。リスとかハムスターにかじらせるのか。これの人間版を出してみたらどうだろう。食い物にすると、木がもっとも身近になる。

 

2022/07/24

ジン飲みの本音~フォレストジン

先日、東京を訪れた際に、面会する人は、場所として帝国ホテルを指定してきた。そして、ごっついステーキランチをご馳走になった後は、カフェに移ったのだが、そこでお酒を頼むようにいう。いや、まだ昼間ですし、お酒を飲んだら仕事に差し支えます……なんで言いながら、「ではジントニックを」と注文してしまう私(^o^)。

するとウェイターは「ジンは何にしましょう」と聞くのだ。さすが帝国ホテルのバー(からカフェに運ぶ)。ジンの銘柄を指定できるのか、と感動して、「ではシップスミスを」。シップスミスVJOPがお好みなのだ。

ところがしばらくしてウエイターは「すみません、シップスミスは置いていません」とな。結局、ビューフィーターにしたのだが……。

何をだらだらと書いているかというと、私はジン飲みだ、ということだ\(^o^)/。

このほど「フォレストジン」なるものが発売されたらしい。それも酒造メーカーではなく「日本草木研究所」というところから。

アルコール度数は45度で、内容量は500ml。

一口飲めば、魅惑の森林旅行。
木で酔う「フォレストジン」が新登場。
日本草木研究所では、日本の未利用木材を有効活用する香木酒「フォレストジン」を開発しました。
原材料の60%以上にスギ/ヒノキ/ナラの間伐材を使用し、そしてボタニカル原料の100%が国産野生香木という取り組みは、日本初の試みとなります。

Fe6cf29e36052a953c7c(研究所のHPより)

酒の製造者は、株式会社スティルダムサガと、佐賀県の会社になっている。ここ2020年に設立だと。それもジン専門?の蒸留所らしい。日本草木研究所も、イマイチ存在が不明確。

なかなかそそるではないか。でもお値段は、送料を含めると6000円を優に超える。500mlで。ちょっと手を出しにくいぞ。

そもそもジン飲みを自認しているから、昨今のクラフトジンブームは歓迎していて、各地の地場メーカーがつくるジンを試してみた。が、いま一つ満足していない。マズいんじゃないよ。味としてはそれぞれイケるものもあった。が、ジンとして美味いんじゃないんだなあ。

ジンとは、スピリッツにボタニカルと呼ぶ植物性のエキスを浸透させたものだが、基本はジュニパーベリー(セイヨウネズの実)にコリアンダーである。その風味なくしてジンとはよべない(個人の感想です)。ところが、日本のクラフトジンは、和製ボタニカルを意識しすぎてユズだ茶だヒノキだと懲りすぎて、肝心のジュニパーベリーの香りが隠れてしまっている。

というのが、我が不満。だから、結局は洋物のジンにもどってしまった。シップスミスは、その中でもジュニパーベリーにこだわったジンだ。(ちなみにシップスミス社は、現在サントリーが買収したので日本の会社とも言える。そういやサントリーの「翠」が売り出し中だが、私は鼻で笑っていた。ところが、先日たまたま飲んだら、意外や?イケる。ネズの松脂ぽい香りもかすかにする。価格も手頃で、お気に入りに入れた。サントリーやるじゃん。)

さて、このフォレストジンはどうだろうか。よくよくボタニカルを見ると、ハイビャクシンやネズミサシというセイヨウネズに近い種も入れているようである。

【味わい】
まるで深い新緑の森の中で深呼吸した時のような圧倒的な「森林感」を味わえるフォレストジン。ヒノキの枝葉から抽出する鼻を抜ける青いフレッシュな香りや、杉の林檎を思わせるたおやかな芳香、そして神事でも利用される高野山の霊木コウヤマキの酸味ある後味。ハイビャクシンとネズミサシは和製ジュニパーベリーとして機能し、スパイシーで華やかな風味が引き立ちます。

どうしようかなあ。試飲するには高すぎるし、製造母体もコンセプトも、何か不安。誰かお試しした人の感想を待ちます。

 

2022/07/04

葉ッぱ切り絵展

奈良で「葉っぱ切り絵展」が開かれていたので覗きに行く。

これ、わりと最近有名になってきた、葉っぱに細かな細工で切り絵にしていく手法だ。

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リトの名で、たしかSNSで発信したことで知られるようになったのではなかったか。そしてバズッたことで、彼はプロのアーティストとして活動するようになったのだったと思う。これもSNS情報だけど。下記リンク先を見てほしい。

リト@葉っぱ切り絵 (@lito_leafart) • Instagram 

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せっかくだから作品世界をいくつか。

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展示は、額の中の本物と完成時の写真がセット。本物は押し葉ぽく茶色に変色しているのが残念だが仕方ない。でも、青いできたてほやほやの作品も見てみたいな。やはり葉っぱだもの。

葉っぱも、意外な「資源」であるという認識ができたね。そのうち「切り絵用葉っぱセット」を売り出すことはできないか……なんて考えてしまうのは、アートに耽溺できない私の悪い癖。。。

会場では、「写真OK」「SNS発信OK」と大きく書かれていた(笑)。昔だと、この手のアーティストの作品は、写真撮影しようものなら係員が飛んできて削除を要求するという……場面が展開されたのだが、今や逆転。発信してください、というわけだ。

作品を勝手に撮影するなというのは、、私は「撮られたくないなら発表するな」と思っていた。まあ、アート作品は仕方ない面もあるが、シンポジウムなどで演者のパワポ資料などを撮影禁止するのは理解に苦しむ。後でゆっくり読み返して理解しようと思う参加者の気分を阻害する。それをするなというのは誤解したまま、理解できないままにしておく行為ではないか? もし資料をていねいに見られたらボロが出るからか? と悪態をつきたくなる。

とまあ、脱線したが、これからは参加して拡散する(してもらう)時代なのだ。

私の本の情報も拡散してね(^^;)。

 

2022/05/29

ニホンミツバチと養蜂昨今事情

玄関先にミツバチが群舞していた。これは……と探すと、門上に咲いている花に群がっている。この花の蜜に夢中なご様子。

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というわけで接近する。どうやらニホンミツバチのようで、基本的におとなしいし、採蜜中のハチは、蜜に夢中で人を刺すことは少ない。というわけで、極超接近撮影。刺されたら自己責任!

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わかるかな、ミツバチがブンブンと飛んでいる。大丈夫、刺されませんでした。

この花、いつから咲いているのか知らなかったのだが、キンリョウヘンではないか?ニホンミツバチが喜ぶフェロモンを出すと言われている花だ。そんなの植えた記憶はないし、別種かもしれないが、とにかくハチが寄ってきているのだからよしとしよう。

このまま住み着いてくれる(分蜂)のなら面白いが、巣箱を用意してみようかな。もう時期的に間に合わないか。

というわけで、私の行きつけ(!)の養蜂園に話を聞きに行く。

話は趣味のニホンミツバチ養蜂の話に収まらず、セイヨウミツバチによるにわか養蜂家が増えたことになった。かつては免許制だった養蜂も、今では届け出制に変わって、やたら参入者が増えてきたのだそう。とはいえ、プロとは言えないから養蜂技術も怪しい。

まあ、それだけなら文句言えないし、切磋琢磨すればよいのだが、慣習的ルール無用の状態になっているのだそうだ。たとえば巣箱を置く場所は、これまでなら距離など業者間の取り決めがあったのが、勝手にこちらの巣箱の側に置くそうだ。しかも、プロの養蜂家は草花の種子散布や花木の植樹などを行って蜜源づくりに取り組んでいるのに、にわか養蜂家は、それなしに蜜の採れそうな花の側に巣箱を置きたがるのである。
単に蜜の取り合いだけでなく、病気やダニの感染を引き起こしかねないので怖い。なかには巣箱の盗難もあって……。養蜂業界、百鬼夜行する。

ちなみに今年は(今年も?)蜜はあまり採れなかったという。年々厳しくなっているとか。それは気候などもあるのだが、今春はサクラの花が非常によく咲いたのに、蜜は全然採れないという状況も起きている。蜜を持たない花が増えた……? いや、暖冬で早く花を咲かせると蜜をつけないのかもしれない。この辺の樹木の生理はわからない。これって、森林生態系にとって由々しき事態だし、ヤマザクラのハチミツ、美味しいのに食べられなくなるかも。

とまあ、業界裏事情をいろいろ聞いたよ。(本来なら、このネタで雑誌の記事として売り込むところだが、最近は仕事を自ら増やすのが面倒で、無料でブログに書いてしまうのであった。。。)

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生駒山のニセアカシア蜜と、北海道中頓別のアザミ蜜。

 

2022/05/25

大楠と、怪しい樹齢

日本には、各地に日本最古を謳った神社があるのだが、淡路島の伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)もその一つ。

ま、何をもって最古とするか、理屈はどうでもよいのだが、この神社には大楠がある。私は、この大楠を見に行ったのだよ。

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夫婦楠の名で知られるが、幹周り8mを誇っている。まあ、大きいことは認めるし、それをご神木よろしく祀るのも結構。根元に祠もある。
ただ樹齢を900年としているんだなあ。これは怪しい。

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よく見たら、約「900」年のところは張り替えている(^^;)。元は700年か800年か。

しかも、夫婦クスの名のとおり、幹は二つに分かれているのだが、これは2本の苗がそろって成長する際に癒着してくっついたものらしい。つまり1本の木ではなかったわけで、それを単に太さから樹齢を割り出したとしたら、ちょっと、いやかなり怪しい。

私の見立てでは、その半分以下、300~400年ぐらいではなかろうか。

どうも、人は大木の樹齢を長く長くと勝手に割り増しする傾向がある。以前、樹齢700年と判定されたツバキがあったのだが、(それも割り増しで実際は300年くらいだと思うのだが)命名されたときは「千年椿」となってしまい、いつのまにか説明板の樹齢も1000年に変えられてしまった経緯を聞いている。古くて太いとした方が神格化できて自慢なんだろう。

ちなみに同じ淡路島の妙勝寺にも大楠はある。こちらは見事。神酒周りは7・8m、根回りは11・6mとされている。根元に穴も開いていて、奥にはトトロが住んでいるらしい (゚o゚;) 。。。

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墓地の真ん中にあるが、「夫婦クス」よりずっと樹冠が広い。樹齢は600年とされていた。ちょっとだけ、謙虚(笑)。

しかし、この墓地はいい。高台にあるので海が見渡せる。それでいて、このクスの枝の広がりが素晴らしい。樹木葬ならぬ樹下葬だ。思わず墓参りに来ていた人に「こんなところに墓があるなんて羨ましいです」と言ってしまった。

樹木葬よりいいかな。墓石はあるけど。

2022/04/11

特用林産物を忘れない

先日のブログで林業産出額について書いたが、ふと、そこで触れたのは木材ばかりであることに気づいた。

木材以外、特用林産物と呼ぶものもある。これは何で、いかほどか。だいたい想像するのは、キノコだろう。分類を見ていると、薪炭も入っていたが、さて算出額は……。

2020年のきのこ類の林業産出額は、2259.6億円(対前年比4.3%増加)だという。生産量では46万2277トンで、前年に比べ6588トン(1.4%)増加している。さらにタケノコの生産量は2万6449トン、前年に比べ416.4トン(18.7%)増加。

2020年の薪炭の産出額は、59.6億円(対前年比2.6%増加)。木炭の生産量は1万2925トンで、前年に比べ1468トン(10.2%)減少。

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まあ、そんなものか……と思ってグラフを見て気づいた。木材に匹敵するほどの産出額なのだ。言い換えると林業産出額という中で、木材は約半分にすぎない。キノコもほとんどが室内で栽培されたものだから、林業というより農業に近いと思うのだが、それが半分を占めるということ何を意味するか。

そもそも林業補助金のほとんどは木材生産のために出されているだろう。キノコ栽培にも多少はあるだろうが、そんな莫大なものではない。せいぜい初期の施設投資の補助ぐらいではないか。何から何まで、コストの7割がた補助金で賄っている木材生産とは違う。つまり木材産出額に対しての補助額は、大雑把にこれまでの推定の2倍近いと思っていいのではないか。

 

ただ、私が興味を持った特用林産物は、実はキノコではない。「その他」だ。キノコ以外には何があるのか。

ここで登場するのが、ロジンとテレピン油、であった。どちらも松脂から採取するものだと思うが、何に使うのだろうか。そして(植物性)蝋がある。

ロジンは、野球などで使う滑り止めのイメージがあるが、ほかに体操やバレエシューズの滑り止め、ヴァイオリンなど弦楽器への使用がある。だが、ここで使い道として多いのは、製紙用の滲み防止剤(サイズ剤)だろう。加えて油ワニス、ラッカー、塗料、顔料の表面コーティング、そしてチューインガムベースにもなるそうだ。
テレビン油は、油絵具の薄め液・画用液としてのイメージが強いかな。実際は塗料やワニスなどの溶剤のほか、医薬品の成分など科学薬品の原料らしい。

蝋は、いわゆるロウソク用はほとんどない。和ロウソク以外は石油系。ハゼなどの実から取る植物性の蝋は、ワックスやクレヨン、CD、コピー機のトナー、整髪料、口紅にグミ……なるほど、こんなところに使われるのか。

渋い生産物だ。しかも輸出している。

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特用の輸出額は、なんとキノコより「その他」がずっと多い。キノコは国内消費用がほとんどなのか。乾燥シイタケ以外は輸出しづらいからかも。むしろ輸入超過だ。キノコ以外の特用林産物の1月末迄の輸出額は1億6800万円で、対前年同期比73%と伸びている。これも林産物輸出の数字を結構左右しているのではないか。

特用林産物。これは曲者だ。一般に意識する「木材生産の」林業の姿を見誤らせる元ではないだろうか。

2022/03/31

桜葬~悪貨が良貨を駆逐する

吉野山の如意輪寺と言えば、後醍醐天皇の墓所でもある。そこに桜葬墓地がオープンしていた。

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奈良にも樹木葬墓地が増えてきたか……と思ったわけではない。むしろ頭に浮かんだのは「悪貨が良貨を駆逐する」だ。

もちろんどんな墓地をつくろうと、その墓地に入りたいと思う人がいようとかまわないのだが、少なくても桜葬は樹木葬とは似て非なるものである。そして、そんな樹木葬が圧倒的に増えており、本来の樹木葬が広がらないことを感じた言葉である。「悪貨」というのは私の描いた樹木葬(良貨)ではないという意味だ。

そもそも樹木葬の理念は、埋葬を通して森を整備して環境保全に役立てるという発想から始まっている。だから埋葬地はやがて自然に還るというのが基本だ。「緑の埋葬」ともいう。世界には、樹木葬墓地エリアが自然保護区に指定されたところもある。

ところが現在広がっているのは、環境や森のことを考えたのではなく、単に石の墓標を樹木に置き換えたものとなった。さらに石の墓標も残しつつ樹木を植えたものまで登場した。さらに樹木がない樹木葬墓地まで生まれている。その墓地内にある1本の木だけを墓標として、その周りに石墓が並ぶのだ。私が見て歩いた中には、遠い墓標は中心の樹木から50メートルくらい離れていた。もはや何をもって樹木葬と呼ぶのかわからないようになっている。

そして、その典型が桜葬なのである。

なお樹木葬の特徴としては、やがて自然に還るから、永代供養であることもあるが、樹木をサクラに限ったことで世話が欠かせなくなった。毎年花を咲かせるようにするには肥料もやらねばならないし、剪定も必要だし、毛虫の発生には消毒も求められる。石墓よりよっぽど手間がかかる。それを業者に任せたら金がかかる。

おそらく、こうした墓は、遠からず放置されるだろう。遺族も子の代、孫の代まではともかく、それ以上先になると被埋葬者の生前を知らない子孫となり、墓守を担う期待はできない。しかも人口減社会では遺族もいなくなる可能性が増えていく。本当の樹木葬は、それにも備える意味があったのだが、形骸化というか無視されてしまった。

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これは樹木葬墓地の中につくった桜エリア。森の中に桜を植えた箇所があり、その周辺に埋葬する。これぐらいならいいかな、と思うが……。

ちょっと寂しい。私が入りたくなる樹木葬墓地は、いまだに奈良県内にはない。

 

2022/02/12

森の中のレール

森の中……というか、正確にはササの中……いや、もっと正確に言えば里山の耕さなくなって周りにササが繁ってしまった畑跡、という気がするが、そこを覗くと妙なものが。

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これ、どう見ても鉄道模型用のミニレール。これがNゲージなのかOゲージなのか、いろいろ種類があるらしく、私にはチンプンカンプンなのだが、わりと大きい縮尺の鉄道模型用だろう。

この土地の持ち主なのか、あるいは借りているのかしらないが、どうせ耕していない土地なら趣味の世界の場所に、というところか。

なかなかよい利用法かもしれない。多分、この手の空間を欲しがっている人はたくさんいるはず。家の中だけでは限度があるし、また常時設置はできずに片づけなくてはならなくなったら面白くない。そして趣味としての利用なら金に糸目はつけないはず(⌒ー⌒)。野外だからジオラマをつくるのは雨風に当たってもよいような本格派にしないと難しいかもしれないが、逆に言えば周りの自然のレイアウトをそのまま使えば本物ぽい。思い存分走らせる場所がつくれる。また、いざとなったら撤去も簡単。

すでに鉄オタ向きのレンタルレイアウト(のスタジオ)があるらしいが、放棄農地などは、この手の利用法を考えてレンタルする商売ができるのではないかなぁ。

 

2021/12/15

国産サカキとコウヤマキ

農産物直売所で見かけた供花の列にあったのがこれ。

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サカキだ。主に神道系の供花……というか依代だろう。が、張り紙にあるように「国産のサカキ」であることが売り物にしている。
そうなのだ、今や市場に出回っているサカキの9割以上が中国産なのであった。国産は珍しいわけだ。神道なのにねえ……。
ちなみに、売っていたのは和歌山県龍神村産でした。生産者の名前入り。

なお、その横に並んでいたのがコウヤマキ。

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これも国産だ。なんたってコウヤマキは日本固有種であり、特産だから。こちらは真言宗の供花代わりに使われる。コウヤと着くのも高野山が由来で、単にマキ(槙)とか本槙と言う方が本物ぽい。ただ天然のコウヤマキ林はほとんどなくなっており、現在は造林したコウヤマキから枝葉を採取している。すると、その森はこんなのになる。

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うねうね、にゅろにゅろ。萌芽が伸びて不思議な姿になっている。私は、これこそ魔界の森だと思ったよ。先日紹介した魔界の森の王の樹も、実はコウヤマキであった。

サカキやコウヤマキの供花生産も、立派な林業になっておりまする。

 

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