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森と林業と田舎の本

2021/07/19

雑草バブル?

今、「雑草バブル」なんだそうだ。

ほとんどメディアでは話題になっていないけど、ネットでは凄いらしい……ホントカ。

「雑草バブル」は、ネットオークションを中心とした希少植物・観葉植物の価格が高騰している現象を指した言葉だ。ベテランの愛好家からは、これらの植物を買いたい人々が最近にわかに増加したことで、希少な植物に手が出づらくなっていることを自虐的に「雑草バブル」という使い方がなされているようだ。

もっと読めばわかるが、生粋の「雑草」というより、観葉植物や多肉植物のことなんだろう。ただ、従来の園芸植物として知られるものの枠を超えて、世間の認知度の低い草、稀少であまり目にしない草を「雑草」と呼んでいるのかも。

ま、バブルは弾けるものと相場は決まっていて、木材バブルであるウッドショックもすでにアメリカでは弾けたみたいだし、来日したオリパラ出場選手らを市民と隔離するバブル戦術も、すでに弾けて脱走者(笑)まで出している。(今後、とくに破りそうなのは選手よりマスコミの連中だろう。じっとしているわけない。すでに宿舎のホテル周辺を歩き回っているらしい。)

だから雑草バブルがどうのというよりも、名もなき草木の魅力再発見の視点で考えると、非常に発展性がある。

実際、私も若いときにボルネオのジャングルに初めて足を踏み入れた際、身の回りが「みんな観葉植物じゃん!」と思った記憶がある。繁っている木々、草のどれもが面白い形をしていて観察すればするほど美しいのだ。

今は日本の里山でも、そうした草木を発見することがある。山では珍しくもないが、よくよく見ると可愛い花や葉をつけているなあ、と思うものがある。それを利用してバブルを起こせるかもしれない。
そのままだと地味だったり、小さすぎて気づかない花や葉も、ちゃんとそれらしく説明すれば人気を呼ぶかもしれない。
葉に虫食いの穴が空いただけでも、結構美しく見えないか。なんならテキトーに伝説もでっち上げて、歴史上の人物を登場させたり、悲恋の物語なんぞにしたら、いきなり高値をつける草花に早変わりヾ(- -;)。

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さあ、上記の写真は、それぞれの名前は私も知らないものが多いのだが、産地は生駒山のほか、ボルネオや沖縄のやんばるで撮影したものもある。どれだかわかるかな? ついでに世界遺産に指定されるのはどれだ?

 

2021/07/17

私が期待する「森の利用法」

本日、よみうりランドに「ポケモンの森」がオープンしたそうだ。

なんでも遊園地「よみうりランド」には約4500平方メートルの森があるそうだが、これまで有効に利用はしてこなかったよう。そこで森の中に、50種類を超える「ポケモン」を設置して、それを探し出すゲームをつくったらしい。入場すると、ポケモン発見の手がかりが記された「調査ノート」とカメラが手渡され、いかにたくさん発見して撮影するかを競う……らしい。

今どきのヴァーチャルリアリティだ拡張現実だといったIT系の仕掛けではなく、マジに森の中を歩いて、地面やら木々の間やらに隠れたポケモンを見つける趣向だ。当然、木々や草をかき分けて進み、土や泥に触って歩くことになる。

よろしい。森の楽しさを本気で楽しむのならこうでなくちゃ。

近年は、森のレクリエーションの場にする試みが各地で行われている。しかし大半は、単なる森林散策(それも決まったルート)や自然観察するようなガイド付きエコツアーだ。一方で「冒険の森」などは樹上にアスレチックコースを設けて挑戦するものもある。

それらが悪いとは言わない。しかし、私的にはなんか「違うんだなあ~」と思っていた。散策なりハイキングなり、アスレチック(地上でも樹上でも)は、いわば肉体で楽しむアスリート系の楽しみ方だ。自然観察は、動植物の名前や生態を教えてもらって目で見るのはよいけれど、これは知的というよりはマニアの勉強系の臭いがする。昆虫の生態を教えてもらってワクワクする人は一部だと思うよ。

そうじゃないんだなあ。私が森に行って楽しめるのは、もっと原初的な感覚、隠れた何かを探すワクワク感だから。草が繁って先が見えない向こうに何があるのか、宝物か怪獣か古代遺跡か、みたいな楽しみ方。そんな好奇心系の楽しみ方をつくりたい。

そういった仕掛けをした森のレジャーはつくれないだろうか、と常々思っていて、実は私の頭の中には腹案もあったのだよ( ̄^ ̄)。

それにもっとも近いのが、この「ポケモンの森」のような気がする。

地味に本物の森を探索して、何かを見つけたい。ま、一人で「ポケモンの森」に行っても楽しくないか(笑)。誰かいないか。娘を誘ったら……断られる気配濃厚。

もっとも、私はポケモンには何の興味もないのだけど。「ポケモンGO!」もよく知らない。一度だけ、娘に教えてもらってやったことあるけどね。それに対象は小学生クラスの子どものよう。

できたら、もう少し大人ネタで同じ趣向の森林レジャーをつくってくれないかなあ。。。。

と思っていたら、こんな宿泊施設もオープンしていた。

ツリーピクニック アドベンチャー いけだ

これは大人向きだ。レジャーというより、森の樹上で夜を過ごすことがワクワクする。この樹上テントサイトでは焚き火もできるらしい。ただ地上3~4メートルというのはイマイチ。もっと高くしてほしい。それに、ほかのアクティビティはアスリート系だな。。。

こちらも、実は私は昔から考えていた(笑)。

これは実際に樹上でテントサイトをつくる仕掛けが考案されていて(関西大学探検部)、マダガスカルの熱帯雨林で使用済みのものがある。それをもっとレジャーに活かせないかと思っていたのだ。

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私も登らせていただいた。これで地上10メートルぐらいはあったか。二メートル四方のサイトだから、一人か二人が泊まるのがせいいっぱいだけど。

もっと森のレジャー施設の多様化を研究したら、面白い物がいっぱいできるよ。

 

 

 

 

2021/03/20

仏隆寺に行ってきた

奈良県宇陀市の山間にある仏隆寺に行ってきた。

この寺、関西人なら知る人も多いだろう。桜の名所だ。ただし本数が多いのではなく、巨木の桜があるから。また秋は、曼珠沙華、ヒガンバナが咲き乱れる。

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ただ桜はまだ早い。だが咲いていない方がいいのである。満開時期には何百人と押し掛けて駐車場も小さいため大騒動になるからだ。何キロも歩いていくほどだ。その点、蕾も硬い今ならのんびり見られる。(何を見るんだ?)

実は隠れた価値が仏隆寺にはある。

それは大和茶発祥の地ということ。それは日本の茶の故郷ということ。

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中国から持ち帰った苗を植えた伝説がある。それが全国に広がったと。茶の木は自生していたとも言われるが、茶文化は中国から伝えられたのは事実だから、まあいいか。今の仏隆寺には、参道の周辺に繁っている。

2021/01/05

樹木葬墓地が広がってきた

正月、娘に促されて母の墓参りをした。

私は墓参りが苦手である。あの、石の墓標に何の愛着も感じないからだ。娘は意外と律儀?で、「行かなくちゃダメでしょ」とせっつくのである。そこで訪れて、墓石を磨いて、花を供えて、線香を立てて、手を合わせてきた。

ところで、私はどこの墓に入るのだろうか。この墓に入るのか……と考えた際に、頭に浮かぶのは樹木葬である。

私が『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』(築地書館)を出版したのは、2016年だから5年前になる。ちゃんと重版がかかったから、そこそこ売れた本なのだが、発売直後はそれなりに声がかかって講演やら原稿執筆を行ったが、やがて音沙汰がなくなった。拙著のラインアップからすると特異すぎるのだろう。一見、森林とも林業ともつながらないからか。私的には樹木葬で森を守り育て、限界地域を活性化する壮大な可能性を描いたつもりなのだが。

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しかし、昨年あたりから再び声がかかり始めた。樹木葬墓地をつくりたいという人から連絡があるのだ。

実際、各地に「樹木葬」を名乗る墓地は増えてきた。ただし、私の基準からするとまがい物が多すぎる。なかには「木のない樹木葬」さえある。芝生に埋葬するのだ。スペインから輸入した巨大なオリーブの木を真ん中に植えて、その周りに石の墓板 (゚o゚;) を並べる「樹木葬」もあった。墓石の代わりに樹木を、という基本さえ無視されている。「自然に帰る」という理念もない。樹木葬の定義自体が蹂躙されたと言ってよい。墓石があるのに、なぜ樹木葬なのか……。単に墓石の周囲に花木があるだけだ。植木の世話は墓石以上に大変だし、遺族は継承が大変になるだろう。

 

そんな中、大阪府の公設霊園(大阪北摂霊園)に樹木葬エリアを設けて、今春開園するというニュースがあった。この霊園は総面積98ヘクタールもあり、山の中に広がる巨大霊園である。私も訪れたことがあった。縁者が眠っているからだ。
この広大な敷地の一部の森に生えている木を墓標にするドイツ式(正確にはスイス式)だそうだ。樹木葬エリアは「木もれびと星の里」と名付けるという。広さは6500平方メートル。232本の木立から自分で木を選び、その根元に埋葬できるようにするそうだ。ほか集合墓も設ける計画だ。計約2000人分の区画ができるという。契約金額は1件15万~120万円に設定するらしい。

まだ完成していないし、詳細はわからないが、私の定義する樹木葬になんとか含められそうだ。(定義については省略するが、世界的には「緑の埋葬」と呼ばれる潮流に関わっていること。拙著をお読みください。)

なぜ、各地に樹木葬墓地(エリア)が設けられるようになったかというと、近年、通常墓の契約数が減少しているからだそうだ。死者は増えているのに墓地が売れなくなってきたのである。一方で、2019年の墓の購入のうち4割が樹木葬だったという統計もある。これは母数がネットで墓の資料請求をした人の中で、という条件がつくし、何より樹木葬を名乗っているだけで、中身はいい加減なものが多いから数字そのものは信用ならないが、少なくても樹木葬(という言葉)は人気があって、希望者が急増しているのは間違いない。

しかし、本当に満足できる墓になるだろうか……私も、自分が入りたくなる樹木葬墓地を作りたいなあ。と、正月から終活を考えてしまったのであった。

2020/10/22

森林認証とウッドデザイン賞を取ったお菓子

日本では、森林認証がなかなか広まらない。いや面積だけはそこそこ広がってきたが……まあ、ほとんどの林業家や消費者から認識されていないのではないか。なぜって、利益に結びつかないからである。認証取ったって、木材価格が上がるわけでなし、売れる量が増えるわけでなし。

森林認証とはそんなものではなく、むしろビジネスのプラットフォームに乗るための条件であり倫理的な基準なのだ……と言いたくもなるが、日本の林業家と消費者が全然とんちゃくしないのでは話にならない。

そんなときに、森林認証を取得したお菓子があると聞いた。秩父である。

Photo_20201022164801サイトより拝借

正確には、SGEC/PEFCのCoC認証を取得したお菓子 「ちちぶまゆ」。マシュマロだそうである。

埼玉県秩父市の市有林がSGEC認証(国際的なPEFC認証と相互認証)の流通認証を取得しており、そこから採れた楓の樹液、つまりメープルシロップをつかっているからだそうである。今年6月に発売開始とか。

本来の森林認証とは、その森林の施業が環境に配慮しているかどうかを問われるわけだが、認証を取った森から採れる産物は、その流通経路を押さえればなんでも認証付き商品になる。

そういや森林認証付きシイタケというのがあった(宮崎県諸塚村)が、とうとうお菓子の世界に踏み込んだか……。

秩父では、天然林のカエデから樹液を採取して、それを煮詰めてメープルシロップを作っている。

051 シロップを採取中

秩父市および林業家は、この手の発想が豊かで、また扱いも上手い。私が秩父の樹液組合を訪れた際は、採れるカエデの樹液なんて量がしれているから、たいした実利に結びつかないのではないか、と思っていたのだが、秩父駅に降り立ってびっくりした。いきなりお土産物として秩父産メープルシロップのパンやお菓子類が並んでいたからである。ほか「カエデゼリー」とか「カエデサイダー」もあった。使用しているシロップの分量はごくわずかだろうが、とにかく使っていたら看板になる。そして結構な種類の商品が生まれていた。言い換えると「秩父産メープルシロップ」のブランディングに成功したわけだ。

そして、今度はお菓子である。秩父産メープルシロップというブランドだけでなく、そこに森林認証を被せてくるとは。

しかも、それだけに終わらず、なんとこの商品、ウッドデザイン賞を受賞したのだ。ウッドデザイン賞の基準て、なんなの?と思わないでもないが、この際、どうでもよろしい(笑)。

これこそ、日本における森林認証の上手い扱い方なのかもしれない。木材にこだわらず、森林認証はブランディングのツールとして使えるのだよ。

2020/08/09

樹木葬墓地で見かけたもの

相変わらず、近隣の墓地を見て歩くことがある。

最近は「樹木葬」を名乗る霊園が増えた。ここで拙著『樹木葬という選択~緑の埋葬で森になる』について紹介するのは抑えておくが、樹木葬の中身は百花繚乱状態で、みんな好き勝手にしている状態だ。

ただ、石の墓標でなく樹木の墓標にする理由の一つに、墓守が楽というのがある。森になれば、放置してもよいのだ。

しかし、近年の樹木葬墓地は、そもそも樹木葬と言いつつも石の墓標はあるし、植えるのは樹木というよりは低木の花の木。

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これ、正確には樹木葬ではなくて、庭園風墓地なのだが、これ、目茶苦茶管理が大変。

折しも私の訪れたとき、業者による大規模な手入れをしていた。

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おそらくお盆前にきれいに整えようということなんだろうが、本来(石の墓の場合)は各々の遺族が墓参りをして墓石を磨くと思うんだが、ここでは業者が草花の手入れをしている。墓石を磨いているかどうかまでわからないが、小さいし地面に埋め込んでいるからしれている。

結局、墓守を遺族がするのではなく霊園側に任せているということか。まあ、管理費は高いだろうと想像する。

一見、この手の庭園風の墓は人気を呼ぶのだろうが、多分長くは持たないな。遺族も、徐々に来なくなる(子息は高齢になるし、孫の代になるとなじみがなくなる)だろう。管理費もちゃんと払い続けるかどうか。払わなくなったら、永代供養と言っても、撤去の対象になるんじゃないかなあ。

で、こんな看板もある。

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そのうち霊園では経営が行き詰まることも考えて。

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ちゃんと霊園の裏には、メガソーラーを。

これが現実かね。

 

 

2020/07/06

イオンモールのトイレの装飾

さすがに今日は朝から雨である。九州はまたもや大変なことになっている。熊本に続いて、ほかの県も油断ならないだろう。私は、皆伐ではげ山だらけの山をたくさん見てきたので注視している。盗伐地はもちろん、合法的な皆伐跡地だってどうなるか。。。

ただ生駒はたいしたことない。

そこで買い物に出ようとしたのだが、車で行くにしても駐車場から店内に入る際に雨に濡れるのはイヤだし、その間だけのため傘をさすのも面倒だ。というわけで、選んだのがイオンモール。今年はほとんど行っていない。コロナ禍もあるが、なんだか最近は面白くない。並んでいるものが同じもので飽きがきたのである。それでも、屋内駐車場を選べば、濡れずに、傘をささずに店内に入れる。

そこで我が家から選んだのが大阪の四條畷イオンモール。大阪かあ。イヤだ。アホが感染する……じゃなくて人が多すぎないか。しかし車で20分かからないのだ。

まあ、広いし、平日だし、ソーシャルディスタンスを守りながら行けば大丈夫だろう。

この作戦?は成功。客は少なめであった。シネマもリバイバルものが多い。そんなわけで、ぶらぶらしつつ、トイレに入った。

そこで見たのが、これ。

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何かわかるだろうか。絵画でも彫刻でもない。

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なんと、苔であった。苔テラリウムか? ようするに垂直の板に苔を育ててインテリアにしている。

たまにインテリアの店で小さなビンなどに入れて育てる苔テラリウムは見かけるが、こんな壁の装飾用苔テラリウムは初めて見た。しかもイオンモールとはいえ公共の場だよ。なかなかイオンも尖っているではないか。

苔をもっと広範囲にインテリアにできるようになったら、森からの新たな資源になるのにな。

残念ながら、苔の生育はあまりよろしくないが(^^;)。苔って難しいのだよ。私も育てようと幾度かビンに採集してきた苔を移植したが、何がわかる井野しばらくすると衰退する。まったく放置して成功する例もあるのだが、何か条件かわからない。

ともあれ、こんな装飾を提案した人も、許可した人も、エライ。頑張って育ててくれ。

で、家に帰ると我が家一帯は停電していた。なぜ? とくに強い風も吹いていないのになあ。この雨は油断ならない。

2020/06/29

クロモジのクラフトジン

私は酒類の中でも、ジン飲みである。なぜか若い頃からジンをよく飲む。昔は安酒でさっさと酔っぱらうための酒のイメージがあったが、むしろチビチビ味わって飲むのが好きだ。

だから、近年のクラフトジン・ブームは歓迎したい。手づくりというか、小規模で個性的なジンづくりが世界的に流行っているのである。一つには、ウイスキーのように長い年月寝かせる必要がなく、スピリッツにボタニカルと呼ぶ植物性のハーブを漬け込んで浸出させればジンになるという安直さ?のせいかもしれない。だから焼酎メーカーなど、醸造できて、蒸留設備を持っていたらアルコール度の高い蒸留酒をつくれる。あとは漬け込むボタニカルの選定……でできると考えるのだろう。そういやコロナ禍で、酒造メーカーが消毒用(にも使える)アルコールを生産し始めたが、工程は似ているのである(笑)。

日本産クラフトジンも増えた。それぞれ特徴を出そうと、ボタニカルにこだわる。日本的なボタニカルを加えるることが多い。そういや以前、「季の美」というクラフトジンを紹介したことがある。それはヒノキを使っているからだった。

で、今回私が手にしたのは、これ。

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養命酒株式会社がつくった「香の雫」。この特徴は何か。特徴的なボタニカルは……。

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クロモジだった。クロモジは、日本特産で、最近はちょっと人気だ。もともと高級楊枝に使われていたが、その爽やかな香りが気に入られたのか、アロマにもなっている。クロモジ茶も開発されている。さらに飴もある。なかなか人気者なのである。

そこにクロモジ・ジンか。

ま、それだけなら、新機軸かというだけだが、ちょっと驚いたのは、養命酒は薬草を浸出させた薬用酒だが、その主力の薬草はクロモジだったのだ。日本で利用されているクロモジの大半が養命酒で使われているとか! だからジンにもクロモジを使うのは当然と言えば当然の選択かもしれない。

木材だけでない林業を考えた際、クロモジというのは、今後ちょっとしたブームかも。クロモジはクスノキ科だから、樟脳に近いスッとした香りを持つ。畑で育てるより山地が向いているようだ。しかも数年で育つ低木だから、経営的にも回転は悪くない。

なお、新潟のろくもじ株式会社がクラフトジン「ROKUMOJI」を開発したそうだ。こちらはクラウドファンディングで資金を集めての挑戦だ。ここにもクロモジが使われている。ほかアテビ(ヒバ)や茶、ドライアップル、アンジェリカルートなどが使われているそう。


ちなみに私は国産ジンに対して言いたいのは、奇をてらうな、ということだろうか。生姜だけを入れたジンとかもあったが、それって生姜酒である。。。。ジンとは、ジュニパーベリーの香りが基本なのである。ヒノキやユズや茶もいいが、肝心のジュニパーの香りがしないのはジンじゃないよ。ジュニパーはヒノキ科のセイヨウネズの実だが、日本で近いのはやはりネズ(ムロ、ネズミサシ)かね。香りは違うのだろうか。
球果は杜松子(トショウシ)というそうで、漢方の原料とか。

クロモジとネズを国産にできないだろうか。

 

2020/06/20

薪の価格は……どうなった?

先日、森林・林業白書で「特用林産物」、とくに漆について紹介した。

もう一つ大きな特用林産物(キノコ以外)と言えば、薪がある。燃料としたらバイオマス燃料が急速に拡大しているが、薪はそこには含めないんだ。木炭も大きいが、こちらはむしろ輸入が目立つ。しかし、薪はほぼ国産と言ってよいのだろう。

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生産量は、急減して2006年がボトムで、そこからじわじわと増えてきたようだ。(震災で落ち込んだ点は除く。)

2018年には4.8万㎥(丸太換算)となり、近年は5万㎥程度で推移している。生産量を都道府県別にみると、多い順に鹿児島県(8964㎥)、
長野県(8459㎥)、北海道(7932㎥)……。北海道はその広さと寒さからもっと多いと思ったが、そうでもないらしい。鹿児島が多いのは、カツオ節製造用かな。と考えると、薪ストーブ需要は長野県が一番多いのかもしれない。もっとも北海道は自給の割合が多そうだし、長野は首都圏など遠くまで販売している可能性もある。

ところが驚くべきは価格だ。長期的に上昇していると言えるだろう。とくに震災で生産量が落ちたときに急騰している。ということは、震災でむしろ需要は増えたのに、生産が滞ったということか。2018年は層積立米単価で2万6100円だ。(1層積㎥を丸太0.625㎥に換算)。
そういやホームセンターで見かけた薪も、ひどく高かった。一束760円などとある。同じホームセンターでも、数年前と比べて2倍になっているのではないか。それほど足りないのか。こちらはキャンプ用だろうが、高くてもイットキのレジャーなら買う人はいるだろう。

しかし、こんなに高止まりしているのなら、もっと生産に新規参入してもよいと思うのだが、そうもいかないのだろうか。

やはり薪にする木を伐りだして、割って、さらに乾燥……という工程はなかなか大変なんだろう。それに、たいてい配達が必要だろうし。

と思っていたら、本日の発見。

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これ、なんの木かわからない。剪定木だろうか。とにかく山積みなんだが、そこの看板に注意。

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「薪、無料」だった(゚д゚)。「自由にお持ち帰りください」だと。ようするに薪を生産しているのではなく、廃棄物処理か。ほかに堆肥もいいらしい。

こんな業者がいたら、せっせと薪を生産している業者はあがったりだな(笑)。

2020/06/18

森林・林業白書~特用林産物・漆で考えた

令和元年度森林・林業白書が発表された。

 私も一応ざっと目を通しているのだが、あんまり興味をそそる項目はなく……相変わらずの林業事情と林業政策。

そこで、つい目を向けたのは、特用林産物の項目。木材一辺倒の林業の中では、あまり注目されないが、産出額で言えば全体の半分を締めているのだから、特用という言葉が間違っているかもしれない。具体的には、食用のきのこ類、樹実類、山菜類、漆や木蝋など工芸品の原材料、竹材、桐材、木炭など……である。まあ、その中でも売上の大半、8割はきのこ類だ。

残りの中で比較的力を入れているのは、漆である。

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こんなグラフを見ると、生産量が減り続けてきたものの、ここ数年は少しだけ伸びている。が、面白いのは量(1・8トン)より自給率で、急回復を見せている。とはいえ、5%なのであるが。ただ、1980年前半は6トン以上生産していたのに、自給率は1%程度。
ようするに漆そのものの需要が激減したのだろう。何が減ったのかね。文化財は増えこそすれ減らないだろうから、民需がなくなったのか。

そして国宝・重要文化財用をすべて国産にするには2・2トン必要だそうだから、最近になって増産が叫ばれているのだ。

ここで、ふと思ったこと。

現在の漆は、ウルシノキを「殺し掻き」している。樹齢10数年程度のウルシノキをひと夏、漆を掻いたあと木を伐採する方法だ。中国が、毎年漆掻きをする「養生掻き」をするのと比べて、国産漆はこの方法だから質がよい……といった言い方をされている。が、それは嘘だろう。理由はその年の採取量を増やすために行われたのだ。つまり先のことを考えなかった。

だいたい日本も昔は、養生掻きをしていたのだ。1度採取したら数年休ませて、樹勢が回復したらまた掻く。たしか明治時代に目先の生産量を増やすため殺し掻きに変えたんじゃなかったか。しかし、ウルシノキを植えて10年~15年育てて、たった1年漆液を採取したら伐り捨てるなんてもったいない。仮に3年に1度の養生掻きにすれば、ものすごく生産効率を上げられるように思える。

それにウルシの実からは、をとることができる。江戸時代は、この実から蝋をとるための実の収穫もやっていた。木蝋はハゼの実などから取るが、ウルシの実からも取れたのだ。これは和ろうそくの材料として重宝した。この実の収穫のためにも、養生掻きだった。現在の木蝋の需要はどれほどあるのかわからないが、これも特用林産物なんだから。
現在なら、ウルシの花で養蜂をやることも考えられる。意外とウルシの蜜はよろしい。by 養蜂ジャーナリスト
そして太くなったウルシノキの材も使い道を考えたい。

ある意味、漆産業は林業の縮図だな。木材の生産も、目先の量の増加に走って持続性と長期展望を失い、木材以外の森林の多様な資源利用を捨ててしまった。結果、行き詰まる。

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とまあ、白書を見て、ここまで妄想を膨らませたのである。

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