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森と林業と動物の本

2026/03/04

お米価格形成の不思議な循環

ディスカウント店で、久しぶりに米の価格が4000円(5キロ)割れを見かけた。

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もっとも全部ではないし、他の店では相変わらず4000円台をキープしている。総選挙ですっかり忘れられてしまったが、物価高騰の象徴であった、お米。ちなみに「お米券」の配布はどうなった(笑)。イランケド

昨年からの米の価格は経済学の常道を外し続けていて、「足りないから高い」から「新米が大量に出ても高い」「売れずに在庫がたまっているのに高い」という状況が続いている。

一応、識者の説明では「高く買いつけたから、安売りできない」と言うもの。でも、高いから買う人も量も減っている。だからだぶつく。保管のための倉庫代も高くつくから、安くできない……という不思議な循環。

本当は安く放出して損切りするべきなのに、その決断ができないのは、米業者はこれまで価格形成に需給を睨んだ真剣な商売をしてこなかったからだろう。

思うに、昨年は備蓄米を放出したから、今度は高いままの米を買い取ってくれることを期待している。新年度予算にそれが組み込まれるのを待っているのだ。しかし、確実に政府が買い上げる保証はないわけで、ジリジリとチキンレースのようになってきた。

農協は、農家の安売りを邪魔して、必死で陳情しているに違いない。大臣が大臣だから……。

今年の新米が出始める7月直前まで粘るかな。それを過ぎたら古米扱いで、どうやっても高いままでは売れない……。

でも、写真にある秋田県の米が、いきなり3500円台というのは、多分、一部の業者が先週あたりから投げ売りを始めたのだろう。

今週の相場を見ると、こんな感じ。

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今週は青森、山県、茨城の米が下がった。いよいよ崩れだすかな。ウッドショックの際の木材価格も、暴騰したあげくに一気に暴落したからね。同じ軌跡が見えるようだ。

2026/03/03

スギ林1ヘクタールが生産する花粉量

毎度おなじみの花粉症の季節。

朝日新聞にこんな記事が出た。1面をぶち抜くデータ・ジャーナリズムだそう。

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読めないだろう。読まないでいい(^^;)。まあ、さほど新しいことは書いていない。花粉が飛散する予想分布図と、対策といえば無花粉スギ植林の馬鹿の一つ覚え。もう少し頭ひねれよ。

しかし、データと言うなら、もっと出してほしい数値がある。分布なんて気象庁もやっていることだが、そもそもスギの生産する花粉の量はいくらなのか。その点を調べていると、『森と花粉のはなし』(齋藤秀樹著)によいデータが載っていた。

それによると、オモテスギは平均40兆粒/ha。ただ豊凶の差が大きく、ときに1000倍の違いが出ることもあるという。
ウラスギは、平均的に少なく、オモテスギの4分の1くらい。
ついでにヒノキは、16兆粒/ha。

それを重さにすると、1ヘクタールのスギ林で多い年には1000キログラムになる。ときに1・5トンを超える年もあったそうである。ちなみに花殻も同じぐらい生産する。すると2トン以上か。
多いように聞こえるが、桜と変わらないとかシイはスギより多いとか、多種多様な樹木の花粉はとてつもなく多くの花粉を生産しているのだ。

こうした数値を並べると、すごい量だが、そのうちどれぐらいがどこまで飛んで行くか、が重要だろう。ある程度は林内に留まるというか、そのまま地表に落ちるのは何割か。花粉だけでなく花殻も花粉症の元だった記憶があるが、

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スギはクローン挿し木苗をつかうと老齢化して、花粉量が増えるという。やはり実生苗を植林した方がよいのではないか。

2026/03/02

なんで、こんなマグカップで…

ななんで、こんなマグカップでミルクティーを飲んでるんだろう。。。

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プーチンが、マグカップになるほど、人気だった時代があるのだ。もっとも裏はオバマなんだが。この頃は、両者に期待する人も多かったはず。

今はプーチンもトランプも下品極まる悪辣なリーダーになってしまった。日に日に世界は悪くなる……。

昨日、インスタなどでアップしてしまった安倍晋三湯飲みは、彼の葬式の引き出物として配られた萩焼だが、こちらは人気みやげ物。思えばこうした個人の記念モノは、後の世にどんな価値を見いだせられるだろうか。

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名前や顔写真を入れて価値か出るか、もしかしたら将来の笑い物になるか。

「名を残さぬ偉人」に憧れる。そして、ちょっぴり、その名を記録してあげたくなる(^^;)。

2026/02/27

マザーツリーの恩恵

もっとも古い神社と言えば奈良県桜井市の大神神社(おおみわじんじゃ)を思い浮かべる人もいるかもしれない。本当に最古かどうかはともかく、本殿がなく、ご神体は三輪山という自然信仰が原初の神道だからだ。天皇だとか、先祖ではないのである。

そうした自然そのものをご神体とする神社はほかにもあり、先日訪れたのが三重県大台町の大杉神社。

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まさに大きなスギがご神体だ。これ、直径1・5~2メートルはある。樹齢も1200年とも2000年とも言われている。
ここは大杉谷の入り口辺りで、かつては伊勢神宮の遷宮のための木を出していたらしい。多くのヒノキが伐られて供出されたが、このスギは生き残りなのだろう。この周辺には、ツガやモミなどの大木も多くあった。

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私はペタペタ触ってきた(^o^)。いいのだよ。神社総代が「木は触らないとわからん」と言ったのだから。

まさにマザーツリーとも言える代物である。そして、マザーツリーであることを証明するものが拝殿内にあった。

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これは切り株なのか、自然に折れたのかわからないが、ようするに根っこ部分だけ。しかし、よく見てほしい。辺材部分が盛り上がっている。

もちろんこの株に、枝葉などない。地病1メートルくらいのところで折れて(伐られて)いるのだから。しかし、生きている。芯部は枯れて腐朽しているが、生きて成長しているのだ。

おそらくマザーツリーから養分をもらっているのだろう。根っこが絡み合体しているのか、菌類の菌糸でつながれているのかわからないが、巨木から養分をもらっているから生きていられる。おそらく数十年以上経っている。

実は、この株のほんのすぐ横、拝殿の外にも切り株がある(1枚目の写真の左端)のだが、それは枯れて腐朽が進み、崩れつつある。その株にはマザーツリーは養分を送れなかった。マザーツリーの恩恵は限られたものに与えられるのである。

2026/02/26

シカ肉を料理する

シカ肉をいただいた。

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きれいな赤身。モモ肉のようだ。獲れたのは三重県の美杉村らしい。

血抜きなど手間のかかる食材だが、調理次第で味は変わる。

とりあえず第一弾として、臭み消しに生姜とニンニク、醤油につけ込んで焼いてみた。油はたっぷり目。火加減がまた気をつかう。焼きすぎたら硬くなるし、脂が少ないのでパサパサになりやすい。でも下手に赤身を残すと、E型肝炎ウイルスを豊富に含むとかで怖い。レアやミディアムよりは、ウェルダン。

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実に軟らかい。大成功であった。うめえ。ジビエの滋味を感じる。

そこで、次はあえて味付けは控えめに.シカ肉の味を試すために、塩コショウだけで焼いてレモン汁を振りかける。

……軟らかいのだが、味が弱い。焼きすぎたか? この難しさが、ジビエ普及の壁かもしれない。

あるジビエ業者が言っていた。「ジビエなんかうまくない」「正直嫌い」だけど、牛肉や豚肉に近づけるように料理するとよい、と。

実は、この業者はレストランも経営しており、大人気なのだ。そしてジビエもどんどん売れる。でも、多くのジビエ業者は、ジビエを特別なイノシシやシカの肉として売ろうとするから失敗する。

牛肉と同じように調理するのではなく、牛肉に近づける調理。

なかなか意味深だ。

2026/02/24

日本最初の林業博物館

昨日紹介した神宮美術館の前には、神宮農業館がある。

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明治24年の内国博覧会の建物らしいのだが、雰囲気ある 外観だ。登録文化財指定だそう。なんでも平等院鳳凰堂をイメージして建てられたとか。そして日本で最初の産業博物館だとある。そうか、当時は工業などより農業こそが産業だったのだ。

陳列しているのは、一方に下賜品や皇室の稲に関する儀式の資料が並ぶが……もっと幅広く展示していた。農業だけでなく、むしろ農林水産業、いや自然科学系博物館に近い。日本最初の博物館だった。

内部撮影が禁止なので、展示物をお見せできないのが残念( ̄∇ ̄;) 。だが、林業資料も少なくない。銘木など木材の見本や巨木の薄切り、ヒノキの挽き割りした大板……。さまざまな大鋸。樹木を伐りだす様子も展示してある。

そして驚くのが蝋でつくった蝋製の植物見本。今なら造花を初めとして合成樹脂製の植物模型があるが、それ以上の精密さで草花を蝋で製造していたのだ。この技術、今も残っていないのだろうか。芸術的でもある。

そして、驚きのニホンオオカミの頭骨標本。こんなところで出会えるとは。
ニホンオオカミとは何か、という考察も面白い。

いやあ、規模は小さいが、博物館マニアとして楽しめるよ。
神宮美術館には、横山大観を初めとする名画もあったが、私は、こちらの方が好き(^o^)。

あまり人気はないのだけど、価値あるミュージアム群であった。

2026/02/23

神宮のタイワンヒノキ

伊勢の神宮美術館の庭に、タイワンヒノキが植えられていますよ、と教えていただいたので、行ってきた。

神宮美術館とは、伊勢神宮の外宮と内宮に関する美術品を展示しているところで、近くに神宮徴古館と神宮農業館、そして別宮の倭姫宮のある一角。

伊勢神宮に参る人は多いが、こちらに足を伸ばす人は少ないのではなかろうか。

そして、美術館には「四季のこみち」と呼ばれる庭園があるのだが、そこをうろうろしたら、ありましたよ。

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たしかにタイワンヒノキだ。考えてみれば、日本で生きたタイワンヒノキを見られるところはあまりないように思う。どこか食物園に植えられているだろうか。先日の新宿御苑でも、タイワンスギはあるのにタイワンヒノキはなかった。その点からも貴重な一本。

日本にタイワンヒノキを植えて林業につなげようという動きはなかったのか気になる。逆に考えれば、なぜ神宮美術館の庭に植えたのか。美術館は平成5年に建設されたとあるから、30年ほど前だ。この木は根周りの太さからすれば樹齢30年どころではない。

しかし、なぜこんなに枝分かれしているのだろうか。タイワンヒノキは、少なくても台湾ではスックリと太い幹が伸びているものだったのだが。
日本のヒノキでも、これほど枝分かれした木を見た記憶がない。もしかして、苗を密植して癒着した? それなら美術館建設と同時に植えても、これぐらいの太さになるかもしれない。

なお、この庭園には多くの樹木が植えられていて、さながら樹木見本園だ。なかにはケヤキやメタセコイヤの巨木もあった。

ともあれ、生きたタイワンヒノキの貴重な見本である。

2026/02/20

花手水の商店街

東京のことはもう書かないつもりだったが……(笑)。

門前仲町の深川不動尊の商店街には、各店舗の前に「花手水」を置いていた。

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深川不動尊の手水でもやっていたから、お寺発なのかもしれないし、これだけの花はお寺の供花かもしれない。でも、備えた後の花の再利用になるのなら、素敵な試みだ。町おこしにもなるだろう。萎れた花も、水に浮かべると、生き生きして蘇る。花の寿命を伸ばす効果もあるのかもしれない。

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さっそく私も、真似ることにした。

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庭のバケツだけど(笑)。

 

2026/02/19

タイワンスギとコウヨウザン

実は先週末は、東京に行っていた。その気配を感じさせないようにブログに書き込みを続けていたのだが、あえて書きたくなった(笑)。

隙間時間で訪れたのが、新宿御苑。ここの温室が見たかったのである。と言っても、温室というより「あの植物園?」だろう。

たしかに今は亜熱帯・熱帯植物の植物が満載のドームなのだが、私が見たかったのは戦前、とくに明治期にここに築かれた温室だ。そこで福羽逸人が各種の西洋野菜や花を育てて日本の園芸、それも施設園芸を繰り広げた原点の様な場所だから。

実は、それに関する展示もあった。そこには明治40年の温室の写真があった。

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なんか、西洋の宮殿みたい。温室と言っても現代の実利的なものではなく、かなりオシャレなものだったらしい。ここで現代に続く大粒の福羽イチゴを生み出し、ブドウやメロン、パイナップル、あるいは洋ラン、バラなど様々な花を栽培していた。

その歴史も面白いのだが、ここではもう一つ。

温室とは別の場所だが、タイワンスギが植えられていたのだ。これ、タイワンヒノキの陰に隠れているが、台湾固有種で珍しい針葉樹。

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コウヨウザンも台湾原産とされるが、どちらもスギの仲間だ。正確にはヒノキ科だけど。

そこに日本のスギを持ち込んだのが土倉龍次郎なわけだが……龍次郎はコウヨウザンの植林も考えていたらしいのに、タイワンスギには注目しなかった。

単に知らなかった(タイワンスギが発見されるのは日本領有後)のかもしれないが、調べると非常に成長が遅いらしい。

コウヨウザンは成長が早いことで期待されているが、好対照だ。

でも、御苑内の御涼亭という台湾邦人から寄贈された中国式離亭の柱はタイワンスギだった。木質としては、密で美しく見えた。その点、コウヨウザンは荒い木質で知られる。建築材料としてはタイワンスギの方が優れものなのではなかろうか。

日本のスギより成長が遅いのなら林業向きではないかもしれないが、建材としての木材を考えるなら、こんな樹種も含めて幅広く検討してもよいのではないかな。

2026/02/15

マツタケと名にはつくけれど

ブンゴツボマツタケという珍しいキノコ発見のニュース。

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国内4例目だという。

やはり目を引くのはマツタケと名にあること。匂いもマツタケそっくりとある。

マツタケに似た名前と言えばバカマツタケ、ニセマツタケ、マツタケモドキ…といくつも別種があるのだが。匂いまで同じというのはバカマツタケだけだ。

ならば食用に期待できるのか?

だが、決定的な差がある。ほかのマツタケ近縁種は、コナラなどの樹木に寄生するが、ブンゴツボマツタケは、テングダケ類に寄生するのだ。

記事にはシラカシの根本に生えていたとあるが、正確にはそこに生えていたテングダケ類に生えていたのだろう。

そしてテングダケは、猛毒キノコ……。

ブンゴツボマツタケが食べられるかどうかは記事に触れていないが、そもそも希少キノコだけに調査もされていないはずだ。

もしテングダケの菌糸を取り込んでいたら、毒があるかもしれない。

さて、見つけても食べる勇気があるかなあ。

 

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