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森と林業と田舎の本

2019/08/14

サバイバル植物、玄関編

拙宅の玄関前の石に草が伸びてきた。

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どこから生えたのか。

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これが根元。完全に石から生えている。正確に言えば窪みがあるのだが、とくに深くもなく、さほど土も溜まっていない。せいぜい5ミリぐらいか。だが太い茎。どうやら窪みの底にひびが入っていて、そこに根を伸ばしたらしい。しかし、少々引っ張っても抜けないほど、しっかり生えている。一時は高さ50センチくらいになっていたが、折り取ったのにまた復活するのだから、たいした生命力だ。

これぞ、久々のサバイバル植物に認定しよう。

2019/08/12

思い出す、ガダルカナル島の旅

昨夜,NHKスペシャルで「激闘ガダルカナル悲劇の指揮官」を放送していた。

南太平洋ソロモン諸島のガダルカナル島。太平洋戦争の構図が変わった南洋の島だ。日本軍が建設し完成直前の飛行場をアメリカ軍に奪われ、それを取り返そうと派遣されたのが一木支隊。先遣隊916人が1万人を超すアメリカ軍に攻撃を仕掛け、全滅した。ま、その裏で陸海軍の思惑の違い(というより足の引っ張り合い)や情報の途絶までグダグダの内実が示されるのだが……。

私がガダルカナル島を初めて訪れたのは30数年前。かつての激戦地は、現在ソロモン諸島の首都ホニアラになっている。飛行場もホニアラ国際空港だ。ここに降り立った時は、やはり感慨深いものがあった。当時はヘンダーソン飛行場と呼んだような気がする。アメリカ軍時代のままの名前である。ちょうどアメリカ軍との死闘が始まった8月だった。
これはメラネシア一人旅であり、私の目的はまったく別のところにあったのだが、否応なしに過去の戦争と向き合う旅だった。

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ガダルカナル島レッドビーチ。アメリカ軍の上陸地点。日本軍の血で赤く染まったから……と言われているが、実は血と全然関係なく、単に地点名を色で示しただけであった。だが、ここで多くの人が亡くなったのは間違いなかろう。海辺に残されていたのは、重機関銃の残骸だろうか。

ホニアラの沖合、サボ島やツラギ島の間の海は鉄底海峡と呼ばれている。当時の日本軍、アメリカ軍の船が多数沈没しているからだ。
そこをモーターカヌーで渡る際は、ちょっと緊張した。この海の下に幾多の艦船が……と、途中でエンジンが止まって遭難しかけた(^^;)。海底から呼ぶ声がしたって? そ、そんなあ……。

「日本製のエンジンなんだからお前が修理しろ」とほかの乗客から無理難題を言われたが、エンジンのプラグを外してみたら真っ黒だった。それを磨いたらなんとか火花が飛んで動き出した。今の電子制御のエンジンなら手も足も出ないが、思えば牧歌的?なエンジンであった。

当時のソロモン諸島は、独立後日は浅く、貧しいが平和であった。日本企業もそこそこ進出していた。大洋漁業の子会社ソロモンタイヨー。そして木材商社が幾つか。私は彼らのお世話になりながら旅を続けたのである。

その後2度目に訪れたときは、ホニアラも少しファッショナブルになっていて、商店が増えていた。発展しているように見えたが、実は貿易収支は赤字に転落、各国の援助漬けが始まっていた。
その後さらに経つと、民族間の争いが激化し、とうとう中国人商店街が焼き討ちされる事件が起きた。さらにニューギニアのブーゲンビル島独立紛争にも巻き込まれて治安も悪化する。日本企業も撤退が相次いだ。

幸い、現在は落ち着いたようだ。日本大使館も置かれたし、観光も盛んになっていると聞く。主にダイビングが人気だ。

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ソロモン諸島は、南洋材資源の最後の宝庫であるが、さほど量もなければ質もよくない。それに住民の所有意識が高いから、下手に伐採したら首を狩られる覚悟がいる。冗談抜きに争議が頻発する。

でも、中には黒檀の木もあるようだ。時折、黒檀による彫刻が並んでいる。街の土産物店に売りに行く島民がいるのだ。これは戦闘カヌーの舟首に掲げるものだ。
また石の像もつくられていた。こちらは西部ソロモンのムンダのもの。技術的にはさほど上手くないが、味のあるプリミティブアートだろう。ちなみに右の黒檀の首は、「ソロモンくん」と名付けている。

ソロモンに興味のある方は、拙HPの「ナンバワン、ソロモン」を見てください。

 

2019/08/11

アルキメデスは戦争を止められない

映画「アルキメデスの大戦」を見た。

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面白かった。簡単に紹介すれば、戦艦大和の建造を数学で止めようとする話である。具体的には、天才数学者が建造費予算の嘘を見破って計画を白紙にもどさせそうと、本当の建造費を数学を駆使して暴こうとするのだ。(それ自体が軍人に乗せられて行うのだが。)

もちろんフィクションである。実際の「大和」建設に際して、そんな動きがあったわけではなかろう。ただ、建造計画の議論の場に、理性と感情の対立はあっただろうとは思わせる。簡単に言い換えると、巨大戦艦は必要なのかという理性と、欲しいという軍人的欲求の対立だ。もっと言えば数字=科学=理性vs感情(巨大なもの、美しさかっこ良さ、古くからの伝統……)でもある。

実は、小中学生の頃の私はミリタリーマニアであった。だから戦艦大和や零戦に憧れた。やっぱり世界一の大きさと巨砲を備える戦艦、無敵の空戦性能……といった言葉に弱い。加えて兵器ならではの「美しさ」もある。

だが年を経て知識が増えると、戦艦大和がまったくデタラメな欠陥軍艦であることがわかってきた。工学的にも技術的にも戦術的にも経済的にも、まったく使い物にならない代物であった。だいたい艦内電話も故障が多くてあまり通じず、溶接技術も未熟(というより、機械が要求精度に達していない)な当時の日本に、巨艦を建造する能力があったのかどうかも怪しい。
さらに自慢の46センチ砲を撃とうとすると、周辺の副砲はおろか対空砲火さえ止まってしまうなんて戦闘艦にあるまじき構造だ。どんな設計思想なのやら。しかも命中率の低さは目を覆わんばかり。照準は目測なのだ。40キロ以上先の的を目で狙う。人間の技量を訓練で上げても誤差の修正範囲ではないか。対空砲火もまったくの役立たず。ほとんど当たらない。そもそも攻撃機の高度まで弾が届かない。
一方で不沈戦艦どころか、魚雷戦を意識していなかった。艦砲決戦のつもりだったから、喫水線の下に爆弾(魚雷)が当たることはあまりないと想定していた。しかも1本魚雷を食らったら舷側の鋼板がめくれ上がり、しかも反対側の舷側に注水するから、速度がガクンと落ちる。すると2本目3本目の魚雷や爆弾をくらい、確実に餌食になる代物だ。
何より燃料をバカ食いするから、出撃さえあまりできないとは……。もちろん航空戦の時代を無視した艦隊決戦の発想こそ馬鹿げている。
……とまあ、幼き頃の「巨大で美しい兵器」への憧れを「科学」「理論」の知識が打ち砕いてくれたのだ。

映画の中には「巨大で美しい軍艦ができたら国民は勘違いする」という意味の言葉が出てくる。まさに、私の記憶・感覚と一致する。
映画が描いたのは、今風に言えばフェイクニュース対理性の戦いではないか、と私は思いついた。
 

『絶望の林業』で書きかかったのは、もっと理論的に、科学的に林業を行え、ということだ。
地球温暖化防止のために間伐をする? 花粉症対策に間伐をする? 伐期が来たから皆伐する? 大面積皆伐をしても、森林全体の生長量以下だから大丈夫とはどんな生態学の知識を持っているのか。(持っていないからアホなのか。)
材価が下がっているときに生産量を増やすという経営のイロハを無視した政策。純益以上の補助金を注ぎ込んでいるのに「儲かった」と思ってしまう能天気な計算能力。
伐期とはなにか。間伐とはなにか。言葉の意味さえまともに理解していない林野官僚。
CLTが林業を救う? バイオマス発電が林業を活性化する? セルロースナノファイバー? 早生樹植林? 
まともなマーケティングもできなければ商品開発もでたらめ。
自身の頭で考えて判断しない(させない)林業現場。技術も「身体で覚える」のであって、頭は使わない。
そして役立たずすぎる法律と好き放題に運用する行政と司法。

それらを指摘する数学ならぬ科学的な知見はある。一つ一つ、論破できる。

だが、フェイクニュースで煽られた感情は、常に理性より強い。映画でも史実でも、戦艦大和は建造されたのである。そして撃沈されたのである。
日本の林業も非科学的政策の元に沈没していくのだろう。

戦争も林業も、理性的に行えない。それが日本人か。。。
 

2019/08/10

もう一つの「働き方改革」を

朝日新聞8月7日の「経済気象台」に、こんな記事が。

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このコーナーで林業を取り上げるのは稀だろうが、なかなか含蓄深い言葉が並ぶ。筆者は「第一線で活躍している外部の経済人、学者」だというが、林業についてそれなりの情報を持つ様子だ。果たして誰だろうか。

舞台は北海道のようだが、「持続的に森林を管理するのが本来の林業である。それを無視して切り尽くし、その後、同時期に同じ樹種を植えるという目先の対応のツケが回ってきた。

そして持続的な林業を行っている林業家と、彼が語ったエピソードを紹介しているが、そうした人がいかに例外的で珍しいかということを暗に語っている。

そこで働く人たちが自分の仕事に誇りを持てる働き方とは何か考える

昨今語られる「働き方改革」とは、残業を減らすなど労働条件の見直しを意味して使われている。それも大切……というより、当たり前のことだが、もう一つの働き方改革が必要ではないか。それは誇りを持てる仕事にするための働き方を模索することだ。

最近の林業を職業と関わっている人は、本当に今やっている施業方法が正しいと思っているのか。疑問は持っていないのか。持続的な森林経営になっていると言えるか。そして誇りを持っていると自信を持って他人に語れるか。

森林所有者、もしくは組織のトップに問いたいのはもちろんだが、その下で働いている人にとっても同じ。疑問を持っても下手に上司に進言して不興を買うと困る、同僚とも人間関係が悪くなる、もしかしたら給与や待遇、出世に響く……だから言われた通りにやっている……人も多いのかもしれない。あるいは「そんな難しいことは考えない。俺は木を伐るのが好きなんだ」「今儲かればいい、将来はそのときのこと」と言い聞かせて思考停止に陥っているか。
それって、自分の目先の事情のために森に犠牲になってもらう、ということだからね。そんな働き方が、果たして「誇り」になるのだろうか。

 

 

2019/08/03

善光寺余談

長野では、ほとんど次世代森林産業展会場(と夜の飲み屋)だけしか足を運んでいないのだが、さすがにそれではマズいと駆け足で寄ったのが善光寺。

そこで月並みの参拝観光をしたのだが、ちょっとだけ気づいたこと。

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本堂のフローリング……と呼ぶと妙か。ともかくケヤキだろうが、この分厚さ。柱も目につくのはケヤキであった。

ただ内陣のフローリングは針葉樹かも。

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この浮き上がった節が素晴らしい。幾人もこの上を歩き、節以外は磨耗したのだろうが、それが自然のデザインになっている。
ちなみに内陣の撮影は禁止だった。この写真を撮った後で気づいたよ。まあ、仏像などは撮っていませんから……。

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善光寺最大の行事とかの回向柱。7年に一度立てるのだそうだが、10本並んでいて、それが順々に朽ちている。つまり7年ごとに木が朽ちていく様子を目にできる回向、じゃない趣向。本当に最初からここに立てたのか、後から移動させたのかはわからないが、木質の腐朽性実験地になっていて面白いと思ったのであった。

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70年前の回向柱?

2019/07/31

長野市の街路はカツラ!

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長野市に来ている。

そこで善光寺への道を歩く。大通りは電線も地中に埋められ整備が進んでいるが、ふと気がついたのが木の灯籠。通常、石灯籠だと思うのだが、ここでは木灯籠だ。珍しい。

そして街路樹はカツラが目立つ。カツラの街路樹って、初めてだ。かなり珍しいのではなかろうか。しっかり水をあげないと枯れないか。

善光寺の巨木柱にはケヤキが多かったように思うのだが、カツラも使っていたそうだ。それが影響しているのだろうか。

木灯籠とカツラ。これが長野市のイメージとなるかな。

 

2019/07/28

切株の…周りの生態系

以前から不定期で「切株の上の生態系」を紹介してきた。伐採された跡に残された切株は、地面より少し高いところに切り口があるわけだが、そこに新たな萌芽が伸びたり、飛んできた種子が切株上の窪みに落ちて根や芽を出して伸び、あたかも底に新たな生態系をつくっている……姿を見つけたら写真を撮って紹介してきた。

今回見つけたのは、「切株の上……」ではなかった。

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この切株、地面すれすれで伐っている。これでは地面と変わらぬ植物が生えてくるので違った生態系になりにくい……と思っていた。

が、よく見ると、そうでもない。切株の周囲に草が集中して生えているではないか。周りは落葉はあるが、草が生えていない。

なぜだろう。一つ考えられるのは、切株が腐って栄養分を周囲ににじみ出しているので、草の生長がよいという可能性。

だが、それだけとも思いにくい。枯れたとはいえ「寄らば大樹の陰」効果もあるんじゃないか。あるいは根張りの隙間に草が生えるとライバルの草が生えにくいとか、何か草にとって都合のよい面があるのかも……とか想像してしまう。

何か、もっとはっきりした理由はあるだろうか。誰か研究していないか。

 

2019/07/24

3万年前の台湾にスギはあったか

国立科学博物館が主催した「3万年前の航海プロジェクト」というのがある。すてにニュースにもなったが、台湾から与那国島へ丸木舟で渡る実験航海だ。

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詳しくはリンクしたHPを見てもらうとして、そこで疑問なのは丸木舟が台湾でつくられたのにスギ材からつくったとされたこと。名前もスギメと名付けられたとか。

あまり詳しく舟づくりは紹介されていないのでわかりづらいが、台湾台東から石斧で伐りだしたスギの大木を石斧でくり抜いてつくったという。

Img_03 HPから借用

 

しかし、スギは日本の固有種で台湾には基本的にはない。いや、実はあるのだが、それは明治の日本人が植えたものだ。実は、先日の私の台湾行きで見てきた。これを見るのが目的だったと言っていい。

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これは台北南部の山中にあったスギ林。土倉龍次郎が持ち込んだとされる。ただし、写真のスギは直径40センチまでだから、明治の植林ではなかろう。一度伐って再造林したか。


一方台東の丸木舟づくりでも、一応ちらりとスギ林が写っている。それも太い。戦前に植えられたスギ林が今も残されているのだろうか。それとも丸木舟づくりは日本で行った? それを台湾まで運ぶのか?

解せないのは、国立科学博物館とあろうものが、3万年前に台湾にスギは生えていなかった、ということを知らなかったとは思いにくい。なぜスギを使ったのか。タイワンスギでもタイワンヒノキでもあるだろうに。一瞬、タイワンスギかと疑ったが、あの樹皮はやはりスギだと思うなあ。ちなみにスギは繊維が真っ直ぐで丸木舟をつくるには適していると思う。

今のところ謎だ。基本的な舟づくりに関することを詳しく発表してくれないと、プロジェクトの意義が下がると思うのだが。誰か教えてくれ。

 

 

追記・以上をアップしてから、改めて調べてみた。すると、何のことはない、丸木舟は日本で、東京でつくられたのであった。博物館内で。

この丸木は、石川県の能登半島に植えられていた「杉の木」です。NHKスペシャル「人類誕生」をご覧になった方々にお教えしますと、「番組で倒されたあの木がこれです!」。樹齢は140歳程度。直径1m、切り出して持ってきた状態での長さは7.5mの大きさでした。昨年9月に能登で行なった伐採実験で、3万年前に存在した石斧を3万6千回も振るった結果、6日目に切り倒すことができました

スギを使ってよかったのかなあ。

2019/07/22

シカは川の環境を変えるか?

かつてシカは、絶滅が心配される動物だった。ところが今やシカの増加が問題になっている。その理由の大きな点は、「シカの食欲」にある。人間のつくる田畑だけに留まらず森林まで食べ尽くす勢いだ。

シカの食欲が、農作物への被害に始まり、人工林の植林地を全滅させるケースもある。さらに進むと、原生林の植生を変えてしまうことが指摘され始める。今では、そうした天然林の変化が哺乳類や鳥類、そして昆虫などの生存を脅かしていることも指摘されだした。ほかにも菌類への影響とかの研究もあったか。

私も、シカが林床の草木を食べて蜜源をなくすことで、ミツバチが生きて行けず、養蜂をも危機に陥れている可能性を指摘した記事を書いている。

国産ハチミツが大不作。その原因を探ると意外な現象が見えてきた

そして、今度は、川の生態系も変えてしまっているんじゃないか、という研究があることを知った。

行ったのは京都大学東南アジア地域研究研究所へ特定助教中川 光さん。

京都大学芦生研究林で地元の方から「シカが川岸の植物を食べたせいで魚が減ってしまった」という話を聞き、「本当に芦生の川の魚は減っているのか?」とデータを調べ直したそうだ。

芦生研究林は大学の森というよりは、近畿地方有数の自然林として有名だろう。地元ガイドによる観光ツアーも行われている。ただ森の林床は1990年代までは多様な草木に覆われていたが、シカの食害が進んで、2006年ごろから林内の大部分の地面がむき出し状態だという。

2007年5月から11年間に調査地で観察された魚のうち13種のデータを確認すると、ウグイは最初の頃は毎回200個体近くが観察されていたのに、ここ数年は100個体も見られないようになっていた。ウグイの産卵場所は砂のない川底である。逆に砂地が好きな魚カマツカの個体数が増えていた。そして川底の環境は、大きな礫に覆われた川底がこの10年で減少して、砂地の面積が増えている傾向がみられた。

芦生研究林の川ではこの11年で川の環境が変化し、それが魚の個体数にも影響していることは間違いなさそうだ。問題は、その原因。その流域では、人間が伐採などの環境攪乱はしていない。だからシカの食べ尽くしによる林床植物の消失が、土砂の流出を増加させて調査地の川の環境が変化し、魚類の個体数にも影響を与えたのではないか?

結論としては、「川岸の草をシカが食べた」から川の魚が減った……という明確な答が出たわけではない。ただ可能性は浮かび上がったわけである。

詳しい内容は「シカの個体数増加が川の生きものに与える影響とは ? 10年におよぶ研究林の調査データから明らかにする」をお読みください。

 

私の感想は、いよいよシカは悪者になってしまうなあ……である(^^;)。ちなみに、奈良公園では、今春生まれたバンビが元気に走り回っているぞよ。

2019/07/17

国有林の研究現場のポータルサイト

林野庁のHPの中に、ひっそり?と「国有林野事業技術開発総合ポータルサイト」がつくられたのをご存じだろうか。

これまで国有林で研究されたものを以下の5つに分類して見られるようにまとめたものだ。

〇森林整備(造林・保育)
コンテナ苗、エリートツリー、一貫作業システム、下刈省力化等
〇素材生産
作業システム、林業専用道、生産性向上、利用間伐、皆伐、バイオマス等
〇経営管理(施業方法)
天然林施業、長伐期施業、天然更新、複層林等
〇森林資源調査
航空レーザ計測、ドローン、GIS、リモートセンシング等
〇森林保全
病虫獣害対策、生物多様性保全等

何も新たに研究開発した技術ではなく、これまで全国に7カ所ある森林技術・支援センターで各々行われた森林管理に関する研究成果を、直近5年間を一括して見ることができるようにしたものだ。これまでは7つ各センターのサイトをめぐって検索しなければ見つからなかった成果をポータルサイトで横断的に見つけられるようにしたのである。

民有林を保有する企業向けを意識しているようだが、もちろん個人の林業家でも参考になるだろう。

ふと気づいたのだが、これを担当するのは国有林野部なのだな。林野系の研究機関と言えば森林総合研究所を始めとする国立研究開発法人森林研究・整備機構を連想するが、それとは別に国有林内(森林管理局・署内)にも研究する部門があったのだった。

だから最後に「国有林野事業において実施した技術開発の成果です。これらは、開発した時期・場所・気候等の諸条件に基づく結果であり、必ずしも普遍的なものではありません。」という一文も付いている(^^;)。

こちらは意外と穴場? 私もネタ探しに森林研究現場のネットサーフィンをすることがあるが、各森林管理局・署は外れていた。一応、林野庁の報道発表されているのだが、おそらくマスコミはおろか林業専門誌の記事にもなっていないし、気づいた人は少ないのではないか。奥ゆかしいというか、相変わらす広報が下手? せめて森林総研などのサイトとリンクしておくべきだろう。

だから、私が細々とお知らせのお手伝いをして上げているのだよ(⌒ー⌒)。

今のところアップされている情報は大した数ではないが、今後増やしていく予定だそうだ。なおサイトは、PDF化したときに2ページに収まるようになっている。

 

 

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