「古代文明」から考えるグローバル化
NHKのEテレで「3か月でマスターする古代文明」という12回放送をやっている。もう10回まで来てしまったが、非常に面白い。ワクワクしながら見ている。
当初は“3カ月でマスター”とあるのだから、各地の古代文明史のダイジェストかと思ったのだが、そうではなかった。最新研究結果をぶち込んでくる。それも予想外の事実ばかり。
農耕以前の狩猟採集石器時代に、すでに巨石建造物がつくられていたというギョベックリ・テベ遺跡(約1万1000年前)。
多様な民族と言語と宗教を保った寛容の王国ヒッタイト
王も富も武器もないインダス文明
元祖民主政治を生み出したギリシャのポリス・ネットワーク
2600年間、統一王朝を造らなかったマヤ文明……
文明は大河のほとりに農耕が発達し金属の登場したことで都市が誕生し、社会が階層化して専制的な王が登場し、それが周辺国家を征服して統一王朝を生み出していく……といったイメージがガラガラ崩れる。
実は、古代文明は分権国家からスタートして、指導者は必ずしも王ではなく民主的な体制だった文明が多いのだ。戦争が多かったわけでもないらしい。むしろ近隣国家と平和条約を結んだという。
まだ全部終わっていないのに紹介するのもナンだが、以下のラインナップ。
第1回:衝撃!最古の巨大遺跡 見直される“文明の始まり”
第2回:メソポタミア 都市は“最終手段”だった?
第3回:ヒッタイト 過酷な大地の帝国の秘密
第4回:エジプト ピラミッドと黄金が社会を変えた
第5回:インダス 王も富も武器もない文明
第6回:中国 ?交雑“が生んだ王朝
第7回:原シルクロードと中央アジア 交流と繁栄
第8回:ギリシャ ネットワークが育んだ ?民主政“
第9回:オセアニア 巨大化する石像の謎
第10回:マヤ 多様性を王国の力に
第11回:アンデス1 ナスカ地上絵・文字なき文明の道しるべ
第12回:アンデス2 初めに神殿ありき
どうだろう。専制君主を生み出したのは、文明が発達して後の時代に進んでからだった。これは歴史ロマンで終わらなくて、人類が社会を造っていく過程と人間の本質を探れるのではないか……と思った。
そう、人類社会は、本来は分権的で民主的、そして多様性な社会をつくっていた。それが時代とともに中央集権的に移行する。おそらく物の大量生産と効率化を望んだからだろう。そして画一化を進めて大国化し異質な文化の排除に向かう。
これは、現代のグローバリズムに近いのではないか。民主的だった古代文明がグローバリズムに飲み込まれて帝国・王国を築いていくのだ。
翻って近代社会は、王政・帝政から再び民主制へと発展してきたものの、また権威主義という名の帝国化を望む地域・国も少なくない。やっぱり人類は画一化が好きなんだな、と思ってしまう。さまざまな意見・価値観・体制……などが混ざっている状態で丁寧に合意を形成して共存していくのは、効率が悪くて鬱陶しく不愉快に感じるのだろう、とくに支配者層には。
古代文明から現代社会までの歴史に、反グローバリズム、反画一社会という補助線を引いたら、見え方が変わってくるかもしれない。


















































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