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森と林業と田舎の本

2021/10/15

ススキvsセイタカアワダチソウ

子どもの頃、空き地があるかと思えば、そこに繁っているのはセイタカアワダチソウだった。どぎつい黄色の花穂は好きになれなかったが、身近な植物ではあった。その茎も、秋になると茶色で硬くなり、チャンバラごっこに向いている。

だが、最近はセイタカアワダチソウが減っている気がする。もちろん、まだまだ見かけるのだが、以前ほどではなくなった。

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もともと、こんな具合だった。これは耕作放棄されり棚田だが。

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徐々にススキが浸入している。レコンキスタ(失地回復)か。

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なかにはススキの方が優占しつつある場所もある。

セイタカアワダチソウと言えばアメリカ原産の外来種で、アレロパシーも出すし繁殖力が強いので在来のススキなどを押し退けて繁茂するイメージだったが……。実は、地表を攪乱するなどされた荒れ地には強いが、土壌が落ち着いてくると弱ってくる。どうも酸性土壌に合わないらしい。しかも日当たりを求めるから冬の間に他の草木に覆われると負ける。

かくして在来種の反攻が始まったのである( ̄∇ ̄) 。

ちなみに景色としてもススキの方が絵になる。私はよく平城宮跡にススキを見に行くが、なかなかの景観だ。現代的な建築物を写らないように写真を撮ると、古の都の気分に浸れるよv(^0^)。

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2021/10/03

奈良の古墳バナナ

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写真は、ボルネオのジャングルの一角で、10年ほど前に撮ったものだ……。

なんて書いたら、わりと信じられるかもしれない。実は奈良の一角だ。それも古墳のそば。仁徳天皇皇后の御陵ということになっているヒシアゲ古墳の濠の周辺。仁徳天皇陵は大坂の堺市にあるのに、なぜか皇后は奈良なんだね。でも全長219m、後円部径124m、後円部高さ16.2m、前方部幅145m、前方部高さ13.6mという堂々たる前方後円墳だ。

ま、そんなことはどうでもいいのだが、そこにバナナが繁っていた。誰が植えたのか、もはや野生化している。なかなかの景色ではないか。

バナナそのものは観葉植物としての栽培も盛んで、わりと寒気に強い品種があるらしい。もっとも日本でも古くからバショウと呼ばれてあったのいるか。松尾芭蕉なんてペンネームもあるのだから(^o^)。生駒山にもあって、ちゃんと房が実っていた。意外とたくましい植物のよう。

ちなみに高さは数メートルに育つが、基本的に草である。毎年冬は枯れる。切り倒すと、断面は葉ばかりだ。それでもバナナが生えていると、いきなり熱帯雨林気分になるから、庭にも植えてみたいと思う。生長早いし、庭で探検ごっこができる、かも。

 

2021/09/27

奥山で見つけたもの

今日は朝から吉野の奥山へ。かなり奥地を何カ所も回ったんだが、そこで目当てのものが見つかったかというとビミョー……なんである。

そして車の冷房が、突然暖房に変わる経験をした。何事か、この生ぬるい温風が噴き出すのは……エアコンが壊れたのかと思ったが、よく見たら外気温が18度。我が車は、夏の間、エアコンを22度~24度に設定していた。どうやら外気温がそれを下回ったら、その温度まで車内温度を上げるために暖房になるらしい。さすがに、すぐ切る。

でも、こんなものを見つけた。

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キノコである。これが、珍しいの?と言われてしまいそうだが、ちょっと大きさがねえ。。。

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ま、それはいい。

目的地に着いて、ちょっと腹ごしらえと思って車の外に座り込んで おにぎりを頬張っていた。で、周囲を軽く探索……と思っていたら、こんな木を発見。この樹皮に付いている傷跡は……。

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大声を上げて威嚇し、すぐ車の中にもどったのはいうまでもない。

2021/09/26

ラクウショウの丸太

散歩シリーズ……というわけではないが、今回歩いたのは某生駒山系北端の森林公園。そこで見かけたのが、こんな木の伐倒。

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おや、スギが伐られている、幹に割れているところもあるから風で折れた木を処分したのかな……と思ったが、周りを見ると、ここはラクウショウのコーナーであった。

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ラクウショウは北米原産の外来種だが湿地によく生える。そして気根を地面からニョキニョキと突き出す姿がちょっと面白いから、わりと公園に植樹しているを見かける。葉はメタセコイヤみたいに鳥の羽根っぽい。道沿いに植えられると街路樹ぽくもある。来訪者向きなのだろう。

ラクウショウは落羽松と書く。冬には葉が紅葉して落ちる落葉針葉樹だ。ヒノキ科だからマツ科ではない。もう一つの名前がヌマスギ。そうか、スギと呼ばれるように樹皮の様子がスギに似ているわ。成長は早いようだ。

ふと、せっかく伐ってあるのだから、どんな木目で材質はどうなのかと思って覗きにいった。

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なるほど。木目は荒いが、スギに似ているかも。軽いし、成長早いし、沼に生えるんだから腐朽にも強いだろう。この丸太も伐って捨てているみたいでもったいない。木材生産用に植えてもいいんじゃないの? 傾斜のある山ではなく、水がたまりそうな谷に(^^;)。

 

 

 

2021/09/20

ベランダのツユクサ

仕事場に面した2階のベランダにプランターを置いているのだが、今年は何も植えなかった。まあ鉢植えはいくつかあるのだが、プランターには一年草系の草花しくは野菜を植えていたのだが……放置状態を続けると、なぜかツユクサの群落ができた。

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これまで生えていなかったのに、いきなり繁茂するということは、どこからか種子がプランターに落ちたのだろう。ツユクサの種子って、どんなものなのか。2階まで飛んでこられるものなのかね。まあ、自然の花壇のようになってよろしいv(^0^)。
ちなみに黄色いのがオシベで、雌しべは下に垂れ下がっている。

とにかく生育旺盛。雑草扱いというか雑草そのものだが、花がきれいなので許せる。食べられるそうだ。その意味では山菜・野菜。

 

2021/09/14

バイオマス発電、10年後コストは最高値

総合資源エネルギー調査会という経産相の諮問機関があるのだが、その中に発電コストワーキンググループという審議会がある。

そこで2020年と2030年の各電源別発電コストの試算を出していた。それが笑える。

2020 これが2020年のもの。

2030 10年後2030年。

どれだけコストが変わっていくか見てほしい。とくにFITで割高な電力料金を取っている再生可能エネルギーほど、どれだけ安くなるかが重要だろう。なぜなら発電開始して20年後にはFITは消えるのだから。

上と下を比べると、いずれもそこそこコストを下げているように見えるのだが……。石炭や石油が少し上がっているのは、むしろ使わなくするためでもあるのだろう。

が、バイオマス発電(専焼)はというと……。なんと、まったくコスト削減なし! 10年経っても、まったく変わらないというのだ。なぜなら燃料費が大半を占めていて、燃料となる木質バイオマスは年々集めるのが難しくなるから。技術革新とかスケールメリットもほとんどないのである。それでも必死で現状維持を保ったわけか。kWh当たり29.8円のままだが、これって、再生可能エネルギーの中で最も高いのである。

中小水力や地熱も、ほとんどコストは下がらない。その点、陸上風力や太陽光は、かなりコスト削減ができる。

これって、致命的じゃない? FITが切れたら即停止。即廃業するのは間違いあるまい。全国にバイオマス発電所の廃墟が生まれるかもなあ。

2021/09/13

世界中で消える草原生態系

かつて草原ジャーナリスト見習いだった片鱗がうずく話。

過去300年間の菅平高原の植生を追跡 ~国立公園化後に草原の減少は速まった~

具体的には、長野県上田市の菅平高原は、おそらく4000年前から草原で、少なくとも1722年には草原だったことが確認できるが、それが急速に失われつつある。その原因が国立公園への指定によって草原の減少を早めた可能性を指摘している。それはやはり、国立公園にある開発規制が、人の手を入れることを禁じたことによると思われる。
そして今はスキー場維持のために、草原が保たれているという。

まあ、これ自体が皮肉というか、ありそうな話だな、と思わせる。以前、京都の嵐山の美しい紅葉を守ろうと人の手を入れるのを禁じたら、余計に照葉樹林化して紅葉が消えてしまった話もあったが、人の手が維持する自然も多いのだ。

ただ私が興味を持ったのは、この記事の冒頭に「草原は近年、世界的にも日本国内でも過去に類を見ないほど減少」と記されていることだ。日本だけじゃないのか? 砂漠化の進行が問題になっているのだから、森林が疎林化して、さらに草原化するところも増えているかに思えたのだが、実は世界中で草原は減っているのだという。

おそらく、これは火入れの禁止など規制もあるが、より大きいのは植林の増加ではないか。中国やインドの森林面積が爆上がりしているが、これは従来樹木が生えていなかったところに木を植えたからだろう。でも砂漠へ植林しても、水がなければ育たない。その点、草原なら多少の水があるわけで、植林しやすいのではなかろうか。

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中国の砂漠で日本人が進めている植林事業。(写真はお借りしました。)一見美しい話だが、草原が森林になったら、草原生態系はなくなるわけで、それで絶滅する動植物もあるだろう。それでも本当に地球のためと言えるのか。


 

2021/09/11

9月11日にしたこと

SNSなどのタイムラインには、20年前の9月11日、自分は何をしていた……といった書き込みが目立つ。もちろんマスコミも、コロナや自民党総裁選だけでなく、9・11ニューヨークの自爆テロを振り返る特集が幾度も繰り返される。

では、私は何をしていたのか。

朝起きてつけたテレビに、いきなりニューヨーク・ワールドトレーディングセンタービルに飛行機が突き刺さった映像が飛び込んできた。一瞬、操縦ミスとかパイロットの自殺かと思ったが、小型機ならともかく旅客機にそれはありえんな、と思いなおした。
すると2機目がもう一つの高層ビルに突入するのをリアルタイムで目にした。これで、確実に意図的な攻撃だと気づいた。しかし、これは自爆攻撃だ。いわゆる特攻隊である。

とはいえ、何が起きているのかまったく理解できない。どうにも落ち着かない。不安が頭の中をグルグル回る。そのうちテレビの解説だったか、イスラムのテロではないか……といった推測が流れた。それはどこかの国主導なのか?それとも……あまりに情報不足だ。

ただ、あまりのんびりしていられなかったと思う。その日は、取材を受ける予定があったのだ。東京新聞の記者が生駒まで来る。

それで車で生駒駅まで迎えに行って、生駒山中腹のカフェ・ラッキーガーデンに連れて行く。そこの野外席でインタビューを受けるのだ。テーマは、たしか里山だったと思うがはっきり思い出さない。ただ、その取材の間にも、ニューヨークで起きた事件について語らずにいられない。いくら新聞記者だってこの時点では、何の情報も持っていない。

ただ、今後のアメリカの対応に不穏な予感がした。黙っていない。おそらく、復讐の戦争が始まるだろう……。

そんな話を記者としていた。

 

それから20年かあ。その今日1日を私は家庭内のごたごたで走り回って汗をかいたのだが……あえてやった仕事を考えると、もうすぐ出版する予定の本に載せる写真のキャプションを書いたことぐらいか。そうそう、11月に発売される谷山浩子の新アルバムを予約したよ。これぐらいだね。明るいニュースは(^_^) 。

 

 

2021/09/09

草原ジャーナリストになる!はずだった……

東京農工大学大学院農学府農学専攻の沖 和人氏らの研究チームが、高圧電線の沿線下の環境には、多種多様なチョウが多数生息していることを確認したそうである。

高圧線に樹木が引っかからないよう伐採を続けた結果、送電線下がチョウの楽園になっていた

なぜなら、送電線の下は、草木が伸びて電線に触れたら危険なので、定期的に刈り取りをしているからである。つまり人工的な草原を作り出していたから。

もう少し具体的に紹介すると、
a:送電線下
b:幼齢の人工林(植栽直後)
c:林道(人工林内の道路)
d:壮齢の人工林(植栽から時間が経過している)

の環境における昆虫(チョウ)を調べたところ、合計62種2123個体のチョウを確認したそうだ。そして送電線下がもっとも多かったというわけである。

森林より草原の方が、ミクロの単位で見ると生物多様性は高いと思っていたから驚かないが、そこで思い出したのは、私がかつて「草原ジャーナリスト」に肩書を変えようと思っていたこと(笑)。
別に大げさな話ではなくて、森林の本ばかり書いていたら面白くないから、次は草原の話を書こう!と思い立ったというわけだ。そして自然草原だけでなく、放牧地や火入れによる人工草原などを訪ねて調べていたのだよ。

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わりと多くの取材をしたのに、結局はものにできなかったから、幻の「草原ジャーナリスト」に終わってしまった。

ただ、草原と森林と分けることの困難さというか、意味のなさも感じたんだよね。むしろ草原と森林が入り交じったモザイク環境こそが、自然界にはよい(生物多様性も高い)ということだ。それに草から樹木の群集へと遷移する・自然は変わり続けるということに気づいたことに意義を感じた。

そして日本では:草原は草を刈り取り続けることで維持される。刈った草は家畜の餌や堆肥に利用できる。これは、人為が入ることで自然を豊かにするという可能性にもつながるのだ。これ、2010年の愛知目標だとか名古屋ターゲットなどで唱えられたSATOYAMAイニシアティブの思想にもつながるのだが、私の方が10年ぐらい速いよ(⌒ー⌒)。

 

 

2021/09/08

マングローブはブルーの炭素を溜める?

伊藤忠商事が、奄美大島でマングローブ「メヒルギ」の植林事業をするというニュースを読んだ。CO2クレジットとしての認証をめざすとのこと。藻場とかマングローブのような海洋生態系に取り込まれた炭素を「ブルーカーボン」と呼ぶそうだが、それを増やす事業である。

この記事自体はさして興味を引かなかったのだが、そこで気になったのは「マングローブは二酸化炭素吸収量が多いことで知られており」という文言だ。えっ、と違和感を持った。

マングローブとは、沿岸部に生える木々の総称だが、海水の中で育つことが特徴だ。若干の汽水域だが、塩分のある中で植物が育つのは大変なこと。塩化ナトリウムを吸収すると生育が阻害されるから、それを排出する仕掛けが必要となり、その分多くのエネルギーを費やす、だから成長は遅いはず……と思っていたのだ。成長が遅ければ二酸化炭素の吸収だって少なめになる。

実際、マングローブ炭が日本に輸入されているが、マングローブの木々の木質は硬くて緻密だからよい炭になるという触れ込みだった。緻密に育つとなると、成長はゆっくりではなかろうか。。。

そこで調べてみた。すると某サイトに「マングローブの二酸化炭素の吸収量は1haあたり年間25~44t-CO2といわれており、日本の森林の二酸化炭素吸収量が10~20t-CO2といわれておりますので、約2倍の温室効果ガス削減が見込まれます。」とある。ま、このサイトはマングローブ植林推進の立場だ。

一般の森林の2倍以上?そんなことあるかなあ。この数字の引用元は「株式会社関西総合環境センター」だそうで、今度はそちらを検索する。

すると関西電力とオーストラリア海洋科学研究所、関西総合環境センターの3社が調べた結果として

マングローブ林は熱帯林(炭素固定能力:5.5tC/ha・年)に匹敵する炭素固定能力(6.9~12tC/ha・年)を有しており、また、土壌中に膨大な炭素を蓄積(1200~6000tC/ha)していることが判明しました。

なんだか数字が違うじゃないか。でも、多いとは書いている。また3年目以降に本格的な成長期を迎え、1年で1メートル、ときに2~3メートルも成長するとある。成長が遅いという予想は外れていたか。

4_20210908170501 沖縄のマングローブ

しかし、私は信用しない(笑)。なんか、怪しい。

ちゃんとした論文はないか。

文字信貴・大阪府立大学農学部教授の「マングローブ林の二酸化炭素交換という論文を発見

マングローブ群落は、泥の中のしかも塩分を含んだ水中で育つため、根に余計なストレスがかかり、生育には不利な環境におかれているため、光合成能も低いのではないか ともいわれている。

初っぱなに、こんな文章が。なるほど、私の想像と重なっている。フツーに考えたら、そう思うよな。ただ、実際に測定してみたところ、

同じ日射量に対しておおむね同程度あるいは少し大きめの二酸化炭素フラックスを示しており、マングローブ林が特別に光合成能力が劣っていることはないことがわかった。なお、低緯度で日射が強いので全体としての光合成量は大きくなる。

おっ、結局は通常の植物(森林)と同じ程度から少し多めの吸収量を示したらしい。光合成能力が劣っているわけではないが、特別大きくもないわけだ。そして最後にあるように、マングローブは熱帯・亜熱帯地方に成立するのだから日光も強くて、その分だけ光合成量は大きく、二酸化炭素も多く吸収することになるらしい。

ただ、もう一つ気になるのは、「土中に膨大な炭素を蓄積している」という点だ。

これはわかる。熱帯雨林だと植物の成長は速いものの、分解も速い。落葉や落枝、枯れた倒木などはあっと言う間に分解されてしまう。だから炭素はあまり土中に溜められない。その点、マングローブの落葉は海水に落ちる。これは腐りにくいだろう。だから海の底に炭素が溜め込まれるのではないか。

しかし、その理屈は温帯林や亜寒帯林と同じだ。腐葉土を多く溜め込む森は炭素を溜め込んでいることになる。日本の陸上の森林だって腐葉土の森林土壌が多い森はいっぱいある。マングローブがそれより優れていると言えるだろうか。

減少著しいマングローブ林を増やす計画は結構なのだが、陸上の森より炭素をたくさん吸収すると言われると、なんだか誇大広告ぽい。

……という結論に至りました(^_^) 。

とまあ、世間の環境に関する言説には怪しいものが多いのよ。これを一つ一つ確認していくのは大変。ただ世間の常識をそのまま信じるのではなく、異論・異説にも目を配りながら見極めていかねばならない。

こんなこと、日常的にやっていると疲れるよなあ。。。。

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