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森と林業の本

2024/05/23

標高1700mのシカ

釈迦岳に登っている最中に、よく出会ったのがシカである。

奈良公園ではシカを見飽きている私だが(^^;)、頂上近くだから標高1700メートル前後までシカが群れを成しているのは驚く。10頭以上が割れているのだ。そして人を恐れない。目の前に石を落としてやると寄ってきた。次に登るときは、鹿せんべいを用意しないといけないヾ(- -;)

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稜線部は風のせいでもあるが、森林が途切れて草原が広がっている。おそらくシカが稚樹などを食べてしまう影響もあるのだろう。もっとも草といってもササとノシバのほかに繁っているのは、バイケイソウである。

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バイケイソウは毒を含むからシカが食べない(とされる。実は食べている報告例もある。腹が減ったらなんでも食うのである)。そのためかバイケイソウだけが残されるらしい。

しかし、こんな標高までシカが上がってきているとは……と思って、先に見たテレビを思い出した。

NHK「ダーウィンが来た」であった「高山に異変。カモシカ大調査」の回に、ニホンカモシカの生息地である高山地帯にシカが上がってきて植物を食べ散らかすのでカモシカが追われているという内容。まあ、番組ではシカを一方的な脅威としていることには異議があるが。
私はシカが無限に増えるとは思っていないし、シカも重要な生態系の一員だと思っているが、シカの増加がほかの動物の生態まで影響を与えるようになったというのは容易ならざる事態である。

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大峰山系でもカモシカは、シカに追われているのかもしれない。ディアラインぽいものもあった。そう言えば、山伏はニホンカモシカを珍しく見たと言っていた。

釈迦岳の自然も今後変わっていくかもしれない。いっそ釈迦岳周辺も奈良公園に編入してしまうとか\(^o^)/ヾ(- -;)

2024/05/22

ちょっと最高峰?に登ってきた

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紀伊半島の最高峰に登ってきた。釈迦岳。1799メートル。

天空の草原を眺めて近畿の屋根を歩く。シカの群れに遭遇し、猿に出会い、リスにタヌキも見かける。そうそう山伏二人にも会った。一人はドイツ人だった。

追記・最高峰は八経ヶ岳だった。1915メートル。残念。

2024/05/06

「ししおどし」の“しし”とは?

いつもの森林公園の湿地に、こんなミニ・ししおどしが仕掛けられていた。そして水車も。

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全体像は、こんな具合。湿地と言っても、一部干上がっている。

水車はいいとして、ししおどしは、竹に水がたまって跳ねると、コツン、と音がする。これで獣を追い払う仕掛けだ。

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ここで、私が気になったのは、「ししおどし」が獅子おどしと変換されたこと。獅子ではライオンになってしまう。正確には、狛犬などに示される想像上の動物の獅子にライオンを当てはめたのだが。しかし、ここではイノシシのことだろう。そう思っていた。

とりあえず気軽に検索してみた。すると、ししおどしは鹿威し」だとある。つまりシカなのだ。おどしも、脅しではなく威し。

意味としては、農作物に寄る獣を追い払う仕掛けの総称であるが、イノシシよりシカだったのか。たしかにししおどしの音では、イノシシはあまり逃げないように感じる。シカは追い払えるかもしれないが、効果は長続きしないだろう。

昔からイノシシよりシカの方が獣害としてはキツかったのか。

この年になって、ししおどしの真の意味を知ったのであった。

 

2024/04/30

伊吹山の森林限界

なんと、伊吹山に登ってきた。滋賀県北部の標高1377メートルの山である。

台湾からの客人が登るというので着いていこうとしたら、登山道の崩壊があり、麓から登るのはダメ。残るルートはドライブウェイ終点からしかないというので、私の車で行ったのであった。ドライブウェイの終点の駐車場の標高は、なんと1260メートルあって、そこから登ると標高差は100メートル程度(笑)なのであった。30分ほどで到着したが、いやあ、きつい山でしたよ(^^;)。

ただ、驚いたのは、たかだか1200~1300メートルの山頂付近には、木がないことである。森林限界を超えていたのだ。そして季節によってはお花畑になるのであった。

この高さ、亜高山帯でさえない。日本の本州で森林限界を超えるのは3000メートル以上だろう。北海道でも2000メートルは必要ではないか?
それなのに、1000メートル付近から木が消えていくのである。

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おかげで、岩山を登る気分で、琵琶湖を見下ろせたのだ。

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お花畑の片鱗も見られた。種名は確認していない。

伊吹山と言えば、歴史的には日本武尊などが登場し、織田信長がポルトガル人の持ち込んだ薬草を栽培させたとか、そして今もヨーロッパ原産の草が生えているとか(異説あり)、いろいろ伝説がある山なのだが、生物的にも面白い。

なぜ低山で森林限界ができるかと言えば、日本海側と太平洋側の両方から風が吹きつける位置的な条件で、水分が少なく、しかも石灰岩質の地質のため、樹木が育ちにくいからだと思う。

そう言えば、伊豆諸島の神津島に行った際も、森林限界を見た。なんと標高300メートル程度の山であった。こちらは、火山性の地質と、やはり周囲からの海風が強くて樹木が育たないからだろう。

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おもろい現象である。

ちなみに伊吹山、山頂に立ったとたんにガスに覆われた。雲の中に入ったみたいで、何も見えなくなった(泣)。雨も降ったのであった。

2024/04/27

道より未知。探検遺伝子の進化論

気がつけば連休。また生駒山に登った。ルートは、いかに人がいない道を選ぶか。このところ生駒山は登山客があふれている。

私は山登りもしくは森歩きでは、できるだけ他人に会いたくない。もし人が前方に見えたら、さっと道から外れる癖がある。そこで、人が滅多に通らない旧道を選んで登り、すぐに下りコースへ。

よい具合に誰とも会わずに進める。わずかに山頂のだだっ広い駐車場で遠くに人影を見た程度。ただ、このまま言えば宝山寺の裏手に出て、また人が多いだろうな……と想像できた。そこに現れたのが、このテープ。

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ん? テープが巻いてあるということは、こちらに道があるということか。

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瞬時にその暗がりのルートを選んでしまった。たしかに道らしい。今まで知らなかったぞ。たしかにところどころに木にテープがあり、ルートを示している。もっとも道と行っても単に茂みの薄いところを進むだけのようなものだが。

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あら。倒木があるということは、長く通る人はいなかったのだろう。もはや道は消えてしまったのかもしれない。

こうなると、もうテープを当てにはしない。自分で通りやすそうなルートを見つけて下る。通りやすい……と言っても、気がつけばブッシュに。木々をかき分けて進むのと同じだ。かなり急な傾斜を滑るように下る。

ワクワクしてきた。知らない風景の中を歩くことに。知った道より未知の道を選ぶのは、我が性だ。私の人生の選択ルールである。

人の遺伝子の中に、DRD4-7Rという遺伝子があり、それがあると新奇性のあるものに触れるとドーパミンを受容するという。つまり知らないものに触れると快感を生じる。快感を感じたくて未知のものに触れたくなる。

だから、この遺伝子を「冒険遺伝子」などと呼ばれる。未知を探して移動を好むから「旅人の遺伝子」ともいう。私は危険を伴った肉体的にきつい冒険は苦手なので、「探検遺伝子」と呼びたい。もしかしたら、探し切れずに迷い遭難するかもしれないから、「遭難遺伝子」かもしれない。

人類の何%かは、この遺伝子を持つ。まあ、あまり強すぎると遭難して消えていく(^^;)ので、ほどほどに冒険し、探検し、生還した人だけが、人類を進歩させたのだろう。

進化論によると、遺伝子の偶然の偏差によってバラエティのある形質が生まれ、その中でたまたま生き残ったものが進化したとされる。人類は、単に肉体的な形質だけではなく、心理的なバラエティとして、この冒険遺伝子があるのかもしれない。それが行動のバラエティを生み出し、進化させる。だからこれも自然選択だ。

ま、私もその末席に座っているということですな。

そうそう、最後はぐだぐだになりつつも、なんとか道の痕跡のあるところに出て、真っ当に帰って来れました。

 

 

2024/04/22

排水溝の中の生態系

長く課題としつつ放置していた問題。それが排水溝の掃除だ。

我が家の前にある排水溝。雨の多いシーズンだし、そろそろ掃除するかな、と思いつつ放置を続けた。面倒くさい……という当たり前?想像どおりの理由だけではない。排水溝の中に多くの草が生えて、ちょっとした生態系ができているから。苔が分厚く繁って、その上にさまざまな草。一部に木本性の植物も見られる。

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苔はスナゴケかハイゴケか。そこにマルバマンネングサが広がり、ハコベやらタンポポやらいっぱい。シンテッポウユリも育っている。壁面にはノキシノブが繁る。そして昆虫?がうようよいる。苔をめくるとミミズもいた。排水溝にしゃがみ込むと、ブンブン耳元で飛び交う小さな虫。

実は、ネコの通り道でもある。我が家に出入りしているネコが、排水溝のトンネルを抜け道にしているところも目撃した。小さなパイプをくぐるみたい。このネコも生態系に入れるか。

掃除するということは、これらの草や苔を取り除くということだ。それに抵抗があって……。が、周辺の家の前の排水溝を見ると、なかなかきれいにしているではないか。。。いつまでも放置してはマズいか。だいたい大雨であふれたら困るだろう。

ちょっと坂道なので水の流れは速くてあふれるというより、落葉や草が流されて詰まる可能性の方が高いかもしれない。

ともあれ、溝すくいをする。

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タンポポもある。

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ウコギっぽい樹木の稚樹。可哀相に思ったが、むしろこういうのが水流を邪魔するわけなので、引き抜く。コンクリートの隙間に根を伸ばしていた。

かくして排水溝の生態系を破壊したのであった (@_@)。

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2024/04/17

切株の上の生態系~マムシグサ

不定期に行っている「切株の上の生態系」シリーズ。

ようは伐られた木の断面の上に、新たな動植物の世界ができている妙を見つけては記録しているのだが、久々に紹介する。

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十津川村のスギ林の中で見つけた。かなり古い切株で、間伐された様子だ。全体が朽ちて苔むしているが、その上に伸びていたのはマムシグサであった。その特徴的な姿が、なんだかアートぽい。

ほかにも、いろいろな草と苔が育っているようだ。実は、ここはもうすぐ皆伐される予定なのだが、果たしてこの切株はどうなるか。残しておいてほしいが、施業の邪魔か。周りには広葉樹も多いので、上手くすれは混交林にもなりそうだけどなあ。

ちなみに本日は、オンラインのパブコメセミナーに出演して、盗伐問題について語る。そこで出た最後の質問。それは、どうしたら盗伐が起きないようにできるか、であった。それには森林環境税は使えないのか、と聞かれた。

これぞ、我が意を得たり。盗伐を防ぐのに今すぐできることはある。それは伐採届の内容をきっちり確認して、施業前後に現地を訪れること。確実にどんな施業をするのか役所の担当者が目で見て指導すれば、たいていの業者は悪さができなくなる。伐採後も確認し、再造林後も確認する。これぞ、最大の盗伐防止策なのだ。

しかし、市町村にはそんな人材がいないし,専門職を置く金もない……と言われるが、そんなことはない。その見本を、この十津川村で見た。

ここには森林の専門家として奈良県フォレスターが派遣されているのだ。この現場も、その伐採届の確認仕事であった。そして奈良県フォレスターの養成と派遣を賄っているのが森林環境譲与税なのである。

セミナーでは、「奈良県ではねえ~」と自慢するのは止めておいたが、すでにやっているのである。そこで見つけた切株の上のマムシグサに、私は「奈良県では(大規模な)盗伐は起きない」と確信したのであった。(この事例は、『盗伐 林業現場からの警鐘』にも書いている。)

2024/03/31

エセ屋上緑化で見た木の根っこ

大阪には、アチコチに屋上庭園を設えたビルディングがある。昨今流行りの緑化である。

たしかに日が照りつける屋上をコンクリートのまましておくと、暖房・冷房ともに光熱費がかさむし、コンクリートそのものの寿命も縮む。土に覆われていたら、適度の水分も保持するから、コンクリートの寿命を伸ばし、土壌が断熱効果をもたらして室内環境もよくするだろう。

その一つ、OCATの屋上を訪れた。

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まあ、こんな具合に芝生の広場と樹林が並び、一角にはレンタル家庭菜園コーナーもあった。ただし、土の地面ではなく、大きな植木鉢?プランター?であったが。ここで金を払って野菜をつくっている人がいるんだ……(^_^) (-_-;)

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レンタル畑コーナー。

そこで、気付いたこと。

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このように太い根が地面を這っている。これは何の木の根だろうか。と追いかけてみると。

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この木は何か名前がからない。スベスベした木肌だが……サルスベリとか(^^;)。

通常でも根が地面から剥き出しで伸びるわけではなかろう。やはり表土部分が薄くて深く伸びられないのではないか。芝生や低木ならなんとかなるが、この木は高さ2メートルぐらいにはなっていたから、根上がりしたのかもしれない。

屋上庭園やら街路樹もそうだが、人工環境で木を植える場合は、やはり木の成長に無理がかかる。昨日のエントリーのような、森林生態系を復元するつもりで厚く土を盛らないとよろしくない。最低でも、深さは1メートルはほしいところだ。でも、厚くすると土の重みで屋上の強度が問われるだろう。

屋上で自然を再生しますとか、家庭菜園を演出するのなら、もう少し本気でつくってほしい。

 

2024/03/30

「大手町の森」を見る

出版を前に東京に行ってきた。

そこで寄り道をしたのが、「大手町の森」。

ご存じだろうか。東京駅近くの大手町は、大企業中心のオフィス街といったイメージだが、その中の大手町ビルには「大手町の森」が設けられている。単なる緑地ではなく、生態系を意識した自然づくりだ。ちょっと前から興味を持っていたので見学してきた。

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なかなか、よろしくつくっていた。土も,草木の種類も十分に研究し尽くして行った模様。千葉の君津から運んだらしい。多種多様、異種異齢の草木を植え付けて、また自然の遷移も意識しているのが見て取れる。ある意味、混交林づくりの実験でもある。

まあ、詳しい実情については、ホームページまでつくっているので、こちらをどうぞ。

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敷地の3分の1を費やした、とあるので、ちょっと期待したが、思っていたより狭かった(^^;)。まあ、仕方ないか。日本一の地価とも言われる地帯だ。これでも大サービスなのだろう。そして、この森をつくることで、資産価値を上げられたら、十分に元が取れる。

何より、周りに森があるビルが素敵に見える。そこにあるカフェはもちろん、ビジネス的なオフィス環境も価値が上がる。

ただ、2枚目の写真にあるとおり、森の周りにも街路樹がある。その街路樹の根元を注意。

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いかにも狭苦しい植樹升。地中にどれだけの土壌を入れているのか知らないが、見苦しそう。空気の流動もないだろう。自然を再生した森を横目にして、街路樹は己の環境を恨んでいるのではあるまいか……。。。

とはいえ、ここで得た知見を元に、今度は森の中に都市環境をつくってほしい。山の伐採跡地に針広混交林づくりを成功させ、その自然の森に調和したオフィス。人々を呼び込めるカフェ。ビジネス街に森ではなく、森林地帯にオフィス環境を。

 

 

 

 

2024/03/23

火星に都市は建設できるか

読み終えた本は、火星が舞台だった。SFでありミステリーでありアクションもてんこ盛りの小説。登場人物も一人一人キャラが立っていて、人生経験や主義主張が光る。よい小説を読んだ……と思ったのだが、実はまったく本筋とは関係のないところで考え込んでしまった。

というのは、前提として火星に人類は移住して都市を建設しているのだ。

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大気の薄い火星では、そのままでは生きていけない。そこでドームのような天蓋を築き、その中に大気を充満させている。地球というか宇宙に出るには衛星ダイモスにつながる軌道エレベーターがあり、そこから宇宙船が発着する。地上に地下に何百万人かが住み、各地に交通網が築かれた都市。

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果たして、そんなものがつくれるのか? と疑問を持ってしまった。

まず材料はどうする? 地球から運ぶのか。たとえば鉄骨など金属建材から樹脂系の素材はどうする。おそるべき量を地球の重力に逆らい宇宙空間に運び、長大な火星までの距離をいかに輸送するか。そして火星の衛星軌道から無事に地上に下ろすのも難しい。それに必要なエネルギーは。莫大すぎて現実的でないように思うのだ。

火星にも鉄鉱石はあるだろう。しかし、それを掘削して、精錬する製鉄所を建てる建材はどうする。そして、やはり燃料。石炭石油などは火星にない。原子力を出力調節するのか。太陽光は弱すぎる。人が住むのに必要な酸素だけでなく、食料も輸送に頼るばかりでは無理だが、自力生産できるか。火星に土壌はないし微生物で分解も期待できない。

研究施設など火星に数百人住む程度の基地なら地球が全面的にバックアップもできるだろうが、万を越える人を移住させるのは無理だ。経済的に持たない。それを少しずつ拡張するとしても、都市として一般住民が住めるようになるまで数百年はかかるのではないか。

それを誰がやる? 従事する人の人生を考えると希望者がいるのか。それとも全部無人のロボットに建設させるのか。……ならば人類が火星に住む必要はなくなる。

今の南極基地と同じである。1年程度の越冬なら科学のため、冒険、探検のためと納得できても、南極に10年住めといわれたら、隊員に応募する人はいるだろうか。いや、一生を南極で過ごせと言われたら。
とりあえず南極に空気はあるし、海産物で食料調達も多少はできる。ペンギンも食べられるだろう。でも、燃料はない。クジラの油を絞るか。補給なしには暮らせまい。火星は、その100倍くらい過酷だ。建設と維持のための経済的負担が高すぎる。

そもそも火星への移動も大変だ。現在のロケットでは数年がかりで到達するが、今後の科学技術で数か月までは縮められるとしても、そんな旅をする宇宙船は建設できるか。そして乗りたがる人はいるのか。酸素も食料も積み込めば、資材はあまり積めない。金属製の宇宙船は、宇宙空間ではすぐに劣化してしまう。また人は人工冬眠技術などを持って代謝を極端に落とした方がいいかもしれない。酸素や食料を節約するために。しかし、健康不安と人生設計に問題がある。

多少とも可能性を考えると、まずは月を改造して、そこに都市を建設することだろうか。地球との距離が近いのは有利だ。そして月で製造した資材を火星へ発射する。引力が弱いからエネルギーをかなり節減できる。一方で太陽光によるエネルギーはかなり得やすいだろう。
しかし月は、大気はゼロ状態で、水もあるかどうか。火星より過酷だ。必要な金属資源等を開発するまでに、莫大な資材を地球から運ばなくてはならない。それで経済的にペイするか疑問だ。

……とまあ、次々と現実の壁を考えてしまったのである。結局、完全な都市が建設されてからでないと、火星への移住者はほとんど現れないだろう。南極も似たようなものだと思う。

まだ太陽系内なら、なんとかなるかもしれない。しかし、太陽系外の別の星系に行くのは、ほとんど不可能だろう。SF等に登場するワープ航法は、今のところまったく論理的にも技術的にも不可能だ。理論的には亜光速までしか出せない。隣のアルファ・ケンタウリまで行くだけで片道数十年かかる。そんな旅路に人間がつくことは無理なのである。

人類は、やはり地球に閉じこもるのが似合っているのだ……。

こんな思考実験をしていると、なぜ地球に人が住めるのか、今後も住み続けられるのかという回答にも行き着くだろう。

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