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森と林業と田舎の本

2022/01/14

海につなげる割り箸の矛盾

中日新聞にこんな記事があった(引用は転載されたdmenuニュース)。

スギ箸使って海を守ろう 海と日本プロジェクト

おお、割り箸見直しか。それにしても海とつなげるとはなかなかの力業。

しかし……。

三河湾に生息するウナギなどの海洋生物を守ろうと、日本財団(東京)が推進する「海と日本プロジェクト」の県実行委は、国産スギの間伐材を用いた割り箸を作り、県内の飲食店に配布している。森林を育成することで川の栄養分を活性化させ、豊かな海洋環境を整えることが狙いだ。

とある。が、そこに持ち出したのが、森林の広葉樹の落ち葉が堆積してできた腐葉土に含まれる「フルボ酸」なのである。まあ、ここまではいい。目をつぶる(笑)。が、実行委の丸崎敏夫委員長(61)は「(腐葉土に必要な落ち葉のない)スギなどの針葉樹林が山に増えすぎたことで、三河湾ではウナギだけでなく、アサリなども減少している」と指摘する。

この指摘はどうかなあ。スギだって落葉するでしょ。スギ林の中を歩けば、いっぱい落葉がたまっている。本当は森を歩いていない証拠。あまりに頭の中だけの森を描いている。そしてウナギやアサリが減っている原因をフルボ酸に決めつけるのも問題あり。私は、別の原因を疑う。とくにウナギは、なにより採りすぎということを隠してはダメだ。シラスウナギを根こそぎ採取したら、そりゃ減るわ。アサリも、まずは砂地が必要だけど、砂防ダムのため砂が激減しているし。

それにスギがダメといいつつ、スギの割り箸を配布するというのは、スギを減らそうという意味?スギを伐採して広葉樹の森にする中で、伐ったスギを割り箸に? その発想では、いつか割り箸の材料がなくなることを願っているのか。


とりあえず「海と日本プロジェクト」は、愛知県内のスギなどの針葉樹の間伐材を用いた割り箸を2万膳製作。東三河を中心に、うなぎ屋や鮮魚関連の飲食店に配布しているそうだ。

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どこで製作したのか。。。最近、割り箸づくりをしたいという町が現れたり、わりと再注目されているのか。私も呼ばれてアドバイス?しているが、割り箸づくりはそんなに簡単じゃない。

なんか、割り箸を見直してくれるのはいいんだけど、もやもや感が残るねえ。




2021/12/19

割り箸の歴史が1300年に!

奈良・平城宮跡(記念公園)に「平城宮いざない館」という展示施設がある。

わりとお気に入りだ。だだっ広いし、無料だし。展示物はそんなに多くないが、古代遺跡からの遺物が並ぶとともに、復元した朱雀門や大極殿や南門……などの建設物の説明もあって、悠久の古代奈良の世界を感じることができる。

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私が散歩に出ると、どうしても山の中に入ってしまうのだが、たまには平坦な道を歩きたい時もある。野外ばかりではなく、施設を訪ねたい時もある。しかし生駒で平坦地は難しい。その時、平城宮跡はもってこいなのだ。130ヘクタール以上の野原なんて、今どきなかなかないよ。しかも歩けば、常に新しい発見がある。そこで今年も押し迫ってきた日に、またこの展示館を訪れたのである。

今回は「いざない館」で重大な発見をした(゚д゚)。

ごみ捨て場の遺跡の解説があったのだが、そこにこんな説明文が。

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読めるだろうか。お箸が大量に見つかっているのだ。しかも、あまり使い込まれていず、食べた後に捨てたらしい。これって……割り箸の起源ではないか!

割り箸とは、何も食べる直前に割るものではない。最初から割った箸もある。むしろ「木を割ってつくった」という意味と捉えるべきだ。基本は素の木製で、使い捨てであること。この発掘された箸は漆などの塗料も塗られていないし、使ってすぐ捨てたとなると、割り箸の定義に当てはまる。

だとすると、割り箸の起源は1300年前に遡れる???

これまで1837年の文献に登場するから誕生もこの頃とする意見も強かったが、拙著『割り箸はもったいない?』で紹介したとおり、1709年の古文書にも「わりばし」という文言が登場していることが郷土史家によって発見されている。300年の歴史があるとされてきた。
が、700年代の奈良時代の遺跡から見つかっているということは……起源は1300年前以上前になるのだよ( ̄^ ̄)。

すごくない? こういう思いを馳せることができるから楽しい。

 

 

 

2021/09/23

コロナ禍の割り箸事情

昨日の続編である。

某所から現在の割り箸需要量の情報が見入った。

まず昨年の輸入統計で見ると、竹箸が37.2億膳。木箸(その他に分類)は104.5億膳。合わせて141.7億膳。これが輸入割り箸だ。中国製が多いとはいえ、ベトナム製も増えている。ほかロシア製も少し混じる。

次に国産割り箸の生産量だが、国全体の統計はない。ただ吉野では1億膳に届かないほど縮小している(奈良県内の製箸主力3組合の20年度の生産量は計9127万5000膳)。金沢の最大手・中本製箸や樹恩割り箸グループなども2億膳いかないだろう。そのほかの産地を合わせても3億膳いくかどうか。国産も10年前の半分になってしまった。

つまり合わせても145億膳程度と推定できる。推計からこぼれ落ちたところもあるだろうが、どうやら150億膳に届かないとみてよさそうだ。昨日の想定以上の減少である。

もちろん、これは昨年だからコロナ禍で飲食店需要が壊滅的になった事情もあるが、仮にコロナ禍後の回復を見込んでも、160億膳から170億膳までもどるか危うい。とくに国産は一度縮んだら回復しにくいだろう。廃業してしまいかねないからだ。

割り箸を使い捨てのファスト・カトラリーから工芸品・木工品へと意識の転換を図るべきではないか。

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吉野の製箸会社と吉野高校などがコラボしてつくった「文様割箸」。1膳550円くらい。こうした工夫でプラ塗り箸の座を狙うべきではないか。

2021/09/22

Y!ニュース「割り箸こそSDGsなアイテム。…」を書いた裏事情

Yahoo!ニュースに「割り箸こそSDGsなアイテム。今こそ復権を」を執筆しました。

9月は全然Yahoo!ニュースの記事を書いていなくて、ヤバいな、これまで最低月2本は書いてきたのに……と少々焦り気味の下旬。別にノルマではない(自分で課したノルマか)何かと忙しかったのですよ、と言い訳しても休業宣言してもいいんだが、とりあえず1本だけでもと、ネタとしては以前から温めてきた割り箸について。ブログでは、すでに幾度も「コロナ禍にこそ割り箸を」とか「ストローを紙にするなら割り箸を」と書いてきたのだから。

ただ驚いたのは、文中にも触れた通り、現在の割り箸需要量の統計が消えたこと。

以前は政府の貿易統計とか業界団体の統計など、いくつかあった(それぞれ数字が違っていた)のに、今はみんな消えてしまっている。白書にも割り箸に関する言及はない。みんな興味を失ったか、そもそも産業として終わったと決めつけたか。

それでも見当としては、ざっと170億膳ぐらい。ただし昨年はコロナ禍で激減しているはずなので、150億~160億膳ぐらいになっているのではないかと推定している。国産割り箸も、以前は5億膳ぐらいは作っていたはずだが、今は半減しているんじゃないかな。

記事には触れなかったが、もう国産割り箸は量で勝負する時期は過ぎて、利益率で勝負すべきだと思う。具体的には高級割り箸の需要開拓を進めた方がよいだろう。とくに家庭用割り箸としてもっと宣伝できないか。我が家では、ずっと吉野杉箸の天削を使っているが、もう快適すぎて塗り箸にもどれない。漆塗料でつるつるの塗り箸よりずっと使いやすい。
大袋100膳入りで550円(税込み)。だとすると、1膳5円前後。年間一人50膳使っても250円なんだから、贅沢というほどのものではない。塗り箸の中には1膳数万円するものもあるし、安物でも1000円くらいはする。(百均のものは塗り箸と言ってもプラ箸か竹箸だろう。)つまり割り箸なら2年間分だ。

ほかにも新たな需要はあるはず。いっそアウトドア用とかバーベキュー用の割り箸なんてのを作り、最後はキャンプファイヤーで燃やしましょう、いやウッドプランクとして新たな調理器材として使いましょう……なんて提案はどうか。

販売量は少なくても利益率が高ければ、商品として成り立つはず。

……とまあ、いろいろ夢見るんだけどね。『割り箸はもったいない?』の続編も書こう、と言い出したのに、どうなるかなあ。

 

2021/09/04

朝日の割り箸記事で考える「割り箸復権の時代」

本日の朝日新聞別刷beに吉野割り箸の紹介があった。それも見開きド~ン!という記事。

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ま、この画像では読めないだろうから、一部を拡大。

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この記事では箸の始まりを考察しているのだが、そこで取り上げるのが江戸時代の『守貞謾稿』に記される「引裂箸」という言葉に言及している。またか……とうんざり。これ、古い資料に繰り返し載っていることの孫引きなのだ。さらに吉野に箸づくりを持ちこんだ人物として杉浦宗庵も紹介しているが、この人物は実在さえ疑われている。私は『割り箸はもったいない?』でだねえ……

と思っていたら、別項に「読む」として箸に関する資料を紹介していた。そこに載せていた。

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『割り箸はもったいない?』について、わりと詳しく紹介している。そして私が見つけた『守貞謾稿』より100年ぐらい古い「わりばし」という記述のある商家の出納簿も、一応紹介している。これを定説としないのは残念だ。それに、『割り箸はもったいない?』は絶版で、ここでいくら紹介してくれても売れないという点でも残念(^^;)。

ところで、割り箸は吉野杉からつくる樽丸(樽の材料)の余材であることを伝え、後半ではへSDGsに合致するんじゃないか、という声にも触れている。私も、持続可能だなんだとSDGsと持ち上げるのなら、もっと割り箸に注目せよ、しかもコロナ禍で衛生概念も問われているんだから、もってこいじゃないか……と幾度も主張しているんだが、なかなか動きがない。こうした記事でも火付け役にならないか……という気持ちになる。

そろそろ割り箸復権、の狼煙を上げられないかなあ。『割り箸はもったいない?』も復権じゃなく復刻しないかなあ。
そうだ、第2弾を書くか (゚o゚;) ! 『割り箸はSDGs!』とか。『希望の割り箸」とか。

もう一点。文中に「吉野の山は杉と檜の混合林で」とある。混合林ではなく混交林だろうが、これ、今ではあまり見られない。でも戦前まではスギとヒノキを混ぜて植えるのが普通だった。こうした変化も読み取ってほしい。

2021/05/13

コロナ禍と割り箸

久しぶりにラーメン屋に入った。これまた久しぶりに、こってり豚骨ラーメンを選ぶ。胃にこたえませんように……。

で、こんな張り紙が目の前にあった。

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通常使われているのは塗り箸とあるが、ようするにプラスチック箸である。が、割り箸があるなら、当然そちらを選ばねば。

というわけで店員に割り箸を要求した。ちゃんと箸袋入りの割り箸が出てくる。まあ、白樺製の元禄箸、中国製だろうが、プラ箸よりはまし。だいたいぬるぬるのラーメンを食べるのにプラスチックでは食べにくいでしょ。ずるずるすするには木の割り箸に限る。

食べ終わって改めて張り紙を読んだのだが、「当店では塗り箸を使用しておりますが、新型コロナウイルス感染拡大防止対策としてアルコールでの消毒を徹底しています。」とある。
それで気がついた。割り箸を注文する人は、コロナウイルスを警戒しているということか。私は、普段からある限りは割り箸を要求するようにしているが、あまりコロナウイルスと結びつけたことはなかった。それでも世間では割り箸の方がウイルス付着の心配がないというイメージが強いのではなかろうか。

ならば、コロナ禍の今こそ、割り箸使用拡大運動を展開できないかなあ。「割り箸は、貴方が割るまで誰も触っていません!」と呼びかけて。

それにレジ袋やストローまで追放するプラスチック排斥運動を行っているのに、箸だけがプラでいいというのはオカシイ。SDGsを持ち出してレジ袋の代わりに紙袋を使うのだから、プラ箸から割り箸へという声を盛り上げたい。

 

アルコール消毒のような手間をかけるのは、コスト高だから店側も歓迎ではないか。

2020/07/10

クロモジ楊枝の復活計画

zoom会議をしていて、ふとひらめいた。クロモジの爪楊枝を普及させられないか。もちろん高級爪楊枝だ。

国産の割り箸は2~3%しかないが、楊枝にいたっては、おそらく99,9%ぐらいが外国産で国産はコンマ以下だろう。ただし、やすい外国産楊枝と張り合っても仕方ないので、高級さを売り物にする。クロモジの爪楊枝は、今でも1本(というのか)5円以上するが、そこは20円ぐらいをめざす。

クロモジは、今やアロマやクロモジ茶、そしてジンのボタニカルとして人気をよびかけているが、やはり本命は楊枝だ(と私は思う)。

なんでも、今ではクロモジの楊枝をつくる職人が全国で一人しかいないというのだが、基本そんなに難しい木材加工ではない。木工経験者ならある程度練習していけば生産できるだろう。日本は木工王国で木工職人も欧米よりずっと多い。ただし、家具などをつくっても売れる時代ではなくなったから、最近はカトラリー(スプーン、フォーク、バターナイフなど)づくりが広がっているという。そこに爪楊枝を加えてもおかしくないはず。ただ、安すぎて儲からないからつくらないだけだ。

仮に売値を20円にしたら、職人は10円受け取る。1日1000本くらい削ったら1万円の収入になる。手削りではなく、機械で成形するのなら、もっと数はこなせるのではないか。若い見習い職人なら、できるように思う。

では、どうして1本20円、100本セットで2000円も払う顧客をつくるか。ここからはアイデア勝負だな。

使い終わった楊枝を使ってクロモジ茶にできます、と売り出すとか。

実は、クロモジには抗ウイルス作用があるらしい。インフルエンザウイルスの繁殖を押さえたという論文を読んだ。この調子でコロナウイルスも?と言い出すと薬事法が恐いが、人気を呼ぶ「機能性食品」ならぬ「機能性カトラリー」にならないか。

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と、まあ、……なんか、いろいろ妄想するのである。

 

 

2020/01/10

「紋様割箸」は使い捨てられるか?

所用があって、吉野高校を訪問したのだが、その玄関を入ったところにあったのが、巨大な根株輪切りであった。

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さすが、吉野林業高校の伝統を引き継いでいる(現在は森林科学科)だけある。

が、私が目を止めたのは、その脇の壁に掛けられていた「紋様割箸」だ。

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これは、吉野が割箸の産地であることを捉えて、何か割箸の新製品を、ということで企画されたものらしい。
ちょうど高校にはレーザー加工機があったので、割箸に美しい紋様を彫ったのである。……ただ驚いたのは、この企画は吉野町と電通とのコラボだということ。紋様も、電通の提供だとか。紋様だって著作権があるので、簡単に貸し出せるものではないのだが……いやはや、なかなかの人脈である。産官学協同プロジェクトらしい。

調べてみると,紋様割箸は、2015年のグッドデザイン賞を受賞していた。
購入できる店は、少ないながらも各地にあるようだ。

なかなか奥が深いのだが、しかし、こんなに美しく彫られた割箸を使ったら、1回ごとの使い捨てはできないだろうなあ。もったいない(笑)。これでは割箸需要は増えないよ~。

 

 

2019/10/25

フジイチの割り箸から多角化を考える

久しぶりの割り箸の話題(笑)。

静岡県天竜(浜松市)の株式会社フジイチという会社がつくっている割り箸をいただいた。おかげで私の割り箸コレクションが一つ増えた。

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フジイチは、自社の山を持って森林経営をしつつ、製材も行っている会社だが、業務の中で割り箸づくりまでしていた。天竜杉の割り箸である。たしか地元の廃業した製箸業者を買い取って復活させたのではなかったか。

今回いただいたのは割り箸と言っても最初から分離しているタイプで、吉野ではシースワロー(現はるか)という会社が開発した「明日香」という種類だったと記憶する。ちょっと普通の割り箸より薄手だが、割り箸として使用に問題はないだろう。木目も細かい。多くが柾目で見た目も美しい。

……と、私の中の「割り箸評論家」成分がうずく(笑)。

最近は割り箸の話題がいまいち出てこない。外食店に入っても、当たり前のように樹脂箸(プラスチック箸)が出てきて割り箸はこちらから注文してもあったりなかったり。しかし、あらためて国産割り箸について考えてほしい。

割り箸の消費量・生産量とも、このところ激減している。ピーク時(約10年前)は年間250億膳を消費と言われたが、近年は180億膳ぐらいだろう。それは外食産業の縮小とともに、樹脂箸が普及したからである。そして割り箸も大半が輸入であり、国産は数%にすぎない。

しかし樹脂箸は、結局洗浄や乾燥に労力とエネルギーを使うので経費は決して安くならないし、従業員の労働強化にもつながる。だいたい営業用樹脂箸は約1年で廃棄されるが、石油製品であるプラスチックは環境にもよろしくない。それを「環境のため割り箸をやめました」なんて表示するのは、ごまかしもよいところだろう。

その点割り箸は、いずれも製材端材(背板)や小径木間伐材、あるいはほかに使い道のない樹種の木材を利用してつくるから木材の有効利用と言えるだろう。林業の末端を支えている存在だ。ただし、価格はどうしても1膳5円くらいになる。中国産が1円前後であるのだから太刀打ちできない。ちなみに中国産を中心とした輸入割り箸は、木製より竹製が増えている。たしかに竹は成長は早いが、すぐにカビが生えるので防腐剤を浸透させている。あまり口に運ぶものとして嬉しくないだろう。

使えない端材、小径木等を割り箸に加工することで価値を付けることは、林業全体に寄与する。なんとか国産割り箸をもっと普及させられないかと気を揉んでいるのだが……。

ただ割り箸製造だけで経営するのは難しいだろう。割り箸は自動化が難しく人手がいるし、専業だと材料の調達から販売まで、不確定要素が多すぎる。いかに他の業態と組み合わせるかが課題だ。その点、フジイチは森林~製材と組み合わせているのだから有利だろう。本当は、ここに消費先としての外食産業も入っていたらベストなのだが。

専業では難しいという点は林業も同じで、スギやヒノキの原木を出すだけでは経営の安定は難しい。需要も価格も乱高下するからだ。森林経営も多角化、生産も多様化しないと落ち着かない。さまざまな木材を生産しつつ、その木材の商品化も多様化する。さらに森林も多様な利用を考えて幅広く収入源にする必要がある。そう考えると、割り箸は林業の縮図なのだ。

国産割りの需要が伸びないのも、国産材の需要が伸びないのも、社会が目先の利益ばかりを追い、環境をないがしろにする構造だからではないか。国産を排除する「絶望」的な状況に取り巻かれているからだろうか。

 

 

2018/08/25

「美の壺」の杉箸

たまたまBSプレミアムで見た「美の壺」。

生活の中のさまざまな「美」を取り上げる番組で、わりとお気に入りなのだが、昨夜放映されたのは、「箸」だった。これまで幾度か箸は扱ってきたはずだが、今回は割り箸が登場するかな? という興味で見ていた。
 
 
すると、いきなり登場したのが吉野杉。
 
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ここで、おや? と思わないだろうか。ま、思うのは割り箸マニアだけかもしれんが(^^;)。
それは、スギの赤身を使うというところ。通常、吉野の割り箸は背板と呼ぶ丸太の周辺部分の材、白太を使うからだ。
 
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そう、ここで紹介されたのは吉野の割り箸ではなく、杉箸。
なるほど、あるのは当然知っているが、どうしても割り箸ばかりに意識していた。もっとも、杉箸だって吉野杉から削りだして、塗装するわけでもない。素の木肌を楽しむ箸だ。その意味では割り箸の中の(最初から2本に分かれている)ランチュウと一緒かもしれない。
ということは、長持ちしないはず。はたして1回使っただけで処分するかどうかはわからないが、長くマイ箸とするものではない。
 
しかし、手づくりですよ。高級品。私も、かつて割り箸取材の中で手削りの箸も取材したが、芸術品ですな。さまざまな形の杉箸がセットになって何千円かしたはず。
我が家のどこかに眠っている(^o^)。
 
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こんな感じ。
 
割り箸とは一線を画しているが、こうした素の木箸も箸文化振興のために広げていけばいいな。
 
ちなみに番組では、当然ながら漆の塗り箸なども紹介しておりますよ。

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