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森と林業と田舎の本

2022/12/20

割り箸使い捨て!

久しぶりに割り箸の取材で吉野へ。

現状と新たな状況を知ることができる。そして何かとお土産?をもらった。

20221220-151152 割り箸の花

ところで気になったのは、目についた吉野割り箸に「らんちゅう」が多かったこと。らんちゅうとは、卵中とも書くが、スギ製で両端が丸くすぼまった形状だが、もともと分離した箸で、割り箸の中では異端だ。が、実は割り箸の中で最高級なのである。

なんでも、今や天削や利久などでも大量生産型になっていて、材料もスギだけでなくヒノキ、エゾマツなどもある。すると安価なものも出回る。結局、最高級割り箸として高価格帯を守れるのはらんちゅうになるのである。しかも背板だけでなく、赤柾、つまり芯材を材料にすることも増えたそうである。吉野杉の赤柾のらんちゅう。もはや、最高級のさらに上級割り箸である。

もはや国産割り箸は、量では中国製、ベトナム製などにかなわない。高級化で対抗するしかない……という話を熱くする(^^;)。

高級割り箸で食べると、美味しくなる。軽くて持ちやすい、木肌の触り具合がいい、何より美しくて木工品として愛でられる。そうした点を打ち出してみやげ物、記念品の需要を喚起する。

それに高級とは言っても、価格は1膳10円程度だ。だいたい一度食べたら捨てることはなくて、何度も繰り返せるではないか。飲食店でも金を払っているのだから、その箸を持ち帰ってもいいではないか。私も、1膳を1週間ぐらいは使う。夕食だけでないから、1膳を10回ぐらいは使っていることになる。それなら1回使用で1円レベル。まとめ買いすれば、1膳5円になるから1回50銭だ。一度の使用ではもったいなくて捨てられない。それほどの工芸価値がある。5回10回ぐらい水洗いしても傷まないし、色つやもよい。

取材ではなく、歓談に行ったのか、アジテートするために行ったのか(笑)。

帰り際に、どっさりらんちゅうをいただいた。いや、その、多すぎる……。

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これはもらった一部。まだまだある。ちょっと多すぎ。これでは、何年経っても使い切れない。もう毎回食べるたびに使い捨てするしかないか。もったいないけど。え? そういや、割り箸とは使い捨てするものだった( ̄∇ ̄;) 。

 

2022/12/06

本当の割り箸の危機

東京滞在中に、ご招待されてうかがったホテルの中華料理店。

まあ、結構な高級店なのだが、そこでテーブルにつくと、目についたのが箸だ。

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割り箸の中でも最高級とされるらんちゅうである。もっとも、自身で割るのではなく先に分離しているから、割り箸の中では異端(^^;)。割り箸の定義にもかかわるのだが……ともあれ、中華料理でもこうした割り箸で食事すると、ワンランク上がった気がする。

ちなみに腐すわけではないが、らんちゅうの幅数ミリの中にある年輪の数を数えて、ちょっと目荒だな、と思った私は意地悪か。年輪幅が2ミリくらいあったのだ。吉野杉の最高級なら1ミリ以下だろう。(写真を拡大してほしい。)

このところ割り箸の話題から遠ざかっていたのだが、先月久しぶりに割り箸について某機関紙に小記事を書く依頼があった。実はあまり気が進まない理由があったのだが、割り箸のことだからと引き受けたのだが……。

先方のテーマは「割り箸の安全性」で、中国製は農薬がどうの、とか言い出す。私は、そんなガセネタは無意味だ、そもそも国産割り箸が消滅の危機にあることを知っているのか、文化に関わる問題なのだと伝えて、そうした視点からなら書くと応えた。一応、了承をえたのだが、本日その初校が届いた。なんか、微妙に手を入れられていて気分悪い。

結局、割り箸を記事に取り上げようという人の意識自体が古いというか実態を把握していないのではないか。

そういや東京で泊まったホテルに朝食が付いているのだが、バイキング方式でプラ箸と割り箸の両方が設置されていた。それ自体が有り難いが、私以外の泊まり客はみんなプラ箸を取っていくのである。もはや割り箸そのものを使う習慣が消えつつあるのかもしれない。

最高級らんちゅうで食事する機会を得たものの、いつまで続くか不安にあるのであった。

 

2022/07/30

自家製お箸は無駄?

先日、山を歩いた際に、コンビニで弁当を買って持って行ったのだが、いざ食べようとしたら箸がなかった(> <;)。

割箸もらったつもりだったんだけどなあ。ザックにはマイ割箸も入っていないし。

手づかみで食うか、とおにぎりを一つ食べたところで、なんだ、つくればいいやん、とナタを取り出す。

近くの木を伐って、枝を削って……意外と面倒(^^;)。ナタだと細かな細工ができん。手に入る木の材質も、箸向きかどうか。

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というわけで、こんな出来ばえで、残りを食ってしまった。正直、自分が食べるだけなのだから手づかみでも枝でもなんでもいいんだね。ほかにパンも持っていたし。

ある意味、自分で箸をつくるというのは、趣味の世界だと今頃感じた次第。出かけたか先で、箸をつくる時間や手間が無駄と思ってはできない。食べている最中に時間をとられたくないと思ったらていねいにつくらないわ。つくるなら、自宅で作業したほうがよいだろう。
今後は、既成の割箸を「マイ割箸」として持つことを忘れないようにしよう。

 

 

2022/07/14

雑誌の付録に「箸」

大阪に出た際にジュンク堂書店に寄ったのだが。

こんなものが山積み。

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なんだ、と思うだろうが、「ミーツリージョナル」という関西圏の老舗タウン情報誌である。「お笑いの街なんば。」特集。

ま、それはいいんだが、なぜかパッケージにお箸が付けてある。何か意味があるのか?

どこにも説明がないのでわからない。まあ、タウン情報と言っても、ほとんどが食べ物屋とお酒の店ばかりである。お箸は、そこで食べるためのものと思えばよいか。

しかし、よくよく見れば、この雑誌、4月発売の5月号ではないか。つまりバックナンバー。それが山積みしているのは、ここが難波店だからだろう。もしかしてお箸を付録に付けたのも版元ではなく書店側なのかもしれない。チラリと写っているのに、上方漫才大賞の文字があるから、その記念品? 受賞した「ミルクボーイ」が表紙を飾っているが、関係あるのかないのか。

お箸もパッケージの中なので確認はできなかったが、木の塗り箸ではあるようだ。プラ箸でないだけマシではあるが、どうせなら割箸にしてほしかった。お店で食べるのだもの。割箸はノベルティにもなることを売り込まないといけないなあ。

 

2022/05/31

下川町の制箸工場が……

北海道下川町の下川製箸株式会社が、先月火事に見舞われ工場、倉庫ともに焼け落ちたことで廃業する模様だ。

下川製箸の割り箸は、シラカバ材でつくる割り箸で、しかも製法がロータリーレースでシラカバ丸太をかつらむきし刻むつくり方。この製法は、大量生産式として、かつて日本の割り箸はこの方式が席巻していたのだが、下川製箸を残してすべて姿を消している。ほかの割り箸製造は、板にしてから削る方式だ。つまり今や日本で唯一の製法である。さらにFSC材で割り箸をつくることでも知られており、こちらもほぼ日本唯一だろう。

つまり、この廃業でどちらも消えることになりそうなのである。

不思議なもので、ちょうど今日は下川町の町有林の林業について書こうとしていたのだが、そこに飛び込んできたこのニュース、残念である。林業に関しては、また改めて。

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手元の湾曲した板が、ロータリーレースで剥き取ったシラカバの単板。これを刻む。

下川製箸

私が訪れたのは、もう10年以上昔だが、惜しいなあ。焼けたロータリーレースの機械の換えが手に入らないことが理由らしい。

あえて考えてみると、もしかしたら中国にあるかもしれない。かつて日本の割り箸製造機がどんどん中国に輸出されて、向うで生産するようになり、それで日本製が壊滅したのだから。そのときに廃業した製箸メーカーが倉庫に残しているようなことがあれば、と思いもするが……。もし、心当たりがある方がいればご連絡ください。

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これも下川製箸で作られたもの。

しかし、もともと割り箸は儲かるビジネスではないので、無理して再建するのも厳しいのかもしれない。
いよいよ日本製割り箸が減っていく。

2022/03/12

割り箸vs塗り箸を吉野で考える

昨日の続き、というわけではないのだが、大淀町の道の駅には、塗り箸も並んでいた。

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吉野にはサクラはもちろん、梅林もあってウメの木も多いが……この塗り箸が、吉野でつくられたかどうかは不明( ̄∇ ̄) 。塗りができる工房があったかのかどうかも私は知らない。

吉野は割り箸の産地だが、塗り箸を忌避するわけではない。以前の割り箸論争の際は、割り箸vs塗り箸といった構図があったが、今やそのレベルの論争は消えてしまった。それほど割り箸は衰弱したとも言えるが、塗り箸も本物なら木製品なのだから、敵視しなくてもよいのだ。

むしろ木質箸vsプラスチック箸と捉えるべきだろう。

プラ箸は、塗り箸をも駆逐しつつある。厄介なのはプラ箸にも漆塗りぽい塗装をしたデザインのものがあることだ。塗り箸の塗りも、漆はごくわずかで、多くが石油系樹脂などだろう。それでも芯が木質なら、ぐっと堪えるが……。

ところで、ウクライナ紛争(もう、戦争と呼んでもいいかもしれない)では、熊本県のメーカーが、ウクライナ国旗の色(青と黄色)に塗られた箸を売り出して、寄付につなげた。
そして今、別のメーカーによる国連加盟国にウクライナ支援塗り箸を配る計画も進んでいる。箸を架け橋にする運動が世界中に広がりつつある。これが実現したら、国連メンバーの旗色も鮮明になるだろう。

 

なお、道の駅には、今は途絶えた「吉野塗」デザインの盆なども陳列されていたんだよね。。。吉野塗、下市塗とも呼ばれる漆器は、江戸時代に栄えたが、明治期に消えてしまっている。今は骨董で扱われるだけ。一目でわかる黒字に朱赤文様なのだが……陳列されていたのは骨董ではなく、近年の作品のようだ。どこかで復興したのか真似たデザインなのか。

 

2022/03/11

吉野割り箸巡り旅

実は昨日、今日と吉野山に行っていた。もちろん仕事である。

そのスタートに道の駅で腹ごなしをした。何気なく選んだから揚げ定食。で、びっくり。

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ちょ、ちょっと量が多すぎるのではないか。。。このから揚げ。ということが言いたいのではなく、箸だ。

これ、最高級割り箸の「らんちゅう」だよ。フツーの定食にらんちゅう割り箸が出てくるなんて、さすが吉野。
おそらく「らんちゅう」割り箸の価格は、小売りなら包装紙付きで一膳20~40円ぐらいはする。バラで1膳なら5~6円ぐらいはすると思う。もちろん産地だけに、もう少し安い仕入れルートがあるのかもしれないが、通常の中国産割り箸なら1円前後だから、やはり高い。しかし定食価格は1100円だったか、そこに含めたらたいした負担にはならないと想像できる。

ちなみに普及版割り箸「元禄」の国産ものなら、3円程度に抑えられるはず。

気をよくして、ちょうど道の駅では木工市が開かれていたので、木のカップと割り箸を100膳購入。

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カップは1000円だが、この天削割り箸は500円(税込)。やはり1膳5円だ。

その後、泊まった旅館では、まず夜は「らんちゅう」が出て、朝食には同じく高級割り箸「利久」。やっぱり心地よい。

どうだ、割り箸を味わいに吉野を巡らないか。(料理はともかく? いやいやいや。。。女将は「吉野川で採れた鯛の刺身をどうぞ」と言っていたが。)

……もっとも最後の店でお昼に柿の葉寿司とうどんを食べた際に出たのは、どうも中国製らしき「元禄」であった。これは締まらない。

2022/02/17

今頃振り返る、割り箸論争

久しぶりというか、割り箸のことが朝日新聞に掲載された。

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割り箸輸入量の激減を紹介しているのだが、昨秋に、このブログでも紹介したとおり。

コロナ禍の割り箸事情 

Y!ニュース「割り箸こそSDGsなアイテム。…」を書いた裏事情

ただし、数字は違う。拙ブログでは、竹箸が37.2億膳、木箸(その他に分類)は104.5億膳。合わせて141.7億膳。 こちらは、昨秋に昨年の統計として紹介したのだから2020年。この新聞記事は、138億膳としているが、これは2021年か。さらに4億膳ほど減ったことになる。コロナ禍だけに原因を求めていいのかどうか。テイクアウトの場合、箸はどうなっているのかも気になる。

記事で気になるのは、東大の井上雅文教授の研究で、割り箸(端材、間伐材、輸入)とプラ箸の環境負荷(主に温室効果ガス)を比較していることだ。ここでは端材割り箸がもっとも優秀としている。二番手が間伐材割り箸で、次がプラ箸。中国輸入割り箸がもっとも悪いという結果。
ちなみに間伐材というのは語弊を招くが、おそらく細い丸太をみかん割にして箸にする製造法のことだろう。プラ箸を3番手にしているが、洗浄による水質の悪化などの環境負荷も加えたら別の数字も出るかもかれない。さらに塗り箸(木製)はどうなるか。漆塗りはほとんどなく、多くは石油系塗料だと思うが。

この手のデータは、もっと世間に訴えるべき材料ではないか。

私も、これからは割り箸にこだわらず箸全般に目を配りたい。

 

 

2022/01/14

海につなげる割り箸の矛盾

中日新聞にこんな記事があった(引用は転載されたdmenuニュース)。

スギ箸使って海を守ろう 海と日本プロジェクト

おお、割り箸見直しか。それにしても海とつなげるとはなかなかの力業。

しかし……。

三河湾に生息するウナギなどの海洋生物を守ろうと、日本財団(東京)が推進する「海と日本プロジェクト」の県実行委は、国産スギの間伐材を用いた割り箸を作り、県内の飲食店に配布している。森林を育成することで川の栄養分を活性化させ、豊かな海洋環境を整えることが狙いだ。

とある。が、そこに持ち出したのが、森林の広葉樹の落ち葉が堆積してできた腐葉土に含まれる「フルボ酸」なのである。まあ、ここまではいい。目をつぶる(笑)。が、実行委の丸崎敏夫委員長(61)は「(腐葉土に必要な落ち葉のない)スギなどの針葉樹林が山に増えすぎたことで、三河湾ではウナギだけでなく、アサリなども減少している」と指摘する。

この指摘はどうかなあ。スギだって落葉するでしょ。スギ林の中を歩けば、いっぱい落葉がたまっている。本当は森を歩いていない証拠。あまりに頭の中だけの森を描いている。そしてウナギやアサリが減っている原因をフルボ酸に決めつけるのも問題あり。私は、別の原因を疑う。とくにウナギは、なにより採りすぎということを隠してはダメだ。シラスウナギを根こそぎ採取したら、そりゃ減るわ。アサリも、まずは砂地が必要だけど、砂防ダムのため砂が激減しているし。

それにスギがダメといいつつ、スギの割り箸を配布するというのは、スギを減らそうという意味?スギを伐採して広葉樹の森にする中で、伐ったスギを割り箸に? その発想では、いつか割り箸の材料がなくなることを願っているのか。


とりあえず「海と日本プロジェクト」は、愛知県内のスギなどの針葉樹の間伐材を用いた割り箸を2万膳製作。東三河を中心に、うなぎ屋や鮮魚関連の飲食店に配布しているそうだ。

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どこで製作したのか。。。最近、割り箸づくりをしたいという町が現れたり、わりと再注目されているのか。私も呼ばれてアドバイス?しているが、割り箸づくりはそんなに簡単じゃない。

なんか、割り箸を見直してくれるのはいいんだけど、もやもや感が残るねえ。




2021/12/19

割り箸の歴史が1300年に!

奈良・平城宮跡(記念公園)に「平城宮いざない館」という展示施設がある。

わりとお気に入りだ。だだっ広いし、無料だし。展示物はそんなに多くないが、古代遺跡からの遺物が並ぶとともに、復元した朱雀門や大極殿や南門……などの建設物の説明もあって、悠久の古代奈良の世界を感じることができる。

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私が散歩に出ると、どうしても山の中に入ってしまうのだが、たまには平坦な道を歩きたい時もある。野外ばかりではなく、施設を訪ねたい時もある。しかし生駒で平坦地は難しい。その時、平城宮跡はもってこいなのだ。130ヘクタール以上の野原なんて、今どきなかなかないよ。しかも歩けば、常に新しい発見がある。そこで今年も押し迫ってきた日に、またこの展示館を訪れたのである。

今回は「いざない館」で重大な発見をした(゚д゚)。

ごみ捨て場の遺跡の解説があったのだが、そこにこんな説明文が。

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読めるだろうか。お箸が大量に見つかっているのだ。しかも、あまり使い込まれていず、食べた後に捨てたらしい。これって……割り箸の起源ではないか!

割り箸とは、何も食べる直前に割るものではない。最初から割った箸もある。むしろ「木を割ってつくった」という意味と捉えるべきだ。基本は素の木製で、使い捨てであること。この発掘された箸は漆などの塗料も塗られていないし、使ってすぐ捨てたとなると、割り箸の定義に当てはまる。

だとすると、割り箸の起源は1300年前に遡れる???

これまで1837年の文献に登場するから誕生もこの頃とする意見も強かったが、拙著『割り箸はもったいない?』で紹介したとおり、1709年の古文書にも「わりばし」という文言が登場していることが郷土史家によって発見されている。300年の歴史があるとされてきた。
が、700年代の奈良時代の遺跡から見つかっているということは……起源は1300年前以上前になるのだよ( ̄^ ̄)。

すごくない? こういう思いを馳せることができるから楽しい。

 

 

 

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